スレッガー・ロウ

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スレッガー・ロウ (Sleggar Law) は、アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する架空の人物。

担当声優は、テレビアニメ版では玄田哲章、劇場版II・IIIでは井上真樹夫

劇中での活躍[編集]

地球連邦軍の航空航宙機パイロットで階級は中尉。外見は陽気なラテン系の伊達男。ホワイトベースジャブローを発ち、再び宇宙に向かう際に配属された。プレイボーイのごとく、のっけからミライ・ヤシマセイラ・マスへ言い寄るお調子者で軟派な言動とは裏腹に砲術・戦闘機の操縦に長けた職業軍人カツレツキッカのチビっ子トリオは「リュウさんみたいだ」と体格のいい彼の配属を喜んでいた。またブライト・ノアは同階級ながら年齢や実戦経験で長けた彼に気を遣っている様子が見られた。

ホワイトベースが再び宇宙に出た第31話では、シャア・アズナブルが艦長を務めるザンジバルに対しての戦艦同士の砲撃戦で、ホワイトベースの主砲を操作し、唯一ザンジバルに直撃弾を当てている。なお、劇場版『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』においては、砲撃手ではなく「005」とマーキングされたコア・ブースターのパイロットとしてガンダムガンキャノンと共に出撃している。第31話からヘルメットの耳の部分に「S」のエンブレムが入った、白いカスタム仕様のノーマルスーツを着用[1]。ただし第32話以降は青地に変更されている。

ホワイトベースがサイド6に寄港した際に、ミライのかつての許婚であったカムラン・ブルームが、ミライに強引に言い寄るところへ介入した。ホワイトベースのサイド6出港にあたりカムランが身を挺してホワイトベースの護衛をすると申し出るが、その好意を頑なに拒否するミライに平手打ちをし、カムランが本気で言っている事を解らせようとする。一見軽薄そうな彼の大真面目な説得を契機に、ミライの心は優柔不断なブライトから一気にスレッガーへと傾いてゆく。

第34話~第36話ではGファイターのパイロットとして出撃し、目覚しい戦果を挙げている。そして、ソロモン攻略戦も終盤に差し掛かった頃、機体損傷のため一度帰還するが、その時に彼の身を案じてブリッジから駆けつけたミライへ母の形見の指輪を預け、別れ際にキスを交わしている。再度出撃した際にドズル・ザビが搭乗するビグ・ザムが出現し、長距離ビームをバリアーで無効化しつつ圧倒的な火力で総指揮官ティアンムの旗艦タイタンを初めとする多数の艦船・MSを撃破していた。その猛進撃を食い止めるためにGアーマー(劇場版ではコア・ブースター)で攻撃が有効になるギリギリまで接近しての特攻を敢行する。が、コクピット付近にビグ・ザムのクローが命中し、気迫で更に無理押したための衝撃でGファイターの機体が大破、宇宙へ投げ出され戦死を遂げる。彼の犠牲はアムロ・レイの怒りを引き出し、同行していたガンダムはビームサーベルでのビグ・ザム撃破に成功している。ミライとの束の間の恋も虚しく、彼女に預けた母の形見の指輪はそのまま彼自身の形見となった[2]

主な搭乗機[編集]

パーソナルエンブレムは、「S」の文字の図案化。それにつかまったカラフルな翼の猛禽の後付設定がある(書籍『ガンダム エンブレムコレクション』)。

関連作品での活躍[編集]

  • 漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、面倒見の良い兄貴分的なベテランパイロットぶりが強調されている。初登場時にはジムを操縦しており、MS小隊の隊長としてジャブローに侵入するジオン軍への迎撃に当たった。その後、小隊の部下3名(全員宇宙に上がる前に戦死)と共にホワイトベースに乗り組み、ジムおよびコア・ブースターのパイロットとなる。オデッサ・ディに参加するも、シャア専用ザクと対決し敗北(直接的な描写はない)、アムロに救出されている。その後は、コア・ブースターに搭乗する機会が多くなる。テキサスコロニーでの戦闘ではガンタンクの砲手をつとめ、ブラウ・ブロの随伴機のザクを2機撃破している。ソロモン戦では、ガンダムを乗せビグ・ザムを追撃するも、クローでブースターを破壊された後、切り離したコア・ファイターで特攻し戦死した。
  • ゲームブック『機動戦士ガンダム0080 消えたガンダムNT』では、ソロモン戦後に宇宙空間を漂流していたところを救助されサイド6でジャンク屋となっている様子が描かれている。酸素欠乏症のため軽度の記憶喪失になっていたが、主人公のクリスチーナ・マッケンジーがア・バオア・クー要塞へ拉致された際に救出へ赴き、彼女をかばって戦死している。ただし、この作品はパラレル要素が強く公式設定という訳ではない。

その他[編集]

  • テレビ版にてスレッガーを演じた玄田哲章は、劇場版ではビグ・ザムを操縦するドズル・ザビを演じている。
  • 監督の富野由悠季は、映画『ロッキー』で主役を演じたシルヴェスター・スタローンのような風貌にしてくれ、とキャラクターデザイン安彦良和に依頼したが、安彦は「『ロッキー』を観ていなかったのでかなり困惑した」とのちに述懐している。
  • 重要な小物である「母親の形見の指輪」であるが、『機動戦士ガンダム記録全集』には「母親とスレッガーの写真」という設定の安彦作のイラストが載せられ、その脇に「きっと彼(スレッガー)の死を知っても悲しみを呑み込んで生きていくでしょう」との文章が添えられている[3]。アニメ評論家の氷川竜介は、このイラストを根拠に「母の形見だというのは、浮わついたミライの気持ちを収めるための嘘という可能性が大きい」との説をGUNDAM.INFO内「ネイティブガンダム」第36話で挙げている。 また、漫画『機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのメモリーより―』ではカイやアムロ達に女性を口説く方法として、「母の形見と嘘をついて指輪を渡す」ことを教えていたり、スレッガー自身が母親が健在であると語るなど、同作では「ミライに託した指輪は母親の形見などではなかった」可能性を示唆している。

脚注[編集]

  1. ^ 漫画『機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのメモリーより―』では、この白いスーツはプロトタイプであり、ジャブロー配属時にスレッガーに合うサイズがそれしかなかったため、仕方なく着ていたとしている。
  2. ^ 漫画『機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのメモリーより―』では、戦死は軍人にとって免れられない事実であると認めた上で「せめて死ぬときに納得だけはしていたい」と語っている。
  3. ^ 『機動戦士ガンダム 記録全集3』日本サンライズ、1980年7月、130頁。

関連項目[編集]