機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還

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機動戦士ガンダム MSV-R
ジョニー・ライデンの帰還
ジャンル ガンダム
漫画
作者 漫画:Ark Performance
原作:富野由悠季
原案:矢立肇
メカニックデザイン:大河原邦男
出版社 角川書店
掲載誌 ガンダムエース
レーベル 角川コミックス・エース
発表期間 2010年6月号 -
巻数 既刊14巻(2017年4月現在)
テンプレート - ノート

機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』(きどうせんしガンダム エムエスブイ‐アール ジョニー・ライデンのきかん)は、Ark Performanceによる日本漫画作品。原作:富野由悠季、原案:矢立肇、メカニックデザイン:大河原邦男角川書店の漫画雑誌『ガンダムエース』にて2010年6月号より連載されている。

概要[編集]

雑誌「ガンダムエース」で連載されたメカニックデザイン企画『MSV-R』を題材にした作品。「第二次ネオ・ジオン抗争」前夜である「宇宙世紀0090年」を舞台に、歴史に埋もれた『MSV-R』に登場するメカニックの解説と模型企画『モビルスーツバリエーション(MSV)』のエースパイロット「ジョニー・ライデン」の行方と、所属していた「キマイラ隊」の解明を織り交ぜて描いた内容となっている。

なお、同作者の漫画『機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画』、『機動戦士ガンダム 光芒のア・バオア・クー』とは設定を共有している。

あらすじ[編集]

一年戦争(宇宙世紀0079年)で散逸した情報や資料を、収集編纂し保存する組織である地球連邦政府Federation Survey Service(略称FSS)に所属しているMSパイロット、レッド・ウェイラインは、宇宙世紀0090年、シミュレーションによるMS戦闘データ調査中に不審な出来事に遭遇し、チームのリミア・グリンウッドと共に「ジョニー・ライデン」のことを調べ始める。

レッドを「ジョニー・ライデン」その人の可能性があると判断した各陣営、キマイラ隊残党のユーマ・ライトニング、現在は連邦議会議長ゴップの養女となっているキマイラ隊残党であり強化人間のイングリッド0、連邦軍特殊部隊「ナイト・イェーガー」とった様々な勢力が絡み合う中、次期首相と名高い首相補佐官オクスナー・クリフの猟犬と呼ばれる「民間軍事会社テミス」の社長ジャコビアス・ノードが、FSSを訪れてレッド・ウェインラインとリミア・グリンウッドに自分もキマイラ隊の残党であること、キマイラ隊の真実を証言し、解体された今は既に探るようなものは何も無いと告げて手を引くことを求める。

しかし、ジャコビアス・ノードは宇宙を彷徨うキマイラ隊のMSの製造プラント船「ミナレット」の航路を唯一回析できる「サングレ・アスル」をジャブロー基地跡に秘匿していた。

地球連邦政府の「首相補佐官」、「連邦議会議長」、勃興しつつある「新生ネオ・ジオン」、そして「キマイラ隊」の残党達は、「サングレ・アスル」、「ミナレット」、更には「ミナレット」から起動される「ザビ家の復讐装置」、そしてその鍵となる「ジョニー・ライデン」を求め更なる政争、紛争をひき起こすことになる。連邦議会のほうも「ミナレット」の破棄を望むゴップ議長と首相補佐官オクスナー・クリフとが対立。互いの手ごまとして、ナイト・イェーガーから引き抜いた議長直属部隊とテミスとの間で「サングレ・アスル」を巡っての戦闘が始まる。レッドらもこの戦闘に乗じるが、「サングレ・アスル」は宇宙へと打ち上げられる。当初の目的地はサイド3であったが、アイシュワリヤのデータ改竄によって「サングレ・アスル」はコンペイトウへと向かう。

コンペイトウ近傍宙域で、ジオン残党とテミスを取り込んだFSS、追撃する議長直属部隊、新生ネオ・ジオン、キマイラ隊残党による混戦が始まる。

キマイラ隊[編集]

キマイラ隊の概要[編集]

  • ジオン公国軍突撃機動軍司令キシリア・ザビ旗下の同軍特別編成大隊。ヒュー・マルキン・ケルビン大佐によって編成。ザンジバル改級「キマイラ」を旗艦とし、ゲルググやゲルググキャノンを改修・改造したいわゆる「MSV群」を擁している。
  • 各部隊の核であるエースパイロットを集めて編成し、機材・サポート要員に至るまで最高のものを結集した部隊でありながら、戦線で活用されず温存され続けた。そのため一年戦争において「最も有名な部隊」の一つでありながら「最も謎の多い部隊」とされ、「ザビ家の財宝を守護していた」とも噂される[1]が、実際に守護していたものは「ザビ家の復讐装置」である。
  • ジャコビアス・ノードによる作中の証言では、創設期には大隊編成に満たない規模であるが、末期は大隊編成を超す規模となり「特別編成大隊」と呼ばれる[2]
  • 大きく分けて、中核となるエースパイロットで構成される「MS隊」、母艦・支援艦を含む「艦隊」、MS隊の予備ともされる「艦隊直衛MS隊」、MSの製造プラント船「ミナレット」を含む「技術部隊ヒュドラ」の4隊で構成される。
  • キマイラ隊設立の真の目的は、キシリア傘下の「シャア・アズナブル大佐が率いるニュータイプ部隊」の反乱に備える、キシリア自身の「オールドタイプによるカウンターニュータイプ部隊」である。そのため、最高のパイロット・装備・サポート要員以外に、ごく初期のタイプとはいえ強化人間(ユーマ・ライトニング、イングリッド0等)も配属されている。
  • ア・バオア・クー防衛戦の終盤に部隊内で意見の対立が起こり、地球連邦軍の艦船を巻き込んで「キマイラ」と「サングレ・アスル」との間で戦闘が行われ[3]ア・バオア・クー空域を離脱、最終的にオクスナー・クリフ大佐旗下のルナツー部隊に包囲されて投降する[2]。この時、ユーマ・ライトニングとジョニー・ライデンはMS戦を繰り広げ、負傷したジョニーはウェイライン隊との戦闘の末に捕獲される[2]

ミナレット[編集]

  • キマイラ隊技術部隊ヒュドラのMS改修専用艦(巨大プラント船)。ジオニック社、ツィマッド社、MIP社のトップエンジニア、エースメカニックが出向し乗り込んでいる[2]
  • 技術部隊ヒュドラは「キマイラ隊の肝」といわれ、特に「ミナレット」はCAD/CAMシステムを高度に発展させた「設計支援システム」により、各エースパイロットの個別要望によるカスタマイズも数日で実物を完成させるという高レベルの技術力、生産力を有し、1隻でジオン公国の『MSV群』を生み出す改修・改造システムの一端を担っている[2]
  • 技術部隊ヒュドラのMS開発研究技術の遺産は戦後10年を経てもなお、他のより大きく進んでおり、戦後ジオン公国系のメーカーが地球連邦政府、アナハイム・エレクトロニクスに開示したMSの開発データは意図的に分割されているため、全てが揃っているのはこの「ミナレット」だけといわれる[4]
  • 内部は物理的・データ的を問わず細かくアクセスを制限されており、その全貌を知るのは大隊の編成責任者であるヒュー・マルキン・ケルビン大佐、MS隊指揮官のジョニー・ライデン少佐、エイシア・フェロー船医長の3名のみである[4]
  • 現在は無人のまま自動航行で宇宙を周回しており、その航路パターンは「サングレ・アスル」に搭載された航路検索システムでなければ突き止められない。

ザビ家の復讐装置[編集]

  • ジオン軍が開発した、旺盛すぎる繁殖力で他の生態系を破壊する環境破壊兵器「アスタロス」(『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…』に登場)をスペースコロニー内部に対して散布・実行するシステム。「ミナレット」から起動される。
  • オクスナー・クリフはキマイラ隊の接収時に実際に起動確認画面を見てその存在を知っている。また、旧ジオン公国の上層部であるホルスト・ハーネスもその存在を知っている。

テミス[編集]

  • ジャコビアス・ノードが社長を務める民間軍事会社。キマイラ隊を捕獲したオクスナー・クリフ首相補佐官(初代FSS会長)のバックアップを受けている。
  • キマイラ隊由来の部隊でありその中核も旧「キマイラ隊MS第一小隊」であるが、それ以外にも元連邦・元ジオン、元ティターンズなどの構成員の寄り合い所帯となっている。練度は高く、オクスナー・クリフから回されてくる装備(旧公国製やティターンズ系の払い下げ品)もあって一個中隊規模の戦力を維持し、表の業務以外に「サングレ・アスル」を守護している。
  • ゲルググキャノンジム・クゥエルラムズゴックなどを所有。航空戦力も擁している。
  • テミス(THEMIS)」とはギリシャ神話の「法と掟」の女神であり、剣と天秤を持った姿で表現され、同社の社章もこれをモチーフとしている。

茨の園[編集]

  • サイド5にある破壊されたスペースコロニーや撃沈された戦艦などの残骸を中心に建造された基地。かつてはデラーズ・フリートが軍事拠点としている。
  • デラーズ・フリートと通じていたアナハイム社常務の自殺後に常務の所持品から座標データが発見され、以後、アナハイム・エレクトロニクス社が秘密の運用テストエリアとして管理している。
  • アナハイム社主計局次長フークバルトから、軍事拠点を欲していたユーマ・ライトニング、ジーメンス・ウィルヘッドら「キマイラ隊」残党に提供される。

Federation Survey Service[編集]

略称FSS。戦史や戦争によって散逸したデータ収集と資料の編纂を行う一種の外郭団体[5]。公的機関や民間に対しての公開可能なレベルの調査資料の提供や、一般公開可能な資料に基づいたドキュメンタリー番組の制作・それらのソフト販売も行う[1]。レッド・ウェインラインたちの所属するチームは、調査部第一課に属し、特にモビルスーツを始めとした機動兵器の調査を行っている。

FSSの経緯[編集]

  • 宇宙世紀0080年の一年戦争の終結後、連邦軍が卓越したジオン公国軍の技術を接収することを目的に設立された「兵器群調査委員会」を母体とする[3]。初代委員長は、オクスナー・クリフ大佐(1年戦争においてキマイラ隊を捕獲)。
  • 宇宙世紀0082年、調査規模が当初の想定を上回った為、組織の拡充が行われ「Federation Survey Service」と改称されて、「第一次FSS」に移行[3]
  • 宇宙世紀0084年、旧公国軍と連邦軍のMSVの発掘、分析、体系をまとめた「Action Graphic」を発表し、その成果により組織拡大が行われ「第二次FSS」に移行。この時、スペースノイドとの融和政策の一環として戦史調査等が共同事業化され、ジオン共和国との人材交流プログラムが発足[3]。(宇宙世紀0086年にアマリア・グリンウッドを装ったリミアが出向してきたのもその流れ。)
  • 宇宙世紀0089年より、新たに一年戦争当時に散逸した資料を収集・検討し、その編纂・保存する事業を連邦政府および連邦軍より委託され、その事業に関しては最大限の権限を保証されている。

FSSの組織概要[編集]

  • FSS代表:ジル・ブロッケン・フーバー。監査部(監査役員10名)、財務部、調査企画部、実行関係部署から組織されている[3]
  • 実行関係部署は、調査部、資料管理、保安、広報(代表:リバー・コーナー。ソフト開発・販売などを行う)、総務であり、その調査部に属する調査チームは4名から成り、宇宙世紀0090年には16チームが編成されている[3]
  • 予算は連邦政府議会から捻出されているが、それ以外にも様々な個人・団体からの寄付を受けており、大口の団体にはジオン共和国そのものや、双方の政治家も含まれている。
  • 人員の内の約10%は幽霊役員とも呼ばれる軍部を始めとした組織からの天下りであり、それらのコネもあって組織的な保護や便宜を図られている。その引き換えとして様々な、公にできるものや極秘資料を含め記録保管庫として利用されている。保管されている極秘資料を全て公開した場合、連邦政府が崩壊するとも言われている。

FSS報告書「MOBILE SUIT PROFILE」[編集]

各巻にはFSS報告書が挟まれている。

ウェイライン隊[編集]

  • 一年戦争末期、ジョニー・ライデンが搭乗する高機動型ゲルググと交戦・捕獲した連邦のMS部隊。この時、ウェイライン隊は壊滅寸前にまで追い込まれる。ジム・インターセプトカスタム及び ジム・ガードカスタムで編成されている。
  • 交戦時のジョニー・ライデンはユーマ・ライトニングとの戦闘でMS、パイロット共に深手を負った状態であった。

登場人物[編集]

FSS[編集]

レッド・ウェイライン (Led Wayline)
本作の主人公。FSSに所属するテストパイロット。立場的には連邦軍からの出向人員。
U.C.0056年生まれ(34歳)、北米オハイオ出身で母親も存命、一年戦争中の所属などの軍歴もハッキリ残っていると言い、本人もそれを疑っていない様子。ただし作中では、当時のデータの多くは戦争で消失しており、それ自体が決定的な証拠とは言えないことも示唆されている。
名前は「Red(赤)」ではなく「Led(Leedの短縮形、“導く、導かれる”の意)」で、「よく赤いヤツの方に間違えられる」とは本人の弁。元キマイラ隊のメンバーなどからジョニー・ライデン本人として扱われることを快く思っておらず、自身をジョニー・ライデン呼ばわりする人間を誰彼かまわず怒鳴ったり殴ったりもする。しかし、ジャブロー戦にてイングリッドと対峙した際に、バイオセンサーの影響で「知らないはずの記憶」を垣間見て戸惑いを見せる。その後、リミアの危機やキャリフォルニアベースでの会談に際しては「自身がジョニー・ライデンであること」を肯定するかのような態度をとるが、本人は「自分が“ジョニー・ライデン”として振舞うことで皆が納得するなら、それも良い」とフーバーに述懐している。
フーバーによると、10年前にジョニー・ライデンを捕らえ、収容された病院船が戦闘で被弾。彼を収容したブロックは辛うじて無事だったが、収容者が全員意識不明だったことも含めて、個人を特定する方法が無くなっていた。レッドはその中でもキマイラ隊から回収したデータや動態反射から92%(フーバーは自身の感覚から+7で99%)の確率でジョニーと判断されている。
強化人間であるユーマやイングリッドは彼がジョニー・ライデンであることに疑いを抱いておらず、またジョニーの腹心であったジャコビアスも、半ばそれを確信している様子を見せている。
リミア・グリンウッド (Rimia Greenwood)
サイド3ジオン共和国)出身[6]で、作中冒頭時期の半年前に人材交換プログラムの一環でやって来た工科大学院生[7]。レッドの所属するチームの技術担当兼エンジニア。甘味と食事に関しては並々ならぬこだわりがある。
一年戦争終戦時に行方不明となったエースパイロット、ロイ・グリンウッド(MSVの登場人物)の娘である。また、義父であるレオポルド・フィーゼラーからは、電子ロックのキーコード解析機などの扱いも習っている。アマリアという姉がおり、頭が上がらない存在。
ジオンマークが入ったハロを所有。それに記録していたデータや、度々引き起こされるトラブルから「レッドの正体」に関心を持ち始め、調査テストが認められたコア・ブースターをメンテナンスする際にはジョニー・ライデン専用機のように紅く塗ったりするなどして彼をからかう。そんな半面、レッドのことを憎からず思っているようで、環境改善プラントで保護されたユーマにインタビューをした際には、直観の働くユーマにレッドとの仲を勘繰られた挙句「姐さん」と呼ばれる様になってしまい憤然とする。
ジャブロー戦では、三つ巴の状況の中でユーマと共にジャブロー内部のネットワークと繋がった施設を探すための偵察に出るが、その先で「ミナレット」への道標となる船「サングレ・アスル」を発見。争いの火種であるそれを戦場から遠ざけるため、自ら打ち上げ直前の無人の船に乗り込み、そのまま宇宙へと飛び立ってしまう。その後慣性航行に入った「サングレ・アスル」のメイン動力である核融合炉の再起動作業などを行っている。
リミアが一年戦争終戦の日にズム・シティ(ジオン公国首都)で体験したエピソード(防空壕に避難させられ、とても寒かった)は、『機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画』で描かれた事件に基づいている。
アシュレイ・ブラウン・ブランドン (Ashley Brown Brandon)。
通称・ボブ(リミアが初対面時に第一印象のみで決定)。レッドやリミアの同僚で、リミアには顎で使われている。元は軍属で多少肥えた体の割りに身のこなしは早い。一年戦争当時はまだ大学生だった。ジャブロー戦以降は部隊の先任下士官的な立場として行動する。
アイシュワリヤ (Aishwaya)
FSSに所属するコンピュータ関連の専門家。ストレートのロングヘアを流して眼鏡をかけた褐色の肌の女性で、FSS内でも指折りのハッカーなのだが、少々天然ボケが入っている。作戦中、上司のフーバーからのメールが届いても、あえて「見なかった」ことにして笑顔で自身の希望をゴリ押しするなど意外と逞しい様も見せる。
ジル・ブロッケン・フーバー (Jill Brocken Hoover)
FSS会長。一年戦争当時は連邦軍MS部隊の大隊長で、レッドの元上官を自称している。実は一年戦争でジム・インターセプトカスタムに搭乗しジョニー・ライデンの高機動ゲルググと戦い、負傷していた彼を捕らえた「ウェイライン隊」の隊長、ウェイライン少尉である。現在の名は偽名、あるいは変名で、ディドコットからは「アルベルト」と呼ばれている。
陽気でおおらかな性格だが、昔から軍内部の裏道に詳しく、それを悪用して様々な便宜を図っていたらしい(主に補給物資の横流しに関与していたとのこと)。
社員の独走もかなり多目に見ているが、ジャブローでの紛争が始まると自らも腰を上げ、ジャブローへの足としてアーガマ級巡洋艦「ニカーヤ」を引っ張り出してくる。ジャブロー戦でもジム・インターセプトカスタムに乗り、とΖガンダム用のメガランチャー(動力はニカーヤから)を用いて、テミスのラムズゴック隊と戦うクリストバル、エメの援護射撃を行う。
スコット・ウォレス
リミアとは別のチームに属しており、整備マニュアルなど文書データ等の調査・収集を担当。FSSの裏にも通じている。スキンヘッドと染めた顎鬚が特徴。
本名はスコット・アンデルセン[3]。元キマイラ隊の主計官であり、今でも元キマイラ隊の面々やジオン共和国下院議員レオポルド・フィーゼラーとも繋がっている。リミアの父を「隊長」と呼んでいることから、彼もかつてはカラカル隊に所属していた模様で、そのためかリミアに対してはかなり慇懃な態度で接し、姫と呼んで敬う様子を見せている。フーバーには素性を知られている模様。
地球に降りてきたエメとクリストバルにMSとジャブローまでの足を都合するが、堪忍袋の緒が切れたフーバーに現地まで付き合わされることになる。

旧キマイラ隊関係者[編集]

ジョニー・ライデン(Johnny Raiden[8]、Johnny Ridden[2]
本作の中心人物で、階級は中佐[9]。元々は『MSV』の登場人物であり、一年戦争当時、ジェラルド・サカイトーマス・クルツと共にキマイラ隊に配属される。本作ではこれまでの「ジョニー・ライデンを描いた諸作品」を前提とした上で「様々な説が記録に残る謎の人物」とされており、主人公のレッド・ウェイラインと同一人物なのではという疑念を抱かれている。作中にはレッドを含めた12名の「ジョニー・ライデン候補」が存在しているが、既に5人までが処分済みとなっている。
ジャコビアス・ノードによると「真紅の稲妻」の異名に違わず、常に最速にして最短経路の行動をとると判断されているなど、一年戦争から10年を経てもキマイラ隊メンバーからの信頼は篤い。また、「腹芸は到底不可能なタイプ」とのことで、外科手術などで如何に外見を変えても、その身に纏った気配は誤魔化しようがなく、キマイラ隊のメンバーなら直接会えば判るだろうとのこと。ジョニー・ライデンの部下であるユーマやイングリッドの現在の言動から、リミアは彼が「底抜けにデカイ器か、我慢強さの持ち主」だったのではないかと推測している。
「ミナレット」に保管されたデータの全貌を知る3人のうちの1人。
ヒュー・マルキン・ケルビン
「ジオン公国突撃機動軍」情報統括局局長。階級は大佐。
キマイラ隊の編成責任者で、「オールドタイプによるニュータイプ殲滅部隊の研究と開発。そしてその運用」という構想からキマイラ隊設立をキシリア・ザビに上申する。「ミナレット」に保管されたデータの全貌を知る3人のうちの1人。ジーメンスの言によれば、既に死亡している。
レッドの垣間見た記憶では、エイシアの死因をジョニーとしたり、ユーマにアスタロスのサンプルを持ち出させたりしている。
エイシア・フェロー
元キマイラ隊の船医長。現在でもキマイラ隊関係者の間で度々名前が出てくる女性であり、ヒュー・マルキン・ケルビン大佐、ジョニー・ライデン少佐と並んで部隊内でもトップ3に入る立場の人物。ユーマ曰く「ジョニーの良い人」。「ミナレット」に保管されたデータの全貌を知る3人のうちの1人。ジーメンスやユーマの言によれば既に死亡しているとのことで、レッドの垣間見た記憶では、沈む寸前の艦内で「グリモワール」と呼ばれるとあるプログラムの解除を決死の覚悟で敢行し、爆発に巻き込まれている。
ユーマ・ライトニング (Uma Lightning)
『MSV-R』の登場人物であり、ゲルググ高機動型のパーソナル機が本作の前に設定されていた。
元キマイラ隊の強化人間で、「青いゲルググ」を駆り、ジョニー・ライデンと「ミナレット」を探している。元隊員の中でも最年少の若手(当時10代前半)だが、旧公国軍で研究されていた強化パイロット試験体で、若年ながらライデンと互角の腕を有し、「青き雷光」の異名を誇る。一年戦争後は、その混乱に乗じて連邦軍第202技術試験大隊所属の大尉の軍籍を手に入れ、連邦軍部隊を装いながら地球上の「キマイラ隊」及び志を同じくするジオン軍残党の事実上のリーダーとして活動。
彼の運用する高機動型ゲルググ改は連邦軍の最新技術素材とジオン系技術で改修された高度なハイブリッドカスタム機となっている。既に中身は別物になっているが「高機動型ゲルググ」の外見にこだわるのは「(自分だと)ジョニーに気付いてもらう為」。この事も含め、エースパイロット、軍人としての冷徹な面を持ちながらも少年の様な無邪気さが混在している様子が伺える。後に彼を診察したFSSの医師も、その若干の幼児性が強化の結果なのか、生い立ちからくるものなのかは判断しかねている[10]。一年戦争末期、部隊内で起きたいざこざでライデンと戦い、生身のジョニー・ライデンを銃撃してしまった事がトラウマになっている。
環境改善プラントにてナイトイェーガー隊のヴァースキが搭乗するジム・ナイトシーカーと戦うが、一瞬の差で海ヘビによる電磁攻撃を喰らい昏倒。その後、ガンペリー強襲タイプの墜落によって発生した火災に機体ごと巻き込まれるが、レッドがプラントの最終エマージェンシーシステムを開放して起こした大放水でかろうじて生存し、FSSに回収される。その時にレッドと邂逅した際には、ヘルメットを外した彼を「ジョニー」と呼んで気を失っている。
イングリッド同様にレッドがジョニー・ライデンであると確信しており、本人曰くレッドの乗る陸戦高機動型ザクと戦った際に、マゼラトップ砲で肩を撃たれた時にそう悟ったとのこと。
FSSに入院加療と調査を建前に保護されるが、連邦軍からは軍歴詐称を始めとした服務規程違反等で引き渡し命令が来てしまう。しかし、彼の境遇に同情したリミアと、イングリッドによって示されたジャブロー行きを画策するレッドの手引きによって脱走に成功。事前に示し合わせていた段取りで手配したユーコン級潜水艦を呼び寄せ、南米へ向かう。その際、呼び集めた戦力全てをレッドに委譲し、自身はアッガイに搭乗。宇宙に上がってからはギャン・エーオースに搭乗している。
イングリッド0(イングリッド・ゼロ)(INGRID-0)
元キマイラ隊の少女で、現在はゴップの養子。クローン技術を用いて造られた生まれながらの強化人間であり、高機動戦闘に特化した能力を持つ。一年戦争末期にキマイラ隊に配属される。当時はユーマと共にジョニー・ライデンの隊に属しており、上司と部下というより師弟関係に近い間柄であるが、普段から訓練では引っ掛けに近い戦法で一杯喰わされているため「データ上の戦術機動はジョニーより赤い彗星の方が上」と言ったりしては、ジョニーに心酔しているユーマとケンカをしている。
冷凍睡眠中にキマイラ隊が連邦軍に拿捕され、表向きは養女としてゴップ議長に預けられる。実際はユーマとは同い年だが、ごく最近まで冷凍睡眠していたため未だにミドルティーンの容姿を保っている。そのため現在の世界情勢にも疎い[11]
コア・ブースタープラン004を飛行試験中のレッドを専用のギャプランで襲撃する(その際に自らも「ジョニー・ライデン」を名乗る)が、相撃ちとなり環境改善プラントに墜落。プラント内で共に行動し、制御室での会話を経てレッドがジョニーである事を確信している。レッドと直に顔を合わせた時に「ジョニ子」と呼ばれ憤慨する。
ゴップの元へ帰還ののち、ジャブロー攻略作戦に参加する為の機体として各部をアップデートしバイオセンサーを搭載したヘビーガンダムを受領して出撃。ヴァースキ(ヤザン・ゲーブル)をして「末恐ろしい」と評される戦闘力を持ってジャコビアスを凌駕し撃破、続いて現れたレッドの駆る「紅いゲルググ」と互角の攻防を繰り広げる。
「ミナレット」に封印された「ザビ家の復讐装置」の存在を知っており、テミスや味方であるはずのナイト・イェーガー隊をも出しぬいて「サングレ・アスル」を手に入れ、レッドと共に「ミナレット」を破壊しようと画策する。
ジャコビアス・ノード(Jacobius Node)
『MSV-R』の登場人物であり、ゲルググキャノンのパーソナル機が本作の前に設定されていた。
元キマイラ隊MS第一小隊のNo.2でジョニー・ライデンの元相棒。階級は大尉。彼曰く、MS第一小隊のモットーは「諦めるな、最後まで見届けろ」。
トップスナイパーであり、三連式多目的カメラモジュールを装備したゲルググキャノンを駆る。連邦製ロングレンジライフルを使用し、ノーマルスーツのヘルメットもライフルのセンサーと同調したシステムを搭載した特製である。
現在は、民間軍事会社テミスの社長でオクスナー・クリフの「猟犬」を自称している。オクスナーからはジョニー・ライデン候補の選別を命じられた際には、数ある候補の中から真っ先にレッドと接触する。しかし彼が「ジョニー・ライデンかもしれない」という判断をオクスナーには伝えないなど、独自の考えで動いている様子も見せている。
最初のジャブローでの遭遇では立場の違いからユーマと戦闘になるが、環境改善プラントでのユーマの危機に際しては、社の損失を省みず“ユーマの救助”を“表の仕事”として成立させる指示を行う。その後FSSを訪れ、レッドらに自身の知る「キマイラ隊の概要」を証言する。内容の真偽については不明だが、それによればキマイラ隊へ転属する前は、ガルマ・ザビ麾下の地球方面軍に所属。ホワイトベース隊との戦闘には招集されていない。ガルマ戦死後にオデッサに転属となり、オデッサ作戦後にキマイラ隊に招聘された、としている。
一年戦争終結後はオクスナー・クリフの部下となりジャブローに秘匿されている「サングレ・アスル」を守り続け、その奪取を目指すユーマ・ライトニング達と対立する。ゴップ議長が手配したナイトイェーガー隊のジャブロー侵攻に際しては、自ら出撃してヴァースキが操るギャプランと激闘を繰り広げるが、遅れて登場したイングリッドのヘビーガンダムに機体を撃破され、自身の「歳を取ったという事実」に感じ入るも、スナイパー仕様のジム・クゥエルで再出撃し部隊を指揮し続ける。ジャブロー戦終結後は現地から撤収、ジャコビアス本人はオクスナーの指示でニカーヤに合流、レッド、ユーマと共にニカーヤのMS第一小隊を構成する。
ジーメンス・ウィルヘッド(Siemens Willhead)
『MSV-R』の登場人物であり、ゲルググ高機動型R型のパーソナル機が本作の前に設定されていた。
元キマイラ隊MS第二小隊隊長[12]。階級は大尉。ユーマからの要請でキマイラ隊の残党を率い、「キマイラ」を母艦としてジャブローからの打ち上げ軌道上の宙域を押さえ、高機動型ゲルググ改で近寄る連邦軍およびジオン残党を撃破する。
キマイラ隊創設時から配属された古参であり、戦後はエメと結婚、ユーマから連絡が届くまではサイド1でパン屋を営む。「スペースノイドはキャリアからリタイアするとパン屋を始めたがる」とはクリストバルの言。現在の彼らは表向きアナハイム・エレクトロニクスの社員という事になっており、アナハイムから提供される援助と引き換えに試作・開発された各種部材のテストも行っている。
クリストバルに留守を任せてエメと二人でスゥイート・ウォーターに向かいホルスト・ハーネスと接触した結果、「ミナレット」に自分たちも知らない秘密があることを知り、ジャコビアスと接触して情報を得るためクリストバルとエメを地球に派遣する。
エメ・ウィルヘッド(Emme Willhead)
『MSV-R』の登場人物であり(ただし旧姓のエメ・ディプロムとして)、ゲルググ高機動型(R型)のパーソナル機が本作の前に設定されていた。
元キマイラ隊MS第二小隊のNo.2。階級は中尉で[13]、キマイラ隊唯一の女性パイロット。現在はジーメンスの妻。中々に茶目っ気のある女性でクリストバルをからかって楽しんでいる他、作戦中バックアップをする立場であり亭主であるジーメンスをも結構こき使っている。
ダカールからジャブローに飛ぶことになり、スコットが手配したドム・マーメイドを駆り、テミスのラムズゴック隊と戦闘となる。宇宙に上がってからはニカーヤのMS第二小隊としてアイザックに乗りこんでサングレ・アスル探索を行う。
クリストバル・ラザフォード(Cristobal Rutherford)
元キマイラ隊MS第二小隊隊員。キマイラ隊配属前はアフリカ戦線の「カラカル隊」に在籍し、ロイ・グリンウッドの部下であった。エース級のパイロットではあるが、第二小隊では一番下っ端である為、苦労が絶えない。リミア・グリンウッドのことを恩人の娘と考えている。ダカールからジャブローに飛ぶことになり、スコットが手配したドム・マーメイドを駆り、テミスのラムズゴック隊と戦闘となる。宇宙に上がってからはニカーヤのMS第二小隊としてジムIIに乗りこんでサングレ・アスル探索を行う。
アナスタシエフ
「キマイラ」の艦長。ジーメンスと共に元第2小隊と艦の指揮を執っている。
マイヤー・メイ(Meyer May)、ガーニム(Ghanim)
元キマイラ隊々員。別行動をとっていたが、ジャブローでの紛争開始時に、地球上空でジーメンスらと合流する。
マイヤー・メイは皮肉屋で、物ごとや相手を揶揄する言い廻しをよく使う。MS戦では近接戦闘を得意とし、輪形型で三か所からビーム刃を発生させる投擲も可能な武器を使う。
ガーニムは髭を蓄えた巨漢で対艦戦のエキスパート。マイヤー・メイからは「我らが盾」とも称されている。
ジェラルド・サカイ
階級は大尉。『MSV』の登場人物でもある。ア・バオア・クー戦前に部隊を離脱した一人で、元キマイラ隊々員としては数少ない一年戦争後の生存が公となっている人物[14]。サイド3(ジオン共和国)での情報収集中であることをクリストバルらが語っているが本編には未登場。なお、6巻冒頭にて一年戦争当時の姿が、ユーマ、ジャコビアス、トーマス・クルツと共に描写されている。

地球連邦政府・連邦軍関係者[編集]

オクスナー・クリフ (Oksner Cliff)
連邦政府首相補佐官。一年戦争時は開戦派だったレビル大将の幕僚の1人で当時は大佐。FSSの前身である連邦軍兵器群調査委員会の初代委員長でもある。政界では次期首相の有力候補とされているが、自身は戦乱の時代を「運良く生き延びただけ」と自嘲し、派閥を持たず傍観している。知恵の輪ルービック・キューブなどのパズルを手慰みにする癖がある。裏ではジャコビアス等「猟犬」を飼っており、「ジョニー・ライデンと呼ばれる存在」に関して警戒している。
シドニー出身で、当初は開戦論者であったが、戦後に故郷の惨状(シドニーはコロニー落しの被災地)を見て、人類の底知れぬマイナス面を強く意識する。その後、人類存続の助力になればと政界に転身。「人類の存続」という目的はゴップ議長と共有しているが、そのために目論んでいる手法は「ザビ家の復讐装置」を用いて、全てのスペースコロニーを居住不可能な状態にすることで、現存人類全てを一度地球に戻し、宇宙世紀を一旦終了させる。棄民同様に始まった現在のスペースコロニーを廃棄し、改めて人々の希望と祝福による宇宙開発をやり直すことで、アースノイドとスペースノイド間のわだかまりや争いを無くそうというものである。
スモリアノフ
オクスナーの秘書。秘書としてラムズゴックの手配等の表の仕事をこなすだけではなく、ジョニー・ライデン候補の排除等、裏の仕事も行う。リミア・グリンウッドの排除に関してはジオン共和国との外交問題となるため断念している。主人に対するジャコビアスの態度に激昂するなど、オクスナーに対して心酔している様子が見て取れる。
ゴップ (Gopp)
地球連邦議会議長。オクスナーの選挙のために根回しを進めているが、同時に「キマイラ隊の生き残り」を監視している。『機動戦士ガンダム』の登場人物であり、一年戦争時は連邦軍の将官だったが、軍政を担当し、前線に出ることはなかった。連邦軍の管理運営者として、必要とされる資金、物資を確保し、必要とされる場所に配備する能力に長けており、これは一年戦争に従軍していたヴァースキも作中で認めるところである。
一年戦争後に退役し連邦議会議員に転身する。一年戦争以後も紛争の続いた10年をティターンズエゥーゴのいずれにも与せず生きのびて、結果として連邦議会の最大派閥を形成するに至る老獪さは高く評価されている。作中での行動に対して彼自身はスペースノイド・アースノイドの区別なく「人類の存続」を望んでおり、アースノイドにとって重要な地球環境を維持・改善するプラントを不要と言い放つが、彼自身は自分が人類社会の寄生虫であり、自分が得た利益も人類社会あっての物である事も理解している。
イングリッドを表向き「養子」として引き取っており、曰く「娘は持った事が無く、新鮮な毎日」とのことで、あちこち連れまわしている。これは「幼女を養子にして喜んでいる俗物」と周囲の目を欺き、政敵の油断を誘う意味と、表面的なものに騙される人となりであるかを判別するために行っている。また、どこまで本気かは不明だが、イングリッドの将来(嫁ぎ先)に関してはよく話題にしている。
「ミナレット」に関しては破壊することを望んでおり、オクスナーとはその点では対立しているが、「人類の存続」についてより良い案をオクスナーが提供できるのならば、例え意見が異なっていても手を貸す(オクスナーを連邦首相の座につけるよう議会協力を行う)度量も持ち合わせている。
ヴァースキ(Vasuki)
階級は大尉。連邦軍特殊部隊「ナイト・イェーガー」の中隊長として登場し、環境改善プラントでユーマと戦い、地上戦での経験の差で打ち倒す。その後、ゴップ議長に引き抜かれて少数精鋭の独立部隊(ゴップの私兵部隊)「ヴァースキ隊」の指揮官となった。ナイト・イェーガー隊所属時はジムIIIをベースに作り上げられたジム・ナイトシーカーのカスタム機(特殊装備「海ヘビ」も装備している)に搭乗。ヴァースキ隊では青いカスタムカラーのギャプランを乗機として受領し、ジャブロー攻略作戦にイングリッドの御守り役を兼ねて従事する。
その正体は元ティターンズ所属のヤザン・ゲーブル(機動戦士Ζガンダム、機動戦士ガンダムΖΖの登場人物)で、「ヴァースキ」という名前は偽名、またはコードネームであるが、遠まわしに認めつつも本人はあくまで別人であると韜晦している。
バレンスタイン(Valenstein)、カワセ(Kawase)
ナイトイェーガー隊に所属するパイロット。バレンスタインは長髪の優男で同隊では副隊長を務め、カワセは多少厳つい見た目で頭にバンダナを締めている。共にゴーグル型の眼鏡を着用している。環境改善プラント作戦後、ヴァースキ隊に引き抜かれジャブロー攻略作戦に参加する。ギャプランを乗りこなし腕は確かだが、レッドの乗る高機動型ゲルググ改に出会いがしらに大破させられる。
宇宙に上がってからはナイトシーカーに最新型量産試作機(ジェガン)のパーツを移植した機体で訓練を行っている。
ブロイ・リゲラ(Broglie Ligera)
地球連邦軍第100MS飛行中隊隊長。階級は中尉。乗機は、アッシマー。一年戦争中期(当時の階級は少尉[15]ボールM型に搭乗し、地球衛星軌道上での機雷散布任務中にジョニー・ライデン率いるMS隊と接触し、所属していた第24哨戒艦隊は壊滅。その際に通信とはいえジョニー・ライデンと言葉を交わし、ユニコーンの紋章を譲り受ける(現在は彼が率いる中隊の部隊章となっている)。
その正体は連邦軍内部へ潜り込んだ元キマイラ隊の工作員。当時の所属はエース部隊ではなく、艦隊直衛のMS隊。レッド達に語った内容自体は事実だが、ブロイ(正確には、現在ブロイ・リゲラを名乗っている人物)は連邦軍第24哨戒艦隊を壊滅させたプリムス艦隊側である。ユニコーンの紋章とその逸話を餌に、ジョニー・ライデンに関して探りを入れている者や「ジョニー・ライデン候補」に接触するのが主な任務となっている。なお、レッド・ウェイラインとの接触後、「………あなたの帰還を歓迎しますよ…」と呟いている。レッドらがジャコビアスの手配したゲリラや乱入したユーマに襲われた際に、ブロイは救援に駆け付けユーマと交戦している。
ミシマ(Mishima)
地球連邦軍第104空挺師団長。階級は准将。ゴップの要請を受け環境改善プラントへ出動、輸送機から指揮を執る。指揮下にある「ナイトイェーガー」の投入に消極的な態度をとる。
ディドコット(Didcot)
ジャブローへ向かう足としてフーバーが手配したアーガマ級強襲巡洋艦「ニカーヤ」の艦長。階級章は大尉のもの。
フーバーとは古馴染だが、本来は艦長になる様なタイプではなく、一年戦争で上官がいなくなった結果、最先任だったディドコットにお鉢が回ってきた。一年戦争末期にはネルソン級MS軽空母の艦長を務めており、敵味方両軍の人材の払底を嘆いている。警告を含む通信を送って来た連邦軍第109戦区司令部に「うるさい、黙れ」と返答し、操舵手に「手動操作で艦をカタパルトに降ろせ」と丸投げするような人物。
マサトシ
「ニカーヤ」の操舵手。ディドコットに「マサ」と呼ばれている。
ココノエ
ペガサス級強襲揚陸艦「ブランリヴァル」の艦長。襟章から階級は大佐。艦長代理時代を含めると一年戦争時から12年間同艦に乗艦している。
フィーリウス・ストリーム
ギレン暗殺計画』の登場人物。ブランリヴァルのMSパイロット。階級は中尉。ガルバルディβに搭乗する。
元はジオン公国軍のギレン親衛隊に所属しペズン計画のテストパイロットを努めており、その後アナハイム・エレクトロニクス、カラバを経て連邦軍所属となっていることが『機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画』で語られている。
ガイウス・ゼメラ
ギレン暗殺計画』の登場人物。ブランリヴァルのMSパイロット。一年戦争からのフィーリウスの部下。終戦後に同じ部隊に所属するバネッサ・バーミリオンと結婚したようで、バネッサは現在妊娠中である。

アナハイム・エレクトロニクス社関係者[編集]

旧ジオン公国系の企業を買収し急成長を遂げた軍産複合企業。新規に開発した機材の「試用とその運用データフィードバック」を引き換えとして旧キマイラ隊第2小隊を事実上匿っている。

フークバルト(Hugbald)
ミリィと共に「キマイラ」に派遣された黒人男性で、アナハイム社主計局次長。
アナハイム社内のキマイラ隊残党の存在を問題視している派閥から派遣されてきた「鈴」であるが、彼自身はキマイラ隊の価値を認めていて、上層部と交渉し「茨の園」をキマイラ隊に委譲する認可を手に入れてくる。
新拠点を運用する分も含めてキマイラ隊の主計業務を引き受ける。
ミリィ・チルダー(Milly Childer)
アナハイム・エレクトロニクス社からキマイラ隊に派遣された女性メカニックで身分は上級技師。『機動戦士ガンダムΖΖ』の登場人物でもあり、ネェル・アーガマにも乗艦している。
マイヤー・メイ、ガーニムがジーメンスらのキマイラ隊残党に合流する際に、「キマイラ」に派遣される。「自分の派遣先はこんなのばかり」とボヤいている。

ネオ・ジオン[編集]

作品の舞台は「第二次ネオ・ジオン抗争」前夜であり、アデナウアー次官によるネオ・ジオン崩壊後のアクシズ接収について触れられている他、「スウィート・ウォーター(サイド1)」に不穏分子が集結していることなども語られている。

ホルスト・ハーネス(Holst Harness)
ネオ・ジオンの参謀総長。[16]『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の登場人物でもある。
本作では一年戦争時点からジオン軍の軍政を担当していたことになっており、ジーメンスとはキマイラ隊発足時に面識がある。
「スウィート・ウォーター」でジーメンスと接触し、キマイラ隊が隠匿した「ミナレット」の返還を求める。また、「ザビ家の復讐装置」を5thルナの代わりにすることを考えてシャア・アズナブルに具申、探索自体は5thルナ占拠の計画と並行して進め、確保に成功したら再考すると任される。
なお、ジオン共和国での目撃情報がジェラルドからキマイラに送られてきた際には、クリストバルに「性質の悪い軍閥官僚オヤジ」と評されている。
シャア・アズナブル(Char Aznable)
ネオ・ジオンの新たな総帥として、難民収容のために建造されたコロニー・スウィートウォーターで活動している。ホルストたちが「ザビ家の復讐装置」を求めていることは知っているが、それを「悪趣味」と言い放ち、自身の目的を達するには不適格なものだと考えている。
アルトネージ
エンドラ級巡洋艦「ミランドラ」の艦長。階級は少佐。シャアの親衛戦力を統率している。チベ級ティベ型「ティカル」と共にキマイラ隊と交戦するが惨敗。
アルレット・アルマージュ
シャア専属のフィッターエンジニア。一年戦争時代[17]からシャア専属のフィッターエンジニアでシャアの事を大佐と呼ぶ。「ムサカ」内で試作段階のサイコフレームを搭載したディジェの調整作業を行っている。シャアとは長い付き合い故か物怖じせず時に辛辣な意見を述べるなど、信頼関係が伺える。作者がストーリー構成とデザインを担当してるTwilight AXISの主要キャラでもある。
ダントン・ハイレッグ
シャア専属のフィッター(テスト)パイロット。1年戦争時代から現在の立場におり、シャアを大佐と呼ぶ1人でもある。アルレット同様に『Twilight AXIS』の主要キャラでもある。
ロレンソ
新型巡洋艦である「ムサカ」の艦長。

ジオン共和国[編集]

ルーベンス(Rubence)
車椅子の男性。FSSからの依頼で地球を訪れ、同組織の回収したMSが「ザクII 初期生産タイプ」であることを確認する。
作中の12年前(宇宙世紀0078年3月)は旧ジオン公国軍のパイロット候補生で、前述の機体で訓練を受けている。当時のニックネームは「ラビット」だったらしい。教導機動大隊の慣習でパイロットシートにはその機体で訓練を受けた多くのパイロットたちの署名があり、彼の署名も存在していたために確認の連絡を受ける。
戦後、復員してからの長い期間、悪夢と隣合わせながら命を預け合った仲間と共に過ごした場所である戦場。そして、そこから放り出された孤独に苦しんでいたが、かつての愛機のコックピットで10年ぶりの安らぎを得る。
アマリア・グリンウッド
リミアの姉。リミア同様工科大学院生(あるいはその修了生)であるらしい。
U.C.0086年に人材交流でFSSにエンジニアとして招聘されるが、実際にはアマリアになりすましたリミアが出向している。この一件以降、レッドとも面識がある[18]
「サングレ・アスル」艦内でリミアの夢に現れる。
ホト・フィーゼラー
『ギレン暗殺計画』の登場人物。リミアの義理の曽祖父にあたる。
現在の動向は不明。ジオニック社の創設者の一人であり、FSSにも個人として出資している[1]
また、オクスナーがゴップに提示したビデオの中に、ジオン・ズム・ダイクン、デギン・ソド・ザビ、ギレン・ザビらとともに映っており、「アスタロス」開発者に対し質問を投げかけている。

旧ジオン軍兵士[編集]

ラトヴィッジ(Lutwidge)
大戦中からユーコン級潜水艦「U-207」を率いている艦長。ユーマが自分たちの正体が露見した時に備えて、自身の艦含めて三隻の潜水艦に軍から拝借していた装備を預かり、脱出した隊員たちを回収する。ユーマからの連絡を受けてレッドたち一行をジャブローまで送迎する。ユーマの言を真に受けてレッドをジョニー・ライデン呼ばわりして殴り倒される。
ジャブロー沖で地上からの「支援要請の可能性あり」との連絡を受けて退路を確保するべく、テミスのラムズゴック隊との戦闘に突入する。
ジャブロー戦後、フーバーからの依頼と「“ジョニー・ライデン”の説得」で連邦軍所属となり、FSSがニカーヤを中心として編成する艦隊でムサイ級軽巡洋艦「パムプレードー」の艦長を務める。
デーヴァ・ヴェル(Deva Vell)
ラトヴィッジの呼び掛けに応えて合流したユーコン級潜水艦「U-47」の艦長。ラトヴィッジからの要請を受けて、接近するラムズゴック隊との戦闘を開始する。
艦番号からそれなりに名の知れた特殊戦部隊とされ、母艦を囮にして静粛仕様の水中用ザク(MIP社水陸両用MS実験機)による攻撃を行う。ジャブロー近海でのテミスとの戦闘では善戦するが、艦の整備不足が祟り緊急浮上、居合わせたニカーヤに乗員を移譲して艦とMSは機密保持のために沈めた。
彼のクルーを含めたユーコン級潜水艦は共にキャリフォルニアベースに入港。フーバーからの依頼と「“ジョニー・ライデン”の説得」で、FSSがニカーヤを中心として編成する艦隊のクルーとして協力する。

登場した機体[編集]

ジオン系[編集]

地球連邦軍系[編集]

書誌情報[編集]

角川コミックス・エース(角川書店)より刊行されている。

  1. 2010年12月25日発売 ISBN 978-4-04-715592-3
  2. 2011年 4月26日発売 ISBN 978-4-04-715693-7
  3. 2011年10月26日発売 ISBN 978-4-04-715812-2 - 特典にアーケードゲーム『機動戦士ガンダム 戦場の絆』にてザクII(S)(ジョニー・ライデンカラー)が使用可能になるキャンペーンコードが付随。
  4. 2012年 3月26日発売 ISBN 978-4-04-120209-8 - 特典にアーケードゲーム『機動戦士ガンダム 戦場の絆』にて高機動型ゲルググ(ジョニー・ライデンカラー)が使用可能になるキャンペーンコードが付随。
  5. 2012年 9月26日発売 ISBN 978-4-04-120450-4 - 「角川書店ニュージェネレーションキャンペーン(~2013年1月31日)」の対象書籍であり、応募券が付随。
  6. 2013年 3月26日発売 ISBN 978-4-04-120637-9 - 特典にアーケードゲーム『機動戦士ガンダム 戦場の絆』にてゲルググキャノン(ジョニー・ライデンカラー)が使用可能になるキャンペーンコードと、プレイステーション3用ゲーム『機動戦士ガンダム バトルオペレーション』にてジム・ナイトシーカーIIが使用可能になるキャンペーンコードが付随。また、「角川書店MSV-Rキャンペーン(~2013年4月25日)」の対象書籍であり、応募券が付随。
  7. 2013年9月26日発売 ISBN 978-4-04-120841-0
  8. 2014年3月24日発売 ISBN 978-4-04-121063-5
  9. 2014年9月26日発売 ISBN 978-4-04-102105-7
  10. 2015年3月26日発売 ISBN 978-4-04-102106-4 - 特典にアーケードゲーム『機動戦士ガンダム 戦場の絆』にてゲルググキャノン(JN)(3連スコープ装備型)が使用可能になるキャンペーンコードが付随。
  11. 2015年9月26日発売 ISBN 978-4-04-103501-6 - 特典にソーシャルゲーム『ガンダムマスターズ』、『ガンダムスピリッツ』にてアイテム「ジョニーライデン専用機」がもらえるキャンペーンコードと、家庭用ゲーム機のゲーム『ガンダムバトルオペレーションNEXT』、『ガンダムバトルフォートレス』、『ガンダムコンクエストV』にて各種アイテムがもらえるキャンペーンコードが付随。
  12. 2016年3月26日発売 ISBN 978-4-04-104095-9
  13. 2016年11月26日発売 ISBN 978-4-04-104812-2
  14. 2017年4月4日発売 ISBN 978-4-04-105226-6

機動戦士ガンダムMSV-R

  1. 連邦編 2012年3月26日刊行 ISBN 978-4-04-120210-4 - 『ジョニー・ライデンの帰還 特別編』(宇宙世紀0086年のリミア・グリンウッドの着任)を収録。

脚注[編集]

  1. ^ a b c 2巻
  2. ^ a b c d e f 6巻
  3. ^ a b c d e f g 『機動戦士ガンダム 光芒のア・バオア・クー』
  4. ^ a b c 7巻
  5. ^ MSV-Rで設定された。
  6. ^ ただし『MSV』の設定では父ロイ及びグリンウッド姉妹はサイド4出身であり、姉妹の幼少期、母ケーティの事故死を契機に3人でサイド3へ移住している。
  7. ^ 『ジョニー・ライデンの帰還 特別編』ではU.C.0086年に来ているが、13巻30pによるとこの時に招聘されたのは姉のアマリアであり、リミアはアマリアになりすまして地球に降りてきた。当然その時にはすぐに連れ戻されている。
  8. ^ 1巻
  9. ^ これはア・バオア・クー戦で行方不明となった後に終身階級として与えられたものであり、6巻においてホルスト・ハーネスはジョニーを少佐として認識している。
  10. ^ 8巻141P
  11. ^ ゴップとヴァースキの会話に出た「白い強襲揚陸艦(ホワイトベース)」やパプテマス・シロッコのことを知らない。
  12. ^ 8巻紹介より。
  13. ^ 「機動戦士ガンダム MSV-R モビルスーツバリエーション ジオン編」P.18。
  14. ^ 6巻13P
  15. ^ ただし後述の通り彼は戦後連邦軍籍を取得しており、実際に戦時中に少尉であったかは未詳。
  16. ^ 11巻
  17. ^ 「ゲルググ」の調整に関わっており、遅くともテキサスコロニーにおける「ホワイトベース」隊との交戦までにはシャアのスタッフになっている。
  18. ^ a b 5巻
  19. ^ エメ・ディプロムが大戦中に乗っていたBR型は連邦軍に接収されており、別機体と思われる。
  20. ^ 機体は描かれていないが、ディスプレイの表示によると「テミス」所属機がジャブロー防衛に参加している。ただしディドコットの言では「テミス」の持つ水陸両用MSは「ラムズゴック」だけである。
  21. ^ ザク・マリンタイプを素体としているが、正式名称は未詳。
  22. ^ 映像媒体により艦型の異なる三種が登場している。
  23. ^ 『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する「U-801」と同型艦。
  24. ^ 『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場する「U-99」と同型艦。
  25. ^ ビームジェネレーター関係の部品がZZガンダムのハイメガキャノンのものを流用している。
  26. ^ ジムIIIベースのヴァースキ機やライトアーマーベースのナイトシーカーIIもディスプレイ上は全てRGM-79Vと表示されている。
  27. ^ バックパックが新型のものに換装されているほか、左肩に「青薔薇」のパーソナルマークが描かれている。
  28. ^ 『Zガンダム』においてアムロ・レイが奪取しアッシマーに体当たりさせた輸送機と同型。
  29. ^ 状況と命名法則からサラミス改級と推測できる。