ザクII

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ガンダム(右)と交戦する「シャア専用ザク」(左)。大阪府吹田市のEXPOCITYにて。

ザクII(ザク・ツー、ZAKU II)は、『ガンダムシリーズ』に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器モビルスーツ」(MS)の一つ。初出は1979年放送のテレビアニメ機動戦士ガンダム』。

作中の敵側勢力であるジオン公国軍の主力量産型MSで、後発のジオン系MSにも見られる頭部のモノアイ(一つ目)カメラに、左肩のスパイク、右肩のシールドが特徴。『ガンダム』放送当時のロボットアニメとしてはまだ珍しかった「量産機」としての設定がされており、同型の機体が作中に多数登場する。量産機の制式カラーは緑で、主人公アムロ・レイのライバルであるシャア・アズナブルの機体は赤く塗装されている。

名称の「II」(ローマ数字の2)は『機動戦士ガンダム』放送終了後に後付けされた設定である(詳細は後述)。その後、本機のデザイナーである大河原邦男によるバリエーション機のイラストが多数発表され、『モビルスーツバリエーション (MSV)』としてプラモデルガンプラ)などの商品展開もなされた。以後の『ガンダム』の続編や関連作品においても、設定やデザインを継承した機体が数多く登場する。

本記事ではザクIIの一部バリエーションについても解説するが、機能を特化していない機体群に限定する。ほかの機体群に関しては以下を参照。

名称[編集]

『機動戦士ガンダム』劇中では、単にザクとのみ呼ばれる。放送当時の1979年12月に日本サンライズから発行された書籍『機動戦士ガンダム・記録全集1』においても「ジオン公国軍・ザク」とのみ記述される[1]

書籍『ガンダムセンチュリー』(1981年9月発行)において、いわゆる「旧ザク」を「MS-05 ザクI」、通常型の「ザク」を「MS-06 ザクII」として区別された[2]。この設定は『モビルスーツバリエーション』(1983~1984年)[3]や書籍『ENTERTAINMENT BIBLE』シリーズ(1989年~)[4]でも踏襲された。またOVA『MS IGLOO -1年戦争秘録-』第3話(2004年)では映像作品において本機がザクIとともに「ザク・ツー」と呼称されるに至った。

また、『機動戦士ガンダム公式Web』では日本語表記の「ザク」と英文表記の「ZAKU II」が併記されている[5]

シャア・アズナブルが搭乗する赤いツノ飾り付きの機体の名称は、設定画では「シャアのザク」とされていた[6]。1980年5月発行の『機動戦士ガンダム・記録全集2』では「ザク(シャア専用)」[7]、同年8月発売のプラモデルの商品名は「シャア専用ザク」とされた[8](漫画『プラモ狂四郎』では「シャアザク」と短縮された[9])。またこれに対して通常のザクの商品名は「量産型ザク」(1981年1月)とされた[10]

また『ガンダムセンチュリー』においては、『機動戦士ガンダム』劇中に登場したザクIIは詳細にはMS-06F、地上で登場した機体はMS-06J、シャア専用ザクはMS-06Sという型式番号であるとも設定された[11]。映像作品においても、『機動戦士ガンダムΖΖ』第12話(1986年)で宇宙に遺棄されたザクIIを発見したジュドー・アーシタが「ザクだよ、本物のMS-06Fだ」と述べる場面がある。

メカデザイン[編集]

デザインと名称
メカニックデザイン大河原邦男安彦良和が関与したとの説もあったが否定されている[注 1])。当時は敵側のメカが玩具化されることはなかったため、スポンサーの制約を受けず、自由にデザインすることができた[12]。特にクレームや途中での注文などもなく「2稿くらいで決定になっている」という[12]。モチーフは背広[13]と自宅の物置にあったガスマスク[要出典]。ただし、頭部のモノアイとシャアのザクのツノ飾りは大河原ではなく、総監督の富野喜幸の発案によるものである[14]。特にモノアイは、富野が描いたモビルスーツのイメージ・スケッチでも確認できる[15]
名称は「雑魚」と、軍隊の「ザクザク」といういわゆる軍靴の音を組み合わせたもの[16]。富野も放送終了直後のインタビューで、大きい人が歩くと地面が「ザクッザクッ」と音を立てるところからとったと発言している[17]
シールドが右肩にある理由
大河原のインタビューによると、当初シールドは左肩につくようにデザインをした。しかし、アニメの設定画は左斜めから見たものが当時の形式となっていたため、これに沿って描くと盾の影に腕が隠れて見えないことから、反転して描いた[要出典]。その結果、『機動戦士ガンダムUC』のギラ・ズールに至るまで、ザク系のMSは右肩にシールドがつくというデザインが続いている[注 2]

劇中での活躍[編集]

『機動戦士ガンダム』第1話から、ほぼ全編にわたって登場する。宇宙世紀史上初めて実戦でMS同士が相対したのが、ガンダムと本機である[注 3]。しかし、序盤でこそ圧倒的な力を見せるも、本機を遥かに上回る性能をもつガンダムを有するホワイトベース隊に中盤まではやられ役となり、終盤では連邦軍MS隊によって次々に撃破される。テム・レイが住み込むジャンク屋周辺にも、頭部が放置されている。

テレビアニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』では、「ネオ・ジオン軍」が自軍の戦力として使用している。この時点ではかなりのロートル機であり、敵機と遭遇する確率の低い哨戒などの任務に使用されており、第39話で運悪くガンダム・チームと交戦することを余儀なくされた部隊は新鋭機のΖΖガンダムの前にことごとく撃墜される。基本性能に変化はないが、コクピットはリニアシートに換装されている。また一方で、第12話ではマニアに人気があり、高く売ることができることが描写されている。宇宙空間に放棄されて浮遊していた機体がアーガマに回収され、その機体の頭部を、当時破損していたΖガンダムの頭部の代わりに緊急的に取り付けて出撃する場面もある。この時の機体は便宜上「Ζザク」と呼ばれる。なお、その際視界映像はモノアイラインそのままにしか映らず、支柱の影すら映っていた。

テレビアニメ『∀ガンダム』では、ルジャーナ・ミリシャによってザクIIとザクIに容姿が大変似ている機械人形が多数発掘され[18]、「ボルジャーノン」(一部の登場人物からは「ザク」とも[19])と呼ばれている。また、そのボルジャーノンのパイロットたちは「黒歴史」の記録映像に登場したザクを見て歓声を上げている。

漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』では、サイド3のズム特別戦争博物館(かつての公王庁舎)に稼働状態を保って収蔵されていたザクに、主人公フォント・ボーが搭乗。その際、木星の最新鋭機と交戦。『ゴースト』の時代設定は宇宙世紀0153年であり、ザクの就役から実に70年以上を経ての実戦記録となる。もはや性能面では勝負にならない上に丸腰であったが、あまりにも古い機体のため最新MSのOSにはデータがなく、特に機体のサイズ差からセンサー系を誤認させて敵を撹乱することに成功する。サイド3からの脱出に使用された後は、そのままフォントの乗機となる。、ザンスカール帝国のアドラステア級からデータを奪取する作戦にも投入された。ミート オブ トゥーンではフォントを追いかける為にベルが乗り込み、敵に発見されるのを防ぐ為に一旦機体は放棄された。戦闘終了後に回収され、最後はマリア・シティでの作戦でファントムの偽装に本機の外装を流用する目的で解体されている。

劇中の設定[編集]

機体解説[編集]

ジオン公国軍はMS-05 ザクIを開発し、実戦投入を行った。その後、熱核反応炉の更新やパイプを利用した冷却システムを導入した新型機としてMS-06 ザクIIを開発した[20][注 4][注 5]。MS-06はMS-05から全面的な再設計が行われており、完成時の形状が異なった事から新たな型式番号が与えられた[23]。MS-06 ザクIIの初の量産型はA型であり、さほど生産されなかった同機を引き継ぐ形でC型が生産され、開戦初期の主力として運用される。そしてC型と同様の外観を持ちながらも、もっとも生産された機種がF型(MS-06F)である[23]

U.C.0079年1月からの一年戦争開戦後、ブリティッシュ作戦を敢行した一週間戦争時点でMS-06はA、C、F型が運用されていた[24]。また、開戦時にブリティッシュ作戦に従軍した本機の部隊は、長時間の冷却剤タンクを背負っての作業にあたって次々と連邦軍に撃墜され、優秀なパイロットを同時に多数失っている[20]

MS-06 ザクIIの一年戦争中の生産機数は、派生機を含め連邦・ジオン両軍を通して最高の生産数とされる[25]。総生産数については諸説あり、『GUNDAM CENTURY』ではザクIを含めて約8,000機、うちF型は3246機で最多としているが[20]バンダイ発行のB-CLUB70号では派生機を含めた総生産数を4,000機としており、それに次ぐのが派生機を含めた総生産数3800機となるジムとしている[25]

機体構造[編集]

冷却システム
従来式ではロケット噴射の際に燃料となる流体水素に熱を吸収させて廃棄する方式をとっていたが、これでは燃料の消費に伴い動力炉の出力を抑えなければいけない欠点があったため、MS-06では排熱をMSの機体構造全体に分散吸収させる方式を取った。ただし、このシステムは全力戦闘した際に機体表面の温度が数百度まで加熱されるため、帰還後は艦内での冷却が必要となる[20][注 6]
駆動方式
動力で発生したエネルギーをパルス・コンバーターによって流体内部のパルス状圧力に変換し、それを流体パイプに導いた後、関節駆動用ロータリー・シリンダーに極超音速で伝達させる流体内パルスシステムを採用する。これは油圧と比較し作動スピードが速く、電動モーターと比較し重量が小さく、機構が簡単な利点があった。同機構はMSの巨大な手足を先端の加速100G以上で加速させる事が可能であり、AMBACの際は3秒以内に180度の姿勢変化も行える[20][注 7]
パイプ
前駆型のMS-05 ザクIとは異なり、駆動用の流体チューブを収納するパイプが機体各部に露出している[20]。動力パイプが機体外部に露出する事により、内部に余裕が生まれ改良が容易となった[29]
コクピット
製造時期によって差異はあるが、左胸部から乗り込み、搭乗後はシートがスライドして右胸部に移動する方式をとる。また、胸部ハッチを展開しシートを射出する脱出機構も備える[29][注 8]
推進器
推進器は科学ロケットを使用するとした資料[26]、熱核ロケットエンジンを採用したとする資料が見られる[29]
ランドセル
簡単に着脱可能で、任務に応じてオプション装備に換装可能[29]
装甲
超硬スチール合金(超高張力鋼)と記述される[30]一方で、チタン系超硬合金による複合装甲とした資料も見られる[26][注 9][注 10]。装甲車両のバルカン砲を弾き返せる強度を持つ[29]
ボディ
フレームレスのモノコック構造を採用する[20]
カメラ
メインカメラにはモノアイを採用。同部位にはレーザーや赤外線センサーによる探知装置が内蔵されており、ミノフスキー粒子下においても正確な射撃が行える。また、モノアイだけでは機体各部に死角が生れる事から、10数基のサブカメラも設置される[26]
スパイクアーマー
肩部に装備。MS-05が開発された時点で対抗兵器の開発の可能性が示唆され、採用された格闘戦用の装備[29]
シールド
右肩部に大型の複合装甲盾を備える[20]。漫画『MSV-R 虹霓のシン・マツナガ』第3巻ではこれについて、前面投影面積がもっとも少なくなる最適な攻撃姿勢(ザク・マシンガンを構えた宇宙での突撃姿勢)をとった場合、シールドの角が前にくる形となり、防御面積が最大になると同時に傾斜装甲を形成し、跳弾による被害の軽減を目的としているとされ、対艦攻撃の際に有効であったことが実証されていることが、エリオット・レム少佐(当時)をはじめとする登場人物の台詞で説明されている。
ブレードアンテナ[33] / マルチブレードアンテナ[34]
資料によってF型指揮官機とS型に同等の部品(ただしS型では、より精度を向上させるためアンテナ基部等に改良が施されている)を採用したとする資料が見られる[33]。一方で、S型は指揮官機としての通信機能・索敵機能向上のため、アンテナ基部の構造に改良が加えられたとする資料も存在する[35]。また、映像作品『MS IGLOO2 -重力戦線-』においてはアンテナを装備したJ型も見られる[36][注 11]

武装[編集]

ザク・マシンガン[編集]

ザクにおいてもっとも一般的に装備されるMS用マシンガン。通称ザクマシンガンと呼ばれる[37]。ライフルと呼称する資料も見られ、ザクIに搭載されたマシンガンと比較し105ミリから120ミリへ強化されている[20][注 12]。弾数は100発[38]。接近戦用の装備とも称され、単発と連射の切り替えが可能[39]。弾薬は主に薬室上部の円盤型弾倉(パンマガジン。但し設定上の呼称はドラムマガジン)から供給される[40][注 13]。状況に応じて破壊力を重視した榴弾徹甲榴弾を使用する[41]

ザク系列の他、各作品ではテレビ版第22話のグフ、テレビ版第34話や『第08MS小隊』第10話のドム、『MS IGLOO -1年戦争秘録-』第3話のヅダ、『MS IGLOO -黙示録0079-』第2話のオッゴなども装備する姿が見られた。

M-120A1[42]
映像作品の劇中では、おもに一年戦争時にMS-06F、J、Sが携帯するメインウェポン。劇中のジオン兵からは「ライフル」とも呼ばれている[注 14]。さらに、オプティカルサイトと可動式フォアグリップが完備されているため、狙撃銃としても使用可能である。
開発を請け負ったジオニック社の社内開発コードは「ZMC38III」で[42]、「ZMC38III M-120A1」と併記されることもある[42]。地球連邦軍がMSを実戦投入すると、貫通力の低さが問題視されるようになった[注 15]。特にガンダムに対しては威力不足だったが[注 16]、『機動戦士ガンダム MS IGLOO』などの映像作品では、連邦量産MSは数発の直撃、61式戦車5型に対しては一撃でそれぞれ破壊可能な性能を有した[注 17]。またパイロットによっては、ザク・マシンガンの台尻で敵MSや戦闘機に格闘戦を挑んだ者もいた[注 18]。なお名称は「ザク・マシンガン」であるが、テレビアニメ及び劇場版『機動戦士ガンダム』劇中ではヨーロッパ戦線のグフやコンスコン艦隊のリック・ドムが携帯し使用している場面も見られた。
M-120AC
MSV-R』に登場[43]
銃身部に銃剣タイプのヒート剣を装備したもの。S型のマッシュ機が運用試験を兼ね実戦で使用し、その後少数生産されS型のジョニー・ライデン機も使用している[44]
ZMP-50D[45]
ザクIのザク・マシンガン(型式番号:ZMP-47D)の直系タイプ。ドラムマガジンが右にオフセットされている。ZMPとはザク・マシン・ピストルの略。
このタイプのデザインは、プラモデル『マスターグレード 1/100 MS-06F/JザクII』商品化に際し起こされたもので、プラモデルがマシンガンを両手で構える際に円盤型マガジンの左縁が胸部に干渉するのを防ぐため敢えてオフセット化というアレンジが講じられた。しかし、後年発売される『マスターグレード 1/100 MS-06J ザクII Ver.2.0』では再びマガジン中央装着のデザインに戻されている。
MMP-78
一年戦争後期に使用されたザクマシンガンで、専用のマガジンとともに対空砲弾を装備可能[46][注 19]。グレネードも備える[47]
劇中では、キンバライド基地防衛隊の後期生産型ザクIIジム・カスタムベイト中尉機)の脚部を破壊する。その一方、月面ではクルトが搭乗する後期生産型ザクIIがヴァル・ヴァロに発砲したが、効果がなかった。
MMP-78/WG
ドムのマニピュレーターのサイズに合わせたワイド・グリップ仕様。形状はZMP-50Dに近いが、マガジンはオフセットされていない。グレネード・ランチャーも脱着式となっている[48]
MMP-80 / 90mm ver.8[49]
資料によってFZ型の専用に作られたとするものと[50]、一年戦争後期に多用された装備とするものがみられる[51]。また、口径は80mm[51]とするものと、90mmとするものがみられる[49]。また、FZ型の機体諸元表に120mmマシンガンと記述した資料もみられる[50][52]
形状・機構ともに全面的に変更され、照準制度は向上[50]。グレネードランチャーの装着が可能となっている[53]。小口径高速弾用の機関砲[54]

ザク・バズーカ[編集]

口径280mm[42](型式番号:H&L-SB25K/280mmA-P[49])、または240mm[55]バズーカ。元々対艦用に開発されたバズーカである[56]。最初のテレビシリーズ劇中での対艦戦闘における核兵器発射の明確な描写はないが、ムック『ガンダムセンチュリー』では、時限作動にセットした核弾頭で戦艦を一撃で沈めた、とあり、連邦軍の戦艦もまた核ミサイルで対抗していたとも記されている。ただし映像作品『MS IGLOO -1年戦争秘録-』のルウム戦役では、核バズーカの使用描写はなく、通常のバズーカ弾頭であった。南極条約の締結後は核兵器の使用ができなくなり威力が落ちたため、さまざまな改良型が開発されることとなる。ザクII以外のMSでは、ヅダ、『0083』第4話のドム・トローペンオッゴ(モビルポッド)などがザク・バズーカを装備している。

装弾数は単発説と5発説[55]がある。劇中ではバズーカへ再装填する描写はないが、連射する描写はあった。『機動戦士ガンダム MS IGLOO 2 重力戦線』第2話に登場したエルマー・スネル大尉陸戦型ザクIIは、左の腰アーマーに筒状の予備弾倉をぶらさげている。劇中に装填シーンはないが、スネル大尉は1回の戦闘でザク・バズーカを6発以上発射した。『第08MS小隊』では、5発入りボックスマガジン式のバズーカも登場した[注 20]

シャア少佐は対ガンダム戦でもザク・バズーカを用い、大気圏突入直前の戦闘ではガンダムの盾を貫通する威力を見せる(テレビ版第5話)。ア・バオア・クーでは、本武装による攻撃でガンキャノンが膝から下を吹き飛ばされる。

連結バズーカ
MSV-R』に登場[43]
前線のMSパイロットの要望により、初期型のザク・バズーカを平行に、上下を反転させてジョイントで連結したもの。マガジン交換のロスタイム解消と、戦闘力の向上を目的に製作され、マガジンがカートリッジ式に改良されている。黒い三連星もS型の搭乗時期に携行している。
2連バズーカ
『MSV-R』に登場[43]
連結バズーカをベースに開発。こちらはただ連結させただけでなく、グリップが左の砲身だけになり、さらに照準器が追加され、射撃性能の向上が図られている。マガジンも上下互い違いだったのを下方向に統一し、装弾数も向上している。10数丁が生産され、黒い三連星やほかの部隊で使用されているが、制式採用には至っていない。

ヒート・ホーク[編集]

刃の部分に高熱を発生させる事で敵を切り裂く兵装[39][注 21]。ザクI用ヒートホーク(型式番号:HEAT HAWK Type3)の発展型[58]。F型やJ型に装備されたものをHEAT HAWK Type5とする資料も見られる[37]。実体刃がないビームサーベルと刃を打ち合わせ、鍔迫り合いすることが可能だった[注 22]。この原理については諸説があるが、IH説「刃の加熱に電磁誘導を用いているため、周囲に強力な磁場が発生している。そのためビームを磁力で封じ込めているビームサーベルとは反発しあう」というものが有力となっている[58][注 23]。刃は4、5回の戦闘で駄目になってしまう使い捨て兵器である[60]

テレビ版作中では第4話でシャアが使用し、名称はテレビ版第5話で言及される[注 24]。作中ではグフヅダも装備している姿が見られる[注 25]ルナチタニウム製のガンダムのシールドを叩き割り[注 26]ガンダムNT-1を大破させる描写も見られた。第10話のザクが使用した動力パイプのないタイプや、両刃にした「ヒートトマホーク」など、生産形態は明確ではない。

その他の武装[編集]

クラッカー
J型用装備[61]。MS用の投擲兵器。手榴弾としてMSのマニピュレーターによって、目標に直接投げつける。クラッカーの本体には計6つの突起が付いており、それがおのおのの方向に爆散することで広範囲に威力を発揮する。爆風と弾片効果で相手を殺傷する榴弾 (HE) なので、直撃以外はMSに対する効果は低いものの、牽制用として多用された。初出はテレビ版第12話で、ランバ・ラル配下のアコース少尉とコズン少尉が使用する。
シュツルムファウスト
宇宙および重力下空間の双方で使用可能な使い捨ての大型弾頭ロケットランチャー。名前を直訳すると「突撃鉄拳」。F2型とFZ型、また『機動戦士ガンダム MS IGLOO』第1話のルウム戦役ではシャア専用機が使用したが、それぞれ形状が異なる。シャア専用機やヅダが装備したタイプはMark VIIIである[42]。特にザク専用というわけではなく、ドム・トローペンケンプファーなど他のMSでも使用できた。基本的には第二次世界大戦でドイツ軍歩兵の使用した携帯無反動砲パンツァーファウストを大型化したような形状で、弾頭にロケットブースターがついている。直撃すればマゼラン級宇宙戦艦を一発で撃沈可能だが、無誘導兵器であるため、MSのような機動性の高い標的に命中させることは基本的に難しい。それでも『0080』や『0083』ではジオン軍熟練パイロットがシュツルムファウストを用いて連邦MSを撃破する。
なお、後世のギラ・ドーガも同名の武装を装備しており、こちらは実際に旧ドイツ陸軍のパンツァーファウストをMSサイズにスケールアップしたもの、と設定されている[62]
脚部3連装ミサイル・ポッド
J型用装備[61]初出はテレビ版第19話。ランバ・ラル隊のステッチ伍長の搭乗機に装備された。劇中ではガンタンクのキャタピラを破壊して行動不能にする。このポッドは3発のミサイルを内蔵した3連装式で、脚部のウェポンラッチに装着され、ほかの武器を携行したまま使用できる。副武装としてザク系列だけでなくグフイフリートなど幅広く使用された。時系列的には比較的早く登場した武器であり、0079年4月に連邦軍が鹵獲使用する陸戦型ザクIIへの装備が確認できる[注 27]
ZIM/M.T-K175C無反動砲[63](マゼラ・トップ砲)
ジオン軍の主力戦車であるマゼラ・アタックの175mm砲[64]を取り外し、MS用の手持ち武器として改造した火砲。本来は現地改修の非公式兵器である。初出はテレビ版第21話で、ランバ・ラル隊のタチ中尉が装備する。後に『第08MS小隊』第8話にも登場する。
Sマイン
対人近接防御兵器。機体各所から発射され空中で爆発、小型鉄球の雨を降らせて至近に迫った敵兵を駆逐する。『第08MS小隊』第8話ではMS-05 ザクIが、『MS IGLOO2重力戦線』第1話ではMS-06J 陸戦型ザクIIが使用。モデルになったのは第二次大戦でドイツ軍が使用した跳躍地雷S-マイン」およびそれを応用した戦車用装置「近接防御兵器」。
デック(本編未登場)
機雷。3発を束ねた専用運搬セットをデック・キャリアと称する。スタッフ用の設定書[65]においてはザク用の兵器として扱われていたが、劇中ではテレビ版第4話で宇宙歩兵用の携行兵器として同デザインの物が登場した。しかし、これをザク用として掲載した書籍[66]及びプライズ商品が存在する。
ハンドグレネード
FZ型が装備しているクラッカーに代わる投擲兵器。腰部右側に3つ取り付けられている。『0080』最終話ではバーニィは機体には装備せず、森林の中にトラップとして設置する。
バックパックウェポン
漫画『機動戦士ガンダムMSV戦記 ジョニー・ライデン』に登場。1台のみ試作されたザクIIなどでも運用可能な携行型ビーム兵器で、ゲルググ用のジェネレーターをバックパックとし、パイプを介してビームガン(ゲルググ用のビーム・ライフルと準同型だが、銃身などの形状が異なる)を直結したもの。装備するMS本来のランドセルに外付けされた状態で使用される。射撃可能回数は3回のみ。作中ではジョニー・ライデンが搭乗するR-2型が使用する。
ラケーテン・ガルデン(ロケット・ブースター)
補助推進器。バックパックの左右両側面に一基ずつ固定する。これに点火することで、重力下での跳躍が一時的にではあるが可能となる。
初出はOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』第4話にてF2型が使用した場面。OVA『機動戦士ガンダムUC』第4話ではデザート・ゲルググが装備している。
MS-06“ザクII”用試作プロペラントタンクユニット
漫画『機動戦士ガンダム MS IGLOO 603』に登場。ウェインツ教授主導で開発されていた、宇宙空間におけるザクIIの行動距離延伸を目的としたプロペラントタンクシステムで、プロペラントタンクを胸部に2基、換装された専用のバックパックを介して背部に4基装着するというもの。このユニットを装備した機体の航続距離は、計算上では通常のザクIIの約6倍に達するが、それと引き換えに機動性は無視できないほどに悪化する。また、燃料消費に伴い生じるプロペラントタンクの重量バランスの狂いが、高速飛行時にフラッターを引き起こすという欠陥を抱えており、試作機が評価試験中にフラッターによるプロペラントタンク基部の破損に起因する爆発事故を起こしたため、開発は中止された。

設定の変遷[編集]

諸元
モビルスーツ ザク
(テレビ放映当時/終了後の雑誌やムックに掲載されたデータ)
頭頂高 17.5m[67]
全備重量 74.5t[67]
装甲材質 超硬スチール合金[67]
出力 55,000馬力[67]
最高速度 85km/h[67]
武装 専用マシンガン
バズーカ
ヒートホーク
搭乗者 ジオン公国軍一般兵士

「MS-06」(えむえすぜろろく)という型番や「ザク・マシンガン」「120ミリマシンガン」「ザク・バズーカ」「クラッカー」「超硬スチール合金」といった単語、「走行速度時速85キロ」「出力55000馬力」といったスペックの類は、RX-78ガンダムの「ルナチタニウム」等と同様、日本サンライズ(当時)側が『機動戦士ガンダム』オンエア中の1979年からその後1981年前半にかけて講談社[68][69]、ケイブンシャ[70]等の発行する出版物向けに用意し提供したもので、映像作品の劇中で明言はされない。ザクII以外のジオン側モビルスーツ、モビルアーマーの型番が生み出され、旧タイプのザクに「ザクI」というペットネームと「MS-05」という独立した型番が与えられたのは1981年9月27日発行の『ガンダムセンチュリー』が初出となる。

メディアミックスが多数存在するガンダムシリーズにおいて、サンライズの堀口滋は模型雑誌の対談に際し「フィルム化されたものがオフィシャル」という立場を説明している[71]

諸元
MS-06F ザクII
(『ガンダムセンチュリー』掲載時)
全高 17.5m
本体重量 36.4t
全備重量 67.1t
装甲材質 発泡金属
カーボンセラミック
ボロン複合材料・等
出力 9200kW(12300馬力)
推力 210,400kg
最高速度 160km/h
武装 120mmライフル(弾数100)
280mmバズーカ
ヒート・ホーク
搭乗者 ジオン公国軍一般兵士
諸元
ザクII
(『ガンダムの常識』より)
型式番号 MS-06(MS-06F[72]
全高 17.5m(18.0m[72]
頭頂高  - (17.5m[72]
本体重量 56.2t(58.1t[72]
全備重量 67.1t(73.3t[72]
装甲材質 超硬スチール合金
出力 976kW(951kW[72]
推力 43,300kg
(20,500kg×2、1,000kg×2[73]
総推力43,000kg)
センサー
有効半径
3,200m(3,200m[72]
最高速度 (88km/h[73]
武装 120mmライフル 弾数100
280mmバズーカ
ヒートホーク
搭乗者 ジオン公国軍一般兵士

全長・全高をはじめとした数値的な諸元は資料・媒体によって一定しない。1989年には伸童舎が編集・構成を担当した『MS大図鑑 PART.1 一年戦争編』[72]で、一覧表として掲載されていたが、「ザクII(ザク)」の項目の下にまた数値の異なる「ザク」の項目があった。実は下の項目は「FZ型」の数値であったのだが、流通しているザクIIの諸元はこの2つの項目が(さらに一部『ガンダムセンチュリー』の数値なども)ないまぜになってしまっている。

先行量産型ザクII[編集]

『MSV』に設定上存在する第一次量産型、または初期生産型[74]とも呼ばれるほか、型式番号の「MS-06A」からA型とも呼ばれる。

ザクIの問題点を改修し、最初に完成したザクII。元々はザクIの改良型の「MS-05C」として設計されていたが[21]、大幅な改良が行われたために新たに「MS-06」の型式番号が与えられることになった。宇宙世紀0077年8月に試作機が完成したが、キシリア・ザビの提言により連邦軍のMSとの交戦を想定して近接戦用武装が取り入れられることとなり[75]、宇宙世紀0077年9月からはC型に移行した。ただしC型の生産が一定の軌道に乗るまでの半年間は同時に生産されていた[76]。上記の事情からA型の総生産数は少数に留まり、大半が教導機動大隊での実習訓練機に使用された。

C型との大きな違いは、右肩のシールドと左肩のスパイクアーマーがなく、ザクIと同じ球形のアーマーを両肩に装備していたことである[76]。また、コクピットの開閉方式も異なっていたようである(旧型は中央正面にハッチがあり、パイロットがコンソールを乗り越えて乗り降りするため、モニターが汚れやすかった)。武装はMS-05用の105mmマシンガンと初期型ザクバズーカが訓練で使用されたが、ヒートホークは装備されなかった[77]。機体の塗装パターンは当初ザクIのものと同様のものをデモンストレーション用として施されていたが、後にグリーン2色のものに変更された[78]。また白と青の2色に塗装された機体も存在する[78]
劇中での活躍
漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』では、宇宙世紀0090年に研究材料として回収された教導機動大隊の実習訓練機が登場した。作中では、この機体で訓練を受けたパイロットが、コクピットのシートにサインを遺す慣習があったとされる。
備考
初出は『ガンダムセンチュリー』。その後『MSV』で詳しく設定され、SDガンダムのガチャポンシリーズにおいて初めて画稿が起こされた。その後、メカニックデザイン企画『MSV-R』でリアル等身の画稿が起こされた。

初期量産型ザクII[編集]

『ガンダムセンチュリー』や『MSV』で設定された[76]。先行量産型、初期生産型、初期型、前期型、核武装型とも呼ばれるほか、型式番号の「MS-06C」からC型とも呼ばれる。

先行量産型(A型)に次いで宇宙世紀0077年9月に試作機が完成。ただちに量産が開始されたザクIIであり、ジオン公国軍の一年戦争開戦時点における主力機となる[75]。いずれは連邦軍もMSを配備する可能性を想定し、A型に近接戦能力がないことを不安に思ったキシリア・ザビの提言により、右肩のシールドと左肩のスパイクアーマーが固定装備、さらに標準兵装としてヒート・ホークが携行されている[75]

核攻撃で併用されることを前提とした機体で、コクピット周辺の三重複合装甲裏側に放射線遮蔽液が注入され、全備重量は72トンを越える[79]。しかし、後に南極条約によって核兵器の使用が禁止されるとデッドウエイトとなると判断され、耐核装備を外した量産型(F型)に移行する[4]

『ガンダムセンチュリー』には、行動時間延長のためC型に巨大な冷却剤タンクとロケット燃料タンクをバックパックとして装備した機体が登場している[注 28]。この機体は詳細不明の短銃身の銃器を携行しており、ブリティッシュ作戦の準備段階におけるスペースコロニーの改造作業に使用されたが、バックパックの追加によって機動性が低下し、多くが作業中に撃墜されている[80]

劇中での活躍
一年戦争開始時にはまだF型はほとんど前線に出ていないため、アニメ『機動戦士ガンダム』冒頭のコロニー落としの場面に登場するザクはC型ということになる。
漫画『MS戦記 機動戦士ガンダム0079外伝』では、フレデリック・ブラウン搭乗機が登場。ただし、劇中ではF型と呼ばれている。左肩のスパイクアーマーが黄色で塗装されている。SDガンダムのガチャポンのシールに描かれているのはこの機体である。
備考
設定の初出は『ガンダムセンチュリー』。その後『MSV』で詳しく設定された。
リメイク作品である『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』においても「初期型ザク」として登場する。詳細は後述
パーソナルカスタム機
シャア・アズナブル専用機
『MSV』の文字設定が初出。シャア・アズナブルが一週間戦争で搭乗する機体[81]。ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』ではのちのザクII S型と変わらない赤系の塗装で、頭部のブレードアンテナは付属しない。
ジョニー・ライデン専用機
『MSV』の文字設定が初出。ジョニー・ライデン曹長(当時)が一週間戦争で搭乗する機体[81]。漫画『機動戦士ガンダムMSV戦記 ジョニー・ライデン』では、本来は全身を赤で塗装する予定だったが塗料が足りず、右肩のシールド、左肩のスパイクアーマー、コクピットハッチ、背部のランドセルのみが赤となっている。
黒い三連星専用機
『MSV』の文字設定が初出。黒い三連星がルウム戦役で搭乗し、レビル将軍を捕虜にしている[81]
『ガシャポン戦士』のおまけシールでは、全身がライト・グレー、動力パイプがダーク・グレーに塗られている。
漫画『GUNDAM LEGACY』では、モノクロでしか確認できないが一般塗装と同様と思われる。3機とも左肩アーマーのスパイクは外されており、ザク・バズーカを携行する。なお当時のメンバーの階級はA・ガイア中尉、マッシュ少尉、オルテガ少尉とされる。レビル将軍の座乗艦、マゼラン級「アナンケ」に対し、後に「ジェットストリームアタック」と呼ばれる戦法を初めて試し、撃沈する。
ランバ・ラル専用機
アクションフィギュア『ジオノグラフィー』#3003で立体化された。ザクI ランバ・ラル専用機との部品差し替え式で、パーソナルカラーの青で塗装されている。
「ザクとは違うのだよ、ザクとは」という有名な台詞があるものの、ランバ・ラルがザクIIに搭乗したとされるのは今のところ本製品だけである。書籍『戦略戦術大図鑑』やゲーム『ギレンの野望』のムービーでは一週間戦争で専用のザクIが確認でき、漫画『虹霓のシン・マツナガ』では、ルウム戦役以降もラルはザクIに搭乗し続けている。

量産型ザクII(ザクII F型)[編集]

諸元
量産型ザクII (F型)
ZAKU II MASS PRODUCT TYPE
型式番号 MS-06F
全高 17.5m
本体重量 56.2t
全備重量 73.3t
装甲材質 超硬スチール合金
出力 976kW
推力 43,300kg
センサー
有効半径
3,200m
武装 120mmザク・マシンガン
280mmザク・バズーカ
ヒート・ホーク
クラッカー
脚部3連装ミサイル・ポッド
175mmマゼラ・トップ砲
ミサイル・ランチャー ほか
搭乗者 ジオン公国軍一般兵士
フランシー曹長(ファントム・ブレット)

アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する「ザク」に、『ガンダムセンチュリー』や『MSV』などの設定が付加されたもの。その後OVA『MS IGLOO』[82]などに登場する。前期型、中期型とも呼ばれるほか、型式番号の「MS-06F」からF型とも呼ばれる。単純にザク、あるいはザクIIと言った場合は本機を指すことが多い[76]

初期量産型(C型)は耐核装備が施されているため重量が72tに達し、機動性に難があった。このため核弾頭使用の必要がなくなった南極条約後に製造されたのが、C型から耐核防備用三重複合装甲と放射線遮蔽液を取り除いたF型である[4]。MS-06Fにおいてはコクピットの緩衝装置が前駆型と比較し強化され、乗り心地が改善されている。また、腕部には武器搭載用システムがを追加されている[20]。グラナダやジオン本国で製造され[83]、一週間戦争時点でA、C型とともに運用されていものの、生産数はさほど多くなかったことから、一週間戦争後に接収したコロニーの工業ブロックにおいて増産が行われている[24][注 29]。F型は姿勢制御用ロケットが必要最低限しか装備されておらず、熱線の放出を抑え、敵の索敵を回避する処置を施している。これによって艦船の照準をかいくぐり、開戦初期は戦果を挙げた[30]。生産された時期・工場によって細部は異なり、S型の登場以前には頭部に中隊長のマークをつけた機体も存在した[83]。後にパイロットの要望に合わせ、F型から発展したS型が開発されている[84]

備考
設定の初出は『ガンダムセンチュリー』。その後『MSV』で詳しく設定された。元々は南極条約の締結後に開発されたという設定であったが、バリエーションが増えるに従い、前述のように徐々に前倒しされていった。
『MSV』ではF型は後期生産型と記述されているが、これはA型、C型に対して後期に生産されたタイプという意味であり、当時は後期生産型ザクII (MS-06F-2) 及びザクII最終生産型 (MS-06FZ) が存在しなかったため、このような名称となっている。
パーソナルカスタム機
ドズル・ザビ専用機
『MSV』に登場。最も有名なF型のカスタム機で、身長2mを超す巨漢であるドズル・ザビ中将が乗れるようにコクピット容積を大型化[85]。スパイクは両肩に4本ずつ[85]、両手の甲に3本ずつ装着し、全身縁の塗装に金色のエングレービングが施されている[85]。エングレービングはドズルの趣味ではなく、ある技術士官の発案である[86]。ドズルは本機に乗って前線に赴き、兵士たちの士気を鼓舞している。戦場視察を口実に実戦参加し[85]、その際はマシンガン等の火器は一切持たず、専用の大型ヒート・ホークのみを携行している[85]。本機はソロモン攻略戦時に格納庫で焼失したとされる[85]
漫画『虹霓のシン・マツナガ』では、ルウム戦役で部下の制止をよそに単独で出撃している。またのちに肩アーマーの大型化など改修がなされ、ヒート・ホークの他にスラスター付きの大型ハンマー「ジャイアント・ウォーハンマー」を携行し、地球連邦軍の「アンタレス作戦」によるソロモン襲撃の際に出撃している。しかしプロトGファイターとの戦闘で機体は爆散、ドズルは爆発ボルトを作動させて一命を取りとめている。
多くの書籍ではF型とされているが、『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』23頁にはS型と記載されている。また、ヒート・ホークには明確な設定画がないため、解釈はその時々によって異なる。
ジョニー・ライデン専用機
『MSV』の文字設定が初出。ジョニー・ライデンがルウム戦役の功績で大尉に昇進すると同時にC型から機種転換している[81]。ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』では、赤(クリムゾン・レッド)と黒の、のちの高機動型ザクII後期型(R-2型)と同様のパーソナルカラーで塗られている。
シン・マツナガ専用機
『MSV』の文字設定が初出。シン・マツナガがルウム戦役の功績で中尉に昇進すると同時にC型から機種転換している[81]。左肩のスパイクアーマーと頭部を白く塗装し、「白狼」のエンブレムと文字を右肩のシールドに描いている[87]。ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』でもこれを踏襲し、他の部分は通常のザクIIの塗装のままとされた。
漫画『MSV-R 虹霓のシン・マツナガ』では、ルウム戦役直後の哨戒任務や戦勝パレードの際に使用されるが、すぐにFS型に乗り換えている。
漫画『ガンダムパイロット列伝 蒼穹の勇者達』では、地球降下作戦参加時は全身が白を基調に塗装されている。
アナベル・ガトー専用機
ムービック発行の『ガンダム一年戦争 2000年版カレンダー』に登場。のちに「ソロモンの悪夢」と呼ばれ連邦軍におそれられるアナベル・ガトーが搭乗する機体。カレンダーはザクIIがずらりと整列している中の1機として(CGで)描かれており、バストアップしか見えないが、『ホビージャパン』1999年12月号に大河原邦男によるカラー画稿が掲載され、全身が判明している。頭部にブレード・アンテナを装備し、胴体が緑、その他が青を基調に塗装されている。型式番号は「MS-06」とされており、C型である可能性も考えられる。『サンライズ英雄譚』で使用されたCGデータを流用しており、前腕部など一部の形状が異なる。なおカレンダーではガトー機の後ろに左肩のスパイク・アーマーと右肩のシールドが同じ青、それ以外はノーマル塗装と思われるザクIIが2機描かれている。
エミコ・ジェラード専用機
漫画『機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン』の回想に登場。ムサイ級「メイルメル」所属のエミコ・ジェラードが搭乗する機体で、パーソナル・カラーの青銅色を基調に、ダーク・ブルー、グレー、黒で塗り分けられている[88]。頭部にブレード・アンテナを装備し、スパイク・アーマーを両肩に装着している。ア・バオア・クー防衛戦で「地獄のような声」を発しながら次々と敵機を撃墜し、連邦軍兵士から「青銅の怨声」の異名でおそれられるが、その声はスピーカーのノイズによるものである。宇宙世紀0096年時点でも予備機としてメイルメルに保管されている[88]

マイナーバージョン(F型)[編集]

中期量産F型
機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のプラモデル「1/144 MS-06FZ ザク改」の取扱説明書に登場[50]。デザイナーは福地仁
ザクII(砲手用)
電撃ホビーマガジン」誌上企画『機動戦士ガンダム ファントム・ブレット』に登場(型式番号:MS-06F)。搭乗者はフランシー曹長。
一年戦争後に月面に潜伏していたジオン軍残党が、ザメル用の680mmキャノン砲を転用した「ザメル砲」を運用するために、ジャンクパーツを用いてF型を改造した機体。シールドを取り外した右肩にはザメル砲用の砲架が装着されており、これでザメル砲の砲身を担ぐ形で砲撃を行う。この他、頭部センサーはモノアイから照準用カメラに変更されており、ザメル砲発射時の反動やマズルフラッシュに備えるため、右脚部にスパイク板が増設され、左腕で大型シールドを携行している。
ザクII(測距手用)および射角分析を担当するゲルググJとともに「ザメル砲部隊」を編成して月での狙撃テロを行っており、宇宙世紀0082年にガンダム試作0号機と交戦、捕縛された。
ザクIIF型(狙撃装備)
オンラインゲーム『機動戦士ガンダム オンライン』に登場(型式番号:MS-06F)。
F型をベースとする狙撃用MS。ザクI・スナイパータイプのものと同型のランドセルを装備しているが、ザクI・スナイパータイプ用のビーム・スナイパーライフル(連射強化型ビーム・スナイパーライフル)だけでなく、チャージ・ビーム・スナイパーライフルなどの他の狙撃用武装も携行することが可能。また、S型をベースとしたザクIIS型(狙撃装備)も存在する。

ザクII FS型[編集]

『MSV』に登場。型式番号は「MS-06FS」。

頭部に4門のバルカン砲を内蔵しているが、10秒程度の斉射で弾切れとなるほど装弾数が少ないうえに威力も低いため、威嚇や牽制用とされる[89]。チューンナップ以外は特別な仕様変更は受けていないF型で、同機の製造ラインで開発された[90]。白兵戦における戦力が強化された機体である[91]。本機はF型の中で「出来」のいい機体を選り抜いて改装したものともいわれている[89]

パーソナルカスタム機
ガルマ・ザビ専用機
『MSV』に登場。 F型の先行量産機を改修したとされ[92]ガルマ・ザビ大佐のパーソナルカラーであるブラウン(通称「ガルマパターン」[89])で塗装されている。主に式典用の機体とされるが、第1次地球降下作戦の際にガルマが搭乗したとも言われる[92]
漫画『機動戦士ガンダム オレら連邦愚連隊』では、一年戦争末期の北米戦線において、戦死したはずのガルマを騙るタラ・I・キケロが搭乗しジオン軍兵士への扇動に用いられるが、コルテス中尉の搭乗するピクシーによって中破されている。
漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』では、「ニューヤーク市解放10周年記念展」にグフ複合試験型と共に展示されている。
シン・マツナガ専用機
『MSV-R』に登場。シン・マツナガの中尉時代の搭乗機。パーソナルカラーの白を基調に塗装されているが、足の甲など一部に青が配されている。左肩には「狼」の漢字が記されている。また、性能面ではマツナガの要望により数度のチューンナップが施されており、機動性能はFS型の限界まで引き上げられている。
漫画『MSV-R 虹霓のシン・マツナガ』では、ルウム戦役後F型に機種転換した数日後には乗り換えている。ダイクン派叛乱軍鎮圧の際には、大型ヒート・ホークを携行する。その後突撃機動軍へ転属となった際も、異動先のグラナダ基地に持ち込まれている。同年末、ドズル・ザビ中将の密命によるデギン・ザビ公王へのソロモン増援要請任務の際にガガウル級「ペルル・ノワール」に係留されサイド3に向かうが、コレヒドール暗礁宙域で「キマイラ」隊の襲撃を受ける。大型ヒート・ホークとMMP-80ザク・マシンガン、および閃光弾2個を装備して出撃、複数のゲルググを相手に善戦するが、隊長のジョニー・ライデン少佐の高機動型ゲルググの速攻により左腕を除く四肢と頭部を破壊され、爆散。マツナガは無事に脱出するが捕縛される。
エリック・マンスフィールド専用機
『MSV-R』に登場。ジオン公国防空本部所属のエリック・マンスフィールド少佐(当時)が搭乗する機体。のちのR-1A型同様、パーソナルカラーの濃淡グレーで塗装されている(塗り分けは異なる)。頭部バルカン砲のうち2門を閉鎖して、弾丸の搭載量増加の改造を施している。機体が初期生産型であるため、エンジントラブルが多発。代替機のF型での出撃が多く、06R-1Aへの早期の機種転換の主因となっている[93]
マイヤー専用機
漫画『MSV-R 虹霓のシン・マツナガ』に登場。ドズル・ザビ親衛隊(マツナガ小隊)所属のマイヤー少尉が宇宙世紀0079年9月の時点で搭乗している。ブレード・アンテナは未装備。F型のマツナガ小隊機[94]と同様に、左肩に「W02」の番号と左胸部にラインが施されているが、ラインは白ではない。また左脚に番号とラインはない(シールドは不明)。ソロモン撤退戦以降の彼は通常のF型に搭乗している。
ヴィッシュ・ドナヒュー専用機
才谷ウメタロウの漫画『機動戦士ガンダム GROUND ZERO コロニーの落ちた地で -RISE FROM THE ASHES-』に登場。「荒野の迅雷」と呼ばれるヴィッシュ・ドナヒュー中尉がグフの前に搭乗する機体。得意の一撃離脱戦法に特化するため、背部にラケーテン・ガルデンを装備[95]、両脚部もスラスターが2基ずつ増設されているのが確認できる。両肩にスパイク・アーマーを装備し、グフ用シールドを携行する。機体色は不明、グフ用シールドには「隻眼の髑髏」のパーソナル・エンブレムが描かれている。
備考
原典は大河原邦男によるイラストで[96]、ブレード・アンテナを装備したザクの頭部にバルカン砲が4門追加されたものであった。頭部のみのイラストで塗装は白を基調としており、のちに設定されたシン・マツナガ専用機と共通する。
ゲーム『第3次スーパーロボット大戦』や『ヒーロー戦記 プロジェクト オリュンポス』では、ガルマの搭乗機として登場する。

後期生産型ザクII(ザクII F2型)[編集]

諸元
後期生産型ザクII
型式番号 MS-06F-2 (MS-06F2)
頭頂高 17.5m
本体重量 49.9t
全備重量 70.3t
装甲材質 超硬スチール合金
出力 986kW
推力 20,500kg×2(背部)
3,100kg×2(脚部外側)
3,100kg×2(足部裏側)
(総推力)53,400kg
武装 120mmザク・マシンガン
MMP80マシンガン
ヒートホーク
シュツルムファウスト
ハンドグレネード×2[注 30]
3連装ミサイルポッド
搭乗者 ノイエン・ビッター
コウ・ウラキ
チャック・キース
ジオン公国軍(デラーズ・フリート)一般兵
“教授”(ファントム・ブレット)
ショーターティターンズの旗のもとに

後期型とも呼ばれるほか、型式番号の「MS-06F-2」からF-2型(F2型)とも呼ばれる。

機体軽量化とジェネレーター出力の向上を目的とした改良型[47]。地球降下作戦後のデータが反映されており、胸部装甲と推力もが強化されている。F-2型の中でも細かな仕様の変更があり、型番の変更はないが、統合整備計画の影響を受けた「第2期生産型」はコックピットにも変更が加えられている[46]。補給経路の問題から未完成の機体が多数残されたため、一年戦争終結後も地球連邦軍やジオン公国軍の残党で運用された[46]。また本機の胴体と腕部を利用した機体、MS-21C ドラッツェも存在する。

劇中での活躍
OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
ザクII F2型の初出は本作第1話。冒頭に登場したのはジオン公国軍機としてではなく、一年戦争に勝利した地球連邦軍が鹵獲した機体であった。これらは機体色をデザート・ピンクに変更、ランドセルやシールドに連邦軍章が追加され、仮想敵機として模擬戦に使用されている。アナベル・ガトーによるトリントン基地奇襲に対し、チャック・キース少尉などがこの機体に搭乗し応戦する。キースはヒートホークを装備した本機でドム・トローペンを撃破する。
デラーズ・フリートを始めとするジオン残党軍でも主力として用いられ、自らの性能を上回るジム・カスタムとも互角以上の戦闘を行う。キンバライド基地でのHLV打ち上げ作戦においては全身をデザート・ブラウンや緑に塗装され(上・下半身で色の異なる機体も)、頭部にアップリケ・アーマーや背面にラケーテン・ガルデン(ロケット・ブースター)を装備した機体が作戦に参加し、アルビオンを撃沈する一歩手前まで追い詰める。
漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像
アクシズ配備機として外宇宙用に変更された当機が登場。脚部の大型スラスターの追加や上下に4基のバーニアを付属したランドセルなど、改良されているが旧式化は否めない。のちにアンディ機が地球圏に持ちこまれ機動性などの強化向上が施される。
備考
メカデザインはカトキハジメ。もともとは雑誌企画『ガンダム・センチネル0079』に登場するリファイン版ザクIIをアニメ用に線を減らしたもの。F型FZ型の中間になるようデザインされている。
パーソナルカスタム機
ノイエン・ビッター専用機
キンバライド基地司令のノイエン・ビッター少将の専用機。全身グリーンのカラーリングで頭部にはブレード・アンテナを装備している。また、ランドセルにラケーテン・ガルデン(ロケット・ブースター)を装備。

マイナーバージョン(F2型)[編集]

ザクII(測距手用)
電撃ホビーマガジン」誌上企画『機動戦士ガンダム ファントム・ブレット』に登場(型式番号:MS-06F-2)。搭乗者は“教授”(本名不明)。“教授”は機密漏洩で学職を追われた人物であり、もともと軍人ではない。
一年戦争後、月面に潜伏していたジオン軍残党「ザメル砲部隊」がF-2型を改造して制作した機体。ザメル用の680mmキャノン砲を転用した「ザメル砲」による長距離精密射撃のための敵位置のデータ収集と弾道計算を任務としており、頭部のセンサー類と直結した銃床型測距器(カメラガン)を携行している。また、クレーターなどの月面の地形に対応すべく、バックパックにロケット・ブースターが増設されているほか、測距中の敵との接触に備えてグフカスタムのものと同型のガトリング・シールドで武装している。
ザクII(砲手用)および射角分析を担当するゲルググJとともに「ザメル砲部隊」を編成して月での狙撃テロを行っており、宇宙世紀0082年にガンダム試作0号機と交戦、捕縛された。
ザクII[シュトゥッツァー]
雑誌企画『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』に登場。ジオン残党軍が制作したザクIIの改修機。型式番号は「MS-06F」とされるが、ベースとなっているのはF-2型である。シュトゥッツァーとはドイツ語で「伊達者」の意味。搭乗者はショーター。
大きな特徴として、機体前胸部に、有線誘導式の遠隔操作アームパーツ「ウインチユニット」を左側に、ゲルググのビームライフルを改造し固定装備として右側に、それぞれ搭載していることが挙げられる。ウインチユニットはワイヤートラップ構築を目的とし、ワイヤー先端はザクII本体と同様のマニピュレーターとなっている。ビームライフルは保護板に括りつけられ、機体の腕で保持するほどの自由度はないが、保護板ごと大きく俯仰させることは可能。緊急時にウインチユニットを切り離すためのワイヤーカッターを頭部と胸部に有する。その他、頭部や胸部に増加装甲が施されている、ビームライフル用の増加ジェネレーターが装備されている、バックパックが大型化されているなどの改修点がある。通常のザクIIと同様の120mmザクマシンガンとヒートホークも装備可能。

ザクII最終生産型 (ザクII改、ザクII FZ型)[編集]

諸元
ザクII最終生産型(FZ型)
型式番号 MS-06FZ
頭頂高 17.5m
本体重量 56.2t
全備重量 74.5t
装甲材質 チタン・セラミック複合材
出力 976kW
推力 24,500kg×3(背部)
3,000kg×2(脚部後側)
(総推力)79,500kg
センサー
有効半径
3,200m
武装 ヒート・ホーク
MMP-80マシンガン
ハンドグレネード×3
シュツルム・ファウスト
搭乗者 バーナード・ワイズマン
ジオン公国軍一般兵
その他 姿勢制御バーニア×12

OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』およびOVA『機動戦士ガンダムUC』に登場。ザクII改(ザクツーかい)、ザク改(ザクかい)、最終型とも呼ばれるほか、型式番号の「MS-06FZ」からFZ型とも呼ばれる。

開発基地はグラナダ[97]統合整備計画の適用により生産された機体で、すべて改修機であったことや生産数の多さから型式番号が変更されていない[53]。ザクはその性能から幅広い領域で運用されていたが、連邦軍MS導入やジオンの新型MSの導入によって旧式化しつつあった事から、新型機の技術をフィードバックし改良される運びとなった[50]。コクピットが改修されたほか、機体各所のアポジモーターやバックパックのスラスターを大型化。総推力は改修前と比較し70%向上している。一方で推進剤量は変わらないため、最大推進戦闘時の限界時間は半分となった。また、武装面が一新されたため連邦軍のRGM-79に後れを取る事はない[53]。そのスペックはS型に匹敵するスラスター出力を持ちながら、操縦性はF型に準じる。また、一説にはドムに匹敵する運動性を持っていたともされる[51]。操作性の良好さは従来のザクを搭乗していたパイロットから歓迎されたほか、新兵や学徒動員兵を助ける事となった。また、統合整備計画に基づき開発されたため、ゲルググJ等とパーツの互換性を持ち性能の向上やメンテナンス性を確保している[51]。ザクIIの最終生産型となる本機は地上に降りることなく宇宙の一部部隊で運用された[50]

ザクタイプB
FZ型の派生機の一つで、現地での修理や改修の際にパイロットの要請を受けて設計された。大戦末期においては機体動作に明らかに支障を来さない限り、マーキングやディティールアップは各部隊の責任で行われていた[53]。頭部は改修時にパイロットの要請を受けて設計されたもの[50]
劇中での活躍
バーナード・ワイズマン(バーニィ)が本機に搭乗。第1話では数機がサイド6のリボーコロニーを襲撃し、連邦軍のジム・コマンド部隊と交戦する。この作戦に参加していたバーニィは被弾・行動不能となり森林内に不時着。その場で間近でMSを見るためにやってきたアルフレッド・イズルハと出会った。第2話において支援に来た指揮官機がバーニィを救助し、彼のザク改はそのままリボーコロニーに放置される。第2話終盤の宇宙空間での戦闘にもチベ級ティベ型重巡洋艦「グラーフ・ツェッペリン」やムサイ級軽巡洋艦2隻から発進した本機が登場し、ジム・コマンド宇宙戦仕様と交戦する。
第5話においてケンプファーを失い、バーニィ以外は皆死亡したサイクロプス隊の任務を果たすため、街中で破壊されたジムコマンドの部品等を使ってバーニィとアルが1話で不時着した機体を修復する。最終6話でバーニィが再び本機に搭乗し、クリスチーナ・マッケンジーの搭乗するガンダムNT-1と戦う。ザク側の武装はヒート・ホークとハンドグレネードのみだが、煙幕やアドバルーンを利用したダミーバルーンなどのトラップを仕掛けた森林地帯にNT-1を誘い込み、最終的には相打ちに持ち込む。バーニィはコクピットをビーム・サーベルで貫かれ戦死するが、NT-1の完全破壊には至らず[注 31]、クリスも一命を取り留める。
劇中では、新兵であるバーニィとアルがコロニー内に不時着したFZ型を、ジム系MSの残骸から調達したジャンクパーツを用いて修理できたことから、統合整備計画の合理性と、地球連邦軍と工業規格が統一されていることが伺える。
漫画『機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画』では、首都防衛大隊機として「フリッツヘルム」と呼ばれたBタイプが配備された。機体は白く塗装され、隊章である「SHIELD OF ZEON」が施された。なお、指揮官機には他のジオン機同様、ブレードアンテナが付いている。
OVA『機動戦士ガンダムUC』では、EP4にてトリントン基地襲撃へ参加したジオン残党軍のなかに、バズーカを装備したフリッツヘルムタイプが登場する。
備考
メカデザインは出渕裕OVAの作品解説に書かれている通り、元々は現代風(作品製作時の1988年頃)にリメイクされたザクIIという設定であり、初代『機動戦士ガンダム』に登場したザクと同じ機体であった。しかしプラモデルの商品展開の都合により別の機体という設定となった。だがOVAのスタッフが製作した画集『MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集』には開戦当時からこの機体が登場している。後に出渕裕はインタビューで、このデザインはさすがにやりすぎだったと発言している[98]
ゲーム『スーパーロボット大戦F完結編』『スーパーロボット大戦α』で登場する「シャア専用ザク」は、設定上では指揮官用ザクIIであるが、グラフィック上では赤い塗装のFZ型にブレードアンテナが付いたものになっている。
ゲーム『スーパーロボット大戦コンプリートボックス』でもシャア専用機として登場。機体の正式名称は「ザクII改改」であることと、シャアがFZ型に乗るのはゲームオリジナル設定であることが説明されている。燃費は悪いが極めて高出力のロケット推進器を装備し、技量のないパイロットでは扱うことは不可能。グラフィック上では赤い塗装の指揮官用ザクIIで再現されている。

指揮官用ザクII(ザクII S型)[編集]

諸元
指揮官用ザクII(S型)
ZAKU II COMMANDER TYPE
型式番号 MS-06S
頭頂高 17.5m
本体重量 56.2t
全備重量 74.5t
装甲材質 超硬スチール合金
出力 976kW
推力 51,600kg
武装 120mmザク・マシンガン
280mmザク・バズーカ
ヒートホーク 他
搭乗者 シャア・アズナブル
ノイエン・ビッター(小説版)
黒い三連星
ジョニー・ライデン
ギャビー・ハザード
ロバート・ギリアム

アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する「シャア専用ザク」に、『ガンダムセンチュリー』や『MSV』などでの設定が付加されたもの。主に中隊長以上の士官に配備されたためにこの名称で呼ばれ、中隊長用、士官用などとも呼ばれるほか、型式番号の「MS-06S」からS型とも呼ばれる(機体名に関しては#名称を参照)。

中隊長クラスのパイロットの要望に応えて開発された[99]。F型から派生した機体で、20パーセントの性能向上が行われている[20]。F型とは80パーセントの部品を共有する[33][注 32]。30パーセント増強した130トンクラスの推進器を2基装備する。推力の向上に伴い燃料積載量は増加したものの、基本的に少なく後々まで大きな問題となった[84][注 33]。また、指揮官用として通信・索敵能力を強化するため、ブレードアンテナ基部には改良が施されている[35]。また、推進器の出力向上に伴い、ジェネレーターもチューンナップされた[102]。機動性の向上に伴い扱いにくくなり、内蔵される部品は特殊なものが多く、後のR型への移行する寸前の機体とする事も可能される。実戦配備はU.C.0078年の後半に集中し、0079年1月の開戦期からルウム戦役にかけて活躍した[103]。生産数は約100機ほどだという[104][84]。指揮官はパーソナルカラーへの塗装を許されている[105]

外観の形状は、アニメ本編上ではS型と量産型(F型やJ型)ではアンテナの有無以外の識別点がなかったが、バンダイのプラモデル「1/100 マスターグレード MS-06S ザクII」で、各部の姿勢制御サブスラスターや、ランドセルのバーニアがF型に比べて増加・大型化している、という形で初めて量産型との外観上での違いが設定され、パーフェクトグレードでもそれを踏襲している[注 34]

劇中での活躍
テレビ版第2話で初登場。シャア・アズナブルは、そのたぐいまれな操縦能力で機体性能を限界まで引き出し、「通常の3倍のスピード」と恐れられたほどの速さで専用機を乗りこなす。第10話でガルマ・ザビが戦死して以降は登場せず、以後の消息は不明。第11話のドレンに対する発言によれば、シャア専用ザクは損傷なく存在しているようである[注 35]。なお、グリプス戦役を舞台にしたOVA『GUNDAM EVOLVE-EVOLVE../12 RMS-099 RICK-DIAS』では、クワトロ・バジーナが操縦するリック・ディアスにインストールされた模擬戦用プログラムとしても登場する。
テレビ版にはシャア専用機以外の本機は登場しない。あくまで角をもつ共通点のみで類似機を列記すれば、劇場版IIIのア・バオア・クーの攻防戦において、部下の量産型を退避壕の外に突き飛ばしておきながら自分だけ壕に潜りこみ、直後に流れ弾のミサイルによって壕ごと撃破されるグリーンの機体が登場するほか、ア・バオア・クー防衛ラインにおいて量産カラーの機体と戦列を組み出撃する、シャア専用機に似た赤い機体の姿が見られる。ただし、これらの機体をS型とする明確な証拠はない。しかし、OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO -黙示録0079-』第2話では連邦軍宇宙艦隊を強行偵察する黒い塗装のブレードアンテナ付きザクIIが登場しており[106]、この機体はS型である[107]
小説版『機動戦士ガンダム0083』ではノイエン・ビッター少将が同型機に補助ブースター(ラケーテン・ガルデンと同様の物か)を追加した機体を愛用している描写がある。
パーソナルカスタム機
シャア・アズナブル専用機
『機動戦士ガンダム』に登場。シャアの専用機として真紅のカラーリングが施されており、シャアの技量によって通常の三倍の速度を誇る機体と言われた[20][注 36]
黒い三連星専用機
『MSV』の文字設定が初出で[109]、『MSV-R』でカラーイラストおよび設定が追加された[43]
黒い三連星高機動型ザクII(MS-06R-1A)の前に搭乗する機体。ルウム戦役でレビル将軍を捕虜にした功績によりC型から機種転換している[110]。塗装はほぼR-1A型と同じ塗り分けで、ガイア機のみ頭部にブレードアンテナを装備。オルテガ機はランドセルに被せる形でさらにS型用のコンテナ状のランドセルが取り付けられており、マシンガンやバズーカの予備弾倉を収納する[43][注 37]。戦闘中でも爆発ボルトで廃棄可能で、側面にはバズーカおよびヒート・ホークをマウントで固定できる[43]
主に指揮官向けのS型が小隊全員に配備されるのは異例であるが、3名とも練度が高いことと、彼らの戦法「ジェットストリームアタック」を考慮してのことであると考えられている。
また新兵器の実験データ収集の任務も兼ねており、主にガイア機は連結バズーカ、マッシュ機は2連バズーカとM-120ACザク・マシンガン、オルテガ機は2連バズーカと大型ヒート・ホークといった試作兵装を携行している[113]
漫画『GUNDAM LEGACY』では、南極条約締結前に受領し、慣熟飛行をおこなっている。モノクロでしか確認できないが、MSV-R版とは脚部の塗り分けが異なる。またカラーリングはマッシュの発案によるとされる。
ジョニー・ライデン専用機
『MSV-R』に登場。ジョニー・ライデン大尉(当時)が搭乗する機体。塗装はのちのR-2型と若干異なり、明るめの赤を基調とし一部クリムゾン・レッドとダーク・グレーが配されている。またシールドにはジオン公国章とともに「青い稲妻と緑の星」が描かれているが、R-2型の一角獣のエンブレムはない。主にM-120ACザク・マシンガンとザク・バズーカを携行するが、これらの一部も赤に塗られている。
ロバート・ギリアム専用機
『MSV-R』に登場。ロバート・ギリアム中佐(当時)が搭乗する機体。のちのR-2型と同じスカイ・ブルーとクリーム・イエローのパーソナルカラーで塗装されているが、塗り分けは異なる。補給艦隊護衛任務の際、艦隊の盾となって応戦中にシールドごと右腕を破壊される(のちに修復)[114]
ギャビー・ハザード専用機
『MSV-R』に登場。ギャビー・ハザード少佐(当時)が搭乗する機体。のちのR-2型とは若干異なり、茶と黒で塗装されている。メインエンジンを中心にチューンナップが施されており、主に機体カラーと同様に塗られたザク・バズーカを携行している。本機に機種転換して間もない作戦で推進剤を使い切り、数時間MIAとなっている[115]

マイナーバージョン(S型)[編集]

釈由美子専用ザク
ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに…』に登場(型式番号:MS-06SHAKU)。
同作でミユ・タキザワの声優を務めた釈由美子の専用機という設定の機体。「ラブ融合炉」なる動力源を搭載しており、ランドセルはハート型のものに変更されている。武装はドラムマガジンにハート型の模様をあしらった「ラブマシンガン」のほか、通常のザクII用の武装を携行することも可能。
メカニックデザインはトニーたけざき。作中ではネットワークランキングモード用ダウンロード機体として配信されたほか、「MOBILE SUIT IN ACTION!!」での商品化も行われた。なお、「MOBILE SUIT IN ACTION!!」ではランドセルはS型と同様のものになっている。
ザクII S型(狙撃装備)
オンラインゲーム『機動戦士ガンダム オンライン』に登場(型式番号:MS-06S)。
S型をベースとする狙撃用MS。ザクI・スナイパータイプのものと同型のランドセルを装備しているが、ザクI・スナイパータイプ用のビーム・スナイパーライフル(連射強化型ビーム・スナイパーライフル)だけでなく、チャージ・ビーム・スナイパーライフルなどの他の狙撃用武装も携行することが可能。

小説『機動戦士ガンダム』における「ザク」[編集]

原作者富野由悠季の小説『機動戦士ガンダム』に登場する「ザク」は、外見は基本的にアニメその他のF型を踏襲するが、以下のような違いがある。

  1. 頭頂高が16mである(これはガンダムも同様)。
  2. マニピュレーターの人差し指先端にレーザートーチ(バーナー)が装備され、建材や敵機の薄い装甲(ガンダムの顔面など)などを焼き切ることができる。
  3. 制式塗装がグリーン系ではなく、白褐色である。
  4. 有重力下でバックパックのスラスターを使用してジャンプした場合、その最高高度は800mほどと設定されている。

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』におけるザクII[編集]

諸元
ザクII(THE ORIGIN版)
ZAKU II
型式番号 「バリエーション」を参照
所属 ジオン公国軍
製造 ジオニック
頭頂高 17.5m[116]
全幅 9.2m[116](スパイク含む:9.7m[117]
武装 MS用対艦ライフル ASR-78
MS用バズーカA2型
MS用マシンガン
ベルト給弾式MS用マシンガン
ヒート・ホーク
30mm胸部バルカン砲
20mm前腕部機銃ポッド
搭乗者 「バリエーション」を参照

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』連載に当たって、大河原邦男によって従来のものとは一部が異なるザクIIの設定画が描かれ、おもに物語の前半に登場した。

従来のザクIIと大きく異なる部分は胸部で、コックピット・ハッチの形状が異なり、右胸に3連装バルカン砲が内装されている。また、左前腕部甲に2門の機銃を内装したユニットも取り付けられている。携行するマシンガンはベルト給弾式に変更され、弾倉はランドセル下部に設置されている。バズーカは弾倉を上部からセットする(武装についての詳細は後述)。

ほかに原作版と同様の機体や、上記との中間的な機体も登場している。また、ア・バオア・クーで叛乱部隊鎮圧のため出撃するキシリア部隊機は、頭頂部に鷄冠状のクレストを有し、黒とグレーを基調に塗装され、シールドに三日月とジオン公国章からなるマークが描かれている。

OVA化の際には、カトキハジメによってデザインのリファインが施され、上記の大河原版など漫画版に登場したさまざまな機体を踏まえて型式番号や武装に関する設定の追加・整理がおこなわれた。

バリエーション
MS-06A
文字設定のみ[118]。従来設定の「初期生産型」から、量産前の「試作機」へと扱いがやや変更されている。
MSを中心とした新しい戦術を構築する際に、ザクIの機動性および出力の不足が問題となり[119]、ジオン公国軍はジオニック社に機動性と装甲を強化した上位モデルの開発を指示する[117]。ジオニック社はこれに即応してザクIIの開発を急進[119]、ザクIの運用性と生産性の高さを維持しながら、ブグの設計思想に立ち返ることで機動性と装備の充実を図る[117]。同時に汎用性・拡張性も考慮することで、極めてトータルバランスに優れた機体となる[119]。A型の運用試験の結果に公国軍上層部は満足し、ザクIIの制式採用が決定する[118]
MS-06C
これまでの設定と同様、比較的初期に生産されたタイプで[117]、ルウム戦役における主力機であるが[120]、耐核装備の有無については言及されていない[120]。F型やJ型と同じデザインで、おもに宇宙での運用を想定した設計となっている[117]。漫画版でガデムのパプアから補給され、シャアが「初期生産型か」とこぼした機体もこれに当たる[120]
なお、ランドセルが従来設定のF2型と同型の機体もあるが[117]、型式番号に変更はない[120]
MS-06C-5
C型を宇宙と地上の両方で運用できるように改修したタイプ[117]。コックピット・ハッチが右胸から左胸に変更され、形状も異なる。ハッチ上部に小型のレーザー銃[120]、胸部左右の下部に小型スラスターが増設されている[117]
また、R6キットというオプション装備が用意されている[120]。これは、胸部(肩口)左右の30ミリバルカン砲と、左前腕部の20ミリ機銃ポッドの2つからなり、両方あるいは一方を装備した機体は型式番号がMS-06C-5/R6となる[120]。漫画版のオデッサやア・バオア・クーで登場した機体がこれに当たる。
MS-06C-6
C-5型の改修機で、C型とF型の間に少数生産されている[121]。右胸に3連装バルカン砲(R6キットとは別[120])が1基増設されている。大河原の設定画や、ムサイ級巡洋艦「ファルメル」などに配備された機体はR6キットの20ミリ前腕部機銃ポッドを装備しており、MS-06C-6/R6に当たる[120]。純粋なC-6型は外伝漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島』に登場する。
MS-06F
これまでの設定と同様、ザクIIでもっとも生産されたタイプ[120]。漫画版ではR6キットのいずれかを装備したMS-06F/R6も登場する(MS-06Fと省略も可)[120]
下記のS型のほか、高機動型ザクII(MS-06R-1A)も本機をベースに再設計されている[122]
なお、陸戦用のMS-06Jも従来の設定と変わりはない[123]
MS-06S
F型の改修機[116]。原典と同様にシャア・アズナブルが搭乗するが、R6キットの30ミリ肩部バルカン砲を装備している(S型の場合は型式番号に変更はない)[120]。シャアの指示により各部スラスターのリミッターが解除されており[118]、操縦性の悪化や[116]機体損傷のリスクと引き換えに、機体の限界性能を引き出している[118]
スミス海での戦闘における功績により中尉に昇進したシャアが受領する。ルウム戦役では通常型のランドセルで3倍のスピードを出し、黒い三連星(漫画版ではコズン・グラハム准尉ら)を驚かせる。MS用対艦ライフル ASR-78とMS用バズーカA2型を携行し(漫画版では後者のみ)、5隻の戦艦を撃沈する[注 38]。シャアが少佐に昇進し、「ファルメル」の艦載指揮官機となったあとは、機体各所に指揮官機を示すラインが記され、ファルメル隊のエンブレムとシャアのパーソナル・エンブレムが描かれる[121]
漫画版では「ガルマ編」の終盤以降は出番がないが(上記「ルウム編」を除く)、オデッサ作戦前夜にはジブラルタルにて、ガンダムと決着を着けるべく再登場。廃墟の中でジム2個小隊とスレッガー隊を壊滅させる。ガンダムをおびき出して決闘にのぞむが、シャアが友軍のド・ダイYSに気を取られた一瞬の隙を突かれて頭部を切断され、海に落下。シャアは機体を放棄して脱出する。
なお、漫画版ではS型かどうかは不明だが、テキサス・コロニーでもシャアの機体と同じくブレード・アンテナと肩部バルカン砲を装備した機体が登場する。しかし、スレッガー・ロウらの搭乗するガンタンクに真っ先に撃破される。ほかにソロモン防衛戦でもブレード・アンテナ付きの機体が登場、ジャブロー攻略戦では三日月形のブレード・アンテナを装着した指揮官機も登場する。
武装
MS用対艦ライフル ASR-78
おもに対艦用で、全長22.3mと本体より長い[124]。艦の装甲を貫いたあとに内部に散弾を撒き散らす特殊弾などを高初速で発射する[116]
漫画『機動戦士ガンダム 黒衣の狩人』では、主人公のウォルフガング少佐が搭乗するザクIIやヅダが本武装を携行する。
MS用バズーカA2型
いわゆる「ザク・バズーカ」だが、弾倉が追加されている。装弾数は3発。ランドセル側面のウェポン・ラッチにマウント可能。なお、漫画版の「ルウム編」より時系列があとのバズーカの弾倉はいわゆる「バナナ型」となっている。
なお、従来設定の弾倉なしのタイプ(単発式)はザクIのマッシュ機が携行しており、A1型とされる[125]。予備弾を収納するケースはリア・スカートにマウント可能[126]
MS用マシンガン
いわゆる「ザク・マシンガン」だが、従来設定と異なりザクIIが開発される以前からザクIが携行している。漫画版では下記のベルト給弾式を携行している機体が多いが、ソロモンおよびア・バオア・クー防衛戦では本武装も散見される。
ベルト給弾式MS用マシンガン
装弾数を増加させたタイプ。ランドセル下部に弾倉を設置し、給弾ベルトを介して弾を装填する。ジオン独立戦争緒戦ではシャアのザクI S型が携行している。漫画版では「ハイパー・ライフル」と呼ばれ、口径も140ミリ[注 39]と従来のザク・マシンガンより拡大されているが、OVA版は口径について言及はない。
ヒート・ホーク
従来のものと外観は変わらないが、腰部ウェポン・ラッチに装着する際は柄の部分が伸縮してコンパクトになる。
モーニングスター
漫画版のみの兵装。ア・バオア・クー内部において近接用武器として使用された。
30ミリ胸部バルカン砲、20ミリ前腕部機銃ポッド
おもに小型戦闘機や戦闘艇、戦闘車両に対して使用され[117]、対MS戦では牽制用としての効果もある[116]
シールド
従来のものと同様だが、ウェポン・ラッチが設けられており、バズーカの予備弾倉やミサイル・ポッドなどの各種武器をマウント可能。

『機動戦士ガンダム サンダーボルト』におけるザクII[編集]

漫画・OVA『機動戦士ガンダム サンダーボルト』に登場(型式番号:MS-06)。

大型のランドセルを装備しており、機動性と運動性の向上を目的とした4基のスラスターと10基のアポジモーターのほか、プロペラントタンクや軽作業用の1対のサブアームなどを備えている。このランドセルは通常のランドセルの上から装着し、作戦途中でパージすることも可能[127]。また、関節部と動力パイプはシーリング処理されており、姿勢固定用クローが足底部に追加されている。

武装はザク・マシンガン、ヒート・ホーク、マガジン式に改良されたザク・バズーカで、これらはすべてランドセルに装着することができる。また、機体以上のサイズを持つ長距離ビーム砲「ビッグ・ガン」を運用することも可能。

かつてサイド4であった暗礁宙域「サンダーボルト宙域」で活動する「リビング・デッド師団」に配備されているが、ア・バオア・クー防衛戦や、『サンダーボルト外伝』に登場する別のエリアに配備されているザクIIもすべて同じタイプである。

パーソナルカスタム機
親衛隊専用機
頭部にブレード・アンテナを装備しており、ドズル・ザビ専用機と同様の塗装とエングレービングが施されている。大型ランドセルは装備されていない。ア・バオア・クー内部に数機配備されており、ジオングの製造工場を死守するが、連邦軍MS隊の物量戦により全滅。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 「大河原ザク」を研究するウェブサイトの誤りを氷川竜介が指摘したことで明らかとなった[要出典]
  2. ^ ただし、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するザクウォーリアは左肩にシールドを装備している。
  3. ^ のちに製作された映像作品『機動戦士ガンダム MS IGLOO 1年戦争秘録』第2話では、連邦軍セモベンテ隊指揮官ツァリアーノ中佐が、鹵獲した陸戦型ザクIIに搭乗し、ジオン軍のザクIを撃破している。時系列的にはUC0079年5月9日でガンダムの交戦より4か月前だが、特殊部隊の戦果であるため公式記録にならなかった。
  4. ^ ザクIの開発時期に関しては、U.C.0075年8月とする資料も見られる[20]。一方で、『MS IGLOO -1年戦争秘録-』第3話、デュバル少佐とマイ技術中尉の会話においてマイはザクIが(0079年から)4年前に採用されたMSだと発言している。
  5. ^ ザクIはジェネレーター出力の低さなどの問題を抱えた機体であり、このザクIの構造を抜本的変更により[21]性能をさらに向上させた後継機「ザクII」が開発された[22]とする媒体もみられる。
  6. ^ ヘリウムを冷却剤に使用し、推進時に廃棄するとした資料も見られる[26]
  7. ^ 一方で、流体内パルスモーター式アクチュエータを採用したとする資料も見られる[27]。また、日本サンライズより刊行された『機動戦士ガンダム記録全集2』に掲載されたザクII(シャア専用)の透視図においては、機体各部に電動モーターを内蔵したものも見られた[28]
  8. ^ 脱出機構を省略したとする資料も見られる[20]
  9. ^ 連邦軍MS、ジオン軍MSともに、発泡金属、カーボンセラミック、ボロン複合材等をサンドイッチ構造にした複合装甲を採用し、表面には臨海半透明体をコーティング。敵の攻撃を受けた際に衝撃を発泡金属のクラックによって吸収するとした資料も見られる[31]
  10. ^ 装甲材質は『第08MS小隊』の1/144HGキットの説明書では超高張力鋼となっている[32]この表記は1985年の月刊ニュータイプ付録にあったMSカタログが初出で、それまで「馬力」と表現されていた一年戦争時のMSの「出力」に関する数値設定も「kW」という単位で再創作された[要出典]これらはシリーズ第2作『機動戦士Ζガンダム』が長いブランクをおいて制作されたために、第1作の諸情報が失伝してしまっていたことによる(「ルナチタニウム」が「ガンダリウム合金」の前身、という後付け説明も同様の理由である)[要出典]
  11. ^ 『第08MS小隊』に登場した機体は「マスターグレード 1/100 MS-06F/J ザクII」の設定画稿が元になっており、アニメ『機動戦士ガンダム』のザクIIとは各部形状が異なる。いくつかの作品の劇中では量産型にブレードアンテナをつけた指揮官機も存在し、劇中でブレードアンテナを装備したザクIIが全てS型とは限らない。『MS IGLOO』に登場したフェデリコ・ツァリアーノ中佐機と『MS IGLOO2重力戦線』に登場したエルマー・スネル大尉機は陸戦型ザクII、『0083』に登場したノイエン・ビッター少将機はザクII後期型である
  12. ^ 雑誌企画『ガンダム・センチネル0079』でデザインの大幅なリファインが行われ[要出典]、現実世界の銃であるXM-177アサルトライフルをモチーフにしたような形状となった。また、プラモデル「1/100 マスターグレード ザクII」商品化の際にもリファインが行われたが、この時は微妙な形状やパーツのレイアウトの変更に止まっている。のちにそれぞれMMP-78、ZMP-50、そして『機動戦士ガンダム』第1話からほぼ全編に渡って登場するオリジナルのものにM-120A1の型式番号が与えられ、すべて「ザクマシンガン」と呼ばれるが別形式であると設定された。これらの詳細は「U.C. ARMS GALLERY」商品化の際に追加されたものである。
  13. ^ パンマガジンでは、弾丸は弾頭を円の中心部に向いた状態で収納されており、ザクマシンガンのも同様の形態。一方ドラムマシンガンは弾丸は円の中心に対して垂直に立った状態で収納されており、その分マガジンの厚みが大きい。
  14. ^ テレビ版『機動戦士ガンダム』第1話、劇場版『機動戦士ガンダムI』でガンダムと対峙したジーンのセリフなど。
  15. ^ ザク・マシンガンがホワイトベースに損傷を与える威力を持っている一方で、ガンダムには損傷を与えられないことを説明する後付け設定。
  16. ^ テレビ版第7話では、ザク・マシンガンを何発も同じ場所に被弾すればガンダムの装甲が破られかねないとセイラ・マスが発言している。
  17. ^ 『MS IGLOO2重力戦線』第3話では、ルナチタニウム装甲の陸戦型ジムがザク・マシンガンで破壊されている。
  18. ^ コア・ファイターに対してはテレビ版第4話で。MSに対しては、テレビ版第3話のシャアが行なっている他、第5話でジェイキュー機、第42話で登場の機体も行なっている。前者はバルカンで撃墜されたが、後者はジムのバイザーを砕いている。また連邦軍特殊部隊セモベンテ隊ツァリアーノ中佐も、鹵獲ザクIIでジオン軍試作戦車ヒルドルブと交戦した際、ザク・マシンガンの台尻で格闘戦を挑んだ。
  19. ^ 『0083』第4話でコア・ファイターIIを迎撃する一機が用いている。
  20. ^ 『第08MS小隊』第2話など。
  21. ^ もっとも、斬撃対象の分子結合の切断でなく溶断を目的とするこの兵器ならば鋭利な刃は必ずしも必要ではなく、むしろ細身のアイロンのような形状が理想的とも思われ、その説に沿った設計図も描かれている[57]
  22. ^ テレビ版第4話、『0080』第6話など。ドムのヒートサーベルは第26話、第32話など。
  23. ^ ただし、これはSF設定の松崎健一が、「設定上の誤解や連絡ミス」の産物とテレビ版終了後に断言している[59]
  24. ^ テレビ版第5話、大気圏突入戦闘時のコムの発言。
  25. ^ テレビ版第22話。冒頭の第86ボーキサイト基地戦など。
  26. ^ テレビ版第5話、大気圏突入戦闘でのシャア専用ザクとガンダム戦。テレビ版第22話冒頭のグフ。
  27. ^ OVA機動戦士ガンダム MS IGLOO -1年戦争秘録-』第2話、連邦軍特殊部隊セモベンテ隊。
  28. ^ 文中ではベース機のサブタイプは明示されていないが、ブリティッシュ作戦時という運用時期からベース機はC型となる。
  29. ^ OVA『MS IGLOO -1年戦争秘録-』では、宇宙世紀0079年1月15日に生起したルウム戦役に参加した機体は「MS-06F ザクIIF型」としている。ただし同海戦に参加した全てのザクIIがF型とする明確な描写はない。
  30. ^ 『0083』第4話でアルビオンMS隊に投擲している。
  31. ^ 主な破壊箇所は頭部と右腕部
  32. ^ 構造材に特殊材料を用いたとする資料も見られる[20]
  33. ^ F型の総合性能向上型とする資料も見られる[100]。また、燃料の増量は行われていないため、相対的に稼働時間が短くなっているとした資料も見られる[101]
  34. ^ HGUC版ではS型と量産型の外観の形状は同一となっている。
  35. ^ 電気回路が壊れて出撃できなかったことにしている。
  36. ^ 劇中ではホワイトベースのオペレーター、オスカが「この速さで迫るザクは存在しない。通常の3倍の速度で迫ってくる」という旨の発言をしているが、劇中ではそれがパイロットであるシャアの操縦技術によるものであるのか、機体性能の違いによるものであるのかは不明であった。『ガンダムセンチュリー』では、「通常の30%増しの推力」と設定されている。また、OVA『第08MS小隊』に収録された映像特典「宇宙世紀余話」においては、シャアのルウム戦役での逸話「五隻飛び」に対してスラスターの噴射と同時に戦艦や隕石を次の標的へ向かう際の踏み台とすることで、「3倍の速度」になったと解説されている。その他の文献では、「3倍の速度」を直線運動の速度ではなく、シャアの技量による作戦スピードによるものとする記述もある[108]。それに加え、高機動型ザクのプロトタイプであった説や、「通常の3倍の速度を出せる性能を持っている」と解説した書籍・ゲーム・玩具も存在するなど、設定は統一されていない。
  37. ^ ガイアの当時の階級は少尉[111]・中尉[112]・大尉[43]の3説がみられる
  38. ^ アニメ版ではマゼラン級戦艦5隻、サラミス級巡洋艦1隻を撃沈している。漫画版ではマゼラン級3隻、サラミス級2隻。
  39. ^ 第1巻で、薬莢の底に「140mm」と記されている。

出典[編集]

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参考文献[編集]

外部リンク[編集]

関連項目[編集]