ガンヘッド

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ガンヘッド
GUNHED
監督 原田眞人
脚本 原田眞人
ジェームス・バノン
製作 田中友幸
山浦栄二
出演者 高嶋政宏
ブレンダ・バーキ
円城寺あや
水島かおり
原田遊人
斉藤洋介
川平慈英
ミッキー・カーチス
音楽 本多俊之
主題歌 永井真理子
TIME -Song for GUNHED-
撮影 藤澤順一
編集 黒岩義民
製作会社 東宝
サンライズ
バンダイ
角川書店
IMAGICA
東宝映画
配給 東宝
公開 日本の旗 1989年7月22日
上映時間 100分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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ガンヘッド』(GUNHED)は、1989年7月22日に公開された日本映画。配給は東宝

概要[編集]

本作は、『機動戦士ガンダム』などアニメによる巨大ロボットものを得意としたサンライズと、実写特撮ものにかけては長い歴史と経験を持つ東宝映画がタッグを組んだSF映画である。また、出資者によりメディアミックス展開が図られた。

実写で巨大ロボットの活躍を描いた映画であり、「巨大ロボットによる屋内劇」という他に類を見ない特撮映画作品である。公開当時は「史上初の実写巨大ロボットムービー」を宣伝文句にしていた[注 1]

1987年頃より『ガンヘッド』のロボットのキャラクターをサンライズ側が打ち出して、東宝に持ち込む形で企画された[1]。当初の監督候補は長谷川和彦だった[2]が企画段階で降板し、アメリカで映画を学び『スター・ウォーズ』の日本語版演出でSFの経験がある原田眞人を起用された。特技監督は、1984年にSF映画『さよならジュピター』を手がけ、後に『ゴジラ』シリーズの特撮を長く任されることになる川北紘一である。

主役ロボットのガンヘッドはアニメ畑の河森正治がデザインした。企画当初は大河原邦男によるデザインが進行しており、大河原稿と初期企画案『機動戦都市コマンドポリス』や『モビルファイター・ゼロ(戦闘機兵0)』のストーリーを元にアニメーターの吉田徹がイメージボードを数点描き起こしている。この後同じ吉田の手で、サンライズの山田哲久プロデューサーやブレーンスタッフのアイデアを河森の準備稿デザインで描いたイメージボードも制作された。河森のデザイン決定稿を元にしたイメージボードは、イラストレーター幡池裕行の手で映画本編のシナリオを元に描かれた。

ガンヘッドは高さ6メートルの実物大全身プロップも製作されたことでも話題になった。実物大プロップは、宣伝と人物との絡みシーン撮影に使用されている[3]プロップ製作は『さよならジュピター』に続いて小川正晴率いるオガワモデリングが担当した。実物大モデルをはじめ各種サイズで製作された。撮影には主に1/8スケールモデルが使用され、戦車形態、直立形態、変形用モデルがシーンにより使い分けられている。1/3相当スケールのガンヘッドの上半身のみの着ぐるみはクライマックスのエアロボットとの格闘戦シーンで使用されており、DVD収録のメイキングで確認できる。

エアロボットは、初期稿を河森正治が担当したがギミックや構造が操演面で難があると判断された為、河森稿で提示されたコンセプトをスタジオOXが受け継いでラフデザインを数点起こしている。さらにスタジオOX稿を一部継承する形で美術デザイン担当の大澤哲三がデザインし、最終デザインはプロップ製作と共に東宝美術部が担当した。冒頭、過去の場面での銃器類は『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』に登場する悪の組織「赤イ竹」用のプロップが使用されている。

ロボットアニメの実写版を期待したサンライズ、SF映画を意図した原田眞人、特撮ものならではのロボットものにしたかった川北紘一とそれぞれの狙いが異なったが、結局、東宝のプロデューサーもサンライズのプロデューサーも川北の方向性で撮影中もシナリオを直していった[4]。しかし、完成した作品には「分かりづらい」「印象が薄い」「画面が暗くて何をやっているか分からない」と不評の声も聞かれた。一方、特撮を評価する声もあった[5]

劇場公開版では、外国人俳優が多数出演し、劇中では登場人物がそれぞれ日本語と英語とで会話、字幕スーパーがついていた。TBSでの地上波オンエア版ではナレーションも含めて全て日本語に吹き替えられており、ニムは戸田恵子が演じた。また日本人キャストの声も全て再録されており、主役の高嶋の演技力が向上している事、一部のセリフが変更されて明解になっている事、加えて放映時の画質が良好だった事から、このテレビバージョンを支持する声もある[6]

興行は芳しくなく、映画雑誌『キネマ旬報』では「惨敗」「企画の失敗」とまで言われた[7]。一方、本多俊之による音楽は、公開後20年近く経過した現在もなおニュースワイドショーや、ドキュメンタリー番組といった報道番組全般で使われ続けている。

本作の公開のころには、すでに1984年版『ゴジラ』に続くゴジラ映画の新作が製作中で、公募されたストーリーの候補の一つとして、ゴジラと巨大コンピューターと戦い、コンピュータが戦車もどきのメカになるという案があった。しかし、『ガンヘッド』が興行面で失敗したことで却下となり、最終的にはもう一つの案である新しい怪獣を登場させることで落ち着き、後の『ゴジラvsビオランテ』となった[8]。同作には、川北紘一をはじめとする『ガンヘッド』の特撮スタッフの多くがそのまま参加した[9]

タイトル[編集]

『ガンヘッド』の綴りは「GUNHED」であり、「GUN unit of Heavy Eliminate Device」の略称という設定になっている。また、「ガンヘッド」という名称はメカニカル・デザインを担当した河森正治がデザイン画に書き込んでいた仮称が、そのまま採用されたものである。ただし、綴りは「GUN-HEAD」であり、そのままだと直訳で"銃頭"と受け取られてしまうため、海外展開を考慮して「GUNHED」が代用されるようになった。こういった経緯から映画公開以前は「GUNHEAD」、映画公開以降は「GUNHED」となっている。

河森は「GUN-HEAD」を名称未定メカの仮称として度々使用しており、OVA『破邪大星ダンガイオー』の主役ロボットであるダンガイオーのデザイン画にも「GUN-HEAD」と書き込んでいた[10]

映像ソフト化[編集]

DVDが2007年2月23日に東宝より発売された。標準価格6,300円で、品番はTDV-17037D。片面2層の本編ディスクに映像がビスタサイズで収められ、映像特典として予告編やメイキング、静止画資料集も収録される。音声は劇場公開版のみ、字幕も公開時の手書きの物で、テレビ吹替版は収録されていない。封入特典はサウンドトラックCDの復刻版。解説書も付属する[11]。このDVD発売を記念してDVDの発売日に新宿ロフトプラスワンで、川北特技監督らが出演のイベントが開催された[12]

1990年代にアメリカでもVHSが発売になっているが、アメリカ人のテイストに合わないと大幅に再編集された。これに憤慨した原田は監督のクレジットから名前を削除し、DGA(全米映画TV監督組合)が定める偽名クレジット「アラン・スミシー」とした。なお、原田は日本映画監督協会員だがDGAとは全く関係ない。2004年にアメリカのADV FilmsからDVDが発売。DVD版の本篇はタイトル・スタッフクレジットの違いと日本語字幕が無い事以外は日本版と変わっていない。

ストーリー[編集]

2025年、無人島8JOに建設された全自動のロボット工場を司る巨大コンピューター「カイロン5」が人類に宣戦布告。人類は鎮圧のため自動戦闘ロボット「ガンヘッド」の部隊を送り込むが守護神「エアロボット」の前に全滅、島は封鎖された。

13年後、カイロンのCPUを盗むべく島に侵入したトレジャーハンター「Bバンガー」の面々は、連邦政府の研究所から超電導物質テキスメキシウムを奪って逃亡していた生体ロボット「バイオドロイド」の襲撃をうける。生き残ったのはメカニックに強い青年ブルックリンと、バイオドロイドを追ってきた女性レンジャー・ニムの2人のみ。島に生き残っていた子供セヴンとイレヴンに助けられる2人。やがてカイロン5の恐るべき陰謀を知ったブルックリンは、残骸の中に生き残っていたガンヘッド507号機を有人型に修復、カイロンとエアロボットに戦いを挑む。

登場人物[編集]

ブルックリン
Bバンガーで最年少メンバーの日系人。メカに強く、Bバンガーではメカニックとして活躍していた。あだ名は「ブルックリン・ドジャース」のロゴ入りシャツを愛用していることに由来する。
日本・大阪に生まれたが、大阪が連邦政府の居住ゾーン指定から外れ、廃棄された都市「ドーム・プリズン」となったため、両親と共にビヴァリー・ヒルズに移住し、そこでハイスクールを卒業する。連邦政府とその政策に反対する勢力の抗争で両親を失った後、連邦政府軍海兵隊に入隊して特殊パイロットコースを進んで有人型ガンヘッドのパイロットとなるが、北海道攻防戦の際に行動不能となった自機のコクピットに10日間閉じ込められたことから、コクピット恐怖症(=一種の閉所恐怖症)を発症して不名誉除隊となる。その後、バンチョーに拾われてBバンガーに入った。手持ち無沙汰になったり切羽詰まったりすると銃を弄ぶ癖があり、バンチョーに「ツキが落ちるからやめろ」とたしなめられている。
身体は筋骨隆々であり、銃器の扱いにも長けている。基本的に陽気でタフな性格だが、追い込まれるとやや意固地になるところがある。好物は生のニンジン(当初はキュウリの予定だったが、担当俳優の高島政宏が苦手としていたため、変更された)。スティック状にカットしたニンジンを、バンチョーが愛飲している葉巻ブランドのシガレットケースに入れて持ち歩いている。
嫌煙家ではあるものの、そばで他人に喫煙されることについては特に気にしない様子。実際、バンチョーのタバコに火をつけることも多かったようで、ライターを持ち歩いていた。
休眠状態にあったガンヘッド507号機を有人型へ改修し、カイロンに立ち向かう。
漫画版では少年時に父と潜水中の潜水艇が事故に遭って座礁した際、救援艇が到着するまで残存酸素が2人分には到底足りなかったため、父はブルックリンだけでも生き残らせようと、彼の就寝中に拳銃で自殺する。その後、救助されたブルックリンは父の友人のバンチョーに引き取られた。
愛銃はカスタムバレルをつけたS&W M586、コミック版では父の形見でもあるS&W M645
ニム
テキサス・エア・レンジャーズ(TAR。劇中の字幕では「テキサス空域警備隊」と記述)所属の女レンジャー。階級は軍曹だが、実質的には伍長。
連邦政府の首都ダラスにある研究所からテキスメキシウムを奪ったバイオドロイドを追い、8JOへやってきた。その際、搭乗していたヘリコプターを撃墜され、相棒のメイを失っている。
上流階級の出で、Bバンガーのようなアウトローを侮蔑的な意味で「バンディッツ」(無法者)呼ばわりするなど、やや頭の固いところがあるが、ラストシーンでは「我らバンディッツが勝った」とつぶやいている。行動力に富み、目の前の困難は自力で打破する力強さを持つ。また、コクピット恐怖症を理由にガンヘッド507号機への搭乗を拒むブルックリンを、「アマエンジャナイヨ! (甘えんじゃないよ!)」と叱咤激励するという心優しい一面も見せる。愛煙者であり、バンチョーと同じ銘柄の細巻きタイプの葉巻(シガリロ)を好む。
愛銃はステアーAUGとダットサイトつきのH&K VP70。前者は、登場時からはしごから転落して気を失うまで携行している。後者は、オリジナルにダットサイトが取り付けられないので、劇中のタイプは金属板を加工したマウントをビス止めなどで取り付けている。
漫画版や小説版ではブルックリンの容姿や性格が映画版よりやや若く変更されたことに合わせてニムも同様に変更され、執筆当時の菊池通隆による典型的な美女として描かれている。また、漫画版のニムはチューブトップとうかがえる服を着てアーミーナイフ弾帯を携えた姿が月刊ニュータイプ1989年7月号の表紙を飾り、単行本に内表紙として収録されている。
セヴン
無人のはずだった8JOの生存者で、天真爛漫な11歳の少年。ロボット戦争後に生まれた。8JOにいた人間はカイロン5の保守整備を担当する企業・サイボテック社のスタッフとその家族であり、ロボット戦争勃発前後に全員(セヴンの両親は彼の誕生後、イレヴンの両親はカイロンの宣戦と同時に)処刑されていたが、セヴンとイレヴンだけはカイロンのある思惑によって生かされていた。幼い頃、カイロンの防衛システムに引っかかって負傷した左足がやや不自由となっており、顔にも傷が残っている。
愛銃はM3サブマシンガン、通称グリースガン
漫画版ではセブンと表記されている。
イレヴン
セヴンとともに8JOで生き延びていた少女。8JOで最初に誕生した人間で、セヴンよりも年上の17歳。やや引っ込み思案な性格。言葉を失っているが、その理由はバイオドロイドに狙われることと関係がある。また、イレヴンだけはカイロンの防衛システムに探知されない。
愛銃はVz 61 スコーピオン。お守り代わりに持っているだけという設定なので発砲シーンもないが、プレスシートなどのキャラクター紹介写真ではしっかり所持している。
漫画版ではイレブンと表記されている。
セヴンとイレヴンの名前は、コンビニセブン-イレブン」の看板からセヴンが付けたらしい。
バンチョー
Bバンガーのリーダー。伸ばした顎鬚と飛行帽がトレードマークの、根っからの自由人。バンチョーが愛飲する葉巻に火をつけるのは、ブルックリンの役割だった。
元々Bバンガーは軍用機を改装した愛機メリーアンで世界中を巡るサーキットレーサーの集団だったが、チームの面々が政府の方針に従って火星へ移住する中、リーダーのバンチョーだけは地球に残り、それ以後はトレジャーハンターとしてのBバンガーを結成して地球上を駆け巡っていた。軍を除隊した後にあても無くさまよっていたブルックリンを拾い、コクピット恐怖症を無理やりにではあるが直そうとするなど、面倒見の良いところがある。
愛銃は折りたたみストックタイプのレミントン M31英語版
8JOへ潜入した後、移動中のエレベーターでバイオドロイドの強襲によって死亡する。その場に残った飛行帽は、ブルックリンが受け継ぐこととなった。
「銃で遊ぶと、ツキ(運)が落ちる」というポリシーを持っており、それに反するブルックリンを叱る。そのポリシーもまたブルックリンへ受け継がれ、カイロンドーム進行中にマシンガンを打つ真似をするセヴンにブルックリンが「ツキが落ちるぞ」と語るシーンがある。
ベベ
Bバンガーのサブリーダー。20代の日本人と思われる、元傭兵の女傑。連邦政府機甲隊少尉というエリートだった当時に無能な上官を殴って伍長へ降格された後、軍を除隊して傭兵となった。この時代、おおよその外傷は痕を残さずに治療することが可能だが、戦闘時に負傷した右目を治さず、顔の半分を覆うほど大振りのマスク状の視力補強メカを装着している。メンバーの中では比較的ブルックリンに優しい方であり、よく面倒を見ていた。
愛銃は弾倉をL字型にセットしたワルサーMPLを2丁所持。1丁は背中に背負っている。
ブルックリンやニムと共にカイロン5の本体があるドームまでたどり着いてテキスメキシウムを奪うが、カイロンによって冷却水のプールへ叩き落されてしまう。まもなく、破損して戻ってきたバイオドロイドに取り込まれてその一部と化してしまうが、べべの意識はバイオドロイド内に残っており、最終的にはブルックリンたちを危機から救うべくバイオドロイドに抵抗して自爆する。
漫画版ではバイオドロイドに取り込まれた際に視力補強メカがその頭部に露出しており、これが元でブルックリンがベベと気づくこととなる。最後には8JOから脱出する途中のブルックリンの前に現れ、破損個所からべべとしての顔も露わに自我を取り戻していたが、ガンヘッド507号機とエアロボットの戦闘でバイオドロイドが押し潰されていたこともあってすでに満身創痍となっており、共に脱出を促すブルックリンに別れを告げて力尽きる。なお、漫画版のみ視力補強メカを左目に装着しているが、漫画版の単行本巻末に掲載されている小説版の解説によれば、これは漫画版の設定を菊池が作成した時点で映画版の衣装合わせが行われていなかったことから生じた混乱であるという。
ボンベイ
ブルックリンが来るまではBバンガーの最年少だった東洋系の青年。そのためか、普段はやたらと兄貴風を吹かせてブルックリンにつっかかる。普段は虚勢を張って英語で話すが、慌てたり思わず本音を吐露する時は日本語が混じる小心者である。連邦政府海兵隊を不名誉除隊となった元兵士であり、ベレー帽と丸眼鏡がトレードマーク。ロレックスをコレクションしており、愛用のコートの中にずらりとぶら下げている。
愛銃はM203 グレネードランチャー付きM16で、チューリップ型フラッシュハイダーにA2タイプのハンドガードを取り付けた日本映画にはよく登場するプロップ銃である。
カイロンドームへの侵攻中にバイオドロイドと交戦し、死亡する。
小説版ではブーメランなど弱い立場の女性には乱暴に接する狂暴な性格を、丸眼鏡で隠している。ブルックリンやニムとの同行中、ニムとは対立を繰り返した果てに絞殺を目論んだところをナイフで刺殺される。
バラバ
バンチョーがトレジャーハンターとして活動を始めて間もない頃、ドーム・プリズンとなっていたマンハッタン島にメリーアンで不時着したのを助けたことが縁で、トレジャーハンター・チームとしてのBバンガー最初のメンバーとなった黒人の巨漢。正規の軍歴はないが、あらゆる武器を使いこなす。カイロン侵入時には自作の大型マシンガンを所持。カイロンドームに着陸した後は真っ先に降り立ち、周辺警戒に当たった際にはショートバレルモデルのM60E3を使用する。その後は自作マシンガンに持ち替え、弾帯と共に背中に背負っていた。
バンチョーが襲われた直後、エレベーターの外からバイオドロイドに鉄の棒で串刺しにされたうえ、そこへ高熱(漫画版では高圧電流)を流し込まれて焼殺される。
ボクサー
元傭兵で、ベベとは幾多の戦場でパートナーとして一緒に戦ってきた縁から、Bバンガーに参加する。外見の特徴としては、サングラスとオールバックにした髪が挙げられる。クールで好戦的な性格で、コクピット恐怖症のブルックリンには良い感情を持っていない。だが、胸に「No Smoking」と書かれたバッジをつけるほどの嫌煙家で、その部分は唯一の共通点でもある。
愛銃はL字型にセットした弾倉にサプレッサー装備のイングラムM10(通称マック10)。
カイロンタワーのエアポートへ着陸したメリーアンとブーメランの警護に残っていたところをバイオドロイドに襲撃され、最初の犠牲者となった。
漫画版ではバイオドロイドによって半ば肉塊と化した惨殺死体が、ブーメランを絶句させることとなる。
ブーメラン
元連邦政府のコンピュータ技師。職にあぶれてドーム・プリズンに入れられていたがそこを脱出し、Bバンガーに助けられてそのままメンバーとなった。東洋系で、黒いロングヘアと褐色の肌の持ち主。
愛銃はS&W M36チーフススペシャルのステンレスモデル・M60。
8JOへ到着した後、カイロンタワーへ潜入するバンチョーたちのバックアップを行うためにメリーアンに残るが、バイオドロイドに襲撃されて死亡する。
漫画版では人種は不明だが、明色のセミロングヘアに色白の肌の持ち主。バンチョーたちのバックアップを開始してまもなく目撃したボクサーの惨殺死体に絶句した直後、背後に現れたバイオドロイドに殺害されたことが示唆されている。
小説版でも映画版や漫画版と同様の末路を辿るが、漫画版の単行本巻末に掲載されている小説版の解説によれば、容姿は菊池が映画版担当俳優のドール・ヌィーンの容姿を気に入ったため、映画版と漫画版を足したようなもの(黒いロングヘアと色白の肌の持ち主)へ変更されている。足が不自由な身体でメリーアンのパイロットを務める一方、日頃はBバンガーのセックスシンボルとしてボンベイやボクサーの性欲の捌け口も務めている模様。

登場メカ[編集]

ガンヘッド507
ガンヘッド(制式名:MBR-5RA2C)[注 2]は、世界連邦政府軍がロボット戦争に投入した局地戦用可変装甲戦闘車両。射撃戦・防御力に長けたタンクモードと、格闘戦・汎用性に優れたスタンディングモード(立ち型)の2タイプへの変形機能を持つ。動力源はMTU3804型ハイパーリキッド・ジェネレーター。
ユニットナンバー507は、強行偵察などを主任務とするサージャント[注 3]タイプの無人型ガンヘッド。その頭脳は時々の状況を分析したうえで一番確率の高い、すなわち一番有利な解答をアウトプットとして採用する推論型コンピュータである。細部まで含めて機体自体は主力戦闘型ガンヘッドと同一であり、武装はもとよりパーツまでが転用可能。この時代、ロボットの生産はバイオドロイドのような有機アンドロイドを含めてそのほとんどがカイロン5に委ねられていたが、唯一の例外がガンヘッドに代表されるUHED系列の戦闘ロボットだった。
サージェントタイプにはメインとサブの2つのコンピュータが搭載され、メインコンピュータが主な機体制御と判断を、サブコンピュータが状況分析などを行っている[注 4]。さらに、ユニットナンバー500〜506のみメインコンピュータは常温超伝導素材で作られたが、資材の不足から507〜509はサブコンピュータのみに常温超伝導素材が使用されたと設定されており、500〜506は世界連邦政府のメインコンピュータ「タイタン」とセンサーヘッドを介して常時リンクすることでサブコンピュータの性能を補っていたと設定されている。だが、507〜509はサブコンピュータの性能が高かったため、そうした措置を取らず結果として独立戦闘や判断能力に長けた機体になったと設定されている。
ロボット戦争の際は標準型ガンヘッド508、509の2機、そして若干名のサイボーグ手術を施された攻撃兵を従える小隊長として活動した。この戦闘ではカイロンの電波妨害によって大多数のガンヘッドが本部との交信を絶たれてしまい、何もできないまま破壊されたが、サージェント・ガンヘッドは推論型コンピュータによって独自の判断を行えたため、小隊を指揮して戦闘を継続。その中で唯一カイロンドーム目前までたどり着いたのが、507の指揮する小隊だった。しかし、エアロボットとの戦闘で508と509は破壊され、507もメインコンピュータを破壊されたことで自立的な行動が行えなくなり、活動を停止してタワー下層のロボット墓場へ追いやられ、ブルックリンたちと遭遇するまでスクラップに埋もれて永い眠りに就いていた。
エアロボットを破壊してカイロンタワーから脱出するにはガンヘッドが必要だと考えたブルックリンはロボット墓場を探索し、主動力源であるハイパーリキッド・ジェネレーターが稼働状態にあった507を発見する。セヴンと共にガンヘッドタイプのスクラップを利用して機体を再生させ、さらにはコクピットを新造して無事だったサブコンピュータを利用する形で有人型として作り変えた。こうして復活した507はブルックリンの軽口に応じるなどコンピュータらしからぬフランクさを見せ、良きパートナーとして活躍し、時には度重なる困難にくじけそうになるブルックリンを叱咤激励したりもする。ブルックリンがついに困難きわまって戦闘継続を断念しかけた時などは、自らは確率を重視するコンピュータであるにもかかわらず「“確率なんてクソ喰らえ”でしょう!?」と諭したうえ、何かにつけては人類が地球で自由を謳歌していた古き良き時代の野球に絡めた物言いをし、特にブルックリン・ドジャースのファンとしてそのスコアを全て記憶していることを明かす。カセットブック2巻でも13年前の大敗の理由を話した後、ブルックリンとのチームワークが非常によかったと、チームワークを重んずる傾向をうかがわせた。
有人型への改装作業中にバイオロイドの襲撃を受けてハイパーリキッド・ジェネレーターを破壊されてしまうが、アルコール類を代謝できるリアクターを装備していたため、代用燃料として室温調整用の空調機に取り付けられていた燃料タンクを脚部に括り付け、タワー内の各所に残っている同様のタンクを補給しながら作戦を敢行した。やがてカイロンドーム手前でその燃料も尽きかけた時には、2001年産のビンテージウイスキー(物語序盤で、バラバが「ロボットが飲むと踊りだす代物」という台詞がある)の樽を発見して補給した後、最後の決戦に挑んだ。ウイスキーを補給した後には「死ぬ時は直立モード(スタンディングモード)で」と酔っているかのような少々饒舌になっていたが、これはインカ帝国の格言「ひざまずいて生きるより、立ったまま死ぬ方がいい」にちなむらしい。
カイロンの自爆寸前には、「ガンヘッド大隊はミッション完了せり」のメッセージを送る。
タンクモード全長8.7m、全幅5.4m、全高2.5m(2.47m)、基本重量38.05t、全備重量43.7t(標準装備)、最高速度180km/h、行動距離760km。
スタンディングモード全長6.1m(6.12m)、全幅5.8m(5.76m)、全高5.3m(5.28m)、最高速度130km/h、行動距離647km。
武装は頭部20mmチェーンガン、5.56mmマシンガン、75mm(ソフトリコイル)キャノン、6連装地対地ミサイル、スポットライフル[注 5]など。一部ムックではこの他に火炎放射器、120mm8連装無反動砲を装備していると設定されている。小説版での頭部装備は、作中最強のレーザー兵器である自由電子レーザーキャノンと設定されている。
ガンヘッド508
ロボット戦争当時、ガンヘッド507の小隊に所属していた主力戦闘型ガンヘッド。エアロボットとの対戦で破壊されたが、その直前にエアロボットに向けて射出するもアームによって弾かれたノーズセンサーだけが天井部に食い込んで生き残っており、ブルックリンによる改造後のガンヘッド507がエアロボットを奇襲攻撃する際に利用された。
メリーアン
Bバンガーの移動基地でもある航空機。2020年代から退役の始まった軍用機「ボーイングVC-24A」の垂直離着陸輸送機の払い下げ品で、外観は第二次世界大戦のアメリカの爆撃機ボーイングB-17に似ているが、これはクラシックに装う後付けキットを装着しているため。全長20.7m、全幅33.8m、重量32.5t、最高速度912km/h。
冒頭の雲海上空の飛行シーンやカイロンタワーへの着陸シーンに使用されたミニチュアの他、実物大の機首部分も作られた。これは冒頭の雲海を飛ぶメリーアンの機首部分アップや、Bバンガーの面々がタワーへ侵入するシーンで使用されている。
ヘリコプター(機種不明)
テキサスエアレンジャーズの移動手段。Bバンガーがカイロンタワーに到着した時、タワーの近くで墜落して燃えていた。ミニチュアは『キングコングの逆襲』や『怪獣総進撃』に登場したジェットヘリの流用で、燃えカスが1990年代半ばまで東宝の特殊美術倉庫に保管されていた[注 6]
ロボコーラ(ペプシタイプ)
2023年アイランド8JO製、移動式自動販売機。ブルックリンがボンベイをからかうのに使った。
知性地雷 Type9 R2
2010年製造。音声に反応して爆発する浮遊地雷(機雷?)。ブルックリンに不良品呼ばわりされるが、捨てた直後に爆発した。
バイオドロイド
アイランド8JO製。超原子核研究所の所員。バイオドロイド暴動の際、テキスメキシウム鉱石を盗んでアイランド8JOに逃亡し、追跡してきたテキサスエアレンジャーズのヘリコプターを撃墜した。武器はハッキングや光魚雷。
人間の細胞を利用して蘇生することが可能で、カイロンドームで倒された後にベベの身体を利用して蘇生した。
カイロン5
巨大コンピュータ。アイランド8JOでロボット製造を行っていたコンピュータ。モニターにCYBO TECH CORPORATIONとの表示がある。自我を持っており、世界を破滅させるために人類を刺激してテキスメキシウム鉱石を作らせたと推測される。ガンヘッド507による1937通りの推測のうち、オススメの1つ。
エアロボット
アイランド8JO製。カイロンドームの警備用ロボットで、別名「カイロンの守護神」。対ガンヘッド兵器でもある。巨大なパワーアームと、最大の弱点でもある赤く光る3連センサーアイ(それぞれ固体撮像素子レーダーレーザーによる形状識別センサーと音源センサーと熱源センサー。よって、1つでも破壊されると物体認識能力を喪失するうえ、全て破壊されると正常に稼働できなくなり、爆発する。)が特徴。ロボット戦争当時、ガンヘッド507率いる最後のガンヘッド小隊を全滅させた。カイロンタワー内での行動のみが想定されているため、移動は金属製の床を利用した磁気フローティング方式。ガンヘッドよりはるかに大きい(体積にしておよそ3倍ある)巨体のパワーと強固な電磁装甲で、ガンヘッド507とブルックリンを苦しめた。
主な武装は、放電ブレードや火炎放射器を備えた大小2本のパワーアーム、体当たりに用いられる本体下部のパワーブレード、センサーアイから発射する荷電粒子砲、本体側面のリニアレールキャノン。小説版では重力波放射能力を持ち、攻防共にガンヘッドとブルックリンを苦しめた。
メディアによってデザインが異なる。最初に設定された電磁アーム3本のデザインは立体化不可能と判断されて没になり、映画版では大小2本アームとなった。漫画版ではさらに1本アームが増やされて4本アームとなっており、正面に並べると巨大な盾のようになるそれが体当たりや防御に利用された。小説版では2体存在しており、文面からエアロボット1は映画版に準拠したデザインであることがうかがえるが、エアロボット2はガンヘッド同様にスタンディングモードへの変形機能も有しており、さらなる巨体で立ちふさがる挿絵が描かれている。
全長16.3m、全高8.6m(アーム含まず)、重量189.7t、最高速度67km/h。
トラック
詳細不明。セブンとイレブンがいた場所からタワーを登れる場所まで移動するのに使った。ブルックリンは修理の際、狭い運転席を忌避して車体後部に自分が座るためのオープンシートを増設した。

キャスト[編集]

※映画クレジット順

スタッフ[編集]

本編[編集]

  • 「ガンヘッド」製作委員会
  • 製作 - 田中友幸山浦栄二
  • プロデューサー - 島谷能成、山田哲久
  • 脚本 - 原田眞人、ジェームズ・バノン
    • 脚本協力 - 柏原寛司 ※クレジット表記なし
  • 撮影 - 藤沢順一
  • 美術 - 小川富美夫
  • 録音 - 斉藤禎一
  • 照明 - 粟木原毅
  • 編集 - 黒岩義民
  • 助監督 - 井上英之
  • 製作担当者 - 森知貴秀
  • 音楽 - 本多俊之
  • シンセサイザー - 鳥山敬治
  • 主題歌 - 永井真理子TIME -Song for GUNHED-」(作詞:亜伊林、作曲:馬場孝幸、編曲:根岸貴幸
    • サントラ盤 - 「ファンハウス」(BMG JAPAN
  • 音楽プロデューサー - 梶原浩史、岩瀬政雄、大場龍男
  • 監督助手 - 久保裕
    • 監督助手 - 深見和彦 ※クレジット表記なし
  • 撮影助手 - 脇屋隆司
    • 撮影助手 - 宝田武久、安田圭、山口李幸 ※クレジット表記なし
  • 照明助手 - 渡辺保雄
    • 照明助手 - 清野俊博、大坂章夫、三上鴻平、雨平巧、坂本和広、二見弘行 ※クレジット表記なし
  • 照明機材 - 大出忠昭
  • 録音助手 - 宮内一男
    • 録音助手 - 渡辺宸彬、清水和法 ※クレジット表記なし
  • 特殊機械 - 宮川光男
    • 特殊機械 - 鹿山和男 ※クレジット表記なし
  • 美術助手 - 頓所修身
    • 美術助手 - 渡辺正昭、石森達也、大橋実 ※クレジット表記なし
  • 装置 - 鈴木和夫、加藤慶一
  • 組付 - 笠原良樹
  • 装飾 - 田代昭男
    • 装飾 - 河原正高、雨沢修、遠藤雄一郎 ※クレジット表記なし
  • 電飾 - 稲垣秀男
  • U・S・Aキャスティング - アルビン・キャッセル
  • スチール - 石月美徳、中尾孝
  • 編集助手 - 糸賀美保、東島左枝
    • 編集助手 - 井上秀明 ※クレジット表記なし
  • ネガ編集 - 青木千恵
    • ネガ編集 - 内田純子 ※クレジット表記なし
  • 効果 - 倉橋静男
  • 記録 - 原田良子
  • 衣裳 - 千代田圭介
  • ヘアーメイク - 小沼みどり
    • ヘアーメイク - 横瀬由美 ※クレジット表記なし
  • 俳優係 - 田中忠雄
    • 俳優係 - 桜井恵子 ※クレジット表記なし
  • 製作係 - 小川祥、瀬田一彦
    • 製作係 - 小林康夫、渋谷善勝 ※クレジット表記なし
  • 企画 - サンライズ
  • 協力 - ハドソン
  • メカニカル・デザイン - 河森正治
  • ノベライズ - 会川昇
  • コミック - 麻宮騎亜
  • 設定協力 - 寺島優、今西隆志、会川昇、熊谷淳
  • 銃火器指導 - 柘植久慶
  • 銃器デザイン協力 - 鈴木雅久
  • 兵器アドバイザー - 泉博道
  • 衣裳デザイン - 吉田十紀人、田中直弘
  • バイオドロイドデザイン - 三上晴子、飴屋法水
  • モデリング - 小川正晴、上松盛明
  • S.Sスーパーバイザー - 瀬川徹夫
  • 協力 - 東宝映像美術

特殊技術[編集]

  • 撮影 - 江口憲一
  • 特美 - 大澤哲三、好村直行
  • 照明 - 斉藤薫
  • 操演 - 松本光司
  • 特殊効果 - 渡辺忠昭
  • 監督助手 - 松本清孝
    • 監督助手 - 千葉英樹、神谷誠、寺内正樹 ※クレジット表記なし
  • 制作担当 - 膳師豊
  • 協力撮影 - 大根田俊光
  • 撮影助手 - 大川藤雄
    • 撮影助手 - 佐々木雅史、平康真二、岩崎登 ※クレジット表記なし
  • 照明助手 - 川越和見
    • 照明助手 - 小沢文明、伊藤保、井上英一、関根高弘 ※クレジット表記なし
  • 照明機材 - 棚網恒夫
  • 特美助手 - 寺井雄二
  • 装置 - 野村安雄
  • 組付 - 鴨志田平造
  • 操演助手 - 香取康修
    • 操演助手 - 鈴木豊、白石雅彦 ※クレジット表記なし
  • 特効助手 - 岩田安司
    • 特効助手 - 久米攻、渡辺俊隆 ※クレジット表記なし
  • 記録 - 加藤八千代
  • 制作係 - 鈴木勇

特殊視覚効果[編集]

  • IMAGICAグループ
    • CROWD
    • 3D
    • SpFX STUDIO
    • Qプロダクション
    • ツドー工房
  • オプチカルエフェクト - 中村正視、関口正晴、平岡正明
  • スペシャルエフェクト - 渡辺登、高須一輔
  • モーションコントロール - 稲葉貞則、灰原光晴
  • ビデオエフェクト - 相沢眞人、石田延哉
  • レーザーシネマ - 福原康平
  • タイミング - 大見正晴
  • エフェクトアニメーション - 雨宮慶太橋本満明
  • アニメーション - 升沢達也、津田輝王
  • コンピュータグラフィックス - 土屋裕、大塚竹男
  • マットペインティング - 古賀信明、金子雪生、各務修司
  • マットペインター - 開田裕治、松島洋
  • コーディネート - 山口博司、伏木秀明
  • プロデュース - 西康夫、市橋耕治
  • 協力
  • DOLBY STEREO
    • 技術協力 - 極東コンチネンタル株式会社、森幹生
  • PANAVISION
  • 特技監督 - 川北紘一
  • 監督 - 原田眞人

※映画クレジット順

メディアミックス[編集]

ゲームソフト[編集]

ファミリーコンピュータ『ガンヘッド 新たなる戦い』(バリエ)
映画での戦いで活動を停止したはずのカイロン5が復活した 8JO で、映画に登場した強行偵察型サージェント・ガンヘッドや主力戦闘型ガンヘッドの他、河森正治によって設定・デザインされた偵察型サーチヘッドや火力支援型キャノンヘッドといったガンヘッド・バリエーションを駆使してカイロン撃破および超伝導物質テキスメキシウムの奪取を目指す戦術シミュレーション。ボスキャラとして登場するエアロボットとの戦いはシューティングとなる。
PCエンジンGUNHED』(発売:ハドソン、制作:コンパイル
映画より未来の世界の物語で、自機ガンヘッドは宇宙用に改造された機体と設定されている。実際には本作とは全く繋がりがなく、海外で発売された際に『Blazing Lazers』と改題されている。ゲームシステムはコンパイル製作の高速縦スクロールシューティングゲーム『ZANAC』や『アレスタ』の流れを汲んでいる。

漫画[編集]

麻宮騎亜『GUNHED』(角川書店月刊ニュータイプ連載、ニュータイプ100%コミックス
キャラクターデザインは菊池通隆。ブルックリンの年齢層がハイティーンとうかがえたり、彼のコクピット恐怖症が幼少時の父の死に起因するものとなっているほか、物語が若干変更されている。
登場人物の容姿については、#登場人物で述べたように映画版を踏襲していない箇所が存在する。メカニックについては、映画版で未使用となったり没となったデザインをいくつか採用している。無人機時のガンヘッド507号機に増設されたセンサーユニット(映画版で未使用)や、エアロボットの4本アーム(構造の複雑さから操演に向かないと判断されて没)が該当する。ガンヘッド507号機の主力兵装も、20mmチェーンガンが電磁レールガンに換装されている、背部や脚部にスラスター(背部のものは加速用や接近戦用、脚部のものは跳躍補助用)が増設されているなど、映画版から変更されている。
月刊ニュータイプでは漫画版の連載のほか、麻宮(菊池名義含む)の描き下ろしセルイラストや映画本編のスチルなどを交えた関連記事を展開した。イラストについては、後述のムックにも掲載されている。

小説[編集]

世界設定や時代設定は後述のように、映画版とは大きく異なる。『正伝』が映画版のノベライズに相当し、『1』と『2』はその前史に当たるため、主人公も映画版とは異なる。また、エログロ描写も盛り込まれている。

ちなみに、『正伝』の後に『完結編』が発売される予定だったが、映画版の興行成績の不振を受けてか見送られた。會川の弁によると、『完結編』は2巻と『正伝』の間に来るエピソードで、ガンヘッド大隊がカイロン5と戦うという、映画版における「ロボット戦争」に相当する物語だったそうである。

発売から27年後の2016年9月16日にはKADOKAWAから電子書籍化され、BOOK☆WALKERをはじめとする各所での販売が開始された[13]

ガンヘッド1 銀光の狂獣/ガンヘッド2 朱き荒野の狩人[編集]

『1』『2』はそれぞれ前編・後編の続きもの。ガンヘッドは活躍シーンが少なく、物語のカギの1つでもある「ゼロタイプ」に至っては敵メカとして登場するうえ、それを巡ってアウトローの主人公「ライナー・真島」が立ち回るハードボイルドの物語が描かれる。

舞台は、人類が移住した惑星の1つ「出雲」。この時代、人類はコンピュータネットワーク「ステーション」によって事実上の統治・管理下に置かれている。人種や思想の違いを人類が争いを起こす根源の1つと判断したステーションは人種隔離政策を進めており、「出雲」には日系人が多く住む。

真島は、揉め事などの処理を生業とする私設警察官である。謎の美女「ユウ・砂時」の依頼を受け、出雲正規軍の開発した新兵器「ゼロタイプ」奪取に関わった真島は、出雲を巡る陰謀に巻き込まれていく。

ゼロタイプはガンヘッドのプロトタイプであり、戦闘力に優れるばかりかあらゆる攻撃の威力を軽減する特殊装甲を持つなど、人機を超越した圧倒的な存在として描かれている。また、ステーションに依存しない(映画版でカイロン5にもタイタンにも影響されない意味での)独立戦闘兵器としてのガンヘッドが、独自の側面から描かれている。

本作のガンヘッドは味方ではなく、一貫して敵側の機体である。武装はレーザーなどを多く搭載する。

ガンヘッド正伝 蘇る機神[編集]

『正伝』は映画版のノベライズに当たるが、上記の『1』『2』の世界観を継承しているため、背景設定やキャラクター描写が一部異なる。

人類が出雲などの移民惑星へ大挙して移住したことにより、結果的に荒廃した地球が舞台。地球も移民惑星同様ステーションの管理下にあり、カイロン5もステーションを構成するスーパーコンピュータの1つだったという設定である。

ステーションの存在意義は「地球にとってもっとも良い環境保護を実施する」ことであるため、人間は本質的には地球にとって有害性を持つ存在でしかない。ステーションは、人類を「食糧供給から思想統制に及ぶ幅広い分野で管理しなければならない種である」との結論に基づき、彼らを抑圧している。また、人類の暴力性を危険視しているが、基本的には「人類の敵」ではなく「地球の味方」である。

人類はステーションの目を逃れて隠れ住みながら、その一部はレンジャーズなどのレジスタンスを組織し、ステーション端末へのゲリラ戦を続けている。基本的にはレンジャーズの人類解放戦は限定的に成功しているが、ステーションからの食糧供給能力なども破壊することで慢性的な食糧不足といった問題も噴出しているため、人類の中でもレンジャーズの活動の功罪については微妙な位置付けとなっている。

小説版の世界ではあらゆるコンピュータがステーションの管理下に置かれているため、人類の使用可能な戦闘兵器は大幅に制限されているが、ガンヘッドシリーズは偶然にもステーションの管理から外れる存在として製造されたため、反ステーション組織レンジャーズたちは抗戦に利用していた。なぜ、そのような個体が存在するかについては説明されていないが、『2』の終盤でその謎の一部について明かされる描写がある。

レジスタンスの攻撃でいくつものエネルギー源を失い、スタンバイ状態で眠っていたカイロン5は、Bバンガーがテキスメキシウムを奪取したため、異常を察知して目覚める。エネルギー低下により他ステーション端末との通信が失われた結果、人類による他ステーション端末の破壊活動で残ったのは自分だけであると誤認したカイロン5は、人類を管理不可能な存在であると判断して人類壊滅プログラムの起動を決定する。ブルックリンたちは生き残るため、ガンヘッドと共にカイロン5と戦いを繰り広げる。

ブルックリンは幼い頃に遭遇したある出来事による銃器恐怖症というトラウマを抱えているうえ、カイロン5や8JOとは非常に強い関わりを持っている。ニムはレンジャーズに所属して映画版同様の戦闘能力を持つ一方、ビジョネイル(キーボードなどのデバイスを介さずにコンピュータとリンクし、対話できる能力の持ち主。漫画版を担当した麻宮の代表作『サイレントメビウス』にも、同様の能力者が登場する。)という設定になっている。

Bバンガーの面々は映画版の俳優陣に準じた外見で、挿絵に描かれている。ただし、ベベの外見だけはやや漫画版寄りとなっているほか、ボクサーが臆病な面を覗かせたりボンベイが非常に凶暴な性格で描かれるなど、作中ではその役割や性格描写に若干の差異がある。

セブンとイレブンは登場せず、代わりに2人の特徴を併せ持った「キーワード」と呼ばれる子供が登場するが、彼女にはブルックリンの妹と解釈できるような描写や、カイロンタワーのメンテナンス技術者の娘との描写がある。「キーワード」の意味は作中で重要な意味を持っているが、カイロン5から基本的に手厚く保護養育されていることとも関係がある。

エアロボットは映画版や漫画版での機体に相当する1号機だけでなく、さらに凶悪な外見と機能に加えてスタンディングモードへの変形機構すら備えた2号機も登場する。

カセット文庫[編集]

  • ガンヘッド Part1、2(角川書店)

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

  • 脚色 - 遠藤明範
  • 演出 - 鈴木久尋
  • 音楽 - 本多俊之(劇場版のサウンドトラックが使用されている)
  • 音響制作 - 青二企画

ゲームブック[編集]

ガンヘッド コンピュータ・クライシス(バンダイ)
制作はスタジオ・ハード、挿絵は加藤礼次朗が担当。映画に準じた物語となっているがボクサーがブルックリンに対して非常に好意的な良き兄貴分的に描かれている事やボンベイが博識なインテリ風キャラになっている事、そしてブルックリンに何かとつっかかる役どころがバラバとなっている事や、ロボット墓場のガンヘッドが装備や装甲、状態の差異で3種類あってそこから1機を選ばなくてはならない等、細部における違いが非常に多い。ガンヘッドの選択はガジェットを一種のアイテムとして考えるファミコンアドベンチャーゲーム的発想で、スタジオハードが数多く手がけていたキャラクター系ゲームブックのお約束ともいえる。前述の通りブルックリンがガンヘッドを再生させる形ではないため、映画やコミック、小説の様な二人(一人と一人?)のやりとりは見られない。
またカイロン5のバイオドロイドが人間の死体を原料に作られていてその工場にバラバの死体が運ばれているシーンがあったり、ニムのフルネームがブレンダ・ニムとなっているなど、映画のキャスティングをもじった設定が散見される。
全体としてはロボットが活躍する物語の中にハードSF的な要素を盛り込もうとしたフシがうかがえる。クライマックスは映画と異なる様相を見せ、エピローグも洋画の様な展開である。

その他[編集]

角川書店からは映画を中心に小説やコミックの紹介も含めたムック(ニュータイプ100%)、ホビージャパンからは映画の紹介に加え独自のメカニック解析・解説を主体としたムック、ケイブンシャからはガンヘッド・バリエーションの解説等の記事も多数掲載した子供向け書籍シリーズ「ケイブンシャの大百科」、バンダイからは映画のストーリーや各種設定等の紹介書籍と特撮に関して解説した書籍が発売された。

公開当時、バンダイからガンヘッドのプラモデルの発売がアナウンスされていたが実現せず、23年を経た2012年10月にようやくコトブキヤから1/35スケールのプラモデルが発売された。全関節可動でG1/G2モードの変形も再現され、ブルックリンのフィギュア2体が付属する。

備考[編集]

本作の準備中の初期企画案『機動戦都市コマンドポリス』は、アメリカ映画『ロボコップ』や日本のアニメ『機動警察パトレイバー』と設定が競合するために没となった[14]

『ガンヘッド』と同時期公開になったアニメ映画『機動警察パトレイバー the Movie』の劇中の方舟のシーンが、本作の「閉鎖空間からの敵中突破」という状況に類似していることを、『パトレイバー』側のスタッフの出渕裕は心配したが、映画館で本作を鑑賞した結果、その出来に「これなら大丈夫」と安堵したという逸話がある[15]

ガンヘッドのコックピット内の操縦シーンはブルックリンのアップが多いが、これは撮影中にブルックリン役の高嶋政宏がコックピット内の操作アームを壊してしまったためである(壊してしまうシーンがそのまま収録されている)。修復も試みられたが、完全な修復は困難だったために操縦シーンは大幅にカットされ、その後は高嶋をアップで映しながらコックピット内の撮影が続行された。

原田監督は、ブルックリンの属するトレジャーハンター集団の名称を映画『ワイルドバンチ』のタイトルにもなった無法者一味をイメージして《Bバンチ(B-Bunch)》にしようと考えていたが、諸事情からその名称は使われなかった。結果的にはバンチョー役のミッキー・カーチスが歌手活動中にリーダーとして率いたバンド「バンガーズ」にちなみ、《Bバンガー(B-Banger)》となっている。

1992年11月25日には、TBSの水曜ロードショーでテレビ初放送された。内容はテレビ放送用に改変されており、放送時間は92分になっている。英語の台詞はすべて日本語に置き換えられ、吹き替えはニムを戸田恵子、ガンヘッドやナレーションを郷里大輔が担当した。ラストにはメリー・アンが上昇するカットが挿入されているが、これはアバンのメリー・アンが着地するシーンを逆再生したものである。

脚注[編集]

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脚注[編集]

  1. ^ テレビでは既に着ぐるみによる『ジャイアントロボ』『大鉄人17』があり、プロップや原寸大モデルを用いた映画としては、翌年アメリカで公開された『ロボ・ジョックス』の制作発表が僅かに先行していた。
  2. ^ MBRはMain Battle Robot=主力戦闘ロボットの略。現代におけるMBT(Main Battle Tank=戦車)のもじりである。
  3. ^ 正しくは軍曹だが、一部子ども向けムックでは指揮官という訳が充てられている。劇場公開時のパンフレットにも「指揮戦闘型」という区分が紹介されている。ちなみに軍曹は陸軍では、分隊で指揮官たる隊長を務める。
  4. ^ 劇場公開時のパンフレットでは、機体解説の項でメインが戦闘頭脳に相当する部分、サブが動作・行動を司る部分と解説されている一方、ストーリー紹介の項ではメインが自律的な判断を下し、サブが各種センサーや機体の制御を担っていると解説されている。
  5. ^ チェーンガンの照準用レーザーセンサーの出力を一時的に上げることで、レーザーライフルとして使用。キューブと呼ばれる反射鏡を使うことで、死角にいる相手への曲射攻撃も可能となる。劇中ではカイロンタワー381階での燃料タンクを確保する際、ブルックリンの援護に使用された。
  6. ^ 川北紘一 監修・モデルグラフィックス 編『東宝特撮超兵器画報』大日本絵画 1993年 ISBN 9784499205986[要ページ番号]

出典[編集]

  1. ^ 『動画王Vol.10』キネマ旬報社、2000年、p22
  2. ^ 白石雅彦編著『平成ゴジラ大全 1984-1995』双葉社、2002年、p98
    冠木新市『君もゴジラを創ってみないか 川北紘一特撮ワールド』徳間オリオン、1994年、p184-p185
  3. ^ 『サンライズ全作品集成1 サンライズクロニクル 1977〜1994』サンライズ、2007年、p.221。
  4. ^ 冠木新市『君もゴジラを創ってみないか 川北紘一特撮ワールド』徳間オリオン、1994年、po.186-187。
  5. ^ 田中文雄『神を放った男 映画製作者・田中友幸とその時代』キネマ旬報社、1993年、p300。
    冠木新市『君もゴジラを創ってみないか 川北紘一特撮ワールド』徳間オリオン、1994年、p185。
    岩本克也「世界のB・ガールズ・コレクション」『映画秘宝vol.8 セクシー・ダイナマイト猛爆撃』洋泉社、1997年、p181。
    山根貞男『日本映画時評1986-1989』筑摩書房、1990年、pp.258-259。
  6. ^ 岩本克也「世界のB・ガールズ・コレクション」『映画秘宝vol.8 セクシー・ダイナマイト猛爆撃』洋泉社、1997年、p181
  7. ^ 『キネマ旬報』1989年9月下旬号の「興行価値」及び「トピック・ジャーナル」より。
  8. ^ 冠木新市『ゴジラ・デイズ』集英社文庫、1998年、p371。
  9. ^ 白石雅彦編著『平成ゴジラ大全 1984-1995』双葉社、2002年、p.101。
  10. ^ 會川昇「あとがき」『ガンヘッド1 銀光の狂獣』角川書店・角川文庫、1989年、p.303。
  11. ^ “東宝×サンライズ”のSFロボット・アクション映画『ガンヘッド』がDVD化! CD Journal.com 2006年12月19日。
  12. ^ EVENT川北紘一の、ガンヘッドの秘部全部魅せます! 東宝映像事業部オフィシャルサイト 2007年3月5日
  13. ^ ガンヘッド(角川スニーカー文庫)シリーズ(ライトノベル) 電子書籍 - BOOK☆WALKER ※説明文では「三十五年の時を経て」と書かれているが、文庫版のISBNからもこれは間違いである。
  14. ^ 會川昇「あとがき」『ガンヘッド1 銀光の狂獣』角川書店・角川文庫、1989年、pp.302-303。
  15. ^ 『BSアニメ夜話Vol.03 機動警察パトレイバー』キネマ旬報社、2006年、p.51。座談会の出渕裕の発言による。オンエア版ではカットされた発言が、この書籍で復元されている。

参考文献[編集]

  • 冠木新市『君もゴジラを創ってみないか 川北紘一特撮ワールド』徳間オリオン、1994年、p184-p188
  • 田中文雄『神を放った男 映画製作者・田中友幸とその時代』キネマ旬報社、1993年、p298-p300

関連項目[編集]

外部リンク[編集]