リック・ディアス

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リック・ディアス (RICK DIAS) は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。架空の有人操縦式ロボット兵器モビルスーツ」(MS)の一つ。初出は、1985年に放送されたテレビアニメ機動戦士Ζガンダム』。

作中の登場勢力のひとつである反地球連邦組織「エゥーゴ」の量産機。スポンサー企業であるアナハイム・エレクトロニクス社(AE社)と共同開発した機体で、旧ジオン公国軍のドムに似た太めの体型が特徴。軽量・高強度の新素材ガンダリウムγ合金を装甲・構造材に採用しており、見た目に似合わない高機動性を発揮する。

『Ζガンダム』第1話から登場し、クワトロ・バジーナの偽名でエゥーゴ入りした元ジオン公国軍大佐シャア・アズナブルと、同じく元ジオン兵の部下たちがおもに搭乗する。当初クワトロ機はジオン時代からのパーソナルカラーである赤、一般機は黒を基調に塗装されているが、ほかのエゥーゴ兵士たちもクワトロにあやかって赤に塗装した結果、こちらの色が制式カラーとなる。

メカニックデザイン永野護

当記事では続編の『機動戦士ガンダムΖΖ』や、その他メディアミックス作品に登場するバリエーション機・発展機の解説も行う。

機体解説[編集]

諸元
リック・ディアス
RICK DIAS
型式番号 RMS-099 / MSA-099
所属 エゥーゴ
製造 アナハイム・エレクトロニクス社
全高 21.6m[1] / 18.7m[2] / 18m[3]
頭頂高 18.7m[1]
本体重量 32.2t[3]
全備重量 54.7t[3]
装甲材質 ガンダリウムγ[3]
出力 1,833kW[3]
推力 37,400kg×2[3]
総推力:74,800kg[1]
センサー
有効半径
11,500m[3]
武装 クレイ・バズーカ
ビーム・ピストル
ビーム・サーベル
バルカン・ファランクス
トリモチ・ランチャー
搭乗者 (メインパイロット)
クワトロ・バジーナ
アムロ・レイ
エマ・シーン
アポリー・ベイ
ロベルト
トリッパー
バッチ
ボティ
アスナ・エルマリート
ジャック・ベアード
(一時的に搭乗)
フランクリン・ビダン
カミーユ・ビダン(テレビ版)
ファ・ユイリィ(テレビ版)
その他 姿勢制御バーニア×7[3]

アナハイム・エレクトロニクス社の支援を受けて開発された、エゥーゴ初のオリジナル量産型MS。Ζ計画の端緒となった第2世代MSである。

開発スタッフには旧ジオン公国系の技術者が多く参加しており[2]、ドムシリーズの最終量産型ドワスが直接の原型となったとされる[4][注 1]。とりわけ、機体各部のスラスターは装甲の内側に配置するジオン系列の特徴が見受けられる[6]。加えて、ガンダムタイプの技術フィードバックも行われた[7]。特に、アナハイム・エレクトロニクスが宇宙世紀0083年に開発した「ガンダムGP02」は直系の前型と呼べるものである[6]。装甲とフレーム部材には[8][注 2]クワトロ・バジーナ大尉(シャア・アズナブル)がアクシズからもたらした新素材「ガンダリウムγ」を採用[9]。同時にエゥーゴが保有していた試作型ムーバブル・フレームをアナハイム社の手で改良を加え、導入した[10][注 3]。リック・ディアスは初の第2世代MSであり[10]、ガンダリウムγの採用から、のちのエゥーゴ指導者ブレックス・フォーラ准将によって「γガンダム(ガンマガンダム)」と名付けられた[9][注 4]。しかし、その外観から「ガンダムの名を使うのは、先代のガンダムに申し訳ない」「別のコードネームを使いたい」とするクワトロの希望により、宇宙用の機体を意味する「リック」[注 5]喜望峰の発見者バーソロミュー・ディアス(この名にはエゥーゴの活動が折り返し地点に到達したことから、という意味も込められている[9][注 6])の「ディアス」を合わせ、リック・ディアスとした[5]

メインカメラはモノアイをさらに高機能化したもので[9]、機体前面の状況をすべて把握しつつ、広角/魚眼レンズ的な視覚を補正して直視に近い映像として全天周囲モニターに投影する[9]。この方式はシステム小型化が容易なうえに可動部が少ないため、メンテナンス性に優れている[7]。このデバイスもまたアクシズから持ち込まれた技術の1つである[16]

胴体内に大型のジェネレーターを搭載したため[6]、通常腹部にあるコクピットブロックは首の位置に上部1/3が露出する形で組み込まれ頭部で蓋をする構造になっており、パイロットは頭部左側にあるハッチから搭乗する。緊急時にはコクピットブロックが射出される機能も備わっている[7]。連邦軍のものより高性能なセンサーを使用しているため、ミノフスキー粒子の下では連邦軍の機体より遠距離から相手を捕捉できる[2]。通常バックパックが配置される背部には、ブースター・バインダーを2基備えており[7]、ガンダリウムγによる軽量化と[8]これによるAMBAC機能により軽快な運動性を示した[9]。装甲にはチョバム・アーマー、スペースド・アーマー(中空装甲)、リアクティブ・アーマー(爆発反応装甲)等、戦車に使われている装甲がすべて使用されている[17]

高性能だが量産機としてはコストが高く[18]、大出力な機体特性と操縦性のタイトさは元ジオン出身パイロットにこそ好評だったが、連邦出身パイロットには不評だった[19]。エゥーゴ主力機の座はジム系のよりオーソドックスな設計を踏襲したネモに譲る。なお、ティターンズ側の主力となったマラサイは、本来リック・ディアスの代替機として準備されていたものである。

本来の型式番号はMSA-099だが、グリプス戦役開戦までは地球連邦軍の目からエゥーゴの動きを欺くため、RMS-099とされた[20][注 7]。なお、MSA-009とする資料もある[21][22]

武装・装備[編集]

クレイ・バズーカ
AEツィマッド社製[23](型式番号:AE/ZIM.C-BAZ-531[23])。口径300mm[23]、装弾数はマガジンに7発+1発[2](5発[23])。
敵機鹵獲のため、粘着榴弾などを装填可能[7]。不使用時にはバインダー基部をラッチとして固定され、背部にマウントされる。
ビーム・ピストル
ボウワ社製[23](型式番号:BP-L-86[23])。エネルギー・チャージ式とされるが[2]、のちの百式のビーム・ライフルと共通のEパック式であるとする資料もある[23][注 8]。装弾数は10発[2](18発[23])。
不使用時は背部の「ライドレーザーラック」[24]に収められる。ラックに搭載した状態でも対後方・対空武装として射撃可能であり、前腕に2本並べてマウントすることもある[注 9]
ビーム・サーベル
不使用時はライドレーザーラック下部に装着されている[24]。のちの百式ネモも標準装備とする。出力0.4MW[25]
バルカン・ファランクス
頭部に装備。2連装で、発砲時にはカバーが展開する構造となっている。口径55mm[2]。古代ギリシャのファランクス戦法やそれにあやかった旧世紀の火器に倣って命名された[7]
トリモチ・ランチャー(多目的ランチャー)
マニピュレーターの指基部にが設けられている。トリモチやバルーンダミーなどを射出できる。漫画『機動戦士Ζガンダム Define』では、他機種と共通したマニピュレーターに手甲を被せ、その手甲にトリモチランチャーを内蔵しているというアレンジが加えられている[26]
ブースター・バインダー[7]
背部に設置されたプロペラント(推進剤)タンク、AMBAC作動肢、スラスターとスタビライザー兼用の装備[7]ガンダム試作2号機のフレキシブル・バインダーの延長上に位置するものと考えられており[27]、取り外しが効くため、シールド[注 10]や投擲武器[注 11]としても使用できる。
バリュート
バリュートを装備することにより大気圏への突入、サブフライトシステムに搭乗することにより重力下での空中戦もそれぞれ可能となっている。
そのほか
標準武装としてガルバルディβ用ビーム・ライフル[28]も使用される。

劇中での活躍[編集]

主にテレビ版『機動戦士Ζガンダム』での本機についての内容を記述する。

第1話にクワトロの機体以下3機が登場。クワトロ機のみ赤い塗装でアポリー・ベイロベルトらの機体は黒い塗装だった。グリーンオアシスでの戦闘では迎撃に現れたジムIIハイザックなどの複数機を相手に、機体の高機動性をもって対等以上に渡り合う。その機体性能は、第5話にて連邦軍(実質ティターンズ)側の技師だったフランクリン・ビダンが深い関心を寄せるほど優秀なものだった。フランクリンはクワトロ機をアーガマから奪取し、アレキサンドリアへ持ち帰ろうとしたところを、流れ弾により撃墜される。映画版ではフランクリンの持ち出した機体は艦砲射撃により撃墜され、小説版ではフランクリンは本機を持ち帰ろうとしたところをレコア・ロンドに射殺される。

ジャブロー降下作戦(テレビ版ではその少し前、ティターンズ艦艇強奪のためのグラナダ襲撃に際して)において、アポリーとロベルトがクワトロ機と同じ赤い塗装に統一された機体に搭乗する。プラモデル『MG RMS-099 リック・ディアス』の取扱説明書によれば、もともとエゥーゴはゲリラ的な活動を行っていたために本機を識別しにくい色にしていたが、ティターンズとの本格的な衝突に際して色を塗り替えたとされている。劇中ではロベルトの「味方に撃たれないため」と語る発言があるほか、アポリーの「大尉の色は人気がある」と語る発言からも、彼らの間で評判の高い色へと変更されたことが仄めかされた[注 12]。しかし、雑誌企画『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』ではアーガマ隊所属機のカラーリングである設定がなされた[注 13]

ケネディ宇宙港でのシャトル防衛戦で、ロベルト機はブラン・ブルタークの駆るアッシマーにより撃墜される。アポリーが宇宙へ帰還してからは、地上に残された機体を引き継ぐ形でアムロ・レイが搭乗する。その後も士官級のパイロットの多くが搭乗し、アーガマの主力、ひいてはエゥーゴの中核を担う名機として活躍する。

しかし、テレビアニメ版『機動戦士Ζガンダム』本編を指して「敵と味方のMSデザインが混在しており、分かりにくい」という意見が出たため、続編『機動戦士ガンダムΖΖ』では敵味方のMSデザインのフォーマットが、前作『機動戦士ガンダム』に準じて戻された。それにより、エゥーゴのMSはツインアイとゴーグルアイ、ネオ・ジオン軍のMSはモノアイタイプ[注 14]といった具合に分けられたため、本機はアーガマの戦力としては登場せず、格納庫の一角に1機が寝かされていたが、使用されることはない。それに対してネオ・ジオンのMSとしては、本機の派生機であるシュツルム・ディアスが登場し、劇中でエゥーゴ側と交戦している。

漫画『機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル』では、白く塗装されたアスナ・エルマリート機が登場する。強化人間となったティターンズ所属のエリシア・ノクトンのギャプランと交戦し、両機とも撃墜される。

アニメ『Gのレコンギスタ』では、キャピタル・ガード養成学校の学術研究ライブラリー内にて、発掘された「前世紀のクラシック・コレクション」として、他に発掘されたMSとともに展示されている。

デザイン[編集]

メカニックデザインは、永野護の描いた百式の初期稿を元に、永野護自身が再度デザイン・クリンナップを行っている。初期の『Ζ』MS群で最初のオリジナルMSである(他のMSは既存のガンダム、ジム、ザク、ガルバルディのアレンジだった)ために、リック・ディアスには独自性を持つ意匠が必要とされた。その結果、『重戦機エルガイム』で永野のデザインを支持したファンには受け入れられたものの、従来のガンダムのファンには「こんなのMSじゃない」と拒絶されたと永野は語っている[29]

設定画のうち、上方パース設定だけは藤田一己が起こした。その際、上腕を角ばった形に描いているが、実は永野は上腕を楕円のような形状と想定していた。これは放送当時に発売されたプラモデルを永野自身が改造し、シュツルム・ディアスを製作した際に明かしている[30]

脚部は第二次世界大戦中のソ連製戦車に使われていたような鋳造構造であり、設定画の脚部のディテールアップ稿では、鋳造の湯口の穴の痕や装甲表面のザラザラとした質感も描き込まれている。これは本機のデザインを担当した永野護が戦車マニアであり、そのこだわりによるものである。


設定の変遷[編集]

当初は、装甲材にガンダリウムγを使用してはいるものの、機体構造にムーバブル・フレームを採用していないという設定だった。しかし、のちに第2世代MSの条件が「装甲およびフレームの材質がガンダリウムγ」「全天周モニターとリニアシートを装備」「ムーバブル・フレームを採用」と変更されたため、完成度はガンダムMk-IIに採用されているものに及ばないながら、アナハイム社が独自に開発した最初期のムーバブル・フレームが採用されているという設定に改められた(ただし、ガンダリウム合金ではないガンダムMk-IIと同様に完全な第2世代MSとは言いがたい過渡期のMSであり、第1.5世代MSとも呼ばれる)。なお、機体の性格上シールドは不要と言われているが、永野自身が描いた『月刊ニュータイプ』1994年1月号掲載のイラストでは、丸い小型のシールドを本機小隊が掲げて進軍する姿が描かれている。

ティターンズが同時期に開発したガンダムMk-IIと比較されることも多い。ガンダムMk-IIがオフェンス面(攻撃力)で優れているのに対し、リック・ディアスはディフェンス面(防御力)に優れており、両者の性能は伯仲している[31]。小説版『Ζ』第1巻では、ガンダムMK-IIはリック・ディアスよりもスラスターのパワーが勝り、総合的なキルレシオは両者ほぼ互角、という旨のくだりがある。

アムロ・レイとシャア・アズナブルが共通して搭乗する唯一のMS[要出典]であり、漫画『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―』では、「ジオンの忘れ形見であるキャスバル・レム・ダイクンが設計に携わり、連邦のエースパイロットであったアムロ・レイが搭乗した」ということで、その点に注目したジオン残党も存在したとしている[32]

バリエーション[編集]

プロトタイプ・リック・ディアス[編集]

メカニックデザイン企画『M-MSV』(大河原邦男コレクション)に登場するエゥーゴの試作型MS。

諸元
プロトタイプ・リック・ディアス
PROTOTYPE RICK DIAS
型式番号 RX-098 (RX-98)
頭頂高 19.0m
本体重量 40.5t
全備重量 59.7t
出力 1,790kW
推力 78,500kg
センサー
有効半径
11,500m
武装 ビーム・ピストル
ハイパー・ビーム・サーベル×2
クレイ・バズーカ

リック・ディアスの原型試作機。当初はAE社が独自に開発していたが、開発期間とコストの低減のために同社で請負生産[注 15]している地球連邦軍のMSのムーバブル・フレームを基本構造としている。その結果、搭載ジェネレーターに制限が生じて出力不足に陥っていたが、エゥーゴから新素材ガンダリウムγの技術が導入されることとなったため、それらの問題は解決した。それに伴い、開発プロジェクト名は「γガンダム計画」へ改められることとなった。

本機は機動性や格闘性能に重点を置いて開発されている。メインカメラはモノアイシステムを採用し、さらにサブモノアイを設置している。背部のバックパックは大型で、両側面にシールドとしても機能するバインダースラスターを有する。コクピット自体はリック・ディアスと違い、完全に胴体の中へ納まっている[要出典]

固定武装は、バックパックに設置されたハイパー・ビーム・サーベル2基である。また、クレイ・バズーカやビーム・ピストルを装備する。

劇中での活躍
雑誌「SDクラブ」の短編小説『モビルスーツコレクション・ノベルズ』Act.5「宿敵の幻影」に登場。ジェネレーターの出力不足の問題から開発が行き詰まっていたところにガンダリウムγがもたらされ、リック・ディアスの完成へとつながる経緯が描写されている。また、漫画『機動戦士Ζガンダム Define』でも同様の開発話が描かれており、機体構造の強度不足を解消するため、ガンダリウムγが使用されている。
デザイン
メカニックデザインは大河原邦男

プロトタイプ・リック・ディアス改[編集]

雑誌『ガンダムマガジン』の漫画『ガンダム伝説』第2話「機動戦士Ζガンダム 宇宙を越える者」(著・岩田和久)に登場。

プロトタイプ・リック・ディアスとは頭部と肩の形状が異なっている。特に頭部には大きな差異があり、通常のリック・ディアス型にガンダムタイプのV字型アンテナが取り付けられている。これに伴い、プロトタイプ・リック・ディアスでは胴体部であったコクピット[要出典]が、リック・ディアスと同じ頭部へとレイアウトの変更が行われている(詳細は後述)。劇中では型式番号が登場せず、またキャプションが「リック・ディアス改 プロトタイプ・リック・ディアス」となっているなど表記に混乱が見られる。

クワトロ・バジーナ搭乗によるガンダリウムγの耐熱性検証のための大気圏再突入テスト中、試験飛行中であったティターンズガンダムMk-IIと遭遇し交戦状態となる。ティターンズがガンダリウムγを持っていないことを見抜いたアポリーによって大気圏再突入による戦線離脱が提案されるが、非武装であったため一方的に撃墜される。しかしこれまでのMSと違いコクピット部が頭部であったことが幸いし、コクピットブロックは無傷であった。そのままの状態で予定どおり大気再圏突入を行い、装甲をすべて失うものの脱出ポッドは無事地表に到達。ガンダリウムγの有効性を実証する。

ただし劇中の描写は『Ζガンダム』本編と差異が見られ(例えば、本来ガンダリウムγを使用している機体でもバリュートやウェーブライダーなどSFSのサポートなしでは大気圏突入を行えないなど)、またアニメ設定ではクワトロ自身が否定しているリック・ディアスにガンダムの名称を冠することに関しても、ラストで「リック・ディアスこそガンダムの名に相応しいMSだ」と述べるなどがあり、あくまで非公式の外伝である。

シュツルム・ディアス[編集]

諸元
シュツルム・ディアス
SCHUZRUM-DIAS
型式番号 RMS-099B (RMS-099RS)
全高 25.5m
頭頂高 18.7m
本体重量 32.5t
全備重量 61.3t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 1,920kW
推力 105,000kg
センサー
有効半径
11,500m
武装 ビーム・カノン×2
クレイ・バズーカ
ビーム・ピストル×2
頭部バルカン・ファランクス×2
搭乗者 サトウ
シュツルム・ディアス隊
アムロ・レイ(小説版)
その他 姿勢制御バーニア×9

テレビアニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場。

AE社が開発したリック・ディアスの強襲用強化型。背部のランダム・バインダーを大型化しメガ粒子砲とサブ・ジェネレーターを内蔵したグライ・バインダーに換装し、火力と推力を強化している。そのスピードはリック・ディアスの2.5倍に達するという。そのほか頭部バルカン・ファランクスのカバー形状がリック・ディアスとは異なる。

クワトロ・バジーナ専用機として開発されたが、百式が配備されたため実際には搭乗しない。第一次ネオ・ジオン抗争の際、アナハイム社とネオ・ジオンの政治的裏取引により横流しされ、数機が配備された。またエゥーゴの元ジオン系軍人が寝返った際に、ネオ・ジオンに持ち込んだ機体もある[33]。劇中では、ジオン共和国軍の隠れジオン派であったサトウ率いるシュツルム・ディアス隊が運用する。

小説版『機動戦士ガンダムΖΖ』では、エゥーゴとカラバで運用され、アムロ・レイが搭乗。ジュドー・アーシタガンダム・チームと共闘し、プルツーが搭乗するサイコガンダムMk-IIを撃破する。

ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威』では、グレミー・トト軍の制式カラーである灰色に塗装されたシュツルム・ディアス(グレミー軍仕様)が登場する。

デザイン
オリジナルのデザインは永野護。月刊「モデルグラフィックス」で永野自身による1/144のプラモデルを改造した作例と、各部の改造点を記した画稿という形で初公開された。その際の型式番号は「RMS-099RS」。
本来はエゥーゴのクワトロ専用機としてデザインされた機体で、永野のテキストでは「シャア専用突撃型」と記載されている[注 16]。しかし、テレビ版『機動戦士Ζガンダム』制作時にはデザイン画の提出が行われず、永野の弁によると「忘れた」とのこと。
『機動戦士ガンダムΖΖ』での登場に際して明貴美加によるクリンナップで全身稿が描かれ、第38話においてネオ・ジオンの機体として登場する。既売のプラモデルに新規パーツを追加し、新メカとして劇中に登場させることを目的としたバンダイ主導のデザインコンペの際、モデルグラフィックスから提出された案の中に永野の作例時の設定をベースとした、エゥーゴのベテランパイロット専用機という設定が存在していたが[34]、同作ではモノアイの機体はジオン、と視聴者に分かりやすいMSの配置が行なわれたため、敵役となった。
プラモデル
2004年12月発売のMGシリーズ『RMS-099 リック・ディアス(クワトロ・バジーナカラー)』にはシュツルム・ディアスをイメージさせる追加パーツが付属している。そのパーツを装着したリック・ディアスは若干跳ね上がったカメラアイのひさし(バルカン・ファランクスのカバー前部)や従来より長い膝部のパーツ、追加されたバーニアを持つ姿となる。
2009年4月にHGUCシリーズとして初インジェクションキット化された。商品は劇中で複数の勢力によって運用された設定を反映し、ネオ・ジオン、エゥーゴ、連邦軍のマーキングシールが付属する。

リック・ディアス[シュトゥッツァー][編集]

雑誌企画『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』に登場。

ガブリエル・ゾラ用に試作された増加装備を装着した機体。ゾラがエゥーゴに参加する前に使用していたリック・ドム[シュトゥッツァー]を参考に設計・開発された。開発当初は装備追加による重量増で機動性に難を抱えていた[シュトゥッツァー]系MS共通の弱点を解決できずにいたが、のちに追加されたロング・シールドブースターを併用することにより機動性を強化・向上させることに成功し、さらに巡航形態にすることも可能になった。ただし、リック・ディアス本体に可変機構はないため、[シュトゥッツァー]ユニットのバインダーを左右に展開し、ロング・シールドブースターを背中に装着させる。

リック・ディアス[ガンダムヘッド]
ツインアイとアゴがあるガンダムタイプを連想させる頭部バリエーションもあるが、元ジオン軍であるゾラはこれの使用を拒み、ワイヤーカッターを追加しただけの通常型頭部のみを使用し続ける。腹部にウインチユニット、背中にウイングバインダーを2基装備し、その中にミサイルが充填されている。
最終決戦仕様
最終決戦時には、ロング・シールドブースターを3基接続して推力・攻撃力・防御力をさらに向上させているが、いびつな性能の水増しによって極めてバランスの悪い機体となり、[シュトゥッツァー]のあつかいに長けたベテラン・パイロットであるゾラでなければ、機体のポテンシャルを引き出すのは難しかった。武装プランの一例として、メガ・バズーカ・ランチャーの装備も考案されていた。

リック・ディアス[デルフォイ所属機][編集]

雑誌企画『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』に登場(型式番号:RMS-099[35] または MSA-099[36])。

推力強化のために、腕部にバインダーを追加している。ルシアン・ベント機とソウイチ・オビノ機の2機が存在する。

カラーリングはガンダム[ケストレル]と同様の白と青になっている。

機体デザイン
『刻に抗いし者』の著者・神野淳一が提示した文字設定を元に、モデラーのGASが製作した模型作例がそのまま正式デザインとなっている[37]。機体本体にスラスターやバーニアを追加したり、バインダーをシールドに見えるようなデザインアレンジを行なっている[38]

カノーネ・ディアス[編集]

KANONE-DIAS

漫画版『機動戦士Ζガンダム』(近藤和久作画)に登場(型式番号:RMS-99)。

ペイロードの大きいリック・ディアスの中距離支援仕様。背部バックパックをキャノン砲付きのものに換装している。作中ではアポリーが搭乗するが、登場はわずか3コマのみとなっている。

背部バックパックの換装に伴い、ビーム・ピストルおよびウエポン・ラックが廃止されている。バインダーについては作中ではなく、巻末の説明では付いている。キャノン砲は大口径短砲身が2門。ガンキャノンのキャノン砲に似ているが、作中ではビーム砲らしき描写がされている。

リック・ディアスS[編集]

ゲーム『GGENERATION GATHER BEAT2』シリーズに登場。Dディフェンサーとの連携運用を前提に開発された試作機(型式番号:RMS-099S)。

Dディフェンサー装備のため、マウントラッチの増設などが行われている。単体の性能においても、通常のリック・ディアスを上回る。武装は基本的にベース機から変更されていないが、クレイ・バズーカの代わりに長射程のロングレンジ・バズーカを装備する。外観上の差としては、頭部カバーの形状が異なる。

Dディフェンサー
Gディフェンサーと酷似した名称だが、単独での運用機能は持たされておらず、あくまで強化型バックパックという位置づけである。ただしGディフェンサーのコクピットは後部に接続可能となっている(型式番号:FXA-04)。

スーパーディアス[編集]

リック・ディアスSとDディフェンサーの合体形態(型式番号:RMS-099S+D Defenser)。

スーパーディアスはスーパーガンダムと同様のシステムで運用され、ガンダムMk-IIとGディフェンサーと同様に背面で接合される、Dディフェンサー (D-DEFENSER) と呼称される強化型バックパックを装備できるようになっている。Dディフェンサーを装備した状態ではDディフェンサー組み込み式の2丁のマシンガンを使用する。

Ζ計画の副産物として開発された機体である。難航する可変MSの開発に対して、万一可変機の開発が挫折した場合の保険として、可変機構を持たずとも可変機並の高機動性を確保すべく、開発が進められた。Dディフェンサーを装備した状態であれば、可変機並の機動性を発揮することが可能である。

劇中での活躍
漫画『機動戦士ガンダムΖΖ外伝 ジオンの幻陽』にてエゥーゴの新型MSとして登場。ロングレンジ・バズーカによる狙撃任務に運用され、サイド7から脱出するティターンズ残党の宇宙艇や随伴するハイザックを狙撃する。

リック・ディアスII[編集]

メカニックデザイン企画『Ζ-MSV』に登場。

諸元
リック・ディアスII
RICK DIAS II
型式番号 MSA-099-2
頭頂高 18.52m
本体重量 30.7t
全備重量 58.2t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 1,850kW
推力 102,200kg
センサー
有効半径
11,500m
武装 ビーム・サーベル
2連装メガ・ビーム・ガン

グリプス戦役後期におけるMSの著しい性能向上に対応するために開発された機体。別名は「リック・ディアス改」。出力強化によりΖΖガンダムが装備するメガ・ビームライフルの試作品を携行可能となっている。ガンダムタイプの頭部も用意されていたといわれている。試作機1機が完成しただけで、実戦投入はされていない。

レッテン・ディアス[編集]

雑誌「ゲームぎゃざ」の読者参加型ゲーム機動戦士ガンダム G-STRATEGY』に登場(型式番号:RMS-099NT)。

リック・ディアスをベースとするニュータイプ専用量産型MS。サイコミュは簡易型の準サイコミュにも換装可能で、非ニュータイプ兵の搭乗も可能。

固定装備として腕部有線式ビーム砲、バックパックにはインコムが搭載されている。頭部はシュツルム・ディアスに似たひさしのついたタイプ。コックピットハッチのある位置にバルカンポッドのようなモジュールがあるが、コックピット位置などディアスタイプと共通か不明。腕部有線式ビーム砲はゲーマルクに酷似した指で、武装保持には困難があったと推測される。

バックパックはΖΖガンダムのような大型のタイプ。ビーム・ピストルは撤去されている。

ディジェ[編集]

諸元
ディジェ
DIJEH
型式番号 MSK-008
全高 23.0m[39]
頭頂高 18.4m[39]
本体重量 33.9t[39]
全備重量 51.8t[39]
装甲材質 ガンダリウム合金[39]
出力 1,892kW[39]
推力 28,000kg×2[39]
18,000kg×1[39][注 17]
総推力:74,000kg[1]
センサー
有効半径
11,700m[39]
武装 60mm[40]バルカン砲×2
ビーム・ライフル
クレイ・バズーカ
ビーム・ナギナタ[41][注 18]
ラウンド・シールド[42]
搭乗者 アムロ・レイ
アポリー・ベイ(小説版『Ζ』)
クワトロ・バジーナ(小説版『Ζ』)
シャア・アズナブル
 (『ジョニー・ライデンの帰還』)
その他 姿勢制御バーニア×6[39]

『機動戦士Ζガンダム』に登場。リック・ディアスをベースとしたカラバの試作陸戦用MS。エゥーゴのジャブロー降下作戦以降、多くのMSパイロットたちは機体をカラバに託しシャトルで宇宙に帰還するため、アウドムラに残されたアポリーのリック・ディアスは以降、カラバに参加したアムロの使用機となる。ディジェはその機体を改装したワンオフの試作機である。

AE社キャリフォルニア工廠の旧ジオン系の技術者が多数開発に参加したことから、頭部をはじめゲルググとの類似点が多い。モノアイはリック・ディアスと同型、コックピットも同機に準じて頭部に配置されている。右肩部は右腕をほぼ覆うラウンド・シールドとなっており、左肩にはメガ・バズーカ用のウェポン・ラックを装備[42]。背部に2つある扇形のバインダーは、陸戦用に換装された放熱フィンであるほか、ブーメラン型のスローイング・バスターとしても使用可能だという[43]。カラーリングはグリーン&ブルー。

武装は頭部に60mmバルカン砲を装備、百式のビーム・ライフルやクレイ・バズーカを携行するほか、近接武器として腰部後面にビーム・ナギナタ(ツイン・ビーム・ソード[40])を装備する。

漫画『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―』では独自の設定が与えられている。同作では一年戦争後の幽閉生活から解放されたニュータイプ、アムロ・レイ復活の象徴にするというハヤト・コバヤシの考えで、本機はガンダムタイプの外観になるよう技術者に依頼されていたが、ハヤト以外の関係者の意見により反ティターンズの同志でもあるジオン残党への配慮から、現在のジオン系統の外観となったとされている。これは急な変更であったため、モノアイの裏側にツインアイ用ソケットが残されている[注 19]など、直前までガンダムタイプとして開発していた名残があり、後でガンダムタイプに戻すことも可能とされていた。なお本作では、SFS搭乗飛行時の空力特性を優先して、リック・ディアスにもガンダムにも似ていない曲線的なデザインになったとされる[注 20]

陸戦用の機体とされるが、宇宙での運用は特に否定されていない。書籍『Newtype100%コレクション 機動戦士Ζガンダム メカニック編』(角川書店)には、宇宙を背景にしたディジェのイラストが描かれている他、後年の外伝作品でも宇宙用に改修された機体が登場する(後述)。

劇中での活躍
第35話でのキリマンジャロ襲撃戦において、ティターンズのキリマンジャロ基地付近に降下したカミーユ・ビダンΖガンダムとクワトロの百式を出迎えるようにドダイ改に乗り登場。サイコガンダムを中心としたティターンズの防衛隊と交戦を繰り広げる。続くキリマンジャロ襲撃戦を描いた第36話では、吹雪のキリマンジャロ基地構内でサイコガンダムと対峙するΖガンダムを援護し、サイコガンダムに搭乗したフォウ・ムラサメの最期を見届ける。
第37話ではダカール演説のため、クワトロをダカールの連邦議会に送り届ける。ダカール演説成功後の第38話では、宇宙へと戻るカミーユとクワトロを守り奮戦、メロゥドジェリド・メサバイアランを撃退する。
小説版『機動戦士Ζガンダム』3巻にはクワトロがディジェに搭乗するシーンがあり、キリマンジャロ攻略戦に参加しようとする[注 21]。この時のアムロはリック・ディアスを使用。しかし4巻ではアムロはディジェに搭乗しているように描かれている。
劇場版『機動戦士Ζガンダム A New Translation』にディジェの登場はないが、劇場版の時系列で描かれた漫画『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―』では本機が登場する。
外伝作品にはアムロ機以外も登場する。漫画『ギレン暗殺計画』では、カラバに参加したフィーリウス・ストリームら元ギレン親衛隊員3名が本機に搭乗していることを示唆する描写があり、3機(うち1機は右肩のみ)が1カットのみ登場する。
シャア専用ディジェ
漫画『ジョニー・ライデンの帰還』に登場。
宇宙世紀0090年に、シャアが指導者となって間もないネオ・ジオン軍に譲渡され、サイコフレームの初期テスト用に改修された機体。アームレイカー式に換装されたコックピットのシート下部に、開発されたばかりのサイコフレームが実装されている。赤系統のカラーリングに塗装し直した上でスラスターの追加など宇宙用の改修が施されており、バックパックの放熱フィンは外されシュツルム・ディアス用のグライバインダーを増設。武装はギラ・ドーガと同型のビーム・ライフルを携行し、背面にピーム・ピストルを2基装備。肩のラウンド・シールドやウェポン・ラックは取り外され、代わりにシュツルム・ファウストを装備したギラ・ドーガ用のシールドを両腕に装着している。
デザイン
メカニックデザインは藤田一己。元々はアクシズが開発したハマーンの乗る量産機としてデザインをされていた。放映当時、『月刊OUT』にて連載を持っていた藤田は、「アムロ=ガンダム」のイメージが強かったファンたちから苦情を受けたことを認めており、「アムロ機になると知っていれば、もっと違うデザインにしていた」と言及している。藤田の言葉の裏づけとして、設定画には「機体によって通信アンテナの有無がある」と旧ジオン軍同様の設定が書き込まれている[44]

チャイカ[編集]

月刊誌『コミックボンボン』で連載された近藤和久の漫画『機動戦士Ζガンダム』に登場(型式番号:MS-110)。

アクシズの量産機。デザインはディジェのものを多少変更したもので、アニメ版のガザCに相当する機体。初登場時はハマーン・カーンが操縦する(本作にディジェは登場せず、ガザCもイラストで描かれているのみである)。武器はガザ系同様のナックルバスター。

ディジェのデザイン段階での経緯に沿う形で、近藤がディジェとして受け取った設定画を独自に設定変更して登場させた。番組終了後、近藤は藤田に「やっぱりディジェはジオン系だよね」と言われ、喜ばれたという[45]

ディジェ(SR型)[編集]

模型誌『ホビージャパン』の連載企画「MS IN ACTION ジオンの星」第3回に登場[46]

諸元
ディジェ
DIJEH
型式番号 MSK-008SR
全高 23.8m
頭頂高 19.2m
本体重量 31.3t
全備重量 48.3t
装甲材質 ガンダリウムα
出力 1,892kW
推力 28,000kg×2
18,000kg×1
7,900kg×2
姿勢制御バーニア×6
センサー
有効半径
11,700m
武装 バルカン砲
ビーム・サーベル×2
ビーム・ライフル
搭乗者 クレイマン・アパルト

型式番号にサブタイプとして追加があるが、名称は「ディジェ」のままである。各部装甲の削減により、ノーマル機より運動性能は30パーセント向上している[47]。ノーマル機では右肩のみであったアーマーを両肩に装備、バックパックとソールはΖΖガンダムのものに似ており、前者にはプロペラントタンクを2基装備。専用のビーム・ライフルと、ネモと同型のシールドを携行している。

一年戦争時に地球連邦軍に所属しMS27機の撃墜を記録する、カラバきってのエース・パイロットであるクレイマン・アパルト大尉が搭乗する。

ディジェSE-R[編集]

B-CLUB (模型雑誌)の増刊ムック『機動戦士ガンダム MS(モビルスーツ)大全集―「機動戦士ガンダム」から「逆襲のシャア」まで』を初出とする機体。 B-CLUB (模型雑誌)の連載企画『Ζ-MSV』の機体として分類される。

諸元
ディジェSE-R
DIJEH SE-R
型式番号 SE.DJ-1R
頭頂高 18.6m
本体重量 28.6t
全備重量 58.3t
装甲材質 ガンダリウム合金(推定)
出力 不明
推力 不明
武装 不明

MSK-008をベースに開発した超高性能機。さまざまな革新的機能がされており、まったく別のものといってもよい。

初出の段階では武装は不明となっている。ゲーム『スーパーロボット大戦』『Gジェネレーション』『ギレンの野望』シリーズにたびたび登場するが、タイトルごとに武装も異なり、百式やディジェと同じような装備のほか、ハイメガ粒子砲を装備している例もあった。機体性能も高めである以外に特に傾向はなく、宇宙での運用もできる場合が多いが、『ギレンの野望』では地上用である。

漫画『機動戦士ゼータガンダム1/2』では、グリプス戦役後期のアムロ・レイの乗機について論じる場面で、ディジェ、Ζガンダムと並んで、本機の姿も描かれている。

SEという名称は過去に雑誌連載された『TYRANT SWORD Of NEOFALIA』に登場する新技術「SEジェネレーター」にちなむものと見られ、同作は藤田一己が宇宙世紀世界をベースにメカデザインや世界設定を担当した模型誌独自展開のアナザー・ガンダムであり[48]、「月刊ホビージャパン」1987年10月号から1988年2月号まで連載されていた(未単行本化)。その作中では、「SEシステム」という空間を歪めることが可能な完全新規のシステムを搭載したMSをはるかに凌駕する「ソード」という新型機動兵器の開発・運用試験が描かれていたが、アニメ版『Ζガンダム』とはMSの位置づけ、開発と配備状況が微妙に異なっている。

リック・ディジェ[編集]

諸元
リック・ディジェ
RICK DIJE
型式番号 MSK-008R
頭頂高 24.0m
全備重量 56.7t
武装 頭部バルカン×2
ビーム・ライフル×1
ハイパー・メガ・ランチャー×1
クレイ・バズーカ×1
ビーム・ナギナタ×1
シールド(グレネード×4)×1
搭乗者 アムロ・レイ

宇宙世紀0092年を舞台とする漫画『機動戦士MOONガンダム』に登場[49]。メカニックデザインは形部一平[49]

地球連邦軍外郭部隊「ロンド・ベル」への編入当初におけるアムロ・レイの搭乗機[49]。のちの第二次ネオ・ジオン抗争で主力機となるジェガンはまだ配備前であり、それ以前の主力機ジムIIIではアムロの技量を発揮できないというロンド・ベル司令部の判断により用意された。しかし、アムロを危険視する連邦内での意見から最新鋭のガンダムタイプの提供は見送られ、アムロのカラバ時代の乗機であるディジェを改修する案が採用された[49]。機体色は、改修を担当したメカニックの配慮により、アムロがカラバの第18TFAS所属時に搭乗したΖプラスA1型(テスト仕様)に似た朱色とグレーのツートンに塗られている[49]

おもに宇宙戦に適応した改修がなされており、リック・ディアスのものを発展させた背部バインダーや各部スラスターの換装、放熱フィンの材質変更などが行われている[49]。コクピットの構造も変更され、側頭部への乗降方式から、頭部をうしろにずらして胸部上面のハッチを開ける方式となっている[49]

武装は改修前とほぼ同様のものに加え、裏面に4基のグレネードを懸架可能な左肩シールド、グリプス戦役時代の対艦用高出力ビーム砲であるハイパー・メガ・ランチャーを装備する[49]。なおコクピットの構造変更に伴い、後頭部にはバルカン用の大型弾倉が取り付けられている[49]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ また、ドムタイプにガンダム系の機能を掛け合わせた機体とも呼ばれる[5]
  2. ^ 本機は装甲のみならずフレーム部にもガンダリウムγを用いる事により軽量化が図られ、ペイロードや運動性も向上している[8]
  3. ^ 同時に、本機にはエゥーゴ独自のブロックビルドアップ機構も導入されている[11]。ただし、本機のムーバブル・フレームはモノコック構造と混合した最初期モデルであり、ガンダムMk-IIのものほどの柔軟性はない[12]。また、後続の百式と比較しても、躯体のレスポンスやエネルギー消費においては劣る[13]
  4. ^ この際の命名以降、νガンダムまでのアナハイム・エレクトロニクス製ガンダムにはギリシア・アルファベットを冠したコードネームが慣例となった[14]
  5. ^ 機種名の冠詞「リック」(RICK)は「MS-09R リック・ドム」と同じく宇宙用を意味する[15]が、宇宙戦専用であった「リック・ドム」と違い、本機の実際の仕様は汎用機であり、地球上の大気圏内・有重力下でも運用に支障はない。
  6. ^ この命名の経緯はアニメと若干ストーリーの異なる小説版で語られたものであり、アニメの劇中では語られないものの、『機動戦士ガンダムΖΖ』の第1話「プレリュードΖΖ」などで確認できるうえ、関連資料でも設定として記載されている。ただし、「ディアス」に関しては「エゥーゴの活動が折り返し地点に到達した」云々といった記述は小説版にはなく、ブレックス・フォーラから意味を問われたクワトロ自身は「喜望峰の発見者でそういった名前の人がいた」といった程度の認識で、「ゴロで意味はない」とする趣旨の発言をする
  7. ^ 当時の地球連邦軍における型式番号の命名規則は、各開発拠点に割り当てられた10-19の数値の後に開発順で1桁の数字がつけられる方式がとられているが、09で始まる基地は存在しない。
  8. ^ 『U.C. ARMS GALLERY 03』では、スペックでの出力は百式のビーム・ライフルBR-M-87と同じ2.8MWとされるが、本文ではM-87の出力はL-86の2倍とされている。
  9. ^ 月刊「コミックボンボン」別冊『Ζガンダムを10倍楽しむ本』の永野護によるピンナップに見られる。また、アニメ『ガンダムビルドファイターズ』第3話にてこの使用方法が再現されている。
  10. ^ 第4話参照
  11. ^ 第13話参照
  12. ^ 実際は当時、テレビアニメ『機動戦士Ζガンダム』を制作していたサンライズのセル彩色現場で赤の塗料が大量に余っており、制作コストを下げるために在庫処分目的で赤いMSを多くしたということであった[要出典]
  13. ^ 連載時のみでムックには未収録。
  14. ^ ただし、クィン・マンサは除く(頭部のデザインがガンダムMk-Vから挿げ替えられたため。詳細はクィン・マンサ#機体解説を参照)。
  15. ^ ガンダム関係の書籍にはOEM生産という言葉が多用されているが、OEMとは、相手先ブランドによる自社製品の生産のことを意味し、自社製品でないものを生産することをOEMとは言わない。それらはあくまで請負生産(アナハイムからみて)や委託生産(ライセンス元からみて)と呼ばれる。
  16. ^ 膝アーマーがガルバルディβのもので、下腕部の形状も通常機と異なる。
  17. ^ 以上が「移動用ロケット推力」。ほかに「スラスター推力」として「7,900kg×2」が記載されているが、総推力には計上されていない。なお、『RE/100 MSK-008 ディジェ』説明書では総推力を「74,000kg(ロケット)+15,800kg(ジェット)」としている。
  18. ^ 当初の設定では「ビームなぎなた」と表記されていた。
  19. ^ 食玩『FW GUNDAM CONVERGE 18 ディジェ』やプラモデル『RE/100 MSK-008 ディジェ』ではツインアイ用ソケットがモールドで再現されている。
  20. ^ これは、同作でアムロ自身がディジェに求めたことであり、デザインに不満はなかったようである。
  21. ^ しかしアポリーが搭乗する百式が宇宙から降下したため、クワトロはディジェを降りてアポリーと機体を取り替える。

出典[編集]

  1. ^ a b c d 『ジ・アニメ特別編集 機動戦士Ζガンダム PART3』近代映画社、1986年4月、84頁。
  2. ^ a b c d e f g 『1/144 リック・ディアス』説明書、バンダイ、1985年5月。
  3. ^ a b c d e f g h 『機動戦士Ζガンダムを10倍楽しむ本』講談社、1985年5月、98頁。
  4. ^ プラモデル「リック・ドム」組立説明書, 1/144スケールモデル フルカラーモデル, No.01, バンダイ, (1988年) 
  5. ^ a b 機動戦士Ζガンダム 第一部 カミーユ・ビダン』角川スニーカー文庫、1987年11月、82頁。(ISBN 978-4044101046)
  6. ^ a b c 『電撃ホビーマガジン』2004年3月号、メディアワークス、49-53頁。
  7. ^ a b c d e f g h 『MG 1/100 リック・ディアス』バンダイ、2004年5月、組立説明書。
  8. ^ a b c 『アナハイム・ジャーナル U.C.0083-0099』エンターブレイン、2003年12月、43頁。(ISBN 978-4757716636)
  9. ^ a b c d e f プラモデル「リック・ディアス」組立説明書, 1/144スケールモデル HGUC, No.33, バンダイ, (2002年) 
  10. ^ a b 『ENTERTAINMENT BIBLE 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.2 グリプス戦争編』バンダイ、1989年3月、38頁。(ISBN 978-4891890186)
  11. ^ 『マスターグレード MSN-00100 百式 Ver.2.0』バンダイ、2015年5月、説明書。
  12. ^ 『マスターグレード RMS-099 リック・ディアス』バンダイ、2004年5月、説明書。
  13. ^ 『マスターグレード MSN-00100 百式』バンダイ、2001年3月、説明書。
  14. ^ 『ガンダムセンチネル』大日本絵画、1989年9月初版発行、73頁。(ISBN 978-4499205306)
  15. ^ 『機動戦士ガンダムΖΖ』第1話「プレリュードΖΖ」におけるクワトロ・バジーナ大尉の解説ナレーションによる。
  16. ^ 『マスターアーカイブ モビルスーツ MSZ-006 Ζガンダム』ソフトバンククリエイティブ、2012年12月、19頁 (ISBN 978-4797370959)
  17. ^ 「ザ・オフィシャルアート・オブ・Ζガンダム」『月刊「ニュータイプ」』創刊号、角川書店、1985年3月。
  18. ^ 『マスターグレード MSA-003 ネモ』バンダイ、2006年2月、組立説明書。
  19. ^ 『電撃ホビーマガジン』メディアワークス、2000年8月号、57頁。
  20. ^ 『データコレクション 機動戦士Ζガンダム 下巻』メディアワークス、1997年6月、4頁・51頁。(ISBN 978-4073065326)
  21. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .2 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.2 グリプス戦争編】 』バンダイ、1989年3月、94頁。(ISBN 4-89189-018-5)
  22. ^ 皆河有伽『総解説 ガンダム事典 Ver.1.5』講談社、2009年、238頁。(ISBN 978-4063757958)
  23. ^ a b c d e f g h 玩具『U.C. ARMS GALLERY 03』バンダイ、2006年8月。
  24. ^ a b ビーム・サーベルの設定画より。『MJマテリアル4 機動戦士Ζガンダム メカニック設定集&作例集』バンダイ、1985年6月、31頁で確認。
  25. ^ 『ジ・アニメ特別編集 機動戦士Ζガンダム』近代映画社、1985年8月、104頁。
  26. ^ 『機動戦士Ζガンダム Define』第1巻、角川書店、2011年11月、177頁・178頁。(ISBN 978-4041200674)
  27. ^ 『MG 1/100 ガンダム RX-78 GP-02A』バンダイ、1998年6月、組立説明書。
  28. ^ テレビ版『機動戦士Ζガンダム』第15話・第34話、劇場版『機動戦士Ζガンダム A New Translation』より。
  29. ^ 『ファイブスター物語アウトライン』角川書店、2001年12月、104頁。(ISBN 978-4048534635)
  30. ^ 『GUNDAM WARS PROJECT Ζ』大日本絵画、1986年3月、1988年12月(新装版)、90-91頁。(ISBN 978-4499205252)
  31. ^ 『ガンダムMS列伝』PHP研究所、2008年7月、141頁。(ISBN 978-4569670560)
  32. ^ 『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―』2巻、角川書店、2012年11月、53頁。(ISBN 978-4041205297)
  33. ^ 『機動戦士ガンダムU.C.0084-0089』竹書房、2009年11月、168頁。(ISBN 978-4812440315)
  34. ^ 『GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』大日本絵画、1987年2月、1994年1月(新装版)、82頁。(ISBN 978-4499205269)
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  37. ^ 『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者 エゥーゴの蒼翼 ビジュアルブック コンプリートファイル』メディアワークス、2013年1月、34頁・35頁。
  38. ^ 『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者 エゥーゴの蒼翼 ビジュアルブック コンプリートファイル』メディアワークス、2013年1月、36頁。
  39. ^ a b c d e f g h i j 『ジ・アニメ特別編集 機動戦士Ζガンダム PART2』近代映画社、1986年1月、100頁。
  40. ^ a b 『ENTERTAINMENT BIBLE .2 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.2 グリプス戦争編】』バンダイ、1988年3月、50-51頁。
  41. ^ 『Re/100 MSK-008 ディジェ』説明書、バンダイ、2015年6月。
  42. ^ a b 『1/144 MSK-008 ディジェ』説明書、バンダイ、1986年2月。
  43. ^ 『GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』大日本絵画、1987年2月、1994年1月(新装版)、124頁。
  44. ^ 『ニュータイプ100%コレクション4 機動戦士Ζガンダム メカニカル編 2』角川書店、1998年8月(1986年11月初版)、82頁。(ISBN 978-4048529815)
  45. ^ 『GREAT MECHANICS 22』双葉社、2006年9月、ISBN 978-4575464320、近藤和久のインタビューより[要ページ番号]
  46. ^ 『ホビージャパン』1986年12月号、52-56頁。
  47. ^ 『月刊ホビージャパン9月号別冊 Modeler's Material Series:9 機動戦士ガンダムΖΖ“モビルスーツ・イン・アクション”』1986年12月、35頁。
  48. ^ 『総解説ガンダム辞典』講談社、2007年11月、258頁。(ISBN 978-4063723908)
  49. ^ a b c d e f g h i 『月刊ガンダムエース』、KADOKAWA2017年12月、 68-69頁、 JAN 4910124011270。

関連項目[編集]