機動戦士ガンダムUCの登場兵器

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機動戦士ガンダムUCの登場兵器(きどうせんしガンダムユニコーンのとうじょうへいき)では、小説『機動戦士ガンダムUC』と、これを原作とするアニメ[1]OVAおよびテレビシリーズ)や漫画『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』に登場するモビルスーツ (MS) 、モビルアーマー (MA) および艦船などの架空の兵器について解説する(一部「兵器」以外のメカニックについても記述する)。

本記事では、後発作品に登場する各バリエーション機についても解説する。

メカニックデザインカトキハジメ(後発のバリエーション機を除く)。

民間[編集]

ユニコーンガンダム[編集]

本作の主役機。アナハイム・エレクトロニクス (AE) 社が開発した、フル・サイコフレームMS。

シルヴァ・バレト[編集]

ネオ・ジオン軍のドーベン・ウルフを、AE社が改修した機体。

トロハチ[編集]

バナージ・リンクスが物語序盤で使用した非武装のプチモビルスーツ(型式番号:TOLRO-800)。トルロ社が開発した宇宙世紀0096年当時の最新型で、一人乗りの作業用機種。「トロハチ」は広く定着している愛称である。

劇中での活躍
物語序盤におけるオードリー・バーン(ミネバ・ラオ・ザビ)とバナージの出会いに居合わせた機体。オードリーがコロニー内に投げ出されて遭難死しかけた際に、バナージが操縦してオードリーを救出し、機体の大破と引き替えに困難な不時着を成功させている。
また、本作に登場するトロハチはバナージのアルバイト先であるスペースデブリの回収企業、ブッホ・ジャンク社の所有機として描写されており、『機動戦士ガンダムF91』に登場するブッホ・コンツェルンの前身として設定されていた、ブッホ・ジャンク社の業務の様子が描かれている。

メガラニカ[編集]

アナハイム・エレクトロニクス (AE) 社が所有する工業コロニー「インダストリアル7」の建造を行っているコロニービルダー。首を伸ばした巻き貝のような形状から「カタツムリ」という通称でも呼ばれるが、正体は「ラプラスの箱」が開示されるその時に備え、サイアム・ビストが直属組織により極秘裏に木星開発用のベース・シップを改造した[2]ビスト財団が実質私有する「超巨大航宙戦艦」である。

ビスト財団の私有地でもありAE社の設備ももつという地理を利用する形で、秘密裏にユニコーンガンダムの開発が行われた。同時に「ラプラスの箱」の秘匿場所でもあり、物語の出発点と終着点となる。「ラプラスの箱」開放に備え、巨大宇宙戦艦と呼べるだけの絶対的な防衛戦力を誇り、外周部に吸着された資源用の岩塊内に多数の武装を隠し持ち、それらすべての武装を暴露したメガラニカの火力は地球圏最強[3]を誇る。また、「ラプラスの箱」開放のために地球圏の主要メディアへの介入を可能とする放送設備と、惑星間航行を可能とする強力な核パルスエンジンを備えている。

「ラプラス事変」最終盤においてネオ・ジオングの侵攻を受け、居住区の外壁が破壊されるが[2]、ミネバ・ラオ・ザビによる「ラプラス宣言」を地球圏へ向けて発信し、中立地帯を目指して航行を開始した。

地球連邦軍[編集]

リゼル[編集]

諸元
リゼル
ReZEL
型式番号 RGZ-95
建造 アナハイム・エレクトロニクス社
生産形態 量産機
全高 20.5m
本体重量 25.8t
29.2t(ディフェンサーbユニット装備時)
全備重量 57.6t
68.3t(ディフェンサーbユニット装備時)
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 2,220kW
2,320kW(ディフェンサーa/bユニット装備時)
推力 81,500kg
91,600kg(ディフェンサーa/bユニット装備時)
センサー
有効半径
14,920m
武装 ビーム・ライフル
グレネード・ランチャー
ビーム・サーベル
頭部バルカン×2
メガ・ビーム・ランチャー
シールド
ビーム・キャノン(シールドに内蔵)
(ディフェンサーaユニット装備時)
マイクロ・ミサイル
ハイパー・ビーム・サーベル×2
(ディフェンサーbユニット装備時)
メガ・ビーム・ランチャー×2
ビーム・キャノン×2
搭乗者 リディ・マーセナス
ホマレ
ロンド・ベル隊
スリーアローズ隊
リゼルコマンダータイプ
ReZEL COMMANDER TYPE
型式番号 RGΖ-95C
本体重量 27.0t
28.3t(ディフェンサーaユニット装備時)
全備重量 60.5t
65.1t(ディフェンサーaユニット装備時)
推力 85,400kg
搭乗者 ノーム・バシリコック
イアン

リ・ガズィと同じRGZ系列に連なる機体。『シャアの反乱』後、少数が量産、配備されている。

ΖプラスR型やリ・ガズィのようなバックウェポンシステムによる準可変機構ではなく、可変機構の弾力的運用を前提に、グリプス戦役時に廃案となったΖIIの設計をリファインする形で量産化を成功させている。巡航形態はΖガンダムと同様にウェイブライダー(WR)と呼ばれており、上半身の変形機構はΖガンダムを踏襲するが、脚部やバックパックの変形や変化完了後のシルエットはΖIIと同様にメタス系のMA形態に近い。可変機構構造が比較的簡易なメタス系列を参考とし、内装の一部をジェガン系列と統一化することにより、従来の可変機の多くが問題にしていた高コストゆえの生産性の低さをクリアしている。加えて、リミッターによる機体の限界性能の引き下げと新型OSによるコントロールサポートによってΖ系列機特有のピーキーな操作感も幾分緩和されており、新兵でも難なく扱うことができる。しかし、熟練パイロットの一部ではリミッターを外して特有のピーキーな操縦性を好んだという逸話がある。

機体名は「リファイン・ゼータ・ガンダム・エスコート・リーダー (Refine Zeta Gundam Escort Leader)」の頭文字の略称「ReZEL」より。スラスター推力に余裕があり、エスコート・リーダーの名が示すようにバックパックにジェガンを牽引できるグリップが設けられており、サブフライトシステムとしても運用できる。

Ζ系列の機体でありながら、ジムやジェガンの系譜にも属する本格的な量産機であり、頭部エクステリアはいわゆるΖ系ガンダムフェイスではなく、多くの連邦軍量産機に見られるゴーグル式カメラアイを採用している。また、エースパイロット向けに性能を再調整した特別仕様機・C型(コマンダータイプ)があり、主に部隊の隊長機として運用される。こちらは推力のリミッター上限を高め[注 1]、機体のフレーム構造の見直しが図られていて、各部のセンサーは通常機のレッドからグリーンに変更されている。ドゴス・ギア級戦艦ゼネラル・レビル」に配備された機体は全機C型となっている(グレー系とオレンジのカラーリングで、センサーは黄色)。

携行火器はビーム・ライフルのほか、ミッションによっては長距離狙撃も可能なメガ・ビーム・ランチャーを替わりに装備する。

当初の画稿・設定では、一般機はボックス・ユニットとビーム・ライフル、コマンダータイプはウイング・ユニットとメガ・ビーム・ランチャーを装備しているが、固定装備ではなく、ミッションによって変更される[4]

武装
ビーム・ライフル
Ζガンダムに使用された専用のビーム・ライフルを量産可能にしたもので、銃口からビーム・サーベル(ロング・ビーム・サーベル)を発振させる事が可能。またこのビーム・ライフルには、通常射撃モードと高出力射撃モード(通称「ギロチンバースト」)があり、使い分けが可能。
グレネード・ランチャー
前腕部に2発ずつ装備されている近接用装備。近接戦闘時での有効性が認められている。ビーム・サーベルとの選択が可能。
ビーム・サーベル
前腕部に2基ずつ装備されている近接戦闘用兵器。グレネード・ランチャーとの選択が可能。
頭部バルカン
60mmバルカン砲。主に牽制用として使用される。
メガ・ビーム・ランチャー
専用オプションとして設定された長距離支援用としても運用可能な高出力ビーム兵器。装備の際は背面ユニットと固定接続する。MS本体のジェネレーターに加え、メガ・ビーム・ランチャー本体に内蔵されたサブ・ジェネレーターがエネルギーを補う事で、高威力で安定した出力と弾数を誇る。
シールド
専用の多目的防御装備。先端部分にはビーム・キャノンを内蔵(後述)。後端部のブレードは近接戦闘時に打突兵器として使用される。
ビーム・キャノン
シールドの先端部分に内蔵されている3点バースト方式のビーム・キャノン。ウェイブライダー形態時にはメインウェポンとして機能する。
バックパック
ミッションによって換装可能となっている。
ボックス・ユニット
標準型とされ、多くの機体が装備している。
ウイング・ユニット
大気圏突入と大気圏内飛行が可能なウイングバインダー装備のもの。宙間運用でも性能が向上するため、熟練パイロットが多く使用する。
ディフェンサーユニット
『UC』の漫画化作品『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』が初出。宇宙空間戦で、最前線や重要拠点に先制攻撃を行なう強襲用装備。スラスターを複数配置し、大出力により短時間での戦場到達が可能。腰部サイドアーマーもテールバインダーに換装され、作戦空域でのMS形態の高機動性に貢献する。同ユニットに換装したリゼルのみでの小隊運用を前提とするため、ボックス、ウイングの両ユニットには設定されている牽引グリップが装備されていない。兵装により2種類に分類される。
  • a装備(aユニット)
近接・中距離での広域拡散型兵装。大量のマイクロ・ミサイルを格納したコンテナと、ハイパー・ビーム・サーベルを装備している。ハイパー・ビーム・サーベルはΖΖガンダムの同名兵装を元にしているが、ビーム・キャノン機能はオミットされている。
  • b装備(bユニット)
中・長距離の一点集中型兵装。増設されたジェネレーターにより、ビーム兵装の稼動効率が強化され、バインダー内装のビーム・キャノンのほか、ボックス、ウイングの両ユニットでは単装運用されるメガ・ビーム・ランチャーを2門装備できる。
デザイン
腰部から脚部スラスターにかけての形状はΖΖガンダム、FAZZなどのMSZ-010系列に酷似しており、様々な系列のAE社製MSの設計ノウハウやデザインがフィードバックされた形となっている。
デザイン発注時の仮称は「Z III(ズィー・トライ)」であった[5]
劇中での活躍
小説『機動戦士ガンダムUC』では、ロンド・ベル隊所属の戦艦ネェル・アーガマの艦載機として、全編を通して登場。隊長機を含め8機および予備機数機が搭載されており、そのうち8番機(ロメオ8)は、『UC』における主要登場人物の一人、リディ・マーセナスの物語序盤における乗機として活躍する。劇中ではジェガンとともにやられ役として多くの機体が撃墜されているものの、最初の戦闘シーンでは可変MSとしての機動力でギラ・ズールを圧倒し、巡航形態による接近・離脱とMS形態での接近戦を使い分けるヒット・アンド・アウェイ戦法を用いる描写がされている。
アニメ版『UC』では原作同様のロンド・ベル配備機のほか、ライト・グレーとオレンジを基調としたゼネラル・レビル配備機が登場。うち1機はディフェンサーbユニットを装備している。ゼネラル・レビル配備機は映画『機動戦士ガンダムNT』にも登場する。
コミカライズ版の『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』では、インダストリアル7宙域でAE社所属のシルヴァ・バレト(ジムヘッド型)3機と交戦。対シナンジュ戦ではノーム・バシリコック機とホマレ機にディフェンサーaユニットを、リディ機にディフェンサーbユニットを装備している。
外伝漫画の『機動戦士ガンダムUC MSV 楔』や『機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン』では、本機3機からなる女性パイロットの小隊「スリーアローズ」が登場する。『楔』ではディフェンサーa・bユニットを装備、『ラスト・サン』ではそれぞれジェガン(エコーズ仕様・コンロイ機)のハンドガン2丁、ガンダムMk-IIハイパー・バズーカ2丁、Ζガンダムのハイパー・メガ・ランチャーを携行する。
宇宙世紀0112年を描いた漫画『機動戦士ガンダムF90 ファステストフォーミュラ』の第1話では、ガンダムF90Eタイプの稼働試験(ジャミングおよびダミーデータ挿入)のため、ゲイツ中尉率いる3機の小隊がヘビーガン2機と模擬戦をおこなっている。MSの小型化が進んだ劇中の時代でリゼルは旧型機とされ、当時の新鋭機であるヘビーガンの運動性能とF90の連携に圧倒されている。

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ロト[編集]

諸元
ロト
LOTO
型式番号 D-50C
所属 地球連邦軍
建造 サナリィ
生産形態 量産機
全高 12.2m
重量 16.84t
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
出力 980kW
推力 32,400kg
センサー
有効半径
8,800m
武装 ビーム・バーナー
ミサイル・コンテナ
ロングキャノン(200mm滑腔砲
4連メガ・マシン・キャノン、他

地球連邦宇宙軍の特殊部隊「ECOAS(エコーズ)」が使用している可変MS。特殊任務や隠密作戦での運用を想定した機体で、海軍戦略研究所(サナリィ)によって開発された[6]

連邦軍から出された機体への開発要求事項は、『秘匿性を確保するための機体小型化』、『兵員輸送車としての機能』、『迅速な作戦展開を可能とする高い機動性の確保』の三点であった[6]。相反するこれらの要求に対して、サナリィは独自に研究開発していた超小型熱核反応炉を搭載することで解決。同世代のMSに比べ出力に大きく劣るものの、当時のMS産業を一手に担っていたAE社ですらなしえなかった実用的な性能を持った小型機体の開発に成功した[6]。また、この技術を起点として機体各所をミリ単位でクリアランス調整し一切のデッドスペースを排除、その結果全高12.2mと非常に小さく収め[7]、さらに装甲材は最低限の防弾性能にとどめることで軽量化し機体の推力重量比を向上させ機動性を確保している。問題点を利点で補う開発手法をとったことでMS形態、タンク形態双方で連邦軍の要求性能を十二分に充足させた[6]

工作任務などにも使えるよう少数の兵員輸送が可能となっている他、慣性航法装置をはじめとした最新型のセンサー類や通信装置を搭載しており、指揮通信車としての機能も有する[6]。乗員数は上部操縦室に3名(車長、操縦士、通信士)後部の兵員室に兵員8名[7]が収容可能。また兵員が白兵戦で使用する「HMR-96 携帯式ミサイル・ランチャー」などの装備も収容することが可能。

前腕に当たる部分にはマニピュレータが無く、ボックスランチャーが直付けされている。固定兵装は工作用途と近接斬撃用途を兼ねるビームバーナーのみで、他の武装はマウントラッチにて着脱や換装が可能なオプション装備である。

元々対MS戦を意識して開発された機体ではないため、全体的には火力に乏しい。しかし運用次第ではMS相手の戦闘に十分耐えられるだけの性能を持つ。外観やスペックからは想像できないほど対地・対宙での機動力があり、ある程度の空間戦闘もこなす。本機のデータは宇宙世紀0100年代より行われたサナリィの小型MS開発にも活かされ、型式番号の「50」は戦車に変形する機体用番号として使われたという[6]

『UC』より後年の宇宙世紀を舞台にする劇場版アニメ『機動戦士ガンダムF91』に登場したガンタンクR-44とはデザインが類似しており、型式番号の「50」も共通している。

武装
マシン・キャノン
右肩に装着される基本兵装。対人、対車両が主な用途で25mm実体弾を装填する[6]
ミサイル・コンテナ
下腕に装着したボックスランチャーに格納されるミサイル発射装置。作戦に応じて3連式マイクロミサイルユニット4基または大型ミサイルユニット4基が選択可能で、ユニットごと換装する。対MS用兵装として装備された[6]
ビーム・バーナー
ボックスランチャーに装着されているサブ・アームに内蔵された近接戦闘用装備。メガ粒子を縮退させて刃を形成するビームサーベルと異なり、バーナーを密着させメガ粒子を対象に直接吹き付ける[6]。主に溶断用として使用された。
ロング・キャノン
長距離支援用のオプション兵装で両肩に装備する滑腔砲。200mm徹甲弾を使用することで申し分のない性能を発揮する[6]
メガ・マシン・キャノン
4連装の対空用オプション兵装で、右肩に装着される。銃身にセンサーが組み込んであり、高い命中精度を誇る[6]
劇中での活躍
小説版では、特殊部隊「ECOAS」の2機がロンド・ベル所属のネェル・アーガマに持ち込まれている。1番機はインダストリアル7市街戦においてダグザ・マックール中佐指揮の下、クシャトリヤに対してファンネルをネット弾で絡めとり、地表へ墜落させて無力化する「対サイコミュ兵器戦術」を使用した。地道ながら確実なこの戦術によってファンネル2機を沈黙させたが、3機目のファンネルが放ったメガ粒子砲の直撃を受けて大破し、炎上した。
アニメ版では、ECOASに配備された機体が多数登場し、「ラプラスの箱」を巡る各作戦に参加した。インダストリアル7内でクシャトリヤとの交戦や、パラオ攻防戦では工作活動を行うと共に、パラオ防衛部隊との交戦でドラッツェガザDギラ・ドーガ等を撃墜しているが、シナンジュ、ギラ・ズールに撃破される。また、戦闘だけでなくMSパイロット以外のECOAS工作員を送り込む移動手段としても利用されている。ラプラスの箱を巡る紛争の最終局面においては、メガラニカへ向かうネェル・アーガマのカタパルト上で援護射撃を行っていたが、艦砲射撃を受け撃破された。
漫画『機動戦士ガンダムF90 ファステストフォーミュラ』では、0112年の北米キャッツキルの山岳演習場で4機(うち1機がメガ・マシン・キャノン装備、ほかはロング・キャノン装備)が登場。ガンタンクR-44 パワードウェポンタイプ1機とともにガンダムF90Sタイプの射撃テストのアグレッサーとなる予定のところを何者かに奪取され、実弾で攻撃を仕掛けるが、山頂に移動したSタイプから逆に砲撃を受けて全滅する。

GFタンク[編集]

諸元
GFタンク
GF-TANK
型式番号 RIX-00PT
頭頂高 11.8m
本体重量 19.8t
全備重量 24.9t
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
+ガンダリウム合金
出力 1,450kW
推力 60,000kg
センサー
有効半径
12,300m
武装 エクス・キャノン
ビーム・マシンガン
(兼パイル・ハンマ)
ミサイル・コンテナ
ビーム・ガン
ヒート・カッター
搭乗者 ダン・コルトン

漫画『機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン』に登場。

サナリィが開発したロトをベースに、AE社が大幅な改修を施した機体。ガンダムGファーストキャノンガンも関連する「ある技術検証計画」の「要」として[8]地球連邦地上軍の発注により製作され、他の2機とともにサイド7でおこなわれる式典用にトリコロールを基調とした塗装が施される。

本機の最大の特徴として、大型バックパック形態「バックウェポンモード」へと変形し、Gファーストまたはキャノンガンの背部へドッキングする機能を有しており、両機の戦闘能力を大幅に引き上げることが可能となる。さらに、人型の「ファイター」形態から巡行用の飛行形態「スカイ」と対人戦用の重戦車形態「ブル」にも変形可能で、これらの名称はGファイターの各形態名を由来にしている。また、サイコフレームの外部装置化による性能向上の実証試験機としての位置づけも与えられており[9]、サイコフレームが内蔵されている。乗員は頭部に2名、胸部内に3名の計5名が搭乗可能。

スカイ形態における主翼にはビーム・コーティング剤が塗布されており、ほかの形態での側面の防御に一定の効果を発揮する。主兵装は長距離砲撃が可能な両肩の高出力ビーム砲「エクス・キャノン」で、先端はGファーストやキャノンガンの兵装を拡張する「エクス・カートリッジ」としての運用も可能。両前腕はミサイル・コンテナになっており、ビーム・マシンガンも内蔵する。砲身が伸縮式になっており、構造物破壊用のパイル・ハンマ(杭打ち機)としての運用も可能。腰部フロント・アーマーにはビーム・ガンを装備、スカイ形態では機首先端部に配置される。アンクル・ガードのヒート・カッターは、歩行の際の障害物などを溶断する。

ユニコーンガンダム2号機 バンシィ[編集]

ユニコーンガンダムの2号機で、白い1号機とは対象的な漆黒の機体色と、のような頭部アンテナが特徴。

ジェスタ[編集]

諸元
ジェスタ
JESTA
型式番号 RGM-96X
開発 アナハイム・エレクトロニクス[10]
全高 19.3m[10]
本体重量 24.8t[10]
全備重量 57.2t[10]
装甲材質 チタン合金セラミック複合材[10]
+一部ガンダリウム合金使用[10]
出力 2,710kW[10]
推力 89,030kg[10]
センサー
有効半径
14,200m[10]
武装 ビーム・ライフル
ビーム・サーベル
バルカン・ポッド・システム
ハンド・グレネード×6
シールド(連装ミサイル・ランチャー✕2)
搭乗者 トライスター」小隊ほか

デザインに当たっては、カトキによる本編の描写にはないイメージイラストが描かれており、アメリカ軍のネイビー・シールズのような特殊部隊をイメージして、水際から一気に展開し、戦場の優位を確保するシチュエーションとともに、MS用のLCACエア・クッション型揚陸艇)も描かれている[10]

デストロイモードでの活動時間に制限があるユニコーンガンダムのサポートのため、AE社で開発されたジェガンの上位機種で[10]、宇宙世紀0096年に完成する[11]。すなわち「UC計画」の産物であり[10]、同計画の「要」であるともいわれるが[12]、連邦軍内でもその事実は秘匿されているようだとされる[10]。ユニコーンガンダムの護衛のほか、敵の通常戦力を制圧してニュータイプ兵器などの中核戦力と直接対峙する状況を生み出す(「“ニュータイプ狩り”の舞台を整える露払い」とも表現される)ことも想定されている[10]

肩部や脚部に配された重厚な装甲は見た目通りの堅牢さを誇り[12]、細身のジェガン系の機体とは思えないマッシブなスタイルとなっているが[10]、これにより発生する増加重量を容易に打ち消す推力と機動性をもつ[12]。バックパックは完全新規に開発がおこなわれ、スラスター2発という極めてシンプルなレイアウトが採用されているが、ユニコーンガンダムに追従しうる極大な推力を秘めている[11]。ジェガンより16パーセント重量増加するものの、出力は45パーセント、推力は43パーセント向上し、νガンダムの9割の高性能を実現している[13]。スタンダードな運用を求められながらもその要求レベルは極めて高く、結果として量産機らしからぬ性能が与えられている[12]。また、不特定多数の敵戦力に対して「確実にかわし、当てる」技量をもつパイロットの搭乗を前提とした機体となっている[11]。評価試験を兼ねて、ロンド・ベル隊の旗艦「ラー・カイラム」に12機(生産されたすべて[11])が配備されている[10]。カラーリングは濃淡のミディアム・ブルー[10]を基調とする。

武装
ビーム・ライフル
ジェガンのものをベースにした性能向上型であるが[13]、破壊力よりも「手数」が重視され[11]、通常射撃モードのほかにビーム・マシンガンのような連射モードへの切り替えも可能となっており[12]、そのための加速・偏向装置の追加により通常のものよりバレルが延長されている[10][注 2]。バレル下部にはレールがあり、射撃精度向上のためのフォアグリップのほか、さまざまなオプションを懸架可能[13]
Eパックはジェガンやリゼルのものと共通で[11]、右前腕部甲に予備のEパックが3基マウントされている[12]
ビーム・サーベル
標準型で、左前腕部甲のラックに収納されている[12]
バルカン・ポッド・システム
ジェガンと同型の半固定式のものであるが、ジェガンのように左側頭部ではなくガンダムMk-IIバーザムのように右に装備されている。
ハンド・グレネード
腰部側面のラックに3基ずつ装備。効果的な使用で、数倍以上の威力を示す[12]
シールド
アームを介してバックパックに接続されており[10]、独立可動となったことで効果が向上している[13]。左側面には、ジェガンのシールドのものと同等の連装ミサイル・ランチャーが2基組み込まれている[12]
劇中での活躍
ロンド・ベル隊の旗艦「ラー・カイラム」所属の小隊「トライスター」のナイジェル・ギャレット大尉(コード・ネームは "U007"(ユニフォーム・セブン)[14])、ダリル・マッギネス中尉 (U008[14]) 、ワッツ・ステップニー中尉 (U009[14]) が搭乗する。ジオン残党軍によるダカール襲撃の増援としてベースジャバーに乗って出撃するも、到着前に敵は撤退する。トリントン襲撃の際には敵の撤退直前に駆け付け、いくつかの敵機を撃破する。その後、確保されたユニコーンガンダムをベースジャバーでガルダまで移送するバンシィの護衛に就くが、出現したガランシェール隊と共闘するために起動したユニコーンにワッツ機は足蹴にされ落下、残る2機も戦闘には参加せず離脱する。その後宇宙に上がり(ワッツ機はジェスタ・キャノンに換装)、89式ベースジャバーに乗ってガランシェールを捕捉し停船命令をおこなう。ふたたび地球に戻り、宇宙世紀0096年5月4日0時半頃に[15]ロンド・ベル隊が作戦指揮権にもとづき連邦軍シャイアン基地の捜索をおこなう際には、同基地を警護するグスタフ・カールΖプラスを戦闘不能にしている。直後さらにラー・カイラムから別の本機が最低6機出撃しており、うち1機はナイジェル機のモニター表示から "U012" であることが確認できる。
小説版では、ラー・カイラムの今次航海の目的が本機の試験に限定されており、リゼルやジェガンといった在来機をすべて下ろし、評価の定まらない本機にすべて入れ替えられたとされる[16]。ラー・カイラム隊の隊長を務めるソートン中佐 (U001) 率いるソートン中隊(トライスターを含む)と、ドット少佐率いるドット中隊の各6機で構成されている[16]。ダカール襲撃の際には、ダカール基地が用意したLCAC 6隻に全機分乗して上陸している[17]。この戦闘では12機すべてが生還しているが[18]、以降はトライスター機以外登場しない。

ジェスタ・キャノン[編集]

諸元
ジェスタ・キャノン
JESTA CANNON
型式番号 RGM-96X
全高 19.3m[19]
本体重量 39.7t[20] / 24.8t[19]
全備重量 75.4t[21]
武装 ビーム・キャノン
4連マルチ・ランチャー
ビーム・ライフル
グレネード・ランチャー
ビーム・サーベル
バルカン・ポッド・システム
ハンド・グレネード×9
シールド(連装ミサイル・ランチャー✕2)
搭乗者 ワッツ・ステップニー

最終局面で味方陣営にもガンキャノン的なバリエーションが欲しいと思ったカトキによって設定・デザインされた[19]。ジェスタのオプション装備のひとつであり、型式番号に変更はなく、重量を除いたスペックの数値も同じである[21][19]

ジェスタはジェガンと同様に専用のオプション・パーツを増設してさまざまな用途に対応できるバリエーションが複数存在し、そのうちの重装仕様が本機である[20][19]。中距離支援用MSの代名詞である「キャノン」の名を冠しているものの、単なる援護砲撃に留まらず、総合的な攻撃力の向上により前線での運用にも十分対応できる性能をもつ[20]。武装の増加にともない、OSも火器管制能力を強化したバージョンアップがおこなわれ[20][19]、戦況に応じ自動で武器を選定することで、乱戦においてもパイロットを適切にサポートする[20]

ジェスタ自体がすでに一定以上の耐弾性能を誇るため、増加装甲はコックピット周辺(胸部)を起点とし[20]、駆動部を中心に[21]重量バランスを考慮した最低限の配置に留まっている[20][注 3]。これらは戦況や損傷に応じて、爆砕ボルトによって瞬時にパージが可能である[19]。増加装甲および拡張装備をほどこした本機のシルエットは、ジェスタのマッシブなスタイルをさらに強調するものとなっている[20][19]。ジェスタにくらべて重量が60パーセント増加しているが、推力/重量比ではジェガンD型と遜色ないため、前線である程度の高機動戦闘をおこなうことも可能である[21]

ラー・カイラムには、予備を含め5機分の本仕様のオプション・パーツが搬入され[20]、状況に応じて装備されている[21]

武装
ビーム・キャノン
右肩(バックパック右側上部)に増設される、ジェネレーター直結型の大出力ビーム砲[20]。単装にすることで、出力を落とさずに一定時間の連続発射が可能となっている[20]。高性能な頭部センサー・ユニットと連携して、中距離支援での要となり得る[20]
4連マルチ・ランチャー
左肩(バックパック左側上部)に増設される、4連装の多目的対MS弾発射装置[20]。破壊用途だけでなく、閃光弾をはじめとする特殊砲弾を数種装填して適宜撃ち分ける[20]。なお、これらを接続するキャノン・パックは戦闘中の排除も容易であり、柔軟な運用が可能となっている[21]
なお、小説版における設定でも「4連マルチ・ランチャー」であるが[19]、小説作中では一貫して「ガトリング砲」とされている[22]
ビーム・ライフル / グレネード・ランチャー
ジェスタのものに拡張装備として、銃身上部に射撃精度向上のための照準装置(センサー・ユニット[21])、下部にグレネード・ランチャーを増設し[19]、機体に見合う大柄のフォルムとなっている[20]。重量増加にともない、フォアグリップも変更されている[21]
ビーム・サーベル / ハンド・グレネード
本仕様では右前腕部甲に増加装甲を装備するため、左腰部のグレネード・ラックをビーム・サーベル・ラックに換装する。しかし、両脹脛側面にもグレネード・ラックを増設するため、ハンド・グレネードの数は増えており、一斉射出した際の破壊力は単体では考えられない威力を示す[23]
劇中での活躍
トライスターが宇宙に上がった際、ワッツ機のみ本仕様に換装されている。89式ベースジャバーに乗ってガランシェールを捕捉するが、自機を足蹴にしたユニコーンガンダムが搭載されていると信じるワッツは単機で突出し、火器管制システムを手動に切り替え[23]、停船命令を無視する同艦の鼻先で発射したミサイルをみずからビームで狙撃して爆発させるという荒技を仕掛ける。しかし、同艦のクルーおよび艦載機はすでにネェル・アーガマに移乗したうえでの自動航行であり、同艦の自爆に巻き込まれる。しかし本機は無事であり、シャイアン基地捜索の際にも本仕様でウェイブライダー形態に変形したΖプラスを足蹴にする。
小説版では、宇宙でのローゼン・ズールとの交戦で撃破される[24]

ジェスタ(EWACタイプ)[編集]

小説版にのみ登場し、デザインは起こされていない。名称は便宜的なものであり、作中では「EWACタイプの《ジェスタ》」あるいは「早期警戒(EWAC)機」と表記される[16]

頭まで覆う巨大な電子戦ユニットを両肩に装備し(遠目には首なしの機体に見える)、両腕に大型の観測機器をマウントするとされており[25]、のちに「UC-MSV」としてデザインされ、アニメ版にも登場するEWACジェガンと共通する。

作中での活躍
ラー・カイラム所属の "U011" が、ジオン残党軍のダカール襲撃の情報収集のためベースジャバーに乗って先行し[16]、戦況を報告している[26]

ジェスタ シェザール隊仕様[編集]

諸元
ジェスタ シェザール隊仕様
JESTA SHEZARR TYPE[27]
型式番号 RGM-96Xs
全高 19.3m[28]
本体重量 27.5t(A班装備)[28]
24.8t(B, C班装備)[28]
全備重量 63.3t(A班装備)[28]
57.2t(B, C班装備)[28]
出力 2,710kW[28]
推力 110,300kg(A班装備)[28]
89,030kg(B, C班装備)[28]
センサー
有効半径
17,040m[28]
武装 ビーム・ライフル
ビーム・サーベル
ハンド・グレネード×6
メガ・ビーム・ランチャー(B班装備)
キャプチャーガン(C班装備)
搭乗者 シェザール隊隊員
(詳細は本文を参照)

アニメーション映画『機動戦士ガンダムNT』に登場。

ユニコーンガンダム3号機 フェネクスを捕獲する「不死鳥狩り」を行うシェザール隊に支給された機体。全ての機体の頭部にスコープ型のセンサー強化ユニットが装着されている。実戦では、スタークジェガンと同系の高機動型バックパックとプロペラント兼用の大型ブースターユニットを装備したA班、メガ・ビーム・ランチャーとトライポッドを組み合わせたスナイパー仕様のB班、89式ベースジャバーとフェネクス捕獲用のキャプチャーガンを携行するC班の各2機ずつ計6機小隊で運用される[29]

A班装備にシェザール隊隊長のイアゴ・ハーカナ少佐(1番機)とタマン少尉(6番機)、B班装備にデラオ中尉とパベル中尉(5番機)、C班装備に副隊長のフランソン大尉(2番機)とアマージャ大尉がそれぞれ搭乗する。

アンクシャ[編集]

諸元
アンクシャ
ANKSHA
型式番号 RAS-96
所属 地球連邦軍
建造 アナハイム・エレクトロニクス[30]
生産形態 量産機
全高 22.3m
本体重量 28.3t
全備重量 43.9t
装甲材質 ガンダリウム合金
ジェネレーター出力 2,200kW
推力 79,600kg
センサー
有効半径
14,200m
武装 ビーム・サーベル×2
ビーム・ライフル×2
60mmバルカン砲×2
ムーバブル・シールド・バインダー
搭乗者 地球連邦軍一般兵
マイオス・ホーデン
ビーナ・スンレンカーム・フライターク

アッシマーの後継機。整備の効率化と生産性を高めるべく、カメラアイがゴーグルタイプになっている(この変更は、モノアイなどジオン系意匠及びティターンズにアレルギーを持つ連邦上層部の意向も含まれている)など、ジム系MSと共通規格の部品を多く使用しているのが特徴。また、これらの変更により、機体分類もMAからMSへと変更されている。前腕部に設置されたムーバブル・シールド・バインダーなど、ギャプランの影響も見られる[31]

MA形態においては、機体上部に他のMSを乗せて重力下飛行を行うことや、サブフライトシステムとして運用することが可能。

名前はヒンドゥー教の神「ガネーシャ」の持つ杖が由来。

主な武装
ビーム・サーベル
原型機には装備されていなかったが、本機では両膝のニー・クラッシャーに収納されている[30]。使用時にはユニットをポップアップさせる[30]
ビーム・ライフル
固定武装としてムーバブル・シールド・バインダーに装備。ジェネレーター直結型で、高い出力とレスポンスを誇る[30]
劇中での活躍
地球連邦軍所属の輸送艦ガルダの艦載機として登場。
原作小説の第7巻ではトリントン基地を訪れたラー・カイラムを出迎える場面で初登場し、アッシマーの系譜に連なる新鋭機であることが言及されている。後の場面ではマリーダ・クルスが搭乗する ユニコーンガンダム2号機バンシィを戦場まで運搬するためのサブフライトシステムとしても用いられている。その後、1機がユニコーンガンダム1号機と2号機の対決に介入するが、1号機に返り討ちにされて両腕を切り落とされ、2号機が1号機に向けて放ったビーム・マグナムの流れ弾に被弾し、ガルダの垂直尾翼に叩きつけられる寸前に爆散する。
アニメ版では都合7機がガルダに搭載されており、襲撃したネオ・ジオン残党の排除とラー・カイラムから護送されてきたユニコーンガンダムの確保のために出撃し、ガランシェールおよびユニコーンガンダム1号機と交戦する。アニメ版では、ガランシェール隊のギラ・ズールが装備したスキウレによって撃墜されたり、ユニコーンガンダム1号機にビーム・サーベル二刀流で挑むも返り討ちに遭い、サーベルを奪われる。デストロイモードのユニコーンガンダムとバンシィの対決中に介入しようとした機体は、2機のユニコーンが発生させたサイコ・フィールドに弾き飛ばされ、ガルダの翼に叩きつけられて爆散する。他にも、シャイアン基地に向かうローナン・マーセナスマーサ・ビスト・カーバインアルベルト・ビストらの護衛として、2機が警戒飛行する姿が確認できる。
漫画『機動戦士ガンダムUC 星月の欠片』第2巻第4話「復讐の神鳥」では、ガルダ所属機のパイロットたちに焦点を当てた外伝エピソードが描かれている。
『UC』の1年後を描いた劇場アニメ『機動戦士ガンダムNT』の導入部では2機が登場し、主人公ヨナ・バシュタらが搭乗するルオ商会所属のディジェと交戦する。MA形態のアンクシャが奇襲を受けて炎上する場面から戦闘が始まり、その後別の機体が、ヨナの機体との鍔迫り合いの末に斬り刻まれて撃破される。後者の機体は腹部と右腕を斬り落とされながらも反撃を試みるそぶりを見せており、竹内清人によるノベライズ版では、登場場面こそ短いものの、これが初陣であったヨナに覚悟の差を示して死の淵まで追い詰めた、とする趣旨の描写がされている[32]
漫画版『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』では、0105年にダバオでヒスロー大臣を「粛清」しようとするマフティーのメッサー部隊の迎撃に、ケッサリアに乗ったグスタフ・カール2機とともに1機が駆けつけるが、ハサウェイ・ノア搭乗機のビーム・ライフルで左腕を破壊され墜落する。

その他の登場兵器(地球連邦軍)[編集]

以下の兵器はリンク先を参照。


ネオ・ジオン(袖付き)[編集]

ネオ・ジオン残党軍、通称「袖付き」にて運用される機体。所属する機体の多くに、のような装飾(エングレービング)が施されているのが特徴。過去シリーズからの登場機も「袖付き」仕様にデザインが変更されている。

この装飾の理由は、第二次ネオ・ジオン抗争後、雑多な勢力の寄り合い所帯となった軍をまとめる意匠であったとされる[33]。また、軍を率いるフラッグシップ機であるシナンジュとその直属の親衛隊機、その他のエース・パイロット機の当該部位には、ガンダリウム系の新合金(「ルナ・チタニウムΧ(カイ)」ともいわれる[34])を用いて一般機より装甲が強化されていたとする説もある[33]

シナンジュ[編集]

「赤い彗星の再来」と渾名される「袖付き」の首魁フル・フロンタルが搭乗する、赤いフラッグシップ機。ユニコーンガンダムのライバル機となる。

ネオ・ジオング[編集]

アニメ版にのみ登場。シナンジュをコア・ユニットとする巨大MA。

クシャトリヤ[編集]

諸元
クシャトリヤ
KSHATRIYA
型式番号 NZ-666
所属 ネオ・ジオン
全高 22.3m
本体重量 29.7t
全備重量 74.02t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 16,540kW
推力 197,800kg
センサー
有効半径
18,500m
武装 胸部メガ粒子砲×4
マシン・キャノン×2
ビーム・サーベル×2
バインダー部メガ粒子砲×8
バインダー部ビーム・サーベル×4
ファンネル×24
ビーム・ガトリングガン×2(小説版のみ)
搭乗者 マリーダ・クルス

「袖付き」所属のニュータイプ専用MS。名称の「クシャトリヤ」は、古代インドの階級で第2位の王族・武人層を意味し、フル・フロンタル指揮下のネオ・ジオン残党軍ではフラッグシップ機であるシナンジュに次ぐ機体であることを物語っている。

クィン・マンサの大火力を20メートル級MSで実現するというコンセプトで開発され、コクピット周辺にサイコフレーム、両肩に武装コンテナとスラスターを集約したフレキシブル・バインダー計4基を採用することで機体の小型化に成功している。そのためIフィールド・ジェネレーターは本体ではなくバインダー内に搭載している[35]。頭部形状はクィン・マンサのツインアイ式に対しゲルググガルバルディなどに類似したモノアイ式になり、胸部や両手首などにエングレービングが施されている。

宇宙世紀0096年時のMSとしては破格の高性能機だが、「袖付き」が保有するサイコフレームは第二次ネオ・ジオン抗争時にAE社に発注した分しかなく、再生産する設備もないため、整備もままならないワン・アンド・オンリーの機体となっている。また、小型化されたとはいえ、ファンネルを始めとする多数の火器を管制する本機の操縦は非常に複雑で、「袖付き」軍内でこれを扱えるパイロットは強化人間のマリーダ・クルスのみとなっている。

高い火力と大型サイズを活かしたMA的運用だったクィン・マンサに対し、小型化の結果である本機はMS的運用が多く取られ、ファンネルとのコンビネーションや対複数の格闘戦もこなしている。

武装
胸部メガ粒子砲
クィン・マンサから引き継いで搭載された火器。左右に2基の計4機を搭載。
マシン・キャノン
胸部メガ粒子砲付近に内蔵された実弾火器。
腕部ビーム・サーベル
両腕の袖部分に格納された接近戦用武装。ほかのジオン系MSにみられる黄色ではなく、緑色のビーム刃を形成する。袖に収納時はビーム・ガンとしても使用が可能。
バインダー部メガ粒子砲
「4枚羽」の渾名の由来となる肩部装甲とつながるバインダーに搭載された火器。1枚のバインダーにつき2基の計8機が搭載。
バインダー部ビーム・サーベル
バインダーに格納されたサブ・アームごとに各1基を内蔵。ユニコーンガンダムの両腕を抑えるほどのパワーを持ち、敵機の拘束や奇襲・反撃にも使用可能。
ファンネル
バインダーに6基搭載されたサイコミュ兵器。カラーリングは小説版では銀色、アニメ版では機体カラーと同じ緑でデブリと誤認されるほどに小型。過去のファンネル搭載機同様、バインダーに戻すことで再充電可能。
ビーム・ガトリングガン
メガ粒子砲やファンネルは機体およびパイロットにかかる負担が大きい兵装であるため、それらを補助する携行兵装として用意された[36]4銃身式の大型ビーム機関砲。小説版の最終決戦の際には、マニピュレーターが欠損した右腕の前腕部側面に2挺装着して出撃している[37]
同じAE製で同一規格のジョイントを有するユニコーンガンダムやギラ・ズールも装備・使用している(アニメ版のみ)。
劇中での活躍
インダストリアル7強襲時は、数で勝るネェル・アーガマのMS隊を次々と撃破。そしてデブリ宙域に避難したネェル・アーガマにシナンジュやフル・フロンタル親衛隊と共に襲撃し、ユニコーンガンダムを鹵獲する。
パラオ攻略戦では脱走したユニコーンガンダムを捕える任務(実際にはユニコーンガンダムの真の性能を試そうとしたフル・フロンタルの策略)を受けて交戦するも、デストロイモードとなったユニコーンガンダムの性能と能力に押され、右手を失う等マリーダ共々無数の傷を負い、ネェル・アーガマに収容される。アニメ版ではバインダーや四肢を切断され、頭部をビーム・サーベルで刺される等、大破に近いほどの損傷を受けている。その後、小説版では袖付き・ジオン共和国軍・ガランシェール隊にネェル・アーガマが制圧された際には再びマリーダが搭乗し、ローゼン・ズールの右腕を切断する活躍を見せる。
小説版における最終決戦では、手首より先を失った右腕に2丁のビーム・ガトリングガンを装備して出撃し[37]、ユニコーンガンダムのバックアップを担当した。マリーダとの親和性の高まりにより機体から虹色の燐光を発しながら[38]、ユニコーンガンダムとシナンジュの戦闘に介入してシナンジュの足止めを請け負う。ファンネルを全弾失い撃墜直前まで追い詰められるが、4枚の大型バインダーの接続アームを自ら斬り落とし、大型バインダー自体を巨大なファンネルとして操り、シナンジュに質量弾として突撃・起爆させる[39]という荒業で、その場を何とか切り抜け離脱した。その後、バンシィのビーム・マグナムからネェル・アーガマを庇って爆散し、爆発ではない未知の光を戦場に散らしながら消えていった。

クシャトリヤ・ベッセルング[編集]

KSHATRIYA BESSERUNG

アニメ版に登場。ネェル・アーガマ内でトムラら「袖付き」側主導によって補修を受けた姿。「ベッセルング」とはドイツ語で「回復」の意(「ベッセルン」がより原音に近い)。

左腕は肘から先が失われており、右脚は膝から先がフレームのみ、コクピットと頭部内フレームが露出している。連邦軍機のパーツを使って改修したため、モノアイの色がピンクから緑に変わっている[40]。胸部メガ粒子砲の銃口は左右各2門のうち1門がそれぞれ塞がれている。バインダーは左右1枚ずつとなり、左側は内部フレームのみとなっている。ネェル・アーガマ内での攻防の際に使用された。

当初は原作小説と異なり、再登場しない予定であったため大破させられたクシャトリヤだったが、アニメでも再登場させることになったため改修案が新たにデザインされた。

クシャトリヤ・リペアード[編集]

諸元
クシャトリヤ・リペアード
KSHATRIYA REPAIRED
型式番号 NZ-666
所属 ロンド・ベル(ネェル・アーガマ)
全高 22.3m
本体重量 27.9t
全備重量 68.03t
出力 9,924kW
推力 198,680kg
センサー
有効半径
17,800m
武装 胸部メガ粒子砲×2
マシン・キャノン×2
ビーム・サーベル×1
バインダー部メガ粒子砲×2(×2)
バインダー部ビーム・サーベル×2
改造ファンネル×12
右脚部ビーム・ガトリングガン×1
左腕部ハイパー・ビーム・ジャベリン×1
3連装シュツルム・ファウスト×1
搭乗者 マリーダ・クルス

アニメ版に登場。クシャトリヤ・ベッセルングが、ネェル・アーガマのクルーの手によって最終決戦に向けて更なる補修を受けた姿。

左腕の肘から先にはユニコーンガンダムのオプション兵装であったハイパー・ビーム・ジャベリンが接合され、欠損していた後部の2基のバインダー部分にはギラ・ズール用の大型プロペラント・ブースターを転用し、右脚仮設フレームの足裏にはビーム・ガトリングガンが内装され、フレームが露出していたいくつかの部分も装甲で補修されている。バインダーが減ったことで搭載武装は減少しているものの、これによる相対的な軽量化とブースターの推力によって機動性はむしろ向上している。ファンネルは小型シュツルム・ファウストの弾頭を先端に接合することで、それ自体を誘導ミサイルとする方式に改造された。従来の格納箇所であるバインダー裏面のラックは穴埋めされ、表面の開閉式カバー内部にコンテナを増設している。インダストリアル7宙域での決戦にて使用された。

ギラ・ズール[編集]

諸元
ギラ・ズール
GEARA ZULU
型式番号 AMS-129
所属 ネオ・ジオン軍残党「袖付き」
ジオン共和国軍
製造 アナハイム・エレクトロニクス社
全高 20.0m[41]
本体重量 21.8t[41]
22.3t(親衛隊仕様機)[42]
27.3t(アンジェロ機)[43]
24.9t(エリク機)[44]
全備重量 55.2t[41]
56.5t(親衛隊仕様機)[45]
61.4t(アンジェロ機)[45]
56.4t(エリク機)[44]
装甲材質 チタン合金セラミック複合材[41]
出力 2,470kW[41]
2,670kW(親衛隊仕様機)[42]
2,870kW(アンジェロ機[43]、エリク機[44]
推力 62,100kg[46]
74,520kg(親衛隊仕様機)[45]
77,625kg(アンジェロ機)[45]
77,630kg(エリク機)[44]
センサー
有効半径
18,200m(一般機[46]、親衛隊仕様機[45]
19,200m(アンジェロ機[45]、エリク機[44]
武装 ビーム・マシンガン
ビーム・ホーク
ハンド・グレネード
シュツルム・ファウスト
シールド
他(「武装・装備」「主な武装」を参照)
搭乗者 サボア
ギルボア・サント
クワニ
アイバン
セルジ・ヘルファー(親衛隊仕様機)
キュアロン・マスカ(親衛隊仕様機)
アンジェロ・ザウパー
エリク・ユーゴ

「袖付き」の主力MS。もともとはギラ・ドーガに代わる新生ネオ・ジオン軍の次期主力機として、AE社によって開発が進められていた機体である[47]。本来は第二次ネオ・ジオン抗争の長期化に備えてのものであるが[48]、本格的な量産体制が整う前に終結したため生産計画は棚上げとなる[41][注 4]。その後、「袖付き」の蜂起によりジオン再興の象徴としての主力機が必要とされ、生産が本格化する[41]。しかし、小規模な「袖付き」の台所事情や[49]、MSの運用能力も十分に満足いくレベルではないことから[48]、予定されていたスペックでの量産計画は承認されず[49][注 5]、基本的にはギラ・ドーガの発展強化更新型の範疇を逸脱するものではない[41]。しかし、ギラ・ドーガによる実績や数年間の技術の進展[41]、再承認のための入念な設計の見直しにより[49]生産性や整備性は設計当初より改善されており、比較的容易に改修・強化が可能な非常に扱いやすい機体として完成する[41]。また、外観は大きく変わっているものの中身は基本的にギラ・ドーガとほぼ同じであるため機種転換の必要もなく、装備類も共用が可能となっている[48]。しかしながら、対抗機でありながらマイナーチェンジで細かい改良が積み重ねられているジェガンに対してアドバンテージを築くのは難しく、またロンド・ベル隊ではジェガンとリゼルの連携運用が基本となっており、インダストリアル7での戦いでも本機は苦戦を強いられている[48]

外観はオーソドックスなジオン・スタイルでまとめられており[47]、ガスマスクのような口元と、高機動型ザクIIを思わせる大腿部側面のメイン・スラスター・ユニット[42]が特徴[46]。手首と胸部には「袖付き」の由来であるエングレーブ風の装飾が施されており、部隊や階級によって装飾の模様および肩部スパイクなどの形状が異なる[47]。また、隊長機は額にブレード・アンテナが設置される。標準塗装はザクIIやギラ・ドーガと同様、濃淡グリーンを基調とする。

小説版では、従来機のOSを使い回すため、当時の連邦軍ではすでに採用が中止されていたアームレイカー式操縦桿を採用しているとされたが[50]、アニメ版では一般的なグリップ式に変更された[45]

武装・装備
ビーム・マシンガン
ギラ・ドーガのものと同様、ペレット状のビームを連射する[41]標準装備の携行火器で、当時の標準的な連射力・集弾率をもつ[46]。モードの切り替えにより通常のビーム・ライフルとしても使用可能[45]。マガジン(Eパック)はフォアグリップを兼ねており[46]、バナナ型となり装弾数が増えているが[42]、ギラ・ドーガ用のものとも互換性がある[45]。予備マガジンは3セットずつ、フロント・スカート左右にマウント可能。
基本設計に優れており拡張性が高く、本体のセンサーに直接リンクする大型センサーや[46]、銃身下部にグレネード・ランチャー・ユニットを装備することが可能[41]
ビーム・ホーク
接近戦用の武装。2基のビーム発生器を内装し、側部からマサカリ状のビーム刃を発生させるビーム・ホーク、ツルハシ状にしたビーム・ピック、先端から杭状に発生させるビーム・パイルと[49]、状況に合わせて変化させることが可能。2基同時の展開も可能で、使用時には柄を伸長させる[45]
ハンド・グレネード
MS用手榴弾。磁気・接触・時限・熱探知など複数のモードで反応する信管をセット可能[41]
シュツルム・ファウスト
命中精度向上のため弾体後部に4枚の安定板が追加され、グリップと照準器が一体になった発射器を使用する[45]
シールド
右肩にザクIIと同様のL字型シールドを装備する。表面にシュツルム・ファウスト(上記と異なる従来型)4発をマウント可能。なお、左肩はスパイクのない球状のアーマーを装備。
重装用バックパック
ジェネレーター直結型のオプション兵装を運用するために開発された大型のバックパック[43]。内蔵されたジェネレーターによる対応火器へのエネルギーの安定供給のほか、スタビライザーと2基の大型プロペラント・タンクを接続することで長時間の作戦行動が可能となる[43]。少数が製造され、親衛隊仕様機に優先的に配備されている[43]
ランゲ・ブルーノ砲・改
重装用バックパック対応兵器のひとつで、ギラ・ドーガ重装型のランゲ・ブルーノ砲を宇宙での運用に特化するため、実弾兵器から長射程のビーム・ランチャーとして改良されている[43]。貫通力強化のために収束率を極限まで高めたビームを高速で発射する[43]。後述のアンジェロ機のほか、ラプラス跡での戦闘ではガランシェール隊のギルボア・サント機ほか1機も装備している。
その他武装
ギラ・ドーガ用の武装もそのまま使用可能[46]
ランゲ・ブルーノ砲・改を装備したガランシェール隊所属機のうち、ギルボア機は副兵装としてビーム・ガトリングガンを、もう1機はサブ・マシンガンとギラ・ドーガのシールド(裏にシュツルム・ファウスト4発)を装備する。
ガランシェール隊がガルダ輸送機からミネバ・ラオ・ザビらを奪還する際には、アイバン機[49](重装用バックパック装備)がスキウレリック・ドムIIのロケット・バズーカを、クワニ機[49]ザクIIのザク・マシンガン、2連ザク・バズーカと3連装ミサイル・ポッド8基、グフカスタムのガトリング・シールド、ドムのジャイアント・バズ、ロケット・バズーカ、ゲルググJのビーム・マシンガン、陸戦型ジムのミサイル・ランチャー、リック・ディアスのクレイ・バズーカ、ハイザックおよびマラサイのビーム・ライフルを使用し、母艦のガランシェールに搭載された状態で連邦軍MS隊へ向け発砲している。これらは地球のジオン残党軍から譲り受けたもので[51]、漫画『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』によれば、カークス隊のクイント中尉が一年戦争からの歴戦の中でかき集めてきたものとされる。
最終決戦に際してネェル・アーガマの所属となった3機(大腿部にオレンジ色の識別帯が施されている)のうち2機も、ガランシェールから持ち込んだ上記の武装の一部を使用[52]。一般機はスキウレ、親衛隊仕様機は2連ザク・バズーカおよびジェガンのシールドを装備する。残る1機の一般機は、ジェガンのビーム・ライフルとシールドを携行する。

ギラ・ズール(親衛隊仕様機)[編集]

フル・フロンタル直属の親衛隊6名[53]に与えられた特別仕様機[42]。本仕様こそが設計段階における本来の標準スペックであるともいわれる[54][注 6]

高機動を誇るフロンタルのシナンジュとの連携を図るため、大腿部メイン・スラスター(高機動型ザクIIR-2型を思わせるカバーが追加されている)をはじめとする推力の大幅な強化が図られ、バックパックはギラ・ドーガのプロペラント増加型の比推力を改善したものを装備し、長時間の作戦行動も可能となっている[42]。外観的には、両肩に大型のスパイク・アーマーを装備してより攻撃的になり、「袖付き」の装飾は親衛隊であることを示すために一般機より広範囲に施されている[47]

本仕様は「袖付き」の中でも出撃回数が非常に多いにもかかわらず、撃墜スコアは微々たるものであったとされるが、これは戦場で先陣を切るフロンタルへの介入を親衛隊隊長が禁じたためといわれる[42]。しかし、攻撃に転じれば一騎当千と形容され、敵軍から恐れられたという[42]

劇中では、セルジ機がユニコーンガンダムのビーム・マグナムの至近弾により誘爆し、キュアロン機もラプラス跡での戦闘で同機のビーム・サーベルに貫かれ撃破される。アニメ版終盤においては、ネェル・アーガマに残された鹵獲機の1機が運用されている。

映画『機動戦士ガンダムNT』に登場するジオン共和国軍のゾルタン・アッカネン大尉率いる部隊が運用するギラ・ズールの外観は親衛隊仕様機と同様(所属を偽るため、「袖付き」の装飾もそのまま)だが、スペックは一般機と同じ数値となっている[44]

漫画『機動戦士ガンダムF90 ファステストフォーミュラ』では、ジオン軍残党部隊の機体が登場。部隊のMSに共通する重装用バックパック(後述、プロペラントタンク装備)に換装されており、袖と胸の装飾は消されている。宇宙世紀0112年にサイド6の廃棄コロニー群で僚機のギラ・ズールおよびリゲルグとともに資材をあさるが、突如現れたランデッガー重工のMSティグリス2機の急襲に遭い、「噛みつき」によって撃破される。

主な武装
シールド
一般機と異なり、ギラ・ドーガのものをベースに軽量化などの改良が施されたものを装備する[42]。キュアロン機はラプラス跡での戦闘時に一般機のシールドも装備し、合計8発のシュツルム・ファウストを搭載する。
ビーム・スナイパー・ライフル
ラプラス跡での戦闘時にキュアロン機が携行する。ビーム・マシンガンでは届かない長射程からの狙撃に使用される[45]。センサーはビーム・マシンガン用のオプションと共通[45]

ギラ・ズール(アンジェロ・ザウパー専用機)[編集]

親衛隊隊長であるアンジェロ・ザウパー大尉の専用機。親衛隊仕様機にパーソナル・カラーである紫を基調とした塗装が施され[47]、胸部の装飾も異なる。ブレード・アンテナと重装用バックパックを装備する。

初登場時にはランゲ・ブルーノ砲・改を装備し、ユニコーンガンダムと交戦するシナンジュを援護する。パラオ防衛戦ではサブ・マシンガンを携行し、シナンジュに随伴する。ラプラス跡での戦闘ではビーム・ショット・ライフルを携行し、ユニコーンガンダムに挑むも返り討ちに遭い、小説版では両腕と頭部を、アニメ版では四肢を切断される。

主な武装
ビーム・ショット・ライフル
重装用バックパック対応兵器のひとつ[55]サザビーのものの改修型で[45]、収束・拡散ビームの撃ち分けが可能[55]。後端にグリップがあり、上部中央にエネルギー充填用のコッキング・レバーを有する[45]

ギラ・ズール(エリク・ユーゴ機)[編集]

『機動戦士ガンダムNT』に登場する、ジオン共和国軍のエリク・ユーゴ中尉の専用機。親衛隊仕様機をベースとしているが[56]、頭部のひさし、胸部の装甲形状と装飾、肩部スパイク・アーマーの端部やフロント・スカート端部の形状といった細部が異なり[56]、全体的に筋肉質で力強いイメージで作画されている[57]。アンジェロ機と同様に指揮官用のブレード・アンテナと重装用バックパックを備えるが、ブレード・アンテナの形状はアンジェロ機と異なり、ヤクト・ドーガ(ギュネイ・ガス機)のように大小2本で構成されたものとなっている[56]。塗装はエリクのパーソナル・カラーであるダーク・ブルーを基調とする[56]

主な武装
ビーム・マシンガン・コンパクト
一般機のビーム・マシンガンを切り詰めて短くして、取り回しを良くしている[44][56]。近接戦闘用[44]
ビーム・ナギナタ
ゲルググと同様の両刃型ビーム・サーベル。

ゼー・ズール[編集]

諸元
ゼー・ズール
ZEE ZULU
型式番号 AMS-129M
全高 20.3m[58]
本体重量 28.9t[58]
全備重量 42.8t[59]
装甲材質 チタン合金セラミック複合材[58]
出力 2,470kW[58]
センサー
有効半径
18,200m[58]
武装 ビーム・マシンガン×1
ヒート・ナイフ×2
アイアン・ネイル×2
搭乗者 アヴリル・ゼック
テッセラ・マッセラ

「袖付き」が地球侵攻に備え、AE社に開発を委託した水陸両用MS[60][注 7]。「袖付き」は局地専用MSの開発に消極的であったが、ギラ・ズールの総合性能が極めて高く、そのコンセプトが名機であるザクIIに近いことから、例外的に同機をベースとした局地専用機の開発案が複数提示されたと言われており、本機もそのひとつである[60]。基本フレームはベース機と同一であるが、水圧軽減のための外装の改修や水中用の増加装備により、長時間の水中行動と、水陸ともに高い機動性を得ている[60]。内装部品は地上での運用に対応したものに改められている[61]。塗装は濃淡シー・ブルーを基調とする。

地球のジオン残党軍に補充用のギラ・ズール1機およびパイロットを含む数名とともに2機が送られ、不時着した「袖付き」の友軍の救援を依頼している[61]

アニメ版では、トリントン基地襲撃において2機が参戦。シャンブロとともに基地へ向かう途中、海中で2機のアクア・ジムを撃破する。その後、ザク・マリナーカプールらとともにトリントン湾岸基地に上陸。水中用装備を外したあと、基地に配備されていたジムIIらと交戦。当初はジオン残党軍らとともに連邦側を圧倒するも、バイアラン・カスタムとの戦闘で1機は両腕を切断され、もう1機は体当たりでビルに叩きつけられる。

漫画『『袖付き』の機付長は詩詠う』では、アニメ版で両腕を切断された機体はカークス隊のテッセラ・マッセラ中尉、ビルに叩きつけられた機体は「袖付き」のアヴリル・ゼック中尉が搭乗していたとされる。それ以前のダカール襲撃で初陣を飾り、水中から上陸部隊の援護をおこない、練度の高いパイロットが搭乗する水中型ガンダムとアクア・ジムに苦戦しつつも作戦を成功に導く。トリントン基地戦では2機とも脱出し、海岸の洞窟にあるカークス隊基地へ帰還。その後、同基地を襲撃する海賊との戦闘では残存装備をアヴリル機に集中して出撃、主戦力として活躍する。殿として戦う最中に因縁深いバイアラン・カスタムと遭遇するが、共闘する形で海賊を殲滅し、無事に脱出を果たす。

小説版では、ダカール侵攻においてその中心人物であるマハディ・ガーベイと、シャンブロの支援に3機が提供される。海中でアクア・ジム数機を撃破するが、地上での連邦軍トライスター隊との交戦によって2機が撃破される。残る1機はトリントン基地襲撃に参加するが、その後の去就は不明。

武装・装備
水中用装備
ベスト状の潜水装置と首周りのバラスト・タンク[47]、背部のハイドロ・ジェット推進器、つま先のフィンからなる、水中用の増加装備[60]ジオン公国軍が開発した水陸両用MSのデータをもとに開発されている[60]。これらによって膨らんだ外観はズゴックなどの水陸両用MSを想起させる[58]。推進器とフィンは離水後にパージし、陸戦用の除装状態となる[60]。ほかに腹部のタンク状の装備があるが(これも離水後にパージ)、これについて言及した資料はない。
ビーム・マシンガン
本機専用の携行火器で、ギラ・ズールのものをベースとしているがセンサーはオミットされ、銃身に小型のセンサーらしきものが追加されており、マガジンも短い。グレネード・ランチャー・ユニットを装備。水中ではシーリングされた銃器コンテナに収納されるが、水中でのビーム収束率を高めた偏向射撃モードへの切り替えも可能となっている[60]
ヒート・ナイフ
セラミック高分子化合物で形成された[60]、ヒート系の格闘用武装[59]。従来のもののようにブレード部全体ではなく、刃の部分のみが赤熱する[60]。腰部背面の鞘に2本を収納する。
アイアン・ネイル
「ヒート・クロー」とも呼ばれ[59]、両前腕部甲に装備。使用時には3枚のブレード(構造・機構はヒート・ナイフと同様)が前方に展開し[60]、さらにヒート・ナイフを逆刃で保持することで、甲殻類のハサミを思わせる水陸両用MSらしい外観となる[58]

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ローゼン・ズール[編集]

諸元
ローゼン・ズール
ROZEN ZULU
型式番号 YAMS-132
全高 22.5m[62]
本体重量 25.8t[62]
29.6t[63][64] / 25.8t[65](右腕改修後)
全備重量 72.6t[62]
76.4t[64] / 50.8t[65](右腕改修後)
装甲材質 チタン合金セラミック複合材[62]
一部ガンダリウム合金(アニメ版)[66]
出力 4,950kW[62]
推力 257,200kg[62]
センサー
有効半径
18,200m[62] / 108,200m[65]
武装 3連装メガ粒子砲×2
シールド
サイコ・ジャマー
有線式シールド・ユニット(右腕改修後)
搭乗者 アンジェロ・ザウパー
ゼクスト・アーデ(テスト・パイロット)

ギラ・ズール(親衛隊仕様機)をベースに[67]第一次ネオ・ジオン抗争ネオ・ジオン軍に運用されたハンマ・ハンマのコンセプトを昇華させて開発した機体[47]

設計当初からシナンジュの予備パーツの流用が決定しており[66]、コックピット周辺に組み込まれたサイコフレームの構成も[68]そのまま採用されている[66]。いわゆるサイコミュ搭載機ではあるが、本機はニュータイプではない一般兵の搭乗を前提としており、準サイコミュ装置も組み込んだサイコミュ技術のハイブリット・タイプ[68]として完成したとされる。サイコフレームには一般人の微弱な感応波も感知できる機能があり、その特性を機体制御に特化させ、攻撃面では準サイコミュに総合的な火器管制を担当させている[66]

また、ユニコーンガンダムに対する「切り札」としても開発されており、対ユニコーンガンダム用の兵装としてサイコ・ジャマーを装備する[66]。本機はバラをモチーフにデザインされ[68]、肥大化した両肩・両腕とハイヒール状の両足により、トップ・ヘビーなバランスの外観となっている[62]。背部のプロペラント・タンクはシナンジュと共通[62]

アニメ版では、両肩アーマー内側に小説版にはなかったスラスターが追加された。

親衛隊隊長のアンジェロ・ザウパー大尉が搭乗。ネェル・アーガマを襲撃せんとするゼネラル・レビル所属の多数のMSに対しシナンジュと2機のみで迎撃、撃破せずに頭部や手足を破壊してそのほとんどを戦闘不能にする。ネェル・アーガマとの共闘が決裂した際には、同艦の格納庫内でクシャトリヤ・ベッセルングと格闘戦になるが、ユニコーンガンダムにインコムのケーブルを掴まれた(その際、本機のコックピット周辺から紫色の光が漏れている)右前腕部をみずからの左腕で破壊し、フロンタルを乗せ同艦のハッチを破壊して脱出する。右腕はその後改修され、最終決戦ではユニコーンガンダムと交戦、味方機を巻き込みながら攻撃をかける。サイコ・ジャマーでの拘束に成功するが、マリーダの死により想定値を超えたバナージの感応波により破られ、最後は錯乱したアンジェロが左腕部インコムのクローをみずからのコックピット周囲に突き立てる。アンジェロは一時的に気を失うも無事であった。

漫画『『袖付き』の機付長は詩詠う』では、アンジェロの指名により親衛隊のゼクスト・アーデ少尉がテスト・パイロットを務め、彼の機付長であるスポッターにより最適化作業がおこなわれる。また、「演習」と称してクラーケ・ズールとともに盗賊のハイザック部隊を殲滅する(その際にもコックピット周辺から光が漏れている)。

武装
3連装メガ粒子砲
両腕のクロー・アーム中央に装備されている。これらはインコムとして有線誘導により簡易的なオールレンジ攻撃が可能で、各3基のリレー・インコムを使用して方向転換をおこなう[66]
シールド / 有線式シールド・ユニット
ガンダリウム合金製で[66]、中央部にIフールド・ジェネレーター、その周囲に3門のメガ粒子砲を装備。Iフィールドは防御だけでなく、各メガ粒子砲を偏向させての拡散照射が可能[66]
右腕部欠損後、代替として装備案のひとつであった有線式遠隔誘導装置を内蔵したシールド・ユニットとして右腕先端に取り付けられている[63]。こちらも引き続きインコムとしてオールレンジ攻撃が可能[63][69]
サイコ・ジャマー
背部コンテナに複数格納されている、バラのような形状の特殊デバイス[63]。サイコミュではなく、機械的な複合誘導方式で対象を中心とした[63]サイコ・フィールドを形成し、内部に感応波を妨害する強力な波動を発生させ[65]、領域内のサイコミュ機能を完全に遮断する[63]。しかし、感応波の波動が妨害能力を超える場合は遮断が不可能となる[65]
アニメ版『UC』劇中では8基を射出するも、2基はユニコーンガンダムの頭部バルカン砲で撃破される。しかし、残る6基で八面体のフィールドを形成し、ユニコーンガンダムのデストロイモードを解除させ、一時的に拘束する。

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クラーケ・ズール[編集]

諸元
クラーケ・ズール
KRAKE ZULU
型式番号 YAMS-130
頭頂高 21.1m
本体重量 33.6t
全備重量 64.38t
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
出力 3,580kW
センサー
有効半径
18,200m
武装 有線式メガ・ビーム砲
ビーム・マシンガン
ビーム・ホーク
搭乗者 アンジェロ・ザウパー
スポッター機付長

漫画版『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』に登場。サイコミュ高機動試験用ザクのコンセプトを宇宙世紀0096年の技術レベルで再現した機体で、親衛隊仕様機を母体として開発された。

通常の腕部を残したまま肩部にメガ粒子砲を内蔵した有線式遠隔兵器となる大型の腕部を追加、下半身は機体名称にある「クラーケ()」を想わせる8本の大推力スラスターユニットに換装。その加速性能や機動性は巡航形態のデルタプラスに追従可能なものとなっている。機体本体以上の大きさを持つ、長距離航行用の大型プロペラント・ブースターを背部に装着する場合もある[54]

本機はほぼ技術試験機であったが、当初からデータ収集が即実戦データとなることを前提として開発され、アンジェロ・ザウパーがテストパイロットとなり、機体色を紫としている。アンジェロが本機のテストパイロットとなったのはローゼン・ズールへの機種転換を円滑に行うためであったともされている[54]

『UC バンデシネ』においてはパラオ攻略戦に参戦。その後のラプラス史跡での戦闘でユニコーンガンダムとの交戦で細切れに切断されている。

アニメ版の外伝漫画『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』においても、アンジェロによって運用はされていた、とある。ローゼン・ズールの存在を知らない賊によって「新型」と誤認されて奪われそうになっており、その際スポッターにより運用されている。

ガランシェール[編集]

航宙貨物船。全長約120m(アニメ版では全長146m)。最大貨物積載量500t超。搭載可能MS数4機。宇宙世紀0096年代では旧式にあたる。クルーは33人。三角錐状の船体は宇宙だけでなく大気圏内の飛行能力も持ち、宇宙と地球を往復することも可能である。表向きは「リバコーナ貨物」という民間の貨物船を装っているが、実際は「袖付き」の船でクシャトリヤやギラ・ズールなどのMSを搭載している。通常は非武装だが、ガルダとの戦いではスキウレ砲や搭載MSが装備する武装を使って戦闘を行っている。艦長はスベロア・ジンネマン

「ラプラスの箱」の引き渡しに関わったことをきっかけにユニコーンガンダムと深く関わることになり、中立の立場で様々な陣営を転々とするバナージと敵対したり協力したりと立場を変えながらも行動を共にする。最終的には無人で操縦され、(原作では連邦軍と「袖付き」双方に対して、アニメ版では連邦軍に対しての)囮となって自沈する。

漫画『MSV-R 虹霓のシン・マツナガ』では、一年戦争時にジオン公国の貨客船としてサイド3からソロモンへ向かう同型艦が登場する。ただし各部の小さな翼状のものはなく、細部の形状も異なる。

同型艦
ブランダムール
漫画『機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン』に登場する2番艦。ゴティ・ハヤミ中尉を艦長とし、ルガー・ルウ中尉を中心に「ブランダムール隊」が結成される。こちらも民間船を装っており、船体に"Wild Rapids Farm"と記されている。当初の搭載MSはリバウドーベン・ウルフガルスJガルスK
ガランシェールJr.
映画『機動戦士ガンダムNT』に登場。元ガランシェール艦長のジンネマンを含む、ミネバ直属の部隊が運用する。

その他の登場兵器(袖付き)[編集]

以下の兵器はリンク先を参照。

ジオン共和国[編集]

「袖付き」に協力する。小説版のみに登場し、アニメ版には登場しない。リンク先を参照。

ジオン残党軍[編集]

すべて一年戦争時以降、地上に潜伏していたジオン公国軍の残党であり、シャンブロ以外のほとんどが過去作品に登場した機体だが、本作独自の改修がなされたものや完全に新規のバリエーションも存在する。「袖付き」とは協力関係にあり、シャンブロのみ機体に同様の装飾が見られる。

シャンブロ[編集]

諸元
シャンブロ
SHAMBLO
型式番号 AMA-X7
全高 31.8m(陸上戦闘形態)[70]
全長 77.8m(水中巡航形態)[70]
本体重量 196.8t[70]
全備重量 283.9t[70]
装甲材質 ガンダリウム合金[70]
出力 21,460kW[70]
推力 226,480kg(ホバー)[70]
センサー
有効半径
12,800m(陸上)[70]
240km(ソナー水中)[70]
最高速度 142km/h(陸上)[70]
36kt(水中)[70]
武装 大口径メガ粒子砲
拡散メガ粒子砲✕2
リフレクター・ビット×12
大型アイアン・ネイル×2
搭乗者 ロニ・ガーベイ
(小説版・漫画版は
 「劇中での活躍」を参照)

カトキが福井に提案して誕生した機体である[70]。コックピットは佐山善則エルメスを参考にデザインした[71]

アクシズ(ネオ・ジオン)軍によって、来たるべき本格的な地球侵攻を主眼に置いて設計が進められた水陸両用型のMA[72]。同軍の壊滅によって試作機すら制作されることなく開発計画は頓挫するが、その設計案は連邦の手に渡ることなく、地球に潜伏するジオン残党軍によって6年の歳月をかけて完成される[72]。このため、フロンタルは本機を「ハマーンの遺産」と称している。開発過程において「袖付き」の技術供与を受けており、当初の予定よりもはるかに高い性能を有している[72]

推進機関は複合型を採用[72]。両肩に内蔵されている[73]MHD(電磁流体誘導[72])推進システムと[70]、両腕部に内蔵されている[73]小型ミノフスキー・クラフトを併用した潜航・浮上システムにより、水中での高い静粛性と機動性を獲得している[70]。ミノフスキー・クラフトによるIフィールドでイオン化した海水を機体の「保護膜」とすることで、潜航時の水中抵抗を大幅に低減する[73]。陸上においてもホバー推進とミノフスキー・クラフトを併用し、見かけによらぬ俊敏さを発揮する[70]。カラーリングは赤茶色[74]を基調とする。

当初の計画では、NT能力をもつパイロットを防御の基点とし、複数の人員で管制をおこなうNT用MAとして設計されるが、「袖付き」よりもたらされたサイコフレームの採用により、操縦・火器・索敵・防御をすべてNTパイロットのみでまかなえるようになっている[72]。サイコミュ起動時は、コックピットのシートを取り囲むように配置されたシリンダー状のサイコフレームを展開することにより、パイロットの思念波を著しく増幅させる[72]。パイロットの精神状態などに応じて、上部からリングがパイロットに被さるように降下し、機体との同調率を調整する[75]。シートの正面に向かい合うようにもう1席のシートが配置されているが、これは操縦用ではなく、精神に激しい負担がかかるパイロットの状態をモニターするためにマハディの指示により設けられたものである[72]

水中用MAをNT専用機化するという計画は、一年戦争時からグラブロ試作水中ビット搭載型などで検討されている。ジオン残党軍でもヘリオス・マリナーなどが開発されており、これらによって蓄積されたデータや技術が本機の開発および完成に繋がったとされる[76]

小説版では、ジオン・シンパの援助[77]と技術供与を受けて[70]、ネオ・ジオン軍の開発計画をもとにガーベイ・エンタープライズ社が開発したとされる。サイコフレームが搭載されている描写はなく、攻撃オペレートを兼ねる機長席と、その手前に操縦・索敵・防御をつかさどる3つのオペレーター席が並んでいる[73]。漫画版では、アニメ版のモニター席が操縦席となっており、うしろ向きの状態で操縦する。

各形態
水中巡航形態
本体から1対の「腕」(先端は大型アイアン・ネイル)が伸びており、グラブロを思わせる外観であるが、頭部と肩部ユニットがあり、コンテナ・ユニットを背負っているのが特徴。巡航形態では腕部と肩部ユニットを後方に向ける。
水中戦闘形態
肩部ユニットを左右に展開し、腕部を前方に向ける。先端の大型アイアン・ネイルは海中から艦船を攻撃する際に有用であり、本機はミサイルや魚雷などを搭載していないため水中では「格闘」が主兵装となる[75]
陸上戦闘形態
陸上では腕部が展開し、「脚」から「腕」が生えたような形となる。尾部のドーム状のホバー・ユニットによって推進し、脚部に内蔵されている小型ミノフスキー・クラフトが脚底にIフィールドを形成、地面との反発効果によって滑らかに移動する[78]
武装
大口径メガ粒子砲
本機の主兵装。頭部に内蔵されており、使用時には頭部パーツが上下に展開する形で開口する[75]
拡散メガ粒子砲
肩部ユニット前面に1基ずつ装備。本機の副兵装で、威力は大口径メガ粒子砲に譲るが、広範囲に強力なメガ粒子を放出する[75]
リフレクター・ビット
背部のコンテナ・ユニットに12基を格納[72]。射出時は円筒形であるが、スラスターとカバーをパージして2重のローターを展開、浮揚する。それ自体に攻撃能力はないが、メガ粒子ビームの反射機能をもち、みずからが放つ拡散メガ粒子砲の射角を拡大するだけでなく、複数のビットの間にいわゆるビーム・バリアーを形成し、実体弾をも無効化する鉄壁の防御を誇る[72](小説・漫画版では「結界」と呼ばれる)。
大型アイアン・ネイル
陸上戦闘形態における腕部は多関節構造になっており、進路上の障害物除去のほか格闘戦に用いることも可能[75]。爪の部分には耐ビーム・コーティングが施されており、死角への防御を完全にしている[79]
劇中での活躍
ジオン残党軍カークス隊のロニ・ガーベイが単独で操縦する。ガランシェールの不時着に対応する陽動のため、地球連邦の首都であるダカールに水陸両用MS数機とともに襲撃、大口径メガ粒子砲で議事堂を破壊し撤退する。その後、道中でジュノー級潜水艦「ボーンフィッシュ」やヒマラヤ級空母を撃沈しつつ、糾合した各地のジオン残党軍とともにラプラス・プログラムが示す座標のあるトリントンの港に上陸。サイコミュの暴走(父マハディの「怨念」によることが示唆されている)により街を蹂躙しながら連邦軍基地へ向かうが、予定より早く降下したユニコーンガンダムに行く手を阻まれる。ユニコーンが駆け付けたリディのデルタプラス(WR形態)に乗って残弾1のビーム・マグナムでコックピットを狙うも撃てず、最終的にデルタプラスが奪ったビーム・マグナムによってコックピットを撃ち抜かれ、沈黙する。
小説版では、機長席にマハディ・ガーベイ、操縦・索敵・防御を息子・娘であるアッバス、ワリード、ロニがそれぞれ担当する。初登場で「ボーンフィッシュ」を撃沈し(場所はアフリカ大陸と南米大陸のほぼ中間)、これが本機の初陣とされる。その半月前から、SOSUSの大西洋コントロールが本機を原因とする正体不明の音源を拾っており、「海の幽霊(シー・ゴースト)」と渾名されていた。その後、埠頭にあるガーベイ・エンタープライズ社の荷捌き場よりゼー・ズール3機とともに発進し、ラプラス・プログラムが示す座標のあるダカール(アニメ版と設定が異なる)の港に上陸。多数の敵機を撃破しつつ、大口径メガ粒子砲で「フランク(白人)の象徴」ホテル・エンパイアを破壊したあと議事堂へ向かうが、先行するリディのデルタプラスに阻まれる。降下して来たユニコーンガンダムもデルタプラスと共闘、バナージに同調しこれ以上の戦闘に異を唱えるロニがマハディに射殺され、制御を失ったリフレクター・ビットがデルタプラス(WR形態)に乗ったユニコーンの「見えない圧力」に弾かれて「結界」が破かれ、ビーム・マグナムの最後の一撃でコックピット・ブロックを撃ち抜かれて活動を停止する。
漫画版は小説版と基本的に同様だが、マハディとロニの2名で操縦しており、随伴するMSのうち1機がヨンム・カークスの搭乗するジュアッグとなっている(トライスターに全機撃破される)。最後はユニコーンがコックピットを撃てず、ロニの思念体が指し示す「うなじ」に当たる部分を上方から撃たれて機能を停止するが、直後に「完全収束」のためデルタプラスが奪ったビーム・マグナムでコックピットを撃ち抜かれる。

その他の登場兵器(ジオン残党軍)[編集]

以下の兵器はリンク先を参照。

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ リゼルC型(ゼネラル・レビル配備機)の記述では「リミッター上限を解除」とされている。
  2. ^ 「アサルトカービン」とする資料も多いが[10][11]、ジェガンのものより全長は伸びている。
  3. ^ 実際にはコックピット部に装甲は増設されておらず、胸部上面、両肩、右前腕部甲、腰部前面、膝、両脹脛側面、バックパック上部にパーツが追加されている。
  4. ^ この時点で開発され、温存されていたとする資料もある[48]
  5. ^ 大規模なアップデートがおこなわれなかったとする資料もある[48]
  6. ^ デザイナーであるカトキハジメも、最初に親衛隊仕様機をデザインし、それからガランシェール隊用にスペック・ダウンした一般機をデザインしたため、自分の中では本仕様が標準のギラ・ズールであると述べている[46]
  7. ^ 一方で、「袖付き」が開発したとする資料も多い[47][59]

出典[編集]

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参考文献[編集]

  • 書籍
    • 『機動戦士ガンダムUC パーフェクトガイド』角川書店、2009年8月20日。ISBN 978-4-048-54388-0
    • 『機動戦士ガンダムUC カトキハジメ メカニカルアーカイブス』角川書店、2010年8月26日。ISBN 978-4-04-715360-8
    • 『機動戦士ガンダムUC メカニック&ワールド ep 1-3』双葉社、2012年7月23日。ISBN 978-4-575-46466-5
    • 関西リョウジ『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ part1』角川書店、2013年3月9日。ISBN 978-4-04-120641-6
    • 『機動戦士ガンダムUC メカニック&ワールド ep 4-6』双葉社、2013年5月30日。ISBN 978-4-575-46474-0
    • 『機動戦士ガンダムUC メカニック&ワールド ep 7』双葉社、2014年10月16日。ISBN 978-4-575-46482-5
    • 『モビルスーツアーカイブ MSN-06S シナンジュ』SBクリエイティブ、2016年4月1日。ISBN 978-4-7973-8532-8
    • 関西リョウジ『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ part2』KADOKAWA、2016年7月26日。ISBN 978-4-04-104668-5
  • ムック
    • 『グレートメカニック・スペシャル モビルスーツ全集11 量産型モビルスーツBOOK』双葉社、2016年9月9日。ISBN 978-4-575-46494-8
  • 分冊百科
    • 『週刊ガンダム・モビルスーツ・バイブル』第34号(RX-0 フルアーマー・ユニコーンガンダム)、デアゴスティーニ・ジャパン、2020年1月7日。
  • 雑誌
    • 『電撃ホビーマガジン』2011年5月号、アスキー・メディアワークス。
    • 『ガンダムエース』2019年5月号、KADOKAWA。
    • 『ホビージャパン』2019年5月号、ホビージャパン。
  • 小説
  • 漫画
  • プラモデル付属説明書
    • HGUC 1/144 NZ-666 クシャトリヤ』 バンダイ、2009年10月。 
    • 『HGUC 1/144 AMS-129 ギラ・ズール』 バンダイ、2009年12月。 
    • 『HGUC 1/144 D-50C ロト ツインセット』 バンダイ、2010年3月。 
    • 『HGUC 1/144 AMS-129 ギラ・ズール(アンジェロ・ザウパー専用機)』 バンダイ、2010年7月。 
    • 『HGUC 1/144 AMS-129M ゼー・ズール』 バンダイ、2011年1月。 
    • 『HGUC 1/144 AMS-129 ギラ・ズール(親衛隊仕様)』 バンダイ、2011年2月。 
    • 『HGUC 1/144 RGM-96X ジェスタ』 バンダイ、2011年9月。 
    • 『HGUC 1/144 YAMS-132 ローゼン・ズール』 バンダイ、2012年2月。 
    • 『HGUC 1/144 RAS-96 アンクシャ』 バンダイ、2012年5月。 
    • 『HGUC 1/144 RGM-96X ジェスタ・キャノン』 バンダイ、2013年2月。 
    • 『HGUC 1/144 YAMS-132 ローゼン・ズール(エピソード7 Ver.)』 バンダイ、2014年8月。 
    • RG 1/144 MSN-06S シナンジュ』 バンダイ、2016年8月。 
    • 『HGUC 1/144 RGM-96Xsジェスタ(シェザール隊仕様 A班装備)』 プレミアムバンダイ、2018年11月。 
  • 映画パンフレット特典冊子
    • 「最終報告書 U.C.0097 “不死鳥狩り”作戦にまつわる経緯と結果について」『機動戦士ガンダムNT』パンフレット、創通・サンライズ、2018年11月30日。
  • ウェブサイト

関連項目[編集]