ゾック

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ゾック (ZOCK) は、アニメ機動戦士ガンダム』に登場する架空の兵器。

ジオン公国軍の試作型水陸両用モビルスーツ (MS)。機体色はペールグリーン。

機体解説[編集]

諸元
ゾック
ZOCK
型式番号 MSM-10
分類 水陸両用モビルスーツ
所属 ジオン公国軍
製造 ジオン公国軍キャリフォルニア基地
生産形態 試作機
頭頂高 23.9m[1]/23.2m[2]
本体重量 167.6t[1]
全備重量 229.0t[1]/119t[2]
装甲材質 超硬スチール合金
出力 3,849kW[1](180,000馬力[3]
推力 253,000kg[1]
最高速度 地上:40km/h[4]
水中:63kt[1]/29kt[3]
武装 フォノンメーザー砲×1
メガ粒子砲(収束ビーム砲)×8
搭乗者 ボラスキニフ

MSにしては珍しく、前後対称の容姿を持つ。両肩に4門、前後合わせて計8門のメガ粒子砲を装備している。頭頂部にあるものはフォノンメーザー砲1門と公称されているが、実際はメガ粒子砲とであるとする資料もある[5](しかし劇中では頭頂部にある肩部メガ粒子砲と同型の部位からではなく、その周囲のスリットから光線を発射している)。これらの武装を稼働するため、一年戦争当時としては破格の、ザクIIの4倍近くの出力を持つ大出力ジェネレーターを搭載している。メガ粒子砲は連射も可能で連邦軍MSのビームライフルに匹敵し、1機で公国軍一個中隊のMSに匹敵する火力を有する[5]

しかし、これらの装備は機体の大型化と重量の増大をもたらし、機動性の大幅な低下を引き起こした。機体を支える脚部は歩行能力がなく、熱核ジェットエンジンによるホバーで移動を行う。緊急時は、脚部スラスターによる飛行で移動し、ジャンプ力はザクIIの数倍といわれている。前後対称の容姿(武装)を持っている理由は、運動性が低く、左右に移動する敵機の機動性に追いつけないためとも言われている[5]

腕部に爪(クロー)が装備されているが、武装としては飾りに近い。アンカーとしての使用が考えられていたらしい[5]。このため、MSというよりは移動砲台に近い機体である。これはモビルアーマー (MA) への過渡期に設計されたためで、生産計画では、小型MAとしての位置づけとなっている。

建造はキャリフォルニアベース[5]ドライドックで行われた[6]。熱核水流ジェットによる推進速度等の性能は良好だった。クチバシと俗称されるフェアリングシェル(整流殻)を可変式とし、角度を変化させることによって水中での機体周辺の抵抗・流体特性を調節しており、水陸両用MSの中では最高の整流効果となっている[5]

量産化の計画があったが、実際には試作機として3機が製造されたのみである。2号機はジャブロー攻略戦に実戦参加したが、目立った戦果もなくガンダムに撃破されている。残る2機は、北大西洋潜水艦隊「マンタレイ」にグラブロとともに配備され、実戦テストが行われた。このうち、1号機は輸送中に対潜攻撃機の攻撃により、潜水艦ごと撃破されている[7]。3号機の所在は不明(回収説あり)で、3機以外の機体(バリエーション)の存在が噂されているが、真偽は不明とされる[5]

劇中での活躍[編集]

アニメ『機動戦士ガンダム』
テレビ版
第29話にて、ボラスキニフが搭乗。機体を観たシャア・アズナブルに酷評を受けるも、ジャブロー基地の入り口を発見する功績を挙げ、本格的なジャブロー侵攻作戦の発端となった。最後はシャアの撤退を援護してガンダムに前後と頭頂部のメガ粒子砲を浴びせるが、ことごとくかわされ撃破されている。
劇場版
頭部の一部を水面に出して偵察するシーン、および戦闘中にメガ粒子砲を放つ。その後、61式戦車の砲撃で撃破された。撤退するシャアをアムロが追うシーンが大幅にカットされたため、それに伴ってガンダムとの直接の戦闘シーンも無い。
漫画 『機動戦士ガンダム
宇宙用高速高機動モビルアーマーとして登場。キシリア・ザビの命令を受けたマ・クベが搭乗するもガンダムに撃墜されている。その際、爆散する機体にドズル・ザビの旗艦が巻き添えにされて爆沈している。
漫画『機動戦士ガンダム0079
テレビ版同様、ジャブロー攻略戦に参加するが、最低2機が投入されている。
漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN
ボラスキニフが搭乗し、ベルファストで出撃するが、すぐに後退。この際、シャアはもしガンダムの出撃が確認されたら、自らが本機に搭乗する意向だった。その後、大西洋上のホワイトベースと交戦、ウォン伍長のコア・ファイターを撃墜するも、スレッガー中尉のコア・ファイターのミサイル攻撃によって撃墜されている。
漫画『ロボゾック』安永航一郎・作(サイバーコミックス22に掲載)
戦闘シーンはテレビ版に準ずるが、シャアによって葬り去られたガルマ・ザビの脳が紆余曲折を経てゾックに移植されている。それが覚醒したことでゾックはボラスキニフの操縦を無視してシャアへの復讐に走るも、途中殺気立ったガンダムに撃破された。
漫画『機動戦士ガンダム オレら連邦愚連隊
ジャブロー戦後、敗走を続ける友軍の逃走時間を稼ぐため、連邦軍北米トロント補給基地を襲撃している。2度の防衛作戦を打ち破り、トロント市街にまで到達するものの、教導団ネメシスにより撃墜されている。なお、往年の怪獣映画を思わせる描写がされていた。
漫画 『機動戦士ガンダム サンダーボルト
第8集に、「モビル・フォートレス「ゾック」」と呼ばれる機体が登場。MSM-04「アッガイ」を4機収容している。
漫画 『アッガイ博士』
第2巻で、全MSメーカーの水陸両用MSによる競技会に参加、ボラスキニフがパイロットを務めている。ただし、開催時期は地球侵攻作戦直前とされている。

ゲームでの扱い[編集]

機動戦士ガンダム』『機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles
デザインがアレンジされたゾックが登場する。4本脚化された脚部や、大型化された両腹部のフェアリングシェルが特徴である。
機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオンDX』『機動戦士ガンダム ガンダムvs.Ζガンダム
本機を連邦軍が鹵獲して白を基調に再塗装した、地球連邦軍仕様機が登場する。
機動戦士ガンダムオンライン
ジオン軍の重撃機体として登場する。武装は正面へ攻撃するメガ粒子砲とクローしか存在しない。設定とは違いジャンプ力も一般的なMS以下しかない。攻撃力、アーマーは高いものも、その巨体ゆえの当たり判定の大きさや機動力の低さはゲーム内屈指であり、実質趣味的な機体となってしまっている。カラーリングは赤、青、深緑、白、黒、黄など。
リアルロボット戦線
戦略SLGであるこの作品では背面から攻撃されると反撃できないというシステムだが、「両面表」という特別な機体能力がゾックにのみ設定された。

備考[編集]

本機の決定稿は、監督である富野由悠季のラフ画とほとんど変わらない。大河原は清書しただけなので、ほぼ富野デザインメカと認められる[要出典]

本機のプラモデルはガンプラブーム時の1981年に、1/144スケールで発売されている。また、2007年7月にハイグレード・ユニバーサルセンチュリー (HGUC) シリーズでも発売された。これで、ファーストガンダム(テレビ版および映画版アニメ『機動戦士ガンダム』)に登場した全MSが、HGUCでリニューアルキット化された。なお、現在に至るまでマスターグレード (MG) 化はされておらず、ファーストガンダム登場MSで1/100スケールのキット化がされていないのは、本機のみである。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑 PART.1 一年戦争編』(バンダイ、1989年)
  2. ^ a b 『テレビマガジン』1981年3月号付録『機動戦士ガンダム大事典』下巻(講談社)
  3. ^ a b 『講談社ポケット百科シリーズ15 ロボット大全集1 機動戦士ガンダム』(1981年)
  4. ^ 『講談社のポケットカード8 機動戦士ガンダム モビルスーツコレクション』(1982年)
  5. ^ a b c d e f g 『HGUC ゾック』取扱説明書より。
  6. ^ 『モビルスーツバリエーション2 ジオン軍MS・MA編』1984年、講談社
  7. ^ 『模型情報・別冊・MSバリエーション・ハンドブック2』1983年、バンダイ