ガンイージ

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ガンイージGUN EZ)は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器モビルスーツ」(MS)の一つ。初出は、1993年放送のテレビアニメ機動戦士Vガンダム』。

主人公側の勢力であるレジスタンス組織「リガ・ミリティア」の量産機。同じリガ・ミリティア製の「ヴィクトリーガンダム」(Vガンダム)とは一部パーツや武装を共用しているが、こちらは分離合体機構を持たない非可変機として開発された。劇中では、主に女性のみの部隊である「シュラク隊」のメンバーたちが搭乗する。中盤以降では、改修機である「ガンブラスター」も登場する。

メカニックデザイン大河原邦男

機体解説[編集]

諸元
ガンイージ
GUN EZ
型式番号 LM111E02
全高 14.9m
本体重量 7.6t
全備重量 18.6t
装甲材質 ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材
出力 4,820kW
推力 20,460kg×4
(総推力)81,840kg
武装 バルカン砲×2
ビーム・サーベル×2
ビーム・シールド×1
ビーム・ライフル
2連マルチランチャー×1
メガ・ビーム・バズーカ
搭乗者 ジュンコ・ジェンコ
以下シュラク隊
その他 アポジモーター×29

民間のネットワークから発展した組織であるリガ・ミリティアが開発した量産機。Vガンダム開発のためのテスト機をベースに量産型として開発された[1]

本機の開発が行われたのは、月のセント・ジョセフ市郊外の地下工場だといわれている[2]。同市はフォン・ブラウン市に次いでルナリアン(月至上主義者)の影響力が強く、連邦政府からの干渉を受けない独自の行政が行われている地域だった[2]。リガ・ミリティアの指導者たちはここを根城として決戦兵器となるMSの自主開発を行っていた。やがて、マルチプル(変形)MSの構想が生まれ、その生産拠点は地球上へも移されることとなった[2]

しかし、ガンイージの開発スタッフにはサナリィ出身の技術者も含まれていた。サナリィのサイド2支社がザンスカールに接収されている関係上、ザンスカールへの情報漏洩防止のために開発番号の偽装が行なわれた。開発番号がE02とされるのは、内部からの機密漏洩の危険性を考慮し、E01が抹消されたと偽装したためとされる[2]

ベースとなったテスト機は運用データの収集と生産ラインの試験も兼ねていたため[3]、ジェネレータは後に開発されたVガンダムと同一のものを使用しており高い出力を持っている[1]。そのため性能は同時期の連邦軍のMSを上回っており、Vガンダム用の装備は大抵使用することができる。一方で実戦的機能を重視したため複雑な変形合体機構は廃され、スタンダードな機体として仕上げられた[3]。そのためコックピットはVガンダムと異なり、全天周囲モニター・リニアシートというオーソドックスなものとなっている。操縦系統はヘビーガンやGキャノンのようなスティックタイプの操縦桿を持つが、TV作画用に全体的にシンプルな形状となったほか、衝撃感知時にエアバッグとして動作する「エアベルト」が装備された[4]。また生産性を高めるため可能な限り規格品を使用する前提で設計されており[3]、Vガンダム、V2ガンダムと部品が共用できるように設計されているほか、ジェムズガン、ジャベリンといった連邦側のMSとも一部の部品や装甲の交換が可能となっている[5]

プロトタイプは2機製作され、各種テストによるデータ収集が行われた。その後プロトタイプの1号機は実戦向けに改修され、固定武装を追加して初期生産型6機と共にリガ・ミリティア初の実戦部隊であるシュラク隊へと引き渡された[2]。その後順次追加生産が進みリガ・ミリティアの各部隊や協力関係にある連邦軍の部隊へと配備されていった。カラーリングはプロトタイプ時点ではガンダリウム合金の素地だったが、正式配備されるとカーキグリーンとネイビーブルーのモノトーンへと変更された。

後に戦場が宇宙に移ると、バックパックを高機動タイプ「ツインテール」に換装する改修が行われ、ガンブラスターとなった。その後、ほとんどの機体がこのタイプへと改修を受けている。

劇中では一定の飛行能力を見せているが、Vガンダムと違いミノフスキーフライトを搭載しているという設定は存在しない。

武装
ビーム・ライフル / ビーム・ピストル
Vガンダムに装備されているものと同一。基本設計はトリガーであるビーム・ピストルを中心に、出力増加バレル、マルチサイト、エネルギーユニットおよびパックといったデバイスから構成される[5]。ビーム・ピストル単体でも使用可能だが、威力は大きく劣る。
ビーム・サーベル
右肩に1基収納されている。Vガンダムに装備されているものと同程度の出力である。形状はVガンダムに装備されているものと異なりスタンダードなもので、扇形に展開する機能はない。
2連マルチランチャー
左肩に装備されている連装ランチャー。
メガ・ビーム・バズーカ
地球連邦で採用されている共用火器。宇宙世紀0120年代にサナリィで設計されたクラスターガンダムで実験的に装備されたメガ・ビーム・バズーカの普及型で、ジェムズガンやジャベリンも使用している。生産はアナハイムで行われている[5]。リガ・ミリティアで使用しているビーム・バズーカは外観こそ従来品と同様だが、ハードポイントからのコネクタ部分が改良されており、腰部ハードポイントに懸架・装備可能。またエネルギーパックの容量も改善している。ガンイージで使用しているビーム・バズーカは濃いグレー地に白の塗装が施された旧塗装タイプと呼ばれるものとなっている[6]
オーバーハングキャノン
Vガンダム用の強化デバイス。バックパックへの装備は不能だが、携行武器としての使用は可能。
ハードポイント
連邦軍仕様のものとは異なり、武器を懸架するだけでなく、懸架した兵器へのエネルギー供給も行える[5]。腕部と腰部と脚部にハードポイントを持つ機体もあるが、腰部と脚部にハードポイントが見受けられないのはハードポイントカバーを付けているためという説がある。

デザイン・設定[編集]

デザイナーの大河原邦男へのインタビューによると、Vガンダムの企画初期段階において、カトキハジメがVガンダムのデザインに難航した際に大河原より参考として提示した案が、ガンイージとして劇中で採用されることになったと語っている[7]

また「クラスターガンダムはどことなくガンイージと似ているシルエットをしています。L・MのMSはサナリィの流れをくむものかもしれませんね」ともコメントしている[8]

『Vガンダム』の文芸設定を担当したサンライズ企画室室長の井上幸一は、サナリィはサナリィで、F91のような特殊な機体ではなくもっと汎用性のあるMSとして、ヴィクトリーやガンイージーといったMSを作っています。」と述べている[9]

劇中での活躍[編集]

主にシュラク隊の乗機として登場。劇中中盤まではリガ・ミリティアの主戦力を担っていた。シュラク隊登場直後の11話でヘレン機が相討ちとなって撃墜されて以降、シュラク隊搭乗機が次々と撃墜されていく。13話でマヘリア機が敵機と相打ちとなり、14話ではケイト機が戦闘中に破損したマスドライバーを支えている隙にクワン・リーのメッメドーザにコックピットを貫かれ、26話ではペギー機がウッソのVガンダムをかばってクロノクルのコンティオに貫かれた。またカイラスギリー攻略戦では連邦軍のバグレ隊に供与された機体がゾロアットに撃破されている。エンジェル・ハイロゥ攻略戦では、ガンイージが撃破されるバンクが多用された。49話ではカテジナ・ルースによりザンスカール帝国軍に鹵獲された機体が登場。ネネカ隊によってV2ガンダムの陽動に使用された。50話ではメカニックであるレオニードとロメロが半壊したガンイージに搭乗、リーンホースJr.の艦橋に機体を固定して砲座としたが、ゾリディアに撃破される。

バリエーション[編集]

ここでは『NEWモビルスーツバリエーション・ハンドブック(1)』で設定されたガンイージのバリエーション、および「ガンダッシュイージ」について記述する。

プロトタイプ[編集]

Vガンダムに先立って開発が開始されたテスト用の試作機[3]。テスト用なので固定武装が施されておらず、ガンダリウム合金の地肌のままである。2機が製造された。1号機は量産型と同様の標準化改装を行なった後に、テストパイロットであるジュンコ・ジェンコと共にシュラク隊に配属となった。その後ガンブラスターに換装されたが、ザンスカール本国付近で大破、喪失している。2号機は白・赤・青・黄によるガンダムタイプに近い様に塗装され、増加パーツなどの能力テストに使用され続けた。

初期生産型[編集]

プロトタイプの増加試作機で、固定武装が施されている。シュラク隊の結成にあわせて製造された機体である。3号機から8号機が該当し、後の量産型とはリアスカートが異なっており、切り欠き部分が無い。8号機は当初オリファー・イノエが使用していたが、後に部品取りの予備機になったとされる。

増備型[編集]

初期生産型と異なり、リアスカートの切り欠きが存在する。9号機から15号機が該当する。劇中ではバグレ隊などリガ・ミリティアに協力した連邦軍部隊などに供与された。

後期量産型[編集]

16号機以降の機体で、地球圏の部隊向けの機体。同一ラインでガンブラスターの生産が始まっていたため、ガンブラスターと同じカラーリングになっている。

陸戦タイプ[編集]

現地部隊によって陸戦用に特化した改造が施されたタイプ。ノズルへのフィンの追加や防砂、防塵処理が施されている。などが行なわれている。現地加工MSのため、新規の制式番号は付与されていない。

ブルーバード隊所属機[編集]

アフリカ戦線で展開していた「ブルーバード隊」所属の陸戦用ガンイージ。AAAA隊に協力してベスパのアフリカ侵攻を抑えていた。

ガンダッシュイージ[編集]

コミックボンボン誌上で設定されたガンイージの遠距離支援用強化型。頭部はヘキサ・タイプと同型のアンテナが装備され、ガンイージの素体にオーバーハングパックを装着し、腰部にビーム・キャノンを装備する。

ガンブラスター[編集]

諸元
ガンブラスター
GUN BLASTOR
型式番号 LM111E03
全高 14.9m
本体重量 7.6t
全備重量 21.3t
装甲材質 ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材
出力 4,820kW
推力 20,180kg×1
18,630kg×1
15,520kg×2
10,870kg×2
(総推力)91,590kg
武装 バルカン砲×2
ビーム・サーベル×2
ビーム・シールド×1
ビーム・ライフル
2連マルチプル・ランチャー×1
メガ・ビーム・バズーカ×1
バズーカ
スパイダー・ネット
搭乗者 シュラク隊
オデロ・ヘンリーク
トマーシュ・マサリク
その他 アポジモーター×47

ガンイージのバックパックを高機動タイプに換装した機体。元々空間戦闘も考慮して設計されていたガンイージを、より戦術的に高度な作戦行動に対応するために強化した[10]ものである。

最大の特徴は、「ツインテール」と呼ばれるバックパックに接続された2基のスラスターバインダーで、AMBACの併用により高い機動性と運動性を発揮する。バックパックの追加のみの改修のため基本性能そのものはガンイージと同程度だが、機動性と航続距離の強化によって、総合性能は宇宙用に開発されたベスパのMSに匹敵する[11]。主に月面の裏側にある秘密工場などのリガ・ミリティアの宇宙の拠点にて[11]、ガンイージの生産ラインにて一定の割合で同時生産された[10]。改修が容易であったことから先にガンイージとして完成された機体も後に多くの機体がこのタイプへと換装され[10]、戦争後半でのリガ・ミリティアの主力機となった。カラーリングはガンイージとは異なり、明るいグリーン系を中心としたトリコロールのイメージに近い配色となっており、ガンイージから換装された機体も再塗装されている[10]とされるが、劇中30話ではリーンホースの艦載機としてガンイージの配色のままのガンブラスターも登場している。ガンブラスターはツインテールユニットを排除することでガンイージとして運用することも可能となっている[12][13]。また、ツインテールは打ち出して質量弾として使用することも可能となっている[13]。ガンイージ同様にリガ・ミリティアに協力する連邦軍の部隊にも供与された[11]

武装はガンイージと共通で、引き続きクラスターガンダムと同型のメガ・ビーム・バズーカを装備している。また、かつてνガンダムで採用されたニュー・ハイパー・バズーカと同デザインの実弾式バズーカを携えて出撃した例なども確認されている[12]

武装
メガ・ビーム・バズーカ
かつてサナリィによって設計され製造されたビーム兵器である[5]。つまり兵器の特許もサナリィが所有することになる。クラスターガンダムによる試験運用の後、地球連邦軍が正式採用した武装である。U.C.0150年代にはジャベリンやジェムズガン等の地球連邦軍の機体も使用する一般的なものである。リガ・ミリティアが使用するものは同一の外観だが、エネルギーコネクタ及びエネルギーパックに独自の改良が施され、容量が改善されている[5]。塗装はカーキグリーンを主とした新塗装タイプと呼ばれるものとなっている[6]
バズーカ
水中でも使用可能な実弾式のバズーカ。34話で使用した。塗装はカーキグリーンで、デザインはνガンダムのニュー・ハイパー・バズーカの流用となっている。機体に対してややオーバースケール気味に描画されているが、νガンダムの持っていたものと比較すると小型となっている。
スパイダーネット
投てき用の実体式ワイヤーで肩部マルチランチャーに装備されている。45話でエンジェル・ハイロゥの幻覚にかかったウッソのV2ガンダムを捕獲するのに使用した。
劇中での活躍
劇中中盤にシュラク隊のガンイージが改装される形で登場。初登場はザンスカール本国コロニー「アメリア」内での戦闘で、ジュンコ等シュラク隊が搭乗して迎撃に出たゾロアットを圧倒する。その後ジュンコ機はカテジナのリグ・シャッコーの攻撃からウッソのコア・ファイターを庇って大破・喪失する。ザンスカール本国空襲から月面のモトラッド艦隊追撃に至るまで、しばらくの間はガンイージの上位機種としてシュラク隊の主要メンバーが搭乗するが、月面での補給を契機にVガンダムヘキサに転換された。月面セント・ジョセフ市ではリガ・ミリティアの地下工場からリーンホースJr.に数機が補充されており、この内の2機にパイロットとなったオデロ・ヘンリークとトマーシュ・マサリクが搭乗し、反地球浄化作戦からはホワイトアーク隊の戦力として参戦、各地を転戦する。両機はウッソ機の援護のほかゴズ・バールのゾリディアの捕獲、リシテア級「エム」を航行不能に追い込むなどの戦果を挙げる。エンジェル・ハイロゥを巡るベスパとの最終決戦において、オデロ機はエンジェル・ハイロゥ攻防戦にて、ウッソのV2ガンダムがエンジェル・ハイロゥにとりつく時間を稼いでいたが、オデロが一瞬エンジェル・ハイロゥの影響を受けたことで、一瞬の隙を突かれてカテジナ・ルースゴトラタンに撃墜される。

脚注[編集]

  1. ^ a b 『ニュータイプ100%コレクション21 機動戦士VガンダムVOL.1 ÜSO'S BATTLE』角川書店、54頁。
  2. ^ a b c d e 『NEWモビルスーツバリエーション・ハンドブック(1)』6頁。
  3. ^ a b c d 『総解説 ガンダム事典ver1.5』講談社、329頁。
  4. ^ 1993年5月発行 バンダイ出版課『ビークラブ No.91』86頁
  5. ^ a b c d e f 『NEWモビルスーツバリエーション・ハンドブック(1)』26頁。
  6. ^ a b 『NEWモビルスーツバリエーション・ハンドブック(1)』28頁。
  7. ^ 『ニュータイプ100%コレクション21 機動戦士VガンダムVOL.1 ÜSO'S BATTLE』角川書店、61頁。
  8. ^ 模型情報1993年8月号のF90Y改の試製トップファイターの掲載画にて。
  9. ^ 『グレートメカニック.DX 7(2008 winter)』内でのインタビュー。誌面で「ガンイージー」と誤表記されている。
  10. ^ a b c d 『NEWモビルスーツバリエーション・ハンドブック(1)』7頁。
  11. ^ a b c 総解説 ガンダム辞典ver1.5 330頁
  12. ^ a b アニメ34話より。
  13. ^ a b アニメ45話より。

参考文献[編集]

  • NEWモビルスーツバリエーション・ハンドブック第1集、第2集

関連項目[編集]