コア・ブースター

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コア・ブースター(CORE-BOOSTER)は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。初出は、1979年放送のテレビアニメ機動戦士ガンダム』を再編集した劇場版3部作のうち、1981年に公開された第2作目『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』。

作中の軍事勢力の一つである「地球連邦軍」の戦闘機の一つ。ガンダムなどの人型ロボット兵器「モビルスーツ(MS)」のコクピット兼脱出ユニットである小型戦闘機「コア・ファイター」に大型ブースターを装着した機体で、宇宙と空中の両方で運用が可能。

メカニックデザインは、富野喜幸(現・富野由悠季)監督のラフをもとに大河原邦男がクリーンアップを行った。

概要[編集]

テレビアニメ版『機動戦士ガンダム』に登場するGファイターに相当する機体で、こちらは分離合体機能を廃した現実的なスタイルの航空機としてデザインされた。Gファイターはスポンサーの意向を反映した玩具的なデザインとギミックが採用されており、テレビでこの機体を登場させたことに富野は不満を抱いていた。しかし、劇場アニメ化に際してセイラ・マススレッガー・ロウの乗機であり、フラウ・ボゥが通信士を務める要因にもなったGファイターを単純にカットするわけにもいかず、代替としてコア・ブースターが考案された経緯がある。

機体解説[編集]

諸元
コア・ブースター
CORE-BOOSTER
型式番号 FF-X7-Bst
所属 地球連邦軍
開発 ハービック
全高 6.75m[1]
(ランディング・ギア含む)
/5.5m[2]
全長 13.8m[1]/22m[2]
全幅 12.6m[1]/16m[2]
全備重量 18.3t[1]/110t[2]
装甲材質 ユニバーサル・ジュラルミン[1]
ハイパーチタニウム[1]
エアロ・セラミックIII他[1]
推進機関 熱核ジェット×双発
熱核ロケット×4発
出力 1,880kW[3](260,000馬力)[2]
推力 58,000kg[3]
最高速度 マッハ5.38[1]/マッハ5.2[2]
武装 25ミリ多銃身機関砲×4
メガ粒子砲×2[1]
多弾頭弾×2[1]
ミサイル×4[1]

ガンダム、ガンキャノンガンタンクのコクピットブロックを兼ねるFF-X7 コア・ファイターの後部に、大型ブースターユニットを装着した姿。火力と航続力に制約が大きいコア・ファイターを、本格的な戦闘機として有効活用する目的で開発された。ブースターの装着は、コア・ファイター側の主翼と尾翼を折りたたんで行う。

推進器は熱核ジェット/ロケットのハイブリッドで、大気圏内外双方で運用可能。武装は、コア・ファイター機首の25mm機関砲(30mmとする書籍もあり)に加え、多弾頭ミサイル発射口を装備。そして、モビルスーツ (MS) のように反応炉を主動力とするため、メガ粒子砲2門をドライブすることができたことが本機の火力を極めて強力なものにしている。これに伴い、航続力もコア・ファイターを大きく上回った。緊急時には空中でブースター部分を切り離すことも可能である[1]。ブースター部分の機体色は白で、翼の縁取りに赤が使用されている。開発はハービック社。

本機は戦闘機としての空対空戦闘のみならず、対MS攻撃、MS支援、対潜攻撃などにも対応し、非常に汎用性の高いマルチロールファイターとして仕上がっている。これは、コクピットモジュールであるコア・ファイターが本来RXシリーズMSの操縦装置であり、そのコンピュータが従来の戦闘機の10倍の処理能力を持っていたために実現可能となった。これは操縦の簡易化にも貢献しており、本機をホワイトベースに届けた開発者のセキ技術大佐は、多少の誇張はあるとしても「一度でもガンダムに乗ってりゃ簡単なもんですよ」と述べる。

Gファイターとは異なり、ガンダムを載せて飛行するサブフライトシステムとしての描写はない。

一年戦争時に計16機が生産され、うち6機が実戦に参加する。第13独立部隊ホワイトベースには計2機が配備される。

劇中での活躍[編集]

『哀・戦士編』ではオデッサ作戦にてナンバリングなしの1機が初投入され、ニュータイプの可能性があるとして抜擢されたセイラ・マスが搭乗。黒い三連星のオルテガのドムを撃破する。

『めぐりあい・宇宙編』ではスレッガー・ロウ機(機体番号005)とセイラ・マス機(006)の2機が登場し、ホワイトベースの主戦力として多大な活躍をするが、スレッガー機は地球連邦軍のソロモン攻略戦の際にビグ・ザムへ体当たりを仕掛けるも撃墜される。セイラ機はア・バオア・クー攻略戦まで戦い抜くが、その終盤に放棄される。

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では「オデッサ編」から登場。オデッサ攻略に参加するホワイトベースに1機配備され、スレッガーが搭乗する。テレビアニメ版とは異なり大型機関砲を装備しており、ジオン公国軍のドップ部隊を多数撃墜する。また、ガンダムを乗せて飛行するサブフライトシステムとしての運用も可能。戦場が宇宙に移行してからは、武装がメガ粒子砲に変更される。

コア・ブースタープラン004[編集]

諸元
コア・ブースタープラン004
CORE BOOSTER PLAN-004
型式番号 FF-X7Bst PLAN004
所属 地球連邦軍
全長 不明
重量 不明
武装 25ミリ機関砲×4
ペンシル型ミサイル×4
メガ粒子砲×2
バルカン砲×2

メカニックデザイン企画『MSV-R』に登場。コア・ブースターの試作案の1つ。

開発開始から3か月後に2機の試作機がジャブローでロールアウトし「FF-X7Bst PLAN004」の開発ナンバーが与えられた。本機はエンジンを換装することで大気圏内外での行動が可能であり、大気圏外と高速時において主翼が機部から90度折れ曲がる機構が採用され、本体下面にある4基の兵装ステーション内2基には通常バルカン砲ユニットが選択されている。試作された2機はジャブローとルナツーに1機ずつ送られて各種飛行試験が行われ連邦軍を満足させる性能を見せたものの、制式採用には至らなかった。しかし、本機で得られたデータはのちのジェット・コア・ブースターやコア・ブースターIIに活用されることとなる。

『MSV-R』の原典たる『モビルスーツバリエーション(MSV)』にもコア・ブースターの試作プランが2機種掲載されている[4]。本体はプラン004と似通っており、一つは同機から翼を全て廃したような外観で、両脇のブースター・ユニットはロケット・エンジン。もう一つはさらにブースター・ユニットも廃し、代わりに『スター・ウォーズ』シリーズに登場するタイ・アドバンストのような形状の翼を持つ。

漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』では紅く塗装された機体が登場する。リミア・グリンウッドは「レッドバロン」と呼ばれた第一次世界大戦時のパイロットにあやかって、と述べるが、右翼の「RB」のマーキングはジョニー・ライデンのものとなっている[5][6]。コア・ブースターに限らず、「V作戦」関連の情報は1年戦争から10年が経過した時期でも大部分は機密指定されたままであり、本機はゴップ議長の手配で機密が解除されたという。

ジェット・コア・ブースター(コア・イージー)[編集]

OVA機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場。コア・ブースターを大気圏内専用に簡易化した戦闘爆撃機。コア・ファイターの機首をブースター部分にそのまま接合したような形状で、機体色は灰色と青。

機体底面にウェポンベイがあり、クラスター爆弾(劇中の描写では地底貫通爆弾)を搭載できる。『第08MS小隊』第7話では雪山に不時着したジオン軍モビルアーマー(MA)「アプサラスII」の捜索に従事。ノリス・パッカード大佐が操縦するドップと遭遇し、空中戦の末に撃墜される。第10話ではジオン軍の秘密基地があると推定される山岳に対し編隊で爆撃を敢行。このとき、量産型ガンタンク部隊の砲撃を誘導していた1機が、ノリス操るグフカスタムのヒートサーベルによる斬撃を受けて撃墜される。

コア・ブースターII・インターセプトタイプ[編集]

OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO -黙示録0079-』に登場。迎撃能力に特化したバリエーション機。大気圏外から侵入してきた敵を高高度で迎撃するため、左右のポンツーンにブースターを装備しており、プロペラントタンクを兼ねた大型ブースターやプロペラントタンクを取り付けることで機動性や行動半径が向上している。しかし確認できる武装はガトリング砲のみ(コア・ファイターの機関砲口もなくなっている)で、メガ粒子砲が設置されていた箇所に電子戦ポッドと思しき機器とともにかぶせる形で設置されている。それ以外の武装として設定上は空対空ミサイルが装備可能である。一年戦争末期、ジャブローからの連邦軍宇宙艦隊の打ち上げ阻止目的で投入されたジオン軍の試作兵器モビルダイバー「ゼーゴック」を至急迎撃するため使い捨て式のロケットブースターを装備し出撃。ゼーゴックおよびその回収機であるガウ攻撃空母の撃墜に成功する。

タイニーコア・ブースター[編集]

漫画『アウターガンダム』に登場。地球連邦宇宙軍の迎撃戦闘機で、機体サイズはコア・ファイターより一回り大きい程度にまで縮小されている。作中で確認できる武装はミサイル6発のみで、宇宙空間以外で運用されている場面はない。星一号作戦前の地球連邦軍第七艦隊に配備されており、ジオン軍の機動要塞への攻撃に参加する。

コア・ブースターII(ガンダム試作0号機)[編集]

コア・ブースター(Gコア)[編集]

諸元
コア・ブースター(Gコア)
型式番号 FXA-08GB
所属 地球連邦軍
建造 アナハイム・エレクトロニクス社
全長 16.03m
全幅 14.67m
全備重量 27.25t
推力 535.000kg
推力比(19.63)
武装 ミサイルランチャー×4
ビームカノン(12MW)×2
ビームスマートガン (56MW)(オプション)

雑誌企画『ガンダム・センチネル』では、Sガンダムのコア・ファイターである「Gコア(型式番号:FXA-08GB)」を使用したコア・ブースター(型式番号:FXA-08GB-Bst)が、作品自体には登場しないものの、いくつかデザインされている。

Ex-Sガンダムの本体に装着されている、バックパックのブースターユニットをGコアに接続した物が基本である。接続自体はほぼ無改造で行うことができ、簡単なセッティング変更のみで対空、対地、戦闘、爆撃、迎撃、超長距離航行など多彩な任務に対応可能な汎用性を持つ。

大気圏内用に主翼を装備したタイプや、宇宙空間での長距離、長時間活動用として、Sガンダムのビーム・スマートガンを装備しGコアとブースターユニットの間に、プロペラントタンクを搭載したタイプ(型式番号:FXA-08GB[Bst]Ex)がデザインされている。これはエクステンディッドタイプと呼ばれ、大推力を活かして、Bst-Sガンダムや改造型Ζプラス(ハミングバード)といった超高速機との編隊行動を組むことが想定された機体である。

標準で12MWのビームカノンを2門装備し、火力においても十分な性能がある。各種用途に合わせ、ハードポイントにミサイル類を搭載することも可能である。

またコア・ブースターやウェイブライダーの操縦訓練機として、コア・ファイターと共通の機首を持つ大型戦闘機「ワイバーン」が登場する。

コア・ブースター(Vガンダム)[編集]

宇宙世紀0153年が舞台のテレビアニメ『機動戦士Vガンダム』では、ヴィクトリーガンダムのコア・ファイターに、Vダッシュガンダムのバックパック部分の増加装備であるオーバーハングパックを装着した形態がコア・ブースターと呼ばれている。元のコア・ファイターの武装である60mmバルカン砲2門に加え、ガトリング砲2門とビーム砲2門が追加される武装強化がなされている。また、機体下部のハードポイントに折り畳んだビームスマートガンを懸架することも可能。

コア・ブースター(ウイニングガンダム)[編集]

ガンプラバトル」を題材としたテレビアニメ『ガンダムビルドファイターズトライ』では、ウイニングガンダムの飛行形態がコア・ブースターと呼ばれている。これは後継機であるスターウイニングガンダムにも受け継がれ、スターウイニングガンダムではさらに後部に強化バックパックを装着した「メガ・コア・ブースター」形態も設定されている。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l 『ロマンアルバム・エクストラ 機動戦士ガンダムII 哀 戦士編』(徳間書店、1981年9月)67頁。
  2. ^ a b c d e f 『講談社のポケットカード8 機動戦士ガンダム モビルスーツコレクション』(講談社、1982年1月)
  3. ^ a b 『ガンダム タクティクス モビリティフリート0079 公式ガイドブック 特別付録 SUPPLEMENT CD-ROM』(ケイブンシャ、1997)
  4. ^ 『模型情報・別冊 MSバリエーション・ハンドブック2』バンダイ、1983年5月、6頁。
  5. ^ マンフレート・フォン・リヒトホーフェンの機体はジョニー・ライデンの元ネタの1つである。
  6. ^ 『ジョニー・ライデンの帰還』3巻2ページでは「リヒトホーフェンカラー」と記載されている。

関連項目[編集]