ガザC

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ガザC(ガザシー、GAZA-C)は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器モビルスーツ」(MS)の一つ。初出は、1985年放送のテレビアニメ機動戦士Ζガンダム』。

作中の軍事勢力の一つ「アクシズ」(のちのネオ・ジオン軍)の量産機。通常の人型を外れた独特の形状が特徴で、鳥のような両脚を持つ砲撃形態に変形する可変MS (TMS)。作業機を改造しているため性能は低いが、集団を組んでの砲撃戦では高い威力を発揮する。

メカニックデザイン小林誠

当記事では、『機動戦士Ζガンダム』の続編『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場する発展機「ガザD」や「ガ・ゾウム」、そのほかの作品に登場する各バリエーション機の解説も行う。

機体解説[編集]

諸元
ガザC
GAZA-C
型式番号 AMX-003 (MMT-1)
全高 22.5m / 10.9m(MA時)
頭頂高 18.3m
全長 21.2m(MA時)
全幅 10.4m(MA時)
本体重量 40.8t
全備重量 72.5t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 1,720kW
推力 30,800kg×2(背部)
(総推力)79,200kg
センサー
有効半径
10,600m
武装 ナックルバスター(出力6.7MW)
ビーム・ガン(出力2.3MW)
ビーム・サーベル(出力0.4MW)×2
搭乗者 ハマーン・カーン(『劇場版Ζ』)
グレミー・トト(一般兵時代)
ネオ・ジオン軍兵士
その他 姿勢制御バーニア×4

一年戦争終結後、アステロイドベルトの小惑星アクシズに逃げ延びたジオン公国軍残党は、アクシズ内部の施設拡充およびその居住施設モウサの建築に際して、一年戦争時代のMSを作業用に供するとともに、新たな作業機としてガザAとガザB[1]を開発する。のちにアクシズの地球圏への帰還が決定すると、これらガザシリーズを戦闘用に発展させたガザCを主力とする暫定的な軍備増強を図る。この経緯から、ガザCは従来のジオン系MSとは異なる開発コンセプトをもつ。簡易的ながらも可変機能を有するため、第3世代MSに分類される。

アクシズ軍パイロットの練度が問題から、砲撃を中心とする集団戦術(3機編成による編隊行動を遵守)を想定して設計され、高出力ビーム砲のナックルバスターと強化型ジェネレーターが搭載されている。あくまでも支援用であるためMSとしての運動性と機動性は低く、実際は可変自走砲というべきものであるが、新機軸の運用は期待を上回る成果を挙げている。

コクピットはハイザックと同型のものを頭部に内蔵している。頭部モノアイカメラはほかのジオン系MSよりも大型で、十字ラインが入っているのがシリーズ共通意匠となっている。両前腕部には着脱式のバインダーを装備するが、装着位置の関係から剛性面で問題を抱えている。もともと土木用マニピュレーターであった脚部は構造的に重力下での使用は想定されていない(後述)。機体そのものの構造は脆弱であり、格闘戦には向かない[2]。このため後継機ガザDでは機体強度の向上が、そのさらなる後継機ガ・ゾウムでは武装の取り回しを格闘戦向きにするなどの変更がなされている。

生産はグリプス戦役中期に終了し、生産数は250機[3]とも推定300機近く[4]ともいわれる。次なる戦い(第一次ネオ・ジオン抗争)に向けて戦力を温存していたアクシズは、グリプス戦役終結時までの期間に多数のガザCを実戦投入する。標準塗装はピンクとパープルを基調とする。


MA形態[編集]

胸部を90度跳ね上げ、腕部バインダーを背面ユニットに沿わせる形で90度回転させ、脚部を180度反転させることでモビルアーマー (MA) 形態をとる。しかしその航続距離は短かい。MA形態ではナックルバスターとビーム・ガンが一直線上となる。脚部はクローとして敵機を捕捉することができるが、高い効果を挙げてはいない。MA形態時には機首に設けられたハッチを介してコクピットに搭乗する。脚部で接地し、戦艦の甲板などに降着することで砲台形態をとることも可能。

武装[編集]

ナックルバスター
ジェネレーター直結型の大出力メガ粒子砲。右胸から直接生えており、腕を沿えて操作する。右胸部のセンサーとリンクすることで、高精度の射撃が可能となっている。
ビーム・ガン
MA形態時の機首先端に2門を装備。ビーム・サーベルとの兼用として開発されたが、生産コスト削減のために射撃のみの機能に限定されている。補助火器ながらも、同時期のマラサイのビーム・ライフル(2.2MW)を上回る出力を発揮する。
ビーム・サーベル
両腕バインダーの内側に2基設置されている。
クロー
脚部が展開して格闘武器となる。MA形態時のみ使用可能。

劇中での活躍[編集]

テレビ版『機動戦士Ζガンダム』第32話にて、アステロイドベルトから地球圏に戻ってきたアクシズの主力量産MSとして登場。その物量でティターンズ艦隊を圧倒する。その際、ハマーン・カーンも本機で出陣する。コロニーレーザーを巡る三つ巴のグリプス戦役最終決戦では、ジュピトリス並びにコロニーレーザーへの攻撃のためキュベレイに多数の当機が追従。パプテマス・シロッコジ・Oと交戦状態に入るが、百式のメガ・バズーカ・ランチャーによって多数の機体が大破する。

劇場版『機動戦士ΖガンダムII -恋人たち-』では、ハマーンの専用機として白と紫を基調としたカラーリングの機体が登場する。

『機動戦士ガンダムΖΖ』でも実戦運用が続いており、新兵時代のグレミー・トトも搭乗する。グレミーの反乱時は、グレーに塗装されたグレミー軍側の機体が登場する。

雑誌企画『ガンダム・センチネル』ではグワダン級戦艦グワレイを旗艦とする艦隊の所属機としてガザEとともに登場。劇中では「カエサル」と呼ばれている。

機動戦士ガンダムUC』では、ジオンカラーに再塗装・袖付きの装飾が施され、「袖付き」の拠点衛星パラオで移動砲台的に使わるほか、テニスン艦隊の戦力として稼動している。外伝作品『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』第7話・第8話にも登場。作業用に地球に下ろされた機体[5]で、袖付きの装飾は施されておらず、ナックルバスターが撤去されている。搭乗者はトリントン基地襲撃後にカークス隊基地へ避難してきた敗残兵の一人[6]で、どこかガザCに似た面長な人物。カークス隊基地を襲撃した海賊との戦闘に参加し、同様の経緯で戦闘に参加したドワッジと漫才のようなやり取りを繰り広げる。使える兵装がビーム・ガンのみだったために戦力としては役に立たず、海賊たちのMSに両碗を引きちぎられるなど散々な目に遭うが、その惨状はトリントン基地のディエス中尉とビア中尉にジオン側との共闘を決断させる一因となる。最終的に大破した機体は基地へ放棄されるが、搭乗者は無事脱出に成功する。

設定の変遷[編集]

本機の型式番号は『機動戦士Ζガンダム』ではMMT-1とされていたが、『機動戦士ガンダムΖΖ』へのシリーズ移行に伴い、ほかのアクシズ製MSの「AMX」に準じた番号に変更された。これに対する説明は2通り設定されている。なお「1/144 ガ・ゾウム」プラモデル解説書ではMMT-3とされる。

  1. アクシズとティターンズが共同戦線を張った際に、連邦軍の型式番号(諸説あるが一般にMMT-1と言われる)が付与された[要出典]
  2. 「MMT」がアクシズの制式な番号であり、「AMX」は地球連邦軍が付けた識別コードである[要出典]

デザインを担当した小林誠は、本機を10メートルくらいの小型MSと考え、搭乗者はコクピットにほとんど押し込まれるような形で乗っているという想定を行なったが、これは劇中には活かされなかった。

歩行能力に関しては、資料によって食い違いがある。プラモデル「HGUC1/144ガザC」の付属説明書には「脚部の構造が重力下での歩行を考えていない」と解説されているが、『機動戦士ガンダムΖΖ』劇中ではコロニー内の有重力下を問題なく歩き、またその大気中を飛行している。

ガザタイプ試作型[編集]

漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』に登場する、アクシズの作業用MS。単純な構造ながら機動性と運動性の高さが見込まれ、以後戦闘型へと開発のベースとなる。

なお、小説版『機動戦士Ζガンダム』では、クワトロ・バジーナがアクシズにいた頃はガザCの可変は考えていなかったとされている。

ガザA[編集]

アクシズの作業用MS(型式番号:AMX-001)。なお、AMX-001という型式番号は『MS大図鑑 PART.2 グリプス戦争編』におけるもので、「1/144 ガ・ゾウム」プラモデル解説書ではMMT-1となっている。

放送当時の資料のうち、ケイブンシャ『機動戦士ガンダムΖΖ大百科』などによれば作業用ポッドであり可変機構はないとされ、「1/144 ガ・ゾウム」解説書によれば可変MSとされる。後の資料であるバンダイ『ENTERTAINMENT BIBLE.2 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.2 グリプス戦争編』では、変形後の脚部を大型のマニピュレータとする機体であり、ムーバブルフレームを採用せずブロック移動で変形するため生産性が高いとされている。

設定当初は記述設定のみが存在していたが、雑誌企画・漫画『A.O.Ζ Re-Boot ガンダム・インレ -くろうさぎのみた夢-』にて、藤岡建機によるデザイン画稿が発表され、併せて新規に以下の設定が付与されている。

オッゴの設計を参考に開発された非可変の作業用MAであり、オッゴと同様にドラムフレームを採用。脚部としても用いられるクローアームや、ドラムフレーム保護のためのシールド状バインダーを有している。アクシズのほかに火星独立ジオン軍(ジオンマーズ)でも運用されており、ジオンマーズ仕様は内装部品の火星向けのものへの調整が行われているほか、移動砲台仕様や巨大クレーン装備機などのオプション装備を用いたバリエーションも存在する。

ガザB[編集]

作業用MSであった「ガザA」を改造し、簡易な武装を施したMS(型式番号:AMX-002)。Aと同様、当初はデザイン画稿がまったく起こされておらず、こちらも資料により非可変機としているものと可変機としているものがある(後述)。

アクシズの警備用といわれる。その後のガザシリーズの原型となった。『ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』に登場するにあたり福地仁によって武装した可変MSとして画稿が起こされたが、本編登場には至らなかった。

設定の変遷
放送当時の資料では以下の通り設定が錯綜していた。
  • ガザBに可変機構を追加して生産簡易性を高めたものがガザC(大日本絵画『GUNDAM WARS PROJECT Ζ』)
  • 作業用のガザA・Bに武装と可変機構を追加したものがガザC(ソフトバンク『機動戦士Ζガンダム設定資料集』)
  • ガザAに武装を追加したものがガザB、ガザBに可変機構を追加したものがガザC(ケイブンシャ『機動戦士ガンダムΖΖ大百科』)
  • ガザA・Bともに作業用可変MSで、優秀な可変機能が評価されて武装を追加したものがガザC(「1/144 ガ・ゾウム」プラモデル解説書)

型式番号は「ガ・ゾウム」解説書ではMMT-2。

福地仁の解説によれば、MA形態のデザインはビグログラブロを参考にしているという(バンダイ『MJ』1989年1月号)。

ガザCII[編集]

諸元
ガザCII
GAZA-CII
型式番号 AMX-003B
全高 24.7m
頭頂高 17m
本体重量 34.8t
全備重量 66.4t
装甲材質 チタン合金およびガンダリウム合金
出力 1,970kW
推力 29,600kg×2
12,300kg×2
姿勢制御バーニア×12
センサー
有効半径
10,600m
武装 ビーム・サーベル(出力0.4MW)×2
ビーム砲(出力3.2MW)×2
搭乗者 デューク・デュバルマ

模型雑誌『ホビージャパン』の連載企画『MOBILE SUIT in ACTION ジオンの星』第4回に登場[7]

ガザCとガザDの中間的な機体とも言われるが、ナックルバスターは廃され、代わりに両腕のシールドに新開発のビーム砲が装備されている。このためジェネレーターにも若干の改良が加えられている。

試作機であるため生産数はきわめて少なく、ネオ・ジオン軍の地球侵攻作戦に参加した5機が確認されるのみである。

ガザC改[編集]

諸元
ガザC改
GAZA-C-KAI
型式番号 AMX-003S
頭頂高 18.5m[8]
本体重量 29.2t[8]
全備重量 75.2t[8]
装甲材質 ガンダリウム合金[8]
出力 2,020kW[8]
推力 100,059kg[8]
センサー
有効半径
9,989m[8]
武装 ビーム・サーベル×2
ナックルバスター
ビーム砲×2

『ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』に登場。カラードが運用したガザCの改修型。

ベース機の弱点であったMA形態での視界の向上と、宇宙戦闘機からのパイロット機種転換率向上[8]を目的として、コクピットが機首に移設された。これによりMA形態で有視界行動を行うことが可能となった。また機首のビーム砲が可動するようになり、MS形態時でも使用可能になった。このような機種が生まれた背景として、大工場を持たないアクシズが頭数をそろえるために各工場が各用途別の開発生産をしたことによるとされる[8]。主兵装は胸部に装備したナックルバスターだが、作戦により換装可能でオプション兵装としてバズーカも用意されていた[8]

ガザM(マリンタイプ)[編集]

『A.O.Ζ Re-Boot ガンダム・インレ -くろうさぎのみた夢-』に登場(型式番号:AMX-003M)。

ジオン残党組織「レジオン」による火星の制空権掌握を受けて、レジオンと対立するジオンマーズが開発した非可変の水中用MA。型式番号はガザC系列のものだが、実際にはガザAの改造機である。ガザAの胴体ユニットをベースとしつつ、クローアームや肩部バインダーにはガザDのパーツを改造した上で流用している。バインダーには水中用推進器とともに大型ミサイルポッドを、胴体中央下部にはアッグ用の4連装ミサイルランチャーを装備。また、センサー類もソナーなどの水中用のものに変更されている。水中での一撃離脱が基本戦術ではあるが、クローアームを脚部として用いることで陸上での活動も可能である。

作中にはサンド・アングラー級潜地空母「フォートアパッチ」の所属機が登場。ティターンズ残党との合同作戦である「輝ける星」作戦のために製造され、レジオンの氷河地下秘密基地攻撃に投入される。

ガザT(ガザC複座練習機)[編集]

ゲームブック『機動戦士ガンダムΖΖ』シリーズに登場する複座練習機(型式番号:AMX-003T)。

大気圏突入テスト用にバリュートや観測用機器を取り付けられていたが、ナックルバスターをはじめ全武装は健在であり、主人公がヒロインを伴ってアクシズの艦から脱出する際に使用する。

ガ・スタン[編集]

雑誌『B-CLUB』11号に掲載された機体。

旧式化したガザCを砲撃戦用に改修したもので、右肩に大型メガ粒子砲(原文では「メガ砲」)を装着している。作中では、2機がアクシズの兵器試験場で試射を行っている様子が描かれている。

ガザD[編集]

諸元
ガザD
GAZA-D
型式番号 AMX-006
頭頂高 17.0m
本体重量 28.7t
全備重量 68.4t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 2,140kW
推力 12,300kg×2(肩部後側)
18,400kg×4(背部)
(総推力)98,200kg
センサー
有効半径
10,800m
武装 ビームサーベル×2
ミサイルランチャー×4
ハイパーナックルバスター(出力8.5MW)
ビームガン×2
メガ粒子砲×2
搭乗者 ガザの嵐隊隊員
ネオ・ジオン一般兵
その他 姿勢制御バーニア×12

『機動戦士ガンダムΖΖ』『機動戦士ガンダムUC』に登場。

ガザCを本格的な戦闘用MSとして発展させた機体。ガザCの高い生産性を維持しつつ、ジェネレーターとスラスターの強化や、機体の軽量化によって出力と機動性が向上している[9]。脆弱だった腕部バインダーは接続位置が肩に変更されたほか、各部の強度が見直され、ガザCにはない高い近接格闘能力をもつ。ガザC特有の形状と簡易可変機能を受け継いでいるが、こちらは砲撃モードへの変形が削除されている[9]。しかし、MA形態は一年戦争時のMAの性能を上回り、宇宙戦闘機並みの大火力を持つ移動砲台として機能する[9]

第一次ネオ・ジオン抗争初期に投入、試作機がアーガマ追撃戦に投入される。その後大戦末期まで一般兵用として多数投入される。宇宙世紀0096年時にもネオ・ジオン残党軍「袖付き」の間で継続して運用される。

武装(ガザD)[編集]

ハイパーナックルバスター
ガザCのナックルバスターの強化発展型。砲口が円形で、長方形に近いガザCやガ・ゾウムのものと異なる。
ビームガン
ガザCと同じく、MA形態時の機首に固定装備される。
ミサイルポッド
バインダー内に装備。MS・MA両形態で使用可能。
メガ粒子砲
脚部クロー内に装備されるMA形態専用武装。機首側のビームガンよりも広い射角をもつ。
ビーム・サーベル
ガザCと同じくバインダー内側に格納される。
クロー
ガザCと同様に脚部がMA形態時のメインアームとなる。

劇中での活躍(ガザD)[編集]

『機動戦士ガンダムΖΖ』序盤に、マシュマー・セロ麾下の「ガザの嵐隊」の乗機として登場。ファ・ユイリィの駆るΖガンダムに挑み、煙幕コンビネーション「ガザ・ストーム」などで見せ場は作るが、Ζガンダムのパイロットがジュドー・アーシタに交替した後に撃退される。その後もガザDは劇中を通して一般兵用MSとして登場する。ムーン・ムーンではキャラ・スーンによって放たれた矢が腰にあたり、当たった部分をマニピュレーターで掻くという人間臭いしぐさを見せる。

『機動戦士ガンダムUC』では、ガザCとともにジオンカラーに再塗装・袖付きの装飾が施され、「袖付き」の拠点衛星パラオで使われたり、テニスン艦隊の戦力として稼動する。アニメ版ではジェガンのシールドでハイパーナックルバスターを容易に防御される。

ガザ・マリナー[編集]

『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場する予定だったガザDの水陸両用改修型。バリュートを使用し、大気圏突入後にそのまま海中戦へと移行できる機体と設定され、カプールの随伴機としての登場が予定されていた。しかし、ストーリーの都合上、自力で大気圏突入するMSを登場させる必要性がなくなったため、第1稿のデザインが描かれるに留まる[10]。作中ではカプールの随伴機としてはザク・マリナーが登場することになった。

ガザE[編集]

諸元
ガザE
GAZA-E
型式番号 AMX-007 (MMT-3)
全高 7.20m(MA時)
頭頂高 16.3m
全長 27.36m(MA時)
全幅 17.14m(MA時)
本体重量 34.8t
全備重量 68.2t
出力 2,280kW
推力 59,300kg
センサー
有効半径
11,690m
武装 ビームサーベル×2
バインダー武装ポッド×2
ビームカノン×2
搭乗者 ネオ・ジオン兵士
その他 姿勢制御バーニア×7

雑誌企画『ガンダム・センチネル』やアニメ映画『機動戦士ΖガンダムIII A New Translation -星の鼓動は愛-』に登場。

ガザCの発展型。MA形態での戦闘力強化が行われている。ほかのガザシリーズと異なり、航行能力に主眼が置かれて設計された。そのためMS形態でのマニピュレーターおよび脚部は、通常のMSと比較して簡易なものとなっている。ガザシリーズの特徴でもある「ナックルバスター」は本機には採用されていない。

本機の特徴は、MA形態時に機体そのものがサブフライトシステムとして運用できる点であり、その背にMSを1機搭載することが可能である。だが、従来のガザシリーズとのパーツの共有度が低かったことからガザC、Dの生産ラインでの転用が利かず、生産数は他のガザシリーズに比べて多くはなかった(一部パーツはズサとの互換性があった)。ネオ・ジオンの内紛時にはほとんどの機体がハマーン側につき、サイド3防衛戦に投入されるが、モウサ激突時に投入されていた全機が失われる。

劇中での活躍(ガザE)[編集]

『ガンダム・センチネル』では「エミール」と呼ばれており、ニューディサイズによる反乱の際にニューディサイズ側へのアクシズからの間接援護として、「カエサル」(ガザC)と連携して“戦闘演習”の名目で停戦協定中の地球連邦軍α任務部隊の進路妨害を行う。

劇場版『機動戦士ΖガンダムIII -星の鼓動は愛-』では、グワダンの格納庫に搭載される。

漫画『機動戦士ガンダムΖΖ外伝 ジオンの幻陽』では、サイド1「エルドラド」攻略戦においてキャラ・スーン率いるランドラ隊へ配備される。

その他(ガザE)[編集]

『ガンダム・センチネル』における初期稿では、ガザEがデザインされるよりも前に「AMX-011 ガザG」というラフデザインが起こされている。

ガ・ゾウム[編集]

諸元
ガ・ゾウム
GA-ZOWMN
型式番号 AMX-008
頭頂高 18.0m
本体重量 31.6t
全備重量 58.2t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 1,840kW
推力 8,640kg×4(前腕部)
9,620kg×6(背部)
(総推力)92,280kg
センサー
有効半径
11,200m
武装 AMS-06H 9連装ミサイルランチャー×2
ビーム・ガン兼ビーム・サーベル×2
ハイパー・ナックルバスター(出力4.1MW)
搭乗者 ゴットン・ゴー
クレイユ・オーイ
ネル・マーセン
その他 姿勢制御バーニア×18

『機動戦士ガンダムΖΖ』および『機動戦士ガンダムUC』に登場。

ガザ系の発展型だが、従来とは異なるフレーム構造と変形機能を持つ。直結型からEパック方式に変更され携行兵装となったハイパー・ナックルバスター、セミ・アクティブ・ホーミング・ミサイルを装備しており、従来のガザシリーズよりもMS形態での対MS戦を重視した性能付けがなされている。ハイパー・ナックルバスターはガザDのものよりも威力では劣るが、連射が可能になっている。本機の大型バックパックはムービング・スラスターと呼ばれる物で左右計6基にスラスターが装備され、AMBAC肢としても機能する。

ガザEと同時期に開発され、当初は本機が「ガザE」となる予定であったが、従来のガザシリーズよりも性能向上が著しかったために別名称が与えられた。本機はフレームからの新規設計機であるが、ガザC、ガザDとパーツの共有率が高かったという。

劇中での活躍(ガ・ゾウム)[編集]

母艦を失ったゴットン・ゴーら「エンドラ隊」が1機所有しており、ゴットン、ネル、クレイユの3人が乗り継いで使用する。最終的にゴットンの失策により、グラナダの戦闘で爆弾によって破壊される。

ガ・ゾウムは量産機であり、エンドラ隊以外の機体も散発的に登場するが、映像に登場した個体数は非常に少ない。ほかの活躍としては39話では奇襲によりネェル・アーガマを一時的に制圧する場面が挙げられる。

グレミーの反乱時は一機のみ、グレミー側にだけ登場する。もともとグレーである本機のカラーリングはグレミー軍においても変更されていない。

『機動戦士ガンダムUC』にも登場。腕部に袖付きの装飾が施されており、原作小説ではテニスン艦隊で稼動、アニメ版でもインダストリアル7周辺宙域での対ネェル・アーガマへの攻撃に参戦する。

ガ・ゾウム後期型[編集]

プラモデル「1/144 ガ・ゾウム」付属組立説明書に登場。

前期型と比較して頭部形状が異なり、膝部にスラスターが追加されている。

ガ・ゾウム(ガンナータイプ)[編集]

プラモデル「1/144 ガ・ゾウム」付属組立説明書に登場(型式番号:AMX-008B)。

両肩のミサイルランチャーユニットを長遠距離狙撃用のビームランチャーとレドームに換装した状態。ナックルバスターはMA時にはレドームのある左側に装着する。

説明書ではベースは後期型となっている。

ガ・ゾウムマリンタイプ[編集]

雑誌企画・漫画『A.O.Ζ Re-Boot ガンダム・インレ -くろうさぎのみた夢-』に登場(型式番号:AMX-008M)。「ガ・ゾウム水中型」とも呼ばれる。

火星独立ジオン軍(ジオンマーズ)が運用する水陸両用MS。宇宙世紀0091年の火星において、レジオン軍の氷河地下秘密基地にて製造されているインレの奪還作戦「輝ける星作戦」に投入される。同作戦は火星に落ち延びたティターンズ残党とジオンマーズの合同作戦であり、本機の任務はインレを操縦可能なティターンズの強化人間を氷河地下基地に送り込むこととなっている。

当時の火星戦線では、レジオンの運用する「インレの翼」によってジオンマーズは制宙権と制空権を奪われており、製造中であったガ・ゾウムなどの宇宙用の機体はそのまま死蔵された状態であったが、同作戦が実行に移されるにあたり、モビルポッドをベースとするガザ系機体の優れた気密性が注目され、これを水中用に改修した本機が急遽投入されることとなる。

機体構造としては、ズゴック系やハイゴッグを思わせる形状に換装された上半身が最大の特徴である。一方で下半身はガ・ゾウムの構造をほぼ維持しているが、腰部装甲にわずかの形状の違いが見られるほか、接地面積を増すためと思われるハイゴッグのような補助パーツが脚部接地部に増設されている点、MA形態での脚部展開機構をMS形態でも展開状態で維持している点が原型機と異なる。これら改修点により全体のシルエットがさらにハイゴッグに近づき、一見してガザ系機体であるとは分かりにくい様相を呈している。また水中用MSとしては、MA形態が水中での高速移動形態として有効活用されていることが特筆すべき点である。

しかし、本機はゲリラ活動下で急造されたMSであったため、気密性に問題を抱えており、さらに水中で変形や格闘戦を行った際のフレーム強度の問題から、本来であれば一出撃ごとの整備が必要であった。しかしインレ強奪ないしは破壊という作戦目的の性格上、長時間の戦闘や遠距離砲撃などは考慮されておらず、敵防衛網の強行突破と基地強襲という特攻兵器的な使用が前提となっていたため、一度の出撃で使い捨てるかたちでの投入となる。

なお、サンド・アングラー級潜地空母「フォートアパッチ」所属MS部隊の指揮官である猛牛コルトの専用機は、胴体部の形状が一般仕様とは異なり、格闘戦能力と装甲を強化した、よりズゴックに近い形状のものになっている。

ガザW[編集]

諸元
ガザW
GAZA-W
型式番号 AMX-016
武装 ビーム・サーベル
ビーム・キャノン×2[8]
ナックルバスター[11]
搭乗者 ディーマッド

漫画『ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』に登場した機体。Wはウィラと読む。ガザシリーズの最終型とされる。

ネオ・ジオンにより開発された機体で、アクシズが地球圏へ戻った際、能力が旧式化していたガザシリーズの高性能化を図るために開発されたといわれる[8]。実際にはネオ・ジオンより協力関係にあった過激派組織「カラード」に供与され、運用された。カラーリングは当時のカラー画稿ではライトグリーンを基調とし[8]、Gジェネレーションシリーズでは黒を基調としている[11]

そのスタイルは従来のガザシリーズからかけ離れており、全体的にスマートな体型に、股間にはMA形態での機首を兼ねるレドームを備え[8]、大型のバックパックとバインダーに近い形状となった大型シールドを両肩に装備している。シールドバインダーはビーム・キャノン[8]をはじめ複数の武装が施されており、また熱核ジェット/ロケットエンジンを搭載し[11]バーニア・スタビレーターとしての機能も持つ[8]。従来のシリーズとは異なりどちらかというと重MSに分類でき、ガザ系よりドーガ系に近い[8]

変形パターンは連邦軍のギャプランのものに近く、熱核ジェットエンジンのおかげでMA形態での大気圏内飛行も可能となっている。「GジェネレーションF」ではナックルバスターを装備している。

劇中での活躍(ガザW)[編集]

過激派組織「カラード」の構成員ディーマッドの乗機としてサイド6における連邦軍襲撃作戦に参加。その後カラードが過激派と穏健派に分裂した後に過激派として新生ネオ・ジオンと合流し、穏健派のリーダーであるエルデスコ・バイエの駆るザクIII後期型と激闘を繰り広げる。

この機体は漫画の作者のうしだゆうじがデザインしたものであり、別に発表された福地仁の設定画と漫画でデザインが違う。

その他のバリエーション[編集]

ガザ・H(ハンニャ)
漫画『Gの影忍』に登場するMS忍者。原型機はガザDで、MA形態がその名の通り般若の面を模したものになっている。
ガザX
雑誌上のパロディ企画『機動戦士Oガンダム 光のニュータイプ』に登場する可変MS(型式番号:NNT-01)。作中に登場する勢力「スーパー・ジオン」の主力機とされている。武装はナックルバスター。
ガザ
雑誌企画『TYRANT SWORD Of NEOFALIA』で設定されたMS。名称は「ガザ」であるが、機体形状はガザシリーズとは異なるマッシブな人型となっている。宇宙世紀0087年時にはアクシズにて開発中とされている。なお、『TYRANT SWORD』は『機動戦士Ζガンダム』などの公式作品とはMSの開発状況などの設定が異なっている。

脚注[編集]

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  1. ^ プラモデル『1/144リゲルグ』(バンダイ)の解説書ではガザAに軽い武装を施した警備用とされているが、『1/144HGUCガザC』(同)の解説書ではAと同じく作業用であるとされている。
  2. ^ 鹵獲機を検分したエゥーゴの技術者から、3回の出撃で機体が分解するとまで言われている。(「1/144 ガ・ゾウム」プラモデル解説書)
  3. ^ 「1/144 ガ・ゾウム」プラモデル解説書による
  4. ^ 『ガンダム・センチネル』による
  5. ^ 漫画『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』第2巻、92頁。
  6. ^ 漫画『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』第2巻、120頁。
  7. ^ 『ホビージャパン』1987年1月号、47-53頁。
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q バンダイメディア事業出版課 「エムジェイ 114号 模型情報1989年1月号」43頁
  9. ^ a b c 講談社 『総解説ガンダム辞典ver1.5』274頁
  10. ^ 大日本絵画『GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』85頁。
  11. ^ a b c バンダイ「SDガンダム GジェネレーションF」プロフィールモード

関連項目[編集]