クラップ

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クラップは、アニメ作品群『ガンダムシリーズ』のうち、宇宙世紀を舞台にした作品に登場する架空の艦艇。地球連邦軍所属の宇宙巡洋艦である。

本項目では後継艦「スペース・アーク級」についても記述する。

概要[編集]

諸元
クラップ級巡洋艦
Clop Class
分類 巡洋艦
艦級 クラップ級
所属 地球連邦軍
開発 ヴィックウェリントン社[要出典]
全長 292m[要出典]
全幅 133m[要出典]
武装 2連装メガ粒子砲×2
ミサイルランチャー×6
対空機銃
ビームシールド(UC150年代)

サラミス級に代わる地球連邦軍の主力艦艇である。

サラミス改級は汎用性とコストに優れた艦であり長らく運用されてきたが、旧式艦を改良に次ぐ改良で性能向上させたものであるため、もはや現状以上の性能向上は望めない状態であった。特に新造される戦艦ラー・カイラム級に随伴できる速力を有しないことが、艦隊運用の大きな足枷となることは明白だった。また、グリプス戦役ペズンの反乱という連邦軍内の抗争と、その後の第一次ネオ・ジオン抗争により、多数のサラミス改級が失われたことで必然的に巡洋艦の建造要求が発生し、サラミス改級の後継艦としてクラップ級が多数建造された。

推進機関などの基本設計は、ラー・カイラム級と酷似しており、通常用と戦闘用の2つのブリッジを持つ点なども共通している。なお、主砲もラー・カイラム級と共通であり、同じく共通の連装砲塔に搭載されているが、その数は僅か連装2基4門でしかない。また、対空兵装とその配置もラー・カイラム級に準じている。MS搭載数はサラミス改級の3~4機に対し6機[1]。ラー・カイラム級同様、当初からMSの運用を念頭に設計・建造された。全てのサラミス改級を代替するほどには建造されなかったが、長らく地球連邦軍の主力巡洋艦として運用された。登場から60年が経過したUC150年代では、艦首にビームシールドを装備する等の近代化改修が施されている。

劇中での活躍
劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場。クラップ級1番艦。
ルナツーでのネオ・ジオン艦隊の武装解除に立会した際、ネオ・ジオン部隊の騙し討ちに遭い、クェス・パラヤ搭乗のヤクト・ドーガの急襲により通常ブリッジが破壊され、地球連邦軍参謀次官のアデナウアー・パラヤと、艦長及びブリッジ・クルーらが戦死したが、反撃によりクェスのヤクト・ドーガの右腕を損傷させている。その後は応急修理を経て、ブライト・ノアの指揮するロンド・ベル本隊と合流している。
TVアニメ『機動戦士Vガンダム』では、リガ・ミリティアに協力する連邦軍の所属艦として同型のクラップ級が複数登場している。劇中15話ではバグレ隊の旗艦としてザンスカールの戦力に対抗していたが、クロノクル・アシャーの駆るトムリアットに艦橋をつぶされたため、ザンスカールへ降伏した。劇中41話以降はムバラク艦隊所属艦が登場し、ザンスカールのエンジェル・ハイロゥ作戦阻止のため抗戦していた。49話などではビーム・シールドも展開している。


同型艦[編集]

ラー・カイム、ラー・キェム、ラー・チャター、ラー・エルム
劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場。第二次ネオ・ジオン抗争においてロンド・ベル隊所属の艦艇。旗艦ラー・カイラムに随伴してネオ・ジオン軍と交戦した。ラー・チャターはアクシズを巡る最終攻防戦で、ラー・カイラムの盾となって撃沈されている。なお、ラー・キェムに関してはラー・ギエムあるいはラー・ケイムとする資料もある。
『逆襲のシャア』脚本の初期稿を元にした小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』では、ラー・カイラムに随伴する艦艇は全て撃沈されたという描写になっており、後述のラー・ザイムに続いて撃沈された最後の一隻としてラー・エルムの名前が登場している[2]
ラー・ザイム
小説『逆襲のシャア(ハイ・ストリーマー)』に登場するロンド・ベル隊の巡洋艦。艦長はマシアス・テスタ少佐。ラー・カイラムに異動する前にアムロが乗艦していた。スウィート・ウォーター内に艦を入港させ、反連邦セクト・エグムとの戦闘を敢行。結果住民に死者を出す不祥事を引き起こしている。小説の本文と星野之宣のイラストによれば扁平な面を組み合わせた双胴艦として描写されており、映像化されたクラップ級とは艦型が大きく異なる[3]
小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』にも名前が登場しており、ラー・カイラムの盾となり(結果的に)ハサウェイ・ノアが出撃する機会を作った直後、α・アジールに撃沈されるなど[4]、劇場版におけるラー・チャターと同様の役割を演じている。
キャロット、テネンバウム
機動戦士ガンダムUC』原作小説に登場。物語冒頭でロンド・ベル隊第2群に所属していたキャロットを母艦とするMS小隊がネオ・ジオン残党軍「袖付き」の艦艇ガランシェールを追跡中、クシャトリヤと交戦。その後の描写で撃墜された機体の母艦として名前が登場するほか、リディ・マーセナスの同期の知人がキャロットに配属されているという言及がされている[5]。その後もガランシェールの行方を追っており、物語終盤でロンド・ベル隊第3群第16任務隊として再登場し、トライスター隊と行動を共にするが、囮となったガランシェールを追跡中にシナンジュと遭遇し2隻とも撃沈されている[6]
OVA版では原作小説と同様、物語冒頭にてガランシェールが「クラップ級」とされる艦艇から砲撃を受ける場面があり、原作小説ではキャロット所属機とされていた機体(スタークジェガン×1、ジェガンD型×2)との戦闘が描かれているものの、艦艇名やその外見を判別できる描写がない。また物語の後半では、原作とは経緯が異なりつつもトライスター隊がガランシェールを追跡する場面はあるが、彼らの母艦に関する描写や言及はない。
ラー・デルス、ウンカイ
ゲーム版『機動戦士ガンダムUC』のエピソード「戦後の戦争」に登場。シナンジュ・スタインを運んでいたが、フル・フロンタル率いる『袖付き』と言われる前のネオ・ジオン残党との交戦でシナンジュ・スタインを奪われ、2隻とも撃沈されている。

スペース・アーク級[編集]

クラップ級の改装艦であるが15m級MSの運用を前提としており、放熱板の排除やカタパルトデッキの拡幅化などの設計変更が施され、全長も249mと小型化されているのが特徴である。これらの艦を「クラップ級」と紹介している資料もあるが、機関部下の放熱板がないなど外観に大幅な変化がみられる事などから、スペース・アーク級として分類される場合も少なくない。

スペース・アーク[編集]

諸元
スペース・アーク
Space Arc
分類 練習艦
艦級 スペース・アーク級またはクラップ級
所属 地球連邦軍
全長 249m
武装 2連装メガ粒子砲×2
ミサイルランチャー×6
2連装機関砲×6
艦長 レアリー・エドベリ(代行)

アニメ映画『機動戦士ガンダムF91』に登場。練習艦として運用され、原型艦であるクラップ級の進宙後30年以上経過しているが、コンセプトとしてはシャアの反乱時代に運用されていたラー・グスタの機能を残したまま小型化を図って設計されたものである。クロスボーン・バンガードの戦艦と比べて相当見劣りするが、本艦の中には重力下を考慮したMSメンテナンスベッドも装備されるなど、G・キャノン、ヘビーガン等の小型MSや、サナリィの最新鋭機であるF91の運用に耐える設備を持っていた。戦闘体制に入る際、ブリッジはセンサー類を残して収納状態とすることができる。また、ランディングアームも実装されていることが確認されている。

F91の運用試験のためフロンティアIコロニーを訪れていたところをクロスボーン・バンガードの襲撃に巻き込まれる。シーブック・アノーたち難民を収容する一方、レジスタンスの拠点としての役割も担い、かつてのホワイトベースのように新兵と徴用民間人ばかりの艦ではあったが、無事にフロンティアIコロニーを脱出した。艦長代行はレアリー・エドベリ

搭載MS

ブレイウッド[編集]

機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』に登場。アナハイム・エレクトロニクス社所有の民間船である。元のスペース・アーク級よりさらに小型で、全長は160mほどとなっている。シルエットフォーミュラプロジェクトに関連する試作MSを搭載し、運用試験を実施していた。連邦軍の輸送艦コロンブスを模した偽装が施されている。民間の所有物であるため、武装などの施されていない非武装船であるが、後にメガ粒子砲を隠し持っていることが判明した。元連邦軍大佐であるアイトール・ホルストが指揮を執る。

搭載MS

リーンホース[編集]

諸元
リーンホース
Reinforce
分類 巡洋艦
艦級 スペース・アーク級またはクラップ級
アレキサンドリア級(小説版)
所属 地球連邦軍及びリガ・ミリティア
全長 249m
武装 2連装メガ粒子砲×4
ミサイルランチャー×4
3連装対空機銃×8
艦長 ロベルト・ゴメス

テレビアニメ『機動戦士Vガンダム』に登場。リガ・ミリティアに協力した連邦軍のうちのひとつで、開戦初期にアイルランドのロンドンデリー駐屯地よりリガ・ミリティアに派遣され、カミオン隊に合流している(小説版ではアレキサンドリア級)。

ある程度近代化改修されているが、劇中ではビームシールドは使用しておらず装備されているかは不明。原型艦であるクラップ級の進宙から60年が経過しているため、ザンスカール戦争時には旧式艦とされていた(なお、劇中では「旧式戦艦」というテロップが表示された)。老朽化していたが、リガ・ミリティアの戦力の中核として各地を転戦した。カイラスギリー攻防戦では攻撃部隊の中核となって奮戦、カイラスギリーに接舷するも大破した。カイラスギリー戦後、大改修が行われリーンホースJr.となった。 カタパルトが増設されており、船体前後に一基ずつ配備されている。格納庫は全通式に変わっており、MSは対面5機ずつ計10機が搭載・運用された。

艦長は連邦軍所属のロベルト・ゴメス大尉。

リーンホースJr.[編集]

諸元
リーンホースJr.
Reinforce Jr.
分類 宇宙戦艦
所属 地球連邦軍及びリガ・ミリティア
全長 502m
武装 2連装メガ粒子砲×6
3連装対空機銃×16
ビームシールド(ビームラム兼用)
艦長 ロベルト・ゴメス

テレビアニメ『機動戦士Vガンダム』に登場。カイラスギリー攻略戦で損傷したリーンホースとガウンランドを鹵獲したスクイード1の主艦体に載せるような形で大改修されたもので、ドック艦であるラビアンローズIVにて竣工した。改修の結果、単独でも大気圏突入・離脱を行うことができるという、最新艦艇と比較しても遜色のない高性能を誇る機動戦艦となった。

主な兵装は2連装メガ粒子砲6基(旧リーンホースもしくはガウンランドのものが両舷上下に各1基、旧スクイード1のものが艦底に2基)、MSカタパルト5基(旧リーンホース艦首部に1基(艦尾には着艦専用デッキ)、旧スクイード1のものが艦底左右に各2基ずつ[7])、本体舷側部左右に装備された3連装対空機銃、艦首ビームシールドを前方に収束展開して突撃するビームラムがある[8]。武装面での強化のほか、スクィードをベースとしていることから機動力が強化されてMS収容数も増大し、単艦で1個中隊以上の戦力を保持可能となったことで、総合的な戦闘力はリーンホースから大幅に向上した。

劇中での活躍
ザンスカール本国への奇襲作戦より任務に就いた。艦長は引き続きゴメス大尉が務めている。本国奇襲後マケドニアで拿捕されたが脱出、月へと向かう。月面で補給とベスパの地球浄化作戦のために建造されたモトラッド艦隊の地球降下阻止を計ったが失敗し、艦隊を追ってそのまま地上に降下する。
ベスパの地球浄化作戦の開始を阻止するべく行動を起こすがザンスカールと連邦政府との間で停戦協定が結ばれたため、武装解除されたベスパの基地、ラゲーンから再び宇宙へと上がる。
宇宙に上がった後、ザンスカールのエンジェル・ハイロゥ作戦をキャッチ、これを阻止すべく奔走する。宇宙に上がってからはリガ・ミリティアに同調した地球連邦宇宙軍のムバラク艦隊と合流し、連合艦隊を形成、その主軸を担い各地を転戦する。
エンジェル・ハイロゥ攻防戦の終盤において、激戦の中で中破する。被弾した左舷エンジンを切り離した後、乗員である老人たちが若者に未来を託して敵戦艦アドラステアにビームラムで特攻をしかけ、それを阻止しようとしたMS部隊の猛攻撃によって艦橋を破壊されながらも敵艦へ激突、轟沈する。両艦を巻き込んだ大爆発は付近に展開していたモトラッド艦隊を巻き込み、艦隊を全滅させた。
搭載MS

キャリー・ベース[編集]

ゲーム『SDガンダム GGENERATION』シリーズに登場。初登場は『SDガンダム GGENERATION PORTABLE』。艦体色はオレンジ色。初めて実戦に参加する部隊に対し与えられる練習艦という設定。一部作品によってはクラップ級としている場合もある。

初期搭載MS

下記の初期搭載機は初出作である『SDガンダム GGENERATION PORTABLE』のもの。

脚注[編集]

  1. ^ 2個小隊。UC基準なら一個中隊になる。が、CCAの描写と照らし合わせるなら12機は積めていないと足りない
  2. ^ 小説『ベルトーチカ・チルドレン』325頁。
  3. ^ 小説の雑誌連載当初、映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の構想は始まっておらず、クラップ級の設定自体も存在していなかった。
  4. ^ 小説『ベルトーチカ・チルドレン』316,324頁。
  5. ^ 小説『機動戦士ガンダムUC』スニーカー文庫版第2巻27頁。
  6. ^ 小説『機動戦士ガンダムUC』スニーカー文庫版第8巻20-31頁。
  7. ^ スクイード同様、内側のカタパルトも使っている
  8. ^ ゲーム「スーパーロボット大戦シリーズ」では、ハイパー・メガ粒子砲が搭載されている

関連項目[編集]