ムーバブルフレーム

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ムーバブルフレーム (Movable Frame) は、メカニックデザイナー永野護によってネーミングされた、ロボット架空の機構。フレーム構造の一つ。

なお、ネット上に散見されるガンダム世界におけるムーバルフレームというカナ表記/表音表記は間違いである(英語の綴りから、そのような読みをしない事は明らかである)。資料によってヘビーメタルのフレームをその様にカナ表記、発音するようにしている場合があるが、エルガイム放送当時の一部の資料でもムーバルフレーム表記となっており、これは英語としては正しくないものの、設定名として存在している。

L-GAIM世界では「ムーバルフレーム」、ガンダム世界では「ムーバブルフレーム」と表記されている傾向にあるが、『重戦機エルガイム』でも「ムーバブルフレーム」と正しいカナ表記がされている場合があるため、断定は難しい。

一時期、ホビージャパン誌上において、この違いが混同され使用され続けていたことにより混乱を招いていたが、近年はガンダム系書籍やホビー類の説明書等において、この誤表現はほぼ見られなくなった。 英語表記でMovable Frames(可動骨格、可動骨組み)の意味である。

重戦機エルガイム[編集]

ムーバル・フレーム (MORVABUL F-LAME) は、アニメ重戦機エルガイム』に登場する、架空の機構。ヘビーメタルのフレーム構造。【ムーバル・フレーム (MORVABUL F-LAME)の表記は、角川書店の出版「重戦機エルガイム1、2」より記載】

機体の骨格をフレームによって構成し運動性の向上をはかる目的で採用された。また、規格を共通させることによって生産性を高める役割も持っている。フレームのサイズによってS型、M型、L型に分類されており同じサイズであれば装甲・装備の変換を容易に行うことができるために汎用性が高い。

ガンダムシリーズ[編集]

機動戦士Ζガンダム[編集]

『ガンダムシリーズ』では『機動戦士Ζガンダム』において初めて、「ムーバブルフレーム」という、モビルスーツのフレーム構造の設定が登場した。

RX-78ガンダムを含む従来のモビルスーツは外骨格(モノコック構造)で設計されており、装甲そのものが骨格として機体を支える構造をとっていた。骨格となる装甲そのものの強度で機体を支えることが出来、安価に大型モビルスーツを生産できる反面、運用効率には課題を残していた[1]。また、ビーム兵器の普及により、MSの重装甲化が有用ではなくなり始めた事を受け、その運用は防御力よりも運動性を重視する者にシフトした[2]。こうして開発されたムーバブル・フレームは機体フレームと装甲を二分した構造となっており、整備性や機体の運動性の向上に寄与した[2]。同時に、このフレームの採用により装甲そのものは第1世代MSのような構造材との兼用から純粋な装甲板へと変遷し、可動装甲板(フローティング・アーマー)となったことで可動域も向上した[3]。加えて、ガンダリウムγの採用によって、装甲そのものは軽量かつ剛性が高いものとなっている[3]。この技術の原型となったのはコア・ブロックシステム[2]マグネットコーティングである[1]

宇宙世紀0083年頃より可変モビルアーマーの開発が始まると[4]、その機構においてムーバブル・フレームは大いに活用され、機体サイズの小型化と剛性の強化を両立させた[4][注 1]

このムーバブルフレームの実用化は地球連邦軍が先んじて成功し[4]ガンダムMk-IIで初の導入が行われた[1][注 2]。平行する形でアナハイム・エレクトロニクスとエゥーゴも試作型のムーバブル・フレームを完成させリック・ディアスへの搭載に漕ぎ付けている[4]。そして、ガンダムMk-II強奪によりエゥーゴにはより完成度の高い技術が流出し、ゼータガンダムのような可変MSを実用化する事にも成功した[4]

以後フォーミュラ計画が発動されるまでほとんど全てのモビルスーツがこの設計をとることになる。そのためムーバブルフレームは第2世代以降のモビルスーツの必須条件と呼ばれるようになった。宇宙世紀100年代に入り、フォーミュラ計画を中核とする15m台小型MSが登場すると、MSはエンジンを外付けしたり構造材の一部を装甲と兼用にしたりするセミモノコック構造をとるようになり、独立した可動骨格であるムーバブルフレームは姿を消していく。

機甲戦記ドラグナー[編集]

ムーバブルフレーム (Movable Frame) は、アニメ『機甲戦記ドラグナー』に登場する、架空の機構。メタルアーマーのフレーム構造。

メタルアーマーのフレーム構造は全てムーバブルフレームであるとされ、特に主役機であるD兵器3体は大きく異なる各々のシルエットに反してムーバブルフレームは全く同一のものを使用している。そのため設定上は各武装及び装甲に互換性があり、換装して組み替えることも可能。その反面、フレーム内に火器の類や燃料タンクを内蔵出来ないという弱点も併せ持つ。D兵器以前の機体は個々の趣味や環境に適応出来る用に現地改造したりした機体が多く、基本となる機体の量産性は兎も角としても現場以外での適応力に難点を抱えており、D兵器はその弱点を無くす為の解決策の一環として試作された存在。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ なお、アクシズではムーバブルフレームに依らない独自の可変モビルスーツ、ガザシリーズを比較的早期に開発しているが、これは独自のブロック移動方式によるものである[4]
  2. ^ ただし、腕部等の限定的な導入はジム・クゥエルにその先駆型が導入されている[2]

出典[編集]

  1. ^ a b c 「ENTERTAINMENT BIBLE 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.8 SPECIALガンダム大鑑」バンダイ 36-37頁。(ISBN 978-4891892067)
  2. ^ a b c d 「パーフェクトグレード RX-178 ガンダムMk-II(エゥーゴ)」バンダイ 2001年11月 説明書参照
  3. ^ a b 「ENTERTAINMENT BIBLE 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.2 グリプス戦争編」バンダイ 72頁。(ISBN 978-4891890186)
  4. ^ a b c d e f 「ENTERTAINMENT BIBLE 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.2 グリプス戦争編」バンダイ 38-42頁。(ISBN 978-4891890186)


関連項目[編集]