ペイルライダー (ガンダムシリーズ)

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ペイルライダー (PALE RIDER) は、『ガンダムシリーズ』に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器モビルスーツ」(MS)の一つ。初出は2014年発売のPlayStation 3用ゲームソフト『機動戦士ガンダム サイドストーリーズ』のシナリオ「機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク」。

作中の勢力の一つである地球連邦軍の「グレイヴ」と呼ばれる高官のもとで開発された高性能MSで、グレイヴの麾下でありながら用済みと判断された特殊部隊「スレイヴ・レイス」や、敵対勢力であるジオン公国軍の「マルコシアス隊」も含め、敵味方を問わず襲いかかる。デザインは瀧川虚至

本項目ではペイルライダー自体の改修機トーリスリッターや、漫画版やその他外伝作品に登場するバリエーション機についても解説する。

機体解説[編集]

諸元
ペイルライダー
PALE RIDER
型式番号 RX-80PR
所属 地球連邦軍→ジオン残党軍
頭頂高 18.0m
本体重量 43.7t
全備重量 56.7t
装甲材質 ルナ・チタニウム合金
出力 1,570kw
推力 103,200kg
武装 共通装備
 ビーム・サーベル×2
 頭部バルカン砲×2
 腕部ビーム・ガン×2
陸戦用重装備
 90mmプルバップ・マシンガン
 180mmキャノン
 脚部3連ミサイル・ポッド×2
 スパイク・シールド
空間戦仕様
 ハイパー・ビーム・ライフル
 ジャイアント・ガトリングガン
 シールド
漫画版ヴィンセント機(VG)
 大型ビーム・マシンガン
 ビーム・ナギナタ×2
 脚部6連装ミサイル・ポッド×2
 腕部ビーム・スポットガン×2
バトルオペレーション版VG追加
 ジャイアント・バズ
 ザク・マシンガン後期型
 MMP-80マシンガン(グレネード装備)
搭乗者 クロエ・クローチェ
ヴィンセント・グライスナー(漫画版)

連邦軍のレビル派の高官、グレイヴによって秘密裏に推進される「ペイルライダー計画」の中心機体。

もともとはMSの量産化に成功した連邦軍が、その後を見据えて開発した次世代MSである[1]ジム・スナイパーIIをベースにG4計画の技術を盛り込んだ機体で[2]、当時の考えうる最新技術が惜しみなく導入されるが、コストの問題からそのままでの量産は見送られる[1]。その後EXAMシステムをもとに開発された特殊システム「HADES」を搭載する高性能MSを求めていたグレイヴによりオーガスタの極秘研究施設に譲渡され[3]ヨハネ黙示録に登場する死を司る第四の騎士にちなむ「ペイルライダー」のコードネームを付けられ生まれ変わる[3]。塗装もペイル・ブルーを基調とする。

頭部はツイン・アイにゴーグルを装着し、ガンダム・タイプとジム・タイプの中間的な外観をもつ。バックパックはガンダム4号機5号機と同様のもので[3]、空間戦仕様ではバックパック下部にプロペラント・タンクとスラスター、両肩にショルダー・ユニットを装着する。脚部スラスターはジム・スナイパーIIのものをベースに高出力化[3]、さらに脚部側面に増加スラスター・ユニットを装備している[3]

HADES発動時には機体各部の排気口が強制排気により赤熱化するほどの出力となる[3]。同時に各部センサーも赤く発光するが、これはEXAMを模倣した機械的なものである[3]。「ペイルライダー計画」は、HADESに適応するための肉体改造などを施したパイロットを生み出す、非人道的な研究を含むものであったとされる[3]

武装[編集]

陸戦用重装備
180mmキャノン
陸戦型ガンダムと同じタイプだが、右腰部から伸びるアームで支持されており、砲身が折りたたみ式になっているため不使用時は背部に収納が可能である[3]。射撃時はグリップを上向きで保持する。空間戦でも使用可能[4]
90mmプルバップ・マシンガン
後期型のジムと同じタイプだが、HADESのサポートにより命中精度は飛躍的に向上する[1]
脚部3連ミサイル・ポッド
当時の連邦軍では珍しい装備。使用後は強制排除が可能[3]
スパイク・シールド
ジム・ストライカーと同じタイプ。
空間戦仕様
ジャイアント・ガトリングガン
ガンダム5号機と同じタイプ。
ハイパー・ビーム・ライフル、シールド
ガンダム4・5号機と同じタイプ。
共通装備
ビーム・サーベル
一般的なタイプ。本機の継戦時間が短くMS本体からの再チャージを考慮していないため、腰部側面のアーマーに装着されている[3]
頭部バルカン砲
頭部にHADESのコア・ユニットが搭載されているため、頭部側面に独立配置され[3]、ターレット式で上下に回転が可能となっている[4]
腕部ビーム・ガン
ガンダム4・5号機と同じタイプ。

劇中での活躍[編集]

HADESの被験体である少女、クロエ・クローチェが専任パイロットとなる。スレイヴ・レイス抹殺のため、ジャブロー攻防戦でマルコシアス隊との交戦中に突如乱入し、驚異的な性能を見せつける。その後のア・バオア・クー攻防戦でマルコシアス隊」と交戦するも、同隊そのものと相討ちという形で中破し、クロエとともにジオン軍に鹵獲される。また、「ペイルライダー計画」を実行していたオーガスタの極秘研究施設は、スレイヴ・レイスによって破壊される。

ゲーム版ではのちにトーリスリッターに改修されるが、漫画版『機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク』では展開が異なる。一年戦争終結直後にジオン軍残党により損傷箇所をゲルググ系列のパーツで補修され、元マルコシアス隊隊長のヴィンセント・グライスナーが搭乗する。武装はゲルググJの大型ビーム・マシンガンを携行し、両腰にゲルググのビーム・ナギナタを1本ずつ、両脚にイフリート改の6連装ミサイルポッドを装備する。宇宙世紀0080年6月5日にコムサイに搭載され地球に降下、マリアナ諸島にあるHADESの旧研究施設に向かう。追撃するペイルライダー・デュラハンとの一騎討ちではHADESにより背部スラスターを暴走させ、湖底で本機の自爆に巻き込もうとするが、爆発寸前にHADESが独自の判断でバックパックを切り離し脱出する。パイロットは無事であるが、両脚と左腕、右肩アーマーを喪失する。

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実験機[編集]

ホワイト・ライダー[編集]

漫画版『機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク』第2巻巻末のペイルライダー・キャバルリーの解説中に登場。

ペイルライダー計画の試作1号機で、本機で複合型特殊武装「シェキナー」(後述)の検証がおこなわれている。そのほかは不明。

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レッドライダー[編集]

漫画『機動戦士ガンダム アグレッサー』に登場。

ペイルライダー開発のためにデータを収集し、その結果をフィードバックさせるための実験機。ペイルライダーとの相違点は、腕部ビーム・ガンと股間部のスラスターが装備されておらず、両肩部前後面、両膝部、コックピット・ハッチにジム・ストライカーと同型のウェラブル・アーマーを装備する。またHADESも搭載されていないが、教育型コンピューターに「アレス」と呼ばれる詳細不明の実験用回路が接続されている。塗装は赤と白を基調とし、額部のバイザーが赤いことからジオン軍兵士からは「赤帽子」と呼ばれる。

武装は汎用の100mmマシンガンのほか、ヒート剣と一体型の100mmマシンガンも携行する。これは技術部のエルザがテスト用に設計したもので、銃身の上下に伸縮式のヒート剣を装備、これらは射出も可能である。防御兵装はショート・シールドのほか、ジャブローで専用装備の「ツヴァイ・ハンダー」を受領する。

当初のテスト・パイロットはペイルライダー同様、肉体を強化された年端もいかない少女ターニャであった。しかし地上での試験運用部隊がジオン軍の奇襲を受けほぼ全滅したため、同隊を指揮するサノ・カオリ少尉はターニャを戦死扱いにして逃がす。そして本機は同隊を救援した中隊「アグレッサー」のチェイス・スカルガード伍長に預けられ、実戦テストを兼ねて配備される。

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量産検討機[編集]

ペイルライダー・キャバルリー[編集]

PALE RIDER CAVALRY

漫画版『機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク』に登場(型式番号:RX-80PR-2)。

ペイルライダー計画の集大成となる量産検討機で、そのため「キャバルリー(騎士団)」の名を冠する。量産化のための安定性とコストダウンのために再設計され、余剰な装備が排除されているものの、高い機体性能を誇る。頭部は額部にV字アンテナが追加され、ツイン・アイのゴーグルが廃されるなど、よりガンダム・タイプに近くなっている。塗装も白・青(ダーク・ブルー)・赤のトリコロールを採用している。一般兵士用にHADESはデチューンされているものの、それでも起動時にはかなりの負担がかかり、暴走の危険性も残されたままである。主兵装は複合型特殊武装「シェキナー」を携行。ジャイアント・ガトリング、メガ・ビーム・ランチャー、マイクロ・ミサイルランチャーを一つに集約したもので、複数の武装を装備する際のデッド・ウェイトを解消している。また、ペイルライダーと共通する頭部バルカン砲、ビーム・サーベル(兼ビーム・ジャベリン)×2、ハイパー・ビーム・ライフル、シールドも標準兵装とする。

ソロモン攻略戦の際に、グレイヴが座乗するペガサス級強襲揚陸艦「フォレスタル」に随伴するアンティータム級補助空母に1機が搭載されるが、グレイヴに謀反を企てるスレイヴ・レイスにより奪取される。トラヴィス・カークランド中尉が搭乗しそのままフォレスタルを撃沈しようとするが、ビグ・ザムの砲撃をHADESにより間一髪でかわし、その高速機動でトラヴィスは脳震盪を起こす。その後、半壊したムサイの艦内でエドワード・リーによってシールドにスレイヴ・レイスの部隊章が描き込まれる。ア・バオア・クー攻防戦の最中、ジオン軍マルコシアス隊を全滅させたペイルライダーと交戦し、行動不能にする。直後フォレスタルのブリッジに肉薄、紆余曲折を経てバルカン砲でグレイヴの暗殺を遂げる。その後の本機の去就は不明。

原典であるゲーム版には登場せず、展開も異なることから、実機の存在自体に疑問を呈する資料もある[5]

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ペイルライダー・デュラハン[編集]

漫画版『機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク』に登場(型式番号:RX-80PR-3)。名称と型式番号はWEB企画『アナハイム・ラボラトリー・ログ』第2話により、漫画版の作中では単に「デュラハン」と呼ばれる。

一年戦争終結後に、組み立て途中で投棄されていたキャバルリーをもとに復元した機体[5]。HADESが搭載されていないことから、首なし騎士「デュラハン」のコードネームが付与されているが[5]、それ以外にキャバルリーとの差はない。専用武装であるシェキナーが失われていることから[5]ジーライン・アサルトアーマーのヒート・ランスやジム・ガードカスタムのガーディアン・シールドといった、ほかの機体の特殊装備が集められている[5]。また一般装備のハイパー・バズーカも使用している。塗装はブルー・グレーとクリーム・イエローを基調とする[5]

HADES被験体の生き残りであるフィル・デールが搭乗。宇宙世紀0080年6月5日、地球に降下するコムサイにペイルライダーが搭載されていることを偶然確認し、HADES奪還のために地上で追撃を続ける。マリアナ諸島での戦闘でペイルライダーに組み敷かれてともに湖に沈み、ペイルライダーのバックパックの爆発によって大破。なおゲーム版には登場しない。

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ペイルライダーDII[編集]

諸元
ペイルライダーDII
PALE RIDER DII
型式番号 RX-80PR-4
所属 ティターンズ
頭頂高 18.0m
本体重量 43.7t
全備重量 56.7t
装甲材質 ルナ・チタニウム合金
武装 複合型特殊武装シェキナー
ビーム・ライフル
ビーム・サーベル×2
シールド

『アナハイム・ラボトリー・ログ』第2話に登場。

ペイルライダー・デュラハンの宇宙世紀0084年における近代化改修機。改修はオーガスタ研究所が担当している。ティターンズがジム・クゥエルに代わる次期主力機を検討している段階でデータ収集のために運用されており、ティターンズ・カラーである濃紺を基調に塗装されている。

パーツはデュラハンのファーストロット損失に伴い、新たにセカンドロットとしてティターンズが用意させたもの。リニア・シートの導入、センサー類・アビオニクスの刷新、スラスター類の強化など数々の近代化改修を施し、性能向上が図られている。頭部はV字アンテナが廃され、カメラ・アイにゴーグルが装着されており、初代ペイルライダーに近い外観となっている。また、シェキナーも用意されている。

宇宙世紀0084年9月、アレキサンドリア級重巡洋艦アル・ギザ所属の第7小隊に配備された機体がジオン残党軍と交戦、ガルバルディα1機を撃破するが、別の青い高機動型ガルバルディαに両腕を切断され、戦闘不能となる。

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改修機[編集]

トーリスリッター[編集]

諸元
トーリスリッター
TODESRITTER
型式番号 AMX-018[HADES]
頭頂高 22.8m
重量 56.8t
装甲材質 ガンダリウム合金
(一部チタン・セラミック複合材)
出力 3,400kw
推力 123,600kg
武装 ハイパー・ナックルバスター
メガ粒子砲付シールド
ビーム・サーベル×2
ハイパー・ビーム・サーベル×2
(ビーム・ガン兼用)
頭部バルカン砲×2
胸部マシン・キャノン×2
インコム×6
トライブレード×6
搭乗者 クロエ・クローチェ

一年戦争末期にジオン残党が鹵獲したペイルライダーを、ネオ・ジオン軍が改修した機体。

ペイルライダーは10年もの間、残党やネオ・ジオン軍により改修が続けられてきた[6]。HADESは解析不能なブラックボックスと化していたが、パイロットのクロエ・クローチェが健在であるため、HADESのシステムを活かす形で改修が進められる[6]。しかし旧来のセミ・モノコック構造ではこれ以上の強化は難しいため、ムーバブル・フレーム構造に置き換えて[6]当時のネオ・ジオンの最新技術を盛り込み、HADESを搭載する頭部などメイン・ブロック以外は全くの別物として完成する[7]。バックパック中央にはサブ・ジェネレーターを搭載する[7]。なお「トーリスリッター」という名称は、ペイルライダーと同じく「死の騎士」を意味する[6]

バックパックのスラスター・バインダーにはインコムを計6基装備、各インコムの裏側にはドライセンと同様のトライブレードが接続され、インコム射出後にトライブレードを放つといったトリッキーな攻撃も可能[7]。両肩は展開してサブ・アーム(隠し腕)となり、バックパックのハイパー・ビーム・サーベルなどを使用できる[7]。ほかに武装はガ・ゾウムのハイパー・ナックルバスターとバウのメガ粒子砲付シールドを携行し[7]、通常型のビーム・サーベルは前腕部の内側に格納されている[7]

宇宙世紀0090年にシャア・アズナブル大佐率いる新生ネオ・ジオン軍に合流するが、パイロットのクロエはHADESの影響で心身ともに限界を迎えつつあった。ヴィンセントのギラ・ドーガとともに、集結しつつあるグレミー・トト派のネオ・ジオン残党の偵察任務に出るが、何かに惹かれるようにHADESが発動し、攻撃を開始する。残党は発動のきっかけとなったクィン・マンサを投入するが、交戦の最中に本機のHADESがクロエより先に限界に達し自壊、クロエは脱出カプセルで一命をとりとめる。

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その他関連機体[編集]

RX-80[編集]

模型情報」誌上で連載されたメカニックデザイン企画『F.M.S.』(福地モビルスーツステーション)に登場。型式番号がペイルライダーと重複している。

一年戦争終結の直前にフラノ在住の少年が「新型ガンダム」を空想し、CGを用いて描いたという設定の機体であり、実機や実際の開発計画が存在するとされるものではない。また、少年の友人も同じように「GFX-1」という新型ガンダムを空想している。

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脚注[編集]

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出典[編集]

  1. ^ a b c 機動戦士ガンダム サイドストーリーズ』初回特典冊子「MOBILE SUIT GUNDAM SIDE STORY MISSING LINK ARCHIVES」バンダイナムコ、2014年5月、27頁。
  2. ^ 『アナハイム・ラボラトリー・ログ』第2話、矢立文庫、2017年1月、3頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l 『HGUC ペイルライダー(陸戦重装備仕様)』説明書、プレミアムバンダイ、2015年4月。
  4. ^ a b 機動戦士ガンダム サイドストーリーズ』初回特典冊子「MOBILE SUIT GUNDAM SIDE STORY MISSING LINK ARCHIVES」バンダイナムコ、2014年5月、72-77頁。
  5. ^ a b c d e f 『機動戦士ガンダム バトルオペレーション』公式WEBサイト
  6. ^ a b c d 機動戦士ガンダム サイドストーリーズ』初回特典冊子「MOBILE SUIT GUNDAM SIDE STORY MISSING LINK ARCHIVES」バンダイナムコ、2014年5月、63頁。
  7. ^ a b c d e f 機動戦士ガンダム サイドストーリーズ』初回特典冊子「MOBILE SUIT GUNDAM SIDE STORY MISSING LINK ARCHIVES」バンダイナムコ、2014年5月、78-83頁。

関連項目[編集]