機動戦士ガンダム THE ORIGIN

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機動戦士ガンダム THE ORIGIN
漫画
作者 安彦良和
出版社 角川書店
掲載誌 ガンダムエース
発表号 創刊号 - 2011年8月号
発表期間 2001年6月 - 2011年6月
巻数 通常版全23巻 / 愛蔵版11巻
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機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(きどうせんしガンダム ジ オリジン)は、安彦良和漫画作品。原案は矢立肇富野由悠季メカニックデザイン大河原邦男アニメ機動戦士ガンダム』をベースに、設定の見直しや外伝的エピソードの追加など独自のアレンジを施した作品である。ガンダムシリーズ専門漫画雑誌「ガンダムエース」創刊号(2001年6月発売)より2011年8月号(2011年6月発売)にかけて連載された。

最終回掲載号においてアニメ化が発表された。詳しくは後述

概要[編集]

テレビアニメ『機動戦士ガンダム』において作画ディレクターおよびキャラクターデザイナーを務めた安彦良和による同作のコミカライズ作品。

TVアニメ版をベースにしており、劇場版でカットされたルナツー攻防戦やセント・アンジェのエピソードなども描かれている。また見せ場であったシーンや決め台詞なども多くが生かされ登場している。一方で、現在の視点からすると不自然であったり、現実世界の変化に合わなくなった設定などの変更や、新規キャラクターの追加、既存キャラクターの設定見直しが行われている。

執筆の経緯[編集]

本作は当初、サンライズによって海外向けに『機動戦士ガンダム』を紹介するためのコンテンツとして企画された。安彦良和は残りの人生を漫画家として送るつもりであり、また安彦自身の弁によれば「そもそもガンダムと言う物語は、自分が関わったとはいっても富野さんの作品だという意識も強かった」ため、当初この企画に難色を示していた。しかし、病気で入院することとなり、手持ちぶさたに「ガンダム」の物語のネームを切り始めたところ、一気にガルマ・ザビ戦死のくだりまで描き進められたこと、さらに富野由悠季本人からも「自分も楽しみにしているから好きにアレンジして欲しい」と言われたことで、本作の執筆を決めたとのことである。

また、貞本義行との対談で、貞本が漫画版『新世紀エヴァンゲリオン』を自ら手がけていたことも、「キャラクターデザイナーという作品へ強い影響力を持つ人間が漫画版を書いても構わないんだ」と気付かされたと語っており、執筆のきっかけの一つになったことを明かしている[1]

本企画は初めに講談社へ持ち込まれたものの、様々な経緯により角川書店にて行われることとなった。本作は当初、一気に100ページを超える分量を掲載するというスタイルであった。それも、この100ページが終わってなお、アムロがガンダムに乗り込んでいないというほどの分量である。しかしこれでは、既存の漫画雑誌には連載が出来ないという事情から、ガンダムを専門とする雑誌「ガンダムエース」が創刊された。当初は季刊であったが、その後ペースが若干上がり隔月刊となり、ガンダム関係のコンテンツが十分揃った時点で月刊化された。また当初の企画どおりに、海外向けにも翻訳・発行されている。

連載開始時のキャッチコピーは「誰もが待っていた。これが本当のガンダムだ」である。

あらすじ[編集]

人類は、宇宙世紀(以下、U.C.と記す)0001より、増えすぎた人口をスペースコロニーへと移住させることで地球の人口過密状態を解決し始めていた。コロニーへと移住した人々は「棄民」と揶揄された一方、コロニーへと移住することなく地球に「残り、住み続けること」は、その行為自体が特権(エリート)的行為とされた。前者をスペースノイド、後者をアースノイドと呼ぶようになった。それぞれのコロニーは自治政府が統治する形態をとりつつも、そこで生産される農産物などの資源は地球連邦への貢納を義務づけられ、地球連邦を脅かすような大規模な軍隊も持つことが許されず、各コロニーには連邦軍が駐留する形をとっていた。

そのなかでも、特に地球からの独立の気運が高いサイド3:ムンゾ自治共和国の最高責任者ジオン・ズム・ダイクン議長及びそれを支持する有力者達は、地球連邦国家からの独立を、主に共和制議会制度を利用し目指してきた。しかしその独立運動の象徴たるダイクンが、議会での対連邦重要演説中に急死してしまう(U.C.0068)。求心力を失った政治上の混乱の中、彼と共に独立運動を支えてきたとされるデギン・ソド・ザビ一派とジンバ・ラルの一派の政争が始まり、ムンゾ自治共和国防衛隊(後のジオン公国軍の母体とされている)や私兵集団である保安隊という武力装置を一族で押さえていたザビ派が泥沼の政争を制する。その結果、デギンが共和国議長となり、更には自ら一族がジオン独立運動の正当な後継者とならんことを示すため、ジオン共和国を名乗り、彼の長男であるギレン・ザビ国民運動部長主導による対連邦戦争遂行が進められていく。こうした世相の中、ジオン・ズム・ダイクンの遺児であり、本作の準主人公ともいえるキャスバル・レム・ダイクンとアルテイシア・ソム・ダイクンの兄妹が、ザビ家の権力争い、更には前述した政争に乗じてザビ家内の自らの主導権を固めんと暗躍するザビ家の長女キシリア・ザビ親衛隊隊長によって翻弄されながら、懸命に生き延びていく様子が描かれる。更にはキャスバルが、対地球連邦独立のためにジオン共和国内に設立されたスペースノイド合同宇宙軍士官養成学校にシャア・アズナブルとして入隊し、「ザビ家への復讐」を胸に、軍人としてしたたかに成長していく様子も事細かに描かれている。そしてその復讐は、彼自身の士官学校入校から既に始まっていた。

デギン共和国議長の戦争回避策への思いとは裏腹に、ギレン主導による地球連邦への戦争遂行を進めるジオン共和国は、連邦国家との国力差を埋めるために独自の戦略を打ち立てていく。軍産複合体の象徴、巨大軍需産業資本ジオニック社と提携し、当社技術顧問であったT.Y.ミノフスキー博士の助言のもとモビルワーカー、その完成形としてのモビルスーツ開発に成功する。このように軍事大国化していくジオンへの危機感を持った博士は、ジオンと袂を分かち連邦へ亡命することを決意する。しかし亡命劇は失敗した上に、この亡命劇の際に行われた史上初のモビルスーツ戦である月面スミス海の戦闘において、ジオン側のモビルスーツが連邦側のモビルスーツ部隊:RX-77.01を壊滅に追い込む。この惨敗は、連邦側が提携していた軍需産業資本アナハイム・エレクトロニクス社の当のRX計画担当技術社員テム・レイに衝撃を与え、軍首脳部を説得し、本作の主役機となるガンダムを開発させる契機となった。

U.C.0079、デギン議長は公国制を敷き、ジオン公国を名乗ることで旧ムンゾ共和国におけるザビ家の事実上の世襲権を獲得する。長兄ギレンは総帥職に就くことで新生ジオン公国の全権を握り、地球連邦への宣戦を布告、手始めに、反ジオンのスペースコロニー共和国群の制圧に取り掛かる。まず、抵抗するサイド2:ハッテ自治共和国の首都島市民を毒ガスにより無差別に虐殺、その後多くの市民の死体を乗せたコロニー自体を連邦側の軍機関の中枢ジャブローへと落下させるものの、3つの塊へと分裂したコロニーは当初の目標を外れて地球の主要都市へと激突し、結果として地球総人口の約半数を葬り去る。この人類史上未曾有の殺戮行為を正当化し演説するギレンの言葉には、故ジオン議長が地球連邦への鉄槌を下すべく思索していた、公にされることの無かったはずの宣戦布告文そのものが乗り移ったかのように語られていた。このブリティッシュ作戦の失敗の後、次なる標的とされたサイド5:ルウム自治共和国近郊での艦隊戦(ルウム戦役)において、モビルスーツを巧みに利用した戦術により大勝し、連邦軍総司令官を捕虜とすることに成功する。その後の高度な政治上の力により、当の司令官レビル将軍は連邦側に戻されるが、前述のコロニー落としの惨劇による異常なまでの戦争被害にもかかわらず、連邦とジオンは戦時協定(南極条約)を結ぶに止まり、星間戦争(star wars)は続行されていく。

南極条約締結後、制宙権を握ったジオン公国側はキシリア少将揮下マ・クベ中将を司令官とする地球侵攻部隊を降下させ、地球攻略戦を開始する。しかし戦線の急速な拡大に、国力の無いジオン公国軍は地球圏での軍事情勢に即応した対応が取れないまま、戦争は膠着状態へと陥る。このような連邦にとって最悪の戦局の最中、モビルスーツの戦術上の重要性に関心を持たざるを得なくなった連邦軍側は、モビルスーツ開発計画を本格化するため、軍首脳に接触していたテム・レイを責任者として、極秘の開発計画を発動させる。そしてその連邦側の動きを察知したドズル・ザビ、ジオン公国中将により、前述した連邦側の極秘開発計画の探索の密命を、ジオン公国軍きってのエースパイロットに成長していたキャスバル・レム・ダイクンこと、シャア・アズナブルが受け、地球圏からサイド7へと向かう一隻の「民生輸送船」を追うところからアニメ『機動戦士ガンダム』の本編へと物語は進んでいく。

ファーストガンダムとの差異[編集]

ここでは本作の原作となるテレビアニメ『機動戦士ガンダム』(通称・ファーストガンダム)との差異を記載する。

設定の変更[編集]

地球連邦軍側のモビルスーツについては大きな設定の見直しが行われ、ガンタンクが10年以上前に量産化された大型主力戦車であり、ガンキャノンザクIに対抗して開発・実戦投入された地球連邦軍初の量産型モビルスーツとされた。デザインはこの設定を前提に、原作のメカデザイナーであった大河原により見直され、安彦に提供されている。アニメ版において、地球連邦軍では当初宇宙戦艦ホワイトベースに搭載された3機の試作機しかモビルスーツが存在せず、それらばかりが活躍しているという点は不自然であるとしばしば指摘されていたが、安彦もインタビューで同様の認識を示して変更したものである。量産機であるため、物語の主な舞台となるホワイトベースにも、ガンタンクとガンキャノンは物語開始時点において複数が稼動可能な状態で搭載されている。

ジオン軍側でも、MS-04(EMS-04 ヅダとは別機種)といった開戦以前のモビルスーツの登場や、アニメ版では量産が間に合わなかったとされていたゲルググソロモン防衛戦への投入など、いくつかの変更点が見られる。アニメ版ではほとんどが試作機とされていたモビルアーマーの多くが実戦投入されていることも特徴である[注 1]

物語の発端となるジオン・ズム・ダイクンの死もザビ家による暗殺という陰謀的な趣よりも、混沌とした情勢の中での不慮の死といった面が強調され、本編オリジナルキャラであるサスロ・ザビの暗殺やドズルの暗殺未遂も発生することで戦国時代的な危うい状況下で、老獪なデギン、手腕に長けたギレン、人望に厚いドズル、策謀家のキシリアという優秀な人材を抱えていたザビ家が『結果的に台頭した』という設定になっている。また、物語の黒幕はギレンではなく、希代の悪女・キシリアに変更されている。

シャアの復讐心も父の敵討ちというより、自分と愛する妹の存在を危険視して行動を監視し、その監視下から一歩でも出ようものなら命を奪おうとするザビ家を逆に排除してやろうという反骨精神に負うところが大きい。父の妾であった母と生き別れなければならなかった寂しさや、日陰者に甘んじなければならなかった憤りを大義にすり替え、『復讐』というゲームを主導する立場で楽しんでいたことをアムロとの対決の中で自覚し、器用ではあるが無力だった自分をアムロに重ね併せて葛藤するといった描写が加えられたことで、終幕に至るまでの心の動きが表現されている。

最終盤のア・バオアクー戦も主力の大半をソーラーレイ攻撃で失った連邦軍が全滅必至の捨て身の作戦を強行し、ギレンの暗殺やセイラの扇動によるダイクン派の蜂起といったジオン側の裏事情でどうにか得られたギリギリの勝利という構図になっている。

デザイン[編集]

主役機ガンダムや、ジオン軍側のモビルスーツについても安彦の考え[注 2]を元に、大河原がアレンジを施したデザインに変更されている。これらの大河原によるメカニックデザインは、あくまでも作画のための資料として描かれたものであり、安彦は必ずしもそのまま使っていない。それゆえ、ガンキャノンが3本指であったり、ガンダムがシールドを逆にマウントしていたりといった新設定も、それが見栄えしなければ随時オフィシャルなものに修正するなどといった柔軟性も本作の特徴である。また、同じ一年戦争のサイドストーリーである、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』や『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場したメカニックデザインも随所に取り入れている。

物語の変更[編集]

ホワイトベース
ホワイトベースの乗組員は、冒頭の奇襲攻撃によりアニメ版ではブライト・ノア以外の士官が全滅しているというシビアな状況であったが、本作では中尉以下の士官が相当数生存し、ホワイトベースにもまだ余力があるという設定である。またホワイトベースの進路も、北米大陸からアジア、ヨーロッパへと地球を一周して南米を目指すのは不自然なので、大陸沿いにジャブローに入ってから他を目指すよう変更されている。ジャブローで大改装された後、ホワイトベースはベルファストでのミハル・ラトキエのエピソードを経て、オデッサ・ディに参戦、その後再び宇宙に上がっている。
階級・地位
登場人物の階級・地位も見直され、テレビ版では士官候補生、劇場版では少尉だったブライトが中尉となった他、ルナツー司令ワッケイン少佐から少将に、マ・クベが中央アジア・ヨーロッパ方面司令官・大佐からジオン軍地球侵攻軍総司令・中将に、といったように相当の階級に設定されている。地球方面軍司令官だったガルマ・ザビは大佐のままであるが、マ・クベの部下で北米方面の司令官という扱いになっている(アニメ版のニューヤークではなく、ロサンゼルス駐留)。またアニメ版では軍人だったアムロの父テム・レイやミライの父(シュウ・ヤシマ)も民間企業の人間に変更されている[注 3]
アムロの知識
主人公アムロ・レイがガンダムの存在を知ったのは、アニメでは流れ弾で戦死した連邦軍将校が運んでいた極秘マニュアルからであったが、本作では自宅にあった父テム・レイのパソコンをのぞき込んでいて偶然見つけ出した資料を読み、事前にある程度の情報を知っていた事にして、話の流れに無理が無いように変更されている。
終盤でのセイラ
特に終盤のア・バオア・クー攻防戦では、セイラ・マスがジオン・ダイクンの遺児アルテイシアであることを明かしてジオン軍内部における反乱を誘引させたり、傲慢で独善的な理想のために他人の犠牲など省みない兄のシャアに対する憎悪の感情がより強調されている。
その他
そのジャブローの位置も、アニメ版で設定されたアマゾン川流域は地盤が軟弱なため、そこに地下基地を作るのには無理があるとし、シェルターを兼ねられるような固い岩盤があるギアナ高地の地下に再設定がなされている。
テレビ版ではオデッサ陥落後、司令官マ・クベは宇宙へ脱出しているが、本作では地上に残り自決する。その戦闘の際、連邦軍もオデッサ戦にジム系をはじめ多数のMSを投入していた。また、ギレンがキシリア管轄外の諜報機関を密かに用いて、シャア・アズナブルの正体を見抜いていたことや、機会を見て部下にする考えがあったなどとしている。

エピソードの追加[編集]

ジャブローから出発する直前の時点で本編は一旦中断され、シャア・アズナブルとセイラ・マスの兄妹の過去を追う形で、アニメ版のみならずそれ以外の作品でもほとんど描かれることの無かった過去の物語が、作者独自の解釈によって描かれている。特に文字設定のみであったジオン共和国地球連邦政府の対立から一年戦争開戦までの流れを、初めて一貫して描いている。

ジオン・ズム・ダイクンの遺児キャスバル(=シャア)、アルテイシア(=セイラ)兄妹とランバ・ラル親子との関わり、ザビ家がダイクン家に代わりサイド3の実権を掌握する過程、公国制を布いたジオンと地球連邦間の確執から来る緊張感、キャスバルが公国軍のエース「シャア・アズナブル」となった経緯、モビルスーツ開発前史、開戦からルウム戦役に至る一年戦争前半期などのエピソードが描かれる。これらのオリジナルエピソードでは、安彦漫画で頻繁に見られる歴史物の政治劇や陰謀などの人間ドラマが緻密に描かれており、低年齢層向けであったアニメ版を基にして描かれたジャブロー編以前のパートよりも、更に作者本来の持ち味が反映されている。

その一方、「開戦編」「ルウム編」は安彦の当初の構想にはなく、編集部から勧められる形で執筆したもので、その結果本編の「オデッサ編」の開始が2年以上も後になり、「ランバ・ラル編」でコズンが「シャアの活躍を知らない」と言ったり、「ジャブロー編」でジョブ・ジョンが回想した黒い三連星のルウム戦役で使用していた機体がMS-05型になるなど、一部に矛盾が発生している。

その他[編集]

第1話のアムロ
作者は連載直前のインタビューで、「アニメ第一話のように、偶然コックピットが開いてアムロが乗り込んで、というのはおかしい。今度の連載ではそこも上手く演出する」と語っていた。このシーンは基本的にはアニメ版と同様の描写であるが、事前に得ていた情報により足にあるスイッチで自力でハッチを開け、乗り込むように変更されている。
コアファイター
さらに同インタビューにて、「コア・ファイターは玩具化のための設定。リアリティがないから使わない」と語り、当初コア・ファイターはガンダムに内蔵されていなかったが、ジャブローでガンダムを大改造する際にアニメよりも脱出ポッドシステムとしての色彩をより強めたものとして内蔵されている[注 4]
作画のアレンジ
本編の作画に関しては、キャラクターは全員わずかだがアニメ版からアレンジされている。ランバ・ラルや黒い三連星などは等身が上がり、シャリア・ブルのように年齢も風貌も一新された者や、モスク・ハン博士のようにキャラクターデザインそのものが変更された者もいる。モビルスーツは戦車などの延長線上として、全体的に低重心気味に太めでがっしりとした体形で描かれている。
キャラクターの年齢
アニメ版よりも全体的に年齢が引き上げられた。これはアニメ版放映当時は、子供向け番組において20歳を過ぎたキャラクターは“おじさん”扱いであり、人物のほとんどを10代にしか設定できなかったことから見直されたものである。
例としてブライトは25歳、シャアは23歳(士官学校時は22歳)と設定されている。ギレン、キシリア、ドズルに関しては10歳ほど年齢が引き上げられた[2]

再構築されたメインキャラクター&メカニック[編集]

地球連邦軍[編集]

モビルスーツ[編集]

RX-78-01/02 コードネーム「ガンダム」
地球連邦軍の試作MSの1号機および2号機。このうち2号機が一年戦争の展開を大きく左右していくことになる、本作の主役機となる。ビームライフルに加え右肩にバルカン砲、左肩にミサイル発射口2門を装備。更に左肩にショルダーキャノンを換装できる。サイド7では2号機に先行して開発された1号機も試験運用されていて、2号機との違いは機体色と頭部のツインカメラアイがジムのようなゴーグルアイであること[注 5]。連載当初は玩具的であるとの理由からコアブロックシステムが排除されていたが、ジャブロー編においてコアブロックシステム(コア・ポッド)が追加装備される描写がある[注 6]
RX-77-01/02 「ガンキャノン」
連邦軍初の中距離支援用量産MS。本作ではホワイトベース隊やその他の部隊にかなりの数が配備されている。ジオン公国のザクIに対抗して開発されたもので、開発者はテム・レイ。開戦前の初期型(01)は左肩にキャノン砲1門、右肩にバルカン砲を搭載し、マニピュレーターは3本指だった。開戦時(02)にはキャノン砲は両肩に装備されたが、マニピュレーターの変更はオデッサ編以後となっている。01は開戦前の「スミス海の虐殺」事件で対MS戦闘能力がない[注 7]ことを露呈し、02も敵味方から「旧式」と酷評されるほど低性能。
RX-75 「ガンタンク」
開戦の10年以上前から連邦軍の主力戦車として、ムンゾ自治共和国駐屯軍等の連邦軍基地に配備されている長距離支援用兵器。頭部デザインの変更のほか、下半身部にハッチと前副砲が設けられている。旧式でその機動性能は最新機種と比べるべくもないが主砲の低反動キャノン砲はMSを一撃で撃破する威力を誇る。
RGM-79 「ジム」
連邦軍の量産MS。アニメ版とは異なり、ビームサーベルが右側に装備されており、コアブロックシステムを搭載している。ビームスプレーガンは、地上用と宇宙用とで形状が変更されているが詳細は不明。また、本作版ガンダム専用ビームライフルやバックキャノンを装備する機体も登場。シールドには従来の十字マークやロレーヌ十字のような装飾を施されたもの、曲面主体のシンプルなものなど派生型が登場した。ジャブロー戦においてアムロ・レイが搭乗し、反応の遅さなど不満を感じつつもシャアの搭乗するズゴックを撃退する。また、ジオン側には量産されたガンダムと誤認されたようで、恐れをなしたザクやアッガイを集団で追い詰め撃破しており、やられ役の印象が強かったアニメ版と違い一定の戦果を挙げている。モビルスーツ戦が主体となってからは、増加装甲タイプ(キャノンタイプ、白兵戦用タイプなどがある)が開発され、ホワイトベースに配備されるなど連邦戦力の核となった。

艦艇[編集]

「ホワイトベース」(艦名)
ペガサス級1番艦。本作の主要舞台となる艦艇。建造当初は対ジオン戦時協定を意図して、建前上、民生用補給艦として運用されていた。その為、本艦運用部隊は連邦軍の兵站要員達であり、艦の責任者パオロ大佐も、召集された予備役軍人という設定である。更に補給艦であることを徹底する為に2連装大口径メガ粒子砲は左右のドーム型の格納シェルターに隠れるよう装着されていた。が、実際はスペース・コロニー、サイド7にて実用テスト中の新型モビルスーツ「RX-78」プロトタイプ2機をジャブローに回送後、強襲揚陸艦に改装を前提とした汎用宇宙戦艦。艦の全長は250m前後という設定。ジャブローでの改装後、実弾主砲2門・後部ビーム砲2門(格納可能)及び、改装前に弱点であったと描かれている、対空防御機能を飛躍的に向上させた。全体的なデザインはアニメ版等より流線体形を帯び、重厚感ある船体デザインとなっている。また、主翼と尾翼、艦橋は可動式で環境に合わせて主翼と尾翼は折りたたむ、艦橋は艦内部へ引っ込めることが出来る。第一艦橋側面に連邦軍のエンブレムが描かれている場面もある。なお、本艦はペガサス級の1番艦でありネームシップである。改装前が「ホワイトベース」であり、改装後は「ペガサス」と呼称するのが正しいと思われるが、実際には改装後も「ホワイトベース」と呼ばれている。2番艦以降多数の同型艦が増産されたとの設定で、オデッサ作戦時やソロモン戦時において数隻が参加しているのが確認できる。
マゼラン級宇宙戦艦I(一年戦争開戦以前に主に登場しているタイプ)
大型宇宙戦艦。本作において、一年戦争前のタイプと一年戦争開戦後に登場するタイプの2つのタイプのマゼラン級が存在することが明らかとなった。ただ前期タイプ及び後期タイプとも、艦橋及び艦首、艦全体のフォルムは安彦独特のデザインとなっている。前期タイプの特徴として、艦橋部の形状は4層から5層となっており、艦橋後部には大型対空機銃1基または2基を備え付けてある。メガ粒子砲も艦首の4門と船体中央の砲ではサイズが大きく異なる。艦後方部に副砲2門が描かれている艦もある。
マゼラン級II(一年戦争開戦後に登場しているタイプ)
アニメ版等に登場していたマゼランタイプとほぼ同じ形式として描かれている。メガ粒子砲も艦橋前配置の2門を除いて全砲門同サイズ化されている。ただしルナツー配備艦は初期登場タイプとして描かれている。
サラミス
宇宙巡洋艦。全長229mとムサイ級軽巡と共に唯一全長設定が明記されている艦。ジオン公国との開戦時には連邦軍「巡航艦隊」の主力艦とされ、公国軍のムサイ艦隊に敗れたと描かれている。

ジオン公国軍[編集]

人物[編集]

デギン・ソド・ザビ
ジオン独立運動の創始者ジオン・ダイクンを影で支えてきたとされるムンゾ自治共和国内の実力者の一人。同共和国の最高学府「Munzo University」の学部長であったとされ、最高知識人の一人でもあった一方、老獪な政治家で、自らの政治権力基盤を確実なものとするために、議会・軍の要職を自らの血縁のみで固める手法をとっている。しかし晩年は長男でジオン公国総帥のギレン・ザビとの政治的な対立が決定的となり、ギレンを無視する形での連邦側との和平交渉に赴く途中、自軍のソーラ・レイにより抹殺される最期をとげる。
キシリア・ザビ
ドズル・ザビとともに年齢設定が大きく変えられた一人であり、ジオン公国軍を動かしたキーパーソン的役割を担って、読者の目にわかり易いように描かれている。容姿はアニメ版等と比べ一新されており、容姿端麗で、しなやかな肉体をもつ美女として描かれている。
一年戦争開戦前の初登場時、ムンゾ自治共和国内の準軍事組織である保安隊の長とされた。そののちジオン共和国発足後、国軍の一部隊である親衛隊の隊長となり、この時諜報機関の長も兼務したと描かれている。一年戦争時ジオン軍少将はアニメ版と同じであり、マ・クベとの関係も上官と部下ではなく、階級は上であるマ・クベに対して丁寧な形で地球方面の指揮を要請する立場になっている。その一方、階級を越えた権力を持つ事が描写されている。
ザビ家の権力を率先して固めるために働いた一方で、政治的な策略に走りすぎ、ザビ家の歯車をも狂わせてしまったとされる。
ドズル・ザビ
キシリア・ザビとともに大きく年齢設定が変えられた。ムンゾ自治共和国時代、首都島防衛隊司令少佐。ダイクン議長死亡時28歳前後。のちジオン士官養成学校校長時には大佐。一年戦争開戦時は中将で、年齢は38歳前後。本作ではっきりと、キシリアよりも「年齢的に上」であると描かれている。アニメ版と比べ、校長としての訓示やルウム戦役での指揮ぶりなど、優れた指揮官、武人としての側面が強調されている。情け深い面も多く描かれ、宇宙に散った敵に対し哀悼の意を示したり我が子のために戦う意志を新たにするなど、ザビ家の中では非常に感情豊かな人物となっている。また、ランバ・ラルやシャア、黒い三連星を使い、モビルスーツ開発の指揮を執ったのもドズルである。最期は、孤立無援となった宇宙要塞ソロモンと運命を共にするのは原作と同様であるが、ギレンとキシリアの政治的策動の結果であることが強調されている。

モビルスーツ[編集]

モビルワーカー
ザクI以前のモビルスーツ成立には、大河原稿を含めて数多の描写が成されたが、安彦と大河原がMSとは何かといった話にまで踏み込み大河原によりMS-01〜04が新たにデザインされた。これらは本作オリジナルの設定ではなくサンライズのオフィシャル設定となった[3]
ザク
ザクマシンガンはドラムマガジンから給弾ベルト式に変更(ただし、オデッサ編からはドラムマガジン式も登場)。右胸にガトリング砲1門、左腕に機関銃を2門装備。全体的にがっちりした体型になっている。ブレードアンテナはシャア専用機独自のものだったが、オデッサ編以降は通常機にも見られる。
グフ
ヒートロッド、ヒートサーベル(ラル機のみは実体剣ではない)、5連装バルカン砲はアニメ本作と同じだが、ヒートロッドは先端が割れて標的をつかんで電撃を流すことが出来る。オデッサの戦いでジオン軍が敗北した際、ブレードアンテナを装備していないグフの一隊が登場、マ・クベのギャンとともにヒートサーベルのみ装備の「抜刀隊」となって連邦軍へ吶喊した。

モビルアーマー[編集]

ビグ・ザム
超巨大モビルアーマー。アニメ版等より大きめに描かれている。強力な磁気フィールドにより、複数のマゼラン級戦艦の主砲「一斉射」にも耐えうる能力を有する。フル稼働状態では30分程度しか稼働出来ない機体での特攻描写を、安彦はスピーディーな場面展開で表現している。

艦艇[編集]

ムサイ級
宇宙軽巡洋艦。全長234mで連邦のサラミス級と共に唯一全長明記のある艦艇。その前身は宇宙輸送艦。モビルスーツを搭載させることができる艦が前提ということで、輸送艦の改装により誕生した経緯をもつ。ドズル中将座乗「ワルキューレ」、シャア少佐(一年戦争開戦時)座乗の「ファルメル」など、司令官に合わせて艦橋等を通常タイプに比べて大幅に改装された艦が存在すると描かれている。モビルスーツ格納庫は艦橋下から艦本体へと変更、艦橋後部に大型対空機銃を備えるとされている。
ザンジバル級
汎用戦闘艦。標準装備として実弾主砲2門の他メガ粒子砲があるが、オデッサ駐留のマ・クベ中将に回送された1番艦にメガ粒子砲は未装備で、代わりに強力投光機となっていた。他に地球駐留軍巡検中におけるキシリア少将座乗の2番艦がある。
ドロス級宇宙空母
巨大移動宇宙要塞。艦艇後部に6連あるドックは、1穴につきザンジバル級艦艇1隻はゆうに格納でき、同要塞下部の発着口はムサイ級軽巡が通れる大きさとして描かれている。
グワジン
「グレート・デギン」の異名を持つデギン公王専用の超大型宇宙戦艦。火力は連邦軍の戦艦マゼラン級を凌ぐ。艦上部の大型メガ粒子砲は8門と変更された。
チベ
ジオン軍上級士官の中でも少将級が乗艦することが多いとされる宇宙戦艦。ムサイ級を上回る火力を持たされて一年戦争時に新造された艦である。火力・推力は連邦軍のペガサス級を凌ぐ。要塞ソロモンに配備されていた艦としては、コンスコン少将座乗艦及び「戦艦グワラン」があげられる。他グラナダのキシリア少将の座乗艦として「パープル・ウィドウ」がある。

本作オリジナルキャラクター[編集]

地球連邦軍[編集]

ヴェルツ大尉
ガンダム01号機のテストパイロット。サイド7に侵入したザク分隊を発見、応戦する。ビームライフルの一撃でザク一機を狙撃・撃破し、残る二機に挟撃され苦戦しつつもさらに一機を至近距離からのビームライフルにより撃破する。が、その際起きたザクの核融合炉の爆発に巻き込まれ、ガンダムもろともコロニー外に放り出され、そのまま消息不明となる。なお残る一機のザクもこの爆発に巻き込まれ大破している。
ウィリー・ケンプ中尉
ガンダム02号機(アムロの乗機)の正規のテストパイロット。自機に向かう途中でザクの攻撃により死亡。彼の戦闘描写は無かった。
ラウル中尉
ホワイト・ベースの生き残り士官の一人。ランバ・ラル部隊との白兵戦において銃撃され戦死。
ワッツ少尉
ホワイト・ベースの生き残り士官の一人。まだ若く気弱な性格。ランバ・ラル襲撃で負傷し、その後やってきたマチルダによって搬送され、ホワイトベースから離れる。
ベンジャミン・アダムス曹長
ホワイト・ベース機関長。職人肌の中年男性。
キム伍長
ホワイト・ベース隊のガンタンクパイロット。ガルマ隊との交戦中に戦死。
ニカウ、ヤン
共にホワイト・ベース隊のガンタンククルー。ニカウがパイロットでヤンはガンナー。ランバ・ラル隊との交戦で戦死。
ダニエル・シェーンベルグ兵長
ホワイト・ベース隊のガンキャノンパイロット。愛称はダニー。戦死したリュウ・ホセイに代わりガンタンクのパイロットを務め、後に曹長に昇進。ガンキャノンでテキサスコロニーに侵攻中、シャリア・ブルに乗機を撃破され、戦死する。
連載当初はまだ名前が決められていなかったため、読者公募で決められた。
マグダレナ・ロッシ少尉
ホワイト・ベース隊の技術担当仕官でオムル達の上官。
エトゥル・ベオルバッチェ曹長
ジャブロー所属のスレッガー小隊員でジムのパイロット。トルコ出身。ホワイトベース隊に小隊ごと転属後、オデッサ戦にて戦死。
ミカエル・ロドリゴ軍曹
ジャブロー所属のスレッガー小隊員でジムのパイロット。愛称はドン・ミッチ。ホワイトベース隊に小隊ごと転属後、ジブラルタルでの掃討戦で、シャアのザクと交戦し戦死。
ウォン・チャン伍長
ジャブロー所属のスレッガー小隊員でジムのパイロット。ホワイトベース隊に小隊ごと転属後、マッドアングラー隊に対しコアファイターで出撃するも、撃墜され戦死。
リツマ曹長
ホワイト・ベースの乗員で眼鏡の女性下士官。通信要員であるフラウ・ボゥの交代も行なう。
イ・ウンジュ少尉
ホワイト・ベース隊の増加装甲型ジム・パイロット。
タカアキ・ヤジマ少尉
ホワイト・ベース隊の増加装甲型ジム・パイロット。「THE ORIGIN出演権プレゼント」当選の一般読者がモデル。
連邦保安局主任捜査官
公式ガイドブック二巻書き下ろしエピソードに登場。潜伏するダイクンを捜すべく、デギンが学部長を務めるムンゾ大学にやってきた捜査官で、ダイクンが時計塔に居ることに感づいた瞬間、デギンにより射殺される。

ジオン公国軍[編集]

アッシュ軍曹
サイド7に侵入したザク分隊の長。分隊を率いて偵察行動中にガンダム01号機と遭遇、果敢に挑むもビームライフルの直撃により爆死。
ガルシア・ロメオ少将
ジャブロー攻撃軍司令官。プライドが高くマ・クベを激しくライバル視しているが、実力はいまひとつ。司令部に私用のバーを作ったり女性を連れ込んだりと軍を私物化している面もある。
シャアのもたらした情報に基づき大部隊を率いてジャブローを強襲、自ら移動砲台アッザムに搭乗しジャブローに攻め込むが、連邦側の陽動に引っかかり工事区画に誘い込まれ、罠の落盤によりアッザム共々あえない最期を遂げた。レビルには「定見の無い男」と酷評された。
「ガンダムエース」の元編集長古林英明がモデル。その憎めないキャラクターから読者の人気は高く、2004年8月28日にバンダイミュージアムでガルシア追悼式が行われている。
後に公式ガイドブックでトニーたけざきにより「死後の世界」の彼が描かれたが、ここは天国なのかと思っていたところ、額に風穴が開いているギレン、デュラハンのように首を抱えているキシリアの二人から、今度は直接にこき使われる羽目になる。
ムラタ
ジオン士官学校の生徒。シャアと同室だったがガルマに追い出される。武装蜂起事件の際にはシャアにフットボールのヘッドギアをプレゼントするが、跳弾により戦死する。
ズビッチ
マッドアングラー隊の量産型ズゴックのパイロット。ウォン伍長のコアファイターに右腕を破壊され、その後カイ・ミハルのガンペリーの対潜ミサイルで撃沈され戦死した。
ネクラソフ少尉
オデッサ作戦においてマ・クベの命によりレビル乗艦に核攻撃を仕掛けた攻撃機のパイロット。
オチョア曹長
同機の爆撃手。小心者で対空砲火に堪えられず予定タイミングより早く核ミサイルを発射してしまう。
ベルクマン少佐
変名を用いてキシリアがグラナダに向かった際、偽りの夫として同行した部下。グラナダの市長と面会した際にジオン側の機密を漏洩し、不興を買ったキシリアに粛清される。
ドノバン・マトグロス大尉
ア・バオア・クー司令部付警護中隊長。要塞に侵入、虜囚の身となったセイラをアルテイシア本人と確認し、ただちに臣下の礼をとりその名の下で戦うことを誓う。かつてランバ・ラルの部下であった。ア・バオア・クーの中央制御室に仕掛けられた爆弾からセイラを庇って戦死する。
ウィリー・マッチョ中尉
ア・バオア・クー第三独立守備隊第二中隊指揮官。捕虜セイラを尋問、恫喝するが、その正体を知るや混乱してドノバン大尉の指示を仰ぐ。その後ドノバンの反乱部隊に合流するもあえなく隊長を失う。外伝「アルテイシア 0083」ではポロ競技選手チーム関係者に変装のうえ、地球で孤児救援に従事するセイラに何とか接見を成功。かつての上官の遺志を継ぎ、その名を冠した「ドノバン小隊」隊長として帰軍を懇願する。

民間人[編集]

アストライア・トア・ダイクン
ジオン・ズム・ダイクンの妻でキャスバル・アルテイシア兄妹の生母。元はサイド3のナイトクラブ「エデン」の歌姫だったが、当時一介の政治活動家だったダイクンと出会い恋仲になる。同じ店に勤めていたクラウレ・ハモンクランプとも旧知の仲。ダイクン暗殺後はローゼルシアによって幽閉状態に置かれ、地球へ逃れた子供達のことを案じていたが、親子は再会することなく心労の為に半ば衰弱死するような形で病死し、このことがシャアのザビ家に対する憎悪を増幅させることになる。
アニメ版製作当時の富野由悠季による構想を記載した通称「トミノメモ」にミドルネームのみ登場していたが、本作で初めてフルネームを名づけられ、姿をも描かれた。
ローゼルシア
ダイクンの正妻でありパトロン[4]。ダイクンの古くからの同志であり、彼を愛していたが子供を授からなかったことから、彼の子を産んだ故に妻となったアストライアを激しく嫉妬し憎んでいた。心臓の持病を抱えており、アストライア幽閉から間もなく発作で死亡。
テアボロ・マス
キャスバル・アルテイシア兄妹の養父でアナハイム社を商売敵とする実業家。旧知のジンバ・ラルのために地球に逃れてきた彼と兄妹を引き取る[注 8]。当初あまり乗り気ではなかったが、妻に先立たれて商売一筋に生きていた彼は、エドワウ・セイラの2人を実子同然に可愛がるようになり、2人を無理矢理担ぎ出してザビ家に反抗しようとするジンバに対して強く非難するほどになる。兄妹を監視していたザビ家によりジンバが暗殺された際、自身も重傷を負ってしまい子供達を守れない己の無力さを嘆くが、友人シュウ・ヤシマの薦めで、ザビ家に恭順の意志を示すため、サイド3に近く監視の目が届きやすい「テキサス・コロニー」へ移住する。しかし、ルウム戦役時の暴動の中、病状が悪化し息を引き取る。セイラはテアボロを父として強く慕っており、彼の死後感謝の言葉を述べている。
シュウ・ヤシマ
ミライ・ヤシマの父親でヤシマグループの長。テアボロの友人で、彼らの移住先として紹介したテキサス・コロニーの所有者でもある。それまで軍需産業を請け負っていたヤシマカンパニーを民生企業へ転換させ、その第一号としてサイド7の建造を進めていた。これにより同社にいたテム・レイは社を離れ、アナハイムに転職している。物語序盤のザクのサイド7攻撃により死亡。
シャア・アズナブル
アニメ版ではキャスバルの変名のひとつであり、この名前のほうが知られているが、本作においてはキャスバルとは別人としてのシャアが登場する。
テキサス・コロニー管理者の息子。エドワウ(キャスバル)と瞳の色を除いて瓜二つの容姿を持つ。
ルウムの寄宿学校に通っていたが、ジオンのプロパガンダに影響されて連邦とアースノイドを激しく憎悪し、スペースノイドの選民思想に取りつかれ、ジオン士官学校を受験、合格する。しかし入学のためジオンに向かう途中、キャスバルの策略により彼とすり替わる形でテキサスコロニーを出る事になる。結果、彼の身代わりで「エドワウ・マス(キャスバル)」としてキシリアに謀殺され、一方のキャスバルは「シャア・アズナブル」になりすまして無事ジオンに到着し、士官学校へ入学する。
なお、シャアとすり替わって以降のキャスバルは、瞳の色の違いについてどう弁明したかは直接の記述は無いが、瞳の異常によりサングラスをつけているとの本人の弁がある(のちに級友からのプレゼントのマスクを着用)。
ロジェ・アズナブル
シャア・アズナブルの父親でテキサス・コロニー管理者。心優しい温厚な人物であるが、ジオン士官学校に進学する息子にはかなり批判的で連邦との全面戦争を望むような発言には大声で叱り飛ばしている。テキサス・コロニーでエドワウとセイラの正体を知る数少ない人物で二人の境遇を気の毒と思いながらも二人の将来のため、テアボロと共に尽力する。ルウム戦役時に妻ミシェルと共にジオンに移住しようとするが、乗船したジオン行き宇宙船がシャア(キャスバル)の駆るザクに沈められて妻共々死亡。出発の直前にセイラにはこれまでの生活の感謝と戦後息子を連れて共に再会する事を約束していたが、叶わなかった。
ユウキ
サイド2の首都バンチ「アイランド・イフッシュ」に住む少年。日系の血が流れており、地球・日本への留学を控えていた。ブリティッシュ作戦時に自警団の一員として警備に就いていたが、ジオン軍の注入した毒ガスにより恋人のファン・リーと共に死亡。イフッシュは地球へのコロニー落としに使用された。
ヤノマニ族
ジャブローに古くから住んでいる原住民で、長老以外は現代語を話すことすらできない。自分達の住む土地に広大な基地を造った連邦軍を憎んでおり、連邦軍を追い出すというシャアの言葉に乗り、秘密の通路を教える。
ちなみに、アマゾンにはヤノマミ族という一文字違いの部族が実際に居住している。
ルシファ
セイラの幼少時の飼い猫で、知らない人に触られるとひっかく癖があり、保護に向ったランバ・ラルの顔をひっかきまわした。テキサスコロニーまでセイラと行動を共にしたが、アストライアの死後、後を追うように死ぬ(死因は不明)。なおルシファを埋葬した日はシャアとセイラの別れの日でもあった。
レディ・バーリー
外伝「アルテイシア 0083」に登場する英国貴族の血を継ぐ老婦人。「アストライア財団」のセイラによる孤児救援に協力し、仕事場と人員を提供するとともに、ジオンの過激分子や対する治安当局からその才覚で彼女を護る役目も果たしている。

特別編[編集]

本編の完結後も、新作書き下ろしで外伝エピソードが発表されている。

  • その前夜(「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック 」)
  • アルテイシア 0083(「ガンダムエース」2012年1月号から3月号)
  • アムロ 0082(「ガンダムエース」2014年5月号から)


単行本[編集]

通常版[編集]

  1. 始動編
  2. 激闘編
  3. ガルマ編
  4. ランバ・ラル編
  5. ジャブロー編
  6. シャア・セイラ編
  7. 開戦編
  8. ルウム編
  9. オデッサ編
  10. ララァ編
  11. ソロモン編
  12. ひかる宇宙編
  13. めぐりあい宇宙編

愛蔵版[編集]

通常版の2巻分を1巻にまとめ、連載時のカラーページをカラーのまま収録。ただし、通常版第2巻収録の激闘編1-4は、始動編5-8と章名が変更になっている。『VII ルウム編』には『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック』収録の特別編『その前夜』も収録されている。各巻の巻末にはアニメーターや漫画家などによるエッセイ・イラスト・漫画などが寄稿されている。

  1. I 始動編 - ISBN 9784048538091 寄稿・庵野秀明
  2. II ガルマ編 - ISBN 9784048539630 寄稿・CLAMP
  3. III ランバ・ラル編 - ISBN 9784048540940 寄稿・木尾士目
  4. IV ジャブロー編 - ISBN 9784048541954 寄稿・柴田ヨクサル
  5. V シャア・セイラ編 - ISBN 9784048543392 寄稿・久米田康治
  6. VI 開戦編 - ISBN 9784048545020 寄稿・土田晃之
  7. VII ルウム編 - ISBN 9784048545983 寄稿・永野護
  8. VIII オデッサ編 - ISBN 9784048549720 寄稿・幸村誠
  9. IX ララァ編 - ISBN 9784041200407 寄稿・新海誠
  10. X ソロモン編 - ISBN 9784041202753 寄稿・藤田和日郎
  11. XI ひかる宇宙編 - ISBN 9784041203941 寄稿・円城塔

公式ガイドブック[編集]

アニメ[編集]

最終回掲載号においてアニメ化が発表となったが、公開時期やメディアについての詳細は不明だった。

2014年3月20日にお台場で行われた『機動戦士ガンダム35周年プロジェクト』に関する発表で詳細が発表された[5]

I 青い瞳のキャスバル[編集]

機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル』は「シャア・セイラ編」のアニメ化で、全4話予定。イベントでの上映が予定されている[5]

参考文献[編集]

  • 角川書店「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック」, 2004 ISBN 9784047136441
  • 角川書店「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック 2」, 2010 ISBN 9784047153660
  • 角川書店「安彦良和対談集 アニメ・マンガ・戦争」, 2005 ISBN 9784048538664

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 地上の移動要塞としてアッザム、ソロモン防衛戦で拠点防衛用に配備されていたザクレロなど。
  2. ^ 例えばザクについては「兵器なのだから、マシンガンの弾薬を使い尽くした後、近接戦用のヒートホーク以外の武装が徒手徒拳しかないということはないだろう」という趣旨の発言をしている。
  3. ^ テムの勤務先としてアナハイム社も登場している。
  4. ^ 本作ではジャブロー以前にコア・ファイターが汎用戦闘機として登場しており、それとの差別化のため、この内蔵機は「コア・ポッド」と呼ばれている。
  5. ^ 実際にはプロトタイプガンダム(RX-78-1)にあたる機体である。これは、安彦が執筆当初プロトタイプガンダムの存在を知らずに新たに1号機を登場させたため。「公式ガイドブック」でも、プロトタイプガンダムの存在を知らなかったことを仄めかしている。
  6. ^ 当初はコアファイターの代替として操縦席部分のみが射出される脱出装置を使用する予定であり、大河原によるデザイン画が描かれている。
  7. ^ テム・レイはザクIを対戦車戦を想定されたバトル・タンク、キャノンを対歩兵戦闘車に例えて説明している。
  8. ^ この時、キャスバルとアルテイシアは名前がエドワウとセイラに変わる。

出典[編集]

  1. ^ 『安彦良和対談集 アニメ・マンガ・戦争』(角川書店)
  2. ^ 月刊ガンダムエース 2010年12月号特別付録No.100 0号。
  3. ^ 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック2』16p
  4. ^ 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック2』77p
  5. ^ a b 『機動戦士ガンダム35周年プロジェクト』として『THE ORIGIN』、『Gのレコンギスタ』など、続々始動!”. ファミ通.com. 2014年3月20日閲覧。

外部リンク[編集]