機動戦士ガンダム サンダーボルト

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機動戦士ガンダム サンダーボルト
ジャンル SF、ロボット、ガンダムシリーズ
漫画
原作・原案など 矢立肇富野由悠季(原案)
作画 太田垣康男
出版社 小学館
掲載誌 ビッグコミックスペリオール
レーベル ビッグスペリオールコミックススペシャル
発表号 2012年No.8 -
巻数 既刊7巻(2015年12月現在)
OVA
原作 矢立肇、富野由悠季、太田垣康男
監督 松尾衡
脚本 松尾衡
キャラクターデザイン 高谷浩利
メカニックデザイン 仲盛文、中谷誠一カトキハジメ
アニメーション制作 サンライズ
製作 サンライズ
発売日 2015年 - 2016年
話数 全4話
テンプレート - ノート

機動戦士ガンダム サンダーボルト』(きどうせんしガンダム サンダーボルト)は、太田垣康男による「ガンダムシリーズ」の漫画作品、及びそれを原作とするアニメ作品。

当項目では外伝作品『砂鼠のショーン』、Webコミック版『機動戦士ガンダム サンダーボルト外伝』についても述べる。

概要[編集]

小学館の青年漫画雑誌「ビッグコミックスペリオール」2012年No.8(4月13日号、3月23日発売)より連載を開始。

テレビアニメ機動戦士ガンダム』の「一年戦争」を舞台とした[1]オリジナル作品であり、本作『サンダーボルト』にも人型機動兵器モビルスーツ(以下MS)が登場する。だが、作中登場するMSや艦艇などのメカニックは、独自の設定やデザインを盛り込んで大幅にアレンジされている。これらのデザインに対し、太田垣自身は「(自身の手法を)あえて変えようと思わず、自分がメカをデザインする上でこだわる部分やラインを、MSに入れ込んだらどうなるか?を考えながらデザインした」「人型でこだわった時に、どこまで合理的にできるか」「(同じく太田垣が手掛ける)漫画『MOONLIGHT MILE』で現実に近い宇宙開発メカを描いた経験を、『サンダーボルト』の登場MSに反映させている」とコメントしている[2]

月刊ホビージャパン』 (HJ) の2012年5月号から連載中のコラボレーション企画「サンダーボルトメカニクス」にて、アレンジされたMSのデザイン画と模型作例が掲載されており、それをまとめたムック本も2013年05月30日に発売された。また、バンダイから市販されている「ガンプラ(ガンダムのプラモデル)」でも、本作専用のカテゴリ「HIGH GRADE GUNDAM THUNDERBOLT(HGTB)」シリーズが展開されている。 なお、このシリーズは他シリーズよりも突起やエッジ部分が鋭く造形されており、ST基準に適合しない対象年齢15歳以上向けの商品となっている。商品のパッケージアートは太田垣自らが描き下ろしている。

2014年のテレビアニメ『ガンダムビルドファイターズトライ』の作中では、本作をガンダムシリーズ作品の1つとして、登場人物が本作のガンプラについて言及している。

外伝『砂鼠のショーン』は、「ビッグコミック」2013年第11号・第12号に前後編で掲載された。その後、『天才たちの競演』第2巻(小学館ビッグコミックススペシャル、2014年3月28日発売、ISBN 9784091861634)へ収録され、単行本へは2015年2月27日発売の第5集に収録された。

2015年10月28日にはアニメ化が発表された[1]

連載に至るまでの経緯[編集]

本作の連載は、神保町[2]の寿司屋で『スペリオール』編集長から持ちかけられ、二つ返事で承諾したとのことである[3]。太田垣は、本作を連載する以前の作品でのコメントで「『ガンダム』はSF作品をやる者にとっては最大の敵。SF作品をやるなら『ガンダム』でやらなかったことをやろうと、『ガンダム』的な要素を排除していた時期がある」と発言していた[2]こともあり、自身が以前は『ガンダム』のいわゆる“アンチ”だと思われていた様だが、Twitter上でガンダムのイラストなどを公開するようになってからはガンダム好きと知られるようになった、と回想している[2][3]。また「黒澤明の映画作品が好きだがオリジナル作品を作れなくなるので封印している。それと同様に、好きだけどモノマネになるのは嫌なので『ファーストガンダム』映画3部作も10年以上は観ていない。『サンダーボルト』連載のために観返そうとも思ったが、我慢した」とも語っている[2]

あらすじ[編集]

第1部 宇宙編(第1話 - 第32話)
宇宙世紀0079年12月、一年戦争末期、ジオン公国軍の拠点はア・バオア・クーを残すのみとなっていた[4]地球連邦軍はジオンにとって重要な補給路である「サンダーボルト宙域」の制宙権を奪還すべく幾度もMS部隊を派遣するが、スナイパーMS部隊「リビング・デッド師団」によってことごとく退けられていた。一方、連邦内の旧サイド4「ムーア」の再興を悲願とする一団「ムーア同胞団」[4]も貢献度を見せつけるため、艦隊を派遣する。
強力無比な武装や装甲を追加した最新鋭機フルアーマーガンダムとリユース・P・デバイス(以下「RPD」)を装備した実験機サイコ・ザクの戦いなど、さまざまな激戦の末に双方の艦隊は壊滅し、ジオン軍の艦艇「ドライドフィッシュ」を占拠したムーア同胞団の生存者たちはリビング・デッド師団の救援に駆け付けた「セイレーン機動艦隊」の捕虜となるが、ア・バオア・クー戦の混乱に乗じたかたちで脱出に成功し、終戦を迎える。
砂鼠のショーン
一年戦争終結から3か月が経過したアフリカ大陸の砂漠を舞台に、第1部で死亡したと思われるもジャンク屋集団「砂鼠」の用心棒として生きていたショーンが、連邦軍崩れの強盗団「砂漠の鷹旅団」と戦う姿を描く。砂塵と砲火を噴き上げる激戦を繰り広げた末に「砂漠の鷹旅団」を打ち破ったショーンは、その戦いの中で「砂漠の鷹旅団」から助けた後に自分たちを助けてくれた連邦軍女性パイロットのモニカを、「砂鼠」へ迎え入れる。
第2部 地球編(第33話 - )
一年戦争終結から7か月が経過した宇宙世紀0080年7月。戦争による連邦の支配力低下を機に独立を目論むインド洋周辺地域「南洋同盟」が極秘に開発しているRPDを奪取・破壊する「サンダーボルト作戦」を行うため、ホワイトベース級強襲揚陸艦「スパルタン」は地球へ降下した。一方、クライバー大佐らジオン軍残党もジオン再興のため、RPDの開発データを奪取する部隊を派遣する。そこにはイオとダリル、そして連邦軍の新型MS「アトラスガンダム」の姿があった。
Web外伝
一年戦争や本編の裏側で人知れず展開された、連邦軍やジオン軍のさまざまな戦いをオムニバス形式で描く。ホビージャパン誌「サンダーボルトメカニクス」との連動企画で、誌面に登場したさまざまな模型作例を世間にもっと知らせたいという意図で連載されている。

登場人物[編集]

地球連邦軍[編集]

ムーア同胞団[編集]

イオ・フレミング
- 中村悠一
地球連邦軍側の主人公。男性。階級は少尉。ムーア首長の息子だが、自身の経歴や肩書きを気にするような素振りは見せず、権威や上官に対しては反抗的な態度を取る。自分が死ぬことを望まれている状況とそれらから逃れられない宿命を理解しているが、従わず最大限抗う姿勢を見せる。
軍の検閲を抜けた海賊放送を任務中でも聴取することが趣味で、戦闘中もMSのコクピット内に小型のラジオとドラムスティックを持ち込んでいる。好きな音楽のジャンルはジャズ。コクピット内でもポケットティッシュで鼻をかむなど、鼻炎持ちであることがうかがえる。MSと戦争を自身が「自由」になれる場所として愛している。ジオン系MSのシミュレーター訓練を受けており、第2話で乗機のジムを撃破されながらも脱出に成功し、リック・ドムノーマルスーツの状態で鹵獲し帰艦する。
部隊内の自分より上位階級であったベテランパイロットが全員戦死したため、最新鋭のフルアーマーガンダムを与えられる。その後はリビング・デッド師団のスナイパーを次々と撃破して師団をほぼ壊滅に追い込むが、ダリルとの決戦に僅差で敗れ、ジオン軍セイレーン機動艦隊に機体ごと捕獲される。師団壊滅の恨みから南極条約違反の暴行を受けるが、ア・バオア・クー戦の最中に同じく捕虜となった仲間を救出して帰還する。
第2部では戦果とムーアでの多大な人気にも関わらず、ガンダムを鹵獲された事実と宣伝材料に使いたい姉・キャシーの意向から、後方基地への配属が決定していた。しかしダリルとの決着をつけるために彼女へ直談判し、アトラスガンダムのパイロットとしてスパルタンに配属される。
周囲の評価は、少年兵らを盾にしたなどとの誤解もあるなど、ダリルとは対照的に腕以外はあまり高くない。
アニメ版では中破したショーンの機体を盾にしながらダリルに接近するなど、残忍さが強調されている。
クローディア・ペール
声 - 行成とあ
空母ビーハイヴ艦長代理。女性。階級は中佐。ムーア上流階級の出身で、イオやコーネリアスとは幼馴染。コーネリアスからは「クロちゃん」と呼ばれている。
前任者の戦死を受けて部隊指揮官を引き継ぐが、部下たちからは「リーゼントのお飾り艦長」と揶揄されている。自分の命令で部下たちが戦死していくことに耐えられず薬物注射を行い、イオに激怒される。
損傷した空母ビーハイヴからの退艦指示を出した際、グラハム副長を抱えて脱出しようとしたところで彼に腹部を銃撃され、MIA(行方不明兵)となるが、当時連邦軍に参戦していた南洋同盟の宇宙艇に収容される。
その後回復し、南洋同盟の指揮官としてスパルタンと敵対する。
コーネリアス・カカ[5]
声 - 平川大輔
ビーハイヴのメカニック。男性。楽天的な性格であるが、人物や状況をよく観察しており、イオやクローディアの相談を受けることも多い。
空母ビーハイヴから退艦したのち、仲間と共に奸計を用いてドライドフィッシュの制圧に成功するも、セイレーン機動艦隊の前に投降して捕虜となる。しかし、ア・バオア・クー戦の最中にイオに救出される。
第2部では、スパルタン所属メカニックとして登場。チバに請われてアトラスガンダムのメカニックチームに引き抜かれる。
グラハム
声 - 咲野俊介
ビーハイヴ副長。男性。妻と娘をムーアとともに亡くしており、ムーアの支配者層であったフレミング親子やクローディアらを「国を滅ぼした無能」として憎悪している。
空母ビーハイヴが損傷した際には、自身も重傷を負う。退艦指示を出されるもそれを拒否してクローディアを銃撃、そのまま宇宙空間に吸い出されMIAとなる。
チバ
ビーハイヴのメカニック。男性。階級は大尉。
第1部ではムーア同胞団艦隊から脱出した兵(延いてはドライドフィッシュ制圧部隊)の指揮を取っていた。
第2部では、アトラスガンダムのメカニックとしてイオと共にスパルタンに合流する。

その他(地球連邦軍)[編集]

モニカ・ハンフリー
連邦軍総合参謀本部第三局次長。初老の女性。階級は大佐。温和で小柄な老貴婦人といった風体だが、大局的な視点と戦力を動かせる権限を持っている。
ア・バオア・クー戦の最中、戦後を見据えてサイコミュおよびフラナガン研究所研究員の接収を目的とする特務部隊を編成してこれを達成する。
第2部では、南洋同盟がRPDの開発データを入手したことの危険性を看破し、「サンダーボルト作戦」の最高司令官として自らもスパルタンに作戦参謀として搭乗する。
戦前は連邦のNT研究所で研究員を勤めており、レヴァンの素質を見出だしてさまざまな実験を行っていた。
ビンセント・パイク
スパルタン艦長。男性。階級は大佐。
ア・バオア・クー戦の時には、モニカが編成したフラナガン研究所接収のための特務部隊の艦隊指揮官であった。サンダーボルト作戦部隊でも、その要であるスパルタンの艦長として座乗する。
ビアンカ・カーライル
MSパイロット。女性。階級は少尉。スパルタンではガンキャノン・アクアに搭乗する。
オデッサ作戦ソロモン攻略戦ア・バオア・クー攻略戦などに参加し生き延びてきたベテランパイロットであり、背中には戦死時の識別、所属部隊の一体感を高めるために入れた部隊章の刺青でいっぱいになっている。
連邦軍入隊以前は「少しは名の売れたミュージシャン」であり、ボーカルとキーボード(ピアノ)担当。スパルタンの艦内でジャムセッションも開催している。

ジオン公国軍[編集]

リビング・デッド師団[編集]

ダリル・ローレンツ
声 - 木村良平
ジオン公国軍側の主人公。男性。物語開始時の階級は曹長だったが、のちに軍の命令で右手を切断され、二階級特進して少尉となる。リビング・デッド師団のエーススナイパーで、ミノフスキー粒子散布下にも関わらず敵を超遠距離から認識し、ロックオンや狙撃ができるという能力を持つ。おもな乗機は狙撃任務のザクIIやザクI、サイコ・ザク。
サイド3出身だが、商人だった父の仕事の関係で幼少時には地球に居住していた。反ジオン世論の高まりからサイド3に疎開するが、難民としてしかあつかわれず、父の病気を治療するためと母・妹の生活を良くするため、家族が市民権を得られるようにジオン軍へ入隊。開戦初期の歩兵戦で両膝より下を失い、以降は義足を付けている。イオにフーバーのリック・ドムを奪取された際に通信を交わしたことがきっかけで、互いに面識を持つ。イオと同じく、コクピット内に小型ラジオを持ち込んでいる。好きな音楽ジャンルはポップス
サンダーボルト宙域での戦闘で、艦内待機中に砲撃に巻き込まれ左腕を失い、無事だった右腕もRPD実験と艦隊を守るために軍の命令で切断されるが、絶望することなくカーラや同僚たちを励ます。その他にもフィッシャーの苦労を労うなど、非常に仲間思い。
ムーア同胞団を奇襲殲滅したのち、イオの乗るFAガンダムと激戦を繰り広げる。結果、僅差でガンダムを大破させるも、自身もサイコ・ザクを失う。
第2部ではオーストラリアのジオン影響圏に降りており、リビング・デッド師団の生き残りから慕われている。周囲も「艦隊を守るため自ら腕を切り落とした精神とガンダムを倒した凄腕を持つ」と評価している。RPD奪還部隊のMS部隊長となって隊を率いる。このとき、メカニックたちから「ブレードアンテナを生やし側頭部に「DL」と書かれた頭蓋骨」のパーソナルマークと、その上部に「SURVIVOR DL」の文字が入ったエンブレムを贈られる。
アニメ版では左腕を失う経緯が異なっており、イオとの交戦時にコクピットにビーム・サーベルを突き立てられ、その際に左腕切断の重傷を負う。
フーバー
声 - 伊東健人
ダリルの上官。階級は少尉[注 1]。おもな乗機はリック・ドム。「ジオン十字勲章受賞間近」と豪語する手練れのパイロットだったが、ダリルが「プレイボーイ気取りで嫌い」と評する通りかなりの女たらしだったらしく、婚約者がいながら同僚であるカーラと付き合っていた。
優勢な状況に油断した結果、ノーマルスーツで接近したイオに射殺される。奪われたリック・ドムは連邦軍によって解析され、ジオン軍がサンダーボルト宙域に配置したスナイパーの場所を割り出される。遺体が艦へ収容される時には、霊安室に運ぶより義手からのデバイスデータ回収を優先され、実験動物のようにあつかわれる。
アニメ版では「実は明確な婚約者はおらず、あくまで付き合いたい女性が本国にいることを示唆する」という程度に変更された。また、イオに射殺される場面は「通信機器の不具合をダリルに指摘され、その修正を試みた隙に射殺されたのをダリルが目撃する」という描写に変更されている[注 2]
ショーン・ミタデラ
声 - 浜添伸也
ダリルの仲間。階級は曹長。目を覆い隠すほどの長い前髪が特徴的。肩から下の両腕を失っているため、リユース・P・デバイスの開発においては、ダリルが腕を失うまでは上半身の動作試験を担当していた。おもな乗機はザクII→グフ・カスタム(『砂鼠のショーン』)。
イオのFAガンダムとの戦いで死亡したかに見えたが、『砂鼠のショーン』では脱出ポッドで地球へ降下し、戦後は一年戦争での使用兵器などを回収・転売するジャンク屋集団「砂鼠」の用心棒として生計を立てていることが明らかとなる。
フィッシャー・ネス
声 - 森田了介
ダリルの仲間。階級は曹長。おもな乗機はリック・ドム。両脚の膝上から先を失っている。
ムーア同胞団のガンキャノン・ジムキャノン部隊との激戦を繰り広げ、機体を中破させながらも自機のみで敵部隊をほぼ全滅させ、後方のセイレーン機動艦隊に合流してリビング・デッド師団の苦境を伝える。
リビング・デッド師団壊滅後もダリルの相棒として随伴し、RPD奪還部隊に加わる。
レイトン
声 - 岩瀬周平
ダリルの仲間。階級は伍長。ガトルのパイロットであり、リビング・デッド師団旗艦「ドライドフィッシュ」からビッグガン配置場所へのMSパイロットの送迎を担当している。この仕事をする最中はバスの運転手のような言い回しをしており、ダリルはその度に「子供一枚」「料金は学割で頼む」などとジョークを飛ばしていた。
ムーア同胞団との決戦の際には、ダリルの代わりにビッグガンを有線操作してムーア同胞団艦隊への砲撃を敢行するも、直後に同胞団艦隊から反撃の集中砲火を浴びて死亡。
カーラ・ミッチャム
声 - 大原さやか
女性技官。肩書きは教授。RPDの開発者。父親はジオン大学の教授だったが、現在は反戦運動の思想家として投獄中。父親を思想も含めて敬愛しているが、義肢の研究でジオンに貢献すれば父の死刑回避と恩赦がされると軍に告げられ、不本意ながらも協力している。ギレン・ザビ総帥から直接勲章を授けられるほどの優秀な技術者であるが、戦争に対するささやかな抵抗として勲章を身に付けていない。
軍の命令とはいえ、ダリルの唯一無事だった右手を切断したことに罪の意識を抱いている。
ドライドフィッシュを自爆させようとした際にコーネリアスらの説得を受けて投降に傾いたときに、ビーハイヴ残存兵による攻撃を受けて他の仲間が戦死したことを受け、カーラ自身も精神的ショックから幼児レベルへの精神退行を起こす。
第2部登場時には退行の状況に幾分の改善がみられ、小学生レベルまで回復している旨の所見が医務官より述べられている。これはダリルを父親と思い込むことで得られる精神的安定によりもたらされたものである。
J・J・セクストン
声 - 土田大
男性技官。カーラの助手としてリビング・デッド師団に同行している。出世欲にまみれた自己中心的な男で、RPDの有効性を軍上層部に知らしめることと、研究データを持ち帰ることを理由に挙げ、ダリルの無事だった右腕を切断するよう進言する。助手となったことも、アカデミーからカーラの監視に当てられていたためだったが、それを見抜いていた上で成果は渡し自らは残ろうとしたカーラに脱出を促すなど、情はあった模様。
艦が損傷した際にも他兵士を押しのけ、RPDの開発データと共にいち早く脱出した。脱出ポッドで漂流していたところを南洋同盟の掃海艇に回収され、同同盟にて密かにRPDの復活を行っている。
バロウズ
声 - 佐々木睦
リビング・デッド師団旗艦「ドライドフィッシュ」艦長。男性。右手は海賊を思わせるフック状の義手となっている。サイコ・ザクの命名者。
キース・マイヤーズ
デンバー・ローチ
声 - 河本啓佑

その他(ジオン公国軍)[編集]

クライバー
MS-14 ゲルググを多数配備している「セイレーン機動艦隊」の司令。男性。階級は大佐。リビング・デッド師団の苦境を知り、その報忠の精神を称賛し艦隊を率いてサンダーボルト宙域に急行。サイコ・ザクとの交戦で半壊状態のFAガンダムを鹵獲し、イオ以下ムーア同胞団の生き残りを捕虜とするも、ア・バオア・クー攻防戦において乗艦が撃沈され、自身は部下や鹵獲したFAガンダムと共に脱出する。
戦後はダリルたちリビング・デッド師団の生き残りの上官として反連邦活動に従事している。RPDとガンダムのデータをもって連邦への反攻作戦を企てており、南洋同盟に囲われているセクストン技師とRPDのデータを奪還すべくダリルたちを地球に降下させる。
ビリー・ヒッカム
ア・バオア・クー攻防戦でサイコミュ試験用高機動型ザクに搭乗していたパイロット。男性。階級は少尉。戦後はダリルの同僚として登場。部下であるセバスチャンからはNTとして慕われているが、ア・バオア・クー攻防戦でサイコミュ兵器をあつかえておらず、自身は「FAガンダムを倒したダリルこそが真のエースパイロットでありNTである」と言及している。それを見極めるために敢えて苦境のダリルに手を貸さないなどの行動を取る。オニオンが苦手。
セバスチャン
ビリーの部下。男性。ビリーへは部下というよりは従者に近い態度で接しており、ビリーこそがニュータイプであると見ている。

南洋同盟[編集]

レヴァン・フウ
ア・バオア・クー戦前後に連邦軍の依頼を受けて南洋同盟の掃海艇を率い、ジオン、連邦両軍の残骸、遺体の回収と遺体の供養を行っていたが、J・J・セクストンの乗る脱出ポッドを回収。セクストンが持っていたデータから、リユース・P・デバイスに興味を抱く。
僧兵達からは「僧正」と呼ばれ、僧兵が戦死する際には名を叫ぶなど、南洋同盟内でのカリスマ性は高い。
連邦の実験施設にて12歳の頃より15年間に渡り、さまざまな実験の被験体となり特殊な感応能力を引き出された強化人間であり、その際、実験の指揮をとっていたのはモニカであった。
チャウ・ミン
南洋同盟のMSパイロットである少年。搭乗機はグフ。クローディアを「比丘尼様」と呼び、慕っている。

民間人[編集]

キャシー・フレミング
イオの姉で、フレミングインダストリーの社長。
ゼネコンであるフレミング社がコロニー復興景気に乗っていることもあり、やり手の社長という評価を得ている。自殺した父を祭り上げるなど、政治手腕と野心が豊富。イオに家族としての愛情はなく、「ムーアの英雄」として政治的に利用しようとするが、イオの恫喝込みの前線配備願いに、「戦死時には残りの保有株を譲る」という遺言を条件として提示する。
ランディ・ペール
クローディアの兄。仮病で兵役逃れをしており、イオやキャシーには「玉なし野郎」と呼ばれている。

砂鼠のショーンの登場人物[編集]

モニカ・エル・ビアンキ
「砂漠の鷹旅団」に撃墜されたGアーマー内のガンダムに搭乗していた女性パイロット。左足は、リビング・デッド師団の面々よりも旧式とうかがえる義足になっている。当初は気絶していたが「砂鼠」と「砂漠の鷹旅団」の激戦中に目を覚まし、ガンダムでビッグトレーを狙撃して「砂鼠」を助ける。その後は駆け寄ってきたショーンたちに怯えて自決を考えるが、説得に応じて彼らと行動を共にする。
親分、ボウゴ、ミント
「砂鼠」のメンバー。ショーンの雇い主である親分をはじめ豪快で金や女に目ざとい荒くれ者たちであるが、助けられた恩義を重んじる義理堅さも持ち合わせていたため、モニカが説得に応じる理由となった。なお、親分は8人の妻と32人の子供、ボウゴは3人の妻と7人の子供、ミントは6人の妻と15人の子供をそれぞれ持っており、戦後の地球人口の少なさが彼らの台詞からうかがえるようになっている。
団長
「砂漠の鷹旅団」の団長。地球連邦軍に所属していながらモニカのGアーマーすら強奪対象と見なして撃墜するほどの卑劣漢であるが、長としての能力は高く、ビッグトレーで「砂鼠」を苦しめる。しかし、最後はモニカによってビッグトレーごと撃破される。なお、ビッグトレー内でペットとして飼っていたタカは撃破時に脱出し、「砂鼠」に拾われる。

Web外伝の登場人物[編集]

ジャズにゆかりのある名前が多い(ズート・シムズケン・バーンズセント・トーマスオスカー・ピーターソンチャーリー・パーカーなど)。

第1話「サンダーボルト放送局」
DJナオミ
どちらの陣営にも属さない海賊放送局・サンダーボルト放送局(ステーション)のDJ。
リチャード・シムズ少尉
連邦軍ジムパイロット。ザクの撃墜に成功したもののジムの損傷で生命の危機に遭い、瀕死の相手の酸素ボンベを使って生き残るべきかの選択を迫られる。
バーンズ大尉
ジオン軍ザクパイロット。リチャードに撃墜されて瀕死の重傷を負うが、結果的に彼に助けられる。
ハロ
ジムに搭載されている探査ドローン。
第2話「ラストダンスは君と」
トーマス
ボール小隊のパイロット。マーガレットという恋人がいる。サンダーボルト放送局の受信状態を良くしようと持ち場を離れるが、そこで偶然ザクを発見して撃破に成功する。
ピーターソン、パーカー
トーマスと同じボール小隊のパイロットたち。
第3話 - 第5話「Rescue me」
ロバート・ヨウ軍曹
戦時協定に基づき両軍の救助を行っている、ジオン公国軍特別救助隊・救助船ブレーメン号(ガトル)の船長。開戦前は警察官だった。
ライカ・ホプキンス
ブレーメン号クルー。18歳。出征前は電気配線職。
アビシニアン・ルディー中尉
ブレーメン号に救助された連邦軍通信士官。
「落ち武者狩りのジムキャノン」パイロット
戦時協定を無視してジオン軍救助船ばかりを狙う、ジムキャノンのパイロット。自分の行為が被害の拡大阻止に役立つ旨をうそぶき、自己正当化に固執する殺人狂と化している。

用語[編集]

ムーア同胞団
一年戦争最初期に壊滅したサイド4「ムーア」の戦災難民で組織された一団、および「ムーア」難民からの志願兵によって構成される部隊。「ムーア」再建を悲願とし、連邦軍への貢献度をアピールするため、過酷な「サンダーボルト宙域」奪還作戦に艦隊を派遣する[4]。部隊の作戦立案と物資、兵員の調達は、同胞団上層部によって行われている。
ガンダムを調達できるほどの資金力を持ち、「ムーア」政権首長の息子であるイオが華々しく戦死して連邦への貢献の象徴となることを期待し、彼をガンダムのパイロットに指名した。
戦力は空母ビーハイヴを中心にマゼラン級が2隻、サラミス級が4隻から5隻。MSはジムやボールを多数有するが、損耗率が高くパイロットではイオが最高階級となる。終盤の戦力補充でガンキャノンやジムキャノンも多数加わるが、そのパイロットは学徒動員同然であったりなど練度はかなり問題がある。
リビング・デッド師団を壊滅寸前まで追い込むも、サイコ・ザク1機に艦隊は全滅する。脱出したランチもドライド・フィッシュに乗り込むしかない状況となり、そのドライド・フィッシュも大破して結局はジオン軍のセイレーン師団に回収され殆どが捕虜となる。その後ア・バオア・クーでの最終戦の混乱に乗じた形でイオを筆頭に脱出に成功、そのまま終戦を迎える。
第2部ではフレミング財団が中心となりサイド4のコロニー再建が進められるなか、RPD奪取のための「サンダーボルト作戦」を敢行、かつての同胞団の実戦部隊に所属していた隊員がスパルタン隊として引き続き参加している。また財団はイオがスパルタン隊に参加するための専用MS「アトラスガンダム」開発の資金援助を行っている。
リビング・デッド師団
ジオン軍のMS部隊。過去の戦闘によって身体の一部が欠損し、義手や義足などによってサイボーグ化された隊員で構成されている。師団名の「Living dead」とは「死者の蘇り」や「死んだも同然」を意味する。
戦力は空母ドライド・フィッシュを中心にムサイ級数隻だが、MSは数機程度と少ない。しかし、サンダーボルト宙域の残骸の多さを利用した、ビッグ・ガンによる待ち伏せ狙撃戦術で連邦の侵攻部隊を撃退し続けていた。それもFAガンダムにより崩され、サイコ・ザクによる乾坤一擲の作戦もムーア同胞団と刺し違える格好となり、ほぼ全滅する。セイレーン師団に回収された残存兵力は、兵員のみで5パーセント程度である。
第2部では、ガンダムを倒した部隊としてジオン残党軍からはダリルと共に英雄視されている。
リユース・P・デバイス(リユース・サイコ・デバイス)
義手や義足などを通して脳の思考によるMSの操作を可能にした技術。リビング・デッド師団は同システムの実験部隊としての側面を持つ。
脳が本来の手足を動かそうとする信号を、そのままMSの動作に変換できる。装着している義手や義足もある程度の動作が可能で、データバックアップの機能も有する。
本来は熟練が必要な操縦だが、この技術ならば文字どおり自分の手足のように、新兵や不慣れな機動でも熟練兵以上に動かせる。ただし、その手足が義手や義足でないと有効にならないため、有効性が立証された暁には多数の兵士の健全な手足が切断されることになると、フィッシャーは危惧していた。
研究施設のあったドライド・フィッシュとデバイスを搭載したサイコ・ザクは破壊され、開発者のカーラは精神に重大なダメージを負い、主な開発データと能力は失われる。残っているのは、ダリルの義肢に残されたデータとセクストンが持ち出した開発データだけとなる。
第2部ではセクストンが南洋同盟で復活させるべく開発した強力な戦術兵器として、南洋同盟・連邦軍・ジオン残党軍から重要視されている。
サンダーボルト宙域
一週間戦争で破壊されたサイド4「ムーア」が存在した宙域。コロニー残骸が密集し、帯電した残骸から頻繁に雷のような放電現象が発生することから、「サンダーボルト宙域」と呼ばれる。
ジオン軍の宇宙要塞「ア・バオア・クー」への補給路であり、連邦軍によるア・バオア・クー攻略が迫る状況下のため、双方の軍にとって重要度が増している。
サンダーボルト放送局(サンダーボルト ステーション)
戦争による検閲を逃れ、検閲外の音楽を流す海賊ラジオ局。サンダーボルト宙域の放電現象を利用して放送している[6]。リクエストにも応え、ジャンルを問わず放送している。軍(連邦・ジオンどちらかは不明)に放送局を爆破されても放送を続けている。
砂漠の鷹旅団
一年戦争終結後、腐敗のあまり地球の砂漠で強盗にまで落ちぶれた連邦軍の一団。ビッグトレーにガンタンク2機という武装の充実ぶりと、友軍兵器すら獲物としか見ていない残虐さのため、砂鼠から恐れられている。
南洋同盟
一年戦争終結後、疲弊した連邦からの分離独立を掲げ仏教を国教とした宗教国家の建設を掲げる反連邦組織。中央アジアを中心に極東から中東およびインド洋に至る広範な地域を傘下に収め、MSの独自開発を行えたり、連邦の最新型量産MSを配備できるほどの豊富な資金力を有する。
一年戦争時は南洋宗としてア・バオア・クー周辺宙域で連邦軍から命じられた遺体回収を行う一方で、連邦・ジオン双方の廃MSの回収や生存者からの技術供与によって戦力を拡充していた。
広範な国土・制海域に加え、豊富な資金を有し、更に国民の9割が信者、死を恐れない僧兵という強固な体制を誇る。
ジャイアント・ステップス
作中でイオが聴いていたジャズ曲の1つ(またはアルバム名)。また、第2部単行本6巻でビアンカがイオに一緒に演奏することを約束した楽曲。
複雑に変化するコード進行と、♩=240を超えるハイテンポでの音数の多いサックス・プレイが特徴。

登場メカニック[編集]

登場するMSに共通する主な特徴として、機体の関節部分や連邦軍機のバックパック、ジオン軍機の動力パイプなどが防塵カバーで覆われていること(シーリング)が挙げられる。これは、スペースシャトルなどに使われているカナダアームの関節部分をイメージしてデザインされたもの[2]であるとのこと。また、バックパックなどに弾倉交換用や武装保持用のサブアームが付随していることが多いが、これはもはや人型である必要性を否定する存在であり[7]、本来ミノフスキー粒子散布下での目視による白兵戦用の人型機動兵器であるMSの根幹を揺るがす設定となっている。また、ガンキャノンガンタンクが1年戦争内に複数配備されている。

アニメ版ではこれらのMS(便宜上「サンダーボルト版」と称す)は、放電現象が常に発生し、デブリが異常に多いサンダーボルト宙域に対応した仕様となっている。

地球連邦軍のメカニック[編集]

第1部
FA-78 フルアーマーガンダム
連邦軍イオ・フレミングの乗機。機体各部のカバーを除き、上半身は通常のフルアーマーガンダムのイメージを踏襲している。両腕にシールドを装備し、その裏にロケットランチャーと2連装ビーム・ライフルを装備している。上段左右にミサイルランチャーとビーム・キャノン、その間に予備のエネルギーパック数基を取り付けた大型バックパックを背負う[8]
増加装甲部は従来のMSV設定と同様離脱可能であり、小型ミサイルのランチャーも兼ねる。カラーリングは従来の深緑色ではなく、濃い青と白になっている。また機動性についても、高機動型ザクベースのサイコザクと同等程度とかなり高い。作中ではサブアームにも1枚ずつ盾を持って出撃し、高速で敵狙撃圏内に突撃して多数の戦果を挙げる。
RGM-79 ジム
コア・ブロック・システムが採用されているが、デザインはRXシリーズのコア・ファイター方式ではなく、近年のプラモデルの設定に準じた脱出ポッド方式であり、脱出時には機体本体に折りたたまれた4基のスラスターで推進する。バックパックに2基のサブアームが取り付けられており、ガンダムと同タイプの盾を持って出撃するほか、メインアームが届かない部分に取り付けられた予備の武器や弾薬を取り出すために用いられる[9]
RX-79[G] 陸戦型ガンダム
量産型ガンダム。ア・バオア・クーへの強行突入部隊のMSとして登場。頭部のほかはGMのままで、その頭部もガンダムの特徴であった額のブレードアンテナがない。第2部においてはスパルタン隊の主力機として配備されているが、隊員の1人からは「顔だけの偽物が増えた」と言われる始末。
RB-79 ボール
左右のアームにマシンガンと着地用のソリが装着されている。また、トップの大砲がクレーンに換装された機体も登場。作中では、帰艦したMSの収容や破損したジムの組み換えなど、作業用としての運用が目立つ。戦闘にも使用されているが、その用途は従来の遠距離砲撃による支援ではなく、艦隊防護などが多く交戦距離もMSと大差ない。
RGC-80 ジム・キャノン
基本的にはジムと同じだが、右側のサブアームの代わりにキャノン砲を装備しているほか、側頭部や各部に追加装甲が取り付けられているうえ、バックパックのブースターが角型になっている。全体的なイメージやカラーリングは、MSVのジム・キャノンを踏襲したものとなっている[10]が、キャノン砲がバックパックに装備されていたり、右肩の切り欠け部がないなどの差異もある。
RX-77 ガンキャノン
デザインは基本的にオリジナルを踏襲しているが、キャノン砲はジムキャノン同様、機体本体ではなくバックパックに装備されている。サブアームはバックパック背面側に1基。頭部には追加装甲が増設されている[11]。原典機同様にコア・ブロック・システムに対応しているが、コアファイターは上記のジムと同型である。
従来設定よりはるかに量産化・普及しているようであり、ムーア同胞団では新兵でも乗っている機体が少数ながらあった。
RX-75 ガンタンク
腕部が通常のマニピュレーターである、前後に長く全高を抑えたフォルムなど、『機動戦士ガンダムF91』に登場するガンタンクR-44や、『機動戦士ガンダムUC』に登場するロトの戦車形態に近いデザインとなっている。
兵員輸送能力があり、指揮車としても運用されている点もロトと同様。キャノン砲が胴体側の肩ではなく、腕側の肩に付いているのが特徴的。
ア・バオア・クー戦では、フラナガン機関接収部隊の指揮機及び工作機として登場。前面に装備したユニットでシャッターを突き破ってこじ開け、完全武装の兵士20名近くを突入させた。
空母ビーハイヴ
ムーア同胞団の母艦。コロンブス級補給艦を2つ重ねたような形状である[4]
ただの輸送艦というわけではなく、4基装備した大型メガ粒子連装砲を用いて砲撃戦にも参加し、艦隊旗艦としての役割も持つ。
Gファイター
ア・バオア・クー攻防戦で登場。機体下部のキャタピラ部分の代わりに、大型のミサイル2発が付いている。
コア・ブースター
ア・バオア・クー攻防戦で登場。アニメ版からの変更点はほぼ無し。少なくとも4機が確認されている。
第2部
RX-78AL アトラスガンダム
第2部におけるイオの乗機。地上戦闘への特化として、胴体や四肢に多重構造の球体関節など、それまでの連邦軍の機体には見られなかった独特の機構を持つ。それゆえ、ジオン軍の技術も導入されていることが、機体を見た連邦軍の軍人たちの台詞から示唆されている。
機体背面には「サブレッグ」と呼ばれるアームで接続された細長いスラスターを装備し、短時間の大気圏内飛行を可能としている。
試作機であるため、武装に関してもデータ収集を兼ねた試作品を用意され、長銃身のレールガンやライフル、シールドを装備する。
機体名はギリシア神話の神・アトラスにちなむ。
RX-77AQ ガンキャノン・アクア
ガンキャノン水中型。給排水口を各所に増設した潜水仕様となっているほか、水中戦用にニードルガンや魚雷を搭載しているなど、武装に違いが見られる。
RGM-79C ジム改陸戦型
スパルタンに予備機として配備されていたGM。
コア・ファイター
従来のガンダムタイプMSの脱出ユニットとしてではなく、ミデア輸送団の護衛戦闘機(パラサイト・ファイター)として登場。普段は折りたたまれた状態でミデアの主翼下に左右1機ずつ格納されており、対空戦が必要になり次第、投下・展開して戦闘を行う。
ミデア
コアファイターの搭載機能などの違いはあるが、基本形は従来と同様。
コア・ブースター偵察型
大型のレドームを機体の上下に備えている。
スパルタン
ペガサス級強襲揚陸艦。変型機能を持ち、突起部を収納した大気圏突入形態や砲塔を展開したフォートレスモードへの変型機能、いわゆる前腕部の上にMS収納可能な揚陸艇が左右2隻ずつ計4隻の分離機能を持つ。全体的に六角形を意匠した形状になっている。
艦内設備は充実しており、トレーニングルームやバーもある。作中のコーネリアスの台詞によれば、教会もあり結婚式もできるとのこと。

ジオン公国軍のメカニック[編集]

第1部
MS-05 ザクI
小型のバックパックが取り付けられており、1基のサブアームを持つ。足裏には機体固定用の爪が収納されており[12]、戦闘より作業用や脱出艇護衛用として使われている。
MS-06 ザクII
型番はMS-06のみ。装備した大型のバックパックに、2基のサブアームとプロペラントタンクが取り付けられている[13]
MS-06R リユース・P・デバイス装備高機動型ザク
ダリル専用機としてリビング・デッド師団に配備された、リユース・P・デバイスを搭載した実験機。名称が長いため、バロウズの発案により「サイコ・ザク」と呼称される。本来なら高い操縦技術が必要な機体で、狙撃兵だったダリルが操縦するにはある程度の訓練期間が必要だが、リユース・P・デバイスにより訓練期間が短期間か皆無で実戦投入される。性能を完全に引き出すにはパイロットの四肢の義肢化が必要であるため、ダリルは無事であった右腕を軍の命令で切断される。多数の姿勢制御用ブースターが取り付けられており、バックパックも通常のザクのものより大型である。2本装備したロケットブースターに、多数の武器が取り付けられている[14]。ダリルの力量と相まって、単機でムーア同胞団艦隊を壊滅に追い込み、イオのFAガンダムとの決戦に挑む。
MS-09R リック・ドム
バックパックの形状はザクIIと共通で、肩アーマーはドム・トローペンを髣髴とさせるデザインや配色になっている[15]
MS-14 ゲルググ
物語初期のニュース映像に登場したのち、リビング・デッド師団の救援に駆け付けた「セイレーン機動艦隊」の所属機として再登場する。スラスターがX字状に展開したバックパックを持ち、肘に装着されているサブアームでシールドを保持する。先述のニュース映像で装備していたビーム・ライフルは原典と同デザインだが、セイレーン機動艦隊の機体はバックパックに増設されたビッグガンと同形状のジェネレーターから有線で結ばれた大型ビーム・ライフルを装備する。
MSN-01 サイコミュ高機動試験用ザク
ア・バオア・クー防衛戦のビリーの乗機。従来のMSVからの差異は少ない。
MA-05 ビグロ
ア・バオア・クー防衛戦で登場。クローアームに小型のビーム砲が備わっている。
MA-04X ザクレロ
ややビーム砲とブースター部分が大型化している以外、差異は少ない。4機確認できる。
ビッグガン
リビング・デッド師団が運用する長距離狙撃ビーム砲。MSサイズの三脚固定銃座の外見をしている。MSとセットで運用されており、乗員は定期的に交代する。使用限界が存在する砲身には独自のジェネレーターが内蔵されているため、ゲルググ以前のビーム兵器非対応MSでも運用が可能で、ガトルなどMS以外の機体でも有線接続することで発砲が可能である。
ガトル
宇宙戦闘機ではなく、兵員輸送や探知機の散布などを行う多目的宇宙艇として登場。
空母ドライドフィッシュ
リビング・デッド師団の母艦。パプア級補給艦
ムサイ級軽巡洋艦
近接防御用機銃や艦首下面に前と後向きの砲があったりなど、基本形は従来通りだがムサイ後期生産型に近くなり、盲点だった部分が補充されている。
チベ級重巡洋艦
セイレーン機動艦隊旗艦として登場。側面にアーガマのような開放式カタパルトが設置されており、従来より遥かにモビルスーツ展開能力が高くなっている。
第2部
MSM-04 アッガイ
第2部開始時のダリルの愛機。潜入任務用として12メートル級の小型MSに設定変更されている。腕部に機関砲、手にはビーム・サーベルを内蔵しているほか、頭部にミサイル発射口兼フリージーヤード発射口が内蔵されている。ダリル機には、リビング・デッド師団生存整備兵らによりパーソナルエンブレムが描かれている。
MSM-05 ゴッグ
足を折りたたむ機構が追加され、水中では折りたたむことで水の抵抗を軽減している。また、足を折りたたんだ状態でソリのように氷上を高速移動できる。
クロー部分はヒートクローとなっており、海氷を容易に切り崩していた。作中では「カウフマン少佐専用ゴッグ」とされており、これら装備が標準装備なのかカスタム装備なのかは不明。
MSM-07 ズゴック
ゴッグ同様に足を折りたたむ機構が追加されている。従来のデザインと違い腕に肩部分があるため、首周り以外のイメージは少し変わっている。
MAM-07 グラブロ
ジオン残党軍のブル少尉が搭乗する水中用モビルアーマー(MA)。
本作では宇宙用MSビグロと同様に、機首と同軸のメガ粒子砲を装備する。エネルギーチャージの関係上、メガ粒子砲の発射間隔は4分。この稼働情報は連邦軍(アトラスガンダムに乗るイオ)にも知られており、グラブロの標準装備となっていることがうかがえる。その他に垂直発射式のスーパーキャビテーション魚雷を装備するほか、クローアームにも長時間射出し続けられるビーム砲が追加されている。
コムサイ
大気圏外からスパルタンに向けて投下される特別攻撃機として登場。緊急出撃してきたアトラスガンダムにすれ違いざま、ビーム・サーベルで両断される。
マッドアングラー
カウフマン少佐率いる部隊の母艦(K631潜水艦)。南極大陸周辺の海洋を「狩猟場」として活動している。
コミックス6巻時点で所属は明らかになっていないが、ジオン公国軍残党ではなく南洋同盟所属ともみられる描写(艦内にある教団の紋章、祭壇、読経など)が描かれている。

南洋同盟のメカニック[編集]

第1部
RRf-06 ザニー
連邦軍がMS開発過程で鹵獲したザクを連邦軍仕様に改造したMS。主に漂流者やMSの回収を行う作業機として登場。第2部においても南洋同盟における戦力の一端を担う。
第2部
RGM-79C[G] ジム改陸戦型フロート装備
脚部に水上移動用のホバークラフトを装備したジム。南洋同盟が戦後に独自開発した。
MS-07 グフ
背部にホバークラフトを装着した飛行型MS。長距離移動にはSFS(サブフライトシステム)を用いる。兵員輸送能力を持つ。
ド・ダイ
SFS。原典に比してより全翼機として描かれている。

砂鼠のショーンの登場メカニック[編集]

Gアーマー
従来のデザインではMS収納時に露出していた中央部が完全に覆われており、外見からではMSを収納しているか解らないようになっている。
格納されていたガンダムはそのデザインから、陸戦型ガンダムの流れを汲むことがうかがえる。
RX-79[G] 陸戦型ガンダム
本編に登場する機体と頭部デザインが異なる。
ビッグトレー
「砂漠の鷹旅団」の母艦。
MS-07B グフ・ショーン・カスタム
バックパックにホバーユニットを装備し、ドムのように地表滑走が可能となったカスタム機。武装やカラーリングは『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場するグフ・カスタムに似ており、ショルダーアーマーのスパイクが取り払われている。本編の宇宙用MSと同じく、関節部分がカバーで覆われている[16]

刊行一覧[編集]

単行本[編集]

  1. 2012年11月4日発行 ISBN 978-4-09-184810-9
  2. 2013年6月4日発行 ISBN 978-4-09-185307-3
  3. 2014年3月5日発行 ISBN 978-4-09-186080-4
  4. 2014年12月3日発行 ISBN 978-4-09-186718-6
  5. 2015年3月4日発行 ISBN 978-4-09-186855-8
  6. 2015年11月4日発行 ISBN 978-4-09-187269-2
  7. 2015年12月30日発行 ISBN 978-4-09-187538-9

ムック[編集]

  • 機動戦士ガンダム サンダーボルト 立体作品集 2013年05月30日発行 ISBN 978-4-7986-0607-1

商品展開[編集]

バンダイから「HG GUNDAM THUNDERBOLT 1/144」として以下の機体がキット化されている。また、2016年からは「MGシリーズ」でもキット化予定。

  • FA-78 フルアーマー・ガンダム(2013年12月) - 初回生産分特典付き。
  • RGM-79 ジム(2013年12月)
  • MS-06 量産型ザク+ビッグ・ガン(2013年12月)
  • MS-06R 高機動型ザク“サイコ・ザク”(2014年2月)
  • MS-06 量産型ザク(2014年2月)
  • MS-05 ザクI“旧ザク”(2014年6月)
  • FA-78 フルアーマー・ガンダム アニメカラーver.(2016年4月)
限定モデル
  • 1/144 RB-79 ボール(2014年2月)
    ビッグコミックススペシャル『機動戦士ガンダム サンダーボルト』第3集特装版同梱アイテム。
  • 1/144 RB-79 ボール特製クリアバージョン(2014年)
    『機動戦士ガンダム サンダーボルト』単行本第3集発売記念スペシャルキャンペーン当選品。

アニメ[編集]

漫画版第1部を全4話構成で2015年から有料配信される[17]。ガンダムシリーズでは初となるセル型配信サービス「Electronic Sell Through」での配信が決定している。

ガンダムシリーズのアニメでは初の4K映像作品であり、プレスコ形式で制作されている[18]

2015年11月23日にはベルサール秋葉原で第1話限定試写イベントが開催され、上映後には原作者の太田垣康男、監督の松尾衡、サンライズプロデューサーの小形尚弘、シークレットゲストとしてイオ・フレミング役の中村悠一、ダリル・ローレンツ役の木村良平が登壇した[18]

配信された全4話に、新規シーンを追加したディレクターズカット版『機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY』が2016年6月25日に2週間限定上映と配信、DVD/Blu-rayが発売予定。

スタッフ[編集]

  • 企画 - サンライズ
  • 原作 - 矢立肇、富野由悠季
  • 漫画原作・デザイン - 太田垣康男
  • 監督 - 松尾衡
  • アニメーションキャラクターデザイン - 高谷浩利
  • モビルスーツ原案 - 大河原邦男
  • アニメーションメカニカルデザイン - 仲盛文、中谷誠一カトキハジメ
  • 美術監督・美術ボード・美術設定 - 中村豪希
  • デザインワークス - 岡田有章、宮本崇、玄馬宣彦、津野田勝敏、片山学、工藤友靖、常木志伸、石本剛啓
  • 色彩設計 - すずきたかこ
  • CGディレクター - 藤江智洋
  • モニターデザイン - 青木隆
  • 撮影監督 - 脇顯太朗
  • 編集 - ジェイ・フィルム、今井大介
  • 音楽 - 菊地成孔
  • 音楽プロデューサー - 山田智子
  • 音響監督 - 木村絵理子
  • 音響効果 - 西村睦弘
  • エグゼクティブプロデューサー - 佐々木新
  • チーフプロデューサー - 上山公一
  • プロデューサー - 小形尚弘、菊川裕之
  • 製作 - サンライズ

挿入曲[編集]

「神よ、平和を与えたまえ」(歌劇『運命の力』より)(第2話)
作曲 - ジュゼッペ・ヴェルディ / 演奏者 - ミリアム・ガウチソプラノ)、ベルギー放送フィルハーモニー管弦楽団アレクサンダー・ラハバリ指揮

各話リスト[編集]

話数 脚本 コンテ 演出 キャラクター メカ 配信日
作画監督 総作画監督 作画監督 総作画監督 先行 通常
第1話 松尾衡 松尾衡 高谷浩利 - 中谷誠一
仲盛文
- 2015年
12月11日
2015年
12月25日
第2話 寺岡厳 吉沢俊一 玉川真吾 高谷浩利 片山学 仲盛文 2016年
1月29日
2016年
2月12日
第3話 カトキハジメ 綿田慎也 田頭真理恵 伊藤一樹
小松英司
3月4日 3月18日
第4話 松尾衡 高谷浩利 - 中谷誠一
仲盛文
- 4月8日 4月22日

Web外伝[編集]

『機動戦士ガンダム サンダーボルト外伝』
2015年12月15日よりウェブサイト「eBigComic4」でフルカラーWEBコミック『機動戦士ガンダム サンダーボルト外伝』を配信。hobbyJapan誌「サンダーボルトメカニクス」とのコラボとして企画された。
話数 サブタイトル 特集モデル 配信日
第1話 サンダーボルト放送局 RGM-79 ジム
(サンダーボルト版)
2015年
12月18日
第2話 ラストダンスは君と RB-79 ボール
(サンダーボルト版)
2016年
1月8日
第3話 Rescue me (1) RGC-80 ジムキャノン
(サンダーボルト版)
2月12日
第4話 Rescue me (2) ガトル
(フルスクラッチモデル)
3月11日
第5話 Rescue me (3) MS-06 量産型ザク
(サンダーボルト版)
4月8日

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 第4話では仲間から「中尉」と呼ばれているが、単行本第1巻第2刷以降では「少尉」に修正されている。
  2. ^ 原作ではダリルが休息で仮眠をとっている最中に射殺されており、その瞬間を目撃していない。
  3. ^ プラモデル「1/144 ボール(ガンダムサンダーボルト版)」が付属する。
  4. ^ フルカラーメカニック設定集小冊子、ボックスアートポストカード6枚、部隊章カラーステッカー、特製収納ボックスの4点が付属する。
  5. ^ U.C.0079 メモリアルカレンダー[2016]、初期ネーム集、特製収納ボックス、OVA第1話と有料配信セル版特典映像『一年戦争へ挑んだ者たち』プロローグ)を期間限定で無料視聴できるプレミアムSTREAMINGカードが付属する。

出典[編集]

  1. ^ a b 太田垣康男が描く新たなる一年戦争『機動戦士ガンダム サンダーボルト』アニメ化決定! | GUNDAM.INFO | 公式ガンダム情報ポータルサイト
  2. ^ a b c d e f 「月刊ホビージャパン」2012年5月号 第24 - 25項インタビュー。
  3. ^ a b コミックナタリー - Power Push 太田垣康男『機動戦士ガンダム サンダーボルト』
  4. ^ a b c d 「月刊ホビージャパン」 2012年9月号 第122項
  5. ^ アニメ『機動戦士ガンダムサンダーボルト』STAFF&CAST
  6. ^ HG GUNDAM THUNDERBOLT 1/144 フルアーマーガンダム組立説明書より。
  7. ^ 『機動戦士ガンダム サンダーボルト立体作品集 サンダーボルトメカニクス』ISBN 978-4-7986-0607-1
  8. ^ 「月刊ホビージャパン」 2013年2月号 第74項
  9. ^ 「月刊ホビージャパン」 2012年5月号 第16項
  10. ^ 「月刊ホビージャパン」 2013年4月号 第76項
  11. ^ 『機動戦士ガンダム サンダーボルト立体作品集 サンダーボルトメカニクス』ISBN 978-4-7986-0607-1
  12. ^ 「月刊ホビージャパン」 2012年9月号 第123項
  13. ^ 「月刊ホビージャパン」 2012年5月号 第17項
  14. ^ 「月刊ホビージャパン」 2013年2月号 第71-73項
  15. ^ 「月刊ホビージャパン」 2012年7月号 第121項
  16. ^ 「月刊ホビージャパン」 2013年8月号 第75項
  17. ^ アニメ『ガンダム サンダーボルト』中村悠一、木村良平ら出演!12月から配信。”. コミックナタリー (2015年11月19日). 2015年11月19日閲覧。
  18. ^ a b アニメ『サンダーボルト』試写、太田垣康男「ガンダムの歴史に入れたのは誇り」”. コミックナタリー (2015年11月23日). 2015年11月23日閲覧。

外部リンク[編集]