メタトロン (ガンダムシリーズ)

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メタトロン(めたとろん、Metatron)は、富野由悠季小説作品およびそれを元にしたラジオドラマ作品『ガイア・ギア』に登場する架空の組織である。同作の主人公が所属する組織であり、地球連邦政府およびマハとは敵対関係にある。

概要[編集]

メタトロンは、反地球連邦政府運動の組織[1]。人類全体を管理運営する地球連邦政府の内部腐敗を指弾し、疲弊した地球を『聖域』にして、人間を下ろすなと語ってきた[2]

スペース・コロニー開拓時代の尖兵になった人々が糾合して、組織が成立した。そんな廃物利用に似た成立を持つ組織だが、スペース・コロニー時代では、膨大な資材と資産を外宇宙(この場合の外宇宙とは、地球の軌道の外、月軌道の外という程度の意味である。)に浮遊させていた[3]

組織の中枢で働く人々は、かつてシャア・アズナブルが語った絶対理想に共感する人々である。その細部をいえば、シャアの遺伝子といわれるものを再生した「シャア・コンテニュー・オペレーション」を実践したグループである。彼等は歴史に語られる反乱分子のジオン公国とは関係がなく、純粋にシャアの意思を再現して、次の良き世紀を構築する夢に取り憑かれた人々とも言える[4]。 そんな彼等、組織のトップの老人達は、宇宙世紀200年台にはメタトロン活動の専従者となって生活をしており、保守的になってしまっていた[5]

メタトロンの構成要員はかつてスペース・コロニー時代の初期に、スペース・コロニーの独立を画策したジオン公国の信奉者達、それ以外の主義者や組織の信奉者がいる。そんな体制だから、派閥が芽生え、保守の温床となるのは組織の通癖なのである[5]

ラジオ・ドラマ版のみ、ヨーロッパ方面に展開するメタトロンの一組織としてユーロ・メタトロンが登場する。。マン・マシーンは所持しておらず、保有している艦艇ヴァルキュリャで普段は諜報活動などに従事しているようである。作中では本隊が地球降下した後に合流し、補給活動や整備に活躍した。

ズィー・ジオン・オーガニゼーション[編集]

小説版『ガイア・ギア』におけるメタトロンの改名前の名前、ラジオドラマ版には登場しない。劇中ではズィー・機関(オーガニゼーション)とも呼ばれる。 この組織の名称の由来は、ズゥイ・ジオンを志したコード・ネームであり、シャアがジオン公国消滅後に父親のジオン・ズム・ダイクンの志を遂げようとして起こした秘密結社ネオ・ジオンとは、関係をもたせようとは思ってないとミランダ・ハウの口から語られた[6]

所有基地[編集]

メタトロンは、宇宙に「三十一」と呼ぶ基地(ベース)を3つ持ち、それぞれ「三十一の一乗」、「三十一の二乗」、「三十一の三乗」という暗号名をつけて呼んでいる。 ヘブライ語では、全能の神シャダイは「三一四」という数字になる。天使メタトロンは、シャダイと同じだけの力を持っているから敬われる対象になる。ズィー・機関は、「三一四」の略号の「三一」を使って、その数字に一乗、二乗、三乗と乗数を付けて違う基地(ベース)を表していた[7]。 何故そのような暗号を使うかといえば、イスラムが神という単語を書くことを禁じているように、神聖な言葉を捨てるかもしれない神に書くのは畏れ多いという考えから来ているのだと、ウル・ウリアンは推察していた。

組織と旗艦の改名[編集]

三一の二乗に移譲したアフランシ・シャアによって、ズィー・機関は終息を宣言された。そして、アフランシは古い殻を忘れる為、組織名と艦名の変更に着手する。改名案として大天使「メタトロン」と同じ数字である全能神「シャダイ」を挙げたが、メンム・ケイレン艦長により「シャダイでは尊大すぎる」として、組織名はメタトロン機関に、三一の二乗の戦艦部分をマザー・メタトロンと改名した[8]

シャア・コンテニュー・オペレーション(シャア存続作戦)[編集]

伝説の人物シャア・アズナブル[編集]

シャア・アズナブルスペース・コロニー移民時代の初期、サイド3にジオン公国を創設したジオン・ズム・ダイクンの遺児である。ジオン公国そのものは、ダイクンが暗殺されたのでザビ家にのっとられてしまった。しかしシャア・アズナブルは、そのザビ家に潜伏して真のジオン再興を願った。ザビ家のジオン公国が連邦政府に敗北することによって、シャアの命運も絶たれたかに見えたが、シャアはその後、私的軍隊を創設して連邦政府に対したこともあった。それについては、ジオン公国の残党に祭り上げられたシャアが、彼等に応えざるを得ず、一瞬の反乱をさせたのだと評された[9]。シャアの人徳とニュータイプとしての才能は、地球を汚染するかもしれなかった隕石の激突を回避させ、そのためにシャアは死んだというのである。そのとき、シャアの意思は、オーロラになって地球をつつんだと語り伝えられていた[10]

作戦が本格的に稼働するまでの下準備[編集]

シャア・コンテニュー・オペレーションは順調で、近い将来、シャア・アズナブルというカリスマ性をもった男のクローンが再来する。それに呼応するため、スペース・コロニーの各地に散在する反地球連邦政府運動を糾合する組織としてメタトロンをつくり、マザー・メタトロンを建設するまでに組織を育て、シャア・アズナブルを迎えたときに、連邦政府に対抗した国家的な規模を確立するのがメタトロンの提督たちの任務だった[9]

アフランシ・シャアの誕生[編集]

「シャア・コンテニュー・オペレーション」を実践していたグループは、語り継がれたバイオ・テクノロジーを駆使して、「アフランシ・シャアを創造した。彼等はプロジェクトを進め「自然環境が人を強靭に育てるのではないか」という実験を、シャアの遺伝子を継承した生体であるアフランシに施すため、環境保全と種の存続のために残された地球上の数少ない特別区である南太平洋の島に送って育てさせた[11]

作戦の最終目的[編集]

独立運動の伝説的巨人「シャア・アズナブル」、彼の細胞そのものを分割し再活性化させる実験で作られたクローン「アフランシ・シャア」。その第二のシャア・アズナブルというカリスマを中心にしたメタトロンの活動は、巨大化した官僚機構の受け皿にしかすぎなくなった連邦政府をゆるがすのは容易であり、大衆一般の支持も絶対的に受けるであろう。メタロトロンとシャアの高潔性によって、理想的な完全管理の体制を人類圏は確立し、地球保全を万全のものにした連邦を構築する事がこの作戦の最終目的だった[10]

作戦の末路[編集]

地球からスペース・コロニーに上がってくる途上でシャア・アズナブルの片鱗を見せたアフランシ・シャア。しかし彼はマザー・メタトロンに迎えられてから、それがないとアザリア・パリッシュ提督を初めとしたメタトロンの上層部から判定されていた。アフランシは、自己の存在に固執しカリスマ性を持ったシャアという人物を楽しんでやってみせるという部分が皆無だったからだ[12]

その上、ビジャン・ダーゴルを代表とするビジャン・マハと地球に駐留するマハが、本来メタトロンがしなければならない、連邦政府内にあった反地球連邦政府運動を顕在化させてしまった。連邦政府の中央閣僚会議はビジャン・マハこそ制圧しなければならないと理解して、レジスタンスであるマザー・メタトロンの活動は地球連邦軍が為すべき事を補完するように働いていると評価した、立場の逆転である。 連邦政府はメタトロンがシャア・コンテニュー・オペレーションの延長線上の組織だと理解していたから、その元凶であるアフランシを排除してレジスタンスである部分を払拭さえしてくれれば、メタトロンを地球連邦軍の別動隊として公に認知するという意思を見せたのである[13]

反地球連邦運動に疲れたマザー・メタトロンの老人達は、アフランシを代償にして一件落着させようとしていた。マザー・メタトロンを連邦政府に提供。ビジャン・マハを潰した後、地球に増援として送っていたブノア・ロジャックにアフランシを抹殺することで、メタトロンは地球連邦政府に糾合される道を選んだのだった[14]

構成員[編集]

総帥[編集]

実質的な指導者たち[編集]

艦船のクルー[編集]

マザー・メタトロン[編集]

艦長
ブリッジ
医師

エア・フォース1[編集]

艦長
ブリッジ

エア・フォース2[編集]

艦長

パイロット[編集]

所有兵器[編集]

マン・マシーンと支援兵器[編集]

艦船[編集]

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • 小説『ガイア・ギア
    • 富野由悠季 『ガイア・ギア1』 角川書店、1988年9月1日、初版。ISBN 978-4-04-410123-7
    • 富野由悠季 『ガイア・ギア2』 角川書店、1989年9月1日、初版。ISBN 978-4-04-410124-4
    • 富野由悠季 『ガイア・ギア3』 角川書店、1990年9月1日、初版。ISBN 978-4-04-410125-1
    • 富野由悠季 『ガイア・ギア4』 角川書店、1992年2月1日、初版。ISBN 978-4-04-410126-8
    • 富野由悠季 『ガイア・ギア5』 角川書店、1992年4月1日、初版。ISBN 978-4-04-410127-5

関連項目[編集]