宇宙世紀

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宇宙世紀(うちゅうせいき、Universal CenturyU.C.)とは、アニメ作品群『ガンダムシリーズ』のうち、『機動戦士ガンダム』およびその派生作品の舞台となった架空の紀年法

また、それらのつながりがある作品と世界観そのものを指して「宇宙世紀」という場合もある。

呼称法[編集]

宇宙世紀は「世紀」とは称するが、100年区切りのそれではなく、実際にはをカウントするである。例えば、シリーズ第1作『機動戦士ガンダム』の舞台となる「宇宙世紀0079」(ダブルオーセブンティーナイン)とは、宇宙世紀に入って79世紀(7900年)経過しているということではなく、宇宙世紀に入って79年目の年であることを意味する。

スペースコロニーへの移民が開始された年を0001年(元年)とする。慣用的に4桁の年号で表記され、例えば宇宙世紀0079年は英表記においてU.C.0079、同0123年はU.C.0123と略記され、それぞれ「ユニバーサルセンチュリー・ダブルオーセブンティナイン」、「ユニバーサルセンチュリー・オーワントゥエンティスリー」と発音する。日本語の場合も「うちゅうせいきダブルオーセブンティナイン」、「うちゅうせいきオーワントゥエンティスリー」「うちゅうせいきぜろぜろななきゅう」と、年号は英語式に読む。1979年のシリーズ第1作では「宇宙世紀00〜」(うちゅうせいきダブルオー〜)の形式のみ脚本に登場しており、「U.C.〜」(ユニバーサルセンチュリー)という表音・表記が映像作品の脚本に登場するのは、2005年の劇場版『機動戦士Ζガンダム A New Translation -星を継ぐ者-』が初となる。

機動戦士ガンダムUC』劇中の地球連邦政府初代首相リカルド・マーセナスの演説によれば、コロニー移民から始まる宇宙時代の世紀という意味では「ユニバースセンチュリー」とするべきだったが、「人類はひとつになれるという事実を普遍化し、協調し、一個の種として広大な宇宙と向き合う」という祈りを込めて、あえて普遍的世紀(ユニバーサルセンチュリー)と名付けたという(ユニバーサルという言葉には、「宇宙の」「宇宙的な」という意味合いもある)。

世界観[編集]

宇宙世紀世界のうち、アニメ作品で描かれたのは『機動戦士ガンダムUC』のプロローグで描かれた改暦セレモニー、『機動戦士ガンダム』の舞台となった宇宙世紀0079年頃から、『機動戦士Vガンダム』の舞台となった宇宙世紀0153年頃までである。

この時代においては、増えすぎた地球人口による食糧問題や環境破壊などへの対策として、地球圏(地球および月とそのラグランジェ点)に多数のスペースコロニーが建設され、そこに多くの人々が居住している。しかし、これらコロニーの自治権を巡り、地球連邦政府とコロニー住民(スペースノイド)との間で衝突が頻発し、ついには宇宙世紀0079年の一年戦争をはじめとする多数の大規模な戦乱を生じるに至る。そのような状況の中、レーダー無線通信を阻害する「ミノフスキー粒子」の発見・利用によって、特に軍用兵器において劇的な技術革新が起こった。その代表格が人型汎用機動兵器「モビルスーツ」である。

教育機関は少なくとも小学校[1]や高等学校(ハイスクール)[2]、大学[3]などが存在している。

サイコミュなどのブレイン・マシン・インタフェースは民生用には普及しておらず、機械と人間のやり取りは主に物理キーボードやスクリーンキーボードであり、それらにはQWERTY配列が用いられている。[4]

主要交通手段である自動車に関しては、小説版でエレカ(電気自動車)と記述されている。宇宙世紀の地球は、『機動戦士Ζガンダム』で地球連邦政府の議会が置かれているダカール周辺の砂漠化などに象徴されるように環境破壊が進んでいることや、スペースコロニーの密閉された空間という事情もあり、必然的に環境対策に取り組んだ結果の電気自動車の普及と推測される。また、『Ζガンダム』では、主人公のカミーユ・ビダンの「ジュニアモビルスーツ大会優勝」という受賞歴と彼が優勝時に撮った写真から、小型のモビルスーツを用いたロボット競技も行われていることがわかる。

月面にも都市が建設されている他、ルナツー、5thルナ、ア・バオア・クーなどの地球軌道上に曳航された小惑星も周回しており、要塞として使用されている。さらに、宇宙世紀も100年を過ぎた頃には、木星圏においても「国家」と呼び得る程のコロニー群が建設されている(木星帝国)。核融合炉のエネルギー源であるヘリウム3の採取を行う惑星間航行船も往来し、人類の最先端とされている。一方、地球からの離脱手段は依然として旧来の化学ロケットが中心であり、軌道エレベータなどの交通手段は実現されていない。この時代、地球居住が合法的に可能なのは地球連邦政府関係者や富豪といった特権階級であり、彼等が宇宙に出ることはあまりなく、また一度地球から宇宙へ移民として出た場合、地球に戻ることはほとんど不可能であった。そのため、「地球に残れた者」と「宇宙へ移民した者」の間には深い溝が発生していた。

『機動戦士Ζガンダム』においてパプテマス・シロッコが綴った「血の誓約書」、カイ・シデンハヤト・コバヤシに宛てた手紙、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』においてオクトバー・サランチェーン・アギに宛てた手紙など、作中に登場する文書類の文面は基本的に英語で書かれている。『機動戦士ガンダムUC』では、英語を基本言語として綴りと発音を一致させた「世界標準語」が制定されたという設定になっている。

正史[編集]

ガンダムシリーズはアニメ以外にも漫画・小説・ゲームなど多数の派生作品が作られており、それらの間で歴史や設定の矛盾が生じていることがある。

それらについて一般的には「映像作品として描かれた部分がオフィシャルな歴史である」と言われている[5]。映像作品であってもTV版・劇場版・OVAなどで、同じ出来事にもかかわらず異なる描写がされ、それらの変遷によって他作品との矛盾が生じる箇所などもあるが、サンライズは「どれも公式」としているため、どの設定を「正史」とするかは明言されず、ファンの解釈に任されている。逆に、公式の映像作品であっても正史とは設定や物語を大きく変更した独自の異説として扱われた上で公開される作品も複数存在[6]していることもあるため、特に明示されていない物については公式の映像作品に対して大きな矛盾が発生する描写や設定の存在する作品が便宜上異説扱いとされる場合が多い。また、そのような独自設定を多く含む作品においては作者などが明らかな異説であることを想定した発言をする場合もある。[7]

一方、それらの派生作品であっても公式の正史に準じるものとして扱われている作品もある。例えば、小説で発表され、映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』との矛盾がある『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』や漫画原作の『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』及び同じく漫画原作ながら富野由悠季が直接制作に関わっており、『機動戦士ガンダムF91』の後のアニメ化されていない時代(宇宙世紀0133年 - 0136年)を描いている『機動戦士クロスボーン・ガンダム』などは、特にコンピュータゲームなどにおいて他の作品と同格に扱われている。[8]

その他の作品については時代毎に様々な公式のメディアで発表される「年表」などを元に設定が正史に準ずるか否かが個人的に判断されることもあるが、それらを比較した場合にもまた内容に食い違いが発生する箇所が多いため、抜粋の有無にかかわらず既に公式の正史とされる映像作品を除くその他の作品についての記述の信憑性についてははっきりしていない。さらに近年では厳密に詳細な出来事を網羅した年表自体が発表されておらず、年表形式で公開される情報も多くの場合公式である映像作品から特に主要アニメ作品のみを抜粋して表記するなどの簡易的な物に留まっている。[9]

なお、富野自身が1980年代後半に執筆した小説『ガイア・ギア』は、時代設定としては宇宙世紀0203年頃が舞台とされているが、版権上の都合から設定の食い違いが激しいうえ、現在では作品が絶版となっており、さらに著者側等の諸事情により復刊も困難とのことで、後にサンライズが監修した書籍における設定にも反映されていない。

時節[編集]

  • 宇宙移民の開始をもって、紀年法を「宇宙世紀」へ移行(西暦末期)

西暦何年をもって宇宙世紀0001年へ移行したのか明確に定められておらず、放送終了直後のアニメック10号のインタビューでの富野による「宇宙世紀の元年をスプートニク打ち上げの時にしていただいても、アポロ月着陸でも宇宙植民がはじまった時でも、お好きな時点を元年にしてくださって結構」「(1号コロニーが浮かんだ年は)知りません、いっそのこと、1999年のグランドクロス発生を起点にしたらいかがですか?」という発言から、この1969年と1999年を宇宙世紀0001年としている資料も存在する。原作・高橋昌也、作画・沖一のコミック『STAMPEDE ミノフスキー博士物語』では1969年を宇宙世紀0001年としている。また、富野由悠季のごく初期の企画書においては、宇宙世紀0079年の西暦年は西暦2066年。[要出典]

なお、1980年代後半から1990年代前半に刊行された書籍では「1999年に地球連邦政府樹立」「2009年に地球連邦軍設立」「2045年に第1号コロニーの建造開始」と記載し、2045年の次の記述で宇宙世紀に移行したという記述がされている[10][11]。2007年に発表されアニメ化もされた小説『機動戦士ガンダムUC』の物語冒頭では、西暦から宇宙世紀への改暦の瞬間を記念したセレモニーはスタンフォード・トーラス型のコロニーの上で行われてる。コミックボンボン連載の漫画版『機動戦士ガンダムF91』には「時に宇宙世紀0123年西暦にして2168年」との記述があり、2000年の作品『G-SAVIOUR』冒頭のナレーションでも「西暦2045年に西暦から宇宙世紀へと改めた」と説明されている。

その後、西暦部分の記述について、1999年の地球連邦政府樹立から2045年の第1号コロニー建造開始までを掲載せず、現実に起こったことのみを掲載した書籍が刊行されるようになり[12]、2000年代以降に刊行された書籍では、西暦時代の出来事については記述されていない。

ラプラス事件[編集]

西暦から宇宙世紀への改暦セレモニーの際に、地球低軌道上に設置された地球連邦首相官邸「ラプラス」が爆破され、初代首相リカルド・マーセナスらが死亡した事件。劇中の世界では地球連邦政府樹立に反対するテロリストが起こした事件とされていたが、真相は地球連邦政府内の保守派勢力の陰謀によって引き起こされた暗殺で、『機動戦士ガンダムUC』ではこの時に抹消された事実を巡る物語が繰り広げられる。

一年戦争[編集]

地球から最も離れたスペースコロニー・サイド3が宇宙市民の自治権を求め、「ジオン公国」を称して地球連邦に挑んだ独立戦争。この戦争において人型機動兵器・モビルスーツが初めて実戦投入され、戦争初頭において人類はその人口の半数を失った。戦争は、ジオン公国を支配したザビ家一党が滅亡したことにより、新たに成立したジオン共和国臨時政府と地球連邦政府が終戦協定を結ぶ形で終結した。

水天の涙作戦[編集]

戦時中よりジオン公国によって計画されていた月のマスドライバー基地を利用して地球の主要拠点を砲撃する作戦。戦後はジオン残党により、威嚇効果によってスペースノイド自治を目的とした会談の席を設けることを目的として再度計画が進められ、その過程で地球連邦軍の遊撃特務部隊ファントムスイープ隊と計画の実働部隊の一つインビジブル・ナイツが各地で交戦を繰り返すこととなる。

デラーズ紛争[編集]

ジオン公国軍の残党であるデラーズ・フリートと地球連邦軍の紛争。
デラーズ・フリートはコロニー落としを行い北米の穀倉地帯を壊滅させることに成功したものの、この紛争を契機に連邦内ではジャミトフ・ハイマン准将が中心となってティターンズが結成され、スペースノイドに対する弾圧が強化されることで後のグリプス戦役へと繋がっていく。
なお、事件は巧妙に隠蔽され、コロニー落としの件はコロニー輸送中の“事故”として処理された。

グリプス戦役[編集]

スペースノイド弾圧のため地球連邦軍内に結成された地球至上主義者による軍閥「ティターンズ」(実質的には提唱者であるジャミトフ・ハイマンの私兵組織と化していた)と、彼らの専横に抵抗するために結成された反地球連邦組織「エゥーゴ」の軍事衝突。最終的にティターンズは、その指導者層を失い瓦解したが、末期には木星圏から帰還したジオン公国残党軍「アクシズ」も絡んで三つ巴の様相を呈し、終結と同時にそのまま第一次ネオ・ジオン抗争に繋がっていく。

ペズンの反乱[編集]

名称は反乱の主犯格であるニューディサイズが立てこもった小惑星基地ペズンに由来する。時期としては『機動戦士Ζガンダム』の終盤と重なり、グリプス戦役末期の宇宙世紀0088年1月25日から同年4月5日まで続いた。

グリプス戦役末期。シャア・アズナブルによるダカール演説以後、劣勢となったティターンズを見切り、エゥーゴ寄りとなった地球連邦政府に対する地球至上主義者たちの不満は臨界に達していた。小惑星基地ペズンに駐留する地球連邦軍教導団に所属するメンバーのうち、ティターンズ寄りの地球至上主義思想を持つ青年将校たちがニューディサイズを標榜して武装決起し、地球連邦政府に反旗を翻した。

対する地球連邦政府は、グリプス戦役終結時に大多数の戦力を温存していたネオ・ジオンとの衝突を控え、ニューディサイズは早急に取り除くべき障害であると判断し、討伐隊の派遣を決定する。しかし、ネオ・ジオンとの戦争を前に大規模戦力を投入する訳にはいかず、アーガマ級新造巡洋艦ペガサスIIIとSガンダムFAZZΖプラスガンダムタイプMSを中心とする少数精鋭のα任務部隊が宇宙に送り込まれた。

α任務部隊の実態はペガサスIIIの艦長イートン・ヒースロウが艦隊司令を兼任する臨時編成艦隊に準じた体制で、主力であるガンダムタイプMSの専任として抜擢されたパイロットの殆どが実戦経験のない“素人”の集まりであるなど、“少数精鋭”とは名ばかりのものだったが、高性能MS群の性能にも助けられ、間もなくペズンを制圧する。しかし、α任務部隊の本隊として派遣された地球本星艦隊を率いるブライアン・エイノー提督がニューディサイズ側に艦隊ごと寝返る。その後、月へ侵攻したことで事態は一変する。ニューディサイズはエイノー艦隊と合流し、親地球派の月面自治都市エアーズ市を拠点に頑強に抵抗し続けた。しかし連邦政府が形振り構わず新たな本星艦隊を投入したことで戦力差は逆転、圧倒的な数の前にエアーズ市は陥落。ニューディサイズの指導者ブレイブ・コッドが戦死、エアーズ市長カイザー・パインフィールドが自決し月面での戦闘は終結した。

トッシュ・クレイの指揮によりエアーズ市を脱出したニューディサイズは、本来仇敵であるはずのネオ・ジオン軍のトワニング艦隊と接触。新型モビルアーマーであるゾディ・アックを(欠陥機であることを知らされないまま)譲り受けた。その後ダカール占拠の足がかりとすべく宇宙ステーション・ペンタを占領。そして地球降下作戦を実施するもα任務部隊の活躍で失敗。ニューディサイズは大気圏突入を阻止されて全滅、エイノー提督はペンタで降伏して反乱は鎮圧された。

反乱そのものは短期間で終結するも、連邦政府に与えた影響は大きいらしく、その後の対ネオ・ジオン戦で主導権を取れなかった要因の1つになったものと考えられる。

第一次ネオ・ジオン抗争[編集]

木星圏から小惑星アクシズとともに帰還したハマーン・カーン率いるネオ・ジオンとグリプス戦役に勝利したエゥーゴとの抗争。ネオ・ジオンは内部抗争もあって弱体化。最終的には指導者のハマーン・カーンが戦死したことにより終結した。

カラードによる巡洋艦アラハス襲撃[編集]

(巨神との戦い)[編集]

火星における動乱[編集]

連邦軍上層部によるジョニー・ライデンの捜索[編集]

地球のネオ・ジオン残党が宇宙へ撤退[編集]

第二次ネオ・ジオン抗争[編集]

グリプス戦役以降行方不明になっていたジオン・ズム・ダイクンの遺児シャア・アズナブルことキャスバル・レム・ダイクンが、ネオ・ジオンを率いて地球連邦政府に対して起こした反乱。シャアはアクシズを地球に落下させ、核の冬による寒冷化により地球に執着する特権層の粛清を図ろうとしたが、連邦軍の特務部隊ロンド・ベルや所属する一年戦争時のエースパイロットアムロ・レイの活躍によって阻止された。

ティターンズ残党による強化人間量産化計画[編集]

ラプラス戦争(第三次ネオ・ジオン抗争)[編集]

(ヌーベル・エゥーゴとネオ・ジオン残党による反乱)[編集]

ジオン共和国の自治権放棄[編集]

  • U.C.0099 - 0100
    • 『機動戦士ガンダムUC』(2010年 - 2014年)(設定のみ)

マフティー動乱[編集]

(ReonとFAMASの戦い)[編集]

オールズモビル戦役[編集]

地球連邦軍とジオン公国の残党組織オールズモビルによる戦争。

第一次オールズモビル戦役[編集]

火星独立ジオン軍(以下、オールズモビルと統一)は火星を拠点としたジオン残党の一つである。最初は小規模な抵抗でしかなかったが、宇宙世紀0120年に10月25日ジュピトリス級コバヤシ丸が撃沈され、同月3日後の10月28日にトライアルしていた地球連邦軍の最新モビルスーツであるF90 2号機を強奪。サイド4・フロンティア・サイドの地球連邦軍統合本部は旗艦アドミラル・ティアンムを中心とした第十三独立艦隊にオールズモビル討伐を命じる。

第十三独立艦隊は宇宙世紀0121年3月に火星に到着したが、オールズモビルの巧妙な攻撃と地球連邦軍内部の内通者により予定された作戦行動を取ることができず、艦隊の半数を失う。それでも火星に部隊を送り込み、オールズモビルの基地施設に侵入するが、オールズモビルの切り札「オリンポス・キャノン」により旗艦アドミラル・ティアンムが撃沈されてしまう。しかし、オリンポス・キャノン発射時の圧力により基地は壊滅。結果としてオールズモビルの自滅という形で幕が下りる。

第二次オールズモビル戦役[編集]

火星のオールズモビルは壊滅したが、地球圏に残存したオールズモビルの勢力はシャルル・ロウチェスター少佐を中心に再興する。軍備もそれまでのオールズモビルとは違い、艦船やリファイン(RF)されたジオン系モビルスーツをもって再び地球圏を脅かした。再興の際、影で支援したのがブッホ・コンツェルンクロスボーン・バンガード)である。

宇宙世紀0122年、F90を運び入れた戦艦エイブラムを襲撃。地球連邦軍は第13反地球連邦組織討伐部隊を結成して再びオールズモビルズ討伐作戦を行う。宇宙と地球で行われた戦闘は、最終的にシャルル艦隊の主兵力消失により活動は停止。しかしクロスボーン・バンガードの介入もあり月のマスドライバーを占拠して隕石弾による攻撃を目論むがエイブラムの活躍により阻止。そしてオールズモビルが立てこもるクロスボーン・バンガードの宇宙要塞を総攻撃、これを壊滅させオールズモビルは完全に消滅する。

しかし、第二次オールズモビル戦役はオールズモビルのスポンサー、クロスボーン・バンガードの露払い程度にしか過ぎず、そしてフロンティア・サイドにおけるコスモ・バビロニア建国への布石でしかなかった。そして宇宙世紀0123年のコスモ・バビロニア建国戦争へと繋がっていくのである。

ゼブラゾーン事件[編集]

宇宙世紀0123年2月18日、月の裏側の暗礁宙域・ゼブラゾーンにて、アナハイム・エレクトロニクス社の新型MSの起動テストの最中に所属不明機と遭遇したことをきっかけに起こった事件。

コスモ・バビロニア建国戦争[編集]

  • U.C.0123 - 0128
    • 機動戦士ガンダムF91』(1991年)
    • 『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91(クラスターガンダム編)』(1993年)

地球連邦軍と大企業ブッホ・コンツェルンの結成した私兵組織クロスボーン・バンガードとの争い。

『機動戦士ガンダムF91』はこの戦争の開戦の部分を描いた作品である。

宇宙世紀0100年代に入り、地球連邦はなお腐敗と増長を続けていた。これに対し、ブッホ・コンツェルンの当主マイッツァー・ロナは高貴な精神を持つ者が人民を率いるべしとするコスモ貴族主義を掲げ、理想国家「コスモ・バビロニア」の建国と連邦政府の打倒を決意する。

宇宙世紀0123年3月16日、クロスボーン・バンガードはスペースコロニー「フロンティアIV」を襲撃する。長年の準備期間で力を蓄えたクロスボーン・バンガードが実戦経験がなく弱体化していた連邦軍の駐留軍を駆逐して、サイド4のコロニー群「フロンティア・サイド」を制圧。「コスモ・バビロニア」として建国宣言を行い、討伐のために派遣された連邦軍艦隊が壊滅した。また、クロスボーン・バンガードは増えすぎた地球人類の粛正を計画し、一部のコロニーに自立型殺戮兵器「バグ」を投入しこれを実行した。

本来1年程度のテレビシリーズで描かれるはずの物語のプロローグ部分を映画化した事情により、戦争の結末までは描かれていない。後に『機動戦士ガンダムF91』の監督を務めた富野が原作を担当した漫画作品『機動戦士クロスボーン・ガンダム』(劇中の時代は宇宙世紀0133年)の中で、「コスモ貴族主義の提唱者であるマイッツアー・ロナの孫娘ベラ・ロナが貴族主義を否定して人は平等であると唱えたため、コスモ・バビロニアは組織が分裂して崩壊した」と、その後の大まかな歴史が語られた。

コスモ・バビロニアの建国自体は失敗したものの、この戦争により地球連邦軍の弱体化と地球連邦政府の宇宙への無関心さが明らかとなり、各地のコロニーが続々と独立する「宇宙戦国時代」と呼ばれる時代へと移行している。『Vガンダム』に登場するザンスカール帝国も、そうしたコロニー国家のひとつである。

木星戦役[編集]

神の雷計画[編集]

宇宙戦国時代[編集]

  • U.C.0120年代 - 0222?

地球連邦政府の統治能力低下によって各地でコロニーが実質的自治を行うようになり、それらのコロニー同士による争いが広まっていった時代。

ザンスカール戦争[編集]

ザンスカール戦争後の争乱期[編集]

(マハの反乱)[編集]

地球連邦崩壊[編集]

  • U.C.0218
    • G-SAVIOUR』(2000年 - 2001年)(設定のみ)

宇宙戦国時代末期の連邦とコロニーの高烈度紛争によって地球連邦が崩壊(直接的な連邦政府の崩壊ではなく、連邦による宇宙統治機能の瓦解を意味する)。地球に残存した連邦政府も宇宙世紀0222年には各コロニーと和解するがその後の勢力再編によって地球連邦は解体される。これ以降コロニーはセツルメントへと呼称が改められることになる。地球圏は旧連邦の実質的後継となったセツルメント国家議会とそれに対抗するセツルメント自由同盟の二大勢力が対峙する場へと移行することとなった。

ガイアの光事件[編集]

  • U.C.0223
    • 『G-SAVIOUR』(2000年 - 2001年)

宇宙世紀0223年、地球圏は著しい環境悪化の影響で食糧問題が深刻化する中、サイド8・ガイアの研究者が開発に成功した生物発光体のサンプルを狙ってセツルメント国家議会軍のガーノー総督の部隊がガイアへと侵攻したことで起こった事件。ガイアの抵抗と秘密結社イルミナーティの助力によって議会軍は撃退、ガーノー総督も死亡したことにより、国家議会はガイアの自治権を正式に承認することになる。

プロジェクト・レイブン[編集]

宇宙世紀0224年、かつてガーノー総督の腹心であった議会軍准将バイス・バッシングが推し進める無人MSモビル・ウェポンの新型機開発計画「プロジェクト・レイブン」を防ぐためにイルミナーティのライトニング部隊が活動を開始する。その後事態はライトニング部隊と精鋭部隊グレムリー・シープの戦いへと移行するが、シドニー湾での戦闘でグレムリー・シープが壊滅したことで計画は阻止された。

(プロキシマ・ケンタウリへの植民)[編集]

終焉[編集]

最終的な宇宙世紀の存続年数は定かでない。

宇宙世紀が終焉した後の時代が舞台の『ガンダム Gのレコンギスタ』では、宇宙世紀時代には軌道エレベータを建設するなどの発展を続けていったが限界を迎え、末期には共食いするほどに地球の資源を使い果たし、人類は絶滅しかけたと語られる。その後立ち直り、新しい年号「リギルド・センチュリー(R.C.)」を制定し『ガンダム Gのレコンギスタ』の時代へと移行していった。

∀ガンダム』の舞台となった正暦2343-2345年の約1万年前(劇場版では約5000年前)は、「宇宙世紀」の紀年法が使用されている時代だったというセリフが存在する(具体的な年数は不明)。また正暦の時代では、コロニー落としが行われていた時代は「西暦から宇宙世紀に変わった頃」と劇中で説明されている。その後、アナザーガンダムの時代(後述の紀年法)を経て、数千年に渡り延々と続く最終戦争アーマゲドンの最終局面に至り、人類は滅亡の危機に立たされた。

その後、生き残った人類は月へ移住する者と地球に住み続ける者に分裂し、地球環境の再生を待った。人類はこの最終戦争にまつわる記録を黒歴史と呼び、月への移住者ムーンレィスによって封印された。

宇宙世紀以外の世界観[編集]

『機動戦士ガンダム』の続編作品は全てこの宇宙世紀を舞台としていたが、1994年からは『機動武闘伝Gガンダム』をはじめとした「ガンダム」を冠しながらも続編ではない、原作者富野由悠季以外の手によるストーリーが発表され、宇宙世紀以外の時間軸で活躍するガンダムも出現することとなった。すなわち『機動武闘伝Gガンダム』の「未来世紀」、『新機動戦記ガンダムW』の「アフターコロニー」、『機動新世紀ガンダムX』の「アフターウォー」といった紀年法による世界である。

1999年に富野由悠季の手で『∀ガンダム』が発表された。『∀』の世界自体は「正暦」という紀年法だったが、作中明らかにされた過去の歴史「黒歴史」において、宇宙世紀の世界だけでなく、『G』『W』『X』の世界も含まれていることになった。これは、全てのガンダムの存在を全肯定した上で、悪しき争いの歴史として全否定するという意味を込めていた。

『∀ガンダム』以後にも新たな時間軸「コズミック・イラ」で展開される『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』が発表された。その「コズミック・イラ」もコミック雑誌「ガンダムエース」で連載された漫画『月の風』(著者:安田朗)では、同作品群の世界が黒歴史の一部として描かれた。

機動戦士ガンダム00』では、ガンダムシリーズにおいて初めて「西暦」を用いた作品となっており、主な出来事が発生した時期設定を西暦2307-2314年頃としている。

機動戦士ガンダムAGE』では、新たな紀年法「アドバンスド・ジェネレーション」が使用される時間軸を舞台にした作品となっている。

なお、本作の後年に制作された『機動戦士ガンダムSEED』の「コズミック・イラ」、『機動戦士ガンダム00』の「西暦」、『機動戦士ガンダムAGE』の「アドバンスド・ジェネレーション」、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の「ポスト・ディザスター」などの、『∀ガンダム』の後年に発表された他のガンダムシリーズ作品も黒歴史に含まれるかについて、『∀ガンダム』監督の富野由悠季は「(「」という記号には)“以後”ということも含めてあるので、『∀ガンダム』以降の作品についても認められるようになったわけです。『∀ガンダム』の時代に辿り着くまでには、あと100本の『ガンダム』を作っても余裕がある時間を作ってある[17]」と語っており、他のガンダム作品を劇中のアニメ作品として扱い機動兵器としての「ガンダム」ではなく「ガンプラ(ガンダムプラモデル)」をテーマにした作品(『模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングG』や『ガンダムビルドファイターズ』など)を除いた[18]、これから将来制作されるであろう新たな『ガンダムシリーズ』もすべて含めて、黒歴史の一部として包含される[19][18]ものとして紹介されてきた。また同時に富野は「『∀ガンダム』以後のガンダム作品を描くとしたら、自分で作るつもりです。そうした設定があるために『∀ガンダム』において、ロランとディアナの物語は完結を迎えましたが、ガンダムについては触れていないんです。マウンテンサイクルという設定も“どこから何年後”という表現を避けるために考えたものなんですよ[17]」とも述べている。

富野由悠季が『∀ガンダム』以来15年ぶりに『ガンダムシリーズ』の制作に携わった、『ガンダム Gのレコンギスタ』では、新たな紀年法「リギルド・センチュリー」が使用されており、宇宙世紀の次の年代とされている。だが、本作のテレビシリーズの映像ソフト最終巻発売時期のトークショーにて富野は、「本作品は『∀ガンダム』から約500年後頃を想定して制作した」と発言している[20]。これは、これまで公式が公開してきた時系列の設定(『Gのレコンギスタ』⇒『∀ガンダム』)と異なる上、宇宙世紀を「約1000年前[21]の“前世紀[22]”」として扱う『Gのレコンギスタ』の設定と、宇宙世紀を「約1万年前の“太古”[23]」として扱う『∀ガンダム』の設定とで矛盾が生じる。だが、この発言を受けるならば『Gのレコンギスタ』に関しては「黒歴史」に含まれないことになる。それと同時に、自身が単独でシリーズ全体の設定を決定する権限がないことにも触れ、「(公式が自身の見解と異なる時系列を発表していたことについて)それはそれでいいんです」「皆さんなりに“ガンダム全史”みたいなものを作っていたたければいい」と前置きしつつも「その時には『Gのレコンギスタ』の位置付けが、今言った所(『∀ガンダム』⇒『Gのレコンギスタ』)に置いていただけたら嬉しく思います」と述べている[20]。これから、どちらがシリーズ全体の公式な設定となるかは現状は不明。この発言を受けて、聞き手を務めていた本作のプロデューサーであるサンライズの小形尚弘は「色々と整理したいと思いますので、来場者の皆さんは今日聞いたことは一旦胸の内にしまって頂いて。次の何かの機会に、しれっとそうなってる可能性はありますので」と答えた[20]

脚注[編集]

  1. ^ 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争および機動戦士ガンダムUC
  2. ^ 機動戦士Zガンダム
  3. ^ 機動戦士ガンダム、ベルファスト大学
  4. ^ 機動戦士ガンダムUCなど
  5. ^ カトキハジメ (2013年2月23日). シナンジュ・スタイン……人の手に余る“原石”. (インタビュー). プラモデル「MSN-06S シナンジュ・スタイン Ver.Ka」説明書. 
  6. ^ GUNDAM EVOLVE』シリーズの一部作品、『機動戦士ガンダム サンダーボルト』など。
  7. ^ アウターガンダム』、『機動戦士クロスボーン・ガンダム -スカルハート-』収録の「猿の衛星」など
  8. ^ SDガンダム GGENERATION』シリーズ、『第2次スーパーロボット大戦α』など多数。
  9. ^ 公式PV「100秒でわかる「機動戦士ガンダムUC」など
  10. ^ ENTERTAINMENT BIBLE.1『機動戦士ガンダムMS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』(バンダイ・1989年)63頁。
  11. ^ 電撃ENTERTAINMENT BIBLE『機動戦士ガンダム大図鑑1【ザンスカール戦争編】(上)』(メディアワークス・1994年)53頁。
  12. ^ 電撃ENTERTAINMENT BIBLE『機動戦士ガンダム大図鑑2【ザンスカール戦争編】(下)』(メディアワークス・1994年)53頁。
  13. ^ 1990年代発売の電撃コミックス各誌に記載の『GUNDAM OFFICIAL HISTORY』より。
  14. ^ 電撃ENTERTAINMENT BIBLE『機動戦士ガンダム大図鑑1【ザンスカール戦争編】(上)』(メディアワークス・1994年)59頁。
  15. ^ 電撃ENTERTAINMENT BIBLE『機動戦士ガンダム大図鑑2【ザンスカール戦争編】(下)』(メディアワークス・1994年)57、59頁。
  16. ^ SDガンダム GGENERATION』シリーズなど。
  17. ^ a b 電撃PlayStation』2007年9月14日号付録収録「Re:Play」Vol.9 富野由悠季インタビューより。
  18. ^ a b プラモデル「ターンX」組立説明書, 1/100スケールモデル MG, バンダイ 
  19. ^ 『GUNDAM 35th ANNIVERSARY BOOK YOSHIYUKI TOMINO 1979-2014』11頁。
  20. ^ a b c 『夜のG-レコ研究会 ~富野由悠季編~』2015年8月27日。スマートフォンアプリ「ガンダムチャンネル」にてアーカイブ配信されている。
  21. ^ 『TV Bros.』2014年8月2日号「富野由悠季インタビュー」6-9頁。
  22. ^ 第2話・第4話・第6話より。
  23. ^ 『∀ガンダム』第44話「敵、新たなり」より。『劇場版∀ガンダムII 月光蝶』では約5000年前とされる。

関連項目[編集]