ジュドー・アーシタ

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ジュドー・アーシタ
Judau Ashta[1]
矢尾一樹
生年月日 宇宙世紀0073年[2]10月10日[3]
性別
年齢 14歳[1]
身長 165cm[3](初期は160cm[4]
体重 56kg[3](初期は60kg[4]
血液型 B型[3](初期はAB型[4]
好物 ハンバーグカレー[3]、リィナの作ったもの[4]
趣味 バイク[3]
特技 プチMSの操縦[3]
職業 ジュニア・ハイスクール2年[3]
機体 Ζガンダム / ΖΖガンダム /
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ジュドー・アーシタ (Judau Ashta) は、テレビアニメ機動戦士ガンダムΖΖ』に登場する架空の人物。同作品の主人公であり、次回予告ナレーションも兼任する。

人物[編集]

明朗快活で行動力に溢れる性格で、これは前作「Zガンダム」や前々作「機動戦士ガンダム」とは対照的である。両親が不在(後述)の中、妹リィナの学費を捻出すべくジャンク屋稼業に精を出すなど、妹想いかつ実利主義的である。ハマーン・カーンとの邂逅以降、ニュータイプ能力が開花し、感応するようになる。モビルスーツの操縦技量も高く、相手の意表を突いた戦法をとるなど機転が利く。序盤は年相応の身勝手な行動が目立つが、物語が終盤に向かうに従い、人間的に成長する。

劇中での活躍[編集]

宇宙世紀0088年初頭、サイド1のスペースコロニー「シャングリラ」にて暮らしている。同コロニーの福利厚生政策はお世辞にも充実していたとは言えず、また父親は行方不明、母親は出稼ぎに出たまま不在の状態である[5]。このため、ジュドーは学校にはあまり通わず、生活費の捻出と妹のリィナ・アーシタを「山の手の学校」へと通わせるため、仲間と共にジャンク屋稼業に精を出している。家族としてリィナを溺愛しているが、彼女の口うるささは苦手としている。好きな言葉は「一カク千金」[4]

そんな折、グリプス戦役で疲弊したアーガマが修理と補給のためシャングリラへと寄港したことを知り、仲間のビーチャ・オーレグらと共に、アーガマに所属するモビルスーツ (MS) Ζガンダムを盗み出し大儲けしようと画策する[6]。シャングリラに流れ着いたティターンズの敗残兵ヤザン・ゲーブルと共にアーガマに侵入するが、ジュドーは成り行きからΖガンダムに乗り込んでしまう。ヤザンの相手を殺しかねない横暴に憤りを覚えるジュドーはΖガンダムで戦いを挑み、彼の乗り込むモビルワーカーを撃退する。初めてとは思えぬ操縦でΖガンダムを操るジュドーの姿を目の当たりにしたブライト・ノアは、彼の行動にアムロ・レイカミーユ・ビダンといったかつてのガンダムのパイロット達の面影を重ねる(第2話)。

その後アーガマは、シャングリラに入港したアクシズの先遣隊・巡洋艦エンドラおよび同艦を率いるマシュマー・セロの襲撃を受けるが、再びΖガンダムに乗り込んだジュドーがこれを退ける(第3話)。そして、ブライトやファ・ユイリィらの懇願もあり、ジュドーと仲間達は志願兵のルー・ルカと共にアーガマの乗員となる。ジュドーはブライトの期待に応え、その後幾度かの実戦を経てΖガンダムを乗りこなすようになる。また、彼はコロニー内を航行中の艦艇やMSに生身で取り付くなどの、生来の行動力と高い身体能力を持っていた。パイロット候補生となったジュドーは、攻め来るエンドラのMS部隊に対して臆することなく戦い、アーガマの窮地を救う。そして、エゥーゴのパイロット(最終的には中尉待遇[7])として、最新鋭機ΖΖガンダムを任された彼はニュータイプとしての才能を徐々に開花させていきつつ、第一次ネオ・ジオン抗争に参加していく。

当初はアーガマの戦闘艦としての任務には然程積極的ではなかったものの、妹のリィナは同艦の援助に熱心であったため、彼女の身の安全を第一と考えるジュドーとしては、妹を護るためには戦闘に参加せざるを得なかった。しかし、そのリィナがネオ・ジオンの捕われの身となってからは積極的に戦闘に身を投じるようになり、独断による出撃や単身アクシズに投降(第18話と19話)、潜入を試みるなどの怪行を繰り返す場面も見られた。また、エゥーゴの出資者ウォン・リーの「修正」を切り返し蹴りを入れる(第20話)など、ジュドーやその仲間達の奔放な振る舞いはブライトらアーガマクルーの頭痛の種でもあった。

ガンダムに搭乗し戦場を駆け抜ける中、ジュドーはムーン姉妹やセシリア、その他多くの人物との出会いと彼らの死、そして人間の持つエゴイズムに直面することで成長していく。また、Ζガンダムのパイロットであったカミーユ・ビダンやネオ・ジオンのエルピー・プル、そしてハマーン・カーンら自分以外のニュータイプとの出会いを重ね、それらは彼に戦うことへの意義を見出させる契機となっていった。カミーユは自失状態でありながらも思念でジュドーに語りかけ、ジュドーはそれを感知した。プルはジュドーに惹かれエゥーゴに寝返り、ハマーンは彼の気配をシャア・アズナブルと錯覚している。

アクシズで出会って以来、ハマーンからは自身の同志となるよう幾度か誘いを受けるがそれを退け、ダカール迎賓館においてはリィナを負傷させたハマーンに対し怒りの念を爆発させる(第27話)。この時の激昂するジュドーの意思は強大な敵意となってハマーンに襲い掛かり、彼女を激しく怯えさせた。また、ダカール市外にて戦闘中であったジュドーの仲間達にとっても、異様な気配として察知されている。ハマーンはその後も幾度かジュドーにアプローチを行っているが、ジュドーは彼女を悪の元凶と捉え拒み続けた。

ジュドーは「妹のリィナを助ける」という人間としてナチュラルな動機で戦闘に参加しており、特定の思想・観念に対し囚われを抱くことはなかった。戦闘の渦中においてリィナが消息不明となった際には激しい失意に沈むが、仲間の叱咤を受けて戦争を終結させるために決意を新たにし、生来のバイタリティを取り戻す。そして、彼を慕うプルやラビアンローズエマリー・オンスラサラ・ムーンといった仲間達の死を乗り越え、彼女らの意志を背負い過酷な現実に立ち向かっていった。人間の可能性を信じるジュドーの発した意思は、遠く離れていたリィナにも届いている。

第一次ネオ・ジオン抗争の最終局面においてはハマーンとの一騎討ちに臨み、激戦の末にキュベレイを撃破する。戦争終結後、ジュドーは依然として変わらぬ連邦政府高官やエゥーゴ上層部の実態に愕然とし、激しい憤りを感じ涙する。しかし、それでも人間に対する希望を失わず、ルーと共に木星船団ジュピトリスIIに志願する。月面フォン・ブラウン市にて仲間達に見送られる中、消息不明となっていた最愛の妹リィナと再会、抱擁を交わす。

宇宙世紀0089年3月、こうしてジュドーは木星圏を目指して旅立っていく。

その後のジュドー[編集]

『ΖΖ』最終話で木星へ旅立った後のジュドーを描いた作品は映像・漫画などいくつかあるが、作者が異なる別の作品とは各種設定に不整合が生じている場合もある。

GUNDAM EVOLVE../10
CGアニメ (OVA) 作品。サンライズ制作。
ジュドーと共に戦い抜いたΖΖガンダムは、ハマーンとの戦いで失われたBパーツ(下半身)を除き、ジュピトリスIIに持ち込まれたとされる[8]。そして残った部位を修復し、代用のBパーツと合わせて運用したという。それがZZ-GRという機体である[9]
木星へ向かうジュピトリスIIにネオ・ジオン残党からの亡命希望者とその追手のMS部隊が迫る。ジュドーはZZ-GRで出撃し、これに対応する。
本作では敵機のビームの火線を見切り、ビームサーベルによる斬撃で相殺したほか、ΖΖの複数の火器を同時に稼働させて別個の標的を捕捉しながら撃破するなど、ニュータイプ専用機並みの戦力を示している。
機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス
1990年に、当時における『機動戦士ガンダムΖΖ』と『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』を繋ぐことを意図して描かれた、長谷川裕一による漫画。宇宙世紀0091年が舞台。
木星圏のオリュンポス・コロニーで暮らしていた(ルーとは離別したらしい)ジュドーのところに、アムロが現れる。ジュドーとアムロは協力してネオ・ジオンの残党が発掘した巨大機動兵器「巨神」の発動を阻止し、そのパイロットとして利用されていたミネバ・ラオ・ザビを救出する。ジュドーおよびアムロの乗機として、プロトタイプΖΖガンダムの改修機である「メガゼータ」が登場する。
『機動戦士ガンダム 英雄伝説』
雑誌『SDクラブ』で連載された漫画。宇宙世紀0094年が舞台。
第二次ネオ・ジオン抗争時に消息を絶ったアムロを捜索するため、シャングリラを訪れたカイ・シデンに協力するガンダム・チームとヤザンやネオ・ジオン残党の間で武力騒動が発生するが、ΖΖに搭乗したジュドーが駆けつけて鎮圧する。
機動戦士ガンダム ムーンクライシス
1990年代に描かれた松浦まさふみによる漫画作品。宇宙世紀0099年が舞台。
ジュドーはルーと思われる人物と共に仕事を続けており、木星からヘリウム船団の一員として地球へ帰還し、ビーチャと思われる人物と再会する描写がある。シャアの反乱など地球圏での騒動は知らないようだが、何らかの変化は感じ取っている。
機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート』、『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』、『機動戦士Vガンダム外伝
長谷川裕一による漫画。『スカルハート』『鋼鉄の7人』は宇宙世紀0133年 - 0136年頃、『Vガンダム外伝』は0153年が舞台。
これらの作品に、ヘリウム船団のリーダーで自前のMS「ガンプ」のパイロットとしても優れた腕前を持つ、グレイ・ストーク[11]というニュータイプの男性が登場する。「木星じいさん」を自称するグレイは、ジュドーの老後を想起させる風貌であり、『ΖΖ』以後の行方が知れないジュドーのその後ではないかとの噂がある[12]。なお、ガンプの頭部装甲の下には、ΖΖタイプの頭部が隠されている。
『スカルハート』ではエピソード「最終兵士」に登場し、トビア・アロナクスにある依頼を持ち込むと、共闘して木星軍の残党に立ち向かう。『鋼鉄の7人』ではトビアたちから木星帝国の神の雷計画を知らされて怒る1コマのみに登場。
『Vガンダム外伝』では同志たちと共にスペースコロニー2基を連結して冬眠船ダンディ・ライオン(雑誌掲載時の名称は「ステラ・バース」)を建造し、太陽系外(プロキシマ・ケンタウリ)へ旅立とうとする。
なお、ゲーム作品ではグレイとジュドーの同一性の判断は分かれており、ゲーム『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』ではグレイをジュドー役の矢尾一樹が演じているが、システム上は別のキャラクターとして扱われている[13]。一方、トレーディングカードゲーム『ガンダムウォー』のグレイのカードには「このカードは、『ジュドー・アーシタ』が場にいる場合、場に出せない」という一文が記載されている。

搭乗機[編集]

アニメ本編での搭乗機[編集]

その他の搭乗機[編集]

その他[編集]

  • 『ΖΖ』のメイン脚本を担当した鈴木裕美子は、「ジュドーのニュータイプとしての能力はアムロやカミーユに劣るが、自然に力を身につけることができ、その大地に根ざした能力こそが、それまでのニュータイプが持っていなかった力。その力をハマーンは恐れた」と述べている[15]

注釈[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 『別冊アニメディア 機動戦士ガンダムΖΖ PART.1』学習研究社、1986年10月、12頁。
  2. ^ 倉田幸雄編「ニュータイプたちの歴史」『別冊アニメディア 機動戦士ガンダムΖΖ PART.2』学習研究社、昭和62年(1987年)3月1日、21頁。
  3. ^ a b c d e f g h 倉田幸雄編「ガンダムZZメガ百科・PARTII」『別冊アニメディア 機動戦士ガンダムΖΖ PART.2』91頁。
  4. ^ a b c d e 倉田幸雄編「アニメキャラリサーチ ジュドー・アーシタ 機動戦士ガンダムΖΖ」『アニメディア 1986年4月号』学習研究社、昭和61年(1986年)4月1日、雑誌01579-04、75頁。
  5. ^ 「MOBILE SUIT GUNDAM ΖΖ SPECIAL BOOK」『アニメディア』1986年6月号第1付録、学習研究社、8頁。
  6. ^ 『ΖΖ』第1話「プレリュードΖΖ」によれば、Ζガンダムのことは毎月『モビルスーツ・カタログ』を読んでいたため知っている。
  7. ^ 週刊 ガンダム・モビルスーツ・バイブル 第30号 2019, p. 14.
  8. ^ 週刊 ガンダム・モビルスーツ・バイブル 第30号 2019, p. 13.
  9. ^ サンエイムック ガンダムvsザク大解剖 2020, p. 97.
  10. ^ 長谷川裕一、原案:矢立肇富野由悠季 『機動戦士Vガンダム外伝』、角川書店、1995年、37-38頁。
  11. ^ 「グレイ・ストーク卿」と敬称で呼ばれる場合もある。ウッソ・エヴィンはこの名称について、大昔の映画に登場する人物「ターザン」の本名であると記憶しており、偽名ではないかと推測している[10]
  12. ^ 月刊ガンダムエース』2018年5月号、角川書店、444頁。
  13. ^ ゲームでは「プレイヤー部隊でユニットとして使用できるようになった原作付きキャラクターは、時代が違っても同一人物が登場する作品には出撃できない」というルールになっているが、ジュドーは『スカルハート』でも出撃可能。ただし、『機動戦士ガンダム MS IGLOO』のステージにおいて、シャアの乗っているザクIIが登場するにもかかわらず、プレイヤー部隊のシャアも出撃可能という例がある。
  14. ^ アニメ本編での話の展開上等の都合で、コア・ファイターコア・トップコア・ベース(3機の中でΖΖガンダムにドッキングしないときでもコア・ファイターが特に多い)等の戦闘機での出撃、戦闘が宇宙、地上問わず多い。
  15. ^ ニュータイプ誌87年4月号。

参考書籍[編集]

  • 『週刊 ガンダム・モビルスーツ・バイブル 第30号(MSZ-010 ΖΖガンダム)』(株)ディアゴスティーニ・ジャパン、2019年11月12日、初版。
  • 『完全保存版ガンダムvsザク大解剖』三栄〈サンエイムック〉、2020年2月14日、初版。

関連項目[編集]