ビグロ

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ビグロ (BYGRO) は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式のロボット兵器「モビルアーマー(MA)」の一つ。初出は、1979年に放映されたテレビアニメ機動戦士ガンダム』。

作中の軍事勢力の一つであるジオン公国軍の量産機で、宇宙戦用に開発された最初のMA。強大な推進力を活かした高機動戦闘を得意とし、胴体から伸びる一対のクローアームで格闘戦を行うこともできる。劇中では、主人公アムロ・レイが搭乗する「モビルスーツ(MS、人型ロボットの一種)」「ガンダム」を、その機動性で苦しめる。

メカニックデザインは、監督の富野喜幸(現・富野由悠季)の原案をもとに大河原邦男が行った。

当記事では、各シリーズ作品に登場する派生機の解説も行う。

機体解説[編集]

諸元
ビグロ
BIGRO
型式番号 MA-05
所属 ジオン公国
製造 MIP
生産形態 量産機(括弧内は後期型[1]
全高 23.6m[2](16.4m)
全長 45.5m[2]/30m[3](45.4m)
本体重量 125.5t[2](125.5t)
全備重量 229.8t[2]/170t[3](180.3t)
装甲材質 超硬スチール合金
出力 17,800kW[2](105,000馬力[4])(18,100kW)
推力 136,100kg[2](162,000kg)
センサー
有効半径
111,000m[2]
最高速度 マッハ10[4]
武装 メガ粒子砲
4連装ミサイルランチャー×2
クローアーム×2
前部ガトリング砲×1(後期型)
上空防御用ガトリング砲×1(後期型)
搭乗者 トクワン
グレニス・エスコット
ジオン公国軍一般兵

最初に実用化された宇宙戦用MA。2基の熱核ロケットエンジンの大推力によって高い機動性と加速性能を発揮するが、パイロットに掛かるG負荷も相当なものとなる。この機体特性のため、一撃離脱戦法を得意とする[5]。武装も充実しており、幅広の本体に接近戦用のクローアーム2基を装備している。クローはMSをつかめるほどの大きさがあり、ルナチタニウム合金製のガンダムのシールドに穴を開けるほどのパワーを発揮する。そのほかにも、計8基のミサイルランチャーやメガ粒子砲を装備し、高い火力をもつ。メガ粒子砲はクチバシ状の装甲で保護され、発射時のみ露出する。後期型は出力と推力が向上したほか、ガトリング砲の追加やクローを大型多目的マニピュレーターに換装したうえ、腕の関節を増やすなど若干の改修がなされている[1]

膠着した戦局の打開と拠点防衛という観点から、単独での攻撃力の大きさと防衛戦兵器としての効力が見込まれて生産され、実戦配備された。しかし、MAの常として死角が多いことから白兵戦に持ち込まれると弱い(ただし、高速で移動する本機をMSで捕捉し、白兵戦に持ち込むことはきわめて困難である)うえ、生産コストも高価であったことから、対艦戦用の少数生産にとどまっている。

グラナダで試作テストを行い、4月から生産が開始されたというが、実戦テストが行われたのはジャブロー戦が終わった11月下旬である[6]。生産数については12機あるいは14機とする説があり、または17機が実戦配備されたという説もある。そのうちの数機は次期MA開発用にテストタイプとしてYMA-06などの仮ナンバーが与えられ、グラナダでの各種実験に用いられる[7]。MAへのサイコミュ搭載プランの一環でその搭載も検討されていたが、加速性能の低下が原因で候補から外される[8]。量産型についてはゲルググ用のビーム・ライフルも使用可能とする説があるが、これも定かではない。

劇中での活躍[編集]

テレビ版『機動戦士ガンダム』では、ホワイトベースが再び宇宙に上がり、シャア・アズナブルが追撃のため急遽徴用したザンジバルと対峙する第31話にて登場する。地球から宇宙へ発進したザンジバルに、宇宙用のリック・ドムザクレロとともに搭載されている[9]。ビグロは実戦テストを行う段階であった。

ホワイトベースとの戦闘では、ザンジバルの本来の指揮官だったトクワン大尉が搭乗する。リック・ドム2機を率いてザンジバルから出撃。ホワイトベース隊をビグロの高速で一方的に翻弄し、Gファイターを投げ捨て、偶然機体に引っ掛けたガンダムを高加速Gで振り回し、パイロットのアムロ・レイを失神させる。しかし、クローでつかんだままビームを当ててガンダムに止めを刺そうとしたところで、ちょうどのタイミングでアムロが意識を取り戻し足を上げてビームをかわる。同時に通常は嘴型の装甲で隠されていたメガ粒子砲をビーム・ライフルで撃たれて撃破される。

劇場版『機動戦士ガンダムIII』では、ア・バオア・クー攻略戦の際に複数機が登場する[10]OVA機動戦士ガンダム戦記 アバンタイトル』でも、ア・バオア・クー攻略戦時に3機のビグロが補給中のサラミス級巡洋艦およびジム部隊を強襲し、甚大な被害を与えたる。だがユーグ・クーロのジム・コマンドの反撃で、1機撃破される。これらは前述の劇場版の登場機を意図しており、学徒動員された若い兵士が上官命令によって出撃させられているイメージとなっている[11]

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では本機の活躍はなく(トクワンは地球上でグラブロに搭乗する)、終盤で陥落寸前のア・バオア・クージオング整備士官サキオカが「試作機で唯一出番のなかったかわいそうなやつ」として本機を人力で回収しようとするギャグシーンがある。『機動戦士ガンダム0079』では、劇場版『機動戦士ガンダムIII』準拠のドレン艦隊との戦闘の後、トクワンが搭乗してホワイトベース隊との戦闘を繰り広げる。展開はテレビ版とは違うオリジナルのもので、ホワイトベースの片翼を破損させ、FSWSを装備したガンダムを撃破寸前まで追い詰める。『機動戦士ガンダム バニシングマシン』では、ジオン軍残党がスポンサーから譲渡されたビグロでジャミトフ・ハイマンが乗るマゼランを奇襲するも、パプテマス・シロッコの搭乗するメッサーラに迎撃される。『機動戦士ガンダム 新ジオンの再興』では、第二次ネオ・ジオン抗争時に稼働している機体が登場。ジェガンなどの最新MS相手を圧倒する活躍を見せる。

書籍『機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑』では、ビグロの代表的なパイロットとしてグレニス・エスコット中尉が挙げられている。漫画『機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに…IF』では、中尉はア・バオア・クー攻略戦時にはNフィールドを防衛するも、サラブレット隊に敗れ戦死する。こちらは題名どおりあくまで架空戦記的な位置付けである。

ガンダムエースで掲載された松田未来の漫画『BIG CLAW』では、一年戦争末期に侵攻する連邦軍艦隊に対する強襲陽動作戦用として当機が投入される。乗り手を選ぶビグロを用いた危険な任務のため、MIP社テストパイロットでありジオンの人間から差別されていた月面人(ルナリアン)出身のイーサ・トゥルボ少尉が搭乗。作戦中に中破するもイルマリ・ユーティライネン中尉らの救援により無事生還する。連邦軍からはその機体形状から「ビッグ・クロー」のコードネームで呼ばれていたとの漫画独自の設定がある。

漫画『いけ!いけ!ぼくらのVガンダム!!』に収載されている『ソロモンの悪夢』およびゲーム『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』では、一年戦争終盤の宇宙要塞ソロモン攻略戦で、ケリィ・レズナー大尉がビグロに搭乗している描写がある。ただしこれらの作品自体は公式設定という訳ではない。

雑誌企画『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』では地球連邦軍に接収され、メガ粒子砲を連邦軍規格に換装された機体(機体色は白基調に変更)にユーイン・バーダー大尉(当時)が搭乗し、シーマ艦隊の口封じを行なう。

MIP-X1[編集]

書籍『ガンダムセンチュリー』などに登場。

「ミノフスキー粒子散布下における新型機動兵器」というジオン軍の要求を受けて、一年戦争前に試作された機体。宇宙戦闘機と外惑星資源開発用作業ポッドを組み合わせたような機体であり、ホバークラフトシステムも有している。宇宙空間でのもの以外のすべての性能で勝っていたジオニック社のクラブマンに敗れたが、その高機動性から戦中にMAの原型機とされ、この機体から各種MAが開発された。

書籍『機動戦士ガンダム MS大全集2003』には、同時期に試作されていたMIP社製機動兵器が登場しており、AMBACシステムを採用していないため戦闘時のプロペラントの消費が激しく、最大戦闘時間は10分以下だとされている。また、この機体はダミーのメガ粒子砲を装備している。

ビグロ改[編集]

SD CLUB』第9号掲載小説「ア・バオア・クー攻防戦」に登場。

画稿は存在しないが、挿絵である程度の外観は確認できる。機首のメガ粒子砲は拡散メガ粒子砲に変更(大口径のため開閉機構はオミット)、クローアームは底面に2基増設され近接戦闘強化も図られているが、運用時には専用オペレーターが必要となる。また、機体前面にのみビーム偏向バリアが装備されており、攻守に優れた性能を有しているが、大型化あるいは追加されたスラスターの加速性能による、さらなるパイロットへの負荷の問題から乗り手を選ぶ機体となっている。

ア・バオア・クー防衛戦において急遽投入され、バルスト少佐とオペレーターの少年兵ヘンケナーが搭乗し、ガンダム4号機5号機と交戦する。

ビグロマイヤー[編集]

諸元
ビグロマイヤー
BIGRO MEIR
型式番号 MA-05M(MA-05II[12])
所属 ジオン公国軍
製造 ジオニック社
全高 不明
全長 38.0m
本体重量 122.7t
全備重量 不明
装甲材質 超硬スチール合金
出力 20,500kW
推力 394,700kg
武装 メガ粒子砲
対MS用ビーム砲×2
クローアーム×2

ゲーム『GUNDAM TACTICS MOBILITY FLEET0079』に登場。メカニックデザインは大河原邦男。

ビグロの強化バリエーションの一つ。遠距離支援型という説もある。ビグロの機体をスリム化した上で、装甲を強化、ジェネレーター出力を増加させ、さらにスラスター付きの「脚部」を追加することでさらなる機動性向上を果たしている。武装面でもメガ粒子砲の出力向上に加え、腕部クローに対MS用ビーム砲を追加した結果、フレキシブルな攻撃が可能となり、MAの長所である圧倒的な巡航性能および破壊力を高次元で実現している。

腕部クローは普段、機体後方に収納される。脚部は直進状態で後ろに棚引く。その時、スラスターは脚部裏面に対し斜め前方向、つまり後方に向いている。

開発についてはMA-05 ビグロをジオニック社のグラナダ工場で改装したという説が有力である。またアッザムリーダーを発展させた武装を装備した機体が存在したということから、MA-05とMA-06の中間の機体であったことがうかがえる。 ソロモンやア・バオア・クー防衛に投入されたという記録があるが、目撃者は非常に少なく、幻の機体ともいわれている。

ビグ・ラング[編集]

諸元
ビグ・ラング
BIG-RANG
型式番号 MA-05Ad[13]
所属 ジオン公国軍
開発 ジオン公国技術本部
全高 138.0m
全長 203.0m
全幅 139.1m
本体重量 12,000t
全備重量 17,900t
ペイロード 9,200t
装甲材質 超硬スチール合金
出力 不明
推力 4,600,000kg
武装 クローアーム×2
大出力メガ粒子砲
ミサイル・ランチャー×8
前面ガトリング砲
頭部上空防御ガトリング砲[1]
30連装ビーム撹乱弾発射筒×4
3連装大型対艦ミサイル×2
搭乗者 オリヴァー・マイ

OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO -黙示録0079-』に登場。型式番号のAdはAmmunition Depot、可搬補給廠を意味している。

開発中だった超弩級MAを胴体として流用し、武装および制御ユニットとしてビグロと連結したMA。またこのビグロは後期型に属する6号機が使用されており、武装や出力、クローなどが改装されている[1]。胴体部分はMS用の武装を満載した武器庫となっており、MSやモビルポッドをクレーンを用いて1機ずつ格納し、補給および応急修理を行うことが可能。そのため、操縦室内には通常の操縦系統のほかに補給・整備用マニピュレーターの操作系統が増設されている。

本来、その大推力をもって一撃離脱戦法で戦うビグロに大質量のコンテナを接続したため、ビグロの利点だった機動性が大きく損なわれた[14]。そのため、オッゴの移動補給基地として前線に進出し、敵のビーム攻撃に対しては撹乱弾で防御しつつ、上部ユニットの武装で反撃、という運用を想定している。

ビグ・ザムのような対ビームバリア(Iフィールド発生装置)は装備されていないが、弩級装甲ブースターを含め、艦載メガ粒子砲の直撃にも耐える耐ビーム装甲で機体が構成されている。またビーム撹乱弾を装備しており本機のみならず周辺の友軍機をビーム攻撃から守ることが可能だった。だが本来予定されていた巨大な盾を持つ駆動アームが決戦に間に合わず装備されなかったことから胴体下部に大きな死角を抱えている。また、本体とコンテナ部との切り離しができないという欠点もある。そのぶん武装は強力であり、メガ粒子砲による一照射で3隻のサラミス級巡洋艦やマゼラン級戦艦一隻を撃沈し、大型対宇宙艦ミサイルは一発でサラミス級巡洋艦を撃沈できるほどである。

劇中での活躍
第3話に登場。当初、乗員にはモニク・キャディラック特務大尉が予定されていたが、彼女が(弟のエルヴィン・キャディラック曹長が戦死したショックによる)戦闘神経症により任務遂行不可能と判断されたため、急遽乗員に任命された技術士官オリヴァー・マイ技術中尉の手によってア・バオア・クー攻防戦にて投入され、エリアの一角である「Eフィールド」の防衛に従事する。実戦経験皆無のパイロットによる未熟な操作にもかかわらず、最初にして最後の実戦において少なくともボール6機、ジム2機、マゼラン級戦艦1隻、サラミス級巡洋艦5隻というエース以上の大戦果を挙げ、最終的に撃破されるも高い性能を示す。
この後、連邦軍が建て直しのために一時撤退した隙をついて、実戦におけるモビルポッド・オッゴへの補給・修理にも成功する。オッゴがビグ・ラング周辺に集まるのを目撃した連邦軍パイロットは、同機を「ドラム缶の親玉」と揶揄する。
漫画版2巻「戦雲に光を見た」にも、ビグ・ラングと思われる機体がシルエットで1シーンのみ登場する。

ビグ・ルフ[編集]

諸元
ビグ・ルフ
BIG-RUF
型式番号 MA-05R
所属 ジオン公国軍
製造 ア・バオア・クー工廠
全高 不明
全長 不明
重量 不明
装甲材質 超硬スチール合金
出力 不明
推力 不明
武装 クローアーム×2
大出力メガ粒子砲
4連装ミサイルランチャー×2
ミサイル・ポッド×2
大型ミサイル×1
搭乗者 ロバート・ギリアム

メカニックデザイン企画『MSV-R』に登場。メカニックデザインは大河原邦男。

一年戦争末期、艦隊戦において先陣を切って敵艦隊への打撃を与えることを目的とし改修されたビクロの強攻型。機体下部に全長100メートルほどの大型ミサイル装備用の大型パイロンが追加されているのが特徴。大型ミサイルはア・バオア・クー要塞に配備された対艦攻撃用にプロペラントを増設したもので、一撃離脱戦法を想定し予備弾も用意されていた。また、ミサイルのほかにもオプション兵装が計画されていたという。このため、機体重量増加に伴う推進力不足と姿勢制御の問題から、ビグロ側の機体後方にミサイルポッドを兼ねたブースターが2基増設された。

しかし、これによってパイロットに高い操縦技術が求められる癖の強い機体となり、飛行運用テスト時はロバート・ギリアム大佐がパイロットとして招聘されている。3機のビグロが当仕様に改修されており、ア・バオア・クー戦ではライトブルーやグレーに各自塗装された2機が実戦で確認されるが、この戦闘で全機が失われている。

作中での活躍
漫画『MSV-R 虹霓のシン・マツナガ』では、宇宙世紀0079年12月24日、ギレン・ザビ親衛隊とされるギリアムの搭乗機が、「反逆者」シン・マツナガ大尉らが逃げ込んだサイド3ズム・シティ近傍の工業プラントを「対艦攻撃演習」と称し襲撃。大型ミサイルを発射するが、マツナガがプラントで受領したゲルググJの狙撃により破壊される。その後一騎打ちとなるが、激昂したマツナガにより損傷を受け撤退する。なお撤退時に、機体上部に収納されているバルカン砲を展開し、後方に発射している。

ブラン[編集]

諸元
ブラン
BURAN
型式番号 MA-05HG / PKF-05
所属 ジオン公国軍
全高 32.4m
全長 66.5m
本体重量 200.5t
全備重量 310.6t
出力 26,100kW
推力 251,000kg
センサー
有効半径
111,000m
武装 大型メガ粒子砲
小型ビームキャノン×10
4連装ミサイルランチャー×2
アイアンクロー×2

漫画『MOBILE SUIT VOR!!』『OPERATION BURAN U.C. 0079』に登場。メカニックデザインは作者である近藤和久自身。

一年戦争末期に少数生産されたビグロの発展型。胴体形状はビグロよりも航空機然としたものに変更されているほか、メインノズルの4基化、武装強化などの改良が施されており、アイアンクローや胴体各部には小型ビームキャノンを搭載している。機体前部上面にはソーラーパネルを有している。

ヴァル・ヴァロ[編集]

諸元
ヴァル・ヴァロ
VAL-WALO
型式番号 MA-06
所属 ジオン公国軍
製造 グラナダ工廠
全高 22.5m
全長 68m
本体重量 254.1t
全備重量 379.8t
出力 26,030kW
推力 720,000kg
武装 プラズマ・リーダー×3
大型クローアーム×2
メガ粒子砲
ビームガン×2
2連装ミサイルランチャー×2
110mmモーターガトリングガン
搭乗者 ケリィ・レズナー

OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場。機体色は赤を基調とする。メカニックデザインは明貴美加

一年戦争末期にジオン軍が開発したMAで、ビグロに既存のMAの長所を取り入れた[15]発展型である。この機体は謎となっていたMA-05 ビグロとMA-08 ビグ・ザムの間を埋める「MA-06」の型式番号を有し、デラーズ紛争の詳細が判明したことに伴いその存在が明らかになった。MA-05をベースにしたテスト機YMA-06は月面での戦闘も考慮にいれた改修がおこなわれ、グラナダで研究が続けられている新機軸の兵装を多く盛り込んだ機体となった。だが一年戦争での実戦投入は確認されていない。3機の試作機が製造されたといわれる。

センサーユニットはモノアイ式を採用し、その後方にコクピットを有する。また、3基のランディングギアによって着陸を行う。月ならば垂直離着陸が可能であるが、地球でも可能かはわからない[16]。本機は被弾形始に優れたフォルムと分厚い装甲を持ち、Iフィールドなしでビーム・ライフルを無効化できる数少ない機体である[17]。さらに機体各部に姿勢制御バーニアを有し、後部の3基のスラスターによってビグロ以上の機動性を発揮する。

特徴的な武装として、アッザムの装備を改良したプラズマリーダーが挙げられる。3基1組で使用され、機体から射出、内蔵するピックで地面に固定する。センサーによりお互いの位置を感知し、搭載された熱核反応炉によって3基のリーダーの間にプラズマ結界を発生、結界内部に攻撃を行う。この攻撃は敵味方の区別なく行われるため運用が難しい。さらプラズマリーダーを固定する必要があるため純粋な宇宙空間での使用が難しいなど、実質上月面などの使用に限られることから、この武装の有用性は疑問視されている。

機首には大型メガ粒子砲を装備。ビグロと同じく普段はカバーで覆われているが、使用時に左右にカバーが開き、砲門が現れる。ほかには格納式の対空ビームガン2門、2連装ミサイルポッド2基、110mmバルカン砲4門と重武装である。また近接防御用に大型クローアームを2基装備する。こちらはビグロよりも大型化しており、蟹の鋏のような形状になっている。普段はグラブロのように機体後方に収納されており、展開して使用する。

しかし、プラズマリーダーやクローなどの一部武装が高機動戦闘に向いておらず、機動性を活かして複数の敵を攻撃するというコンセプトと武装の矛盾を指摘され、廃棄された[18]

劇中での活躍
元ジオン兵のケリィ・レズナーが密かに修理していた機体として登場。ケリィは一年戦争中に左腕を失っており、右手のみで操縦できるようアビオニクスの改造を行っていた。一時ケリィの許に身を寄せていたコウ・ウラキの協力もあって改修は成功する。しかし、シーマ・ガラハウに裏切られてデラーズ・フリート入りを果たせなくなったケリィは、月面都市フォン・ブラウンを人質にしてガンダムGP01Fbに一対一の「決闘」を強要。激闘の末にクローアームでGP01Fbを捕獲するが、コウが咄嗟の判断で下半身を分離したことにより脱出され、ビーム・サーベルによって撃破される。脱出装置は搭載されていなかったため、ケリィは爆発する本機と運命をともにする。なお、劇場版『ジオンの残光』では、コウが本機の改修を手伝うシーンは残っているものの、決闘の場面は丸ごとカットされている。
備考
デザイナーの明貴は、ホビージャパン発行の書籍『GUNDAM WEAPONS 2』でブースター・ユニット装備型のイラストも描いている。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 書籍『機動戦士ガンダム MS IGLOO Mission Complete』69-70頁より。
  2. ^ a b c d e f g 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑 PART.1 一年戦争編』バンダイ、1989年2月、58-59頁。
  3. ^ a b 『テレビマガジン』1981年3月号付録『機動戦士ガンダム大事典』下巻、講談社、59頁。
  4. ^ a b 『講談社ポケット百科シリーズ15 ロボット大全集1 機動戦士ガンダム』1981年4月、139頁。
  5. ^ 機動戦士ガンダム公式Web「メカ-ジオン軍-ビグロ」
  6. ^ テレビ版第31話、シャアとトクワンの会話より。連邦軍は10月の時点ですでにジムとボールを宇宙に配備し、両軍のMS戦も発生する(『第08MS小隊』第1話、『MS IGLOO -黙示録0079-』第3話)。
  7. ^ 『ジオン軍ミリタリーファイル』(バンダイ デジタル エンタテインメント/1998)より[要ページ番号]
  8. ^ ガンダムエース2011年8月号 『MSV-R vol.28』より[要ページ番号]
  9. ^ このビグロは宇宙で生産され、何らかの手段で地球に降下し、また宇宙に戻ったことになる。
  10. ^ 同場面をCGで描写したOVA 『MS IGLOO -黙示録0079-』第3話では、4機のビグロが確認できる。
  11. ^ PS3版 機動戦士ガンダム戦記 公式ホームページ、スペシャル-アバンタイトルインタビューvol.2
  12. ^ B-CLUBレジンキャストキット「1/400スケール ビグロマイヤー」。
  13. ^ 以下、数値・武装は書籍『機動戦士ガンダム MS IGLOO Mission Complete』68頁より。
  14. ^ OVA『MS IGLOO -黙示録0079-』第3話、出撃前のマイ技術中尉の発言より。
  15. ^ 機動戦士ガンダム0083 web「MS-ジオン公国軍-ヴァル・ヴァロ」
  16. ^ 『0083』劇中、ケリィはフォン・ブラウンのジャンク屋からヴァル・ヴァロを垂直に上昇させる。
  17. ^ 『0083』第7話より。ヴァル・ヴァロはガンダムGP01Fbのビーム・ライフルの射撃を2発正面装甲に受けるが、影響なく戦闘を継続する。搭乗者ケリィ・レズナーは、遠距離からのビーム攻撃ではヴァル・ヴァロを倒すことはできないと発言する。対ビームコーティングがなされていたとの見方もある。
  18. ^ 書籍『総解説 ガンダム事典 Ver.1.5』より。

関連項目[編集]