ズサ

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ズサ (ZSSA) は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器「モビルスーツ(MS)」のひとつ。初出は、1986年に放送されたテレビアニメ機動戦士ガンダムΖΖ』。

作中の軍事勢力のひとつであるネオ・ジオン軍の量産機。ほかのMSよりも小型だが、着脱式の背部ブースターや大量のミサイルを装備しており、高い機動性と火力を発揮する。作中序盤では、ネオ・ジオン将校のマシュマー・セロが搭乗する。

本項では、各バリエーション機や、テレビアニメ『∀ガンダム』に登場するズサンの解説も行う。

機体解説[編集]

諸元
ズサ
ZSSA
型式番号 AMX-102
頭頂高 15.0m
本体重量 23.7t
全備重量 74.5t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 1,820kW
推力 17,300kg×2(ブースター上側)
32,400kg×1(ブースター中央)
26,700kg×2(ブースター外側)
(総出力)120,400kg
センサー
有効半径
10,800m
武装 ビーム・サーベル(出力0.62MW)×4
ビーム・ライフルバウ用を装備)
AMS-02H 7連装ミサイルポッド×2(ブースター)
AMS-03H 4連装ミサイルポッド×2(ブースター)
AMS-05S 腕部3連装ミサイルポッド×2
AMS-02S 内蔵ミサイル×38
拡散ビーム砲(出力7.64MW)
30mmバルカン×2
シールド(「袖付き」仕様)
ビーム・マシンガン(「袖付き」仕様)
ショットガン(「袖付き」仕様)
搭乗者 マシュマー・セロ
ネオ・ジオン一般兵
その他 姿勢制御バーニア×18

近接戦闘用MSであるガルスJの後方支援を目的とした機体。第一次ネオ・ジオン抗争初頭にマシュマー・セロの手によって実戦試験が行われ、その結果が良好であったことから量産化が決定。ネオ・ジオン軍の地球圏侵攻作戦に合わせ、相当数が配備された。

大型化が著しいU.C.0090年代前後のMSのなかでは全高15メートルという小型機だが、火器を内装した大型複合ブースターユニット(ブースター・ポッド)を背面に装着することで、当時の一般的なMSを凌駕する火力と推力を発揮する。ブースターの大推力を活用した一撃離脱戦法による強襲攻撃や爆撃、拠点防衛などに使用され、ブースターを排除することで接近戦にも対応できる。

武装[編集]

ビーム・ライフル
バウと共通のライフルを装備。
ビーム・サーベル
脚部内のラックに2基ずつ、計4基を装備。
30mmバルカン砲
首元に計2基内蔵されたけん制・対人用火器。装弾数は800発。
拡散ビーム砲
腰部中央の装甲に1門を内蔵。
ミサイル・ポッド(ミサイル・ランチャー)
胸部・大腿・脛の左右に小型通常弾のAMS-02Sを計38発、両前腕の3連装ポッドに近接信管式のAMS-05Sを計6発、ブースター左右の7連装ポッドに大型のAMS-02Hを計14発、同じくブースター左右の4連装ポッドにやや小型のAMS03Hを計8発、総計66発を装備。
マシュマー機はブースターを装着せず、右肩にポッドのみを装備しているが、『機動戦士ガンダムUC』に登場する「袖付き」仕様機では、肩部ミサイルポッドを前後に分割して機体側とブースター側両方と接続する構造と解釈され、マシュマー機の装備形態を無理なく再現できるように配慮されている。
ビーム・マシンガン、シールド、ショットガン
アニメ版『UC』で「袖付き」仕様機が装備。マシンガンとシールドはギラ・ドーガ、ショットガンはケンプファーからの流用品。

ズサ・ブースター[編集]

『ZZ』本編中ではブースター単体運用はされないが、後年のゲーム作品でズサ・ブースターという名称で登場している。

ブースターはほかのネオ・ジオン製MSとも一定の互換性を持ち、MS本体の推進剤を節約しつつ戦場に輸送するサブフライトシステム的な運用も想定されている。さらに内部には標準的なリニアシート型コクピットを備えており[1]、単体の宇宙突撃艇としての運用が可能となっている。また、積載されたミサイルを炸薬としてそのまま敵機に体当たりする特攻運用も考慮されていた[1]

劇中での活躍
スペースコロニー「シャングリラ」で、マシュマー機がジュドー・アーシタ搭乗のΖガンダムと交戦。コロニー内でのマシュマー機は肩部にミサイルポッドのみを装着して出撃するが、設定画やプラモデルでは肩部ミサイルポッドはバックパックに接続される構造であるため、どのようにして装着しているかは不明。
カラーリングは通常のイエローとグレミー軍仕様のグレーの2種類が存在。『機動戦士ガンダムΖΖ』第46話では、バウ用のビーム・ライフルを装備した機体が登場する。
『機動戦士ガンダムUC』では、ジオン的なグリーンへの再塗装および、「袖付き」所属を示すエングレーブ調の装飾が両手首に施され、テニスン艦隊の指揮下で稼動している。最終決戦では、ショットガン装備の機体がネェル・アーガマに取り付き、同じく取り付いたシュツルム・ガルスの支援を行う。

ズサ・カスタム[編集]

諸元
ズサ・カスタム
型式番号 AMX-102C
頭頂高 15.0m[2]
本体重量 22.5t[2]
全備重量 61.8t[2]
装甲材質 ガンダリウム合金[2]
出力 2,250kW[2]
推力 129,800kg[2]
センサー
有効半径
10,800m[2]
武装 ビーム・サーベル
ガン・スピア
攻撃用パックAK-90S
搭乗者 アルヴェニシカ・キースト

漫画ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』に登場。名称は初出の『MJ』1988年10月号では「アニー専用ズサ[2]、『ENTERTAINMENT BIBLE』シリーズでは「ズサ・カスタム」[3]、『MS大全集』シリーズでは「ズサ改」とされる[4][5]。ゲーム『SDガンダム GGENERATION』シリーズでは「ズサカスタム」と表記された[6]

宇宙世紀0090年に過激派組織「NSP」の「カラード」隊が運用するズサの改修機。本体のミサイルはすべて撤去され、ジェネレーターを強化している[2]。また、ブースターは通常型と異なる攻撃用パックAK-90Sを装備、左右にミサイル各12発を内蔵し[3]、両肩にかぶさるユニットにはビーム砲を1門ずつ装備する[6]。以上により全備重量を大幅に削減することに成功し[4]、運動性や格闘戦性能が向上している[3]。なお、攻撃用パックには異なる仕様も存在するという[3]

主兵装は右前腕にはめるようにマウントする3連装の速射式ビーム砲[3]「ガン・スピア」で、銃身下部にヒート・ナイフを装備する[2]。塗装は赤を基調とし、左胸のみピンクに塗られ、パイロットの"Annie"の名が記されている。また、左襟には"Kiss me Deadly"と記されている[7]

デザインは福地仁[2]

作中での活躍
カラード隊のパイロット、アルヴェニシカ・キースト(アニー)が搭乗。サイド6における連邦軍襲撃作戦に参加するが、連邦軍アラハス所属のDガンダムとの交戦中にカラードのリーダー、エルデスコ・バイエのザクIIIを有線爆弾からかばって大破する。なお、作中ではガン・スピアは装備していない。

ズサ・ダイン[編集]

諸元
ズサ・ダイン
ZSSA DAIN
型式番号 AMX-013
武装 ガン・スピア
腕部クロー
胸部ビーム砲×2
背部メガビーム砲
ミサイル・ポッド
搭乗者 アルヴェニシカ・キースト

漫画『ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』に登場。

ズサの開発チームが手がけたズサベースの格闘戦用機。ベース機ではオプションだったミサイルポッドおよびブースターが、本体との一体式に改められた。格闘用とされてはいるが、胸部ビーム砲やメガビーム砲を装備し、腕部にはクローを備えているため、オールレンジに対応可能であり、汎用性が高い。

劇中での活躍
捕虜から脱走して復員し、ネオ・ジオンのレウルーラに合流したアニーの乗機となる。武装としてズサ・カスタムのガン・スピアを引き続き使用する。

ズサブースター・マリンタイプ[編集]

雑誌企画・漫画『A.O.Ζ Re-Boot ガンダム・インレ -くろうさぎのみた夢-』に登場。

火星のジオン軍残党組織「火星独立ジオン軍」(ジオンマーズ)が、対立するジオン軍残党組織「レジオン」の飛行禁止令によって運用不能になったズサ・ブースターを水中戦用に改造したもの。推進器や整流カバーが水中仕様に改造され、バラストタンクが増設されたほか、ブースター自体にモノアイセンサーを有している。武装はドラムフレームに接続した3連装の魚雷ポッド2基とビーム・ショットライフルなど。

ジオンマーズと同盟を結んだティターンズ残党の水中仕様ジム・クゥエル(ガンダム型頭部)に装備され、「輝ける星作戦」に際してレジオンがガンダムTR-6[インレ]の建造を進める氷河地下秘密基地の攻撃に投入されている。当然ジム・クゥエルとの互換性には問題があり、そのままでは動作しなかったが、OSをBUNNySに変更することで簡単に接続されている。

ズサン[編集]

諸元
ズサン
ZSSAN
型式番号 G-M2F(ギンガナム艦隊)
AMX-1002
装甲材質 ガンダリウム合金
武装 7連ショルダーミサイルポッド
腕部3連ミサイル×2
大腿部6連ミサイル×2
脚部6連ミサイル×2
アームパンチ×2 ほか
搭乗者 ギンガナム艦隊大名、カシム ほか

テレビアニメ『∀ガンダム』に登場。

ギンガナム艦隊が月面のマウンテンサイクルから発掘したMSで、同艦隊の月面残存部隊によって運用された。無人機としての運用が可能だが、行動に規則性があるために読まれやすく、コントロールを行う有人機が撃破されるとさらに行動が単純化するという欠点をもつ。

ギンガナム艦隊における型式番号「G-M2F」のうち、 "G" はギンガナム艦隊、 "M" はMS、 "2" は2番目に発見されたこと、 "F" はファイターを意味するらしい。本来の型式番号は、コクピットのコンソールに表示された「AMX-102」あるいは「AMX-1002」である。その姿は、シャングリラでマシュマーが試験運用していた機体によく似ている。なお、頭頂高は不明だが、公式サイトでの説明によればズサよりダウンサイジングされている模様[8]

ガルスJのようなアーム・パンチ機構を装備しており、脚部ミサイルポッドは格闘用のワイヤーアンカーになるなど、近接格闘戦を重視している。

劇中での活躍
月面残存部隊で、6機(有人2、無人4)が地球への出発準備を進めるディアナ派の足止めに使用される。初見では回避が困難なワイヤーアンカーを効果的に使い、ディアナ親衛隊のスモー2機を撃破するが、ハリー・オードには通じず回避されたうえ、上記の欠点を見抜かれて有人機1機を撃破される。
備考
第46話の絵コンテチェックの段階で、登場メカが足りないという理由から急遽設定された[9]。「3日くらいで仕上げられるメカは何かないか?」という中、「ただビームとミサイルを撃つだけではつまらない、ズサだったら何かできるんじゃないか」ということで選択され、さらにワイヤーやアームパンチといったアイデアを付加されて完成した[9]

脚注[編集]

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  1. ^ a b プラモデル『1/144 ズサ』取扱説明書より。
  2. ^ a b c d e f g h i j k 『MJ』1988年10月号、バンダイ、43頁。
  3. ^ a b c d e 『ENTERTAINMENT BIBLE .3 機動戦士ガンダム MS大図鑑 【PART.3 アクシズ戦争編】』バンダイ、1989年6月、119頁。
  4. ^ a b 『機動戦士ガンダム MS大全集Ver.3.0』バンダイ、1992年6月、132頁。
  5. ^ ただし小口のインデックスでは「ズサ・カスタム」と表記。
  6. ^ a b SDガンダム GGENERATION-0』バンダイ、1999年8月。
  7. ^ うしだゆうじ『アンダー・ザ・ガンダム 』バンダイ、1990年11月、32頁。
  8. ^ ズサン - モビルスーツ ∀ガンダムWeb
  9. ^ a b 『ニュータイプ100%コレクション41 ∀ガンダムVol.2』58頁。

関連項目[編集]