007 スペクター

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007 スペクター
Spectre
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監督 サム・メンデス
脚本 ジョン・ローガン
製作 バーバラ・ブロッコリ
マイケル・G・ウィルソン
出演者 ダニエル・クレイグ
クリストフ・ヴァルツ
レア・セドゥ
ベン・ウィショー
ナオミ・ハリス
デビッド・バウティスタ
アンドリュー・スコット
ロリー・キニア
イェスパー・クリステンセン
モニカ・ベルッチ
レイフ・ファインズ
音楽 トーマス・ニューマン
主題歌 サム・スミス
Writing's On The Wall
撮影 ホイテ・ヴァン・ホイテマ
編集 リー・スミス
製作会社 イーオン・プロダクションズ
配給 イギリスの旗アメリカ合衆国の旗 コロンビア映画 MGM
日本の旗 SPE
公開 イギリスの旗 2015年10月26日(プレミア上映)
アメリカ合衆国の旗 2015年11月6日
日本の旗 2015年12月4日
上映時間 148分
製作国 イギリスの旗 イギリス
言語 英語
製作費 $245,000,000 - 300,000,000
興行収入 $880,614,360[1]
前作 007 スカイフォール
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007 スペクター』(原題:Spectre)は、イーオン・プロダクションズ製作による映画『007』シリーズの24作目[2]ダニエル・クレイグジェームズ・ボンドを演じる作品としては第4作目である。監督はサム・メンデス

2015年10月26日ロンドンでプレミア上映され、11月6日アメリカイタリアなど、日本では12月4日に公開された[3]

あらすじ[ソースを編集]

メキシコシティで催されている「死者の日」において、ジェームズ・ボンドは建物の屋上から窓越しにスキアラという男に銃口を向け発砲、スキアラがスタジアム爆破テロのため用意していた爆薬入りのスーツケースが被弾して爆発し、スキアラの居た建物は倒壊。辛くも逃げおおせたスキアラを追うボンドは、爆発による混乱の中でMBB Bo 105に搭乗したスキアラを追い詰め、彼の手からある紋章の刻まれた指輪を奪うと、最終的に地上へ突き落とす。

MI6本部に戻ったボンドは、Mにメキシコシティでの一件を叱責され、しばらくの間謹慎命令を下される。その後、前作での"スカイフォール"での出来事で燃え残った残骸を持ってきたマネーペニーに、メキシコシティでの出来事が前作で落命したMからの遺言であることを明かす。そして彼は残骸の中から見つけ出された古い写真を、感慨深そうに見るのだった。その写真には少年時代のボンド、養父、そしてもう一人の少年が写っていた。

その後、ボンドはQ課からアストンマーティン・DB10を無断で持ち出し、前任のMの遺言に従ってローマに向かい、そこでスキアラの未亡人であるルチアに近づく。始めは夫を殺した張本人ということもあり不信を抱かれるも、彼女を秘密組織の処刑人から守り誘惑したボンドは、命を助けることと引き換えにその組織の秘密会議が開かれることを聞きだし、その場所に向かう。会議に潜入したボンドは、そこで組織の首領がフランツ・オーベルハウザーという男だと知るものの、会場で自らの存在が発覚してしまい、組織の一員であるMr.ヒンクスに追跡される。ヒンクスとのカーチェイスの末、ボンドはDB10をテヴェレ川に沈めてしまうが脱出に成功。その後マネーペニーと連絡を取り合い、前々作で対峙したMr.ホワイトがカギを握っていることを掴む。

ボンドはオーストリアの渓谷にあるホワイトの潜伏先に向かい、そこでオーベルハウザーと対立したことで携帯電話にタリウムを仕掛けられ、タリウム中毒となり死に瀕した彼の姿を見出す。ホワイトは、組織が世界規模で暗躍する巨大犯罪シンジケートであること、組織から命を狙われている娘のマドレーヌ・スワンを助けるのと引き換えに、彼女が手掛かりとなる「アメリカン」の居場所を教えると告げ、ボンドが渡したワルサーPPKで自決したのだった。

一方、ロンドンではMI5の新責任者であるCことマックス・デンビーがボンドの行動を問題視し、彼が「時代遅れ」と評している00部門の機能を停止させてMI6をMI5に吸収させることを画策しており、Mは対応に追われていた。さらに、東京で開かれた世界会議で9か国の情報網を統合するという提案の賛否投票が開始された。当初南アフリカが反対票を投じていたが、後に南アフリカ国内で爆破テロが発生して賛成票に転じた事により、全会一致で案が通過してしまう事態となった。そしてCからローマにおけるボンドとマネーペニーの会話を監視していることを告げられたMは、マネーペニーとQにボンドの追跡を断念すべきである旨を伝えたのだった。

マドレーヌが勤めるオーストリア山岳地帯の医療施設を訪れたボンドは、患者を装って彼女に接近する。またボンドは密かに追ってきたQから本国での状況を知らされるが、マドレーヌがヒンクスらにさらわれてしまう。彼女を追って救出したボンドは、最初こそ拒絶されるも、行動を共にするしか生き延びる術はないと説き、行動を共にすることになる。一方、医療施設でボンドから指輪の解析を頼まれたQは、山を下りるロープウェイの内で組織の構成員に追われるも何とか回避する。その後、ボンドとマドレーヌはホテルでQと合流し、彼からこれまでボンドを襲った悲劇が同じ秘密組織の仕組んだものであることを告げられると同時に、マドレーヌの口から組織の名称が「スペクター」であることを知る。

当初、「アメリカン」が特定の人物を示す言葉だと思っていたボンドは、マドレーヌからそれがモロッコにあるホテルの名前だと知らされる。ホテル・アメリカンはMr.ホワイトが新婚旅行で訪れて以来、毎年家族と訪れていた思い出の場所だった。早速ホワイトがいつも泊まっていた部屋で手掛かりを探すボンドだったが、見つかったのは1本の酒だけだった。半ば諦めかけたボンドだが、1匹のネズミが逃げ込んだ壁に貼り付けられていた絵がずれている事に気づき、壁を破ると隠し部屋を発見する。そこでボンドとマドレーヌは、ホワイトがオーベルハウザーを追跡し続けたことを知り、拠点となっている場所の座標も発見する。座標の数字を地図と照らし合わせると、そこは北アフリカの砂漠の真ん中だった。

マドレーヌと共に特急列車に乗り込んでスペクターの秘密基地に向かうボンドは、途中車内でヒンクスに襲われるも、なんとか撃退し関係を深める。砂漠の駅で列車を降りた二人の前に出迎えの1948年式ロールスロイス・シルヴァーレイスが現れ、クレーターの中に隠されたスペクターの基地に到着した二人は、そこで再度オーベルハウザーと対面。オーベルハウザーは二人に世界各国の監視カメラ映像を傍受する大規模な監視施設を見せ、Cの提唱する情報網統合案「ナイン・アイズ」を使い、各国の機密情報を掌握し、支配する事が目的であることを明かす。そのことを聞かされたボンドはCもスペクターの側についていることを悟る。さらにマドレーヌがホワイトの死の瞬間の映像を見せられようとするのを阻止するもかなわず、直後にオーベルハウザーの部下に昏倒させられてしまう。

意識を取り戻したボンドは拷問台に拘束されていた。オーベルハウザーは脳の機能を破壊するドリルを準備しながら、20年前の雪崩事故においてボンドの養父でもあるフランツ自身の父を殺し、自らの死をでっち上げたことと、それ以来「エルンスト・スタヴロ・ブロフェルド」を名乗っていることを明かす。事実を聞かされたボンドは、頭部に極細のドリルを突き刺される拷問にかけられるが、マドレーヌの機転で小型爆弾を爆発させて窮地を脱して、基地を破壊し脱出に成功した。

マドレーヌとロンドンに戻ったボンドはM、Q、マネーペニー、タナーと落ち合い、協力してCの身柄を確保し、ナイン・アイズがその日の深夜24時に正式稼働するのを阻止することとなる。しかしマドレーヌはスパイとして生きるボンドと行動を共にすることはできないと告げ、その場を去る。彼女を除いた5人が行動に動きだすも、Cの配下がボンドとMの乗ったジャガー・XJを急襲し、ボンドを旧MI6本部[4]に拉致するが、ボンドは配下を倒してひとり本部建物内に足を踏み入れる。建物の地下にはアフリカで右目を含めた顔の右側を負傷したブロフェルドが待ち受けており、ボンドにマドレーヌを拉致したことと、3分後に建物が爆破されると告げ、起爆装置のタイマーを作動させる。

一方、間一髪で車輌から逃げおおせたMはQ、マネーペニー、タナーと合流し、旧MI6本部の対岸に建設された新国家保安センター庁舎に向かう。そこでQはナイン・アイズのプログラムへのハッキングに成功し、Mは庁舎内でCと格闘の末、Cは転落死する。そしてM達の目の前で旧MI6本部が爆発音とともに崩壊するが、マドレーヌを見つけ出し救出していたボンドはボートで脱出。そしてボンドは、アグスタ A109に搭乗し逃走するブロフェルドを追跡、エンジン部分を狙い撃ち、A109はウェストミンスター橋に不時着する。

満身創痍のブロフェルドがA109から這い出したところにボンドが立ちふさがり、彼に銃口を突き付ける。ブロフェルドはボンドに自身を殺すよう挑発するが、彼は銃弾を抜き銃を捨てて、その場を去ってマドレーヌのもとに向かうのだった。その後、Mによりブロフェルドの身柄が確保される。

後日、引退したはずのボンドが早朝のQ課に姿を現す。彼は前作で大破し修復が完了したアストンマーティン・DB5をQから受け取り、マドレーヌを助手席に乗せると、ロンドンの街へ走り去っていった。

キャスト[ソースを編集]

ジェームズ・ボンド
演 - ダニエル・クレイグ、日本語吹替 - 藤真秀
前任のMの遺言を受け、メキシコシティにて非公認の任務を秘密裏に進める。そこで、対象の男であるマルコ・スキアラから奪った、ある紋章が入ったリング (指輪) を手掛かりに、Qやマネーペニーの協力を受けつつ、謎の組織を追ってイタリア (ローマ) 、オーストリア、モロッコと世界中を飛び回る。
フランツ・オーベルハウザー / エルンスト・スタヴロ・ブロフェルド
演 - クリストフ・ヴァルツ、日本語吹替 - 山路和弘
本作の悪役。謎の巨大組織「スペクター」を束ねる首領であり、秘密会議にてボンドと「再会」する。その後、ボンドが自らを探し求めてやって来る事を事前に予見し、砂漠の真ん中の無人駅で列車を降りたボンドとマドレーヌに迎えの車をよこし、秘密基地へ2人を案内する。作中の後半で爆死したかと思われたが、実際には右目と右顔面を負傷し、大きな傷跡を残しながらも生き延びていた。
マドレーヌ・スワン
演 - レア・セドゥ[5]、日本語吹替 - 園崎未恵
本作のボンドガールの1人であり、メインのボンドガールでもある。ミスター・ホワイトの娘。オーストリアの山岳地帯にあるホフラー診療所に勤務していたが、「スペクター」の追っ手に誘拐されたところをボンドに救い出される。始めはボンドを毛嫌いしていたが、ボンドから共に行動するように諭され、また、共闘して組織の追っ手を退ける事なども重なり、次第に仲を深めていく。
「スペクター」の名前を知っており、劇中最初にその名を口にする人物。また少女時代、父を狙った殺し屋が家に押し入るも、逃げ込んだ先の台所に銃が隠されていたのを見て以来銃が嫌いになっており、ボンドが護身のために拳銃の使い方を指南した際もその拳銃から弾倉を抜き取り、スライドを操作して薬室に入っていた弾薬も抜き取ってから引き金を引いて武器としては使えなくなったのを見せつけるほどであった。この行動は劇中終盤でボンドに大きな影響を与えることとなるが、いざという時は暴力の行使も厭わない面もあり、ミスター・ヒンクスの部下に薬物を注射されそうになった際は注射器を奪い取って反撃したり、列車内でヒンクスがボンドを襲った際には落ちていた鈍器で後ろから攻撃を仕掛けたり、ボンドが落とした拳銃を発砲して軽傷を負わせた。
M
演 - レイフ・ファインズ、日本語吹替 - 原康義
ボンドの非公認任務によるメキシコシティでの騒動が大々的に報じられ、その真相をボンドが語らなかった為、無期限の謹慎を言い渡す。他方、00セクションを廃すべく動き回るCにも翻弄される。次第にボンドの行動を理解するようになり、物語途中ではCの思惑もあってMI6の面々に別れの挨拶をするも、終盤にはボンドに協力するばかりか元軍人らしく、自らも戦闘に参加する。
ルチア・スキアラ
演 - モニカ・ベルッチ[5]、日本語吹替 - 五十嵐麗
本作のボンドガールの1人。夫・マルコがボンドにテロを妨害された上殺害され、自らも組織から消される運命にあったが、保険屋だと偽って近付いてきたボンドに救われる。今後も命を守ってもらう事と引き換えに、組織に関する情報をボンドに伝え、ボンドもフェリックス・ライターに保護を要請する形でそれに応えた。
Q
演 - ベン・ウィショー[6]、日本語吹替 - 川本克彦
Mの命を受け、追跡チップでボンドの監視を行う。初めはボンドの行動に危機感を募らせ、Mの命に背く事を恐れていたが、ボンドから紋章付きのリングの解析を依頼されて真実を知り、また、その際に組織の追っ手に追跡された事によってボンドの行動をサポートするようになる。
ミス・マネーペニー
演 - ナオミ・ハリス[2]、日本語吹替 - 杉本ゆう
作中の序盤で、ボンドの生家「スカイフォール」で焼け残った遺品をボンドに届ける。そこで、ボンドがメキシコシティで行っていた任務の真相を知らされ、ボンドをサポートするようになる。
ミスター・ヒンクス
演 - デビッド・バウティスタ[7]、日本語吹替 - 北村謙次
ボンドが殺害したマルコ・スキアラの後任として、「ペイル・キング」なる人物の抹殺の任を担う寡黙[8]な巨漢。秘密会議に潜入したボンドを追跡し、後に列車で移動中のボンドを追い詰めるが、ボンドとマドレーヌの連携により車外に放り出される。自身が運転する車が燃えたり、ジャケットに引火してもものともせず、火に対する耐性がある。
C(マックス・デンビー)
演 - アンドリュー・スコット、日本語吹替 - 桐本琢也
MI5の責任者として、Mにスパイや00セクションが時代遅れであると指摘。世界中の情報網を統合する「ナイン・アイズ」の計画を打ち上げる。しかし実際は「スペクター」に通じており、ナイン・アイズ計画でより多くの情報を集め、自身や「スペクター」の利益のために積極活用するのが狙いであった。
ビル・タナー
演 - ロリー・キニア、日本語吹替 - 白熊寛嗣
ボンドの行動の意図を理解した作中終盤で、M、Qやマネーペニーと共に、ボンドをサポートする。
ミスター・ホワイト
演 - イェスパー・クリステンセン、日本語吹替 - 大塚芳忠
諜報機関を相手取った従来の方針を転換し、女子供まで犠牲にするようになったブロフェルドに歯向かった事でタリウムを盛られ、オーストリアの隠れ家で瀕死の状態になっている所で、ボンドと再会する。そこで、自分に拳銃を渡してまでブロフェルドや「スペクター」を追うための手がかりを求めようとするボンドの意思を汲み取り、ボンドに追跡の手がかりを含めた形で娘のマドレーヌを守るよう頼み、彼女の居場所を教えると自ら拳銃で自決する。しかし、この時も作動していた自宅の防犯カメラがその様子を音声付きで録画していたのが仇になり、隠れ家を発見された[9]ことでマドレーヌの居場所が「スペクター」の知るところとなってしまう。
マルコ・スキアラ
演 - アレサンドロ・クレモナ、日本語吹替 - 辻親八
メキシコシティでスタジアム爆破のテロ計画を立てるが、ボンドの妨害により負傷。ヘリコプターでの逃走を試みるが、ボンドと格闘の末、組織の紋章が入ったリングを奪われて上空でヘリの外に放り出され転落死する。妻のルチア曰く、口の堅い彼女を信頼していた一方で自らが属する組織[10]にのめり込んでいたとのこと。
エストレーリャ
演 - ステファニー・シグマン英語版、日本語吹替 - 御沓優子
前任のM
演 - ジュディ・デンチ(クレジットなし)、日本語吹替 - 谷育子
既に死亡しているが、生前にマルコ・スキアラに関する情報を掴んでおり、自分に何かあった時のために「マルコ・スキアラを殺して、葬式にも出て」とのビデオメッセージを死後にボンドに届くよう手配をしていた。

スタッフ[ソースを編集]

舞台とロケ地[ソースを編集]

秘密兵器など[ソースを編集]

アストンマーティン・DB10
ランドローバー・レンジローバースポーツSVR
アストンマーティン・DB5

本格的なギミックの登場は『ダイ・アナザー・デイ』以来13年ぶりとなる。

アストンマーティン・DB10英語版
Q課が009のために300万ポンドの費用をかけ製造した車輌であるが、ボンドがローマに向かう際勝手に持ち出した。そのためボンドは後述の装備ボタンの機能を知らない。その後スペクターの会議場から逃走する際に、ローマの町でカーチェイスを展開した。
主な搭載機能として
リアエンブレムに仕込まれた二連装機関銃 - 「BACKFIRE」(バックファイヤー)ボタンを押すと作動。運転席側のパネルに照準器を表示させて後続車両を狙うことができる。[11]劇中ではMr.ヒンクスが運転するジャガー・C-X75に狙いをつけたが弾薬が装填されていなかったので発射しなかった。
009のための音楽再生機能 - 「ATMOSPHERE」(環境)ボタンを押すとレイ・クインの『New York,New York』が流れる。
後方に火炎噴射を行う機構 - 「EXHAUST」(噴射)ボタンを押すと起動。これによりMr.ヒンクスが運転するジャガー・C-X75のフロント部分を炎上させている。
パラシュート付きの運転席射出機構 - 「AIR」(エアー)ボタンを押すと起動。劇中ではボンドがこれを起動させたことにより脱出に成功する。無人の車体は川に落ちて沈没した。
が挙げられる。また車体は完全防弾で、拳銃弾を受けても傷すらつかなくなっている。
なお、アストンマーティン・DB10は歴代で初めて一般販売車両をベースとしていない映画のために製造された車両(シャシーやエンジンはV8ヴァンテージをベースとしている。またデザインはパンフレットによればDB5を意識しているとのこと)で撮影用に8台、プロモーション用に2台の計10台が製造されている(そのうちの1台はチャリティオークションに出品され243万4500ユーロで落札された[12]ほか公開直前に各地で展示されたことがある)。
ジャガー・C-X75英語版
ローマのスペクターの会合の会場において駐車されているのが確認された後、ボンドがDB10を駆って逃走する際にMr.ヒンクスが搭乗し追うこととなる。市街地で一時DB10に追いついて並走したり川沿いでの追走の際にDB10のギミックによりフロントが炎上する以外に目立った活躍はなくギミックも搭載されている節はない。
なお、撮影においては7台の車両が使われている。
ランドローバー・レンジローバースポーツSVR
Mr.ヒンクスがマドレーヌのもとを襲撃する際に同社ディフェンダーと共に登場しておりそれ以外の活躍は見られない。
なお、撮影に用いられた車両は公開直前に各地で展示されていた。
ブリテン・ノーマン アイランダー
襲撃されたマドレーヌの救出に際しボンドが使用。
グロック17
冒頭のメキシコシティでボンドが所持。FAB Defense社製の「KPOS」コンバージョンキットが装着され、代用カービンの形状となっていた。オプションとして集音器兼用のレーザーポインターを備えるが、照射されたレーザーがスキアラたちに察知される要因となった。また、Cがノーマルなグロック17を自分のオフィスの机に入れている。
アーセナルファイアーアームズ AF2011-A1
Mr.ヒンクスが所持する自動拳銃。M1911A1拳銃の派生型で、イタリアで設計され、ロシアで商品化された。二挺のM1911を左右並列に一体化した水平二連構造を持ち、正面から見ると銃口が二つ開いている。
オメガ・シーマスター 300 マスター コーアクシャル (2015年モデル)
Q課の発明品。時限爆弾の機能が搭載されており、仕掛けを作動させると、『死ぬのは奴らだ』に登場したロレックス サブマリーナ・5513を彷彿とさせるかの如く文字盤が赤く発光する。
劇中においてはスペクターの基地において窮地に陥ったボンドが、マドレーヌの協力を得て作動させて危機を脱した。
スマートブラッド
Q課において健康診断の際に、ボンドに注射された。極小のマイクロチップによりボンドの現在地を追跡できるようになっている。元々はメキシコシティの一件を受けMが指示したものだが、後にCによる監視の危険性が明らかになり、監視を解除すべきと判断されている。
DNA検出装置
Qが指輪に付着したDNAの検出の際に用いており、そこから過去の所持者達とスペクターとの繋がりを掴むこととなる。
拷問装置
細いドリルを人間の頭部に突き刺し、ピンポイントで脳の機能を破壊できる。ボンドはスペクターの基地でこの装置に拘束され、まず視覚を奪われそうになった。

ほかにQ課においては

が置いてある。

製作[ソースを編集]

制作費は2億4500万ドル[13][14]から3億ドル[15][16]で、『007』シリーズでの史上最高額である。また148分という上映時間は、007 カジノ・ロワイヤル(2006年)の144分を上回る、シリーズ史上最長の上映時間となった。

著作権上の問題[ソースを編集]

1961年の『サンダーボール作戦』製作に当たって、「スペクター」という組織の名称とそれに関係する登場人物の権利をめぐり、原作者のイアン・フレミングとプロデューサーのケヴィン・マクローリー英語版の間で訴訟が起きた。それ以来、スペクターの使用権は007における紛争の種となっていた(『サンダーボール作戦』と『ネバーセイ・ネバーアゲイン』の項目を参照)。この訴訟が原因で1971年の『ダイヤモンドは永遠に』以降、スペクターは映画に登場しなくなった。

2013年11月、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)はマクローリーの遺産を管理するイーオン・プロダクションズの親会社であるダンジャックからスペクターとそれに関連する登場人物を映画に出す権利を購入した[17]

ハッキング事件[ソースを編集]

2014年11月23日に、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントへのハッキング事件が発生し、本作の製作に関わる書類の一部が流出した。その中には、本作の脚本の草稿も含まれていた[18]

受賞[ソースを編集]

映画賞 対象 結果
2016 第73回ゴールデングローブ賞[19] 主題歌賞 Writing's on the Wallサム・スミス 受賞
第88回アカデミー賞[20][21] 歌曲賞 Writing’s on the Wall (サム・スミス) 受賞
第39回日本アカデミー賞[22] 優秀外国作品賞 ノミネート
第21回エンパイア賞 [23] イギリス映画賞 受賞
スリラー映画賞 受賞

ホームメディア[ソースを編集]

2016年2月22日に、Blu-rayDVDがイギリスで発売。日本国内では、20世紀フォックスホームエンターテイメントが同年4月6日に発売。

  • 007 スペクター Blu-ray&DVD(初回限定生産・2枚組・2016年4月6日発売)
  • 007 スペクター DVD(2016年4月6日発売)
  • 007 スペクター Blu-ray スチールブック仕様(Amazon.co.jp限定商品・2枚組・特典DVD付・2016年4月6日発売)
  • 007 スペクター Blu-ray(12月21日発売・廉価版)
  • 007 スペクター DVD(12月21日発売・廉価版)

その他[ソースを編集]

  • 恒例のガンバレル・シークエンスが『ダイ・アナザー・デイ』以来13年ぶり、ダニエル・クレイグがボンド役についてからは初めて冒頭に登場する(このシークエンス自体は前作でもエンディングに登場する)。
  • ボンドの敵の名が直接タイトルに冠せられるのは1964年公開の『ゴールドフィンガー』以来、51年ぶり。
  • 主題歌の曲名(「Writing's On The Wall」)が映画のタイトルと異なっているのは「私を愛したスパイ(The Spy Who Loved Me)」『Nobody Does It Better』 、「オクトパシー(Octopussy)」の『All Time High』、「カジノ・ロワイヤル(Casino Royale)」の『You Know My Name』、「慰めの報酬(Quantum Of Solace)」の『Another Way to Die』に続き5例目となる(「女王陛下の007(On Her Majesty's Secret Service)」の『We have all the time in the world』を主題歌とするなら、6例目)。
  • 本作の後半を飾るスペクター基地での爆破シーンは大量の燃料と火薬を用いて行われ、「映画史上最大の爆破シーン」としてギネス世界記録に認定された[24]
  • 本編とは関係ないが、パインウッド・スタジオズで撮影が行われた縁から『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』においてダニエル・クレイグがカメオ出演している[25]

過去作品へのオマージュ[ソースを編集]

  • ダニエル・クレイグがボンド役に就いた『カジノ・ロワイヤル』『慰めの報酬』『スカイフォール』までの全てが密接にリンクしたストーリーとなっており、オープニング映像にもそれまでの悪役やヴェスバー、前任のMが登場する。オープニングに過去の映像が出てくるのは『ゴールドフィンガー』、『女王陛下の007』以来。
  • アバンタイトルで登場するキーアイテムの指輪に刻まれたスペクターの紋章はタコを模っており、オープニング映像でもタコの足や墨をモチーフとする表現があるが、『オクトパシー』においてもタコはヒロインのオクトパシーの名前の元となる生き物として登場する他(彼女の父スマイスがタコの専門家であった)、オープニング映像では赤いタコのマークが、本編内ではオクトパシーの部下であるマグダの背中にタコの入れ墨がある。
  • 前任のMは前作『スカイフォール』で殉職しているが、本作ではボンドへ任務を伝えるためのビデオレターの形で登場する。なお、エンディングにジュディ・デンチのクレジットは掲載されていない。
  • Qの用意した腕時計(オメガ)の仕掛けを作動させると、『死ぬのは奴らだ』のロレックスと同じように文字盤が赤く光る。
  • ボンドがスペクターの秘密基地に招かれ丁重なもてなしを受け、ブロフェルドもしくはスペクター幹部との会話の後、基地脱出を図るシークエンスは、過去の映画作品にも多用された。特にボンドガールが同伴する点において(ボンドガールが用意されたチャイナドレス的な服に着替えたりするなど)、『ドクター・ノオ』の同シーンと非常に近いものがある。
  • ボンドがスペクターの秘密基地に到着した際、スペクターのメンバーが差し出した銀のトレイに拳銃をホルスターごと乗せるのは、『死ぬのは奴らだ』のクライマックスにも同じようなシーンがあり、それへのオマージュと考えられる。
  • ボンドがオープニングで職を解かれ、ラストで愛する女性と結ばれた末にMI6を辞職して映画が終了するのは、『女王陛下の007』との相似である。また『スペクター』の予告映像に『女王陛下の007』のテーマ曲(オープニングのインストルメンタル)が使用されているが、本編には使用されていない。
  • オーストリアアルプスタンジールが舞台となっているが、『リビング・デイライツ』でも舞台となった。

脚注[ソースを編集]

[ヘルプ]
  1. ^ Spectre”. Box Office Mojo. 2016年3月23日閲覧。
  2. ^ a b ボンド幼少期の秘密に迫る「007 スペクター」、特報映像届く”. 映画ナタリー (2015年3月28日). 2015年9月9日閲覧。
  3. ^ 『007 スペクター』のワールドプレミアが、今年の10月26日にロンドン開催決定!”. シネマトゥデイ (2015年7月20日). 2015年9月9日閲覧。
  4. ^ 前作での爆破を受け爆破解体が予定されている旨がタナーの口から述べられており、その為か配線が建物内に張り巡らされている。ただし爆発は左から右の順番で発生しているほか実際の爆破解体と異なり外から崩壊している。
  5. ^ a b M・ベルッチ&L・セドゥ、2人のボンドガールに迫る「007」特別映像”. 映画ナタリー (2015年8月13日). 2015年9月9日閲覧。
  6. ^ 「007 スペクター」新たな予告編公開、ボンドお約束のあのセリフも披露”. 映画ナタリー (2015年7月9日). 2015年9月9日閲覧。
  7. ^ 世界最速の2台が夜のローマを激走、「007 スペクター」最新映像”. 映画ナタリー (2015年5月1日). 2015年9月9日閲覧。
  8. ^ 劇中では車外に放り出された際に「Shit」(吹き替え版では「くそが」)と漏らしたのが唯一の台詞だった。
  9. ^ CによってMI6の人間は監視されており、ボンドとマネーペニーがミスター・ホワイトに関する電話口での会話はCを介して「スペクター」には筒抜けであった。
  10. ^ その組織とは他ならぬ「スペクター」であるが、彼はルチアにその名前を教えていない。
  11. ^ リビング・デイライツ』に登場したV8サルーンにも類似する装備が搭載されているが、こちらはミサイルはリアエンブレムではなくフロントのフォグランプに仕込まれていた。
  12. ^ アストンマーティン『DB10』オークションで驚きの落札価格に!?”. carnnyマガジン (2016年8月5日). 2016年9月3日閲覧。
  13. ^ Pamela McClintock (2015年11月4日). “Box-Office Preview: 'Spectre' and 'Peanuts Movie' to the Rescue”. The Hollywood Reporter. 2015年11月6日閲覧。
  14. ^ Anthony D'Alessandro (2015年11月3日). “‘Spectre’ Poised To Be Second-Best Bond Opening Of All-Time; ‘Peanuts’ Coming On Strong – Box Office Preview”. 'Deadline.com'. 2015年11月6日閲覧。
  15. ^ 'Spectre' Doesn't Need To Top 'Skyfall' Because 'James Bond' Is A Bullet-Proof Franchise”. Forbes.com. 2015年11月6日閲覧。
  16. ^ Spectre movie in numbers: Daniel Craig salary, film budget and James Bond theme tune sales”. IB Times.com. 2015年11月6日閲覧。
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関連項目[ソースを編集]

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