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湊かなえ

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湊 かなえ
(みなと かなえ)
誕生 1973年(43–44歳)
日本の旗 広島県因島市(現・尾道市
職業 小説家
国籍 日本の旗 日本
活動期間 2007年 -
ジャンル 小説
代表作 告白』(2008年)
主な受賞歴 小説推理新人賞(2007年)
本屋大賞(2009年)
日本推理作家協会賞短編部門 (2012年)
山本周五郎賞(2016年)
デビュー作 「聖職者」(2007年)
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湊 かなえ(みなと かなえ、1973年 - )は、日本小説家広島県因島市中庄町(現・尾道市因島中庄町)生まれ[1]武庫川女子大学家政学部被服学科卒業。

現在、兵庫県洲本市在住[1][2]

経歴・人物

広島県因島市柑橘農家に2人姉妹の長女として生まれる[3]。子供の時から空想好きで、小中学校の図書室で江戸川乱歩赤川次郎の作品に親しんだ。因島市立因北小学校、因北中学校、広島県立因島高等学校を経て[1]武庫川女子大学家政学部被服学科へ進学[2]

大学卒業後アパレルメーカーに就職して1年半勤務の後、1996年1998年の2年間青年海外協力隊隊員としてトンガに赴任、家庭科教師として栄養指導に携わる[3]。帰国後淡路島の高校で家庭科の非常勤講師となる。27歳の時に結婚し、28歳の時に第1子を出産。第2子になかなか恵まれなかったこともあり自宅でできる「何か新しいこと」に挑戦したいと、雑誌『公募ガイド』を購入して、2004年より川柳脚本の投稿を始める[4][5]。結婚後「形に残せるものに挑戦したい」と創作を始めた。翌2005年に第2回BS-i新人脚本賞に佳作入選するものの、地方在住の新人がプロの脚本家を目指すのは難しいと授賞式でプロデューサーから指摘されて悔しさを味わい、次は脚本と小説のコンクールで一番になることを目標とする[5]

2007年に『答えは、昼間の月』で第35回創作ラジオドラマ大賞を受賞した後、同年、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。そして「聖職者」から続く連作集『告白』が2009年、第6回本屋大賞を受賞[6]。デビュー作でのノミネート・受賞は共に史上初[7]。本人はこの時のインタビューで、5年後に目指す姿として「まず、作家であり続ける。そして『告白』が代表作でないようにしたい」と話している[6][8]2010年松たか子主演で映画化され[9]、これが2010年度の日本映画興行収入成績で第7位(38.5億円)を記録[10]。書籍の売上も累計300万部を超える空前の大ベストセラーとなり、作者の名とともに"イヤミス(読んだ後に嫌な気分になるミステリー)"というジャンルを世に広めた[11]2012年にはフジテレビ系『高校入試』でテレビドラマの脚本を手掛けた[12]

緻密な構成の支えとして、徹底した登場人物の性格付けを心がけており、「履歴が決まれば人物が動いてくれる」として執筆前にはどんな脇役でも履歴書を作っている。

淡路島にて主婦業と並行して執筆活動を行い、昼間は主婦業をこなし夜間の午後10時から午前4時ごろまで執筆に励んで、朝家族を送り出してから睡眠をとる[4][5]。初期の作品の作風が暗かったことから、当初長女の存在を公表していなかったが、長女の中学進学を機に2015年に公表[4]2016年には子育て中の著名人に贈られる第9回ベストマザー賞を文芸部門にて受賞している[13]

作品を執筆するにあたり、まずはじめに登場人物の1人1人についてどんな人物かという「キャラクター設定」を頭のなかで構築する。最初にきちんと「キャラクター設定」を決めておくと登場人物それぞれが動き始め、その中のどこを書こうかなと取捨選択しながら書き進める[14][15]。サスペンスや女性の内面描写に定評がある一方で、「間口を広くしておきたい」「もっといろいろなものが書けることを見せたい」と語る[16]

趣味は登山。大学時代はサイクリング同好会に所属して自転車旅行で日本各地を旅し、社会人になっても続けられるアウトドアスポーツとして登山を勧められ、大学4年の時に登った妙高山で登山の魅力の虜になる[17]1999年夏から12年間のブランクを経て2010年に登山を再開。家庭、仕事、趣味を自らの三本柱としている[18]

受賞・候補歴

ミステリ・ランキング

週刊文春ミステリーベスト10

このミステリーがすごい!

本格ミステリ・ベスト10

作品リスト

小説

脚本

随筆

  • 山猫珈琲 (上巻:2016年12月、下巻:2017年1月 双葉社)

短編小説

  • 城崎へかえる(2016年7月 NPO法人 本と温泉)
    城崎温泉地域限定販売

アンソロジー収録短編

「」内が湊かなえの作品

  • 楽園(『Story Seller Vol.3』〈2010年4月 新潮社/ 2011年1月 新潮文庫〉所収)
  • 望郷、白綱島(『オール・スイリ』〈2010年11月 文藝春秋〉所収)
  • インコ先生(『不思議の扉 午後の教室』〈2011年8月 角川文庫〉所収)
  • 望郷、海の星(『オール・スイリ2012』〈2011年11月 文藝春秋〉所収)
  • 望郷、海の星(『ザ・ベストミステリーズ 推理小説年鑑 2012』〈2012年7月 講談社〉所収)
  • 蚤取り(『宝石ザミステリー2』〈2012年12月 光文社〉所収)
  • ベストフレンド(『宝石ザミステリー3』〈2013年12月 光文社〉所収)
  • 長井優介へ(『奇想博物館 最新ベスト・ミステリー』〈2013年12月 光文社〉所収)
  • 約束(『Story Seller annex』〈2014年1月 新潮文庫〉所収)
  • 長井優介へ(『時の罠』〈2014年7月 文春文庫〉所収)
  • 罪深き女(『宝石ザミステリー2014夏』〈2014年8月 光文社〉所収)
  • 少女探偵団(『みんなの少年探偵団』〈2014年11月 ポプラ社 / 2016年12月 ポプラ社文庫〉所収)
  • 優しい人(『宝石ザミステリー2014冬』〈2014年12月 光文社〉所収)
  • 望郷、海の星(『Junction 運命の分岐点 ミステリー傑作選』〈2015年4月 講談社文庫〉所収)
  • ポイズン・ドーター(『宝石 ザ ミステリー 2016』〈2015年12月 光文社〉所収)
  • 仏蘭西紳士(『みんなの怪盗ルパン』〈2016年3月 ポプラ社〉所収)
  • 優しい人(『悪意の迷路 最新ベスト・ミステリー』〈2016年11月 光文社〉所収)

メディア・ミックス

映画

テレビドラマ

テレビ朝日
WOWOW
フジテレビ
TBS
テレビ東京
NHK BSプレミアム

漫画

  • 少女(画:岩下慶子、2010年1月 講談社)
  • 告白(画:木村まるみ、2010年5月 双葉社)
  • 夜行観覧車(画:木村まるみ、2013年3月 双葉社)

メディア出演

テレビ番組
テレビドラマ

脚注

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  1. ^ a b c せとうちタイムズ (2008年9月6日). “湊かなえさん(因島中庄出身)小説推理新人賞を受賞「告白」で作家デビュー”. 2008年10月21日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2008年12月29日閲覧。
  2. ^ a b 武庫川女子大学卒業 湊かなえさんに聞く”. 2017年度 兵庫県内大学特集 兵庫の大学へ行こう. 神戸新聞社. 2016年9月29日閲覧。
  3. ^ a b 網谷隆司郎 (2015年11月2日). “第56回 湊かなえさん「なぜ絶壁に挑むのか」”. 嗜好と文化. 毎日新聞. p. 2. 2016年9月29日閲覧。
  4. ^ a b c “湊かなえ氏素顔は「関西のおばちゃん」”. デイリースポーツ online. (2016年3月27日). http://www.daily.co.jp/newsflash/gossip/2016/03/27/0008933299.shtml 2016年9月29日閲覧。 
  5. ^ a b c 井上志津 (2017年1月18日). “ブックウオッチング 『山猫珈琲』(上・下) 湊かなえさん”. 毎日新聞. https://mainichi.jp/articles/20170118/ddm/015/040/042000c 2017年8月25日閲覧。 
  6. ^ a b 新人作家・湊かなえさんの『告白』が本屋大賞受賞”. ORICON STYLE (2009年4月6日). 2013年7月6日閲覧。
  7. ^ デビュー作で本屋大賞の快挙 『告白』がブレイクした舞台裏”. 日経トレンディネット (2009年5月31日). 2013年7月6日閲覧。
  8. ^ 中国新聞 2009年4月10日 5面
  9. ^ “松たか子、まな娘を殺されて復讐を果たす女教師に挑戦!『告白』映画化”. シネマトゥデイ. (2009年11月2日). http://www.cinematoday.jp/page/N0020565 2013年7月6日閲覧。 
  10. ^ 日本映画製作者連盟. “2010年(平成22年)興収10億円以上番組 (PDF)”. 2013年7月6日閲覧。
  11. ^ a b オデッサの階段. “#3 湊かなえのコーヒー 告白 有川浩 イヤミス”. フジテレビ. 2013年7月6日閲覧。
  12. ^ “湊かなえオリジナル脚本『高校入試』〜何度観ても新しい“気付き”があるドラマ”. ORICON NEWS (oricon ME). (2012年11月24日). http://www.oricon.co.jp/news/2019017/full/ 2017年8月25日閲覧。 
  13. ^ “湊かなえ氏 小説家デビュー娘のおかげ”. デイリースポーツ online. (2016年5月6日). http://www.daily.co.jp/newsflash/gossip/2016/05/06/0009056496.shtml 2016年9月29日閲覧。 
  14. ^ 原作者 湊かなえさん インタビュー”. ABC創立60周年記念スペシャルドラマ 境遇. ABCテレビ. 2017年8月25日閲覧。
  15. ^ 高津祐典 (2010年10月14日). “手紙で交わす「告白」 湊かなえさん新作『往復書簡』”. 朝日新聞デジタル: p. 2. http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201010140245_01.html 2017年8月25日閲覧。 
  16. ^ 井ノ口麻子 (2013年12月23日). “湊かなえさん 島の生活 作品に生かす”. YOMIURI ONLINE (読売新聞). http://www.yomiuri.co.jp/local/hyogo/feature/CO003991/20131222-OYT8T00677.html 2017年8月25日閲覧。 
  17. ^ 網谷隆司郎 (2015年11月2日). “第56回 湊かなえさん「なぜ絶壁に挑むのか」”. 嗜好と文化. 毎日新聞. 2016年9月29日閲覧。
  18. ^ 網谷隆司郎 (2015年11月2日). “第56回 湊かなえさん「なぜ絶壁に挑むのか」”. 嗜好と文化. 毎日新聞. p. 3. 2016年9月29日閲覧。
  19. ^ a b ベストセラー作家・湊かなえが初の連ドラ脚本を書き下ろし”. ダ・ヴィンチ電子ナビ (2012年9月6日). 2013年8月11日閲覧。
  20. ^ “日本推理作家協会賞短編部門受賞・湊かなえさん 評価された「島」への愛着”. MSN産経ニュース. (2012年6月7日). オリジナル2012年6月7日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20120607050505/http://sankei.jp.msn.com/life/news/120607/art12060707590002-n1.htm 2013年8月11日閲覧。 
  21. ^ 第149回「芥川賞・直木賞」候補11作決定 湊かなえ氏が初ノミネート”. ORICON STYLE (2013年7月4日). 2013年8月11日閲覧。
  22. ^ “押切もえ「0.5点差」で受賞逃す 『山本周五郎賞』選考員が説明”. ORICON STYLE. (2016年5月16日). http://www.oricon.co.jp/news/2071723/full/ 2016年5月17日閲覧。 
  23. ^ “湊かなえさん「高校入試」 脚本を小説に書き下ろし…入れ物変われば切り方も違う”. zakzak. (2013年8月11日). http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20130811/enn1308110730001-n1.htm 2013年8月11日閲覧。 
  24. ^ 本田翼&山本美月が共演、女子高生の死生観描く湊かなえの「少女」映画化”. 映画ナタリー (2016年1月5日). 2016年1月5日閲覧。
  25. ^ “湊かなえ氏『往復書簡』 松下奈緒×市原隼人でドラマ化”. ORICON STYLE. (2016年8月31日). http://www.oricon.co.jp/news/2077618/full/ 
  26. ^ “『第61回 NHK紅白歌合戦』ゲスト審査員決定 昨年司会の仲間由紀恵ら10名”. ORICON STYLE. (2010年12月22日). http://www.oricon.co.jp/news/movie/83153/full/ 2013年6月20日閲覧。 
  27. ^ 湊かなえ先生がフジテレビ系「ボクらの時代」に出演されます”. 東京創元社 (2011年4月27日). 2013年6月20日閲覧。
  28. ^ 「告白」の湊かなえ『アナザースカイ』で創作の原点となった地・トンガ王国へ”. テレビドガッチ (2015年6月19日). 2015年7月21日閲覧。
  29. ^ ピース又吉、西加奈子や湊かなえの作家陣と「ビストロSMAP」登場”. お笑いナタリー (2015年7月18日). 2015年7月21日閲覧。

参考文献

  • 中国新聞 2009年4月10日 5面。
  • 中国新聞備後版 2009年10月14日 『ひろしまぶっくすでいず』29面。

外部リンク