第二次ネオ・ジオン抗争

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search
宇宙世紀 > 第二次ネオ・ジオン抗争
第二次ネオ・ジオン抗争
戦争:シャアの反乱
年月日:宇宙世紀0093年2月27日 - 宇宙世紀0093年3月12日
場所地球
結果ネオ・ジオンの作戦失敗により終結、地球連邦軍の勝利
交戦勢力
地球連邦軍
ロンド・ベル
ネオ・ジオン
指導者・指揮官
ブライト・ノア
アムロ・レイ 
シャア・アズナブル 

第二次ネオ・ジオン抗争(だいにじネオ・ジオンこうそう)は、映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』で描かれた地球連邦軍新生ネオ・ジオンによる架空の戦争。「シャアの反乱」、「アクシズ戦争」または資料によっては「第二次ネオ・ジオン戦争」と呼称されている[1]

概要[編集]

グリプス戦役で行方不明となっていたクワトロ・バジーナことシャア・アズナブル。彼の本名はキャスバル・レム・ダイクン、ニュータイプ論やスペースコロニー独立運動の指導者ジオン・ズム・ダイクンの息子である。シャアは地球に安穏と住む地球連邦政府首脳部を粛清するために再び地球圏に飛来してきたのだった。

連邦政府の難民に対する措置[編集]

宇宙世紀0089年08月25日「連邦軍、スペースノイド寄りのコロニーに対し経済制裁等の引き締め強化。」[2]

宇宙世紀0090年02月03日「難民収容施設として、スウィート・ウォーターを改造。」[3]

宇宙世紀0089年1月17日にハマーン戦争と呼ばれる第一次ネオ・ジオン抗争が集結してから事態は鎮静化したように見えたが連邦は何の対策も講じてはおらず、度重なる戦争で生じた難民に対する救済措置もおざなりなものだった。実際にはアースノイドとスペースノイド間の軋轢は少しも解消されておらず、同年8月25日には各コロニーの自治権を無視した規制も加えられた。この時期の反地球連邦運動はかつてのサイド3のときのような狂騒状態には至らなかったものの、広くスペースノイド全体に敷衍されたものとなっていき、連邦政府に対する反感も徐々に人々の中に醸成されていった[4]

ネオ・ジオンの宣戦布告[編集]

宇宙世紀0092年12月13日「ネオ・ジオンが地球連邦軍に対し攻撃を示唆。」[5]

宇宙世紀0092年12月22日「シャアを総帥とする艦艇、スウィートウォーターの占拠を宣言。」[6]

宇宙世紀0093年02月27日「ネオ・ジオン総帥のシャア、インタビュー番組内で事実上の宣戦布告。」[7]

ロンド・ベル隊の強化[編集]

宇宙世紀0090年003月21日「連邦軍、外郭新興部隊ロンド・ベル隊再編。」[8]

宇宙世紀0090年に入って、反地球連邦組織の活動は激化していった。エグムやNSPなどの大掛かりな規模を持つ組織もあり、MSや宇宙艦艇まで調達し連邦への妨害工作も顕著になった。テロや小規模な戦闘が頻発し、その対応に迫られた連邦は同年の3月21日付けで外郭新興部隊ロンド・ベルを再編し、装備と人員の拡充を行った。しかし、実働部隊としてのロンド・ベルは組織規模が依然として小さく、空コロニーなどが点在する月軌道内外の暗礁空域などの捜索は物理的に不可能であった(これに加えロンド・ベルはシャアの反乱までの二年間で全部のコロニーの調査を行ったが、大多数のスペースノイドは宇宙から地球を支配している地球連邦政府を嫌っており、ロンド・ベルが調査に言っても民間人がガードしてしまい、シャアの軍事準備を発見することは出来なかった)。 また、当時の連邦軍の戦略は有事を想定しておらず、国家規模の戦争には到底、迅速な対応ができるものではなかったのである[9]

宇宙世紀0092年012月25日「連邦軍、ロンド・ベルを増強。」[10]

宇宙世紀0092年12月22日にシャアのスウィート・ウォーター占拠宣言が発せられてからは事態は急変する。連邦政府自体が取った対策は、シャアがスウィート・ウォーターの独立を求めてきた場合の手続きの検討程度だった。しかし地球連邦政府の高官ジョン・バウアー(ロンド・ベル隊の主力MSであるジェガンタイプの量産指示を宇宙世紀0089年当時に強行したのも彼である)の指示もあって同年の12月25日にロンド・ベル隊の増強が行われ、組織的にも実戦部隊として機能できるように再編成されるのだった。大気圏周回用ガルダに配属されていたブライト・ノアもそれまでの経験を買われ、旗艦ラー・カイラムの艦長としてロンド・ベル隊に編入されたがそれでも戦力は十分ではなかった[11]。ガンダムを始めとして、Zガンダム、ZZガンダム、百式までガンダムと名が付くすべてのMSは連邦政府の連中にとっては核兵器と同じようなものだった。それらは永久保存という名目で存在を秘匿され、その保管場所を知っている連邦政府議会のトップでさえその存在を忘れているらしかった。また、ジョン・バウアーでさえ閣議の決定をくつがえす力はなかったのでどうしようもなかった[12]。一年戦争から第一次ネオ・ジオン抗争に至るまで、総力戦や物量戦を除いた重大な戦局でのNT専用MSの重要性を熟知していたロンド・ベルのMS隊々長アムロ・レイ大尉は、ネオ・ジオンがNTを戦闘に投入してきた場合を想定して、Zガンダムの量産機であるリ・ガズィを製作した。しかし、それでも戦力不足であると判断したので、アナハイム・エレクトロニクスのフォン・ブラウン工場の協力を取り付けてサイコミュ搭載のνガンダムを開発していた[13]

開戦[編集]

宇宙世紀0092年08月~「連邦軍、本部をチベットのラサへ移動。」[14]

宇宙世紀0093年03月04日「5thルナ、連邦軍本部在住地チベットのラサに激突。」[15]

連邦政府の油断をつき、ネオ・ジオンは少数精鋭をもって電撃的に地球の衛星軌道上にあった小惑星5thルナを占拠、連邦政府を恫喝するため、当時の連邦本部が置かれていたチベットのラサへ5thルナ落下を決行する。ロンド・ベルは5thルナ落としを阻止するべくネオ・ジオン軍と交戦するが、5thルナの核パルス・エンジンを破壊することは出来なかった。両軍のMSが撤退した後は、ロンド・ベルは各サイドに5thルナへ向けて攻撃要請を行ったが、コロニーの内乱を恐れたサイド1はこれを聞き入れなかった。サイド2からはレーザー攻撃が行われたが数が少なく到底5thルナの破壊には至らず、レーザー攻撃をしている部分はネオ・ジオンのシンパが潜り込み自爆テロによって破壊されてしまった。そして5thルナはラサへと落着し、避難の完了していなかった多くの一般市民が犠牲となった。

なお、シャアの粛清対象である連邦政府高官のほとんどは5thルナの落着を事前に知っていた為避難が完了していた。例として、地球連邦政府参謀次官のアデナウアー・パラヤは宇宙行きのスペースシャトル「天鹿(テンルゥ)」に政治特権で割り込み、天鹿は5thルナとすれ違う正に危機一髪的状況でラサから脱出したのであった。

リ・ガズィに搭乗したアムロ・レイはシャアのサザビーと交戦する。戦闘で圧倒されたアムロはモビルスーツの性能差を痛感し、自身が開発に関与していたνガンダムを受領するため、アナハイム・エレクトロニクス社フォン・ブラウン工場へ赴いた。

偽りの平和交渉[編集]

宇宙世紀0093年03月06日「ネオ・ジオン軍と連邦軍、サイド6、ロンデニオンにおいて、極秘裡に平和交渉。」[16]

ラサへの隕石落とし後、ネオ・ジオンは、第一次ネオ・ジオン抗争後に地球連邦政府が押収していた小惑星アクシズを金塊で買い取る代わりに、武装解除を行い投降するという和平交渉案を連邦政府に申し入れ、ネオ・ジオンと連邦政府の和平交渉がサイド1のロンデニオンで極秘裡に行われることとなった。この和平交渉には総帥のシャアが立ち会うこととなり、シャアがロンデニオンへ潜入することをロンド・ベルに悟られないため、ネオ・ジオンはロンド・ベルへ陽動攻撃を仕掛ける。攻撃中に完成したνガンダムが戦列に加わったが、シャアのロンデニオン潜入は成功し、ネオ・ジオンは撤退する。ロンド・ベルはネオ・ジオンが攻撃を仕掛けた意図を看破できなかった。

ロンデニオンコロニー内のホテル・キャンベラにて和平交渉は行われた。アデナウアー・パラヤ以下の地球連邦政府代表とネオ・ジオンの参謀ホルスト・ハーネス、そして総帥のシャア・アズナブルが会談のテーブルに着いた。地球連邦政府はフィフス・ルナの直撃前に移動して公の効力を持つ調印書を用意していた。会談の内容は、ネオ・ジオン艦隊がルナツーに投降した後にアクシズをスウィート・ウォーターに移動させるのであれば、アクシズを譲渡するというものであった(この際にネオ・ジオン側からはアクシズ買い取り金という名の賄賂として金塊が地球連邦政府に渡されている)。アデナウアーは「もしこの条件が飲めなければ連邦政府としては全面戦争に踏み切らざるを得なくなる」と言い、「それではネオ・ジオン側は敗北してしまうだろう」とホルストは返答している。

ネオ・ジオン側の主張は「連邦政府にあくまでスウィート・ウォーターにネオ・ジオン政庁を認めて頂いて、コロニー開発の鉱物資源をアクシズに求めているのだ。そして、アクシズを購入してもスウィート・ウォーターに運搬するためには艦隊の存続を認めてもらわなければならない」というものだった。しかし地球連邦政府の高官曰く「アクシズには前世紀の核兵器を貯蔵してあるので、その核を利用したエンジンで簡単に移動させることが出来る。だからネオ・ジオンの艦隊は地球連邦軍の拠点であるルナツーに来て武装解除をするだけで良い」ということだった。アクシズがスウィート・ウォーターに接触してくれれば、スウィート・ウォーターの開発事業が進捗し失業問題も一挙に解決すると予測された。ここでネオ・ジオン艦隊の隊員たちを地球連邦軍に就職させもらえなるならネオ・ジオンとしてはもっと嬉しいとホルストは言った。

会談は調印書にある日時にネオ・ジオン艦隊はルナツーに投降をしてアクシズをスウィート・ウォーターに移動させるという事で決定となり、連邦政府とネオ・ジオンの双方は基本条約に調印をして以後は事務レベルで協議をするということになった。しかしこの和平交渉は欺瞞だった。

アクシズ落とし[編集]

宇宙世紀0093年03月12日「ネオ・ジオン艦隊、投降を偽装しアクシズを奪回。地球に降下させるも失敗。[第2次ネオ・ジオン抗争(アクシズ戦争、シャアの反乱)終結]」[17]

ネオ・ジオンは艦隊を二手に分け、一方はダミーバルーンで艦艇数を偽装した上で、戦力引き渡し地点である連邦軍宇宙基地ルナツーへ向かい、和平成立と思い込み油断していた連邦軍を少数戦力による騙し討ちで壊滅させ、ルナツーを占領した。ネオ・ジオン軍の武装解除に立ち会うためにルナツーに来ていた連邦側の代表アデナウアー・パラヤ参謀次官もロンド・ベル隊の艦艇に乗艦していた為この戦闘で死亡する。一方、シャアに率いられた残りの艦隊はアクシズを占領した。

ロンデニオンでの和平交渉に立ち会っていた地球連邦政府監査局のカムラン・ブルームは、旧知のブライト・ノア大佐にシャアのロンデニオン潜入をリークする。また、アムロは武装解除に向かうネオ・ジオン艦隊の中継画像から、艦隊にダミーが混じっていることを見抜く。ブライトたちはシャアがアクシズを地球に落下させると判断し、カムランの協力を得てルナツー以外に保管されていた核兵器15基を調達し、アクシズ落下を阻止するため向かった。

ルナツーとアクシズを占拠したネオ・ジオンは、ルナツーに貯蔵されていた核兵器をアクシズに移送し、アクシズの核パルスエンジンに点火し地球への落下コースに乗せる。

この時ロンド・ベル隊の活躍によってアクシズは二つに大きく分断された。しかし、爆発の威力が強すぎた為に分断されたアクシズの後部がもはや阻止不可能と見えるほどに地球に接近しており、その巨大な影が地表から目視できるほどであった。しかしアムロは「νガンダム(の能力)は伊達じゃない。こんな石コロ一つ如き」と、これを押し戻そうという蛮勇を振るった。その上、命令が出たわけでもないにも関わらず、周辺空域を警戒していた連邦軍の艦隊が引きつけられるようにアクシズに集結する。多数の連邦軍兵のみならず、アクシズを落とすために戦っていたネオ・ジオン兵までが「ロンド・ベルだけにいい思いはさせない」「地球が駄目になるかどうかなんだ、やってみる価値はある」とアムロの行動に同調し、敵同士のはずの双方が死を覚悟しながらアクシズ落下阻止に尽力するという奇跡的な事態となった。そしてνガンダムの機体から突如として発せられた“虹色の光”はアクシズのみならず地球全体を覆うほどのオーロラへと拡大し、その超常的な力でアクシズは地球への軌道を離れていった。

シャアの真意[編集]

地球に無関心になってきたスペースノイド増加に対する危機感[編集]

人類の本格的な宇宙移民が始まってから一世紀弱。ギレン・ザビはジオン公国の独立戦争で50億以上もの戦争被害を出したが、それでも宇宙世紀0093年時点の人口は旧世紀の総人口よりもはるかに多くなっていた(劇場版でもクェスが宇宙には100億の人類がいると言っていた)。人類は数でも軽くはなっていないし、まして精神は硬直したままだというのはシャアには許せる問題ではなかった[18]。そして、スペースノイドの中には地球をただの星の一つだと思っている世代が台頭し始めていた。こうした世代の地球に関する無関心さが地球連邦政府を独善的にさせたのであった。だからこそシャアはスペースノイドに地球の存在を思い出させたかった。そして遠い将来、スペースノイドが地球を人類の故郷だと思い出したときに、オールドタイプが汚したままの地球ではなく太古以来の自然が包む暖かい地球にしておきたかったのだ[19]

宇宙世紀0105年ではシャアの危惧した通りスペースノイドの世論は地球とは全く別物になっていた。既に彼らは連邦政府に対する興味どころか地球に対する魅力すら感じていなかった。《地球至上主義》などはもう地球にしがみついたごく一部の旧人類(オールドタイプ)だけの妄想に成り下がり、大半の宇宙人(スペースノイド)は地球に未練のない世代になっていた[20]

連邦政府高官への怒り[編集]

グリプス戦争時に地球連邦政府の内幕をシャアは見た。それは宇宙移民を推奨した一部の高官が地球を独占しているという事実だった。そのような地球を独占している人々の傲慢は許せず粛清する必要性をシャアは感じていた[21]

覇権奪取に奔走するネオ・ジオン派への嫌悪[編集]

シャアは味方であるネオ・ジオン派の人間にも真意は語らなかった(ナナイは例外である)。なぜなら言っても分かってもらえないからである。彼らは覇権奪取しか頭にない、つまり、地球連邦政府の連中と同じだった。権力を持つ、権力を持ちたい、権力を維持しなければならないという権力から始まる発想はすべてを歪めるのだ。権力を発動するものがいなければそれは起こらないが、権力を発動するものに対決して力を示すしかないのは人間の小ささである。強力なサイコミュで人類全体に謙虚さを埋め込むこと、「サイコ・フレームで地球を包めればそれが可能かもしれない」とナナイは言うがそれは無理な話だった[22]

スペースノイドに託した人類再生への願い[編集]

シャアはアムロ達と一緒に、連邦軍内部の反地球連邦組織ティターンズとの戦争を経験した。そこでザビ家の怨念を背負った女ハマーン・カーンと戦ったことで、地球圏が人類の怨念で包まれているのに気付き耐えられなくなってしまった。そして全ての決着を付ける時期が来たとシャアは感じているのではないかと、アムロはブライトとの会話で推測している[23]。シャアは地球圏に駐留するアクシズに感慨も覚えるが表面上はなんの感慨も感じぬように努めていた。それよりアクシズはハマーン・カーンに汚されたという思いのほうが強かった[24]。シャアはアクシズを地球に落とし、核の冬を呼び地球連邦政府を含む地球上の人類(アースノイド)を抹殺して、人類の再生をスペースノイドに賭けようとしたのだった[25]。戦争の歴史を繰り返す地球圏の元凶たる地球に居続ける人々の粛清を行うためである。シャアが勝てば人類の怨念の全てがシャアにのしかかる。しかしシャアには人類全体をニュータイプとするために、人類の業を背負う覚悟があったのである。

宿敵アムロ・レイとの決着に対する執着[編集]

シャアは、地球圏で連邦政府に利用されているアムロ・レイの存在を忘れてはいなかったし、どのような動きをしているかもある程度は察知していた。アムロは内部改革をしようと連邦軍に残っていたのだが、シャアにはアムロが政治家になって内部改革を行うのは無理だと思っていた。現にアムロは、シャアから見れば地球連邦軍の中でネズミのようにウロウロしているだけだったからだ[26]

ナナイには、シャアがアムロを憎んでいるようには見えず良い戦友だとしか思えなかったし、将来アムロが連邦政府の首相になるかもしれないと思っていた[27]。アムロが地球連邦の連中の言いなりになっているのがシャアには苦しかった、それにシャアの見解では人類は内部改革を実践した例はなかった[28]

シャアは「隙間の刻」に身をゆだね、もし自分が命を失うようなことがあれば、この数年実施のために全力投入してきた地球寒冷化計画が自動的に実施されなくなるのも、それはそれで天命だと割り切るだけの決意を持っていた。アムロ・レイ、彼が相手ならば、そうなることも必然であるという覚悟があった。「いつか決着を付けないと、私が収まらんのさ……」それが、シャアがアステロイド・ベルトから帰還後、地球でアムロに再会して以後の彼の思いなのだ。良い友人になれると同時に、決して許すことができない敵。その両方が共存するアムロという存在の間に、時の流れにしたがってそれなりに老いて終わるなどといった結果だけはシャアは残したくなかったのである。シャアは、潔癖なのだ[29]

アクシズが逸れた原因[編集]

アクシズが地球から逸れた説には大きく分けて二つある。ミノフスキー力場共鳴説とサイコ・フィールド説である。サイコ・フィールドという単語の初出である『機動戦士ガンダムUC』やその外伝作品、『機動戦士ガンダムUC』で起きた事件の直後を描いた作品『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』内ではそちらの説を採用している。

ミノフスキー力場共鳴仮説[編集]

アムロの搭乗するνガンダムのスラスター推力で、アクシズの破片の軌道変更を行うのは物理的に不可能である。この現象は、周辺に大量に散布されていたミノフスキー粒子の立体格子状構造が、サイコフレームから発振するアムロとシャア二人のNT(ニュータイプ)の感応波によって振動、導電性物質であるアクシズの破片に対して反発力として働いた。つまり偶発的にミノフスキー・クラフトに似た現象が大規模に起こったものだと推測されている[30]

サイコ・フィールド説[編集]

νガンダムそしてサザビーに搭載されていた新素材「サイコフレーム」は受信するパイロットの感応波が許容量を超えると発光現象を引き起こす。そしてその光は時に物理的エネルギーに転化し正体不明の力場を形成するというもので、その力場「サイコ・フィールド」の力でアクシズは逸れたとする説である[31]

アムロ大尉一人の感応波が為したということではなく、アクシズ落下で地球が失われるという恐怖によって、あの時全人類が共有した危機感が無意識的に集積しνガンダムのサイコフレームを依代にして莫大なエネルギーに転化した。νガンダム一機のサイコフレームにそれほどの受信能力があったとは考えにくいが他にあの現象を説明する術はないというのが連邦軍が用意した調査班の下した一応の結論だった[32]

アクシズ・ショック[編集]

第二次ネオ・ジオン抗争時に、νガンダムが莫大な質量を持つアクシズを弾き返した現象を指す。命名者は連邦軍上層部であり、世界のパワーバランスを容易に覆す恐るべきその力はショックと言う他あるまいと語っていた[33]

連邦政府上層部としてはこの異常事態を落着させる論法を見出さねばならなかった。サイコミュを媒介にして人類の集団無意識がエネルギーになったなどと発表するのは論外だった。なぜなら、アムロ・レイとシャア・ダイクン、アクシズと共に消息を絶った二人のニュータイプが人柱となって現代に顕現させた奇跡の業、それはジオニズムに血肉を与える神の御業でもあった。それはようやく一つになった人類を分断する毒であり、人類は神の世紀を捨て宇宙世紀へと移行したいま神はいらないというのが連邦政府上層部の意向である[34]

ニュータイプ神話が文字通りの神話となれば対ジオニズム闘争は、人が起こす戦争の中でもっとも調停が難しく長く残酷な殺し合いである宗教戦争と化す(第二次ネオ・ジオン抗争最中には、ロンド・ベル隊内でシャアというカリスマが古代の人類の国家のように王は神託を受けたものという流行り方をすれば宗教戦争になる可能性も議論されていた[35])よって連邦軍上層部は事件の調査研究は継続するにしてもサイコフレームの開発は中止、今回の事件は「アクシズの軌道が逸れたのはロンド・ベルの分断作戦が成功したからに他ならない。地球を取り巻いたあの光は爆発で飛散した破片が大気の摩擦熱で焼かれ生じたものだ」という発表を行い事態の収束を図ろうとした。

歴戦のニュータイプの鼓動を間近に感じてきたロンド・ベル隊司令のブライト・ノアはアクシズ・ショックに関する連邦軍上層部の隠蔽工作に対して反発。アムロが見せたあの光を消すわけにはいかず、第二時ネオ・ジオン抗争時に機体を無断搭乗した息子ハサウェイ・ノア、核兵器を無断で持ち出したカムラン・ブルーム、連邦上層部によって実質人質扱いをされていた両名を犠牲にしようとするものの、ブライトの脳内に突如アムロ・レイカミーユ・ビダンジュドー・アーシタ三人のニュータイプが現れた。彼らが言うには、ニュータイプが生きるにはこの世界はまだしがらみが多すぎるので、これから生まれてくるニュータイプ(バナージ・リンクス)を手助けしてくれる、自分達がなれなかった大人になるようブライトに頼んで消えていった。これを受けブライトは連邦軍上層部に、自分をロンド・ベル隊司令として留任させることを条件としてどんな調書にでもサインをするし、公聴会などで望み通りの発言をすることを確約した。これによりブライトにかけられた国家騒乱罪の嫌疑、カムランと息子ハサウェイに関する訴追は自動的に免責されることになった。

ブライトがシナリオ通りに地球へのアクシズ激突阻止を行った偽物の英雄となったことで地球連邦軍上層部の懸念は一先ず消え去った。そして地球連邦軍とアナハイムはUC計画を発動することになった。

戦争終結後[編集]

ネオ・ジオン残党の集結[編集]

シャアの反乱が終結したことで地球圏は束の間の平穏を得た。だが、仮想敵が消滅することで発言力を失うことを恐れた連邦軍や軍事族議員は、サイド6宙域の資源衛星パラオに潜伏していたネオ・ジオン残党軍「袖付き」の存在を敢えて見逃した。そして宇宙世紀0096年、第三次ネオ・ジオン抗争が引き起こされることになる。しかし、この紛争は袖付きの首魁であるフロンタルの死亡により終結した。

アクシズの残骸の探索[編集]

宇宙世紀0096年、先の第三次ネオ・ジオン抗争いわゆるラプラス事件が終結して数カ月後、2つに割れた小惑星アクシズの片割れにおいて、残存するサイコフレーム技術調査の為に送り込まれた連邦政府の特殊部隊マスティマとブッホ・コンツェルンの私兵武装集団バーナムの武力衝突が発生した。

シャアの反乱からおよそ100年後[編集]

宇宙世紀200年台、独立運動の伝説的巨人シャア・アズナブルの遺伝子を受け継ぐものアフランシ・シャアは反地球連邦組織メタトロンのリーダーとして、地球支配を企むマハ・ゲイジスと荘烈な闘いを繰り返していた。この時代では、ジオン公国の残党に祭り上げられたシャアが起こした反乱において、地球を汚染するかもしれなかった隕石の激突を回避させたのは、シャアの人徳とニュータイプとしての才能であったと伝わっており、そのためにシャアは死んだというのである。

脚注[編集]

  1. ^ MODELKASTEN - 書籍 - ガンダム アーカイヴス『第一次/二次ネオ・ジオン戦争』編
  2. ^ 『機動戦士ガンダムMS(モビルスーツ)大図鑑〈PART.3 アクシズ戦争編〉』57ページ
  3. ^ 『機動戦士ガンダムMS(モビルスーツ)大図鑑〈PART.3 アクシズ戦争編〉』57ページ
  4. ^ 『機動戦士ガンダムMS(モビルスーツ)大図鑑〈PART.3 アクシズ戦争編〉』56ページ
  5. ^ 漫画『機動戦士ガンダムシルエットフォーミュラ91』7ページ
  6. ^ 漫画『機動戦士ガンダムシルエットフォーミュラ91』7ページ
  7. ^ 漫画『機動戦士ガンダムシルエットフォーミュラ91』7ページ
  8. ^ 『機動戦士ガンダムMS(モビルスーツ)大図鑑〈PART.3 アクシズ戦争編〉』57ページ
  9. ^ 『機動戦士ガンダムMS(モビルスーツ)大図鑑〈PART.3 アクシズ戦争編〉』58ページ
  10. ^ 『機動戦士ガンダムMS(モビルスーツ)大図鑑〈PART.3 アクシズ戦争編〉』57ページ
  11. ^ 『機動戦士ガンダムMS(モビルスーツ)大図鑑〈PART.3 アクシズ戦争編〉』58ページ
  12. ^ 小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 中編』54ページ
  13. ^ 『機動戦士ガンダムMS(モビルスーツ)大図鑑〈PART.3 アクシズ戦争編〉』59ページ
  14. ^ 漫画『機動戦士ガンダムシルエットフォーミュラ91』7ページ
  15. ^ 漫画『機動戦士ガンダムシルエットフォーミュラ91』8ページ
  16. ^ 漫画『機動戦士ガンダムシルエットフォーミュラ91』8ページ
  17. ^ 漫画『機動戦士ガンダムシルエットフォーミュラ91』8ページ
  18. ^ 小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 前編』219ページ
  19. ^ 小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 前編』211ページ
  20. ^ 漫画『機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー -カイ・シデンのメモリーより-(2) 』108ページ
  21. ^ 小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 前編』211ページ
  22. ^ 小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 前編』212ページ
  23. ^ 小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 中編』248ページ
  24. ^ 小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 後編』109ページ
  25. ^ 小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 上編』219ページ
  26. ^ 小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 前編』222ページ
  27. ^ 小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 上編』207ページ
  28. ^ 小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 上編』207ページ
  29. ^ 小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 上編』204ページ
  30. ^ 『総解説ガンダム事典Ver.1.5』116ページ
  31. ^ 『機動戦士ガンダムUC 虹に乗れなかった男』173ページ
  32. ^ 『機動戦士ガンダムUC 虹に乗れなかった男』174ページ
  33. ^ 『機動戦士ガンダムUC 虹に乗れなかった男』174ページ
  34. ^ 『機動戦士ガンダムUC 虹に乗れなかった男』175ページ
  35. ^ 小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 中篇』131ページ