ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search
ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム
ジャンル ロボット漫画
漫画
作者 朝霧鉄矢、作画=うしだゆうじ
出版社 バンダイメディアワークス
掲載誌 MJサイバーコミックス(アルマリア)
発売日 バンダイ版1990年
メディアワークス版2002年
巻数 全1巻
テンプレート - ノート

ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』(DOUBLE FAKE UNDER THE GUNDAM)は、雑誌『MJ』で連載された、うしだゆうじによる『ガンダムシリーズ』の漫画作品。

概要[編集]

時間軸としてはTVアニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』とアニメ映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の間に位置する。コロニー公社の下請け会社に所属する、ガンダムマニアの主人公・ダリーを中心に語られるオリジナルストーリー。映像作品(アニメ、CGアニメ、実写など)以外はサンライズ非公式と扱われることが多いガンダムシリーズにあって、本作の内容は漫画作品では珍しく一部の宇宙世紀年表に掲載されている[1]

基本的に本作オリジナルのモビルスーツやキャラクターを主軸に話が進むが、『ZZ』に登場したイリア・パゾムが新生ネオ・ジオン軍の士官として登場したり、『逆襲のシャア』に登場したジェガンヤクト・ドーガが登場する等、この作品が前述2作の間に位置していることが所々で描写されている。

雑誌連載後にバンダイから発売された単行本が程無くして絶版となったこともあり、作品認知度は高くなかったが、バンダイ発行の『機動戦士ガンダムMS大図鑑』シリーズには本作品のモビルスーツが掲載されており、後年にこの本の流れを汲むメディアワークスの『MS大全集』シリーズにも引き続き掲載されたため、登場機体に関しての認知度は高くなっていた。これらと並行し、ゲーム『SDガンダム GGENERATIONシリーズ』(『ギャザービート』『ZERO』『F』)にもMSやキャラクターが登場し注目を集める。ただし、上記のシリーズ以外で本作品のMSを掲載した資料はほとんどなく、『GGENERATIONシリーズ』での登場も『F』以降は途絶えているため、作品を含めた現在の公式における位置付けは不明である。

2002年にはメディアワークスから単行本が復刊された。また、雑誌連載時は「ダブルフェイク」というタイトルだったが、単行本化の際に「アンダー・ザ・ガンダム」と改題。更に復刊された際には「ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム」に変更された(本記事名はこれを採用)。

なお、インターネット上では本作の出来事を便宜上「カラード事件」と呼称する場合があるが、作品内にはそういう記述は無い。

各版の違い[編集]

バンダイ版とメディアワークス版の2つの単行本では、物語の一部内容や収録作品など仕様面で違いがある。

  • バンダイ版では描き下ろしカラーページが冒頭に入り、ダリーとアルヴェニシカのそれぞれの曽孫が出会い、結婚し、曽祖父・曽祖母について二人が語ることで本編が始まっていた。また、連載時とは異なるエンディングが描き下ろされた。
  • メディアワークス版ではエンディングが連載時のものに戻され、バンダイ版にあった冒頭のカラーページが削除され、代わりに描き下ろし『It's Wonderful World』が追加された。
  • どちらもサイバーコミックスで掲載された短編『アルマリア』を収録。

ストーリー[編集]

第一次ネオ・ジオン抗争終結から1年経過した宇宙世紀0090年。地球連邦の傲慢に対するスペースノイドの反感は危険水準まで高まっており、各地でテロリズムへとエスカレートしていた。地球連邦の主導で本格的なコロニー再建計画がコロニー公社を中心に進められていたが、空きコロニーはテロリストの巣となっている場合が多く、連邦軍の護衛付きの危険な仕事となっていた。

コロニー公社の下請け会社、モノトーン・マウス社に勤めるダリー・ニエル・ガンズは、自らハンドメイドの専用ガンダム「Dガンダム」を作り上げ、"ガンダム・ダリー"の異名を取るほどのガンダム好きである。地球連邦軍サラミス改級巡洋艦・アラハスの護衛の下で再建作業に携わっていたダリーは、テロリスト集団「カラード」の襲撃を受けるが、Dガンダムでこれを撃退する。その腕を買われ、アラハスに所属することになるダリーだが、なぜか"ガンダム"を付け狙うカラードの女性パイロット、アルヴェニシカ・キーストや復活したネオ・ジオン軍の暗躍により、事態は意外な方向へと向かっていく…。

登場人物[編集]

本編ではファーストネームかラストネームのみ、または氏名不詳であるが、『MJ』連載中の扉絵でフルネームが判明している人物が多い(ただし英文表記)[2]。一部のカタカナ表記はのちに『データガンダム』で判明している[3]

声の出演は『SDガンダム GGENERATION-F』による。

モノトーン・マウス社[編集]

ダリー・ニエル・ガンズ (Darynirl Guns[2])
声:草尾毅
モノトーン・マウス社の作業員。本人以外にはフルネームを「ダリエル・ガンズ」と呼ばれる。「馬鹿」がつくほどのガンダム好きで、ジャンクパーツからDガンダムを作ってしまうほど。
成り行きからカラードとの戦闘に巻き込まれ、Dガンダムを駆って戦う事になる。作中、出撃中にチェリィ達の危機を感知するなど、ニュータイプの素養を覗かせる。また機体のコクピットをビームサーベルで貫かれるが、コクピット内でビームを避けると言う荒業を使って無傷で生存している(あまつさえ、大穴の開いたコクピットでそのまま戦闘を行っている)。
なお、『SDガンダムGジェネレーションアドバンス』では、ジュドーによって語られるジャンク屋の一人として名前のみ登場している。
チェリィ・チノ・ローゼス (Cherychino Roses[2])
モノトーン・マウス社の作業員。ダリーの相棒。父の形見である輸送艦「モトリー」に搭乗。戦後はダリーと結婚し、サムソンとダニエラの双子を設ける。
アイン・グレイフィールド (Ayn Gleyfield[2])
モノトーン・マウス社の作業員。ダリーの友人。

地球連邦軍(アラハス隊)[編集]

アルバ・ダグルト (Alba Dagurto)[注 1]
アラハス隊技師。
アンティケ・ブリュワール (Anthieke Bulluwarl)[注 2]
アラハス隊のMSパイロットで、ジムIIに搭乗。ドーシーとは恋人同士で、ヘルメットや搭乗MSに「(ハートマーク)Dothie」と書き込んでいる。
イベラ・ツギム (Iyberha Zuggimm)[注 1]
ブリッジ・オペレーター。ミカヨとは双子。
ウィントン・マルサリス (Winton Malsaris)[注 2]
アラハス隊のMSパイロットで、ジムIIに搭乗。カラードのMS隊との最初の戦闘で撃破されるが、無事に脱出している[2]。作中に顔は出てこない。
オッド・フェルド[注 3] (Odd Feld[2])
アラハス艦長で、階級は少佐[4]。クルーからは「おやかた」と呼ばれている。豪放磊落な性格だが、アニーの件を調べているなど、細心な一面もある。ダリーたちには割と好意的。
サイド・フューエル (Syde Fuell)[注 1]
アラハス隊チーフメカニック。
スティア・フレドリアツキ (Stya Fredriazzuki)[注 2]
アラハスのブリッジクルー。艦長の補佐役。
タケシ・カザキ (Takeshi Kazaki)[注 4]
アラハス隊のMSパイロットで、階級は中尉。ジェガン改に搭乗。やや堅物な性格。
ドーシー・ビワイド (Dothie Bewide)[注 2]
アラハス隊クルー兼女性パイロット。アンティケとは恋人同士。
マキ・イトウ (Maki Itou)[注 2]
ブリッジ・オペレーター。のちにアインと結婚する。
ミカヨ・ツギム (Mycajho Zuggimm)[注 2]
ブリッジ・オペレーター。イベラとは双子。

カラード[編集]

アルヴェニシカ・キースト (Alvenicica Kyethte[2])
声:こおろぎさとみ
愛称はアニー。アラハスを襲撃した際に"ガンダム"と遭遇。そのパイロットであるダリーを執拗に追い回す。ズサ・カスタム、ズサ・ダインに搭乗する。
故郷と家族をティターンズのコロニーへの毒ガス注入で失った過去があり、そこから反連邦のテロリストとなった経緯がある。
エルザ・フォスタ[3] (Elza Fosta[2])
カラードの女性メンバー。本編未登場(連載中の扉絵のみ[2])。
エルデスコ・バイエ[注 5]
カラードのリーダー。やや穏健派。ザクIII後期型に搭乗する。
のちにネオ・ジオンがコロニー落としを行うと知ると、それを阻止するためにアラハス隊と共闘する。
ディーマッド (D' mad[2])
MSパイロット。カラードの主戦派。ゆえに袂を分かったエルデスコと戦う。ガザWに搭乗。
のちにネオ・ジオンに合流する。
ナック・ラジャン[注 6] (Nack Rajhan[2])
カラード参謀。
フォニオ・ラジャン・アシーク[注 5] (Phonio Rajhan Ashik[2])
カラードの女性メンバー。アニーがノーマルスーツを着るのを手伝う。
フォムン・ロフト[注 5] (Fomn Rofte[2])
ブリッジ・オペレーター。
ヤン・クリーク[注 5] (Yhan Kreik[2])
ブリッジ・オペレーター。

ネオ・ジオン[編集]

以下の人物はリンク先を参照。

ジェダ・ジェスカリオト[注 7] (Jeda Jeskarote[2])
イリアの副官で、階級は中尉。粗野で好戦的な青年で、上官イリアが冷や汗を足らずほどの過激な策を提案することもある。ヤクト・ドーガに搭乗。
シン・ワタナベ[注 7]
ワタナベ研究所の被験者の少女。タウとは双子の間柄で、ニュータイプ。ファンネルだけではなく、サイコミュで制御するオートマトンを使う。
シンシア・ハース[注 7] (Sinthia Haas[2])
ワタナベ研究所の女性職員。シン、タウのデータ収集をおこなう。
タウ・ワタナベ[注 7]
ワタナベ研究所の被験者の少年。シンと同じくニュータイプ。ミドルモビルスーツに乗り、戦闘時には犬のように吠える。

登場兵器[編集]

Dガンダムをはじめとする本作が出自のMSの多くは福地仁がデザインを手掛けているが、中にはうしだゆうじがデザインしたものあり、作中でも画稿通りの姿ではなく、まったく異なる姿で登場している機体がある。機体によってはサンライズ公認となっている書籍に漫画のカットと設定画の両方が収録されているものもある。『GGENERATION』に登場したものは設定画に準じている。

モノトーン・マウス社
  • ザクヘッド
    ザクの頭を模した作業用ポッド。
  • Dガンダム
地球連邦軍
  • ジェガン改
  • GDキャノン
    型式番号RGD-X2(模型情報1988年9月号)またはGRD-X2(MS大図鑑PART.3 アクシズ戦争編,GジェネレーションF)。砲撃戦専用機[5]。コロニーでの運用が想定されており、外壁から上半身のみを露出させて簡易砲台として使用される予定であったという[6]。アラハスに保護されていたアルヴェニシカ・キーストが脱出する際に使用している。
  • バージム
  • ガンキャノン・ディテクター
  • ネモIII
ネオ・ジオン

この他にも設定画や正式名称の存在しない機体が数機種確認できる。

本編未登場の兵器
本作のために福地は多数のMSをデザインしたが、中には画稿が上がったのみで本編に登場しておらず、扱い上で本作のものとされる機体が複数存在する。
  • Dガンダム&Gクルーザー(Dガンダムフォース)
  • GDストライカー
    型式番号RGD-X1(模型情報1989年2月号,MS大図鑑PART.3 アクシズ戦争編)またはGRD-X1(GジェネレーションF)。GDは「ガン・ディフェンダー」の略で、「ジード」と読む[6][5]。汎用機として企画された。従来のGM系量産機と比べ機動性を重視した設計となっており、機体背部に4つの大型バーニアを備える。機体の設計コンセプトは治安維持と迎撃を主任務としており、主としてコロニー守備隊での運用を想定していた[7]。模型情報の記述によると、ジェガンとの競作で敗れた「ハイパス」という機体を改修したものとされている[7](「ハイパス」は機動戦士ガンダムΖΖで没案となったMSの名前である[要出典])。
  • GDバストライナー
    型式番号RGD-X3(模型情報1989年2月号,MS大図鑑PART.3 アクシズ戦争編)。一年戦争時に製作された「バストライナー」をリファインするコンセプトで企画された。コロニー守備隊や治安維持部隊向けの装備としての運用が想定されている。機体はベースジャバーとMSを一体化したものとなっている[7]。第一次ネオ・ジオン戦争時のメガライダーほど性能は高くない[7]
  • ザクIII後期型陸戦仕様
  • ガザB
  • グザ
    型式番号AMX-012。設定は乏しく、初出の『模型情報1988年12月号』、『MS大図鑑PART.3【PART.3 アクシズ戦争編】』、『GジェネレーションF』以外にはほとんど掲載されていない上、それらの設定に齟齬がある[8]
  • クェル・ドーガ

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b c 本編では氏名不詳。連載中の扉絵でフルネームが判明している(英文表記のみ[2]。カタカナ表記は便宜上のもの)。
  2. ^ a b c d e f 本編ではファーストネームのみ。連載中の扉絵でフルネームが判明している(英文表記のみ[2]。カタカナ表記は便宜上のもの)。
  3. ^ 本編では氏名不詳。フルネーム(カタカナ表記)は『データガンダム』より[4]
  4. ^ 本編ではラストネームのみ。連載中の扉絵でフルネームが判明している(英文表記のみ[2]。カタカナ表記は便宜上のもの)。
  5. ^ a b c d 本編では氏名不詳。フルネーム(カタカナ表記)は『データガンダム』より[3]
  6. ^ 本編ではラストネームのみ。フルネーム(カタカナ表記)は『データガンダム』より[3]
  7. ^ a b c d 本編ではファーストネームのみ。フルネーム(カタカナ表記)は『データガンダム』より[3]

出典[編集]

  1. ^ 「MS大図鑑 PART.3アクシズ戦争編」57ページの年表など。0090年1月に記述される「NSP」という組織名が本作独自の用語である。しかし一部の電撃コミックスに掲載されていた「宇宙世紀公式年表」など、この記述を掲載していない年表もある。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 「ACT.2 変則攻撃」扉絵『MJ』1988年8月号、バンダイ。
  3. ^ a b c d e 岡崎昭行『データガンダム キャラクター列伝[宇宙世紀編II]』角川書店、2010年6月、147頁。
  4. ^ a b 岡崎昭行『データガンダム キャラクター列伝[宇宙世紀編II]』角川書店、2010年6月、73頁。
  5. ^ a b 『ENTERTAINMENT BIBLE .3 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】 』123頁。
  6. ^ a b 『模型情報1988年9月号』43頁。
  7. ^ a b c d 模型情報1989年2月号』43頁。
  8. ^ 『模型情報1988年12月号』43ページでは「ネオジオン製のボリノーク・サマーン」。『MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】』123ページの設定では作業用可変MSという不自然な記述で、同ページではガザBがギラ・ドーガの前段階、クェル・ドーガがザク系重MSとして掲載されている。『GジェネF』では『アクシズ戦争編』のガザBの記述に基づく設定となっている。