フランケンシュタイン

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『フランケンシュタイン』(1931年出版)の内表紙

フランケンシュタイン』(Frankenstein)は、メアリー・シェリー1818年3月11日に匿名で出版したゴシック小説『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』(Frankenstein: or The Modern Prometheus[1]の日本における書名の一つ、あるいは同書の主人公であるスイス科学者の名前である。今日では1831年の改訂版が出回っている。

今日までにこの小説を元にして数多くの映画他、フィクション作品が製作されている。

目次

[編集] 概要

フランケンシュタインの怪物

ゴシック小説の一つに数えられるのが一般的であるが、同時にロマン主義の小説とする見方もある[2]。科学技術を背景とする着想が見られることなどから、多くの作家や評論家たちが、この小説を最初のSF小説としている。

しばしば誤解されるが、フランケンシュタインは人造人間の名前ではなく、それを作った科学者(ヴィクター・フランケンシュタイン)の姓である。映画漫画に登場する人造人間が、フランケンシュタインと呼ばれることが多いが、正確には、フランケンシュタインのクリーチャー被造物)(Frankenstein's creature)あるいはフランケンシュタインの怪物Frankenstein's monster)である。日本では後者で呼ぶことが多い。このような呼ばれ方をするのは、フランケンシュタインが人造人間に名前を付けなかったので、固有の名前を持っていないからである。

なお、後の映画作品などでフランケンシュタインが博士とされていることもあるが、原作では一介の学生であり職業科学者ではない。


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


[編集] ストーリー

小説は、北極探検隊の隊長ロバート・ウォルトンが姉に向けて書いた手紙という形式になっている。 ウォルトンは北極点に向かう途中、北極海で、衰弱した男性を見つけ、彼を助ける。彼こそがヴィクター・フランケンシュタインであり、彼はウォルトンに自らの体験を語り始める。

スイスの名家出身の青年、ヴィクター・フランケンシュタインは科学者を志し故郷を離れてドイツで自然科学を学んでいた。だが、ある時を境にフランケンシュタインは、生命の謎を解き明かし自在に操ろうという野心にとりつかれる。そして、狂気すらはらんだ研究の末、『理想の人間』の設計図を完成させ、それが神に背く行為であると自覚しながらも計画を実行に移す。自ら墓を暴き人間の死体を手に入れ、それをつなぎ合わせることで11月のわびしい夜に怪物の創造に成功した。

しかし、誕生した怪物は、優れた体力と人間の心、そして、知性を持ち合わせていたが筆舌に尽くしがたいほど容貌が醜かった。そのあまりのおぞましさにフランケンシュタインは絶望し、怪物を残したまま故郷のスイスへと逃亡する。しかし、怪物は強靭な肉体のために生き延び、野山を越えて遠く離れたフランケンシュタインの元へ辿り着いた。自分の醜さゆえ人間達からは忌み嫌われ迫害され、孤独のなか自己の存在に悩む怪物は、フランケンシュタインに対して自分の伴侶となり得る異性の怪物を一人造るように要求する。怪物はこの願いを叶えてくれれば二度と人前に現れないと約束するが、更なる怪物の増加を恐れたフランケンシュタインはこれを拒否してしまう(フランケンシュタイン・コンプレックス)。創造主たる人間に絶望した怪物は、復讐のためフランケンシュタインの友人・妻を次々と殺害。憎悪にかられるフランケンシュタインは怪物を追跡し、北極海まで来たが行く手を阻まれ、そこでウォルトンの船に拾われたのだった。

全てを語り終えたフランケンシュタインは、怪物を殺すようにとウォルトンに頼み、船上で息を引き取る。また、ウォルトンは船員達の安全を考慮して、北極点到達を諦め、帰路につく。そして、創造主から名も与えられなかった怪物は、創造主の遺体の前に現れ、彼の死を嘆く。そこに現れたウォルトンに自分の心情を語った後、北極点で自らを焼いて死ぬために北極海へと消えた。

[編集] 文献

[編集] 原著の日本語訳

  • 『巨人の復讐 フランケンシュタイン』 山本政喜訳(「世界大衆文学全集」第11) 新人社 1948年
  • 『フランケンシュタイン』 宍戸儀一訳 (「サスペンス・ノベル選集」第4) 日本出版協同 1953年
  • 『フランケンシュタイン』 山本政喜訳 角川文庫 1968年、改版1994年
  • 『フランケンシュタイン』 臼田昭訳 (ゴシック叢書6:国書刊行会)、1979年
    • 内容.フランケンシュタイン、変身、寿限有の寿限無/(臼田昭解説.シェリー夫人の生涯と作品)
  • 『フランケンシュタイン』 森下弓子訳(創元推理文庫東京創元社) 1984年 ISBN 4488532012
    • 解説は新藤純子、詳細な年譜入り。
  • 『フランケンシュタインあるいは現代のプロメシュース』 菅沼慶一訳 共同文化社 2003年 ISBN 4877390871
  • 『フランケンシュタイン』 小林章夫訳、光文社古典新訳文庫、2010年10月

[編集] 関連文献

[編集] フランケンシュタインに関する創作

ストーリーに込められたメッセージ性などからたびたび映画化されているが、人造人間の容貌が醜いとされることから、原作でのその繊細な側面は無視され、知性の低いモンスターとして扱われる事が多く、また後世にはパロディ化されている。フランケンシュタインの怪物をモチーフとしたキャラクターは多くの作品に登場している。

各作品についての詳細は下記の関連テンプレート、または「カテゴリ:フランケンシュタインをベースとしたフィクション作品」、「カテゴリ:フランケンシュタインを題材とした映画作品」参照。

[編集] 脚注

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  1. ^ プロメテウス(プロメーテウス)は、ギリシア神話において、人間に火(知恵)を授け、一説には人間を創造したとも言われる神のこと。詳細は当該ページを参照。
  2. ^ 新藤純子 『『フランケンシュタイン』の過去・現在・未来(創元推理文庫版解説)』 東京創元社〈創元推理文庫〉、東京、2009年4月3日、第25版、298-323頁(日本語)。ISBN 978-4-488-53201-7

[編集] 関連事項

[編集] 外部リンク

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