ズゴック

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ズゴックZ'GOK)は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器「モビルスーツ(MS)」のひとつ。初出は、1979年に放送されたテレビアニメ機動戦士ガンダム』。

作中の敵側勢力であるジオン公国軍の量産機で、水中行動が可能な「水陸両用MS」に分類される機体。通常のMSと違って首がなく、胴体自体にジオン系MSの特徴であるモノアイ(単眼カメラを内蔵している。ほかにも蛇腹のような構造を持つ手足、両手の鋭い(アイアン・ネイル)といった独特の構造をもつ。

劇中では、主人公アムロ・レイのライバルであるシャア・アズナブルが搭乗する赤基調の機体と、量産型である青基調の機体が登場する。当初は、シャア専用機と量産型の違いはカラーリングのみとされていたが、設定の変遷によって「シャア専用機はより高性能な指揮官機で、のちに量産型も指揮官機と同じ仕様に改修された」とされている。

メカニックデザインは大河原邦男

本項では、後発作品などに登場する各派生機の解説もおこなう。

機体解説[編集]

諸元
ズゴック
Z'GOK
型式番号 MSM-07
MSM-07S
頭頂高 18.4m[1]/19.4m[2]
本体重量 65.1t[1]
全備重量 96.4t[1]/84t[2]
装甲材質 チタン・セラミック複合材[3]
超硬スチール合金[3]
出力 2,480kW[1](74,000馬力[2]
推力 35,000×2、13,000×3[4]1
総推力83,000kg[1]
最高速度 地上:87km/h[5]
水中:103kt[1]/22kt[6]
武装 6連装24cmロケット弾発射器(内蔵:弾数30)
メガ粒子砲×2
アイアン・ネイル×2
搭乗者 カラハ
リー・ホアン
ゴダール
ゴイック[要出典]
ジッタル
シャア・アズナブル
ジオン公国軍一般兵

MIP社が開発を行った重モビルスーツの一つ[7]。第一期の水陸両用MSであるゴッグと異なり、アッガイと同じ第二期開発の機体として扱われる[8]。最終設計にあたってはゴッグで得られた実戦データを元に改良が重ねられているが、そのために開発が遅延し、完成はアッガイが先行した[9][注 1]。元々はMSM-04の型式番号を与えられる予定の機体であったが、開発の遅た延から生産はゴッグの後期型と同時期となった[10][注 2]。生産はキャリフォルニアベースが担当している[9]

水陸両MSの中では陸戦に主眼が置かれており、空冷式と水冷式のラジエーターを併用。加えて、熱核水流ジェットのほか、ジャンプ用の化学燃料ロケットを有する[11]。また、ゴッグでは対応できなかった対空戦闘や航空・水上捜索も充分に行えるよう設計されている[3]。単機当たりのスペックは同時期に地球連邦軍で量産されたMSを凌駕[12]。各地の潜水部隊に配備され、強襲作戦や上陸作戦に従事。MSMシリーズ中最高の戦闘力を有し、パイロットによってはザクを凌駕する戦果を挙げている。後期には反応炉の出力向上と運動性の改良、装甲の材質変更を行ったMSM-07Sに生産が切り替えられている[9]。尚、MSM-07S型のうち、シャア・アズナブルの専用機は20%のチューンナップが施されている[13]。高性能と引き換えに操縦性に癖が強い機体であり、ゴッグとパーツ互換性がない事からコストが高い機体である[14]

武装[編集]

240mmロケット弾[12]
頭部に発射管を6基装備している(装弾数30発)[15]。任務によって対艦・対地・対空用の弾を選択して装填可能[13]。水中での発射も可能であるが耐圧深度が低く、主に浮上・上陸後、また対空用に用いられた[12]
アイアン・ネイル
ズゴックの近接格闘用の装備で、機体運用の観点からオプションの採用が難しかったことから導入された。開閉機構によってマニピュレーターのように使用する熟練パイロットも存在したとされる。また、熟練者であれば一突きでジムクラスの装甲を貫通可能[12]。グラブロと同様に、フィンとしても機能する[16]
この爪部は設定画稿において3本描かれている[9]が、映画『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』のポスターにおいては4本描かれている。
メガ粒子砲[注 3]
出力3.2MW[18]。クローの中央に内蔵。腹部に装備したゴッグと比較し、使い勝手は向上している[12]。ビーム集束度が高く、低空飛行する航空機を撃墜する事も可能[19]
その他
4連装メガ粒子砲
オプション兵装として計画されていたもので、腕部関節がMS-03式フレキシブルアームとなっているほか、腕部先端が4連装のメガ粒子砲となっている。ジェネレーター出力の限界から机上の空論に止まった[18]
ヒートロッド
オプション兵装として、クローの代わりにアッグガイと同様のヒートロッドを装備した腕部ユニットに換装可能。ただし、シャア・アズナブル搭乗機では使用されなかった[13]

劇中での活躍[編集]

機動戦士ガンダム[編集]

テレビ版第27話に初登場。マッドアングラー隊の副官フラナガン・ブーンに、「水陸両用重モビルスーツ」と紹介された。

カラハ曹長の操縦するズゴックは、ゴッグ1機(パイロット不明)と共に連邦軍ベルファスト基地を攻撃した。連邦軍守備隊の通常兵器による攻撃を一蹴したズゴックは、ハヤト・コバヤシが搭乗している地球連邦軍のガンキャノンの射撃を軽々と回避し、アイアンネイルで機体を拘束して両腕を引きちぎりにかかった。割って入ったアムロ・レイガンダムをも水中戦で翻弄するが、海面へ逃げるガンダムを追って浮上したところをカイ・シデンガンタンクに狙撃され、飛び降りてきたガンダムのビームサーベルで頭から両断されて撃破された。なお、この攻撃はホワイトベースへスパイ107号ミハル・ラトキエを潜入させるための陽動作戦であり、107号は潜入に成功した。また、ベルファスト基地にも打撃は与えたが、ズゴックとゴッグだけでなく、発進させたユーコンまで撃沈される損害(第26話の第一次攻撃も合わせると、母艦1・MS4機という大損害)を出した。

テレビ版第28話では、潜水母艦「マッドアングラー」の格納庫に、水中用MA「グラブロ」と共にズゴック5機が収納されている。5機のうち2機がフラナガン・ブーン操縦のグラブロに牽引され、ホワイトベースを襲撃した。この小部隊はホワイトベースに多少の損害を与えるも、Gファイター(セイラ・マス搭乗)によってゴダール搭乗のズゴックが、ガンペリー(カイとミハル搭乗)によってズゴック(搭乗者不明)が、最後にガンダムによってグラブロが撃墜され、全滅した。出撃しなかった3機のズゴックのその後については不明である。

テレビ版第29話(『劇場版 機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』)にも登場。テレビ版ではマッドアングラー隊にゾックとズゴック各1機が補充された[注 4]。シャア・アズナブルは赤く塗装された専用のズゴック(S型)に乗り、ジャブロー攻略に参加。テレビ版ではシャアの部下として2機のズゴックが登場し、シャアと共にガウ攻撃空母から降下した。リー・ホワン搭乗機は対空砲火で降下中に撃墜され、ジッタル機は着水するも連邦軍防衛施設から発射された魚雷の直撃で撃破された。

僚機を失ったシャアは、ボラスキニフ曹長らの先発隊と合流。ジャブロー内部にて61式戦車を投げ捨て、ジム数機を撃破した。ジムが発射するビームを回避しつつ懐にもぐりこみ、アイアンネイルの一撃で屠るシャア専用ズゴックの姿は特に有名である。その後、シャア専用機はガンダムと交戦するが、ウッディ大尉搭乗のファンファンに攻撃され、メインカメラを破壊されて撤退した。劇場版ではメインカメラを損傷せずにガンダムとの戦闘を続けたが、ビームサーベルの攻撃で右腕を切断されて機体のバランサーが狂い、撤退を余儀なくされた。

テレビ版第30話では、シャア専用機が第二次攻撃隊のアッガイ部隊を率いてふたたびジャブローに潜入する(モノアイも修理されていた)。潜入作戦は失敗し、脱出中にガンダムに発見される。この戦闘でアッガイ部隊は全滅。シャア専用機のみ右腕を切断された状態で脱出し[注 5]、これ以降は登場しない。

一年戦争後[編集]

『機動戦士ガンダムΖΖ』では、第40話と第41話でタイガーバウム・コロニーにおいて、スタンパ・ハロイのコレクションの1つとして登場する。第40話では、を持ち偶像のようなポーズをとっている赤と黄色のズゴックと量産型カラーのズゴックが登場する。後者の機体が主人公ジュドー・アーシタによって奪われ、ザクIアッグガイハマーン・カーンの操るアッガイと交戦した。第41話では、スタンパ自身がズゴックに搭乗してジュドー達を追いつめるが、その際にラサラ・ムーンを殺したため、それに激怒したモンド・アガケの駆るガンダムMk-IIによって撃破された。なお、本機を含むスタンパがコレクションとして所有しているMSはどれもリニアシート式コックピットに改修されており、熱核ジェットによるホバー走行が可能。

アニメ版『機動戦士ガンダムUC』では、地上のジオン残党軍が扱うMSとしてグリーンカラーに塗装された本機が登場。連邦軍トリントン湾岸基地襲撃作戦に参戦するが、湾岸基地上陸後にバイアラン・カスタムの放ったメガ粒子砲により撃破された。

宇宙世紀より後の時代を描いた『ガンダム Gのレコンギスタ』最終話にて、G-セルフを追ってジャブローの地下洞窟に入ったカバカーリーのパイロットであるマスク大尉が、朽ち果てた2機のズゴックを「宇宙世紀時代の遺物」と確認する場面がある。

漫画作品[編集]

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではデザインが大幅に変更されている。同作ではシャアがジャブロー攻略に使用した赤い機体が先に登場し、改装中のガンダムに替わってジムに乗ったアムロと交戦した。そのほかにはジオン軍マッドアングラー隊のスビッチが操縦し、ボラスキニフ曹長のゾックと共にグラブロに牽引されてホワイトベースをミサイルで攻撃する。その際、ウォン伍長のコア・ファイターに右腕をミサイルで破壊された後、カイとミハルのガンペリーの大型ミサイルで撃破される。スレッガー・ロウからは「丸頭」と呼ばれていた。

漫画『機動戦士ガンダム0079』では、コーカ・ラサのゴッグとともに2機でベルファスト基地を襲撃しているが、アニメ版とは異なり、停泊していた連邦軍水上艦艇の艦砲射撃で(市街地ごと)撃破されている。

漫画『機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画』では、ジオン本国内で消防隊用に改造された機体が登場した。武装やアイアンネイルはすべて解除され、腕部のメガ粒子発射口から大量の水(または消火剤)を噴射し、爆弾テロに見舞われたジオン公国公安本部庁舎の消火活動に当たっている。

漫画『機動戦士ガンダム』(岡崎優版)では、ドズル・ザビの指揮下でゾックなど他の水陸両用MSと共に宇宙を飛び回っていた。後年のアニメ『模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングG』第2話や『ガンダムビルドファイターズ』第21話においても、同様に「宇宙フィールドへ出撃するズゴック」のカットが描かれている。

漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダムDust』では宇宙用に改修された機体が登場。技術力の低下したこの時代では貴重なビーム兵器を有することから、90年前の機体でありながら脅威となっている。ただし宇宙空間ではジェネレーターの冷却ができず、メガ粒子砲は数発しか撃てない使い捨てである。

設定の推移[編集]

監督の富野喜幸によるラフデザインの段階では、本機はゾゴックと共にゴック(その当時の表記)・バリエーションのひとつという設定であった。なお、視界不良を補うためか多数のカメラアイを有する、という意味での複眼モビルスーツと設定されていた。

また、ゾゴックの意匠(ズゴックにゾゴックの手足が付いている)を併せ持つラフデザインも存在する。

その名称についてはバラつきがあり、シナリオによって「ジオッグ[20]」、「ジゴック[21]」との表記がみられる。

バリエーション[編集]

プロトタイプズゴック[編集]

曽野由大の漫画『アッガイ博士』に登場する、ズゴックの試作型。名称はプロトタイプゴッグプロトタイプアッガイに倣った暫定的なものである。

同作品の主人公であるMIP社のソースケ・カトーが設計に携わっている。量産型との主な相違点は、モノアイ下部にある「鼻」と「口」を思わせるユニットと、そこから「髭」のように伸びる動力パイプ。また腕部と脚部はこの時点ではフレキシブル・ベロウズ・リムが採用されていない。

第1巻ではプロトタイプゴッグ、プロトタイプアッガイと共に水陸両用MSの評価試験に参加しているが、本機の名称は呼ばれない。第2巻では「ズゴック」と呼ばれ、地球侵攻作戦直前に開催された全MSメーカーの水陸両用MSによる競技会に参加し、パイロットはソースケが務めている。またこのとき、頭部発射管の一部にフリージーヤードを装填している。

ズゴック(D型)[編集]

模型雑誌『ホビージャパン』の企画「MOBILE SUIT in ACTION ジオンの星」に登場。名称は単に「ズゴック」と呼ばれる(型式番号:MSM-07D[22]

前線におけるズゴックの改良型で、アイアン・ネイルが各4本になり(ズゴックEと異なり対角線上に配置)、腰部に装甲が追加され耐弾性が向上している[22]。特に後部の後部は膝下まで伸びている。またモノアイ・レール左側面にアンテナが追加され、足首は前後とも二股の形状になっている。塗装は青を基調とするが、グレーであるとも言われる[22]

突撃機動軍から地球攻撃軍に編入された第13中隊に配備され、3機がズゴックIIとともに西ヨーロッパでの「D作戦」に参加、連邦軍の補給基地を襲撃している。主なパイロットはデグナー・ロメオ[22]

ズゴックE[編集]

諸元
ズゴックE
Z'GOK EXPERIMENT
型式番号 MSM-07E
頭頂高 18.4m
重量 69.5t
基準排水量 311.0t
装甲材質 チタン・セラミック複合材
出力 2,570kW
推力 20,000kg×4(背部)
16,000kg×2(股間部/陸上用)
(総推力)112,000kg
武装 魚雷発射管×6
ビーム・カノン×2
バイス・クロウ×2
搭乗者 ハーディ・シュタイナー
テッセラ・マッセラ
その他 姿勢制御バーニア×9

OVA機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場。Eは「試験機」を意味するエクスペリメントの略である。

一年戦争中にジオン公国軍突撃機動軍所属マ・クベ中佐(当時)が立案した「統合整備計画」によって改良された、ズゴックの性能向上機である。そもそもズゴックは非常に高い完成度の機体であったが、コストの高さと操縦性が難点だった。そこでこれらの問題点の解消と共にさらなる機体性能の向上が図られ、部品の共通化と簡略化によって大幅なコスト削減を達成したうえ、統合整備計画による他のMSとコクピットを統一化し、コスト削減と同時にパイロットの負担の減少に貢献した。

水中航行時の水流抵抗を軽減するために機体各部には改良が加えられ、航行速度の向上が図られた。ゴッグで採用された腕部および脚部の収納システムに加え、肩部および腰部にはフェアリングを兼ねた装甲が追加された。さらに背部の推進器は熱核ジェットエンジンとして股間部と脚部に、陸上のみで使用するスラスターとして胴体一体型のものへ再配置された。また、ハイゴッグのものと同規格のジェット・パックを背部に増設することも可能であった。

そのうえ、機関部を一新したことにより機動性が上がって陸戦能力が向上した。ハイゴッグ同様、モノアイはサーチライトとしても使用可能であった。

一年戦争末期に開発されたために生産数は少ないが、主に特殊任務の隊長機として用いられている。水陸両用MSとしては一年戦争中最高クラスの完成度を持つ機体である。

武装
魚雷発射管
頭部のミサイル発射管は、水中での使用を考慮した魚雷発射管に換装された。
バイス・クロー
腕部先端のアイアン・ネイルは「親指」が追加された4本爪配置とされ、簡易的ではあるがマニピュレーターのように使用することが可能となった。
メガ粒子砲
連射性能と威力が高められ、ビーム・カノンとも呼ばれることとなった。本体のジェネレーター出力は大差なく、この性能アップにはエネルギーCAP技術の確立が寄与している。
劇中での活躍
『0080』では第1話の冒頭シーンに登場。ジオン公国軍突撃機動軍所属サイクロプス隊の隊長であるハーディ・シュタイナーのズゴックEは隊員のミハイル・カミンスキーアンディ・ストロースガブリエル・ラミレス・ガルシアらの搭乗したハイゴッグと共に地球連邦軍の北極基地を強襲し、基地防衛のMSを圧倒した。
小説版『機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles』では、カルフォルニアベースからオーストラリア大陸に持ち出された本機が登場する。ガースキー・ジノビエフ曹長が搭乗した。音響関連のセンサーに優れた優秀な陸戦MSとして描写されている。
OVA『機動戦士ガンダムUC』の外伝作品『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』第3話では、カークス隊所属のテッセラ・マッセラ中尉が右腕がない機体をゼー・ズール受領前に使用したほか、第7話・第8話ではカークス隊基地を狙う海賊との攻防戦に参戦している。

ズゴック改[編集]

小説『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場。

OVA版において登場したズゴックEとハイゴッグの代わりに登場する。ズゴックの改良型であり、重量バランスの変更などによって汎用機に比べて劣る陸戦能力を強化した機体となっている。また、OVA版のハイゴッグと同様、腕部にハンドミサイルユニットを装着することも可能である。

ズゴック・クラブ[編集]

メカニックデザイン企画『F.M.S.』(福地モビルスーツステーション)に登場(型式番号:MSM-07F)。

ズゴックを水中戦に特化させた機体であり、水中での機動性が強化されている反面、陸戦能力は重視されていない。左腕がミサイルランチャーに、右腕が通常のアイアンネイルとは形状の異なるクローに変更されている。

宇宙世紀0079年11月に、マッドアングラー級潜水艦「ズアイ」に搭載された機体が、グラブロ4号機の護衛を兼ねて実戦テストを行っている。

ラムズゴック[編集]

諸元
ラムズゴック
RAM Z'GOK
型式番号 MSM-07N
全長 18.9m
重量 73.5t
武装 クロー・シールド×2
メガ粒子砲×2
ヒート・ラム

メカニックデザイン企画『MSV-R』に登場。

水陸両用MSの中では高性能を誇ったズゴックではあったが、対艦および対MS戦においてアイアンネイルを使用する際、敵機体から突き刺したネイルを引き抜くことができず、爆発ボルトの使用で難を逃れ、戦線を離脱する例が相次いだ。この弱点への対応として、両腕のアイアンネイルと頭部のロケットランチャーを廃し、クロー装備シールドと対艦攻撃用のヒート・ラム(大型衝角)を装備した、対艦戦闘用に使用を限定される本機が開発されるに至った。

クロー・シールドは両腕にマウントされて着脱は容易かつ強度も増し、長さもアイアンネイルの2倍となって近接攻撃力が増した。また、腕部の武装はメガ粒子砲のみとなり、発射時のネイル開放の必要もなくなった。また、指等の機構は完全に廃止された。そして頭部に装着されたヒート・ラムは戦闘時(あるいは砕氷作業時)には屹立し、発熱して敵艦底を切り裂く攻撃を可能とした。

一年戦争時において、主に北ヨーロッパや北米大陸で運用されており、形式番号は終戦間際に与えられたものである。

小説『MSV-R ザ・トラブルメーカーズ』では、一年戦争終結直後に地中海海域で通常のズゴック1機とともに活動するジオン残党軍の1機が登場、リンツ・メイヤー軍曹が搭乗する。

ズゴックII[編集]

『ホビージャパン』の企画「MOBILE SUIT in ACTION ジオンの星」に登場(型式番号:MSM-07R[22]

地球侵攻において高い評価を得たズゴックだが、ジオン公国軍上層部は戦果拡大のためMIP社に改良を要求。その結果、発注から1ヶ月という異例のペースで本機のプロトタイプがロールアウトしている。ジェネレーター出力は30パーセント向上し、実戦データをもとに装甲を強化[22]D型と同様の腰部装甲に加えて、両肩にゴッグのような装甲が追加されている(胴体部と一体型)。またモノアイ・レール正面の支柱が撤去され、胴体部インテークの形状も変更されている。頭頂部ミサイル・ランチャーは前部2門に減っているが、バックパック中央部にザク・マリナーのようなサブロック(ミサイル)・ランチャーが確認できる。すべての点で通常型を上回る能力をもつとされるが[23]、実戦配備された機体は少なく、一説には3機と言われる[22]。塗装は青を基調とする。

突撃機動軍から地球攻撃軍に編入された第13中隊に1機配備され、ラス・ハンニバル中佐が搭乗しズゴックD型を率いて西ヨーロッパでの「D作戦」に参加、連邦軍の補給基地を襲撃している。この機体は腹部装甲が除去され内部機器が露出しているが、戦闘のダメージによるものかは不明である[22]

ゼーゴック[編集]

諸元
ゼーゴック
Ze'GOK
型式番号 MSM-07Di[24]
全高 13.2m
全長 27.3m
全幅 15.6m
重量 212t/ペイロード:540〜917t(装備により異なる)
装甲材質 不明(ズゴックユニットはチタン・セラミック複合材)
出力 2,453kW(ズゴックユニット)
4,680kW×2(ダイブマニューバー・ユニットの熱核エンジン)
推力 285,000kg(装備により異なる)
武装 腕部メガ粒子砲
各種大量兵器輸送用コンテナ(LWC)
搭乗者 ヴェルナー・ホルバイン
ヒデト・ワシヤ(エンジニアリングオフィサー)

OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO -黙示録0079-』に登場。

衛星軌道上から大気圏に突入し、地上・海上の敵に対して奇襲攻撃を行うことを目的とした特殊兵装である「モビルダイバーシステム」の機動管制ユニット。モビルダイバーシステムは、この機動管制ユニットと大量兵器輸送用コンテナLWC = Logistics Weapon Container)により構成され、両者は管制ユニット側のパイロンにて接続されている。一年戦争末期、ジャブローより行われていた地球連邦軍艦艇の打ち上げ阻止のため、LWCに高機動性能を与えることによる新たな対地攻撃兵器として投入された[25]

名称の由来は、水陸両用MSであるズゴックの上半身が用いられていることによる。ズゴック頭部のロケットランチャーは発射口の形状こそ残っているが全ての機能が除去され、右腕もセンサーに換装されているため、機動管制ユニットとしての武装は左腕のクローバイスビーム砲(メガ粒子砲)1門のみである。使用機体にズゴックが選ばれた理由は水陸両用MSとしての気密性や装甲の堅牢性およびジェネレーター出力の高さに加え、ほかの水陸両用MSにはない、水中・大気中でも稼動可能なハイブリッド・エンジンを搭載していたことによるものである[25]。しかしその一方で、主戦場が宇宙に移行し、オデッサの陥落およびジャブロー攻略の失敗などによってほとんどの地上拠点を失ったジオン公国軍にとっては、もはや使い道のなくなった水陸両用MSの再利用という側面があったようであり[注 6]、本来の計画段階における機動管制には別の新型MSを使用する予定であったらしい[25]

衛星軌道上から降下したモビルダイバーシステムは任務終了後にLWCを投棄、ガウ級攻撃空母などに収容されて戦闘データとパイロットを回収した後はゼーゴック本体も地上にて廃棄される、完全な使い捨ての兵器であった。

第2次運用試験の際にホルバイン少尉と共にヒデト・ワシヤ中尉が搭乗し複座となっているが、この後部座席は603技術試験大隊でのテスト時にエンジニアリングオフィサーとして搭乗したワシヤ中尉のために増設された簡易シートである。本機のコクピットは通常のズゴックと異なり、統合整備計画に準拠したタイプに換装されていた[26]

劇中での活躍
第1話に登場。設定では9機試作されたことになっており[25]、劇中では宇宙世紀0079年12月2日から7日にかけてヴェルナー・ホルバイン少尉をテストパイロットとする評価試験が4回実施された。当初、評価試験は「ムスペルヘイム」を母艦とする第604技術試験隊で実施されていたが、1回目の試験中ゼーゴックの射出直後に母艦が撃沈されたため、2回目から4回目の試験は「ヨーツンヘイム」を母艦とする第603技術試験隊にて実施された。
  • 1回目の試験ではどのような作戦行動を行ったのかは不明。後にモニク・キャディラック大尉が「戦果ゼロ」と発言している。
  • 2回目の試験は12月3日に行われた。全長60mの大型ミサイル4発(マルチ・ミサイル・パス[27])を搭載し、上昇中の連邦軍艦船に対して横方向から攻撃した。
  • 3回目の試験ではワシヤ中尉同乗のもと28連装ロケットランチャー「R-1(アール・アイン)」を装備[27]。水平飛行に移りつつある連邦軍艦船に後方から射撃を行おうとしたが、直前にジャブローから発射されたミサイルの迎撃にあい、本機は高度を失う。結果、連邦軍艦船に射程距離外へと逃げられた。評価試験のために、R-1は発射している。
  • 4回目の試験は12月7日に行われた。MA用のビーム砲を改造した拡散ビーム砲「クーベルメ」を搭載し[注 7]、垂直上昇中の連邦軍艦船とすれ違いざまに下方から攻撃を行った。その際の戦果はマゼラン級戦艦1隻、サラミス級巡洋艦4隻の同時撃沈というそれまでの失敗を払拭する晴れ晴れしいものであった。しかし、その直後にコア・ブースターII・インターセプトタイプの追撃を受けて回収機のガウが撃墜され、ゼーゴックも被弾し海上に墜落しホルバイン少尉は消息を絶った。
もともと急造・転用兵器としての問題点も抱えてはいたが、高い技量を持つパイロットが不足している(大気圏突入を行いながらLWCを温存し、敵の迎撃を回避しつつ攻撃を行うため)こと、および先のとおり主戦場が宇宙へ移行した(地上の拠点がなければデータやパイロットの回収も不可能になるため)ことにより、公国軍はこれ以降の試験を打ち切った。

漫画『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』にも登場している。

RFズゴック[編集]

諸元
RFズゴック
RF Z'GOK
型式番号 OMSM-07RF
頭頂高 18.4m
重量 57.9t
出力 2,830kW
推力 67,900kg
武装 ヒートクロー×2
ビームカノン×2
対艦対空ミサイル×6
ビームシャワー
搭乗者 オールズモビル兵

ゲーム機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』に登場。オールズモビルが開発したMS。最新の技術を用いたズゴックのリファイン機。

外見こそ一年戦争時のズゴックだが、性能はオリジナルを大幅に凌駕し、宇宙世紀0120年代の機種に匹敵する。

主に陸上における戦闘能力が強化されており、陸上での機動性の改良に加え、両腕部のクローは、ビームカノンを放つことのできるヒートクローに換装され、攻撃力が向上している。さらに背部のハイドロジェットによって潜水艦並みに長期の水中活動が可能となった。

パーフェクトズゴックキャノン[編集]

カードダスSDガンダム カードダス』などに登場。

ズゴックをベースとした高性能機で、「いつどこで開発されたかさえわからない謎のMS」とされている。水陸に止まらず、宇宙空間での戦闘も可能な高い汎用性を持つ。武装として頭頂部にハイメガキャノンを1門、背部のバックパックに280mmキャノン砲を2門、腕部にビームランチャーを装備している。また、機体各部の形状にはズゴック以外の機体の意匠も見受けられ、腕部はゴッグ、胴体はガンダム系のMS、脚部は高機動型ザクIIの物に類似している。また、頭部にはブレードアンテナを有している。

元々は『コミックボンボン』のオリジナルデザインコンテストグランプリの受賞作品であり、カードダス化の他に『ガシャポン戦士』で立体化もされている。当初はSD体型の画稿しか存在しなかったが、『月刊ホビージャパン』2000年7月号にてリアル等身の作例が掲載された。

なお、カードダスでの型式番号は「MSM-07FC-B」だが、『GUNDAM WEAPONS "ニュージェネレーション"編』では「MSM-07OP」という型式番号になっている。

ズゴック(サンダーボルト版)[編集]

漫画・OVA『機動戦士ガンダム サンダーボルト』に登場。

カウフマン部隊の主力機。ゴッグ同様に足を折りたたむ機構が追加されているほか、四肢には球体関節、肩部には増加装甲が導入されているため、原典のデザインより股関節部分がむき出しで太く、肩は怒り肩となっている。また、寒冷地戦への想定から脚部が改修され、ホバー走行が可能となっている[28]

脚注[編集]

[ヘルプ]

注釈[編集]

  1. ^ 陸上での運動性、格闘能力の向上、火力の充実のため、工期が圧迫される事となった[3]
  2. ^ プロトタイプの完成は遅れたものの、テスト結果が良好であったことからゴッグと並行して量産されたとする資料もみられる[7]
  3. ^ クローバイスビーム砲と記述した資料もみられる[17]
  4. ^ ファット・アンクルの中に確認できる。第28話で残存した機体を合わせるとズゴック4機になるが、出撃したのは2機のみ。
  5. ^ 劇場版では、このテレビ版第30話の戦闘シーンがウッディ大尉戦死直後にまとめられている。
  6. ^ OVA『MS IGLOO -黙示録0079-』第1話、マイ技術中尉とユルゲン・ヘプナー甲板長の会話より。
  7. ^ OVA『MS IGLOO -黙示録0079-』第1話、キャデラック大尉とマイ技術中尉の会話より。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、1989年2月20日、56-57頁。(ISBN 4-89189-006-1)
  2. ^ a b c 『テレビマガジン』1981年3月号付録『機動戦士ガンダム大事典』下巻(講談社)
  3. ^ a b c d 「112 ズゴック」『機動戦士ガンダム MSV コレクションファイル[地球編]』講談社、2000年6月。ISBN 978-4063465518
  4. ^ 『B-CLUB VISUAL COMIC 機動戦士0080 ポケットの中の戦争 VOL 2』(バンダイ、1989年)
  5. ^ 『講談社ポケット百科シリーズ15 ロボット大全集1 機動戦士ガンダム』(1981年)
  6. ^ 『講談社のポケットカード8 機動戦士ガンダム モビルスーツコレクション』(1982年)
  7. ^ a b 『ガンダムセンチュリー』みのり書房、1981年9月、銀河出版、2000年3月(復刻版)、39頁。ISBN 4-87777-028-3
  8. ^ 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション(2) ジオン軍MS・MA編』講談社、1984年4月30日、2006年7月(復刻版)、106頁。ISBN 978-4063721768
  9. ^ a b c d 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション(2) ジオン軍MS・MA編』講談社、1984年4月30日、2006年7月(復刻版)、113-115頁。ISBN 978-4063721768
  10. ^ 『模型情報・別冊 MSバリエーション・ハンドブック2』バンダイ、1983年5月、11頁。
  11. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、1989年2月20日、40頁。(ISBN 4-89189-006-1)
  12. ^ a b c d e 『HGUC 1/144 ズゴック』バンダイ、1999年11月、組立説明書。
  13. ^ a b c 『1/144 フルカラーモデル シャア専用ズゴック』バンダイ、1988年9月、組立説明書。
  14. ^ 皆川有伽『総解説ガンダム辞典Ver1.5』講談社、2009年8月、185頁、ISBN 978-4063757958
  15. ^ 『ガンダムセンチュリー』みのり書房、1981年9月、銀河出版、2000年3月(復刻版)、45頁。ISBN 4-87777-028-3
  16. ^ 『MG 1/100 ズゴック』バンダイ、2003年5月、組立説明書。
  17. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、1989年2月20日、122頁。(ISBN 4-89189-006-1)
  18. ^ a b 『1/144 フルカラーモデル 量産型ズゴック』バンダイ、1988年10月、組立説明書。
  19. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、1989年2月20日、84頁。(ISBN 4-89189-006-1)
  20. ^ 機動戦士ガンダム台本全記録・第27話
  21. ^ 機動戦士ガンダム台本全記録・第30話
  22. ^ a b c d e f g h 『ホビージャパン』1987年5月号、ホビージャパン、35-37頁。
  23. ^ 『ホビージャパン』1987年8月号、ホビージャパン、37頁。
  24. ^ 以下諸元は、書籍『機動戦士ガンダム MS IGLOO Mission Complete』50頁より。
  25. ^ a b c d 書籍『機動戦士ガンダム MS IGLOO Mission Complete』51頁より。
  26. ^ 書籍『機動戦士ガンダム MS IGLOO Mission Complete』55頁より。
  27. ^ a b 書籍『機動戦士ガンダム MS IGLOO Mission Complete』52頁より。
  28. ^ MECHANICAL ジオン公国軍 2nd - 機動戦士ガンダム サンダーボルト

関連項目[編集]