ユニコーンガンダム

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機動戦士ガンダムUC > ユニコーンガンダム

ユニコーンガンダム(Unicorn Gundam)は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器モビルスーツ(MS)」の一つ。初出は、2007年に発表された小説機動戦士ガンダムUC』。

作中の軍事勢力の一つ「地球連邦軍」の実験用ガンダムタイプMS。『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』で初登場した発光する特殊構造材「サイコフレーム」を全身の内部骨格に採用しており、平常時の「ユニコーンモード」から各部の装甲を展開してフレームを露出させた最大稼動モード「デストロイモード」に「変身」するのが特徴。

『機動戦士ガンダムUC』劇中では、主人公「バナージ・リンクス」が搭乗する白い1号機と、当初敵対するも後に味方となる黒い2号機「バンシィ」の2機が登場する。原作小説での2機の違いはカラーリングと頭部アンテナの形状程度だが、後年発表されたアニメ版(OVAおよびテレビシリーズ)や漫画版『バンデシネ』では、武装などの設定を変更することでより差別化を図っている。イベント上映作品『機動戦士ガンダムUC One of Seventy Two』や、原作の追補小説『機動戦士ガンダムUC 不死鳥狩り』には、金色の3号機「フェネクス」が登場する[1]

メカニックデザインカトキハジメが担当。

機体解説[編集]

地球連邦軍の再編計画の一環である参謀本部直轄「UC計画」の最終段階として開発された実験機。宇宙世紀0096年に、アナハイム・エレクトロニクス社が保有する月面のグラナダ工場で2機が完成した。ガンダムタイプに区分されてはいるが、劇中での正式名称は「RX-0 ユニコーン[2][注釈 1]」で、「ユニコーンガンダム」の名はいわゆる愛称である[3]

第二次ネオ・ジオン抗争時のニュータイプ専用機で限定的に採用されていた特殊構造材「サイコフレーム」で、機体の駆動式内骨格「ムーバブルフレーム」のすべてを構築した、史上初のフル・サイコフレーム機である[注釈 2]。サイコフレームの限界能力を実証すべく先行開発された、ユニコーンガンダムの「NT-D」発動時(デストロイモード)の実験機[5]シナンジュ」のデータが反映されており、従来のサイコフレーム機を遥かに凌ぐ機体追従性を獲得している。

通常は、一角獣(ユニコーン)の名の由来である額の一本角(ブレードアンテナ)とフェイスガードの被覆によりツインアイの露出域が非常に細いのが特徴の「ユニコーンモード」で運用される。ニュータイプを感知することで機体のリミッターが解除され、全身の装甲が展開し内部フレームが拡張、ブレードアンテナがV字型に割れガンダムタイプの顔が現れる真の姿「デストロイモード」に“変身”する。“変身”後は、各部に露出したサイコフレームがまばゆく発光するのが特徴である。なお、最大の特徴である一本角(ブレードアンテナ)の形状から、作中では「ユニコーンモード」は「一本角」、「デストロイモード」は「角割れ」の通称で呼ばれている。

劇中の設定では、ガンダムタイプとして開発された理由については、地球連邦軍の再編計画におけるプロパガンダ的な意味合いが強く、ジオン根絶における絶対的象徴として[6]、また科学技術の力によってニュータイプ神話を打ち砕くための存在として[7]、ニュータイプ神話と共にあり続けた「ガンダム」以上にふさわしい機体はないという思惑があったのであろうと言及されている。地球連邦軍参謀本部のUC計画担当幕僚であるミハエル・ユーリック中将からアナハイム・エレクトロニクス社の上層部への要求は「地球連邦軍参謀本部が想定する所の、ニュータイプ兵器(サイコミュ兵器)との戦闘状況を、完全に制圧・掌握できる性能。これこそがUC計画で開発・生産されるMSに求められるすべてである」という言葉であったとされ、この言葉が地球連邦軍にとってのUC計画がいかなるものかを端的に表していた[8][注釈 3]

しかし、劇中においてはそうした思惑とは裏腹に、1号機には本来の設計に相反するシステムが組み込まれた後、偶発的な要因から地球連邦でもジオンでもない民間人の個人に運用を委ねられ、ニュータイプの有り様を巡って、中立的な立場で双方の勢力を転々とすることとなる。また2号機は1号機を回収するため、対立する勢力によって運用され幾度か死闘を繰り広げるが、最終的には1号機と共闘することになった。

なお、機体が“変身”するという要素は「新しいガンダムに今までにやったことのない要素を取り入れるとしたら?」と原作者の福井晴敏が考案した。当初は「それは商品化の際にやりづらいですよ」とカトキに反対されたという[9]

NT-Dシステム[編集]

本機体を「ユニコーンモード」から、ガンダムの姿である「デストロイモード」へと“変身”させる際に発動する特殊管制システム。1号機の開発に関わった技術者に対しては「ニュータイプ・ドライブ」の略であると説明されているが[10]、本来の意味は「ニュータイプ・デストロイヤー[11]、すなわちニュータイプを抹殺するシステムとして設計されたものである[12]ネオ・ジオン残党軍「袖付き」の首魁フル・フロンタルによれば、ジオン共和国初代首相ジオン・ズム・ダイクンが提唱した「ニュータイプ論」を根絶する=ジオンの存在そのものを根絶するためのシステムであるという。ただし、1号機のシステムは追加プログラム「La+ラプラス」によって発動条件が変更されているため、アナハイム・エレクトロニクスの重役でありバナージの異母兄であるアルベルト・ビストはこれを、もはや「ニュータイプ・デストロイヤー」とは呼べない「ニュータイプ・ドライブ」と呼ぶべき亜流のシステムであると評している[11][注釈 4]

本来の「ニュータイプ・デストロイヤー」としてのシステムの発動条件は、額のブレードアンテナをサイコフレームと連動させ、敵のニュータイプパイロット、あるいは人工的にニュータイプ能力を付加された強化人間パイロットの存在を感知させること。実戦では、強化人間のマリーダ・クルスやフロンタルなどとの戦闘時にシステムが発動する。ただし1号機は機体の外部だけではなくパイロットの感応波も走査するよう仕様変更がされており[11]、本機のパイロットがニュータイプであれば、システムに操縦している自分自身を感知させることによってある程度任意で発動させることも可能となっている。なお原作小説では、この仕様変更は1号機のみであるとされているが、アニメ版では、2号機バンシィに新たなシステムを搭載したバンシィ・ノルンも、操縦者のパイロットの感応波を拾ってNT-Dを発動させる描写がある。

シナンジュから継承された[13][14][15]、パイロットの脳内操縦イメージを思考波として機体内部のサイコフレームに感受させ、機体の挙動へ直接反映させるサイコミュ思考操縦システム「インテンション・オートマチック・システム」によって、通常の手動のみの操縦を凌駕する反応速度と動作精度を実現している。このシステムは敵機パイロットの思考波も傍受できるため、敵の行動を先読みして攻撃できる。パイロットの反応が間に合わない緊急事態が発生した場合、機体自身が独自に行動し対処することもあり、機体を制することができなければサイコミュの逆流によって「マシーンに呑まれる」と形容されるような、パイロットがNT-Dシステムに意思を支配されるまま処理装置の一部となって戦い続けるという危険な状態に陥ってしまう。また、インテンション・オートマチック・システムによる機体とパイロットの交感状態が限界を超えた域にまで達すると、パイロットの思考のまま自身の身体のように機体を制御できるまでに到る。だがこの域まで達した状態で機体が損傷を受けると、その損傷のイメージまでパイロットにダイレクトにフィードバックされるようになってしまうという危険性もある。デストロイモード時の機動性は瞬間移動と見紛うほど圧倒的なもので、ニュータイプや強化人間でも視認はおろか気配を察知することすらできない。その際の加速は20Gに達しており[16][注釈 3]、まるで分身しているかのような機体の残像を発生させる[17]。これは、コクピットに搭載されているモニターがMSのカメラでとらえた映像を処理し、モニター上に投影するまでに要する時間よりも高速でユニコーンガンダムが移動しているが故に発生する現象である。

ただし、20メートル級MSが人間と同様の動作をした場合、発生する加速度(G負荷)によるパイロットの肉体的負荷は殺人的なレベルとなる。尚且つ上記のインテンション・オートマチック・システム制御のサイコミュによる精神的負荷も考慮すると、システムの稼働限界時間は約5分程度であり、リミッターが設定されたユニコーンモードの存在理由もこの点にある。パイロットへのG負荷を緩和するために、専用のパイロットスーツには「DDS(ドラッグ・デリバリー・システム)[18][注釈 3]」と呼ばれる対G負荷用薬剤投与システムが搭載されており、パイロットに薬剤を投与することで体内の血液循環を活性化して、Gによる循環の停滞を抑える役割を持っている。インテンション・オートマチック・システムによる機体とパイロットとの同期性の向上のために、専用のパイロットスーツのヘルメットには、内部フレームにサイコフレームが採用されており[19][注釈 3]、またZガンダムのパイロットのヘルメットにも搭載されていたバイオセンサーシステムも組み込んでいる[19][注釈 3]。このヘルメットの後頭部には「NT New type device」と記載され、専用の認識コードで管理されていた[19][注釈 3]

システム発動中は、サイコ・フィールドを掌から放出し、敵機のサイコミュ兵器のコントロール制御を奪い、自機の兵装として使用したり、敵機体を一時的に操縦不能にする「サイコミュ・ジャック」が使用可能。有効範囲は不明だが、当機体は極めて高い演算処理能力を誇っており、その能力は量子コンピューターと同等である[20][注釈 3]。なおアニメ版にてデストロイモードへ移行する際、クシャトリヤのファンネルより放たれたビームを、自身を中心とした球状の力場を展開しビームを歪曲させるシーンがある。だが、常にこの力場を展開している訳ではないようで、デストロイモード時にファンネルより放たれたビームに被弾するシーンもある。

操縦補助の他にも、開発側が意図していなかった機能として、乗り手の意思を汲み取るこのシステムを搭載する「UC計画」によって誕生した3機(ユニコーン、バンシィ[注釈 5]、シナンジュ[注釈 6])は、パイロットのニュータイプ能力に呼応してサイコフレームが最大共振すると、第二次ネオ・ジオン抗争時のνガンダムと同様に、乗り手の意思を叶えるべく、機体から虹色の光の力場「サイコ・フィールド」を発する。小説版のユニコーンとシナンジュの最終決戦では、対峙する2機から放たれる虹色のサイコ・フィールドのぶつかり合いによって、サイコフレームを搭載していないMSでは介入不可能なほどの力場を発生させるなど、超常的な戦闘を繰り広げ、他のMSとは一線を画する能力をみせている。また小説とOVA共に作品終盤では、ユニコーンとバンシィの2機で協力して、人類最強クラスの破壊兵器コロニーレーザーの光線をも相殺してしまうほどのサイコ・フィールドを発生させるまでに到っている。

本システムと開発の目的(ニュータイプ駆逐)が類似したシステムとして、一年戦争期にフラナガン機関出身の研究者クルスト・モーゼスが開発した「EXAMシステム」が存在するが、EXAMシステムはオールドタイプの搭乗を、NT-Dは強化人間の搭乗を想定して開発されているところに相違点がある。加えてEXAMシステムは連邦・ジオンの区別には特にこだわっておらず、あくまでニュータイプ自体の殲滅を最終目標として設計されていた。 また、ユニコーンガンダムの開発要求仕様書には、連邦軍側からの担当者の欄に「担当者:技術開発本部 アルフ・カムラ大佐」という名が記載されており[8][注釈 3]、この名は、一年戦争時にEXAMシステムを搭載したMSブルーディスティニーの担当技術士官であったアルフ・カムラ大尉と同じ名前である。

デストロイ・アンチェインド[編集]

プラモデル 『PG(パーフェクトグレード) 1/60スケールモデル ユニコーンガンダム』にて追加設定された、ユニコーンガンダム“第三の形態”。

ユニコーンと、搭乗するニュータイプパイロットがインテンション・オートマチック・システムを通じて過剰に交感し、万が一NT-Dシステムの稼働レベルが制御域の数値を超えてしまった場合に備え、搭乗者の意思とは関係なしに、機体がオートでこの「アンチェインド(繋がれざる者)」と呼ばれる形態へと移行する機能が備わっているとされる。その姿は全身の外部装甲がデストロイモード時から更に展開し、内部のサイコフレームがより露見した姿となる。これは全身のサイコフレームが強力なサイコ・フィールドを発生させた際に、機体への干渉を避けるための措置とされており、その様は拘束から解き放たれた“繋がれざる者”そのものとなる[21]

この秘匿機能「デストロイ・アンチェインド」は「UC計画」遂行のために備えられた“保険”ないし“最終手段”であったとされ[22]、この状態ではサイコミュ接続の流量制限が強制カットされ、機体の操縦権もパイロットからNT-Dシステムへと強制的に移行する。システムと直結状態のパイロットは、その生存率が一切考慮されず、“生体部品”扱いとなり、ユニコーンガンダムは敵性サイコミュ機の撃墜のみを目的とするプログラムコードを自動実行するだけの、機械的な支配下に置かれた完全な戦闘マシンへと変貌してしまう[21]

だが「ラプラスの箱」にまつわる争乱(『ガンダムUC』本編)ではユニコーンガンダムが本形態へと移行することはなく、1号機はサイコフレームの発光色が虹色に変化し全身に光の結晶体を発生させた、開発者らの想定をも超えた異なる形態への移行例が見られた[23]

漫画『機動戦士ガンダムU.C.0096 ラスト・サン』では、サイド7宙域にてNT-Dシステムの赴くままに活動するユニコーンガンダム3号機「フェネクス」がこの形態に移行している。その際のサイコフレームの燐光の強さは、本来の色を失わせるほどに到り、灯滅せんとして光を増すごとき暴威を振るったとされている[22]

真ユニコーンガンダム[編集]

OVA版のepisode 7「虹の彼方に」にて1号機が変化した、デストロイ・アンチェインドとは異なるユニコーンガンダム“第三の形態”。 外見の特徴としては、サイコ・フィールドを生み出す更なる媒介として、全身のサイコフレームから未知の光の結晶体「サイコシャード」が発生しているのが特徴。 原作者の福井晴敏は、この光の結晶を発生させた姿のユニコーンを、インタビューの便宜上のあくまで仮称としてだが「真ユニコーンガンダム」と呼称している[24]。この形態は、万が一NT-Dの稼働レベルが制御域の数値を超えてしまった場合に備えて考案されていた上記の“予備案”(デストロイ・アンチェインド)とは異なり、開発側の想定をも超えた姿である。

作中では、バナージが破壊兵器コロニーレーザーの光線を相殺できるほどの未曾有のサイコ・フィールドを、命を賭して発生させようとしたことで、ニュータイプ能力が極限を超えたレベルで発揮された結果、その精神がサイコフレームを介してモビルスーツと完全に融合し、複合生命体《ユニコーンガンダム》として新生したことで登場する。 その性能はバナージが常から口にしていた「可能性という名の神」そのものと言え、サイコ・フィールドを用いてモビルスーツの核融合エンジンを大部隊規模で停止させ[24]、小説版では放たれたミサイルも自壊させるという「権能」を発揮した。原作者の福井晴敏によると、この時の状態の《ユニコーンガンダム》ならば、地球上からすべての軍隊をなくすことすら可能[25]であったと述べている。

この光の結晶体「サイコシャード」は、かつて1号機の試験運用中にも偶発的に発生した産物であり、ネオ・ジオングのサイコ・フィールドによる奇跡を人為的に引き起こす光の結晶体「サイコシャード」を発生させるサイコミュ兵器「サイコシャード発生器」は、その時のデータを基にして誕生したと言われている[26][27]

小説版『UC』の外伝『機動戦士ガンダムUC 不死鳥狩り』では、ユニコーンガンダム3号機「フェネクス」とパイロットのリタ・ベルナルが同様の人とモビルスーツが融合し、これに似た状態となっていたが、バナージとは異なり肉体ごと機体と融合しており、更に意識が複合精神体となっていた1号機と異なり、フェネクスの機体にリタの意識が宿った状態だった。この事から「La+(ラプラス)プログラム」を搭載していない他のユニコーンでも、機体に精神が宿るため、理論上はどのユニコーンでもこの形態にはなれる可能性がある。

1号機[編集]

諸元
ユニコーンガンダム
Unicorn Gundam
型式番号 RX-0
全高 ユニコーンモード時:19.7m
デストロイモード時:21.7m
本体重量 23.7t
全備重量 42.7t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 3,480kW(デストロイモード時は測定不能)
推力 142,600kg(デストロイモード時は測定不能)
センサー
有効半径
22,000m(デストロイモード時は測定不能)[28][29]
武装 60ミリバルカン砲×2
ビーム・マグナム×1
ハイパー・バズーカ×1
ビーム・サーベル×4
シールド×1
ビーム・ガトリングガン×2(ガランシェール収容後)
アームド・アーマーDE(『バンデシネ』)
搭乗者 バナージ・リンクス

極秘裏に袖付きに受託されるため、アナハイム社所有の工業コロニー「インダストリアル7」に持ち込まれた機体。単に「ユニコーンガンダム」「ユニコーン」と呼ばれる機体は、基本的にこの1号機のことを指す。その姿は、タペストリー貴婦人と一角獣」に描かれた、貴婦人の傍らに寄り添う神獣ユニコーンをデザインモチーフにしており、装甲色は純白で、サイコフレームの発光色は赤。またサイコフレームの最大共振時は、発光色が赤から緑に変化し、全身に虹色の光のオーラをまとう。アナハイム社と深い関わりを持ちつつも独自の思惑を持つビスト財団の当主カーディアス・ビストの主導により、この1号機にのみ、元々の仕様にはなかった「La+(ラプラス)」というシステムが組み込まれている。このことから、ビスト財団が秘匿し続けてきた重要機密「ラプラスの箱」を解放するための唯一の「鍵」と言われている。

重要機密「ラプラスの箱」を解放するというカーディアスの意思で「袖付き」に譲渡されるはずだった。だが、宇宙世紀0096年4月7日、「ラプラスの箱」を巡る地球連邦軍、アナハイム社、ビスト財団、袖付きの各勢力の暗躍によって戦闘が発生、その混乱の中、瀕死のカーディアスの手によってインダストリアル7の工専学生で彼の息子であるバナージ・リンクスに託される。その際、ラプラスシステムに彼のバイオメトリクスが登録されたため、他の人間が操縦することは不可能となる。

物語の終盤では、バナージが命を賭してサイコ・フィールドを展開し、コロニーレーザーをも相殺するほどの未曾有の力場を発生させるまでに到ったが、その代償にバナージ・リンクスとの交感の末、パイロットである人間を取り込み完全に融合し、人の精神を取り込んで誕生した新たな生命体《ユニコーンガンダム》そのものとなってしまう。もはやMSとすら呼べない人の思惟を受け止め叶える“器”として、ゼネラル・レビルのMSの大部隊を前にしても、手をかざすだけで眼前のMS群の核融合エンジンを停止させてしまう[24][30][注釈 3]程の人智を超えた力を見せた。

原作者の福井晴敏によると、この時の状態の《ユニコーンガンダム》ならば、地球上からすべての軍隊をなくすことすら可能[25]であったと述べており、恒久的平和すら実現可能なほどの人を遥か超越した存在にまで到達できたにもかかわらず、バナージは必ず帰ると約束した大切な存在オードリー・バーンが自身の帰りを待っている事を思い出し、これほどの力に再び到達することは自分には不可能なのかもしれないことを認識しながらも、万能の存在であることよりも再び“人間”として生きる道を選択したことで、この力は失われた。

La+(ラプラス)[編集]

1号機にのみカーディアス・ビストによって組み込まれた特殊システム。ビスト財団に強大な権力を与えることになった「ラプラスの箱」の所在地へと乗り手を導く「鍵」である。このシステムが一定の条件下で発動すると、「ラプラスの箱」への手がかりとなるデータが開示される。その条件下とは、ラプラス・プログラムが開示した座標でNT-Dを発動させることである。まるで、人の争いの歴史の足跡を辿らせ、「箱」の解放の是非を乗り手に問うかのような旅へとバナージを導くこととなった。なお、「搭乗者に強化人間と思われる反応があった場合システムは反応しない」とガエルの口から語られているが、カーディアスの言う「そのような“細工”」とはこのことを指す。

武装[編集]

ビーム・マグナム
本機の主力武装。「マグナム弾」と呼ばれる専用Eパック(エネルギーパック)を最大5基連結し、1射で1基分のエネルギーすべてを使い切る代わりに通常のビーム・ライフルの4倍、メガ・バズーカ・ランチャーと同等の威力を持つビームを発射する。ビームの軌道周囲にはビーム・サーベルと同質の紫電が散っており、これをかすめただけでもMSを撃墜する威力がある。特にモビルアーマーや戦艦などの大型目標に対しては効果的。ただし、Eパックの携行数はマグナム本体に5発、腰部後方のアーマー左右に各5発ずつの予備を含めても、最大で携行できるのは15発分。そのため継戦能力が低く、また、高威力がゆえに取り回しが悪い。そのため周囲への被害が配慮される局面においては、しばしば後述のビーム・ガトリングガンを使用している。銃本体は、非使用時にバックパックや腕部ラッチに固定して携行する。
その射撃の際の反動も相当のもので、アニメ版ではリディ・マーセナスデルタプラスが1号機から奪い取って使用した際、その射撃の反動に耐え切れず、右腕が動作不良を起こす描写がある。
ビーム・サーベル
バックパックに2基と左右の前腕部ホルダーに1基ずつ、計4基を装備する。いずれも通常時は基部で折りたたまれ収納されているが、必要に応じてグリップが180度展開する。背部サーベルはデストロイモード時に展開され、額のアンテナと同様に本機のシルエットを「ガンダム」らしく変化させる。両腕のサーベルは、デストロイモード時のみホルダーに固定したまま発生器を前方に180度回転させることで、ジム・スナイパーカスタムボックスタイプ・ビーム・サーベル・ユニットのように、マニピュレータでマウントせずに使用することができる。この状態を「ビーム・トンファー」と呼ぶ。
作中では、パイロットの感情が高ぶった場面において、出力の限界値を超えて[31]ビーム刃部分が膨脹・巨大化する現象が見られた。アニメ版の大気圏突入中のシナンジュ戦では、ビーム刃が通常時より強化された状態で、機体の大きさを優に越えるコロニーの巨大な残骸を一刀両断している。小説版でのシナンジュとの最終決戦では、バナージが「亡霊は暗黒に帰れ!」と断じながら、最大出力を超える巨大なビーム刃を展開したユニコーンの両腕のビーム・トンファーで、シナンジュの機体を貫き決着を付けた。この時のビーム刃は数百メートルにも膨脹し、最終的にサーベルのグリップ基部が溶解・爆散してしまうほどであった。
ハイパー・バズーカ
連邦系MSとしては標準的な実体弾火器。非使用時は砲身を短縮した状態でバックパック中央部に固定される。発射後に時間差で炸裂し、周囲にベアリング弾を撒き散らす特殊弾も使用可能。砲身にはオプション装備用のレールマウントが備えられ、同じアナハイム規格のグレネードランチャーやミサイルポッドを追加装備する。ビーム・マグナム用Eパック同様、弾頭の予備マガジンを腰部後方のアーマーにマウント可能。
60ミリバルカン砲
多くの連邦系MSの頭部に内蔵される小型機関砲。5発に1発の割合で曳光弾が仕込まれており、発砲中の射線修正が可能。
小説版のシナンジュとの初戦で使用されるが(チェック漏れに気付かず、小説の連載が開始してしまったため)初期の設定画には描かれていなかった。その後の設定画稿から新たに描き足されており、小説の挿絵でも描かれるようになる。その後年に製作されたアニメ版では最初から描かれている。
シールド
4枚の花弁状のサイコフレームパーツが「X」字型に展開し、中心部に対ビーム用のIフィールド発生装置が露出する。基本的にデストロイモード時に展開するが、ユニコーンモードのままでもIフィールドバリアとして機能する。Iフィールドはパイロットが操作しなくても自動で展開され、戦艦クラスのビームでも跳ね返すことができる[32]。また、一般的にIフィールドではビーム・サーベルを完全には防ぐことは出来ないとされているが、このシールドが展開するIフィールドは、垂直に突き立てられたバンシィ・ノルンのビーム・サーベルすらをも遮断している描写がある。
終盤ではバーニアなどの推進器が付いていないにも拘わらず、サイコフレームによって発生した物理的エネルギーで単独浮遊し、ユニコーンのインテンション・オートマチック・システムを介することで、ファンネルのように遠隔操作して用いた。シールド先端部による打突攻撃と、裏側に装備された下記のビーム・ガトリングガンを用いたオールレンジ攻撃を行える他、この状態になってからのシールドは、ネオ・ジオングのハイメガ粒子砲を受け止め、ミサイルの直撃を受けても傷ついておらず、OVA版の最終局面でネオ・ジオングが発生させた「サイコシャード」によって、裏面に装備されたビーム・ガトリングガン2挺を破壊されても機能に支障を来たしていない。これがサイコフレームの力によるものか、元々のシールドのスペックなのかは不明。この遠隔操作状態はプラモデルや関連書籍などでは「シールド・ファンネル」と呼称される。
OVA版ではサイコフレームパーツが左右一枚づつ閉じた「/」型の状態で三枚一組に連結し風車のような形状となってサイコ・フィールド・バリアを発生させる事ができるようになる。また、ネオ・ジオング(シナンジュ)のモニターでも「FUNNEL」と識別されているのが確認できる。
ビーム・ガトリングガン
本来はクシャトリヤ用に新造された4銃身式の大型ビーム機関砲。パラオからの脱出時に1挺使用された(なお、アニメ版の初使用時にはデバイスドライバインストールが完了するまで発砲できない描写がある)。アニメ版でパラオ脱出時に使用した際は、遭遇したドライセン(「袖付き」仕様)を一方的に撃破する威力を見せた。地上編で本機がクシャトリヤの母艦であるガランシェールに収容されて以降、ダカールの戦闘時から左腕シールドの内側に2挺を固定装備されている。
アームド・アーマーDE
『UC』の漫画版『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』に登場。スラスターとビーム・キャノン[注釈 7]を一体化したシールド用の増加ユニット。過去に開発されたシールド・ブースターとは違い、スラスター自体に推力偏向機能を持つ。ビーム・キャノンはビーム・マグナムの補助火器としての側面も有する。名称の「DE」は「Defense - Extension(ディフェンス・エクステンション)」の略とされる[33][34]
『バンデシネ』劇中では、旧首相官邸ラプラス調査時に装備して出撃。地球降下後は、ガランシェール収容時にビーム・ガトリングガン装備に伴いユニットを一度外されるも、トリントン基地からオードリー・バーンを乗せたミデアを追う際に、スベロア・ジンネマンラー・カイラム内にあったビスト財団のコンテナから本装備をジェスタ用のビーム・ライフルと共に調達し、ユニコーンガンダムに再装備させている。
アニメ版では1号機は装備しなかったが、後述のバンシィ・ノルンの武装として登場した。

能力[編集]

サイコミュ・ジャック
サイコ・フィールドを掌から放出し、敵機のサイコミュ兵器のコントロール制御を奪って自機の兵装としたり、敵機体に干渉し一時的に操縦不能にする。デストロイモード時に使用。
ソフトチェストタッチ[35]
人の可能性を信じようとするバナージの「それでも…それでも!」という叫びに呼応してユニコーンが発した未知の“暖かな光”[36]を、両方の掌で対象に接触し直接注ぎ込む。デストロイモード時に、サイコフレームが最大共振し緑色に発光する状態で使用。
この“暖かな光”をユニコーンは全身から発し、自身を握り潰そうとしていたネオ・ジオングの巨大アームユニット4基を灰状に崩壊させ、そのコア・ユニットを担うシナンジュにも、胸部装甲に両方の掌で優しく接触してこの“暖かな光”を直接注ぎ込み、搭乗していたフル・フロンタルの中の「残留思念」を浄化、それに連動してネオ・ジオングも浄化されるように崩壊し灰塵となった。あくまで攻撃手段ではなく、バナージが自身の想いを言葉ではなく“熱”によってフロンタルに伝えようとして取った行動であったが、結果バナージの想いと、その想いを受け容れたフロンタルの心境の変化が、ネオ・ジオングの全身のサイコフレームに作用して、その機体を崩壊に到らしめる結果となった[37][38][39][40][41][42][43][44][45]
古橋一浩監督はOVA版の最終章episode 7の見どころを問われた際に、ネオ・ジオングを崩壊させるいわゆる“決め技”となった、この「ソフトチェストタッチ」を挙げており、「それでも」とあがき続けるバナージの“熱”がフロンタルの中の迷える魂を成仏させることで、「ニュータイプ」たる主人公としての役割をキッチリ果たせたのではないかと述べている[35]。また、この動作に到るまでの格闘戦で「正拳」→「手刀」→「貫手」と様々な手の型のバリエーションでユニコーンが攻撃したのは、作中内の設定的理由はマニピュレーターの関節保護のためだが、作品の演出的な理由で言うと“決め技”となる最後の「」へ到るコントラストのためとのこと[35]
小説版『UC』の外伝『機動戦士ガンダムUC 不死鳥狩り』では3号機「フェネクス」も、相手機体の胸部装甲に掌で接触して波紋状のサイコ・フィールドを注ぎ込むという、これに類似した所作(こちらは右の掌のみ)を行うことで、ヤクト・ドーガを臨時のコア・ユニットに代用したネオ・ジオングを、浄化するように内側から瓦解させている。
このユニコーンが発し、ネオ・ジオングの四本腕や本体を崩壊させた“暖かな光”の詳細は不明。だが、同じく“暖かな光”と呼称される現象としては、『UC』より後年の宇宙世紀を舞台とした『機動戦士Vガンダム』にて、巨大サイコミュ兵器エンジェル・ハイロゥシャクティ・カリンの想いを受けて放った「ウォーム・バイブレーション」が、浄化作用など特性が類似した現象として確認されている。

フルアーマー・ユニコーンガンダム[編集]

諸元
フルアーマー・ユニコーンガンダム
Full Armor Unicorn Gundam
型式番号 RX-0
全高 ユニコーンモード時:19.7m
デストロイモード時:21.7m
本体重量 45.1t
全備重量 76.9t
出力 3,480kW(デストロイモード時は測定不能)
推力 189,700kg(デストロイモード時は測定不能)
センサー
有効半径
22,000m
武装 60ミリバルカン砲×2
ビーム・マグナム×1
ハイパー・バズーカ×2
ビーム・サーベル×4
シールド×3
ビーム・ガトリングガン×6
3連装ハンド・グレネード・ユニット×8
3連装対艦ミサイル・ランチャー×2
グレネード・ランチャー×2
ハイパー・ビーム・ジャベリン(設定のみ)
アームド・アーマーDE×3(『バンデシネ』)
搭乗者 バナージ・リンクス

「袖付き」の艦隊勢力との最終決戦を控え、彼我の戦力差を埋めるべくバナージの友人タクヤ・イレイが考案したフルアーマー・プランを反映させた最終決戦仕様。アニメ版ではタクヤが考案した強化プランを基にアナハイム・エレクトロニクス社のアーロン・テルジェフが調整して完成させた[46]PlayStation 3専用ゲームソフト『機動戦士ガンダムUC』では、タクヤが夢で見た強化プランを後に実案にしたとされる[47]

ビーム・マグナム1挺、シールド3枚、ビーム・ガトリングガン6挺、ハイパー・バズーカ2挺、ジェスタ用グレネード・ランチャー、スタークジェガン用3連装対艦ミサイル・ランチャー、ジェガン用3連装ハンド・グレネード・ユニット4セット、脚部3連装ハンド・グレネード・ユニット左右各2セットと、機種を問わずネェル・アーガマに保管されていた武装を可能な限り搭載した結果、合計17門にも及ぶMS単機として最大級の大火力を手に入れた。背面には、流用追加武装によって増加した機体重量を取り回すため、宇宙用S.F.S.である94式ベースジャバーのスラスター部を転用し追加マウント・フレームで接続した、プロペラントタンクを兼ねた大型ブースターユニットを備えている。使用済みの武装はデッドウェイト化を避けるため、随時切り離せる。漫画『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』では3枚のシールドすべてにアームド・アーマーDEが装備されている。

なお、防御面においてはシールドが1枚から3枚に増えた以外に装甲(=アーマー)は追加されていないため、正確には「フルアーマー」と名乗ることが適切なのかといった旨が、原作小説の文章中でも触れられていた。しかし、タクヤがこの強化プランに「フルアーマー・ユニコーンガンダム」と命名して提出したことから、この名称で呼称されることとなった。また後に、ここでの「フルアーマー」の“アーマー”は「アーマメント(=武装)」を指しているということになった[48]

一見、寄せ集めで何ら計算されていないような強化形態に見えるが、タクヤはうまく帳尻を合わせて機体のアンバランス化を防いでいる上、これらの装備はデストロイモードへの変身も一切妨げないように考慮して取り付けられている。背中の装備類も含めた全火器がリモートで発射可能となっており、サイコミュと連動したユニコーンのインテンション・オートマチック・システムがパイロットによる目標の探知と呼応し、ある程度は自動で照準を行ってくれる[49]。単純に大量の武装を装備させるだけならば通常のMSでも可能だが、通常のMSが搭載するメインコンピューターの情報処理能力では、これだけの武装を個別かつ最適にコントロールして運用することは不可能であり、量子コンピューターと同等とされるフル・サイコフレーム機の演算能力によって実現した運用方法と言え[20][注釈 3]、演算処理能力とインテンション・オートマチック・システムによる自動照準が合わさることで、その大火力の真価を発揮せしめた。

アニメ版では、中破したリゼルより拝借したビーム・ライフルも一時的だが左手に装備し、照射時間を延長してなぎ払うように撃ち出す高出力射撃モード「ギロチン・バースト[50]」を他の武装と併用して上手く用い、敵戦線を崩し突破口を切り開いた。

ゲームやプラモデル等では、サイコフレームが緑色に発光した、いわゆる覚醒状態で描かれる場合が多い。しかし、『UC』の小説・OVA共に全武装を装備した姿では、ユニコーンモードもしくはデストロイモードの赤く発光した状態で戦闘しており、覚醒状態になる頃にはほとんどの武器を使い切って手放した後であった。それゆえ、全武装を装備した姿で覚醒状態になる場面は、本編中には存在しない。だが、OVAシリーズをテレビフォーマットに再編集したテレビシリーズ『機動戦士ガンダムUC RE:0096』のオープニングテーマ「Into the Sky」での映像では、サイコフレームが緑色に発光した状態で、上記の武装とハイパー・ビーム・ジャベリンを装備して戦闘する姿が描かれた。

ハイパー・ビーム・ジャベリン
『ガンダムプラモデル MG(マスターグレード) 1/100スケールモデル フルアーマーユニコーンガンダム Ver.Ka』で追加設定された武装。
ユニコーンガンダムのオプション兵装[51]にして、増加サイコフレーム兵装「アームド・アーマーシリーズ」のプロトタイプであったとされている[52]。MSの全高ほどにも至るビーム系大型斬撃武装で、先端にはジャベリン型とアックス型の2種のビーム刃を発生させるビーム発振部を備える。このビーム発振部にはサイコフレームが内蔵されており、スライド展開時に露見される。柄を二つ折りにすることでシールドへのマウントが可能。ジャベリン型のビーム発振部は取り外して、柄尻部分へ移動させたり、ビーム・マグナムへのマウントが可能。
デザインモチーフは、『機動戦士ガンダム』放送当時、クローバーが発売した玩具『ガンダム DX合体セット』に付属した武器の「ソードジャベリン」である[53]
アニメ版本編中ではフルアーマー・ユニコーンガンダムの武装としては用いられず、クシャトリヤ・リペアードの左腕として接合された状態で登場する。
漫画版『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』では、後述のバンシィ・ノルンの武装として登場する。


2号機 バンシィ[編集]

地球連邦軍のオーガスタ研究所での重力下試験後、1号機の空間機動性能をフィードバックして調整された機体。1号機が単に「ユニコーン」と呼ばれるのに対し、本機は「バンシィ」の通称で呼ばれる。「バンシィ」とは、死の到来を告げる“嘆きの妖精”の名称。その姿は、カーディアスが所有していたタペストリー貴婦人と一角獣」に描かれた、貴婦人の傍らで神獣ユニコーンと対をなす猛獣ライオンをデザインモチーフにしており、ユニコーンを模した純白の装甲を持つ1号機とは対照的に、漆黒の装甲を持ち禍々しい雰囲気を漂わせる。

1号機同様NT-Dを搭載しているが、全身の装甲色が黒、サイコフレームの発光色が金(1号機同様、最大共振時は発光色が緑に変化し、全身に虹色のオーラを纏う)、La+を搭載していない点が相違している。頭部アンテナは何本かの金色の角が一列に並ぶ鶏冠もしくは黒馬の立った状となっており、フェイスカバーの顎部には牙のような形状が見て取れる。頭部アンテナはデストロイモード時に、デザインモチーフであるライオンの鬣を模した[54]形状となる。1号機で得られた空間機動データが反映されているため、大気圏内での機動性は1号機を上回る。

諸元
ユニコーンガンダム2号機 バンシィ(小説版)
Unicorn Gundam 02 BANSHEE
型式番号 RX-0
全高 ユニコーンモード時:19.7m
デストロイモード時:21.7m
本体重量 23.7t
全備重量 42.7t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 3,480kW(デストロイモード時は測定不能)
推力 142,600kg(デストロイモード時は測定不能)
センサー
有効半径
22,000m
武装 60ミリバルカン砲×2
ビーム・マグナム×1
ハイパー・バズーカ×1
ビーム・サーベル×4
シールド×1
搭乗者 プルトゥエルブ(マリーダ・クルス)リディ・マーセナス

本機体は作品媒体によって若干仕様が異なり、原作小説に登場した際の仕様である「小説版」と、アニメ作品(OVAおよびテレビシリーズ)に登場した際の仕様である「アニメ版」が存在する。OVAで本機体が登場して以降は、プラモデルや各種ゲームでは特に何も注釈がない場合は「アニメ版」を扱い、小説版仕様の際には「小説版」と記載されるようになった。本稿では混同を避けるため、小説版仕様には関連商品同様「小説版」と、アニメ版仕様にも関連商品のように無記載ではなく「アニメ版」と機体名の後に記載する。他にもアニメ版には装備変更仕様「バンシィ・ノルン」が存在し、またイベント上映作品『機動戦士ガンダムUC One of Seventy Two』には「U.C.0095Ver.」が登場している(双方とも詳細は後述)。漫画版『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』ではアニメ版のデザインで登場している(詳細はバンシィ(アニメ版)を参照)。

バンシィ(小説版)は上記のように、頭部アンテナの形状、装甲色、サイコフレームの発光色などは1号機と異なるが、武装は同一となっている。地球連邦軍の捕虜となりオーガスタ研究所で「プルトゥエルブ」として再調整を受けたマリーダ・クルスがパイロットを務める。ロンド・ベル隊の旗艦ラー・カイラムに収容されるが、調整や整備はすべてビスト財団直属のメカニックとオーガスタ研究所の者によって行われる。ユニコーン1号機と対決するも、バナージとジンネマンによる必死の説得と、自身の敵であるはずの「ガンダム」に搭乗しているという矛盾に気付き、マリーダの洗脳が解けたことで機能を停止した。

マリーダがジンネマンによって救出されて以降は、ゼネラル・レビルにてリディ・マーセナスがパイロットを務めることとなる。バナージが駆る1号機との死闘を繰り広げるが、マリーダの命を賭けての導きにより、リディが本来の自分を取り戻し人間が持つ可能性を信じるに至り、バナージに協力を誓う。その後は、フロンタルのシナンジュを倒すため、1号機と共闘して最終決戦を挑んだ。

アニメ版[編集]

諸元
ユニコーンガンダム2号機 バンシィ(アニメ版)
Unicorn Gundam 02 BANSHEE
型式番号 RX-0
全高 ユニコーンモード時:19.7m
デストロイモード時:21.7m
本体重量 24.0t
全備重量 46.7t
出力 3,480kW
推力 142,600kg
センサー
有効半径
23,500m
武装 60ミリバルカン砲×2
ビーム・サーベル×4
アームド・アーマーBS×1
アームド・アーマーVN×1
搭乗者 プルトゥエルブ(マリーダ・クルス)

アニメ版(OVA及びテレビシリーズ)では原作小説から武装とデザインが一部変更。首周りの装甲が独自の形状になり色も金色となった。原作で1号機と共通だったビーム・マグナムとシールドは、下記の専用武装に変更されている。原作と同じく1号機と空中戦を繰り広げた後、マリーダが錯乱状態に陥ったことで機能停止し、デルタプラスを破壊されたリディによって回収され、後述のバンシィ・ノルンに改修された上で、リディの専用機となった。

漫画版『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』ではアニメ版のデザインで登場。ダカール戦では両碗のアームド・アーマーは未装備で降下。ユニコーンモードでの素手の状態でデルタプラスを中破。トリントン基地戦以降は両碗のアームド・アーマーを装備。1号機との交戦でアームド・アーマーBSを破損。バイアラン・カスタム2号機への攻撃時にアームド・アーマーVNも破損している。

アームド・アーマー[編集]

機体と同じサイコフレーム素材が組み込まれた増加サイコフレーム兵装。最大火力の行使による短期決戦を目的としたビーム・マグナムとは対極に、継戦能力と周辺被害の抑制を考慮している。いずれも前腕部を覆うような構造になっており、同じく前腕部から展開されるビーム・トンファーとは干渉しない構造になっているが、マニピュレーターの機能が阻害される点や手持ち火器やシールドの所持が不可能になる欠点がある。基本的にデストロイモード時に展開するが、ユニコーンモードのままでも使用は可能。

アームド・アーマーBS
右腕に装備された射撃武装。内蔵されたセンサーユニットから得られた空間データをサイコミュで伝達し、そのデータを2枚のフィン型ビーム偏光機と連動させ、高精度の予測照準を可能とする。名称の「BS」は「Beam - Smartgun(ビーム・スマートガン)」の略とされる[34]
一撃の威力はビーム・マグナムに劣るが、高高度からシャンブロの残骸を切断するほどの高い収束率と長い照射時間を持つ。格納状態では純粋な高精度センサーとして機能する。
νガンダムのフィン・ファンネルとVダッシュガンダムのビーム・スマートガンをイメージソースとしている[55]
アームド・アーマーVN
左腕に装備された近接格闘用武装。サイコフレームの強靱性を利用した超振動破壊兵器。名称の「VN」は「Vibro - Nail(ヴァイブロ・ネイル)」の略とされる[34][56][57][注釈 8]
通常は前腕を覆うナックル状の打撃武器として機能し、変形後は獣の顎を思わせる4本のクローが上下に展開される。下側のクローを上側に動かすことで、熊手のような形状にすることも可能。ガンダリウム合金製装甲を内部フレームごと粉砕する威力を持つ。外装には耐ビーム・コーティングが施されており、シールドとしての役割も併せ持つ。

U.C.0095Ver.[編集]

諸元
ユニコーンガンダム2号機 バンシィ(U.C.0095Ver.)
Unicorn Gundam 02 BANSHEE (U.C.0095Ver.)
型式番号 RX-0
全高 ユニコーンモード時:19.7m
デストロイモード時:21.7m
重量 23.7t[59]
武装 60ミリバルカン砲×2
ビーム・サーベル×4
アームド・アーマーVN×1
ビーム・マグナム×1

ガンダムフロント東京限定イベント上映作品『機動戦士ガンダムUC One of Seventy Two』に登場[59]。小説版のように首周りの形状が1号機と同型だが、武装は異なり、右腕にアームド・アーマーVN、左腕にビーム・マグナムを装備している。これらの武装配置の違いは、搭乗していたパイロットの操縦特性によるものだとされている[60]

宇宙世紀0095年12月3日にアナハイム社のマーサ・ビスト・カーバインの指揮の下、連邦軍が独自に組み上げた3号機「フェネクス」との合同評価試験に参加。「袖付き」のニュータイプ専用分離可変機リバウと交戦するが、フェネクスとのサイコフレームの共鳴により、フェネクスとも交戦状態になる。この戦闘で胸部が破壊されたため、アニメ版での形状のパーツへと改修されることとなった[61][注釈 3]

バンシィ・ノルン[編集]

諸元
ユニコーンガンダム2号機 バンシィ・ノルン
Unicorn Gundam 02 BANSHEE NORN
型式番号 RX-0[N]
全高 19.7m(ユニコーンモード時)
21.7m(デストロイモード時)
本体重量 27.3t
全備重量 48.8t
出力 4,520kW
推力 185,380kg
センサー
有効半径
28,600m
武装 60ミリバルカン砲×2
ビーム・サーベル×4
ビーム・マグナム(リボルビング・ランチャー)×1
シールド×1
アームド・アーマーDE(メガ・キャノン)×1
ハイパー・ビーム・ジャベリン(『バンデシネ』)
特殊装備 アームド・アーマーXC
搭乗者 リディ・マーセナス

OVA版のepisode 6で初登場。新たにパイロットとなったリディ・マーセナス用に改修された総合性能向上仕様。「ノルン」とは古ノルド語北欧神話に登場する“運命の女神”の名称。汎用性などに難があった両腕のアームド・アーマーを撤去し、装備選択で柔軟な運用が可能なリボルビング・ランチャー搭載型ビーム・マグナム、機動性と防御力を同時に高めるアームド・アーマーDE、機体とパイロットの親和性を高めるアームド・アーマーXCを装備している。漫画版『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』ではハイパー・ビーム・ジャベリンも装備している。

サイコフレームの発光色はプルトゥエルブ操縦時と同じく金色だが、フルアーマー・ユニコーンやネオ・ジオングとの戦闘中にリディのニュータイプ的素養が高まった際には、サイコフレームの輝きが増し白熱化したことで発光色は金色からレッドゴールドのような色へと変化していた。その後のコロニーレーザー相殺時には、バンシィとリディの親和性は更なる域に達し、バナージと1号機のようにサイコフレームは緑色に発光した。

武装(バンシィ・ノルン)[編集]

ビーム・マグナム
ノルンでは、銃身下部に回転式の弾倉を持つリボルビング・ランチャーを追加したものを携行している。
リボルビング・ランチャー
ビーム・マグナムの銃身下部に追加装着された、回転式の弾倉型オプション。用途に応じて収納された4種のユニットから選択可能で、近接防御用のビーム・ジュッテ、ボップミサイル、瞬光式徹甲榴弾 (MGaAP)、マイクロハイド・ボンブが装備されている。リアスカートにはビーム・マグナム用Eパックと同様にランチャー用の予備弾倉もマウント可能となっている。
イメージソースはRX-78-2 ガンダムのスーパーナパーム[62]
アームド・アーマーDE
攻防両方の性能を強化する増加サイコフレーム兵装。背部のアームド・アーマーXCにマウントすることで増速ブースターとしても使用され、この状態ではベースジャバー級の長距離高速移動が可能となる。名称の「DE」は「Defense - Extension(ディフェンス・エクステンション)」の略とされる[33][34]
漫画版『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』からアニメ版へ逆輸入される形で登場。ノルンが装備したDEは、内蔵兵装が「メガ・キャノン」と表記されている。また腕部装着時、『バンテシネ』の1号機とは方向を逆(砲口を掌側に向けた状態)に装備する。
ハイパー・ビーム・ジャベリン
漫画版『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』で登場。シールドの裏に二つ折り状態で装着している。ビーム刃の発生器のカラーリングが『バンデシネ』第14巻特装版の表紙では、バンシィ・ノルンと同色(装甲色が黒、サイコフレームの発光色は金色)となっている。

特殊装備[編集]

アームド・アーマーXC
バックパックに追加された増設ジェネレーター兼サイコミュユニット。ジェネレーター強化だけでなく、デストロイモード時には鬣状に展開・変形して頭部のブレードアンテナと連動し、搭乗するパイロットから放たれる感応波と、敵性サイコミュ機が発する感応波の送受信能力をそれぞれ増幅させる。ニュータイプ能力の低いパイロットの微弱な感応波も感知可能であるため、デストロイモードの発動条件もいくぶん緩和されている。名称の「XC」は「Xeno - Connect(ゼノ・コネクト)」の略とされる[33][34]
開発にはかつて存在していたという“忌むべき技術”が少なからず関連していると言われている[63]。この“忌むべき技術”とは、ニュータイプ的な素養の低いパイロットでも強制的に強化人間化させる「ナイトロシステム」のことで、これはそのナイトロシステムを応用して生み出された装備であり、NT-Dの発動とインテンション・オートマチック・システムによる思考操縦を向上させる役割を持つ[61][注釈 3]
中央ユニットを展開させると、ビーム・マグナムやアームド・アーマーDEなど武装をマウントすることも可能。

3号機 フェネクス[編集]

諸元
ユニコーンガンダム3号機 フェネクス
Unicorn Gundam 03 PHENEX
型式番号 RX-0
全高 ユニコーンモード時:19.7m
デストロイモード時:21.7m
本体重量 23.8t
全備重量 52.4t
出力 3,890kW(デストロイモード時は測定不能)
推力 206,770kg(デストロイモード時は測定不能)
センサー
有効半径
23,700m(デストロイモード時は測定不能)
武装 60ミリバルカン砲×2
ビーム・サーベル×4
ビーム・マグナム×1
シールド×2
アームド・アーマーDE×2
搭乗者 リタ・ベルナル
ヨナ・バシュタ

『UC』本編やOVA版には登場しない機体で、ガンダムフロント東京限定イベント上映作品『機動戦士ガンダムUC One of Seventy Two』に初登場[64]した。

通称となる「フェネクス」とは、グリモワールレメゲトン』の第1部『ゴエティア』に登場する「ソロモン72柱の悪魔」の一角を担う邪悪な不死鳥の名称。作品のサブタイトル「One of Seventy Two」の由来にもなっている。鳳凰をイメージした頭部アンテナの形状や黄金のカラーリングは、ユニコーンやバンシィと同様に「貴婦人と一角獣」に描かれた動物からコンセプトを得ており、その絵に描かれた鳥をモチーフとしている[64]。全身の金色の装甲塗装は耐ビーム・コーティングのためのエマルジョン塗装だが、その点に関する効用はそれほど高くなく、それ以上に宙域戦闘におけるステルス効果が高い[65]。サイコフレームの発光色は青。暴走状態ではツイン・アイの発光色が黄色から赤色に、サイコフレームの発光色は青色からオレンジ色[66]に変化する。また『機動戦士ガンダムUC 不死鳥狩り』にて覚醒状態となった際には、サイコフレームは緑色に発光している。また当初は、サイコフレームの発光色を黄色に想定し、装甲色を白と黒で塗装したνガンダムを彷彿させるカラーリングを予定していたが、耐ビーム・コーティング塗装を試作することになり、全身金色のカラーリングに変更となったため、架空の案となった[67][注釈 3]

UC計画にビスト財団が関わることを良しとしない地球連邦軍高官のラーソン中将の指示により、納入前の未完成状態であった試験用のフル・サイコフレームの素体を用い、1号機と2号機の建造データを反映させて連邦軍が独自に組み上げた、マーサ・ビスト・カーバイン曰く「つまらない意地で勝手に造った」機体。武装は1号機の基本装備に加え、背部にバックパック用シールド接続フレームを増設することでアームド・アーマーDEを2枚1対の大きな翼のように装備している。それらを左右の腕部に装着することで、メガ・キャノンの発射形態をとれる。また、フェネクスのアームド・アーマーDEはIフィールドを内蔵しており防御にも使える上、それ自体を大型のファンネルとして投射することも可能である。

宇宙世紀0095年12月3日にマーサの立ち会いの下、アナハイム社が組み上げたバンシィ(U.C.0095Ver.)との合同評価試験を実施。「袖付き」のニュータイプ専用分離可変機リバウとの交戦中、NT-Dを発動させたバンシィの優位に焦るラーソン中将の指示により、NT-Dのリミッターを解除される。その後、バンシィとのサイコフレームの共鳴により暴走し、標的をリバウからバンシィへと変更して撤退させた後も暴走は治まらず、最後にはラーソン中将の乗る母艦エシャロットのブリッジを破壊し、この試験を指揮していたラーソン中将を含む試験員らの多くの死者が出た。この大惨事の後のフェネクスの処遇は不明であった。

『UC』の外伝漫画『機動戦士ガンダムU.C.0094 アクロス・ザ・スカイ』の最終話では、その続編となる漫画『機動戦士ガンダムU.C.0096 ラスト・サン』へと繋がる伏線として、アームド・アーマーXCを装備した状態で登場。宇宙世紀0096年、インダストリアル7にてユニコーン1号機とクシャトリヤの交戦の一報を受け、「UC計画」がビスト財団によって、連邦軍が本来意図していた計画遂行目的と道を違えてしまったことから、独自に組み上げられた本機の凍結が解除された旨が明かされた。また、アームド・アーマーXCが新型のナイトロシステムであることも示唆されている。

『アクロス・ザ・スカイ』の続編『機動戦士ガンダムU.C.0096 ラスト・サン』では、アームド・アーマーXCを装備していない状態で登場。連邦軍輸送艦アンヴァルと、それを襲撃したジオン軍残党メイルメル隊との戦闘に突如として乱入する。だが、フェネクスが銃口を向けたのはアンヴァルでもメイルメル隊でもなく、アンヴァルに同乗していた『ラスト・サン』の主人公である少年サン・プレースらニュータイプ的素質を持つ子供たちに対してであった。その凶行に対し、アンヴァルとメイルメル隊の大人たちは、なし崩しに共闘することになる。本作では“獲物”以外の相手は基本的に眼中にないが、邪魔する相手は誰であろうと手加減も情け容赦もなく倒すという、単なる機械的反応というよりもはや生身の獣の本能に近い行動を見せた。

原作小説本編には登場しないが、原作者福井晴敏書き下ろしの外伝小説『機動戦士ガンダムUC 不死鳥狩り』にて登場、小説版『UC』の世界観での処遇が明らかにされることになった。宇宙世紀0096年、暴走事故を起こして以来行方不明となっていたフェネクスを捕獲せんとする、連邦軍の少数精鋭部隊「シェザール(猟人)隊」が秘密裏に遂行する作戦「不死鳥狩り」が描かれ、小説版『UC』のバナージらの最終決戦の裏側で繰り広げられた、ヤクト・ドーガ(OVAにも登場した黄土色の「袖付き」仕様)を臨時のコア・ユニットに代用したネオ・ジオングとの戦いが明らかにされた。

その作中では、前述のバンシィとの合同評価試験の際、連邦軍の強化人間パイロットであるリタ・ベルナルが操縦していたことが判明。だが、彼女はフェネクスの暴走により、肉体を失い意識だけが機体に宿った状態となってフェネクスと一体化し[注釈 9]、約半年もの間宇宙を漂っていた。リタは、ネオ・ジオングがその真の主の手に渡り真価を発揮すれば、“”を可視化するなど、やがては時空をも操り世界の理すら破壊しかねない危険性を秘めた「今の人の世界に存在してはならないもの」であると断じており、相手が自分を強化人間にした者たちであったとはいえ、フェネクスの暴走に呑まれるがまま多くの命を奪い去ってしまった自身に科せられた贖罪として、幼馴染である地球連邦軍のヨナ・バシュタ中尉を導き、フェネクスの力を用いてのネオ・ジオング本来の主であるフル・フロンタルの手に渡る前の破壊、という使命を成し遂げようとした。

まだ完全な状態ではないにもかかわらず、搭乗する強化人間パイロットをその場にいないフロンタルの虚無を投影するための“装置”として利用し、フェネクスを圧倒するネオ・ジオングだったが、ヨナはリタの助力でサイコフレームを最大共振させ緑色に発光させるフェネクスで懐にまで接近、代用コアを担うヤクト・ドーガの胸部装甲に右の掌で接触し、波紋状のサイコ・フィールドをネオ・ジオングの隅々に伝搬させた。するとネオ・ジオングの巨躯は身悶えするような挙動を起こし、背後のサイコシャードが自壊し始めた。それらの破片はフェネクスに隷属するように背中に集積し、全長100メートルを超える巨大な虹色に輝く翼を形成し、その翼でネオ・ジオングの全体を優しく包み込むと、フロンタルの虚無は退散しネオ・ジオングはヤクト・ドーガと共に浄化されるように内側から瓦解し灰塵となった。 その戦いの後、フェネクスはヨナを降ろし、リタの魂と共に宇宙の彼方へと旅立って行った。

その他[編集]

フルアーマー・ユニコーンガンダム・プランB[編集]

トレーディングカードアーケードゲームガンダムトライエイジ』に登場。各種アームド・アーマーの存在を知ったタクヤが考案したもう一つのフルアーマー・プラン。「プランB」の“B”には「青(Blue)」の意味も込めているとされる[68]。1号機をベースに背部にアームド・アーマーXCとアームド・アーマーDEが2基、右腕にアームド・アーマーBS、左腕にアームド・アーマーVN、携行武器としてハイパー・ビーム・ジャベリンを装備。頭部ブレードアンテナの展開面の配色と、サイコフレームの発光色は青色に変更されている。

G-フェネクス[編集]

宇宙世紀の次の世紀「リギルド・センチュリー」を舞台とした作品『ガンダム Gのレコンギスタ』の外伝として、ガンダムフロント東京にて限定イベント上映された映像作品『ガンダム Gのレコンギスタ FROM THE PAST TO THE FUTURE』に登場する機体[69]。キャピタル・アーミィのマスク大尉がパイロットを務める。

キャピタル・アーミィが「ヘルメスの薔薇の設計図」に記載されていたユニコーンガンダム3号機「フェネクス」のデータを基に、リギルド・センチュリーの技術をもって復活させた機体。キャピタル・アーミィにおける型式番号は「CAMS-RX0」。その全身は黒いメタリック装甲で、サイコフレームの発光色は赤となっている。キャピタル・タワーに漂着したサイコフレーム素材を回収したことで再現製造が可能となった。その内部フレームが露見する特殊モード発動時には、フォトン・バッテリー由来とは異質の光を放つ。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ ただ書籍などの機体解説の見出しにおいて「RX-0 ユニコーン」とした記載はない。
  2. ^ プランとしては「νガンダム ヘビー・ウェポン・システム装備型」において検討されていた、とされる[4]
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m 『モビルスーツアーカイブ RX-0 ユニコーンガンダム』の奥付には“本書は「公式設定」ではなく、ガンダムシリーズに登場する「RX-0 ユニコーン」について書かれた歴史的・技術研究書であり、作中のエピソード後に「作中世界の中で刊行された書籍」という設定に基づいて執筆されているため、作中・関連作品などと異なる設定解釈が含まれる場合がありますがご了承ください。”といった旨の注記がある。
  4. ^ 「ニュータイプ・ドライブ」という名称が、開発に携わった技術者を欺くための表向きの名称であったのか、それとも発動条件の変更を踏まえて改名されたものであったのかは、劇中では明言されていない。また1号機のシステムがそのように呼ばれていたことをアルベルトが知っていたかどうかも明示されず、知っていてそのように表現したのか、偶然に言い当てていたのかは明らかではない描写になっている。
  5. ^ アニメ版では戦闘中には虹色に発光していない。
  6. ^ 小説版のみ。
  7. ^ バンシィ・ノルンに搭載された同装備の名称は「メガ・キャノン」。
  8. ^ 「Vibration - Nail(ヴァイブレーション・ネイル)」の略としているものもある[58]
  9. ^ リタの肉体がどうなったのかは不明。ヨナがフェネクスのコックピットを開けた際には中は無人であった。

出典[編集]

  1. ^ 「ガンダムフロント東京」1番人気の映像体験ゾーン「DOME-G」の映像が完全リニューアル! 夏のお楽しみイベント続々スタート!:バンダイプレスリリース
  2. ^ 『機動戦士ガンダムUC』第3巻(スニーカー文庫版)24頁。
  3. ^ 『機動戦士ガンダムUC』第3巻(スニーカー文庫版)29頁。
  4. ^ プラモデル「ユニコーンガンダム(デストロイモード)」組立説明書, 1/144スケールモデル HGUC, バンダイ 
  5. ^ 『機動戦士ガンダムUC 電撃データコレクション』28頁。
  6. ^ 『機動戦士ガンダムUC』第3巻(スニーカー文庫版)31-32頁。
  7. ^ 『機動戦士ガンダムUC』第4巻(スニーカー文庫版)250頁。
  8. ^ a b 『モビルスーツアーカイブ RX-0 ユニコーンガンダム』105頁。
  9. ^ プラモデル「ユニコーンガンダム Ver.Ka」組立説明書, 1/100スケールモデル MG, バンダイ 
  10. ^ 『機動戦士ガンダムUC』第3巻(スニーカー文庫版)27頁。
  11. ^ a b c 『機動戦士ガンダムUC』第8巻(スニーカー文庫版)157頁。
  12. ^ 『機動戦士ガンダムUC』第4巻(スニーカー文庫版)249頁。
  13. ^ プラモデル「シナンジュ」組立説明書, 1/144スケールモデル RG, バンダイ 
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  68. ^ 毎弾好評のトライエイジオリジナルMSの裏話が満載!『ガンダムトライエイジ』「BUILD G1弾」特集【第4回】に掲載されたIF設定より。
  69. ^ フェネクスが『G-レコ』の世界に登場!実物大ガンダム立像×壁面映像、3月21日より新演出スタート!

関連項目[編集]