中園ミホ
中園 ミホ なかぞの みほ | |
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左:俳優の辰巳琢郎と(2007年) | |
プロフィール | |
本名 | 中園 美保 |
誕生日 | 1959年7月16日(65歳) |
出身地 | 日本 東京都中野区 |
主な作品 | |
テレビドラマ |
『Age,35 恋しくて』 『やまとなでしこ』[1] 『スタアの恋』 『anego[アネゴ]』[1] 『ハケンの品格』[1] 『はつ恋』 『Doctor-X 外科医・大門未知子』シリーズ[1] 『花子とアン』[1] 『トットてれび』 『西郷どん』 『ザ・トラベルナース』 |
受賞 | |
第33回放送文化基金賞 脚本賞(2007年) 放送ウーマン賞2007 脚本家 『ハケンの品格』 第21回橋田賞(2013年) 第31回向田邦子賞(2013年) 『はつ恋』『Doctor-X 外科医・大門未知子』 東京ドラマアウォード2015 脚本賞 『花子とアン』 |
中園 ミホ(なかぞの ミホ、1959年7月16日 - )は、日本の脚本家。
本名は中園 美保(読み同じ)。日本大学第二高等学校[2]、日本大学芸術学部放送学科卒業[3]。2010年度から日本大学芸術学部客員教授を務める。
略歴
[編集]東京都中野区生まれ。10歳で父を、19歳で母を病気で亡くす。
大学卒業後、広告代理店に入社。社の同僚がシナリオ講座に申し込んだものの行けなくなったため、その代わりとしてノートをとるため、シナリオ講座に参加した。1年3か月で広告代理店を退職したのち、コピーライター、四柱推命の占い師などの職業を経験。偶然知り合った脚本家の田中陽造の清書係に就く。その後、同じく脚本家の桃井章と知り合い、桃井の妻を世話するなど懇意になり、これらをきっかけにシナリオライターとなる。
1988年、『ニュータウン仮分署』でデビューする。脚本家で生きていく決心をしたのは、1993年に34歳で未婚のまま長男を産んだ時だといい、家で子供を育てながら続けられるのは脚本家しかないと覚悟を決めたという[4]。長男の出産後、1995年のフジテレビ月9ドラマ『For You』で復帰。同作品では主演の中山美穂が未婚の母親を演じたが、これには中園自身の未婚の母としての経験が反映されているという[5]。
連続ドラマの代表作に、フジテレビの『Age,35 恋しくて』『やまとなでしこ』『スタアの恋』、日本テレビの『anego[アネゴ]』『ハケンの品格』、テレビ朝日の『Doctor-X 外科医・大門未知子』、NHK連続テレビ小説『花子とアン』などがある。
2007年、ドラマ『ハケンの品格』の脚本で放送文化基金賞を、2008年には放送ウーマン賞2007を受賞。
2013年、橋田賞を受賞。ドラマ『はつ恋』、『Doctor-X 外科医・大門未知子』で向田邦子賞を受賞。
2015年、ドラマ『花子とアン』で東京ドラマアウォード2015脚本賞を受賞。
2007年に初のエッセイ『恋愛大好きですが、何か?』を、2009年に林真理子、大沢在昌、山本一力との共作で『売れる小説の書き方。』を、2016年には著書『ぐーたら女の成功術』をそれぞれ出版した。
最近では脚本業のかたわら、トークショーに出演し、自身の経験を語る機会が多くなっている。
自身が監修したグループ相性診断・性格診断のWEBサービス「だったら!マンダリアン!」を2024年2月29日にリリースした[6]。
当初は本名名義だったが、占い師だった経験から、のちに画数の良い“中園ミホ”に改名した。
人物
[編集]- 占いとの出会いは中学生の頃。母と親しかった占い師・今村宇太子に誰も知らないはずの心の内までずばりと言われたのがきっかけ。広告代理店退職後、24歳で今村のアシスタントとなった[7]。有名政治家や企業のトップも占ったことで、人間の表面で見せる立派な顔より裏側のほころびの方がチャーミングだと気づき、人間の見方を覚えたといい、このときの経験が脚本家に生かされていると語っている。[4]
- 「取材力の中園ミホ」と称されるように、マーケティングリサーチが得意な書き手の1人であり[8]、『ハケンの品格』の脚本を書くにあたっても数多くの派遣社員の実態を取材したため、派遣社員の実態に同情的である。2007年11月12日に放送されたNHKスペシャル『1000人にきく ハケンの本音』にゲスト出演した際には、同じくゲスト出演し、隣に座っていた奥谷禮子の「派遣社員は幸せである」との、派遣社員の実情を無視した断定的意見に対し、「この(座席)間に深くて大きな川が流れているような気がしたんですけど」と異を唱えた[9][要ページ番号][10]。
- 本人曰く、「自分はなまけものだから、全部脚本書いてやろうと思わないです」。実際、大部分を中園が書いているものの、他の脚本家が1、2話書いているドラマが多い。
- 『やまとなでしこ』での神野桜子の人生観は、中園本人の考え方と相通じるところが多いという。
- 中園は「権力にすり寄らず、自分の足で立ち、自分の考えで動く人」[4]をいい女と考え、「女性たちの生の声を聞き、それを描いて、彼女たちを応援する」[11]ためにドラマを執筆していると語っている。
- 代々木ゼミナールの人気数学講師の岡本寛は小学校時代の同級生であり、自身の代表作『やまとなでしこ』の中原欧介役(演:堤真一)は彼をモデルにしているという。また中原の台詞に使われた公式、証明、定理などは岡本が監修。
- テレビ局から企画を持ちかけられ、明石家さんまを主演に脚本を書いたが、さんまのスケジュールが取れずお蔵入りになったことを『さんまのまんま』出演時に明かしている[12]。
- 『花子とアン』放送当時、同作と合わせて直後に生放送される『あさイチ』も視聴し、同キャスター陣が行う「朝ドラ受け」(詳細は「あさイチ」を参照)も楽しんでいた。本人曰く「朝ドラ受けあっての朝ドラ」[13]。
- パソコンでの文字入力は、親指シフトを使っている[14]。
- 少女期より『徹子の部屋』が毎日のように見る程大好きで、社会人となったOL時代には就業中にこっそり会議室で見てしまい、上司から呆れ顔をされた[15]。
脚本作品
[編集]テレビドラマ
[編集]連続ドラマ
[編集]- ニュータウン仮分署(1988年、テレビ朝日)
- 君のためにできること(1992年、フジテレビ)
- 白鳥麗子でございます!(1993年、フジテレビ)
- For You(1995年、フジテレビ)
- Age,35 恋しくて(1996年、フジテレビ)
- Dear ウーマン(1996年、TBS)
- 不機嫌な果実(1997年、TBS)
- ラブとエロス(1998年、TBS)
- 恋の奇跡(1999年、テレビ朝日)
- 恋愛中毒(2000年、テレビ朝日)
- 20歳の結婚(2000年、TBS)
- やまとなでしこ(2000年、フジテレビ)
- 氷点2001(2001年、テレビ朝日)
- スタアの恋(2001年、フジテレビ)
- ぼくが地球を救う(2002年、TBS)
- ハコイリムスメ!(2003年、関西テレビ)
- 南くんの恋人(2004年、テレビ朝日)
- anego[アネゴ](2005年、日本テレビ)
- プリマダム(2006年、日本テレビ)
- ハケンの品格(2007)(2007年、日本テレビ)
- OLにっぽん(2008年、日本テレビ)
- コールセンターの恋人(2009年、テレビ朝日)
- ナサケの女〜国税局査察官〜(2010年、テレビ朝日)
- 下流の宴(2011年、NHK)
- 専業主婦探偵〜私はシャドウ(2011年、TBS)
- はつ恋(2012年、NHK)[16]
- Doctor-X 外科医・大門未知子 第1シリーズ(2012年、テレビ朝日)
- Doctor-X 外科医・大門未知子 第2シリーズ(2013年、テレビ朝日)
- 花子とアン(2014年、NHK連続テレビ小説)
- Doctor-X 外科医・大門未知子 第3シリーズ(2014年、テレビ朝日)
- Dr.倫太郎(2015年、日本テレビ)
- トットてれび(2016年、NHK)
- Doctor-X 外科医・大門未知子 第4シリーズ(2016年、テレビ朝日)
- 西郷どん(2018年、NHK大河ドラマ)[17][18]
- Doctor-X 外科医・大門未知子 第6シリーズ(2019年、テレビ朝日)
- ハケンの品格(2020)(2020年、日本テレビ)[19]
- 七人の秘書(2020年、テレビ朝日)[20]
- Doctor-X 外科医・大門未知子 第7シリーズ(2021年、テレビ朝日)
- ザ・トラベルナース (2022年、テレビ朝日)
- あんぱん(2025年、NHK)[21]
単発ドラマ
[編集]- 世にも奇妙な物語 '90秋の特別編「幸福の選択」(1990年10月4日、フジテレビ)
- 世にも奇妙な物語 '91冬の特別編「王様の耳はロバの耳」(1991年1月3日、フジテレビ)
- 世にも奇妙な物語 '91春の特別編「朝まで生殺人」(1991年4月4日、フジテレビ)
- 世にも奇妙な物語 '91秋の特別編「ニュースおじさん」(1991年10月3日、フジテレビ)
- 大人は判ってくれない「素晴らしき日曜日」(1992年2月20日、フジテレビ)
- Dear ウーマン スペシャル (1997年4月6日、TBS)
- やまとなでしこ ディレクターズカット(2001年4月6日、フジテレビ)
- コスメティック(2003年、WOWOW)
- anego[アネゴ] スペシャル(2005年12月28日、日本テレビ)
- 恋のから騒ぎドラマスペシャル(2006年9月26日、日本テレビ)
- あの日、僕らの命はトイレットペーパーよりも軽かった〜カウラ捕虜収容所からの大脱走〜(2008年7月8日、日本テレビ)
- 笑う女優「青い鳥」(2010年1月1日、日本テレビ)
- 日韓共同ドラマ・テレシネマ「石ころの夢」(2010年8月22日・29日、テレビ朝日)
- ナサケの女 〜国税局査察官〜 スペシャル(2012年2月4日、テレビ朝日)
- Doctor-X 外科医・大門未知子 スペシャル(2016年7月3日、テレビ朝日)
- テレビ朝日開局65周年記念 ドラマプレミアム 万博の太陽(2024年3月24日、テレビ朝日)
映画
[編集]- ピーチ白書 もっとおアツいのが好きッ!!(1991年)
- 東京タワー Tokyo Tower(2005年1月15日公開、東宝)
- ゴースト もういちど抱きしめたい(2010年11月13日公開、パラマウント/松竹)
- 七人の秘書 THE MOVIE(2022年、東宝)
- 劇場版ドクターX FINAL(2024年12月6日公開予定、東宝)
著書
[編集]テレビ出演
[編集]- NHKスペシャル「1000人にきく ハケンの本音」(2007年11月12日、NHK総合)
- ETV特集「ドラマは女がつくる」(2010年4月11日、NHK教育)
- ボクらの時代(2010年7月18日、フジテレビ)
- ディープピープル(2011年9月26日、NHK総合)
- スタジオパークからこんにちは(2012年7月3日、NHK総合)
- あさイチ(2014年9月5日、NHK総合)
- ぴったんこカン・カン (2014年9月5日、TBS)
- SWITCHインタビュー 達人達(2014年9月13日、NHKEテレ)
- 第65回NHK紅白歌合戦(2014年12月31日、NHK総合・ラジオ第1) - ゲスト審査員
- 課外授業 ようこそ先輩 探してみよう!自分のドラマ(2015年2月6日、NHKEテレ)
- さんまのまんま(2015年9月19日、関西テレビ)
- 情熱大陸(2015年10月11日、毎日放送)
- 徹子の部屋(2016年7月1日、テレビ朝日)
- アナザースカイ(2016年9月2日、日本テレビ)
- ゴロウ・デラックス(2016年11月10日、TBS)
- サワコの朝(2016年12月24日、毎日放送・TBS)
受賞歴
[編集]- 2007年
- 第33回放送文化基金賞 脚本賞(『ハケンの品格』)[3]
- 放送ウーマン賞2007
- 2013年
- 2015年
脚注・出典
[編集]- ^ a b c d e “中園ミホ(脚本家):情熱大陸”. 毎日放送. 毎日放送 (2015年10月11日). 2018年11月3日閲覧。
- ^ 日本大学第二学園同窓会編集委員会、2008、「同窓生の集い (PDF) 」 、『桜朋』巻(50)、日本大学第二学園同窓会 p. 6
- ^ a b c d e “日本大学芸術学部校友会報2015年春季号”. p. 4. 2021年6月9日閲覧。 アーカイブ 2021年6月9日 - ウェイバックマシン
- ^ a b c 自分の足で立つ女を(YOMIURI ONLINE)
- ^ 困難と思われる出来事も、勇気をもって挑戦して(日経WOMAN)
- ^ “だったら!マンダリアン! | 【完全無料】の性格診断”. and factory株式会社 https://andfactory.co.jp/.+2024年2月29日閲覧。
- ^ “連続エッセイ ① 脚本家・中園ミホさんが占い師活動を本格スタート。「占いは人生を輝かせるツールです」 | 【クウネル・サロン】自分らしさを大切にする大人の女性のWebサロン”. 【クウネル・サロン】人生は50歳からが面白い (2020年7月19日). 2020年9月4日閲覧。
- ^ 「麻生香太郎の業界潜行Vol.11」『日経エンタテインメント!』第12巻第12号、日経BP社、2008年8月、pp.94。
- ^ AERA 2009年10月5日号 中園ミホ記事より
- ^ “【断 潮匡人】裸の女王様”. 産経ニュース (産経新聞). (2007年11月25日). オリジナルの2007年11月26日時点におけるアーカイブ。 2018年11月3日閲覧。
- ^ 夢や希望を描くのがドラマの仕事(YOMIURI ONLINE)
- ^ さんまのまんま ゲスト 中園ミホ
- ^ [1],goo
- ^ 2015年10月11日放送『情熱大陸』より。
- ^ [2],goo
- ^ 番組エピソード 愛の形はさまざま!『恋愛ドラマ特集』-NHKアーカイブス
- ^ “再来年の大河ドラマは「西郷どん」”. NHK NEWS WEB. (2016年9月8日). オリジナルの2016年9月8日時点におけるアーカイブ。 2016年9月8日閲覧。
- ^ “2018年の大河ドラマは「西郷どん」!”. NHKオンライン. NHK (2016年9月8日). 2016年11月2日閲覧。
- ^ “篠原涼子主演「ハケンの品格」が13年ぶりに復活!令和に大前春子はどんな働き方を?”. 日テレトピックス (日本テレビ放送網). (2020年1月20日) 2020年1月20日閲覧。
- ^ “木村文乃、中園ミホ脚本『七人の秘書』でテレ朝連ドラ初主演 共演に広瀬アリス、シム・ウンギョンら”. Real Sound (株式会社blueprint). (2020年8月25日) 2020年8月25日閲覧。
- ^ "NHK25年連続テレビ小説はアンパンマン!やなせたかしさん夫婦がモデル「あんぱん」". 日刊スポーツNEWS. 日刊スポーツ新聞社. 20 October 2023. 2023年10月20日閲覧。
- ^ “錦野旦、マスターズ水泳で金獲得 妻の一言で出場決意”. ORICON (2015年7月7日). 2015年7月7日閲覧。
- ^ “『天皇の料理番』が4冠獲得 「東京ドラマアウォード2015」”. ORICON STYLE (2015年10月21日). 2015年10月21日閲覧。