ドーベン・ウルフ

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ドーベン・ウルフ (DÖVEN WOLF) は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器モビルスーツ(MS)」の一つ。初出は、1986年放送のテレビアニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』。

作中の敵側勢力である「ネオ・ジオン軍」の量産機で、ニュータイプ強化人間などの超常的な能力者しかあつかえないサイコミュ武装を一般人用に改良した、簡易サイコミュ武装を装備しているのが特徴。ほかにも多彩な武装を内蔵しており、高い火力を持つ。劇中では、ラカン・ダカランらスペース・ウルフ隊の主力機として6機が登場する。

本項では、『ガンダム・センチネル』に登場する原型機「ガンダムMk-V(ガンダム・マークファイブ)」、『機動戦士ガンダムUC』の漫画版『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』を初出とする改修機「シルヴァ・バレト」の解説も併記する。

機体解説[編集]

諸元
ドーベン・ウルフ
DÖVEN WOLF
型式番号 AMX-014
生産形態 量産機
全高 25.9m[1]
頭頂高 22m[1]
本体重量 36.8t[1]
全備重量 74.5t[1]
装甲材質 ガンダリウム・コンポジット[1]
出力 5,250kW[1]
推力 32,800kg×2[1]
21,700kg×1[1]
総推力:87,300kg[2]
センサー
有効半径
12,000m[1]
武装 メガ・ランチャー兼ビーム・ライフル
胸部メガ粒子砲×2
肩部ビーム・キャノン×2
ビーム・ハンド×2
インコム×2
ビーム・サーベル×2
30mmバルカン砲×2
対艦ミサイル×2
ミサイル×24
隠し腕×2(指揮官機のみ)
搭乗者 ラカン・ダカラン
スペース・ウルフ隊
ワークラッハ・バナム
その他 姿勢制御用バーニア×17[1]

ニュータイプ以外の人間が登場できる、初の第4世代MSとして位置付けられる機体[1]サイコガンダムMk-IIのサイコミュを分析し、ニュータイプ能力の不足分をメカニックで補う機構が導入されている[1][注 1][注 2]。原型となった機体はグリプス戦争後、ローレン・ナカモト博士によってアクシズに持ち込まれたガンダムMk-Vである[5][注 3]

インコムや数多くの装備の制御にはサイコミュを用いり[1][7]、MA用のジェネレーターを装備した事でZZガンダムに匹敵する重火力を有する[1]

同時期に開発されたゲーマルクと比較して火力の点では一歩譲るものの、一般兵用サイコミュを実用化した点でこちらのほうが評価が高かった[6]。試作機はザクIIIと同時期に完成するが[8]、戦況からニュータイプ用の機体が求められ[9]、火力・推力においても勝ることから[8]本機の量産化が決定するが[9]、戦争も末期であったこともあり、実戦配備はスペース・ウルフ隊の6機に留まっている[4]

準サイコミュ
ドーベン・ウルフに採用されたサイコミュ・システムの導入経緯は、資料によって一定ではない。オーガスタ研究所の技術者であるローレン・ナカモト博士の手により、G-Vとともに連邦軍から持ち込まれた技術により、一般人の低いサイコ・パワーをメカニックにより補助する事が可能となった資料[10]、ドーベン・ウルフそのものは連邦軍から接収したG-Vをベースとしながらも、その一般人用サイコミュシステムはネオ・ジオンの技術とした資料[6]が存在する。
その一方で、連邦とネオジオンで同時期に準サイコミュの開発がスタートしており、ネオ・ジオン側で開発されていたものはニュータイプが搭乗しなければ使用不可なほどにレベルが低かった、連邦では一応の完成を見た後、ローレン・ナカモト博士によって技術がネオ・ジオンに持ち込まれ、飛躍的な発展が遂げられたとする資料[11]が存在する。
また、その動作方法は資料によって若干内容の揺れがある。サイコミュほど大きな情報のやりとりはできないものの、パイロットの脳波を繰り返しサンプリングする事で特定の命令をリアルタイムでコマンドする事が可能。ただし、コンピュータの補助をもってしても二次元的な動作が限界とした資料[12]、あくまでもコンピュータによって擬似的にサイコミュ的挙動を再現しているに過ぎないともいわれる資料もみられる[13]


武装
メガ・ランチャー兼ビーム・ライフル
ビーム・ライフルはEパック式で[14]、通常でも12.4メガワット[1](12.5メガワット[15])の高出力を誇るが、砲身を伸長して先端のメガ粒子制御リフレクターを展開[14]、胸部メガ粒子砲に接続し加速装置として用いることで出力40.2メガワットのメガ・ランチャーとして機能する[1]。その威力は、一撃でマゼラン級宇宙戦艦を撃沈するものとされる[15]。ただし、機体本体の固定武装となることで射角が限定されるほか[要出典]、大量のエネルギー消費のため最大出力での[16]連射は不可能である[15](劇中では接続したまま低出力で連射している)。
胸部メガ粒子砲
中央部に2門装備。出力は5.3メガワット[1]。メガ・ランチャー使用時はエネルギー・ラッチとなり、ビーム・ライフルのコネクターを接続する[14]
肩部ビーム・キャノン
バックパック両脇のメイン・ブースター・バインダー[14]先端に装備。ジェネレーター直結式で[17]、出力は4.2メガワット[1]。射撃時にはバインダーを展開させて、肩に担ぐ形で前方への射撃が可能[17]
ビーム・ハンド[1] / 隠し腕
「腕部ビーム砲」[1]「ハンド・ビーム砲」[2]あるいは「ハンド・ビーム」とも呼ばれる[15]。掌にビーム砲があり、出力は2.3メガワット[1]。また、前腕部を射出してオールレンジ攻撃ができる。一般機は有線式で、遠隔操作で敵機を掴み、電流を流して攻撃することも可能。なお、サイコミュ導入以前にはグフと同様のヒート・ロッドが装備されている[1]
ラカンが搭乗した指揮官機はレーザー誘導による無線式で[1]、射出後には前腕部の隠し腕が露出し、マニピュレーターとしての機能が残るようになっている。劇中では射出後の前腕部はかなり自由に操作されており、相手の武器を掴んで妨害したり、ビームサーベルを携行して斬りかかったりしている。
インコム
バックパックに2基搭載。出力4.2メガワット[1]。原型機からさらに洗練されており[17]、リレー・インコムからも威嚇射撃用のマイクロ・レーザーを発射可能[1]
ビーム・サーベル
両腰のアーマーに1基ずつ装備。出力0.56メガワット[1]。前後に貫通するように装備されており、そのまま後方へのビーム・ガンとしても使用可能[14]。柄にスイッチが付いている[14]
30ミリバルカン砲
連邦系MSのように、頭部に2門装備。装弾数300発[17]
対艦ミサイル / ミサイル
バックパックに大型で長射程のAMS-09Rを2発、バインダーにガザDと同じ対MS用のAMS-01Hを12発ずつ搭載する[1]
隠しランチャー
スペックには記載されていないが、腋下に収納式のランチャーを1門ずつ装備する。グレネード弾、スモーク弾[1]、信号弾[14]といった各種弾体を装填可能。おもに逃走用に使われる[1]
劇中での活躍
スペース・ウルフ隊の乗機として第一次ネオ・ジオン抗争末期に6機が実戦投入され、ネオ・ジオン内乱時にはグレミー・トト率いる反乱軍に所属。隊長機であるラカン機は、その操縦技量と相まって正規軍のキャラ・スーン操るゲーマルクを圧倒するなど高い戦果を挙げる。また、彼の巧みな指揮の下、マシュマー・セロザクIII改を部下たちとの連携で撃破する。
しかし、スペース・ウルフ隊はザクIII改との戦いの前に1機、ザクIII改の自爆で1機、その直後にゲーマルクの攻撃を受け2機が撃墜され、ラカン機を含む2機のみとなる。その後ラカン機はゲーマルクを撃破寸前まで追い詰めるが、介入してきたジュドー・アーシタのフルアーマーΖΖガンダムと交戦し、撃墜される(小説版ではΖΖガンダムのハイ・メガキャノンの一撃で全機撃破される)。
OVA『GUNDAM EVOLVE../10』では、第一次ネオ・ジオン抗争後に要人Mという人物が木星圏へと向かうジュピトリスIIに亡命する事件がおこり、それを阻むネオ・ジオン残党の追っ手として数機登場する。木星圏の高重力に対応した円盤状のサブフライトシステムに搭乗しており、隊長機は白く塗装されていた。最終的にはジュピトリスII所属のジュドー・アーシタの乗るΖΖガンダムによってオールレンジ攻撃を看破され、撃墜されている。インコムが映像作品で使用されたのはこれが最初の例である。
漫画『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』では、パラオの守備部隊の中に袖付きの装飾が施された機体が登場(機体色は青とグレー[18])。ユニコーンガンダムと交戦するが、ビーム・ガトリングガンによる銃撃を浴びて撃破される。
漫画『機動戦士ガンダム U.C.0096 ラスト・サン』ではブランダムール隊所属機として登場。元々はザミュ・サミュ大尉の搭乗機で、登録除外後にペンプティ・ラス曹長が整備を担当。赤と青に塗装され、右腕にクィン・マンサ用ビーム・サーベル、左腕にハンマ・ハンマ用シールドがマウントされている。パイロットとして、誤射による味方殺しで収監されていたワークラッハ・バナム少尉が選抜される。
デザイン
メカニックデザイン明貴美加。企画時の名称はG-V(ジー・ファイブ)。すなわち、ネオ・ジオンが開発した(サイコ)ガンダムという設定であった。しかし、ガンダムをこれ以上出す必要はないという理由で没となり、頭部のデザインはクィン・マンサへ流用された。ガンダムMk-Vのデザインは本機の初期稿を元にしたものである。
『機動戦士ガンダムΖΖ』の放映末期、サンライズはアニメ製作用の塗料不足に陥っていたため、ドーベン・ウルフやゲーマルクの単色に近い色設定はその影響を受けている[要出典]。なお、色指定は監督の富野由悠季によるもの[19]。劇中ではグレミー軍用のカラーに塗装されそうになるのをラカンが激怒し、グレミー本人に直訴の末例外を認められるという一幕が描かれている。

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ガンダムMk-V[編集]

諸元
ガンダムMk-V
GUNDAM Mk-V
型式番号 ORX-013
生産形態 試作機
全高 25.42m
頭頂高 22.80m
本体重量 39.8t
全備重量 85.31t
出力 5,320kW
推力 33,400kg×2
22,200kg×2
111,200kg(総推力)
センサー
有効半径
12,000m
武装 ビーム・サーベル(ビーム・カノン兼用)×2
ビーム・ライフル
インコム
シールド
ミサイル・ポッド×4
搭乗者 ブレイブ・コッド
その他 姿勢制御バーニア×10

雑誌企画『ガンダム・センチネル』に登場。地球連邦軍の試作型MS。

オーガスタ研究所で開発された「ガンダム」の名を持つ新型MS(サイコガンダムの小型版とも言われているが[20]、サイコミュを使用していること以外の共通点は乏しい)。通称:G-V(ジー・ファイブ)。

非ニュータイプパイロット用に開発されており、バックパックに2基の準サイコミュ式遠隔誘導端末インコム・システムを搭載している。このデバイスは、コンピュータのバックアップによってビーム砲搭載の遠隔誘導端末の制御が可能であり、それまでニュータイプないし強化人間でなければ不可能であったオールレンジ攻撃に近い戦法を実現したものである。この端末の制御は2次元的な挙動が限界であるとされるほか、ユニット自体のサイズの関係から端末に搭載されるビーム砲の威力も標準の域を出ない(出力4.5MW)が、敵機の死角から攻撃を仕掛けられる有効な兵装であり、空間戦闘においては絶大な効果を発揮する。MSとしての基本性能は非常に高いものを備えており、背部のビーム・サーベルはビーム・カノン(出力12MW)としても機能し、火力自体からして高い。搭載されるジェネレーターは大型モビルアーマー (MA) に積載されるクラスのもので出力は5,000kWを超え、スラスター全開時の機動力は常人には耐えられないほどの高Gをパイロットに強いるものである。そのほか、機体の特性としてシールドに大型スラスターが内蔵されており、加速時にはブースターとして使用する点が挙げられる。これと同様の機構がガンダムTR-1[ヘイズル]にも見られるが、技術的関連性の有無は不明。実際の運用例においては加速ではなく、月面降下時の減速用に用いられている。その際、敵MSによる狙撃から文字通り盾として本体を護り、ブースター自体は爆散する。

本機の開発はティターンズの要求によるものだったが、ロールアウト直前にエゥーゴが連邦を掌握し、そのまま連邦軍が開発を引き継いだ。「ガンダム」の名を冠してはいるが、機体構造自体は過去のガンダムと通ずる部分は皆無に近い。本機の名称はあくまで地球連邦軍のガンダム信仰に起因するうえ、新型のインコム・システムを誇張するためのネーミングであると捉えられていた。

そのほかの武装として、劇中で使用しているビーム・ライフルとは別に、ニューディサイズに渡らなかった別デザインのビーム・ライフルも用意されていた。また、エアーズ脱出時には過日の戦闘によるインコムシステムの不調を補うための代替武装として、肩部に仮設のマイクロ・ミサイルランチャーを設置した状態で出撃している[注 4]

同機は3機が試作され、そのうちの1機がエイノー艦隊によってニューディサイズの手に渡り、カラーリングを青に変更され、エアーズ市上空での戦闘等においてその機体能力を遺憾なく発揮した。別の1機はグリプス戦役終了後、漂流していたところを救助されたローレン・ナカモトの手によってアクシズに譲渡され、ドーベン・ウルフの原型になった[21]。なお、『機動戦士ガンダムUC』の設定では本機や準サイコミュをローレン・ナカモト自身が開発したとしているものがあるが[22]、『ガンダム・センチネル』の設定にそうした記述はない。3機目の動向は不明。

本機のデザインはドーベン・ウルフの初期稿「G-V」を元に、明貴美加がリデザインを行ったものである。

劇中での活躍
主役機であるSガンダムのライバル機として、物語中盤に登場。ニューディサイズの首領ブレイブ・コッドが搭乗し、宇宙に溶け込む紺碧に白い刺青を施したかのようなカラーリングと、従来のガンダムタイプとはかけ離れた威圧的なフォルム、そして新兵器インコム・システムを駆使した絶大な戦闘能力をもって、対するα任務部隊を恐怖に陥れる。
月面都市エアーズの攻防戦において、まず軌道上にてα任務部隊のネロ9機を瞬時に撃破。その後、FAZZ部隊との交戦時には、機体の耐G性能を超えた限界機動により敵機を圧倒し、操縦系に損傷を受けるもこれらを壊滅させる。月面降下の際には無防備な状態をEx-Sガンダムによって狙撃されるが、切り離したシールドブースターにビームが命中し、難を逃れている。降下後はエアーズ市へと単身突入し、攻め来るMS群を多数撃破。エアーズ陥落時には脱出の血路を切り開くべく出撃し、FAZZ部隊の仇討ちに燃えるリョウ・ルーツのEx-Sと遭遇する。コッドはインコムの代替として機体に装備されたマイクロ・ミサイルランチャーを巧みに使用して優位に戦闘を進めるが、人工知能「ALICE」が覚醒したEx-Sのビーム・サーベルで胴体を両断され、コッドとともに爆散している。

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G-V[編集]

諸元
G-V
型式番号 ORX-013
生産形態 試作機
全高 25.11m
頭頂高 21.7m
本体重量 31.3t
全備重量 70.5t
装甲材質 ガンダリウムγ
出力 4,340kW
推力 98,900kg(総推力)
センサー
有効半径
12,000m
武装 60mmバルカン砲×2
ビームサーベル×?
有線インコム×2

『ガンダム・センチネル』以前に刊行された大日本絵画刊行のムック『GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』掲載の「ガンダム開発史」に登場。

ガンダムMk-Vの設定の前身にあたる機体で、現在のガンダムMk-Vとは主に頭部デザインが異なる(この画稿は『センチネル』のムックにも掲載されている)だけでなく、設定にも多数の相違点があり、特に武装や諸元が全く異なっている。こちらではティターンズの敗北により開発が完成直前に放棄され、その後ローレン・ナカモトの手によって設計がネオ・ジオンに渡ったとされている。ドーベン・ウルフの原型機である点や、サイコガンダムを小型化した機体である点などはガンダムMk-Vと同一。

なお、この「G-V」は量産を考慮しているという設定である。

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ORX-013S[編集]

アンソロジーコミック集『漫画兵器サイバーコミックス』07(1989年1月)の表紙にイラストのみ掲載(ガンダムMk-Vをデザインした明貴美加による)。

名称の記載はなく、右肩に「ORX-013S」、左肩には「AUGUSTA LABORATORY」のマーキングがある。バックパックはガンダムMk-Vと同様のものだが、バックパックの左右下部にプロペラントタンクが2本付けられている。シールドブースターではなく、通常のシールドを装備する。通常のガンダムMk-Vと異なり、腹部が従来の連邦系MSにみられる形状と同様である点が特徴。バックパックに2基のインコムがあり、その他に首の付け根にも「INCOM」とマーキングされた左右1つずつの、インコムまたはそのほかの武器らしき構造物が装備されている。またライフルらしき火器を携行しているが、ビーム兵器か実体弾を発射するかは不明。カラーリングは青と白を基調としている。

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シルヴァ・バレト[編集]

諸元
シルヴァ・バレト
SILVER BULLET
型式番号 ARX-014
生産形態 量産機
頭頂高 22.2m
本体重量 33.5t
全備重量 70.5t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 5,250kW
推力 87,300kg
センサー
有効半径
13,500m
武装 60mmバルカン砲×2
ビーム・サーベル
インコム×2
有線式ビーム・ハンド×2
肩部ビーム・キャノン×2
シールド(2連装ミサイルランチャー、ビーム・ランチャー)
ビーム・ライフル
搭乗者 ガエル・チャン、他

漫画『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』で初登場したドーベン・ウルフのバリエーション機。当初、漫画には量産型νガンダムを登場させる予定だったが、そちらには固定ファンがいるという理由からカトキハジメが反対し、提案されたという経緯がある[注 5]。のちにUC-MSVに分類され、OVA版『機動戦士ガンダムUC』(テレビアニメ版『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』を含む)にも登場している。

第一次ネオ・ジオン抗争後、地球連邦軍がアクシズから接収したドーベン・ウルフを原型機とし、オーガスタ研究所の元スタッフらによってアナハイム社グラナダ工場で改修された際、腹部メガ粒子砲などの火器が一部省略され、各部の装甲部材も更新された。この結果、軽量化と各部スラスターへの効率的なエネルギー供給が可能となり、より高い機動性と安定した稼働を実現している。腹部メガ粒子砲を撤去したことで胴体幅が原型機よりも小さくなり、頭部は準サイコミュ兵装テスト用のガンダム・ヘッドと、測定センサーを強化したシステム解析用のジム・ヘッドの2種類の頭部が用意されている[23]

原型機のビーム・ランチャーは、本体接続機能を廃してジェガン形シールドに内蔵された形状となった(劇中未使用)。模擬戦では、同じくジェガン用のビーム・ライフルを同時に携行する場合もある。その他の固定武装は、原型機のものをほぼ流用している。一部を撤去したとはいえ、同時代のMSの中では依然として高い火力を持つ。

本来は一般用サイコミュ・システムの評価試験を目的としていたが、その性能は即実戦に対応可能なほどの数値を示した。ただし、その数値を引き出すため、予定以上の改修を「個人的な執心」を持つ一部スタッフによって施されたとの証言もあるという。テスト後には、アナハイム社によって厳重に管理されているはずである。

デアゴスティーニの『ガンダム パーフェクトファイル』によると、型式番号のARXはネオ・ジオンから鹵獲した機体の改造機を意味し、AはAMX機と同様、アクシズの意であるとされている[24]

原型機の脇下にあったグレネードは本機の設定画には確認されておらず、武装にも記載されていなかったが、OVA版で使用された後、ROBOT魂で商品化された際には正式に武装として記載されている[25]。また、アニメ版の頭部はパーツバランスが見直されてよりガンダムらしくアレンジされており、プラモデルも通常機とは別にアニメ版のデザインに近づけた「ガエル・チャン専用機」が限定販売された。

劇中での活躍
『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』では、カーディアス・ビストの指示下でRX-0 ユニコーンガンダムの稼動実験における仮想敵機として流用され、パイロットたちの人間関係のもつれから4対1のリンチに近い白兵戦攻撃、さらには有線式ハンドの電撃によってユニコーン(のパイロット)を苦しめるものの、同機は擬似NT-Dが発動して暴走する。形勢は逆転し、リーダー格のガンダム・ヘッド型が大破したうえ、ジム・ヘッド型1機以外のパイロットは死亡する。その後、ネェル・アーガマ所属ノーム・バシリコック少佐のリゼル部隊とジム・ヘッド型3機が交戦する。
OVA版『機動戦士ガンダムUC』最終話では、メガラニカ内にあるビスト邸前にてガンダム・ヘッド型がガエル・チャンの乗機[26]として登場する。バナージがユニコーンに乗り込むまでの時間を稼ぐため、メガラニカに乗り込んできたネオ・ジオングと正面から対峙し、各種武装を駆使して奮戦するも強大な戦力に敵わず、撃破される。しかし、目的であった時間稼ぎは成功したうえ、原作では死亡したガエルもアニメ版では生存している。

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シルヴァ・バレト(ファンネル試験型)[編集]

諸元
シルヴァ・バレト(ファンネル試験型)
SILVER BULLET(FUNNEL TEST)
型式番号 ARX-014P
本体重量 35.2t
全備重量 71.7t
推力 79,700kg

ゲーム『機動戦士ガンダムUC』に登場。

背部に有線式フィン・ファンネルを装備した試験機で、リ・ガズィに似たカラーリングをしている。この機体の運用データが、νガンダムに影響を与えることになった。

ゲームには、0092年のネオ・ジオン残党[27]討伐を兼ねた運用試験のミッションが存在する。ミッション中の台詞によると、連邦軍の発注によって開発され、この直前にシルヴァ・バレト通常型の最終稼動実験が完了したという。

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脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ネオ・ジオンにおいては、ハンマ・ハンマの段階では一般兵士で使用できるサイコミュを実現できない状況にあった[3]
  2. ^ また、バイオセンサーを搭載しているともいわれる[4]
  3. ^ 一方で、オーガスタ研究所で開発されていたサイコガンダムMk-IIの小型・普及版機体であるG-Vをティターンズ併合の折にネオジオンが接収し、各部に改修を加えたうえで量産化を行った機体とする資料もみられる[6]
  4. ^ ミサイル・ポッドの設定画は、模型作例用にかときはじめの手によるものがあると記載されているが、ムックや現在の他の資料にも掲載されていない。武器自体は作例と同一のものが多くのゲームやイラストなどで再現されている。
  5. ^ 角川書店『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ』156ページに「既存ガンダムタイプ」から変更されたことが記載されているが、電撃ホビーマガジン2014年8月号43ページで量産型νガンダムだったことが明言された。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac プラモデル『1/144 AMX-014 ドーベン・ウルフ』説明書、バンダイ、1986年11月。
  2. ^ a b 『ENTERTAINMENT BIBLE .2 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.2 グリプス戦争編】』バンダイ、1989年3月、52-53頁。
  3. ^ 『データコレクション 機動戦士ガンダムZZ』メディアワークス、2001年6月、58-59頁。ISBN 978-4840207577
  4. ^ a b 「新装開店第1回 ガンダムΖΖ読本-これは買いだ!」『ジ・アニメ』1986年11月号、近代映画社。
  5. ^ 『ガンダムウォーズIII ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、114-115頁。(ISBN 4-449-20530-1)
  6. ^ a b c 『ENTERTAINMENT BIBLE 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.2 グリプス戦争編』バンダイ、1989年3月、76-77頁。(ISBN 978-4891890186)
  7. ^ 関西リョウジ『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ』角川書店、2013年3月、68-69頁。ISBN 978-4041206416
  8. ^ a b 『機動戦士ガンダム MS大全集』バンダイ、1988年2月、74頁。ISBN 978-4891893361
  9. ^ a b 『モデルグラフィックス別冊 GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』大日本絵画、1987年2月、36頁。
  10. ^ 『GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』大日本絵画、1988年12月、20頁。ISBN 4-499-20526-3
  11. ^ 関西リョウジ『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ』角川書店、2013年3月、66-67頁。ISBN 978-4041206416
  12. ^ 『ガンダムウォーズIII ガンダム・センチネル』大日本絵画、1989年9月、292頁。(ISBN 4-449-20530-1)
  13. ^ 『データコレクション 機動戦士ガンダムZZ』メディアワークス、2001年6月、70-71頁。ISBN 978-4840207577
  14. ^ a b c d e f g 『ニュータイプ100%コレクション7 機動戦士ガンダムΖΖ』角川書店、1987年10月、52-53頁。
  15. ^ a b c d 『ENTERTAINMENT BIBLE .2 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.2 グリプス戦争編】』バンダイ、1989年3月、76頁。
  16. ^ プラモデル『HGUC AMX-014 ドーベン・ウルフ』説明書、バンダイ、2014年2月。
  17. ^ a b c d プラモデル『HGUC AMX-014 ドーベン・ウルフ(ユニコーンVer.)』説明書、バンダイ、2013年8月。
  18. ^ 『月刊ガンダムエース2012年4月号』26頁。
  19. ^ 大日本絵画『GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』157頁。
  20. ^ ムック『ガンダム・センチネル』202頁。
  21. ^ 大日本絵画『GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』20頁。
  22. ^ 角川書店『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ』65頁。
  23. ^ HGUCシルヴァ・バレト説明書より。
  24. ^ デアゴスティーニ『ガンダム パーフェクト・ファイル Vol.79』より[要ページ番号]
  25. ^ ROBOT魂 〈SIDE MS〉 シルヴァ・バレト | プレミアムバンダイ参照。
  26. ^ なお、原作でのガエルの乗機はアイザックであった。
  27. ^ ただし、運用艦艇はムサカ級。

参考文献[編集]

関連項目[編集]