林文子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
日本の旗 日本の政治家
林 文子
はやし ふみこ
Fumiko Hayashi at Yokohama City Hall.jpg
2011年5月、横浜市役所にて
生年月日 (1946-05-05) 1946年5月5日(71歳)
出生地 東京都
出身校 東京都立青山高等学校
前職 ビー・エム・ダブリュー東京代表取締役社長
ファーレン東京代表取締役社長
ダイエー代表取締役会長兼CEO
東京日産自動車販売代表取締役社長
現職 横浜市長
所属政党 無所属
公式サイト 横浜市長 林文子 ウェブサイト

Flag of Yokohama, Kanagawa.svg 第30-31代 横浜市長
当選回数 2回
在任期間 2009年9月1日 - 現職
テンプレートを表示
2011年5月、横浜市役所で厚木基地司令官のエリック・ガードナー海軍大佐(左)と会談の折[1]トモダチ作戦パッチを受け取る林

林 文子(はやし ふみこ、1946年5月5日 - )は、日本実業家政治家神奈川県横浜市長(第30・31代)、ファーレン東京株式会社代表取締役社長ビー・エム・ダブリュー東京株式会社代表取締役社長、株式会社ダイエー代表取締役会長最高経営責任者日産自動車株式会社執行役員東京日産自動車販売株式会社代表取締役社長などを歴任した。

経歴[編集]

1946年東京都生まれ。青山高校卒業後、1999年にフォルクスワーゲン東京の社長、2003年にBMW東京の社長、2005年にダイエーの社長などを歴任。2009年からは横浜市長。現在2期目[2]。市長として、2020年東京オリンピックにおける野球の開催地誘致[3]、ラグビーワールドカップの決勝戦誘致[4]などを成功させたほか、地下鉄ブルーラインの快速電車の導入(2015年実施)、小学6年生までの医療費無料化(2016年実施:それまでは小学3年生)[5]などを実現した。

また、市長就任直後に「保育所待機児童解消プロジェクト」を立ち上げ[6]、2010年には全国最多の1552人であった横浜市の待機児童数が、2013年4月1日現在でゼロを達成したと発表した[7]

略歴[編集]

林文子横浜市長(右端)。ザ横浜パレード2017にて

政策[編集]

窓口サービス調査 満足度 97.2%を達成 [編集]

横浜市は2016年、来庁者に対するアンケートで、窓口対応に対して「満足」もしくは「やや満足」と回答した市民が97.2%に達したことを発表した。全体的な印象、職員の挨拶、身だしなみなど、待ち時間と案内表示以外のすべての項目で「満足」が80%を超えるなど、職員の対応の良さが改善されたことがしめされた[10]

林は「これまで各種の申請書の記入の煩雑さを改善できなかったが、窓口前で職員が付き添うことが評価されたのだと思う」[11]として、対応の改善が功を奏したとの考えを示した。

企業拠点の横浜市誘致 [編集]

林は「東京に企業本社が集中しているなか、(横浜への)企業誘致に全力で取り組む」として2015年4月に企業立地促進条例を一部改正し、横浜市への企業誘致を促進させる政策をすすめた[12]。この施策を進めるために経済局産業立地調整課を設置し、 京浜急行電鉄本社、中外製薬研究所、(株)コーエーテクモゲームス本社などの誘致に成功した[13]

小学6年生までの医療助成費無料 [編集]

2017年4月からそれまで小学校3年生が上限だった年の通院医療費の自己負担について、小学校6年生までに引き上げた。これまでの三割から「上限五百円」となった[14]。年齢引き上げ期に関して、林は記者会見で「横浜市としては全体最適というか、この(予算の)中でしっかりと今回は6年生まで(拡充する)ということにさせていただきました。財政的には常に毎年収支不足が続いている中での厳しい編成で、このような制度の拡充となった」とコメントした[15]

ラグビーワールドカップ決勝会場誘致の成功[編集]

日本が誘致を目指していた2022年のサッカーワールドカップにおいて林は「決勝戦をぜひやりたい。横浜市はもっと元気になる」と意欲を示していた。しかし02年大会で決勝会場だった日産スタジアムは改修が必要で、林は「全面改修ではなく、トラックに席を造るなど工夫ができるのではないか」とコメントをしていた[16]。改修計画そのものは誘致そのものができなかったことで必要がなくなったとおもわれた。

2019年ラグビーワールドカップの日本開催が決定した。ラグビーワールドカップの決勝はもともとは新国立競技場で行う予定だったが、新国立競技場の設計変更にともなう工期の遅れから、横浜の日産スタジアムにが決勝の会場になった[17]。林はこの決定を受け「(02年のサッカーW杯に続き)同一会場で2つのW杯決勝戦が行われるのは世界2カ所目の栄誉」とコメントした。[18]

ラグビーワールドカップ決勝開催には日産スタジアムの改修が必要で、その1つが水平面の照度2500ルクスの競技用照明投光器の設置である。現在、日産スタジアムの照明は824灯あり約2000ルクス。「ラグビーワールドカップ2019」の決勝戦を開催するためには、現在の照度では不足しており、改修する必要がある[19]

林は2016年6月23日、文部科学省を訪れ、日産スタジアムについて、施設整備への支援などを馳浩文科相と義家弘介文科副大臣に要望した。林は会場の改修について「一説には30億円かかるということで驚いている」と説明し協力を求めた[20]

福島第一原子力発電所後の対応[編集]

2011年8月24日、暫定基準値500ベクレル/kgを超えた牛1頭の牛肉が市内の小学校給食に使用されていたと発表された[21]。8月31日、林は新聞のインタビューで小学校給食に提供された汚染牛肉への対応が「後手に回っている」かどうか聞かれ、「後手に回ったとは思ってない。最も恐れたのは、放射線に対する漠然とした不安の広がり。正しい情報や知識を伝えるのが必要と考え、そこに専心した。過度の対応は逆に、市民に不安を与える。風評被害は、避けなければならない」と回答した[22][23]

2011年6月の環境省からの事務連絡や8月に施行された特措法で、焼却灰の放射性セシウムが1キログラム当たり8千ベクレル以下の汚染レベルの場合は一般廃棄物と同様に焼却・埋め立て処分が可能となったが(事故前には放射性セシウムが0.1ベクレル/g(100ベクレル/kg)以上であれば放射性廃棄物と規定[24])、大桑正貴横浜市議会議員(みんな、栄区)による被災地からの災害廃棄物の質問に対し、林は「可燃性のものについて受け入れを考えている。焼却灰は最終処理場の残容量が限られており、市外への埋め立て処分が必要」、「災害廃棄物の受け入れ要請があった場合は特措法などを踏まえ、市民の安全を第一に考えて対応を検討していく」と答弁した[25]

同年9月9日には安全性が確保できたとして、放射性物質が検出されて保管していた焼却灰約2700トンを南本牧廃棄物最終処分場に埋め立てる方針を表明したが[26][27]、5日後の9月14日には林市長実施を「凍結する」と発表した[28]

エピソード[編集]

  • ビー・エム・ダブリュー東京では5年間に400台を販売し、1993年には社長の種子島経によって抜擢され、同社として初の女性支店長に就任。業績の悪い販売店に赴任し、部下の長所を徹底的に誉め潜在能力を引き出すことで、成績トップの店舗に立て直した。
  • 2004年、米経済紙『ウォールストリート・ジャーナル』「注目される女性経営者50人」に選出された。
  • 2005年7月、アメリカの雑誌『フォーブス』の「世界で最も影響力のある女性100人」で66位に選ばれた。
  • 2005年10月、アメリカの雑誌『フォーチュン』の「米国外のビジネス界『最強の女性』」で10位に選ばれた。
  • 2005年12月、『日経ウーマン』の「ウーマン・オブ・ザイヤー2006」でキャリアクリエイト部門1位、総合2位に選ばれた。
  • 2009年3月17日、母校である東京都立青山高等学校の「先輩教室」に講師として招待され、在学生を対象に講演を行った。
  • 市長就任後から出演しているテレビ神奈川の番組『ずばり!横濱』では、都立青山高校の後輩である佐藤亜樹と共演している。
  • 歌舞伎落語などの古典芸能を愛好しており、とりわけ立川談志のファンである。経営者時代は、毎朝一席、CDで談志の落語を聴いていた[29]
  • 「社員のゆとりが顧客の心をつかむ」「社員が休日を過ごして、ぎすぎすしないことが社員を束ね顧客に新しい提案力を育む」
  • 2009年ベストドレッサー賞の政治・経済部門を受賞した[30]
  • 2014年在日米国商工会議所(ACCJ)「パーソン・オブ・ザ・イヤー」を受賞した[31]
  • 2015年日本女性科学者の会功労賞を受賞した[32]

著書[編集]

  • 「失礼ながら、その売り方ではモノは売れません」(2005年7月、亜紀書房
  • 「一生懸命って素敵なこと」(2006年1月、草思社
  • 「林文子 すべては『ありがとう』から始まる」(2006年1月、日本経済新聞出版社
  • 「不思議なほど仕事がうまくいく『もう一言』の極意」(2007年10月、草思社)
  • 「しなやかな仕事術」 (2013年6月、PHP研究所
  • 「共感する力 カリスマ経営者が横浜市長になってわかったこと」 (2013年10月、ワニブックス
  • 「ちょっとした“気配り"で仕事も人間関係もラクになる! 」(2015年6月26日)秀和システム

脚注[編集]

  1. ^ “米軍厚木基地が8月の防災訓練に初参加へ、林市長「トモダチ作戦」に謝意/横浜市”. 神奈川新聞. (2011年5月10日). http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1105100053/ 2011年5月19日閲覧。 
  2. ^ http://www.hayashifumiko.com/blog/profile.html 公式プロフィール
  3. ^ http://www.hochi.co.jp/baseball/etc/20161208-OHT1T50091.html
  4. ^ http://www.city.yokohama.lg.jp/shimin/sports/daikibo/rugby.html
  5. ^ http://www.kanaloco.jp/article/146112
  6. ^ “待機児童0”! 話題の首長、林文子横浜市長のデスクをチェック! Update: 2013/07/09 ELLE
  7. ^ 横浜市「全国最多」から3年、待機児童ゼロに 林市長「成功モデルできた」2013.5.20 12:06 MSN産経ニュース
  8. ^ ※リンク切れ、タイトル不明”. 産経ビジネス (2014年). 2017年5月17日閲覧。
  9. ^ 林文子横浜市長が指定都市市長会会長に就任しました!”. 横浜市役所 (2014年4月1日). 2017年5月17日閲覧。
  10. ^ 窓口サービス満足度調査 について
  11. ^ 毎日新聞2017年1月17日
  12. ^ 横浜市、企業誘致推進策を拡充 日経新聞 2015/2/12
  13. ^ 横浜市企業立地ニュース Vol.1 企業立地促進条例に基づき6件の事業計画を認定!
  14. ^ 日本経済新聞 2016年8月31日
  15. ^ 市長定例記者会見平成29年1月31日
  16. ^ 共同通信 W杯決勝戦「横浜でやりたい」 サッカー、林市長が意欲
  17. ^ 2015/09/28「ラグビーワールドカップ2019」試合開催会場変更
  18. ^ 日本経済新聞 W杯決勝、ラグビーも横浜 市長「世界2カ所目の栄誉」2015/9/29
  19. ^ [http://shin-yoko.net/2017/02/05/nissan_stadium2017/ 日産スタジアムの照明改修で明るさUPへ、ラグビーW杯を見据え横浜市が発注]
  20. ^ 日産スタジアム改修支援を文科相に要望 ラグビーW杯・東京五輪で横浜市長 産経新聞 2016.6.24
  21. ^ 横浜市の小学校給食、基準値超放射性セシウム検出の牛肉を使用/神奈川 2011年8月24日 カナロコ
  22. ^ 林市長インタビュー 放射線問題「対応は最善」2011年8月31日 東京新聞
  23. ^ 平成23年第3回定例会審議速報 9月2日(金)議案関連質疑 6 井上さくら 横浜市会
  24. ^ 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第61条の2第4項に規定する製錬事業者等における工場等において用いた資材その他の物に含まれる放射性物質の放射能濃度についての確認等に関する規則(平成17年11月22日経済産業省令第112号)
  25. ^ 汚染レベルの低い可燃性廃棄物を受け入れる考え、林横浜市長が答弁/神奈川 2011年9月7日 カナロコ
  26. ^ 下水汚泥焼却灰の埋立を実施します 〜安全を確認〜 横浜市記者発表資料 平成23年9月9日 横浜市災害対策本部 放射線対策部
  27. ^ 放射性物質検出の焼却灰、中区で埋め立て処分の方針/横浜市 2011年9月10日 カナロコ
  28. ^ 放射性物質検出の焼却灰、一転し埋め立て「凍結」、市長「説明不十分」と説明/横浜市2011年9月15日 カナロコ
  29. ^ “立川談志さん惜しみ、林市長「毎朝一席聴いて、元気出していた」/横浜”. 神奈川新聞. (2011年11月25日). http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1111250007/ 2011年11月25日閲覧。 
  30. ^ ベストドレッサー賞受賞者インタビュー ファッションにもおもてなしの心を大切に 政治・経済部門受賞 林文子さん”. 日経BPオンライン (2009年11月30日). 2017年5月17日閲覧。
  31. ^ ホーム >起業 >起業家インタビュー >女性起業家インタビュー >経営者から横浜市長へ “おもてなし経営”から生まれた林文子氏の組織論”. 創業手帳WEB (2016年4月20日). 2017年5月17日閲覧。
  32. ^ 日本女性科学者の会功労賞”. 日本女性科学者の会 (2015年). 2017年5月17日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

公職
先代:
中田宏
Flag of Yokohama, Kanagawa.svg 横浜市長
第30-31代 : 2009年 -
次代:
(現職)
ビジネス
先代:
永安省三
東京日産自動車販売社長
2008年 - 2009年
次代:
永安省三
先代:
中内功
ダイエー最高経営責任者
2005年 - 2006年
次代:
(廃止)