ギャン

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ギャン(GYAN)は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器モビルスーツ 」(MS) の一つ。初出は、1979年放送のテレビアニメ機動戦士ガンダム』。

作中の敵側勢力「ジオン公国軍」の試作機。西洋の甲冑騎士のような外観が特徴で、剣と盾という白兵戦に特化した武装が施されている。当初の設定ではマ・クベ大佐の専用機として開発された[1]とされ、劇中でもマ・クベ本人が「自分のために作られたMS」であると発言する[注 1]。のちに、ゲルググと次期主力量産機の座を争うために別メーカーが開発した機体と設定され、機体構造にも独自の設定が付記されている。

メカニックデザインは大河原邦男

本項では、メディアミックス企画で設定されたバリエーション機の解説も併記する。

機体解説[編集]

諸元
ギャン
GYAN
型式番号 YMS-15[注 2]
所属 ジオン公国軍
開発 ツィマッド
生産形態 試作機
全高 19.9m[3]
頭頂高 19.9m[3]/18m[4]
本体重量 52.7t[3]
全備重量 68.6t[3]/95t[4]
装甲材質 超硬スチール合金[5]
(強化スチール合金とする資料もあり[6]
出力 1,360kW[3]
推力 56,200kg[3]
センサー
有効半径
4,400m[3]
最高速度 95km/h[6]
武装 専用ビームサーベル
ミサイルシールド(ギャンシールド[4]
ニードル・ミサイル
ハイドボンブ
搭乗者 マ・クベ

ツィマッド社が開発した白兵戦用MS。主武装として高出力の試作ビーム・サーベルと、威嚇・牽制用のニードルミサイルを内蔵した円盤状のシールドを持つ[7]

元はMS-X10として開発されていた[2][注 3]。一年戦争後期における空間戦闘用MSの次期主力機候補として立案され、ザクIIR2、リックドム、MS-11(後のゲルググ)とともに提出された。ただし、当初から本命はゲルググであったため、他の機体はその繋ぎとして考慮されていた[9][注 4][注 5]

ギャンは来るべき連邦軍MSとの戦闘に備え、白兵戦を重視した設計となっている[14]。近接戦闘を重視した設計から、ドムのような重武装MSの支援砲撃を受け大火力の使用できない白兵戦に持ち込む運用思想が立てられていたが、ジオンでは異なる設計の機体同士を連携する運用は採用されなかった[5]。また、汎用性においてもMS-14ゲルググに一歩譲る[15]。次期主力機はビームライフルをドライブ可能とする軍の要求も満たせなかった[16]。空間戦闘能力はザクIIを一歩上回るだけであり、試作機に留まる結果となった[14]。一方で、躯体には四肢の駆動レスポンスを向上させるための「流体パルスアクセラレーター」を試験的に導入。重力下でも飛翔するかのような挙動が可能で、運動性ではゲルググを凌駕する[2]

機体は試作3機がロールアウト[5][注 6]。内1機はマ・クベ大佐の機体で、専用のカスタマイズが施されていたと言われる[2][注 7]。戦闘参加するも撃破された。ニュータイプとして覚醒しつつあったアムロ・レイガンダム相手に善戦したことから、ギャンの白兵戦能力の優秀さが伺える[7]。量産化や以降のバージョン展開はされなかったとされたが、後年、基本性能や白兵戦能力の高さが評価され、ゲルググとの長所を合わせたガルバルディの開発に至っている[7]。また、コンセプトを受け継いだR・ジャジャなど発展機が開発され、ギャン改などのバリエーションも設定されている。

機体構造[編集]

頭部
格闘戦を想定した形状や部材配置となる。防御力の為にモノアイのスリットは狭く作られているが、新型の映像処理フレームよって視界は既存機体よりも広くなっている[18]。また、メインジェネレーターと流体パルスアクセラレーターのコンダクターも増設されており、協調稼働を制御している。頭頂部にはアンテナを装備[18]。モノアイはグラモニカ社製ユニットをナロー化させ、レール移動の速度を向上。後方の視界も確保している[16]
ボディユニット
ドムやゲルググを踏襲したボディユニットを採用しつつも、連邦制MSを参考にした構造を持つ。基礎フレームはゲルググと共用、あるいはその試作機のものを転用していると推察されるが、ゲルググのものとの違いはジェネレーター出力と流体パルスアクセラレーター用の分岐パワーサプライヤーの有無のみとする説もある[8]
ランドセル
背部に装備。姿勢制御やチャージ時のブースターとして使用される[16]
腕部
戦用ビームサーベルの運用を想定した設計となっており、伸縮レスポンスでは屈指の性能を誇る。また、一軸あたりの可動範囲も向上し、人体に近い動作が可能となっている[19]。マニピュレーターはザク等に装備されているものと構造的には同等であるものの、格闘戦を想定しリストジョイント部の可動域とレスポンス速度が改善している[16]
腰部
流体パルスアクセラレーターを採用。エネルギーは超極音速を保ったまま円筒形のユニットに内蔵されており、応力の限界や攻撃による損壊が発生した際は排除可能となっている[20]
流体パルスアクセラレーター
ジオン公国軍のMSにおいては反応炉で発生するエネルギーを超極音速のパルス状に変換し、各部に伝達するアクチュエーターが採用されている。ギャンの流体パルスアクセラレーターは、炉内で発生した余剰出力をプールし、必要に応じて取り出すシステムとなる。これによって(フェイルセイフを含めて)一系統の主導力の伝達経路であっても、ジェネレーターを増設したかのように経路を増設可能となる。ギャンでは流体パルスアクセラレーターのデバイスは股間部に設置され、脚部のレスポンスとトルクが向上する結果となった[2]

武装[編集]

ビーム・サーベル[注 8]
ギャンのジェネレーターはビームライフルをドライブできなかったものの、ビームサーベルの出力には支障がなかったため採用された。同時代の連邦製のものよりも高出力のビーム刃を形成可能[16]。ジオン軍最初期のビーム・サーベル[21][注 9][注 10]
ツクダホビーボードゲームではレーザーサーベル(LS)とされており、ビームサーベルとは異なる名称が付けられている[要出典]
ミサイルシールド[16]
小型ミサイルとハイドボンブを内蔵する[14][注 11]
攻防一体の装備であり、広角の防御面は省略されているが、機体の性質上は十分な防御装備と言える[16][注 12]。また、ビームサーベルを使用する際のカウンターウェイトとしても機能する[24]。武器の内臓によって一般的なシールドよりも防御性能は低いため、兵装プラットフォームとしての機能が優先されたと考えられている[25]
ツクダホビーボードゲームでは非常に重量のある装備品であり、高い誘爆性を持っているものとして設定されている[要出典]
ハイドボンブ
25基装填されるとする資料[24]、12基とする資料が存在する[3]
ミサイルシールドから排出する宇宙機雷[16]
小型ミサイル
60基装填されるとする資料[24]、資料によって56基とする資料が存在[3]。呼称も「小型ミサイル」とするものと[14]、「ニードルミサイル」とする資料が見られる[16][24]
白兵戦における威嚇・牽制用に有効な小型ミサイルであるが、可動部に直撃すれば敵機を行動不能に陥らせる事も可能[16][24]

設定の変遷[編集]

現在、ギャンの型式番号はYMS-15と設定されているが、1980年代時点におけるメディアでの表記は「MS-15」となっていた[26]。「YMS-15」表記は1999年7月発売のプラモデル「HGUC ギャン」以前には確認できない。また、テレビアニメ企画時の名称はハクジであり、ギャンはゲルググの名前だった[27]

また、1979年から1980年代初頭当時、ギャンは「宇宙でも大気中でも自由に飛ぶことができる」[28]とされていたが、この説は後年省みられていない。

本機は、番組の視聴率低迷の原因を「毎週違う敵ロボットが出ないからだ」とするテレビ局の要請に応じ、当時のロボットアニメに頻出する「大幹部専用のロボット」にならった「マ・クベのために作られた機体」として登場した経緯を持つ[要出典]。前述の設定については劇中で、マ・クベが自ら出撃する理由にキシリアがギャンを自分のために開発してくれたことに対する面子とする発言や、シャア・アズナブルの副官マリガンが「マ・クベ自身が打倒木馬のために専用MSを造らせた」とする発言から理解できるが、それらに対するフォローが近年の派生作品には少ない。公式サイト「機動戦士ガンダム公式Web」では映像中の発言に準じ、マ・クベ用に開発されたと解説している[10]。漫画『機動戦士ガンダム0079』第12巻のメカニックファイルには「ゲルググと競作された機体を、マ・クベ自身が自分なりにチューンナップしたもの」という、既存の説を総合したような説明がある。

「ゲルググとの競合に敗れた試作機[29]」「素人でも操縦がしやすい[要ページ番号]」という設定は、書籍『ガンダムセンチュリー』で放映後に追加された設定である。それを元に「ゲルググはジオニック、ギャンはツィマッド」が追加されたうえ、「ジオンのガンダム」などの設定は2000年代に入ってから追加された。

他のジオン軍MSと同様に流体内パルス・システムで駆動すると明言した資料がなかったため、フィールドモーター駆動であるという説が生まれ、小説や模型誌などでも引用されていた[要出典]。一方、プラモデル「MG ギャン」の解説書では流体内パルス・モーター駆動と設定されている[2]。いずれも、映像作品中で言及されていない。

備考
近年の[いつ?]ホビージャパン』『電撃ホビーマガジン』などの模型誌では、ゲルググと比べて非常に機体が細い[注 13]ことから、本機はフィールドモーター駆動の試験のために開発されたのではないか、あるいは鹵獲した連邦製MSを元に開発されたのではないか、白兵戦重視のコンセプトからもジオン版ガンダムとして作成されたのではないか、果てにはコア・ブロック・システムを搭載していたのではないかなど、さまざまな架空の設定に基づいた作例が製作されている[要出典]

劇中での活躍・登場作品[編集]

  • テレビアニメ『機動戦士ガンダム』
    • ホワイトベースがテキサスコロニーに寄港する第37話にのみ登場。パイロットは、これまで指揮官として登場していたマ・クベ。マ・クベはギャンが彼の専用機であると発言し、シャアやマリガンもマ・クベがギャンを開発させたと述べている。
    • 本機は、配下のリック・ドムを使ってガンダムをおびき出した先で、小惑星の上に仁王立ちで立ちはだかるというスーパーロボット風の演出で登場した。
    • そしてマ・クベはガンダムが接近すると小惑星を爆破し、逃げ込んだテキサスのゲートにも爆薬を仕掛けておき、テキサス内部には(あらかじめ散布しておいた)ハイドボンブと、三段構えのブービートラップでダメージを与えた。さらにガンダムの主力兵装であるビームライフルの弾切れを誘った上に、そこからニードルミサイルの乱射でシールドを破壊してひるませてから、白兵戦に持ち込んで先制するという、周到かつ執拗な策でガンダムに挑んだ。しかし、そこまでしてなおニュータイプとしての能力を見せ始めていたアムロ・レイのガンダムの敵ではなく、逆に作戦のこざかしさに憤りを覚えた彼の猛反撃を受け、撃破された。
  • 短編小説集『ガンダムNOVELS―閃光となった戦士たち
    • 収載の『月光の夢 宇宙の魂』では、ギャンとゲルググの次期主力機コンペティションの様子が語られている。ここではギャンがフィールドモーター駆動とされているほか、ドラマを成立させるため一部設定に独自の解釈が見られる。
  • 雑誌「MJ(模型情報)」
    • 連載されたメカニックデザイン企画『F.M.S』では、オデッサ戦の2週間後、マ・クベ師団残存勢力からMS-15と技術陣を回収するというエピソードがある[30]
  • 漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN
    • オデッサ戦撤退時にマ・クベ自らが搭乗し、迫りくる連邦軍の前に堂々と立ちふさがり、抜刀したグフ部隊の先頭に立って敵軍に斬り込む活躍をする(ガンダムとは戦っていない)。しかしマ・クベは「量産はさせるな、マ・クベの名はギャンと共に記憶されるべき」と豪語し、兵の後退を確認した後黒海に入水。連邦水上艦隊を道連れに自爆した。なおシールドにはハイドボンブとニードルミサイルの両方が装備されている。
    • 外伝『アムロ0082』ではアムロを暗殺しようとした弱小ジオン残党「ウラガン中隊」が創り上げ、地球に派遣した「ギャンもどき」が登場するが、設計図すら書かなかった粗製ぶりからか自壊し、ウラガンは脳裏でマ・クベの幻影より冷笑と怒りを買った。

バリエーション[編集]

ギャンは正式採用されなかった機体とされるが、ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズなどでは戦争の流れにおけるif(公式の歴史設定とは異なる架空の流れ)が楽しめるよう作られたため、「もしもゲルググではなくギャンが正式採用されていたら」という設定で数々のバリエーションが作られている。また、カラーリング等を違えたエース専用機も設定されている。

『ギレンの野望』等の「ifルート」に登場するバリエーション[編集]

ギャン量産型(A)[編集]

機動戦士ガンダム ギレンの野望』が初出(型式番号:MS-15A)。MS-14A ゲルググ(量産型)に当たる機体。同作では、形状はTV版のギャンと同じで機体色がゴールドとなっていたが、続編の『ギレンの野望 ジオンの系譜』以降は頭部アンテナが短くなり、機体色もグレーに変更されている。
SDガンダム GGENERATION-0』を初出として、以降の同シリーズにも登場している[注 14](型式番号:MS-15)。外観は初代『ギレンの野望』版と同様。
なお便宜上、後述の『トワイライト オブ ジオン』版と区別するため、名称に型式番号末尾の(A)を付記している。

ギャン先行量産型[編集]

『ジオンの系譜』が初出(型式番号:YMS-15/MS-15S)。YMS-14/MS-14S ゲルググ先行量産型に当たる機体で、TV版のギャンとほぼ同一。

ギャン高機動型[編集]

『ジオンの系譜』が初出(MS-15B)。MS-14B ゲルググ高機動型に当たる機体。ゲルググのA/B/C型はバックパックを変更するだけで簡単に仕様変更できるが、ギャンのA型に対しB型はほぼ完全に外観が異なっている(A型・S型とC型は、キャノン関係のパーツ以外は肩など一部が違う程度)。 ビームサーベルが大型のビームランスに変わり、更に格闘戦能力が向上している。また速射砲が追加され射撃武装も強化されている。

ギャンキャノン[編集]

『ジオンの系譜』が初出(型式番号:MS-15C)。MS-14C ゲルググキャノンに当たる機体。肩近く(実際はバックパックに装備)に実弾式の大口径短の180ミリキャノン砲2門を持つため、見た目はギャン+ガンキャノンである。中距離支援用の機体であるが、A型と同じビームサーベルを装備しており、格闘戦能力にも優れる。また、左手にグレネードランチャーを装備している。

ギャンM(マリーネ)[編集]

GYAN MARINE[31]

機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオン独立戦争記』が初出(型式番号:MS-15F)。MS-14F ゲルググMに当たる機体。
ギャンの海兵隊仕様で、A型がベースとされるが頭部を含む外観はB型に近い[31]。継戦能力向上のため、バックパックは推力を向上し、プロペラントタンクを3本増設可能なものに交換されており[31]、さらに装甲の軽量化が図られている[31]。武装はB型と同様、ビーム・ランスとロケット・ランチャー・シールドを標準装備とする[31]
ギャンM(マリーネ)指揮官用[編集]
『ジオン独立戦争記』が初出(型式番号:MS-15Fs)。MS-14Fs ゲルググM(指揮官用)に当たる機体。頭部バルカン砲が追加されている。

ギャンK(クリーガー)[編集]

GYAN KRIEGER[32]

『ジオン独立戦争記』が初出(型式番号:MS-15KG)。MS-14JG ゲルググJに当たる機体。
クリーガーはドイツ語で戦士のこと。B型をベースに改良された強襲用の機体[32]で、MS-15系の最終生産型[32]。ジェネレーターが強化されており、高加速性能を活かした敵陣突破を得意とする[32]。さらにビーム・ランスの攻撃力も向上し、戦艦も一撃で屠るとされる[32]。シールドは裏側にビーム砲2門を装備した専用のものが装備されている[32]

ギャン(EXAM搭載型)[編集]

PCゲーム『ガンダムネットワークオペレーション』に登場(型式番号:MS-15[EXAM])。MS-08TX[EXAM] イフリート改をイメージした機体。ニムバス・シュターゼンがクルスト博士の逮捕に成功し、ギャンの量産が決定すると生産される。

上記以外のバリエーション[編集]

ギャン量産型(B)[編集]

ツクダホビーのボードゲーム『ジークジオン』サプリメントセット第3弾『トワイライト オブ ジオン』(1991年)に登場(型式番号:MS-15B)。ゲルググの量産に伴い10機程しか作られなかったとされる。ゲルググタイプのビームライフルを装備しており、遠距離戦闘も行えるようになっている。
なお便宜上、先述の『ギレンの野望』版と区別するため、名称に型式番号末尾の(B)を付記している。

ギャン・エーオース[編集]

諸元
ギャン・エーオース
型式番号 YMS-15E
所属 ジオン公国軍
全高 18.2m[33]
重量 56.2t[33]
武装 専用シールド
ビーム・ベイオネット
ジャイアント・バズ

メカニックデザイン企画『MSV-R』に登場。試作されたギャンのうち2機を実戦配備機として改修した機体。改修作業はジオニック社とツィマッド社の協力のもと行われた[33]。名称の「エーオース」はギリシャ神話の「暁の女神」に由来する。ランドセルを高機動型ゲルググの高機動ランドセルに換装[34]。空間機動戦闘能力の向上と、兵装類の改修が行われた[33]。完成した機体は運用上必要となる追加生産分を含めてジオン公国軍突撃機動軍の、旗艦直衛部隊に配属された。量産化も上甲されたが、再検討の後見送られている[35]

武装・装備
ビーム・ベイオネット
銃剣型の試作兵装。先端部にビーム剣を、下部には小型のビームガンを装備する。MS-14のビームライフルと比較し威力と射程は低い[35]
専用シールド
ミサイル発射機構を省略し、白兵戦における防御用途に特化したシールド。素材は変更されている[35]
劇中の活躍
漫画『MSV-R 虹霓のシン・マツナガ』ではデギン・ザビ公王のロイヤル・ガードとして2機が登場、宇宙世紀0079年末のサイド3宙域におけるシン・マツナガジョニー・ライデンの戦闘に介入、停戦を命じマツナガの身柄をズム・シティまで移送している。
漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』ではFSS所有の機体が登場しており、演習を名目としたサングレ・アスル捜索でユーマ・ライトニングが搭乗する[注 15]。外見上はパイロットのパーソナルカラーに合わせた青系統のカラーリングが施され、FSSのマークが各部に入れられている。コクピットが全周モニターのリニアシートとなっている点など内部はアップデートが施されている模様である。

ガルバルディα[編集]

メカニックデザイン企画『MS-X』に登場するギャンの発展機(型式番号:MS-17)。一年戦争末期に小惑星ペズンで開発されている。終戦後は連邦軍に接収され、ガルバルディβとして量産化されている。

カリョーヴィン[編集]

『RPGマガジングレイト』Vol.3に掲載された『機動戦士ガンダムRPG アドバンスドエディション』用シナリオ「マクベの遺産」に登場。マ・クベキシリア・ザビに献上すべく開発させた白兵戦用の試作MSで、一年戦争中にBC兵器と共にどこかに隠され「マ・クベの財宝」として語られている。キシリアを模した機動性の高い細身のボディを持ち、浮遊煙幕弾ポッドで煙幕を張った後に、伸縮自在のビームスピアを用いて攻撃する一撃離脱戦法を基本とする。この他にミサイルランチャーを装備。
インド神話の架空の鳥、迦陵頻伽(カリョービンガ)が名の由来。ギャンのバリエーションという設定はなく、外見にもほとんど類似点は見られないが、マ・クベとの関連からギャンと共に語られることがある。

ギャンEX[編集]

雑誌『GUNDAM WEAPONS 2』に収載された漫画『OPERATION TITAN』に登場(単行本『新MS戦記 機動戦士ガンダム短編集』に収載)。雑誌掲載時には「MS-15S ギャン」という名称であったが、単行本収録時に「MS-15PLUS ギャンEX」という名称に変更された。一年戦争期のギャンの予備パーツをアクシズで組み上げた機体で、ビームライフルが装備されている。シャア・アズナブルが搭乗。

ギャン改[編集]

ゲーム『SDガンダム GGENERATION(初作)』他に登場(型式番号:MS-15K)。アクシズで開発された機体で、運動性が高く、全体的な性能は同時期に開発されていたバウを上回っていたが、汎用性が低かったために量産化は見送られている。その後、騎士型MSとして開発が続けられ、R・ジャジャとなったとされる。

R・ジャジャ[編集]

アニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場(型式番号:AMX-104)。ギャンの発展機で、騎士用MS。

RFギャン[編集]

諸元
RFギャン
型式番号 OMS-15RF
武装 ビームセイバー
ヒートロッド
漫画『機動戦士ガンダムF90』に登場。オールズモビル(火星独立ジオン軍)によって開発された機体。従来のギャン系統と同様の武装にヒートロッドを追加装備している。
元になったギャンと同じく白兵戦を得意としているが、製造コストが高く、搭乗は上級指揮官かエースパイロットに限定されている[注 16]。なお、他のオールズモビルの機体と異なり『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』が出典の機体ではなく、名称と型式番号は共にゲーム『SDガンダム GGENERATION-F』で設定されたものである。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ テレビ版「機動戦士ガンダム」第37話。出撃前のマ・クベとウラガンの会話より。
  2. ^ 量産型が存在しないため、便宜上MS-15と記載されることもある[2]
  3. ^ ギャンの原型機はザクの競合機であったとする説が浮上したとする資料も見られる[8]
  4. ^ 一方で、ギャンをマ・クベのために開発された機体[10]、マ・クベ専用に作られた対ガンダム用モビルスーツとする資料も見られる[1]。また、専用機開発を申請していたマ・クベのもとへ、試作機が専用機として贈られたと推察する資料も見られる[11]
  5. ^ 次期主力MSは既にゲルググに内定しており、次期主力機のコンペティション自体が形式的なものに過ぎなかったともいわれている[12]。そもそもゲルググの開発にはツィマッド社も関わっており、自社が開発に関わったMSにあえて自社のMSで対抗したツィマッド社の真意は謎めいている。一説には同じくツィマッド社製のリック・ドムをバズーカによる対艦攻撃機と位置付けた際の護衛機としてギャンを位置付けるという戦術モデルの提示を行ったのではないかとも考えられている[13]
  6. ^ 1機とする説もある[17]
  7. ^ 資料によっては「マ・クベ大佐機」と記述するものもみられる[15]
  8. ^ 資料によって「ビーム剣」[1]、「ビームサーベル」とも記述される[14]
  9. ^ 「ジオン初」と記載する資料も見られる[17]
  10. ^ その一方で、先行して登場したグフの剣状装備をビーム・サーベルと記述した資料も見られる[22]
  11. ^ ギャンは対ガンダム用に作られたため、正攻法の戦いを想定せず盾にミサイルや機雷のような装備を仕込んだとする資料も見られる[1]
  12. ^ ただし、攻撃を防ぐ盾にミサイルを仕込む仕様から、「敵の攻撃で誘爆するのでは」「実は盾ではなく携行ミサイルランチャーなのでは」との説もある[23]。劇中ではハイドボンブは散布済み、かつニードルミサイルを斉射後の状態でガンダムのビーム・サーベルによって損傷したが、誘爆していない。
  13. ^ これはHGUCモデルのカトキハジメによるアレンジに由来する誤解であり、大河原邦男による決定稿ではゲルググなみにボリュームがある。このアレンジについて、HGUCモデル発表当時の『ホビージャパン』では「マ・クベのイメージが投影されたためではないか」との説を挙げていた[要ページ番号]
  14. ^ 『SDガンダム GGENERATION-0 ガイドブック』アクセラ、1999年7月、142頁を始めとして、各攻略本等で出典を『ギレンの野望』としている。
  15. ^ キャリホルニア・ベースに保管されていた物を掘り出してきた模様。
  16. ^ 『GGENERATION-F』の設定。

出典[編集]

  1. ^ a b c d 『機動戦士ガンダム記録全集5』日本サンライズ、1980年10月24日、134頁。
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  4. ^ a b c 『テレビマガジン』1981年2月号付録『機動戦士ガンダム大事典』上巻(講談社)
  5. ^ a b c 「049 ギャン」『機動戦士ガンダム MSV コレクションファイル[地球編]』講談社、2000年6月。ISBN 978-4063465518
  6. ^ a b 『講談社ポケット百科シリーズ15 ロボット大全集1 機動戦士ガンダム』(1981年)
  7. ^ a b c 皆川ゆか機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』講談社、197頁。
  8. ^ a b 『MG 1/100 ギャン』バンダイ、2006年5月、組立説明書、5頁。
  9. ^ 『機動戦士ガンダムMSV ジオン軍MS・MA編』講談社、1984年、2006年7月(復刻版)、72-73頁。ISBN 978-4063721768
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  11. ^ 皆河有伽『総解説ガンダム辞典Ver1.5』講談社、2009年8月、177頁、ISBN 978-4063757958
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  17. ^ a b 『TV版 機動戦士ガンダム ストーリーブック (4)』講談社、1981年、106頁。ISBN 4061724584
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  23. ^ 別冊宝島『僕たちの好きなガンダム』シリーズのギャンの解説頁より[要ページ番号]
  24. ^ a b c d e 『MG 1/100 ギャン』バンダイ、2006年5月、組立説明書、16頁。
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  28. ^ 『講談社ポケット百科シリーズロボット大全集(1)機動戦士ガンダム』講談社、1981、149頁。
  29. ^ 『ガンダムセンチュリー』みのり書房、1989年9月、銀河出版、2000年3月(復刻版)、40頁、ISBN 4-87777-028-3
  30. ^ 『MJ 1989年5月号』43頁。
  31. ^ a b c d e 『電撃ホビーマガジン』2002年11月号、メディアワークス、45頁。
  32. ^ a b c d e f 『電撃ホビーマガジン』2002年11月号、メディアワークス、46頁。
  33. ^ a b c d 『機動戦士ガンダムMSV-R ジオン編』角川書店、2014年2月、24-25頁。ISBN 978-4-04-121018-5
  34. ^ 『ガンダムエース2013年4月号』角川書店、571頁。
  35. ^ a b c 『機動戦士ガンダムMSV-R ジオン編』角川書店、2014年2月、100-101頁。ISBN 978-4-04-121018-5

関連項目[編集]