機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス

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機動戦士VS伝説巨神
逆襲のギガンティス
漫画
作者 長谷川裕一
出版社 バンダイ出版部
学習研究社
角川書店
掲載誌 サイバーコミックス
レーベル ノーラコミックスDX
カドカワコミックス・エース
発表期間 1990年9月 - 1990年12月
巻数 全1巻
話数 全4話
テンプレート - ノート

機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』(きどうせんしたいでんせつきょじん ぎゃくしゅうのギガンティス、GUNDAM VS. IDEON)は、長谷川裕一漫画アニメ作品群「ガンダムシリーズ」や『伝説巨神イデオン』を題材にしたクロスオーバー作品である。

概要[編集]

バンダイ出版部の漫画雑誌サイバーコミックス』No.23 - 26に『ガンダムVS伝説の巨神』(ガンダムたいでんせつのきょじん)として連載された。その後、単行本化の際に現在の題名に改められている。宇宙世紀を舞台にしており、アニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』と『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の期間をつなぐ作品として描かれている。

内容はガンダム対イデオンという、富野由悠季作品という共通点はあるものの、一見到底つなぐことが出来るとは思えない作品の要素を取り混ぜている。その上話は大真面目で、ガンダム世界のいくつかの謎に作者独自の解答を用意している。一方で、『機動戦士ガンダム』の没キャラクターであるシマ・ハチジョウを流用していたりと、コアなネタも盛り込まれている。

単行本はバンダイからは出版されず、1992年学習研究社からノーラコミックスとして販売されたが絶版となり、その後角川書店から1995年に『機動戦士Vガンダム外伝』、2012年に『機動戦士Vガンダム プロジェクト・エクソダス』(前者の改題版)が出版され、それぞれ併録されている。ちなみに学研版にはガンダムと関係ないSF短編『わかりすぎた結末 あるいは失笑した宇宙 もしくはキャプテン・オーマイガーの華麗なる挑戦』と併録だったが、角川書店版には収録されていない。

なお、長谷川はこの後も、『機動戦士Vガンダム外伝』『機動戦士クロスボーン・ガンダム』シリーズにてガンダム世界における木星圏の戦いを描き続けており、本作の登場人物や設定が盛り込まれている。

物語[編集]

宇宙世紀0091年、木星圏にいたジュドー・アーシタ地球からの船とともにやってきたアムロ・レイに出会う。

アムロはジュドーにジオンの残党が関わっているとされる超大型モビルスーツらしきものの写真を見せ、それの調査協力を依頼する。アムロ達が運んできたモビルスーツ「メガゼータ」に乗り、強行偵察に出た2人とシマ・八丈、鉄面皮の一行は、小惑星の背に固定されている巨大な人型ロボットとジオン残党の基地を発見する。

登場人物[編集]

地球連邦軍[編集]

ジュドー・アーシタ
かつて第一次ネオ・ジオン抗争ΖΖガンダムに乗り戦った英雄。木星圏のスペースコロニー「オリュンポス・コロニー」で暮らしていたが、地球からの宇宙輸送艦に乗っていたアムロ・レイに出会う。もう二度と軍とは関わらないと決めていたが、彼から超大型モビルスーツらしき写真を見せられ、協力することを決意した。本作においては『伝説巨神イデオン』の主人公、ユウキ・コスモの生まれ変わりであるとされている。その為、ミネバを救い出すために巨神に乗り込んだ際に、無限力から「ひさしぶりだね、コスモ」と声をかけられる。また、無限力によればアムロとシャアもコスモの生まれ変わりだが、ジュドーが一番、コスモの因子を色濃く受け継いでいるという。
作中、アムロの意志が本物かどうか確かめるためや、ミネバに自分が敵ではないことを教えるためにニュータイプ能力を使っているが、一方でその能力を戦いの場で発揮することはなく、またカミーユ・ビダンパプテマス・シロッコとの決戦で行ったような、死者の思念を取り込み力にすることを否定し(ハマーンプルプルツーララァ等の霊が力を貸そうとしたが拒否した)、「生きている者の力」でミネバを救出するなど、ニュータイプの力に頼るまいとする描写もあった。
アムロ・レイ
超大型モビルスーツの調査のため非公式に木星圏に現れたかつての英雄的存在。ジュドーと共にメガゼータに乗り、途中から参戦したシャアと共に巨神の撃退に向かう。なお、後半でのメガゼータの操縦は殆どアムロ一人で行っていた。ラストでは「ミネバ・アーシタ」の処遇について便宜を図る。
無限力によれば、彼とシャアもまたユウキ・コスモの生まれ変わりだという。
シマ・八丈(シマ・ハチジョウ)
アムロと共に木星圏に来た女性パイロットだが、むしろ専門はデータ分析。
鉄面皮と共にメガゼータの援護や巨神のデータ分析を行った。ラストでは素顔を見せた鉄面皮に惚れたのか、顔を赤らめながら彼の腕に抱きついていた。作中、戦闘中でも巨神のデータを解析していたため、鉄面皮に「幾ら本職がそっちだからって」と怒られていた。
鉄面皮(てつめんぴ)
アムロと共に木星圏に来たパイロット。仮面をかぶった男性。本名は不明。
シマと共にメガゼータの援護を行った。アムロやジュドーからは火傷を負って仮面を被っていたと思われたが、実は対人赤面症で軍務に支障が出ないように仮面で隠していただけであった。素顔は美形でそれを知ったアムロは苦笑し、シマは彼に惚れた。

ネオ・ジオン[編集]

ミネバ・ザビ
超大型MSを稼動させるためのキーとして木星圏にてヒトーリンに拘束されている。ニュータイプ能力による精神感応で、ジュドーを信用するが、ジュドーが姉と慕っていたハマーンを殺した張本人であるとヒトーリンに吹き込まれ、彼女の悲しみと憎しみによって伝説巨神は発動する。
ハマーンを「ハマーンお姉ちゃん」、ジュドーを「お兄ちゃん」と呼ぶなど、精神的に幼い印象を与える。
ヒトーリン
木星圏のネオ・ジオン司令官。ネオ・ジオン本隊からの命令を無視し、巨神を発動させるように仕向ける。その人間離れした容姿(ファンタジー小説のオークがジオン軍服を着たような姿)から、注釈で「地球人です」と書かれている。
ミネバと巨神の力で「神聖ジオン帝国」を作ると豪語していた。最後はザク型のデコレーションプチモビでオリュンポス・コロニーに逃げ込もうとするが、半ば暴走状態の巨神をコロニーに誘導するような行動だったため、シャアのスザクに撃ち落され爆死する。
シャア・アズナブル
ネオ・ジオンの大部隊を率いて巨神が発動した場に現れ、その場にいたアムロと手を組み巨神の撃退にむかう。
時系列的には本作の2年後に当る『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』と異なり、長髪にサングラスという格好をしている。
無限力によれば、ジュドーやアムロと同じく、ユウキ・コスモの生まれ変わりであるという。

その他[編集]

カイ・シデン
ジャーナリストで元ホワイトベースクルー。ロンド・ベル隊結成式典で登場したアムロ・レイを影武者だと発表するが、後に撤回する(撤回するまでの間にブライト・ノアが接触し、事情を説明したためと思われると描写されている)。
ヨシユキ・トミノ
小説家。宇宙世紀の歴史小説を著述しているほか、「伝説巨神」等のフィクションも手がけている。作中では名前のみの登場だが、重要なキーパーソンでもある。
無限力(むげんちから)
巨神の核とでもいうべき存在。この世界を見限る決定を下す。
彼(彼女?)によれば、イデオン本編の世界が滅びた後に再生された姿が(宇宙世紀シリーズでの)ガンダムの世界とされ、ニュータイプ能力はイデオン本編のような事態が再び起きないようにと、無限力が人類に分け与えた力とされている。木星帰りにニュータイプが多いのは、無限力の影響であるとされ、シャリア・ブルやパプテマス・シロッコの航海記録には「血まみれの巨人」の夢を見たと残されている。
ジュドーに語りかけるシーンでは、『伝説巨神イデオン』のカララ・アジバやパイパー・ルウの姿がイメージとして現れている。

主要登場兵器[編集]

地球連邦軍[編集]

MSΖ-009M メガゼータ
プロトタイプ・ΖΖガンダムの改修機。ΖΖガンダムの2倍の出力を持つ。前腕部をロケットパンチのように分離してオールレンジ攻撃を行う「サイコミュ・ハンド」を装備。またハイメガキャノンの連続使用も可能となっている。
ジム・スナイパー,EX
メガゼータと共に木星圏に運び込まれた、宇宙世紀0091年でのジム・スナイパータイプの最新モデル。巨神の放った全方位ミサイルを受け中破。パイロット達は気絶してしまい、活躍する事は無かった。
デコプチ(デコレーション・プチモビルスーツ)
作業用のプチモビルスーツをSD風にデコレーションした物。作中にはガンダムMk-IIゲルググ騎士ガンダムをモデルにした機体が登場している(また、顔は映っていないが別作品の主役ロボットの姿も)。実際に乗る作業員からは不満が挙がっているが、整備士によれば「流行でこれじゃないと受けない」らしい。なお正確には連邦軍ではなく、木星圏のオリンポスコロニーの作業用機であり、冒頭でジュドーも前記のガンダムMk-IIにデコレーションされたプチモビに乗っていた。
ジュピトリス級超大型輸送艦(宇宙輸送艦)
木星圏に物資や人員を輸送する超大型輸送艦。物語冒頭に登場する。 メガゼータアムロ・レイ達を、地球からオリンポスコロニーに運んできた。

ネオ・ジオン[編集]

木星圏部隊
MS-06 ザクII
作中の宇宙世紀0091年では既に旧型だが、ネオ・ジオン木星圏部隊では警備や作業を中心に現役使用されている。
MS-10 ペズン・ドワッジ
ザクII同様に旧型だが、ネオ・ジオン木星圏部隊では未だに現役。
MS-R12 リックギガン
『MS-X』の機体であるギガンに宇宙機動用バーニアを装備したと思われる機体。ザクやペズン・ドワッジ同様、原型機であるギガンは一年戦争時代の旧型機である。
MS-16 ドガッシャ
『MS-X』の機体であるガッシャの改良型。木星圏部隊独自の機体と思われる。
デコプチ
ザクIIを模した物をヒトーリンが操縦していた。
巨神
遺跡のような姿で小天体の表面に埋まっていた巨大人型兵器(本編中で「イデオン」と呼称されることはない)。
『イデオン』本編よりカラーリングがダークトーンになり、マスク部分にスリット、両肩に二連装砲が増設され、より攻撃的になっている(ただし両肩の砲は使用していない)。発動を阻止しに来たシャアの部隊を圧倒。全方位ミサイルによって壊滅状態に追いやる。
シャア・アズナブル部隊
AMS-110 キタラ
後の『機動戦士クロスボーン・ガンダム』のペズ・バタラに似たコンセプトのモビルスーツ。
頭部と下腹部から伸びた長い角(下側のは折り畳むことが出来る)の先端を結んで体の前方にビームの刃を形成し、体当たりで攻撃する。大型目標を攻撃する時は四肢を真後ろに向けた突撃姿勢に変形する。足は前後に開き、長方形の板のような腕の、手の甲に相当する部分から細長い槍状の物が3本突き出している。多数機がシャアのスザクに率いられて木星圏に現れ、ヒトーリン一派のMS部隊と交戦するが、発動した巨神に全滅させられる(なお、少なくとも1機はメガゼータに撃破された)。
スザク(S・ザク・ザクIII改・改)
シャアの搭乗するザク系モビルスーツ。スカート部分にザクIIIと似たビームキャノンを装備している。
MA-08-2 ビグザム
ビグ・ザムの改良型。作中、シャアからは「ビグザム」としか呼ばれておらず、テロップでビグ・ザム改と紹介されている。本作では2機登場し、大型メガ粒子砲を巨神に撃つが、バリヤーによって防がれた。その後両機とも巨神に破壊されている。
ムサイ級軽巡洋艦(宇宙巡洋艦)
ビグ・ザムを輸送してきた。巨神にビグ・ザムをぶつけられて撃沈される。
エンドラ級軽巡洋艦(宇宙・大気圏内用巡洋艦)

書誌情報[編集]

  • 機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス(ノーラコミックスデラックス(学習研究社)、絶版)
  • 機動戦士Vガンダム外伝(角川コミックス・エース(角川書店))
  • 機動戦士Vガンダム プロジェクト・エクソダス(角川コミックス・エース(角川書店))

補足[編集]

  • 本作品と同時期に複数の雑誌で展開された、いわゆるガンダム外伝企画ものには、「シャアの反乱」前後の木星圏を舞台とした連邦軍と反乱勢力の戦いを描くというシチュエーションの作品が多数存在する。「Mobile Suit in Action ジオンの星」(月刊ホビージャパン 1987年)、「プロジェクトMUSHA」(コミックボンボン 1989年3月号 - )「MSV90 バリアントガンダム」(コミックボンボン 1989年8月号 - )などがある。