フォーミュラ計画

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機動戦士ガンダムF91 > サナリィ > フォーミュラ計画

フォーミュラ計画(フォーミュラけいかく、またはフォーミュラプロジェクト、英語名はFormula Project)は、アニメーション映画機動戦士ガンダムF91』にて設定上存在する架空の計画。S.N.R.I.(サナリィ)が発動した小型モビルスーツ (MS) 開発計画である。

概要[編集]

宇宙世紀0102年、サナリィは連邦政府に対し、MS小型化の指針を提示[1]。これを受けて連邦軍はアナハイム・エレクトロニクス社に小型MSの開発を要請し初の小型MSとして「ヘビーガン」を完成させたが、その性能に不満を持ったサナリィ自身も連邦議会の承認を経て「フォーミュラ計画」とする小型MS開発計画を進め[2]、宇宙世紀0111年9月にF90を完成させる。翌0112年(0111年10月とする資料もある)[2]に開催された連邦軍の次期主力機コンペにおいて、F90はAEが開発した試作機「MSA-0120」に圧勝し、MS開発の主導権をサナリィへと移した[3]。開発に至ってはサナリィ幹部のジョブ・ジョンが携わっている[4]

フォーミュラ計画によって開発された機体群は、それ以前のMSとは異なる規格となり、第二期MSと呼べるものである[5]。出力の効率はそのままに機体の小型化に成功しており、軍事費の削減にも寄与した[5]


型式番号

バンダイ発行の雑誌「模型情報」別冊『SUPER MJ 機動戦士ガンダム最新MS造形資料集』によると、フォーミュラ計画は以下の分類でMSの設計開発が行われていたとされる[6]。このうちF60シリーズおよびF80シリーズに属するMSは発表されていない。

  • F50シリーズ - AFV型MS
  • F60シリーズ - 局地戦用格闘型MS(コードナンバーのみで廃止、とされている)
  • F70シリーズ - 支援用MS
  • F80シリーズ - 汎用量産型MS
  • F90シリーズ - 主力MS

開発番号は例えばF90シリーズの場合、1番目に開発された機体がF90、2番目に開発された機体がF91と指定され、10番目に開発された機体はF99となる(11番目以降はF01から始まるという説もある[6])。

F80シリーズについてはヘビーガンの後継を目的としたMSが計画されていたと記載されていただけで具体的な設定は長い間無かったが、2018年に漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』の中で、小型高性能モビルスーツであるF90開発の前段階として現行規格での性能検証のための機体F89が存在することが明らかとなった。

F50シリーズ[編集]

F50シリーズではAFV型MSの研究が行われていた。

  • F50D/RX-107[要出典]
    • RXR-44 ガンタンク-44
    • ガンタンクR-44 パワードウェポンタイプ[要出典]

F50D[編集]

「F50シリーズ」の存在について、書籍『SUPER MJ 機動戦士ガンダム最新MS造型資料集』で言及されている[6]。ジェネレータに核融合炉を採用したAFV型モビルスーツとされ、ガンタンクと関連付けられて紹介されている。

また、本種別の目的として戦闘支援兵器であるGブルと可変モビルスーツの発想をまとめ、長距離支援用の機体を従来の半分の機体サイズに収めようと試みられたものとされる[7]。ガンタンクR-44は「F50D」の改装機だったとの推測も存在する[6]

ガンダムUC」に登場するD-50C ロトはサナリィで開発された機体であり、後続のF50の系列に連なるMSと目されている。また、同機の開発を契機としてサナリィはMS小型化の研究を開始している[8]

ガンタンクR-44[編集]

アニメーション映画『機動戦士ガンダムF91』に登場する可変MS。

諸元
ガンタンクR-44
GUNTANK R-44
型式番号 RXR-44
所属 地球連邦軍
建造 サナリィ
生産形態 試作機
頭頂高 10.3m
本体重量 8.7t
全備重量 11.8t
出力 1,050kw
推力 14,000kg
武装 200mmキャノン×2
4連ミサイルポッド2基
フィンガーランチャー
搭乗者 ロイ・ユング
シーブック・アノー

フロンティア4の戦争博物館館長であったロイ・ユングが、私的に所有していた可変MS。頭長高約10mと、小型化が主流であった当時においてもひと際小型なサイズが特徴となっている。「R-44」は、ロイが44歳の時に本機を入手したことにちなむとされている[9]

人型の2本脚の背面側にキャタピラを備えており、2足歩行するMS形態と、両脚を前に伸ばして座った姿勢でキャタピラを用いて走行する戦車形態(タンクフォーム)を使い分ける、簡素な変形機能を有している。タンクフォーム時は車高が抑えられることから被弾率が低下し、射撃安定性は向上するが、機動性は著しく落ちるとされている[9]。可変機構を採用した理由としては1年戦争時の支援兵器であったGブルのコンセプトと可変MSの発想をまとめたためとされる[10]

後年の作品『機動戦士ガンダムUC』に登場したD-50C ロトのように兵員輸送目的と明言されてはいないが、小型機の割に乗員が多く、胸部前面ハッチから乗り込む上部コックピットには左右胸部と中央部に3名分の操縦席があるほか、股間部前面にも1名分のコックピットがあり[11]、設定上ではコックピットハッチ上部に多目的収納庫を備え、股間部背面にも乗員用ハッチが設けられていた[11]

頭部は、主にMS形態で使用されるゴーグルカメラ部とタンク形態で使用される額のセンサーの2種類から構成されている。また、試作機ゆえにセンサーなどはジェガンタイプの内装部品を[9]、スラスターなどはギラ・ドーガの部品を[7]流用しているとされる。

武装は200㎜キャノン砲2門とマニピュレータ兼用のフィンガーランチャー、外装式の4連ミサイルポッドを備える。200㎜キャノンについては徹甲弾を使用している。開発時にはビームキャノンの搭載も検討されたが、開発方針として機体の小型化が優先されてスペースが確保できなかったことから、実体式となった[9]。ただし、本機体はロイ自身によって徹甲弾の炸薬や砲身に手が加えられているとされる[9]。4連ミサイルポッドについては汎用性を持たせるためにマニピュレータを装備することとなった結果、外装式になったとされる[9]

本機体は、宇宙世紀100年以降の次期主力MS開発プランとして挙がったものの1つとされている[9]。MSの小型化を模索している時期に、ミドルMSを改造して核融合炉を搭載することで小型化を達成しようと宇宙世紀0107年頃に開発された[7]

結局、小型MSが動くという以上の大きな成果は得られず、正式採用には至らなかった。この結果をうけサナリィの小型MS開発方針は従来型MSを縮小する方向で確定したといわれる。実験後に放棄されていたものをロイ将軍が引き取り、個人的に復元し有事に備えて改修を施していたとされている[9]。 レストアの際は寄せ集めの部品を組み合わせてでっち上げたとしている資料[12]もあり、管理状態は万全ではなかったようである。

本機体の開発はフォーミュラ計画の一環でもあり、核融合炉を搭載したAFV型MSであるF50シリーズの1つともいわれる[7]。一部の資料で、本機体は「F50D」の改装機と推定している[13][7]

劇中での活躍
フロンティアIVがクロスボーン・バンガード (CV) の襲撃を受けた際にロイが起動させ、襲撃から逃れてきた難民であるシーブックたちを巻き込んで戦闘に参加しようとした。しかし、モニターが下がらなかったりコックピットハッチが閉じなかったりとろくに整備されていない状態であり、初撃時に左200mmキャノンの砲身が発砲の圧力に耐えられず破裂したうえ、右キャノンもデナン・ゲーの攻撃で爆砕して機体は中破し、ロイは死亡する。シーブックたちも、友人の1人であったアーサーを失うこととなった。小説版では、キャノンの誘爆によってアーサーとローバーが戦死するが、ロイは死亡せず、クリスとともに連邦軍士官に説得され、本機体を放棄して避難した。
その後はシーブックたちがフロンティアIVから脱出するために使用し、スペースポートへ移動中に子供を盾として利用しようとした連邦軍のGキャノンと対峙するが、これをかわしている。スペースポートではCVに拉致されるセシリーを奪還するためにシーブックが単独で搭乗したが、シオ・フェアチャイルドに銃撃された影響でまともに操練できずベルガ・ダラスのショットランサーを脚部に受け、機能停止した。黎明期の小型MSの性能ではCVの最新型MSに太刀打ちできなかった(シーブックは本機を「10年以上前に製造されたMS」と称している)。セシリーは放棄された本機体のコクピットの血痕を見て、シーブックは死んだものと誤解してしまう。
デザイン
メカニックデザイン大河原邦男[注 1]。後年の『機動戦士ガンダムSEED』シリーズには、この機体に類似した変形システムを持つ火力支援用MSザウートが、同じく大河原によるデザインで登場する。

F70シリーズ[編集]

F70シリーズでは中距離支援機の研究が行われていた。開発コードの「F7」は一年戦争時のガンキャノンを継承する形で付与された[14]

  • F70 キャノンガンダム
  • F71 Gキャノン
    • F71 Gキャノンパワードウェポンタイプ(フル装備型)
    • F71 Gキャノンビームキャノン&精密標準システム搭載タイプ
    • F71 Gキャノン改良型200mmキャノン砲搭載タイプ
    • F71 Gキャノン200mm長距離砲搭載タイプ
    • F71 Gキャノンヴェスバータイプ

キャノンガンダム[編集]

諸元
キャノンガンダム
CANNON GUNDAM
型式番号 F70
所属 地球連邦軍
建造 サナリィ
生産形態 試作機
頭頂高 14.8m
本体重量 8.2t
全備重量 22.5t
装甲材質 ガンダリウム合金セラミック複合材
出力 3,850kW
推力 27,440kg
(2,860kg×2、2,550kg×4、3,840kg×3)
武装 バルカン砲×2
3連マシンキャノン×2
ダブルビームガン×2
ビームサーベル×2
ビームライフル
その他 アポジモーター×48

バンダイ発行の雑誌「Bクラブ」の連載企画『月刊MSジャーナル』に登場する、地球連邦軍の中距離支援用試作型MSである。プロトタイプGキャノン(プロトタイプジーキャノン、PROTOTYPE G-CANNON)とも呼ばれる。

サナリィのフォーミュラ計画の機体が連邦軍の次期主力機として内定した際、ガンダムF90でテストされた装備のうち特に評価が高かった[15]サポートタイプの量産を計画して開発した量産原型試作機である。宇宙世紀0122年までには完成していたが、開発はサナリィ内部でも機密扱いであったため、存在が公表されたのは量産型であるGキャノンの配備が開始された後だった[16]

汎用機に追加オプションを装備したF90Sから支援量産機として装備の固定化、最適化が図られており、胸部コックピット構造[注 2]や背面および脚部スラスター構造などは同時期に最終調整が進んでいたF91からの技術的なフィードバックがあったといわれる[16]。支援機として最適化されたことにより、一部性能は原型機を上回っていた。

肩部ハード・ポイントにはメインウェポンとして3連マシンキャノンのほか、ビーム・キャノンや実弾式150mm高速砲が選択可能[16]で、これらは近接戦闘時などに強制排除することもできた。ビームサーベルおよびビームライフルはヘビーガンと共用で、原型機ゆずりのハード・ポイントも機体各所に備えており装備の拡張性も高かった[16]

中距離支援用であるが、汎用性も十分あり、その性格から攻撃用MSと呼ばれることもある。これを基にさらなる設計変更が加わりF71 Gキャノンが誕生した。

一方で、AEはF71のOEM生産の経験からノウハウを蓄積し、後にF70とは別に独自に性能向上を図ったハーディガンを自社製品として発表している。専門メディアによってF70の存在が世間に公表されて以降、AEは表向きにOEM生産以前に独力で開発した事を主張しているものの、その後にAEがサナリィに行った違法な技術盗用の疑いをさらに深める事ともなった。

デザイン
メカニックデザインは大河原邦男[18]

Gキャノン[編集]

アニメーション映画『機動戦士ガンダムF91』に登場する、地球連邦軍の中距離支援用量産型MSである。サナリィが設計開発したMSであるが、OEMによりアナハイム・エレクトロニクス(AE)が製造を担当した。

諸元
Gキャノン
G-CANNON
型式番号 F71 (F-71)
所属 地球連邦軍
建造 設計・開発・建造=サナリィ
OEM建造=アナハイム・エレクトロニクス社
生産形態 量産機
頭頂高 14.3m
本体重量 8.7t
全備重量 23.1t
装甲材質 ガンダリウム合金セラミック複合材
出力 3,350kW
推力 89,260kg(27,840kg×2、16,790kg×2)
武装 バルカン砲×2
4連マシンキャノン×2
ダブルビームガン×2
ビームサーベル×2
ビームライフル
搭乗者 地球連邦軍一般兵士
その他 アポジモーター×50

ガンダムF90サポートタイプの量産モデルに相当する機体である。サナリィが連邦軍の次期主力MS調達先に内定した際、同社は本来F70キャノンガンダムをそのままの仕様で量産化する予定だったが、研究機関から半官半民の企業へ移行してからまだ歴史が浅く、その当時は連邦軍の需要を満たしうる生産能力・実績を持っていなかった[15]。さらに連邦軍からの量産コスト低減要求と長年のMS供給実績を持つAEを無視することができないという政治的思惑により、製造はAEに委託するという体制が採られた。AEでの委託生産にあたり、既に生産体制が確立していたヘビーガンの生産ラインを活かすためF70を再設計して機構を共通化し[17][19]、F71 Gキャノンとして宇宙世紀0115年にロールアウトした[20][注 3]。A・Eの既製品をベースに製造したために、マッチングの問題からF70ほどの性能は発揮できなかったものの、推力重量比を含めた性能はそれまでのMSとは一線を画している[19]

バンダイ発行の雑誌「Bクラブ」70号(1991年8月)の『月刊MSジャーナル』では、一部の連邦軍サイドからの要求に応えたこの大幅な設計変更は、サナリィのF70開発陣にとっては不本意なものであり彼らはロールアウトしたF71に対し不快な表情をあらわにしたと伝えられている。実際のところアナハイムに製造を委託しているとは言いながらも、機体制御コンピューター等の技術提供をサナリィ側が拒否するなど、過度の秘匿主義がAE側の反発を呼んだとも噂されており、両者の関係は良好と言えるものではなかったという。

F71は設計にあたり汎用機体であったF90Sから支援攻撃MSとして徹底的に最適化され、機体の軽量化・効率化に成功。かつてのガンキャノンを想起させる、大型のマシンキャノンを両肩に装備する。使用されているジェネレーターやスラスターはAEの既製品[19]だが、サポートに必要ない機能をそぎ落としたことで同時期の主力機であるヘビーガンと比べより大型のジェネレーターを搭載できる容積を確保、ヘビーガンよりも頭一つ分弱コンパクトにまとめながらも数値上はサナリィ純正機やブッホ製MSに匹敵する性能を得て連邦軍の要求する水準は十分満たした。頭部にF70(一説にはF90[14])と同タイプのものが装備される予定だったが、ヘビーガンと共通化されたことで往年のRX-77に似たゴーグルタイプのセンサーになったといわれる[17]。ただし、開発時の連邦軍の仮想敵があくまで暴動レベルの反政府勢力であった為、主用途が暴徒鎮圧の対人戦闘に置かれており、本格的な対MS戦闘ではいささかの見劣りは否めない。コックピットの仕様はヘビーガンと同一で、F91からフィードバックされたF70の胸部構造はオミットされた[17]

しかし、本機にはミッションパックによる拡張性が確保されているため、対MS戦用のミッションパックを装備することで戦力を補える。また中距離支援用MSであるがビームサーベルを標準装備しており格闘戦もこなせる。

武装[編集]

4連マシンキャノン
暴徒鎮圧の対人戦闘の兵器。カートリッジ式で、中口径徹甲弾が装てんされる[14]。銃身は4門だが排莢口は一つである[14]。コロニー内戦闘用の非ビーム兵器として装備される。状況によりユニットごと排除可能で、最初から装備しない運用も選択できる[14]
ダブルビームガン
腕部に装着された小口径のビーム兵器。片腕に2門ずつ装備する。本来支援用として設計されたF71だが、キャノン砲排除時に格闘戦を行う想定で採用された[14]Gキャノン パワードウェポンタイプの画像との比較からダブルビームガンはハードポイントから取り外しができることが予測される[独自研究?]
頭部バルカン砲
近接戦闘用に2門標準装備。
ビームライフル
ヘビーガンと共用のフルバレルタイプのビームライフル。
シールド
ヘビーガン用のシールドと同一。腕部ダブルビームガンにシールド接続パーツを介して接続する。またダブルビームガンをハードポイントから取り外せば直接シールドを取り付けられる。

劇中での活躍[編集]

連邦軍防衛隊として数機が登場した。本編では設定やスペックほどの活躍を見せることはなく、ジェガンと同じくクロスボーン勢MSに一方的に撃破された。さらには周囲の警戒を怠り、両肩の4連マシンキャノンを発射した際に落下した薬莢が避難中の民間人コチュン・ハインの母親を直撃、これを死亡させ、またコロニー自体も誤射で損傷させてしまう。その他にもガンタンクに乗って避難中のシーブック達を逆に威嚇する等、防衛隊本来の役割を果たせなかった。

バリエーション[編集]

4連マシンキャノンパック非装備型
もともと支援用機体として造られたF71 Gキャノンだが、格闘性能の高さから最初からキャノンパックを外して運用されることもあった[14]。映画『機動戦士ガンダムF91』の劇中でもキャノンパック非装備型のGキャノンがヘビーガンのビームライフルと盾を持って3機編隊で飛行しているシーンが描かれている。
サナリィ生産版
サナリィの生産体制が整って以後は、サナリィ工場からも多数の機体が供給された。サナリィ製機体とAE製機体では、ジェネレーターの定格出力がサナリィ製の方が高い上に、機体制御コンピューター等の性能差もあり運動性が違うとされる。また、サナリィ製の純正ミッションパック(VSBR等)もAE製機体は装備できないとされている。
Gキャノンマグナ
F71生産の経験からノウハウを蓄積し、サナリィから不正手段で取得した技術も加えて制作した発展型。

ミッションパック[編集]

Gキャノンには肩部を含めていくつかのハードポイントが存在するため、ガンダムF90のミッションパックのうちいくつかが使用可能である。また、4連マシンキャノンを別の火器に変更する案も存在した。バックパックを換装することも4連マシンキャノンを外して白兵戦用とすることも可能である。

パワードウェポンタイプ (Powered Weapon Type)
『月刊MSジャーナル』および『F91-MSV』に登場。フル装備型 (Full Equipment Type) または長距離支援仕様ともいう。Gキャノンの迎撃仕様で、F90Lを参考に設計されたといわれる[22]。F71の設計段階から想定されていたプランとされ、航空近接支援攻撃(クローズエアサポート、CAS)としての目的もある。右4連マシンキャノンをツインビームキャノン(RX-77-4 ガンキャノンIIでも試験されたことがあるという)に、左4連マシンキャノンを対空管制照準システムに変更し、右肩のハードポイントに対空管制照準システム、左肩に地対空ミサイルと照準センサーおよび補助アポジモーター、右腕にガンユニット、左腕に2連電磁レールガン、両足にそれぞれスラスターユニット(推力:16,290kg)を装備している。
なお、B-CLUB70号では以下の通り設定されていた。
ツインビームキャノン:超長距離用ビームシューター
地対空ミサイル:大型ミサイルランチャー
右腕ガンユニット:2連装グレネードランチャー
左腕電磁2連レールガン:2連装88mmヘビィマシンガン(高速徹甲弾)
両脚部スラスターユニット:追加増速用ブースターパック
オプションユニットは戦闘中の強制排除が可能だが、肩アーマーの装備は固定化されているため、丸ごと交換の必要があり、原型機のフレキシビリティは失われていた。
ビームキャノン&精密照準システム搭載タイプ
講談社発行の雑誌「ガンダムマガジン」に登場[23]。Gキャノンの防空仕様。RX-77-4 ガンキャノンIIのビームキャノンと精密照準システムを発展させたタイプである。右4連マシンキャノンをビームキャノンに、左4連マシンキャノンを精密照準システムに変更し、両足にそれぞれF90Sタイプのクルージングミサイルを装備している。これにより、ノーマルタイプよりもより遠くの敵を撃ち落せるようになった。ビームキャノンと精密照準システムは、パワードウェポンタイプのプロトタイプというべき装備である。
改良型200mmキャノン砲搭載タイプ
『ガンダムマガジン』に登場[23]。Gキャノンの接近戦仕様。RX-77-3ガンキャノン重装型の240mmキャノン砲を発展させたタイプである。4連マシンキャノンを改良型200mmキャノン砲に変更し、両足にそれぞれF90Dタイプの5連ロケット弾パックを装備している。これにより、火力は劣るものの軽量化され、接近戦に向いた機体となった。
200mm長距離砲搭載タイプ
『ガンダムマガジン』に登場[23]。Gキャノンの長期戦仕様。ジム・キャノンの240mm長距離砲を発展させたタイプである。右4連マシンキャノンを200mm長距離砲に変更し、左4連マシンキャノンは外している。砲の口径が下がったことで弾薬が節約され、より長時間の戦闘が可能となった。各ハードポイントに予備の弾倉を装備することも検討されているという。
ヴェスバータイプ(V.S.B.R. Type、新型火器試験仕様)
『F91-MSV』に登場。Gキャノンの新型火器試験仕様。4連マシンキャノンをヴェスバーに変更している。V.S.B.R制御の電子機器や機体制御コンピューター等の技術の関係からサナリィ製造分のF71には取り付け可能なミッションパック。
Gキャノンのミッションパック対応
  右肩部 左肩部 右腕部 左腕部 右背部
(バックパック)
左背部
(バックパック)
右脚部 左脚部
本体(白兵戦タイプ) - - - - - - - -
ノーマルタイプ - - - - 4連マシンキャノン 4連マシンキャノン - -
パワードウェポンタイプ 対空管制照準システム 地対空ミサイル&照準センサー ガンユニット 2連電磁レールガン ツインビームキャノン 対空管制照準システム スラスターユニット スラスターユニット
ビームキャノン&精密照準システム搭載タイプ - - - - ビームキャノン 精密照準システム クルージングミサイル クルージングミサイル
改良型200mmキャノン砲搭載タイプ - - - - 改良型200mmキャノン砲 改良型200mmキャノン砲 5連ロケット弾パック 5連ロケット弾パック
200mm長距離砲搭載タイプ - - - - 200mm長距離砲 - - -
ヴェスバータイプ - - - - ヴェスバー ヴェスバー - -
デザイン
メカニックデザインはGキャノン、パワードウェポンタイプ、ヴェスバータイプ共に大河原邦男。またビームキャノン&精密標準システム搭載、改良型200mmキャノン砲搭載、200mm長距離砲搭載のプラモデル改造案も大河原邦男。パワードウェポンタイプは、『ガンダムマガジン』第1号での発表時はフル装備型という名称であったが、『ガンダムマガジン』第5号で『F91-MSV』のタイトルと共に発表されたときにはパワードウェポンタイプに変更されている。

F80シリーズ[編集]

F89[編集]

漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』に登場。サナリィが小型モビルスーツであるF90を開発する前段階として、UC100年代の時点におけるモビルスーツサイズでの完成型を追求した試作機。新入社員時代に開発にかかわったフランク・オズによれば「大型モビルスーツ・技術の集大成」。このMSによる模擬戦闘などで収集したデータを基にダウンサイジングすることでF90が生み出された。F80シリーズは本来フォーミュラー計画における次世代汎用量産機として計画されたものであるが、前述にもあるようにF89はF90開発データ収集機であるため量産を意図していない。そのためF89というコードナンバーは連邦軍公認のものか、サナリィ内におけるものか現時点では不明である。月刊ガンダムエース2018年8月号には、大河原邦男が描き下ろした機体イラストの腰から上の部分が掲載されている[24]

2機が製造され、その内の1機がフランク・オズにより『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』の主役モビルスーツ「 アンカー」の基礎フレームに流用された。宇宙戦国時代後期の技術力が低下した時代に作られたため複数の機体や重機等のパーツが組み込まれており、破損したパーツをありあわせの部品で修理を重ねているため原型の面影はほとんど無い。もう1機は原型を留めたままルナ2に秘匿されている。

F90シリーズ[編集]

F90シリーズでは高性能試作機の研究が行われていた。上腕太腿脹脛(ふくらはぎ)や(すね)などが曲線ラインで構成された機体形状の特徴はおおむねF90、F90II、F90IIIY、F91に見られる。またF90やF91は青いカメラアイの特徴を持つ。

ガンダムF90シリーズ[編集]

ガンダムF91[編集]

ガンダムF91(エフきゅうじゅういち:フォーミュラナインティワン、FORMULA 91: FORMULA NINETY ONE)は、映画『機動戦士ガンダムF91』、ゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』に登場する地球連邦軍の試作MSである。

諸元
ガンダムF91
GUNDAM FORMULA 91
型式番号 F91 (F-91)
所属 地球連邦軍
建造 サナリィ
生産形態 試作機
頭頂高 15.2m
本体重量 7.8t
全備重量 19.9t
装甲材質 ガンダリウム合金セラミック複合材
出力 4,250kW
推力 15,530kg×4
4,380kg×6(総推力88,400kg
武装 バルカン砲×2
メガマシンキャノン×2
ヴェスバー×2
ビームシールド×1 (1)
予備ビームシールド×1 (1)
ビームサーベル×2
ビームライフル
ビームランチャー
(デナン・ゲー用ビーム・ライフル)
搭乗者 シーブック・アノー
ベルフ・スクレット
その他 アポジモーター×51 (8)

地球連邦軍のMS小型化要請に伴い、サナリィによって開発されたF9型の0号機「F90」は、性能面では良好ではあったものの主力MSとして見た場合は不都合な点が多かったことと、実績のないサナリィの機体であったことから量産化には尚早と判断された。その後、ビームシールドやヴェスバーといった新兵器を実装した「F90Vタイプ」が作られ、「F90Nタイプ」をベースに本来の次期主力機たるF9型1号機「F91」が設計される運びとなった[15][注 4]

F90Vタイプの試験運用結果を経てクラスターガンダムと並行する形で開発された[要出典]。ハードウエア的には宇宙世紀0116年7月にはほぼ完成し[20]、宇宙世紀0121年2月[20]から0122年にかけて戦艦エイブラムで運用テストが行われたものの、バイオコンピューターの調整が難航したためこの時点では未完成であった。同年12月にはフロンティアサイドのサナリィ施設に陣を移し開発が継続されていた[20]。F91はF90以降に連邦軍が研究してきた、小型MSの集大成的な機体である[27]。普遍的な高性能機として開発されたへビーガン、ジーキャノン、F90とはことなり、その時点での限界性能を達成するというコンセプトを有しており、モードを切り替える事によって並のパイロットでは制御に窮するほどの高性能を発揮する事が可能である。これはかつてニュータイプと呼ばれたような者でしか最大性能を発揮できないポテンシャルを有した超高性能機体である事を意味する[28]

「ガンダム」の名は、(頭部デザインが似ているという事で)過去の機体にあやかって、スペース・アーク艦長代理レアリー・エドベリが命名したもの[29]。正式な名称はF90と同様、型式番号そのままの呼び名「F91」である[30]前モデルであるF90が意図的にRX-78 ガンダムに似せられたのに対し、本機は頭部と色以外にガンダムの特徴は薄くなっている。これはF90と違い、機能・性能を優先してデザインされた結果である[要出典]

機体構造
胸部
MS小型化計画に伴い、各種機器の配置・設備・コクピット等そのレイアウトは従来式から改められた。コクピットハッチは胸部に設置。上面はガンダリウム合金によってお覆われている。胸部前面は正面からの攻撃に対し脆弱な印象を与えるが、機体そのものの機動性によって被弾率を低減するため、運用上の問題はない[31]。胸部から腹部にかけてのフロントグリルはヒートシンクであり、出力時には発光現象を起こす[32]
コクピット
球形のコクピッドポッドを採用。MSの小型化に伴いこのポッド自体も小型化しているが、強度はより向上している。操縦席はリニアシートであり、ある程度の加速Gや衝撃を緩和。操縦桿はアームレイカー式がパイロットのコンディションによって支障が出るケースがあったことから、従来のレバー式を採用した[31]。また、リニアシートにはバイオセンサーを導入[31][注 5][注 6]。パイロットの意思や感情をピックアップし、追従性や反応速度の向上をもたらしている。また、このバイオセンサーは頭部のバイオコンピューターとリンクしており、機体の最大稼働フェイズの判定を行っている[31]
頭部
2門のバルカン砲、バイオコンピューターを搭載。メインカメラはハイブリッドデュアルセンサーとなっており、高精度の射撃・索敵を可能としている[31]。バイオコンピューターの最大稼働の折には、フェイスガード部が展開しダクトが露出、冷却用触媒の排出を行う[31]
ジェネレーター
背部に突き出した形で搭載されており、その周囲にはメインスラスターやヴェスバーの部材が取り付けられている。躯体の軽量化やジェネレーターの高性能化が進んだため、F91はビームシールドやジェネレーターを稼働させる余力が生まれた[37]
バイオコンピューター
生物細胞の活動を模したコンピューターと、有機材料の性質を併せ持つコンピューター双方の性質を併せ持つ。MSではF91において初めて採用された[33][注 7]。本来は兵器への搭載を前提とした技術ではなく、操縦者に負担をかけないサイコミュデバイスの雛形として開発されていた[38][37]ニューロン系の構造を有しており、マルチプル・コンストラクション・アーマーやフェイルセイフ機構で複雑に構成された機体を統括するのに最も適していると判断され、搭載が決定した[39]
光学カメラや触感、温度の各種センサーなど機体が得た情報をパイロットの脳に直接伝え、パイロットの思考を機体に反映させる[40][注 8]。また、ユニットの素子構造が人間の脳に近似しているため、パイロットの記憶や感情の領域にまで踏み込んで各種の判断を行う[40][42][注 9][注 10]
そしてバイオコンピューターのもう1つの役割は、パイロットの技量を分析し、機体のリミッターをコントロールする事である[40]。これは機体の限界性能が常人にコントロールできるものではない為、パイロットを保護する目的で設置されている。バイオコンピューターがバイオセンサーを介してパイロットが最大稼働に対応できると判断すれば、機体のリミッター解除を行う。従来のサイコミュとの併用の効果は前例がない為、未知数とされている[33]。F91は、このバイオコンピュータのための冷却用触媒が機体各所に添加されており、最大稼働の際は機体各部からそれを放出する[31]
バイオセンサー
F91には通常の運用にあたってリミッターが採用されており、その解除はリニアシートに搭載されたバイオセンサーを介してバイオ・コンピューターが判断する[31]。劇中では二度目の出撃でシーブックがバイオセンサーと自身のバイオリズムが合っていることを機体内で確認、それが母の調整によるものであろう事を推測している。
マルチプル・コンストラクション・アーマー
かつてのサイコフレームの生成技術の応用により、構造材にコンピューターチップ以外の電子回路も鋳込んだマルチプル・コンストラクション・アーマー (MCA) 構造と呼ばれる新技術が採用されている[39][44]。電子機器などの制約により、モノコックやムーバルフレームによる小型高性能化は不可能だったが、MCAの採用によりそれが可能になった[39]。また損傷や故障も想定してブロックごとにフェイルセイフシステムが織り込まれている為、他のブロックで補い一部の故障で作動不能になる事はない[39]
肩部
バイオコンピューターを冷却するためのスタビライザーが格納されている。これは大気圏内においては安定翼としても機能する[31]
マイクロハニカム技術による構造材
前身のF90で採用されたヤシマ重工のマイクロハニカム技術を引き続き導入している[45][注 11]
スラスター
機体各部の計51ヶ所にはアポジモーターが存在[46]。背部にはスラスターコンポジットを有し、高い機動力を誇る[32][注 12]
最大稼動モード
「現時点での限界性能の達成」を目指して建造されたF91だが、カタログスペックと言われるジェネレーターの総出力や総推力は、同年代のクロスボーン・バンガードのハイスペックMSと同程度である。これは本機の限界性能が常人には扱えない為、リミッターを設置されている為である[48][49]。しかしパイロットが適正であるとバイオ・コンピューターが判断し、リミッターを解除した最大稼動モードに移行する[49]事で、U.C.0120年代のMSの限界性能を達成する。最大稼働時は機体表面がおびただしい熱を帯びる為に機体の冷却が追い付かなくなり[50]、MEPEで機体各部を強制冷却する。
MEPE
MCA構造の副産物[51]。F91は最大稼働時において作動する機能で、装甲表面のビームコーティングに近似する特殊な加工(主な材料は金属粒子)を剥離させ、機体の冷却を行う[38]。この「MEPE」(金属剥離効果=Metal Peel-off effect )によって剥離した金属片が敵機のセンサーに認識されるために本機があたかも分身しているかのように見えるが、実際は金属片によるセンサーの誤作動であり、CGが再構成したコクピット内の映像である。また、残像はレーダーやセンサーのみならず、パイロットの肉眼も欺瞞する[38][注 13]
武装
ヴェスバー
V.S.B.R.(Variable Speed Beam Rifle[52]=可変速ビーム・ライフル[37])。F91の両脇から背面に掛けて備えられているレールに一門ずつ懸架されている稼働砲。高速で貫通力の高いビームから、低速で威力を重視したビームまでを状況に応じて撃ち分けることができ、戦艦の主砲クラスの威力を発揮する[31]連射性にも優れる[要出典]。F91のヴェスバーはジェネレーターに直結する形で配置されており、ビームライフルと同等の大きさながら威力と稼働時間の向上に成功している[31][注 14]。また、懸架時はAMBAC作動肢として機能する[53][28]。その一方で、発砲時はAMBAC機能を失うため、機体そのものが肩部スタビライザーと脚部ストレートバーニアを展開し、準最大稼働状態をとる[31]。また、新開発された大容量のコンデンサーにより本体から分離した状態でも数発は発砲可能である[21]。なお、ヴェスバーを本体から分離した場合のみ、バックパックのサイド面スラスターが使用可能となる[54]とする資料がある一方、外側に約30度傾けて取り付けられているので、バーニアの噴射炎を浴びることはない[52][53]とした資料もみられる。直接トリガーを引かずとも発砲可能で、ビーム・ライフルと連動して発砲する場面もある。また、フロンティアI脱出時には四方八方から迫る無人殺戮兵器バグに対処する為、背面に懸架したまま6発続けて発砲している。
また、ヴェスバーのマウントレールには他の武装を換装可能としており、ウェポンシステムも用意されていた[55]
ビームサーベル
左腰内部に2基収納されている。宇宙世紀0090年代の「シャアの反乱」時におけるアイドリング・リミッターは廃止され、逆にビーム刃形成持続時間が向上している[56]。ビーム生成をある程度任意でコントロールする事が可能であり、間欠式ビーム生成機能や高出力稼働に対応したエミッターを内蔵する[57]。背部ジェネレーターやスラスターによって装着位置は従来の連邦軍製MSのようなバックパックとは異なり、腰部となった。結果的には取り回しの面で背部装備の方式よりも有利な面が確認されている[28]
また刀身を通常の倍以上に形成が可能で、無人兵器バグとの交戦の際に手首を高速回転させ活用している。
ビームライフル
F91用のビーム・ライフル。15m級のMS用のバランスで構成されており、出力の微調整が可能なため通常の長射程ビームのほか、ビームマシンガンのような速射も可能[57][注 15]。また、同時期の連邦製ビームライフルがプルバレル式の廉価型が主流であったのに対し、F91のものはサブセンサーを備え安定した照準精度を確保したモデルとなっている[31]
ビームランチャー
威力が高いビーム兵器。砲身後部にEパックを配する。背面腰部にあるマウントラックにて携行できる。ビーム・ライフルと同原理のビームをパルス状に圧縮して発射するもので、威力に優れる。F91の正式なオプション兵装である[58][注 16]
バルカン砲
頭部両側に一門ずつ、二門設置されている機銃。牽制や威嚇を想定した装備[57]
メガマシンキャノン
本機の胸部両側に一門ずつ、計二門設置されている。既存連邦軍製バルカンよりも強力で、接近戦で用いる事により、MSを破壊する威力を発揮する[57]
ビームシールド
本機の左腕部に設置されている防御兵装。右腰の装甲内に予備発振器を携行する[31]。機体の軽量化とジェネレーターの高出力化に伴い装備可能となったもので、連邦軍の機体としてはF91ではじめて採用された[28]。機体と接触する部分は機体側のフィードバック回路により自動的にカットされる[33]ビーム展開を一方向に限定し、ビームサーベルとして運用も出来る[要出典]。F91に装備されているビームシールドはコンデンサを搭載し、機体から離れた状態でも短時間は稼動させる事が可能[28]。劇中では本機能を利用し投擲武器のように投げつけビギナ・ギナの注意を引き接近することに成功している。
デナン・ゲーのビーム・ライフル
バグと交戦し終えたガンダムF91が坑道移動中に拾得、ラフレシア戦で使用している。連邦軍の装備とCVの装備が共通規格となっていることで使用できた[60]
デザイン
メインメカニックデザインは大河原邦男。監督である富野の発案により、新世代のデザインを目指すべく従来のバーニア型のスラスターは全て廃されている。更に当時、HONDAの連勝などにより注目されていたフォーミュラ1にあやかり、胴体部や関節部などに車やバイクのラジエーターグリルを連想させるデザインを採用している。大河原が1989年の4月から複数のデザイン案を提出し、安彦良和の作画参考ラフ等を経てデザインの完成を見た[61]シド・ミードが唯一、歴代のガンダムの中で従来のデザインの枠を破っていると評価した機体である[要出典]
劇中での活躍
映画『F91』においては、連邦軍本隊より取り残され、住民によるゲリラ活動の拠点となっていた練習艦スペース・アーク内で整備されていたが、正規の整備マニュアルがほとんど無く、代わりに残されていた開発者のモニカ・アノーの録画映像によるバイオコンピューター接続方法の口頭説明に理解不能の部分があり起動不能であった。その映像を見せられたモニカの娘リィズ・アノーは、その説明がかつて母に教えられていたあやとりの用語だと気付き、無事起動に成功する。
そして、「工学科の学生でモビルスーツ操縦実習の経験がある」上に「母親が作ったコンピューターだから相性がいいだろう」という理由でリィズの兄であるシーブック・アノーがパイロットを任せられることになり、CVとの戦いで多大な戦果をあげ、ラフレシアを撃墜した。現在までのところ、地球連邦軍とそれに関係する機関が開発し、連邦軍が自らの為に運用した最後のガンダムタイプである(後のGセイバーでは連邦は崩壊している)。
ゲーム『フォーミュラー戦記0122』では、運用試験のために連邦軍ラー・カイラム級機動戦艦エイブラムに搬入されたが、オールズモビルとの戦闘に突入した為、ベルフ・スクレット少尉機として運用されている。この時点ではバイオコンピューターは搭載されておらず、通常の学習型コンピューターを搭載していた為100%の性能は引き出せない状態であった。オールズモビルとの戦闘が終結した後の宇宙世紀0122年12月にフロンティアIに搬入され、頭部コンピューターの換装が行われる。
ちなみに、『機動武闘伝Gガンダム』のガンダム連合の中にこの機体も混ざっており、一瞬だけ姿を見ることができる。

パワードウェポンタイプ[編集]

諸元
ガンダムF91 パワードウェポンタイプ
武装 バルカン砲×2
メガマシンキャノン×2
4連ビームガトリングガン×2
ミサイルランチャー(対艦ミサイル×2)×2
ビームシールド×1 (1)
ビームサーベル×2
ビームライフル
ビームランチャー

『F91-MSV』に登場。「重装型」ともいう。ヴェスバーが完成しなかった場合を考慮し、代替武器を装備させたタイプ。ヴェスバーの代わりに4連ビームガトリングガンとミサイルランチャー(対艦ミサイル×2)を組み合わせたウェポンユニットをバックパックに2基装備する。ショルダーアーマーも強化され、アポジモーターが増設されている。面制圧には優れるが、威力面ではVSBRに(対艦ミサイルを除いて)劣るタイプである。

ツインヴェスバータイプ[編集]

諸元
ガンダムF91 ツインヴェスバータイプ
武装 バルカン砲×2
メガマシンキャノン×2
肩部ヴェスバー×2
脇部ヴェスバー×2
ビームシールド×1 or ビームシールド×2
ビームサーベル×2
ビームライフル
ビームランチャー

『F91-MSV』に登場。背部の新型バックパックに新たにヴェスバーを2基追加し合計4基のヴェスバーを所持している。この改良型ヴェスバーは補助スラスターが装備されている。ジェネレーターにも改良があるとされ、その余剰エネルギーによりビームシールドを両下腕部に一基ずつ計二基装備する。

ツインヴェスバー非使用時の折りたたんだ形はH字状に収納したり、VSBRの根元の接続部分の横軸を回転させて、二重のハの字形に収納したりする。

量産型ガンダムF91[編集]

漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』に登場するオリジナル機である。

F91を量産機にするため性能を調整された機体である。F91はその高性能に比例してニュータイプのようなパイロットでなければ性能を最大限に発揮する事が出来ない機体であった。しかしながら、対ラフレシア戦のような最大性能が必要とされる戦闘は度々発生するものでは無かった事や、そもそも機能がトライアル的な側面が強かったことから量産化の際はオミットされている。量産型F91の基本仕様ではフェイスガードの開閉機能による冷却や、MEPEは想定されていない(フェイスガードの開閉機構そのものは組み込まれている)[62]

量産型F91用バイオコンピューター
金属剥離機能を有する装甲とともに、フルスペックのバイオコンピューターはオミットされた[63]。搭載個所は頭部となる[62]

ハリソン・マディン専用機[編集]

F91部隊の指揮官であるハリソン・マディン大尉の搭乗機。

増加試作機に改修を施してあり、青いパーソナルカラーで塗られている。ハリソン機はヒートシンク等の強化やバイオコンピューターの改良により、MEPEを起こさずにフェイスオープンと放熱フィンのみで限界稼働をし、最大稼動モードが可能である[62]

初代ハリソン・マディン専用量産型F91
地球圏に現れた海賊クロスボーン・バンガードを討伐する際にハリソン・マディンが搭乗した機体である。
搭載武器のヴェスバーは、コスモ・バビロニア建国戦争から10年経ってもなお強力無比なビーム兵器であり、キンケドゥのクロスボーン・ガンダムX1と互角の勝負を繰り広げるが、僅差で敗れ大破した[注 17]
2代目ハリソン・マディン専用量産型F91
2代目ハリソン・マディン専用量産型F91には時期により3つの種類が存在するが、どれも同一機体であり、カラーリングやチューニングが異なるだけである。
木星戦役時
キンケドゥのクロスボーン・ガンダムX1との勝負後にハリソンは、木星帝国総統クラックス・ドゥガチとの最終決戦時である木星戦役においてハリソン・マディン専用量産型F91と同一カラーリングの機体に乗って登場するが、これは別の機体を青く塗り替えた2代目であることが『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』の設定資料集で明言されている。
木星残党軍討伐時
新規色替え機である。青と黄色で塗られていた2代目のハリソン・マディン専用F91を新たに白色を追加し塗装された機体である。『スカルハート』で登場。木星戦役に使用されたハリソン・マディン専用F91と性能の変化は無く、色だけを替えた全くの同一機体である。連邦軍の機密文書を積んだ輸送船が木星軍の残党に襲われた際に、これを防ぐべく連邦軍のハリソン大尉らが出撃した。また後に謎のMSが出没する宙域の調査を命じられた際にもこの機体で出撃している。
木星決戦時
別名は『ミッチェル・ドレック・ナー搭乗 木星決戦仕様F91』である。『鋼鉄の7人』においても当初はハリソンが搭乗していたが、連邦軍上層部からの命令がなければ動けない彼に代わりミノル・スズキが、後にミッチェル・ドレック・ナーが搭乗し、木星帝国残党との戦いに使用された。木星強襲作戦「鋼鉄の7人」では、サナリィで行われたチューニングにより量産化の際にオミットされた機能のいくつかが再現されており、試作機であるF91に近い性能を有するに至っている。また木星圏内での活動を想定して推力も上げられている。そして本作の描写では「質量を持った残像」たるMEPEを起こしたともとれる動きをしている。木星帝国総統・影のカリストが乗るリーベルダス・デクストラ・ディキトゥスに致命傷を与える戦果を挙げるも、反撃を受け相打ちの形で撃破されている。
余談だが、ドレックがこの機体に乗ることになったのは「鋼鉄の7人」実行直前であったため、チューン済みの機体にはすでに当初乗る予定だったミノル・スズキの「M」のマーキングがされていた。しかし、ドレックのファーストネームがミッチェルであることが分かったため、書き換えられることなくそのまま使用された。
補足
なお、ハリソン専用機は玩具「GUNDAM FIX FIGURATION」でパーツ組み換えによるガンダムF90とのコンパチ仕様として発売されたが、ギミックの都合により漫画版とは一部の塗装パターンが変更されている。『スカルハート』以降の関連作品ではGUNDAM FIX版に準じている。「スカルハート」収録の「海賊の宝」では雑誌連載時は上記玩具の発売前だったこともあり旧カラーで描かれていたが、単行本収録の際に新カラーへと加筆修正された。

ガンダムF91RR[編集]

ガンダムF91RR(ダブルアール)は『ガンダムトライエイジ』オリジナル機体。F91に、新開発のグローアップ・ユニットを組み込んだ総合重装仕様。両手両足に小型のヴェスバーと大型ビーム・シールドを追加、肩関節部にはビームサーベルの機能を備えたヴェスバーサーベルを新たに装備している。重武装化したため原型機のF91より機体サイズは一回り大型化している。フルアーマーのように追加装甲を纏うのではなく、四肢やバックパックなどにパーツ追加や換装を施すため、任意に各装備を取り外すことはできない。

機体性能こそ向上してはいるものの、四肢の末端や関節部に対する根本的な機能付加という方向性は、小型の機体を従来の大型規格へと再び引き戻すという本末転倒なものであった。このような矛盾を抱えた本機体が開発された理由は、機体小型化への変革を良しとしない一部の連邦高官たちの意向が強く働いたものと言われている。メカニックデザインは大河原邦男[64]

F97[編集]

F99[編集]

レコードブレイカー[編集]

F99R[編集]

Rガンダム[編集]

Rガンダム(アールガンダム、R GUNDAM)は、バンダイのガシャポンシリーズ『SDガンダムR』に登場するMS(型式番号:F99R (F99-R) )。

名前に冠せられた「R」は、アルファベットのRに由来。R型のエンブレムを額にかざす事で、状況に応じた形態へと自在に変身する。なお『SDガンダムR』には、他にもアルファベットを冠したガンダムが多数登場している。

SDガンダムの機体であったが、後にリアル等身にデザイン(アスキーの雑誌「G20」にデザイン画が掲載された)されており、リアル作品として展開する計画もあったらしい。そのため「F99R」 (F99-R) の型式番号が付けられている。

デザイン
外観はシャッコーのデザインへと繋がるものである。また、ヴィクトリーガンダムV2ガンダムと似たようなデザインのハードポイントを四肢に持つ。デザインは、かげやまいちこ(レイアップ)。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ かつて、サンライズの特撮映画『ガンヘッド』で大河原が主役メカ・ガンヘッドのデザインに参加するも採用されなかったデザイン画がベースになっている
  2. ^ F91同様の構造で、胸部ハッチが前面にスライドして乗降する[17]
  3. ^ その一方で、MSA-120とF90のコンペティション以降、A・Eに対して連邦軍から提示された数年後以降の開発計画として、F90の兵装バリエーションであるF90S簡易生産バージョンのGキャノンのライセンス生産、および自社開発のRGM-109ヘビーガンの暫定量産にとどまり、次期主力MSの開発計画は、事実上、棚上げされたとした資料もみられる[21]
  4. ^ ロールアウト時期については宇宙世紀0116年7月[25]宇宙世紀0122年11月20日に月のサナリィ開発部により試作1号機が公開されたとする[26]の2つの説がある。なお、『F91』劇中ではジェガンに搭乗した連邦兵および投降したアンナマリーが新型機と認識する旨の発言がある。また小説内において新型機とする記述がある。
  5. ^ 劇中では二度目の出撃でシーブックがバイオセンサーと自身のバイオリズムが合っていることを機体内で確認、それが母の調整によるものであろう事を推測している。
  6. ^ サイコミュのサブ増幅器が操縦席の背部に取り付けられており、コクピットの周囲に使われたサイコフレームが主増幅器として搭載されているとした資料[33]、F91はサイコミュとサイコフレームを搭載しているとした資料もみられる[34]。その一方で、『週刊 ガンダム パーフェクト・ファイル』ではサイコフレーム搭載MS[35]や、サイコフレーム機の発展[36]での機体一覧に名前がみられない。
  7. ^ バイオマトリクスで構成されたコンピュータとした資料もみられる[38]
  8. ^ 小説版においては、サイコミュが人間の脳に干渉する際の作用を利用しており、その繋がりによって操縦せずとも機械を作動する事が可能である。その一方で、マニュアル操縦が行われるとそちらを優先する[41]
  9. ^ 敵MSを撃墜した際にパイロットの生死をシーブックに伝える、劇中中盤に、V.S.B.R.の存在をシーブックへ認識させる、ラフレシアとの決戦前に、連邦の月軌道艦隊の被害状況を伝える等の描写がある。
  10. ^ 劇中ではラフレシア撃破後、バイオコンピューターの回路用いて、セシリーを探し出すのに使われた[43]
  11. ^ ミノフスキー粒子による立方格子を核に軽量かつ強固な金属素材を作り上げるもので、従来のガンダリウム合金を凌駕する強度を達成したほか、装甲やムーバブルフレームを薄くし重量軽減する事が可能な技術[4]
  12. ^ その一方で、フォーミュラ計画において開発された機体には戦艦用であったミノフスキードライブを小型化し、試験的に導入。F91においては短時間のスラスター出力を補うと推察した資料もみられる[47]
  13. ^ 劇中1時間46分頃に機体全てを金色のオーラの様なものが覆い始めているが、このオーラに関して説明する資料は見当たらない。『機動戦士ガンダムF91 オフィシャルエディション』における設定担当の井上幸一へのインタビューでは「熱放出時の温度によって色が多少違って見えたりもする」と述べている[50]
  14. ^ 劇中ではビーム・シールドを展開したデナン・ゲーを貫通し撃墜している
  15. ^ 宙返りをしながらアサルトライフルのように連射をする場面も見受けられた。バグとの交戦で失われている
  16. ^ エネルギーコンデンサーを内蔵したとする資料もみられる[59]
  17. ^ 『機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート』では、この時の戦いが『月刊MS』なる雑誌に「名勝負10選」として選出されたと語られている。

出典[編集]

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  64. ^ 毎弾好評のトライエイジオリジナルMSの裏話が満載!「ガンダムトライエイジBUILD G1弾」特集【第4回】”. GUNDAM.INFO (2014年10月2日). 2018年7月7日閲覧。

関連項目[編集]