メタトロン (ガンダムシリーズ)

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メタトロン(めたとろん、Metatron)は、富野由悠季小説作品およびそれを元にしたラジオドラマ作品『ガイア・ギア』に登場する架空の組織である。同作の主人公が所属する組織であり、地球連邦政府およびマハとは敵対関係にある。

ズィー・ジオン・オーガニゼーション[編集]

メタトロンの改名前の名前、前身組織。劇中ではズィー・オーガニゼーション(機関)とも呼ばれる。この組織の名称の由来は、ズゥイ・ジオンを志したコード・ネームであり、シャアがジオン公国消滅後にダイクンの志を遂げようとして起こした秘密結社ネオ・ジオンとは、関係をもたせようとは思ってないとミランダ・ハウの口から語られた[1]

改名由来[編集]

メタトロンとは小説版ではマザー・メタトロンへ迎えられた際にアフランシ・シャアが決定した名前である。天使としてのメタトロンは、運命数が同じ314であることから全能の神シャダイと同一視されていたため、アフランシは当初組織名と「三十一の二乗」の艦名の案にこちらも挙げていたが、メンム・ケイレン艦長によりシャダイは尊大すぎるとしてメタトロンが選ばれた。ラジオドラマ版では当初よりメタトロンの名で活動している。

組織形態[編集]

宇宙に「三十一」と呼ぶ基地を3つ持ち、それぞれ「三十一の一乗」、「三十一の二乗」、「三十一の三乗」という暗号名をつけて呼んでいる。地球降下時にはエア・フォースを使用した。マン・マシーンはアフランシが駆るニュータイプ専用機ガイア・ギアαを筆頭に、旧式ながらも改修を繰り返し並の量産機以上の性能を持つゾーリン・ソール、汎用量産機ドハディに、ガイア・ギアαの簡易量産機ガイヤスを所有する。

  • 保有艦艇
    • 三十一の二乗(マザー・メタトロン)
      小説版では基地とコロニーの残骸、宇宙戦艦を纏めて呼称していたが、宇宙戦艦はマザー・メタトロンに改名し、それ以外は地球連邦に宣戦布告する前に放棄している。ラジオドラマ版では当初よりこの名前で呼ばれていた。
  • エア・フォース
    • エア・フォース1
    • エア・フォース2
    • エア・フォース3
  • スパシアス号
  • マリオン・スラグ
  • エレカバイク

ユーロ・メタトロン[編集]

ヨーロッパ方面に展開するメタトロンの一組織。マン・マシーンは所持しておらず、普段は諜報活動などに従事しているようである。作中では本隊が地球降下した後に合流し、補給活動や整備に活躍した。

  • 保有艦艇
    • ヴァルキュリャ

シャア・コンテニュー・オペレーション(シャア存続作戦)[編集]

伝説の人物シャア・アズナブル[編集]

シャア・アズナブルはスペース・コロニー移民時代の初期、サイド3にジオン公国を創設したジオン・ダイクンの遺児である。ジオン公国そのものは、ダイクンが暗殺されたのでザビ家にのっとられてしまった。しかしシャア・アズナブルは、そのザビ家に潜伏して真のジオン再興を願った。ザビ家のジオン公国が連邦政府に敗北することによって、シャアの命運も絶たれたかに見えたが、シャアはその後、私的軍隊を創設して連邦政府に対したこともあった。それについては、ジオン公国の残党に祭り上げられたシャアが、彼等に応えざるを得ず、一瞬の反乱をさせたのだと評された。彼の人徳とニュータイプとしての才能は、地球を汚染するかもしれなかった隕石の激突を回避させ、そのためにシャアは死んだというのである。そのとき、シャアの意思は、オーロラになって地球をつつんだと語り伝えられていた[2]

作戦の最終目的[編集]

独立運動の伝説的巨人シャア・アズナブル、彼の細胞そのものを分割し再活性化させる実験で作られたクローン「アフランシ・シャア」。その第二のシャア・アズナブルというカリスマを中心にしたメタトロンの活動は、巨大化した官僚機構の受け皿にしかすぎなくなった連邦政府をゆるがすのは容易であり、大衆一般の支持も絶対的に受けるであろう。メタロトロンとシャアの高潔性によって、理想的な完全管理の体制を人類圏は確立することができて、地球保全を万全のものにした連邦を構築する[3]、それが目的であった。

作戦が本格的に稼働するまでの下準備[編集]

シャア・コンテニュー・オペレーションは順調で、近い将来、シャア・アズナブルというカリスマ性をもった男のクローンが再来する。それに呼応するため、スペース・コロニーの各地に散在する反地球連邦政府運動を糾合する組織としてメタトロンをつくり、マザー・メタトロンを建設するまでに組織を育て、シャア・アズナブルを迎えたときに、連邦政府に対抗した国家的な規模を確立するのがメタトロンの提督たちの任務だった。

メモリー・クローン[編集]

シャア・コンテニュー・オペレーション実現のためズィー・ジオンが使用した。脳内に情報を入力したセル・チップを埋め込む技術とされるが、その効果は偶発的で、作中では突然記憶が蘇り、アフランシは戸惑っていた。メリットとして元の記憶を持つ者の情報をそのまま引き継ぐ事が出来るが、一方アイデンティティーの確立に障害を及ぼす危険性がある。

組織の末路[編集]

当初は崇高な目的で開始された組織の理想は、時を経るごとに色を失っていた。物語の舞台0203年では、上層部の思考は硬直し自らの保身に囚われ、下士官以下は組織に在籍する理由が給料のためという有様で、理想に殉ずることのできる者は極僅かであった。戦意高揚と、各反地球連邦政府組織の力を結集するための存在として期待され迎えられたアフランシだったが、次第に自意識に目覚め、象徴としての存在を拒み独自の活動を開始したことから目論みは外れ、組織は迷走する事になる。彼が先導者としての活動を疎かにし、常に最前線に立つようになる(これは皮肉にもシャア・アズナブルと同じである)と、アザリア・パリッシュ提督を初めとする上層部は、彼の考えと組織の行き先に疑問を抱き始め、アフランシが地球へ降下し、宇宙での活動の指揮権を放棄すると、ついに具体的な行動を開始する。すなわち地球連邦軍への身売りである。連邦政府からの要求は共通の敵マハの打倒と、マザー・メタトロンの譲渡であった。ミランダが情報をやり取りする中それに気づき始めるが、予想以上に事態は進行しており、小説版においてはブノア・ロジャックが戦争終結後にアフランシを暗殺するよう命令されている。

戦争終結後の行く末については、作中では言及されていない。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 『ガイア・ギア第1巻』254ページ。
  2. ^ 小説『ガイアギア5巻』199ページ
  3. ^ 小説『ガイアギア5巻』199ページ