キョンシー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

キョンシー(殭屍(キョウシ)、広東語読みでgeung1si1、ピンイン:Jiāngshī(ジャンシー))とは、中国妖怪の一種で長い年月を経ても腐乱することのない死体のことをいう。

日本では1980年代後半から映画『霊幻道士』、『幽幻道士』等の作品によって一大ブームとして知られた。「キョンシー」という呼称は当時の映画配給会社、東宝東和の菅野陽介によって命名された。

目次

[編集] 起源

出典としてはからの時代にかけて様々に存在し、一番有名なものとして「閲微草堂筆記」という時代の小説がある。また、西遊記にも僵尸が登場し一行に三度おそいかかる。2度偽の死体を残し逃げ去り3度目に孫悟空如意棒に倒され、背骨に白骨婦人という名をもつ正体をあらわした。(この際、悟空は三蔵法師からいったん破門される破目になる)。

死蝋現象に相当するものであり、腐敗しない死体の原因については、埋葬地の気候や地質的要因の可能性が高いと考えられるが、現物が出た、あるいは調査したという報告はまだない。

一部映画にて、古来中国湖南省よりの出稼ぎ人の遺体を道士が故郷へ搬送する手段が始まりという伝承が紹介されている。

[編集] 映画・テレビでの設定

主に映画によって吸血鬼ゾンビのイメージに当てられたキョンシー像が作り上げられているが民俗学上根拠はなく、全くの創作である。

[編集] キョンシーの出現

  • なんらかの事由によって風水的に正しく埋葬されていない者が、人間にある三魂七魄(霊魂参照)のうち魂がなくなりのみもつキョンシーになる。
  • なんらかの事由によって、恨みや嫉みによってこの世を去った者が、死後も魄・怨念をもつことによりキョンシーになる。
  • 符呪師や道士符呪や儀式により、故意的に埋葬されていない死体に魄を入れることによりキョンシーとなる。

[編集] キョンシーの特徴

[編集] 身体の特徴

  • 死体であるため身体は硬く、ほとんどの関節は曲がらない。
  • 映画、テレビでは清朝時代の中国における正装である満州族の帽子と服を身に着けているが、伝承では明朝の儒者の服装の例もあるのでこれは単に昔の埋葬者のためである。
  • 足首のみを利用して跳ねるように移動する。バランスをとるために腕を前に伸ばす。
  • 魄が宿っているため、死体の爪が伸びている。
  • 基本的に死体であるため腐敗臭がする。
  • 日光にあたると崩れ、溶けたり燃えたりする。
  • 夜行性であり、満月の夜は特に狂暴となる。
  • 額に符が貼られていると、身動きが取れなくなる。また、道士の思い通りに動かすことができる。(コンシーと呼ばれる場合がある。)
  • 自分の姿を映し出されるに弱く、近づけない。
  • 硬直は時間とともに治るので、そのうち2足で歩いたり走ったりすることができる。

[編集] 攻撃の特徴

  • 生き血を求め、人間や動物の頸動脈を狙い咬み付く。
  • 人間の吐く息を嗅ぎつけて襲ってくる。
  • 毒素の入った爪で握ったり、刺して攻撃をする。
  • 空中を飛ぶ能力を持つと、飛殭(フェイキョン)、更に力を持つと屍尢となるが、映画では特に呼称は代わっていない。
  • キョンシーに咬まれた者もキョンシーになる。(キョンシーとなった者を、バンバンシーと呼ぶ場合もある。)
  • 硬直が解けた場合、そのキョンシーが生前に中国武術を得ているのならば、通常のように技が可能となる。

[編集] 守備の特徴

  • 死体であるのと同時に硬化しているため、はあまり効かない(最新兵器や特殊な武器は除く)。
  • 冷気を口から出し、蒸気によって目くらましができる。
  • 倒れても滑るように移動することができる。または体を曲げずに「起き上がりこぼし」の要領ですぐに立つ事ができる。

[編集] キョンシーへの対処

[編集] 一般の対処

  • ゆで卵もち米を噛まれた傷に当てることで毒を緩和できる。
  • 子供(童貞)の小便、雌鶏の血、もち米(蒸す前のもの)をかける。
  • 牙や爪を削ることで凶暴性を抑えられる。

[編集] 修行を積んだ者(道士など)の対処

  • の木で作った剣(桃剣)、清めた銭で作った剣(銭剣)によってダメージを与えられる。
  • 道術を使って退治する。
  • 自分の血を額につけることで動きを封じる。
  • 額に符が貼られたキョンシーを扱い、キョンシー同士で戦わせる。

[編集] 霊幻道士シリーズ

霊幻道士』はキョンシー・ブームの火付け役となった最も有名な作品。

1作目 - 4作目までは製作サモ・ハン・キンポー。主演はラム・チェンイン(完結編を除く)。

霊幻道士元祖シリーズ(サモハン・ホラー3部作)とその続編。

[編集] 幽幻道士シリーズ

幽幻道士』は日本でもなじみの深い台湾製のテレビドラマ作品。キョンシーのほか、特殊霊魂というキャラクターが人気を博した。

主演はテンテン役の劉致妤リュウ・ツーイー、現シャドウ・リュウ)。

[編集] キョンシーを題材にしたその他の作品

[編集] 映画、ドラマ

  • 霊幻少林拳(原題:茅山殭屍拳、1979年)
  • 霊冥道士 キョンシーキッド(原題:好水的下一括、1981年)
  • 精霊兄弟 キョンシーブラザース(原題:(湘西[走旱]屍、1981年)
  • 霊幻追鬼(原題:追鬼七雄、1982年)
  • ドラゴン特攻隊(原題:迷[イ尓]特攻隊、1982年)
  • ドラゴンキョンシー(TV放映題:再来!キョンシーズ)(原題:殭屍翻生續集・大家撥財、1986年)
  • キョンシー大魔王(原題:中華第一隻殭屍、1986年)
  • 幽霊道士(原題:殭屍少爺、1986年)
  • キョンシーアーミー 精霊師団(TV放映題:霊幻道士)(原題:殭屍發威、1986年)
  • キョンシーアーミー2 精霊師団2(TV放映題:霊幻道士)(原題:殭屍發威、1986年)
  • カンフー・ゾンビ(原題:鳥龍天師招積鬼、1986年)
  • キョンシーキッズ 精霊道士(原題:精霊寶寶/殭屍怕怕、1986年)
  • 復活・魔女の呪い アマゾネス・キョンシーの謎(原題:猛鬼迫人、1986年)
  • キョンシーグーニーズ 呪われた秘宝 (原題:屍小子、1987年)
  • キョンシーvs五福星(原題:歓楽五福星、1987年)
  • キョンシー・チャイルド 精霊夢童子(原題:小祖宗、1987年)
  • 骸骨キョンシー(原題:艷鬼凶靈、1988年)
  • ギャンブル・キョンシー 霊幻襲撃(原題:不明、1988年)
  • リトル・キョンシー 幽霊王子(原題:不明、1988年)
  • ベビーキョンシー(原題:不明、1988年)
  • キョンシー・クエストI 妖怪一家の大冒険(原題:殭屍 大閙西門街、1988年)
  • 激突!キョンシー小僧VS史上最強のカンフー悪魔軍団(別題:少林寺vs霊幻道士)(原題:不明、1988年)
  • キョンシーの大逆襲(原題:殭屍復活、1988年)
  • ロボハンター 霊幻暗黒團大戦争(原題:ROBO VAMPIRE、1988年)
  • ロボ道士 エルム街のキョンシー(原題:THE VAMPIRE IS ALIVE、1988年)
  • 必殺!ムーンウォーク拳キョンシーマン(原題:REVENGE OF THE VAMPIRE、1988年)
  • 新・キョンシーズ(原題:殭屍訓練營、1988年)
  • ラスト・キョンシー(原題:哈哈小殭屍、1988年)
  • キョンシー・クエストII 大霊界から来たUFO(原題:不明、1989年)
  • ブッシュマンvsキョンシー(旧題:コイサンマン キョンシー アフリカへ行く)(原題:非洲和尚、1991年)
  • キョンシーvsくの一(原題:[走旱]屍先生、2001年)
  • ツイ・ハークの霊戦英雄伝(原題:美麗傳説、殭屍大時代、2002年)
  • 少林キョンシー(原題:少林殭屍、2004年)
  • 幻遊伝 タイムトリッパー・幻遊伝(原題:神遊情人、2006年)
  • 獣拳戦隊ゲキレンジャー(2007年、※但し「キョンシー」ではなく「リンシー」名義)

[編集] ゲーム

[編集] 漫画

[編集] 児童書


[編集]

[編集] 関連項目