007 スペクター
| 007 スペクター | |
|---|---|
| Spectre | |
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| 監督 | サム・メンデス |
| 脚本 |
ジョン・ローガン ニール・パーヴィス ロバート・ウェイド ジェズ・バターワース |
| 原作 | イアン・フレミング |
| 製作 |
バーバラ・ブロッコリ マイケル・G・ウィルソン |
| 出演者 |
ダニエル・クレイグ クリストフ・ヴァルツ レア・セドゥ ベン・ウィショー ナオミ・ハリス デビッド・バウティスタ アンドリュー・スコット ロリー・キニア イェスパー・クリステンセン モニカ・ベルッチ レイフ・ファインズ |
| 音楽 | トーマス・ニューマン |
| 主題歌 |
「ライティングズ・オン・ザ・ウォール」 サム・スミス |
| 撮影 | ホイテ・ヴァン・ホイテマ |
| 編集 | リー・スミス |
| 製作会社 |
イーオン・プロダクションズ ダンジャック メトロ・ゴールドウィン・メイヤー コロンビア ピクチャーズ B24 |
| 配給 |
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| 公開 |
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| 上映時間 | 148分 |
| 製作国 |
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| 言語 | 英語 |
| 製作費 | $245,000,000 - 300,000,000 |
| 興行収入 |
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| 前作 | 007 スカイフォール |
| 次作 | 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ |
『007 スペクター』(原題: Spectre)は、2015年のスパイアクション映画。イーオン・プロダクションズが製作する「ジェームズ・ボンド」シリーズの第24作である。ダニエル・クレイグが架空のMI6諜報員、ジェームズ・ボンドを演じる4作目の作品で、サム・メンデスが『007 スカイフォール』からシリーズ2作目の監督を務め、脚本は、ジョン・ローガン、ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、ジェズ・バターワースが務めた。
製作費は約2億4500万ドルと推定されているが、一部の情報では3億ドルとも言われており、これまでに製作された映画の中でも最も高い作品の一つである。
10月26日にロンドンでプレミア上映され、その後、IMAX上映を含む全世界での公開が始まった。11月6日に北米で、日本では12月4日に公開された[3]。批評家からは、本作のアクションシーン、撮影技術、演技、映画音楽を賞賛する一方で、テンポを批判されるも、かなり好意的な評価を得た。サム・スミスが演奏・共作した主題歌「ライティングズ・オン・ザ・ウォール」は、アカデミー賞とゴールデングローブ賞の歌曲賞を受賞した。全世界で8億8,000万ドル以上の興行収入を記録し、2015年の興行収入ランキングでは6位、インフレーション調整前の累計では『007 スカイフォール』に次ぐシリーズ2位となった。
あらすじ
[編集]2015年、中部アメリカに位置するメキシコの首都メキシコシティで催されている「死者の日」において、イギリスの情報機関MI6(秘密情報部)のエージェント、ジェームズ・ボンド(演:ダニエル・クレイグ)はホテル、グラン・ホテル・シウダッド・デ・メヒコの屋上から屋根伝いに移動、そこから窓越しにマルコ・スキアラ(演:アレクサンドロ・クレモナ)という男にグロック17をカービンにカスタムするFAB Defense KPOS G1を装着した銃を爆薬入りのスーツケースに向け発砲、爆発し、スキアラの居た建物は倒壊する。実はスキアラのその手下たちはメキシコシティ・メトロポリタン大聖堂近くのスタジアムを爆破するテロ事件を起こそうとしていたのだ。廃墟から辛くも逃げおおせたスキアラを追うボンドは、爆発による混乱の中でMBB Bo 105ヘリコプターで逃亡しようとしていたスキアラを追い詰め、群衆で一杯のソカロ憲法広場上空で上下降激しい格闘戦を繰り広げる。その結果、ボンドはスキアラの手からタコの紋章の刻まれた指輪を奪うと、パイロットもろともヘリから突き落とした。
MI6本部に戻ったボンドは、この一件を長官M(演:レイフ・ファインズ)から厳しく叱責される。なぜならこれは英国政府の許可なしに行ったことであるから、英墨間に深刻な外交問題が発生したからだった。ボンドはしばらくの間謹慎処分を下される。
実はこの頃、イギリスの諜報システムは大きな改変期を迎えようとしていた。国内諜報が主任務のMI5(保安局)と対外諜報が主任務のMI6それぞれを一つにまとめた統合諜報局(JIS)が設立、ロンドンのヴォクスホールに前作で爆破されたMI6本部とテムズ川を挟んだ対岸に新国家安全保障センター(CNS)ビルを建設し、ここを拠点に活動を開始したのだ。この一連の変革の舵取りを担ったのはマックス・デンビー(演:アンドリュー・スコット)(ボンドからはC)という元内務省の官僚で、JIS及びMI5の新局長に就任した。彼の野望は止まらず、大国で構成される「ナイン・アイズ」という諜報同盟を設立(参加国はイギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、スペイン、日本、中国、オーストラリア、南アフリカ共和国(南ア))し、各国の持つ情報を透明にして共有するシステムを構築する事だった。彼にしてみればボンドの所属する00部門は諜報のデジタル化の前に無用の長物になるとし、これを解体しようと考えていたのであった。
ボンドはというと、前作での"スカイフォール"での出来事で燃え残った残骸を自宅アパートへ届けにきたイヴ・マネーペニー(演:ナオミ・ハリス)に、メキシコシティでの出来事が前作で落命した前任のMからの遺言によるものであることを明かし、彼の葬儀にも行くよう言われていた。そして彼は残骸の中から見つけ出された古い写真を、感慨深そうに見つめる。その写真には少年時代のボンド、養父、そしてもう一人の少年が写っていた。
その後、ボンドは兵器開発・補給担当官のQ(演:ベン・ウィショー)のいるQ課に向かう。ブルパップ式のステアーAUG A3に出迎えられたボンドは、所在地や体調を追跡するナノマシン、スマートブラッドを体内に注入されるが、彼を丸め込み追跡開始までに48時間の猶予を得る。そしてQから「時を刻む」機能を搭載したオメガ シーマスター 300を受領する。その後にはQ課から009のために整備されていたアストンマーティン・DB10を無断で持ち出し、前任のMの遺言に従ってイタリア、ローマに向かう。
そこでボンドはスキアラの未亡人であるルチア(演:モニカ・ベルッチ)に近づく。始めは夫を殺した張本人ということもあり不信を抱かれるも、彼女を秘密組織の処刑人から守り誘惑したボンドは命を助けることと引き換えに、その組織の秘密会議が開かれることを聞きだし、会場のカルデンツォ宮殿に向かう。入るには厳重な警備を潜り抜けねばならなかったが、スキアラから奪った指輪を使い会議に潜入する。そこではドイツのハンブルクの列車テロや北アフリカのチュニジアでの爆破テロについてや偽造医薬品の流通、メキシコシティでの大失敗などが議題に挙がって報告されていた。その途中、暗闇から登場し圧倒的な威厳と恐怖でその場を支配する組織の首領はボンドの存在を見抜いていた。「ようこそ、ジェームズ。時の流れというのは残酷だな」と嘲笑した後、「カッコウ」とそれの鳴き声を真似する。
その瞬間、ボンドは宮殿から逃走を開始する。すかさず組織の一員である巨漢のミスター・ヒンクス(演:デイヴ・バウディスタ)が追跡を開始、ジャガー・C-X75で後を追う。キリスト教カトリック教会の総本山サン・ピエトロ大聖堂前などローマ中を駆け巡る熾烈なカーチェイスの中、DB10に搭載されたガジェットで応戦する。残念ながら弾薬は未装填だったものの、火炎放射器でヒンクスの視界を遮る。戦いはシスト橋(イタリア語版)付近まで続き、いよいよ正面に道が無くなったボンドはそのままテヴェレ川に突っ込む。ヒンクスは車から降り唖然とするも、その背後をエジェクターシートで脱出し優雅にパラシュートで降下したボンドの姿を見ることはなかった。その後マネーペニーと連絡を取り合い、首領の正体は20年前の雪崩事故で死亡したはずの義弟フランツ・オーベルハウザー(演:クリストフ・ヴァルツ)だと報告、前々作で対峙したミスター・ホワイト(演:イェスパー・クリステンセン)がカギを握っていることを摑む。
その頃、東京。Mとビル・タナー(演:ロリー・キニア)は英国代表団の一員としてCに同行し、ナイン・アイズの創設に関する会議を行っていた。だがこれは南アの反対票により見送られることになる。会議終了後BBCのサイトにテヴェレ川に車が突っ込んだというニュースが掲載されているのを見たMはQにボンドの所在を確認させる。Qはロンドン市内にいると報告したものの、彼の見つめる画面には「オーストリア」と表示されていた。
西ヨーロッパ、オーストリアのアルトアウスゼー(ドイツ語版)の渓谷は厳寒の湖畔にあるホワイトの潜伏先に向かったボンドは、愛銃ワルサーPPK片手に侵入する。だがそこにはオーベルハウザーと対立したことで携帯電話に、無味無臭でありながら少量で死に至るタリウムを仕掛けられタリウム中毒となり、死に瀕したホワイトの姿を発見する。彼はボンドに、この組織は世界規模で暗躍する国際的な犯罪組織であること、組織から命を狙われている娘のマドレーヌ・スワン(演:レア・セドゥ)を助けるのと引き換えに、彼女が手掛かりとなる「アメリカン」の居場所を教えると告げ、「君は嵐の中をもがく凧だよ」と言い遺しボンドが渡したワルサーで頭を撃ち抜いたのであった。
一方、南アはケープタウンで爆破テロが発生したことを受けナイン・アイズに対する姿勢の変化から賛成票が投じられたことにより全会一致で可決、ついに創設が決定された。そしてCからローマにおけるボンドとマネーペニーの会話を監視していることを告げられたMは、マネーペニーとQにボンドの追跡を断念すべきである旨を伝えたのだった。
マドレーヌが勤めるオーストリアのアルプスにある一面ガラス張りのモダンな見た目のホフラー診療所を訪れたボンドは、患者を装って彼女に接近し正体を明かしてホワイトの遺言を伝えるが、父を殺した張本人であるから追い出されてしまう。また、そこに密かに追ってきたQから本国の状況を知らされるが、そこでスキアラの指輪の調査を依頼する。するとその時、マドレーヌがヒンクスら組織の連中にさらわれてしまう。その瞬間、ボンドもその手先に襲われるも、逆に彼らのH&K VP9を鹵獲し立ち向かう。
ランドローバー・ディフェンダー SVX "ビッグフット"を駆るヒンクスを追うべくボンドはプロペラ機ブリテン・ノーマン BN-2 アイランダーで出撃、雪山の地面すれすれを這うように追いかける。ヒンクスはこれを迎撃すべくアーセナル・ファイアアームズ AF2011 デュエラー・プリズマティック(英語版)というコルト M1911A1を水平二連装した拳銃を用い機体に穴を開けさせる。一時離脱したボンドだったが次の瞬間、木々で両翼を吹き飛ばしながらソリのように滑り、敵車両を腹で押しつぶす。そうして救出に成功、最初こそ拒絶されるものの、行動を共にするしか生き延びる術はないと説得する。その裏でQは、山を下りるロープウェイの中で組織の構成員に追われるも何とか撒く。
その後、ホテルでボンド、マドレーヌと合流した彼はパソコンで指輪の解析を始める。するとそこから、前々々作の悪役ル・シッフル、前々作のドミニク・グリーン、前作のラウル・シルヴァらボンドと決死の戦いを繰り広げてきたテロリストたちのDNA情報がこの指輪とリンクしていることが判明した。一体この組織は何者なのか。ボンドたちが求めあぐねる中、マドレーヌからその組織の名称が「スペクター(英語版)」であることを知るのであった。
当初「アメリカン」が人名を示す言葉だと思っていたボンドだが、マドレーヌからそれが北アフリカに位置するモロッコの都市タンジールにあるホテルの名前だと知らされる。ホテル・アメリカンはホワイトが新婚旅行で訪れて以来、毎年家族と訪れていた思い出の場所だった。早速ホワイトが毎回宿泊していた227号室で手掛かりを探すボンドだったが、ありとあらゆる家具を逆さまにしてまで見つかったのはたった1本の酒のみだった。半ば諦めかけたボンドだが、夜、1匹のネズミが逃げ込んだ壁の穴にふと手元のハイネケンを注ぐと入り込み、またそこに貼り付けられていた絵がずれている事に気づき、壁を突き破るとそこに隠し部屋を発見する。リー・エンフィールド No.4 Mk IやVz 58 コンパクトが壁に立て掛けられ、机には世界中の通信を傍受し記録されたテープ、様々なパスポートや写真が並ぶ中、ボンドとマドレーヌはホワイトがオーベルハウザーを追跡し続けていたことを知り、拠点となっている場所の座標を記した地図を発見する。座標の数字を地図と照らし合わせると、そこは北アフリカ、サハラ砂漠の真ん中だった。
二人はサハラ砂漠縦断特急列車「オリエンタル・デザート・エクスプレス」に乗り込んでスペクターの秘密基地に向かう。その道中。車内の部屋でボンドはマドレーヌにSIG SAUER P226Rを護身用として手渡しよく説明する。だが彼女は慣れた手つきでマガジンを抜くと、スライドを引いてチャンバー内の実包まで脱弾してみせる。ボンドはこの理由を尋ねるとマドレーヌは「幼い頃に父を殺しに家に殺し屋が侵入してきたの。そこで台所に隠されてたベレッタ92FSがあった。そのせいで銃が嫌いになった」と説明する。
その夜。食堂車で夕食を取っていたその時、ヒンクスに襲われる。貨物車にまでもたれこむ壮絶な肉弾戦の最中、マドレーヌがワルサーPPKでヒンクスを撃つも効かずボンドは絞め殺されかける。だがボンドは機転を利かし線路へ落ちていくドラム缶とヒンクスをロープで繋ぐ。彼は「クソが」と残し車外へ吹き飛ばされた。その後彼ら二人は甘いひと時を過ごす。
無人となった砂漠の駅で列車を降りた二人の前に1948年型ロールス・ロイス・シルヴァーレイスの出迎えが現れる。そうしてクレーターの中に隠されたスペクターの情報統括基地に到着した二人は、銃を取り上げられ、マドレーヌはチャイナドレスを着せられオーベルハウザーと対面する。オーベルハウザーは二人に世界中の監視カメラや通信インフラ映像の膨大なデータを傍受し解析する超ハイテク監視施設を見せた。彼はナイン・アイズを用いて各国の機密情報を掌握、支配する事が目的であり、またそのためケープタウンでの爆発テロも起こしたと明らかにした。そのことを聞かされたボンドはCもスペクターの側についていることを悟る。さらにボンドとホワイトが最後に対峙した際の映像も見せられ、ボンドはホワイトの死の瞬間からマドレーヌの目をそらさせることには成功するも、直後にオーベルハウザーの部下に昏倒させられてしまう。
意識を取り戻したボンドは拷問台に拘束されていた。オーベルハウザーは脳機能の中枢、紡錘状回などを破壊する微細な太さのドリルを準備しながら、20年前の雪崩事故において養子でありながら実の息子である自分ではなくボンドに強い愛情を注いだフランツの父ハネスを殺し、また自らの死もでっち上げたこと、それ以来母方の名である「エルンスト・スタヴロ・ブロフェルド」と名乗っていることを明かす。そして、ボンドに苦痛を与えるためル・シッフルやシルヴァを送り込み、心から愛したヴェスパー・リンドや敬愛するMを殺していたのである。
これを聞かされたボンドは、頭蓋骨を貫通し内部へドリルを突き刺される拷問にかけられるが、オメガに仕掛けてあった小型爆弾を起動させてマドレーヌに渡し、それをブロフェルドの足元に投げた瞬間爆発する。顔面を負傷し倒れるブロフェルドを後目に拘束を解いたボンドは警備員からVz 58 コンパクトを奪取、次々と追手を排除する。その際にガスバルブを狙い撃ち大爆発を引き起こす。これは連鎖反応として施設のあちこちへと広がり、基地は大爆発。ボンドとマドレーヌはMD 500Eに乗り脱出に成功するのであった。
マドレーヌとロンドンに戻ったボンドはM、Q、マネーペニー、タナーと落ち合い、協力してCの身柄を確保し、ナイン・アイズがその日の深夜24時に正式稼働するのを阻止することとなる。しかしマドレーヌはスパイとして生きるボンドと行動を共にすることはできないと告げ、その場を去る。彼女を除いた5人がランドローバー・ディスカバリースポーツに乗車、CNSビルへ向かうも、Cの配下がボンドとMの乗った車を急襲、Mはマネーペニーらの乗る車に戻れるもボンドは廃墟と化した旧MI6本部[注釈 1]に拉致されるが、彼は連中を倒しひとり本部建物内にVP9片手に足を踏み入れる。そこの射撃訓練場を通る際、ターゲットにル・シッフルやグリーンにシルヴァ、ヴェスパーと前Mの写真が貼られていた。そして張り巡らされた爆破解体用の爆弾を潜り抜けた先には、先ほどのオメガ爆弾で右目を失明、もちろん顔の右側全体を負傷したブロフェルドが待ち受けていた。ボンドはすかさず発砲するも、彼との間は防弾ガラスで区切られていた。そしてブロフェルドはボンドに、マドレーヌを拉致しこの建物のどこかに監禁したこと、また3分後に建物が爆破されると告げ、危険を冒しマドレーヌを救出するか安全に自分だけは脱出するかを迫る。そしてその瞬間、起爆装置のタイマーを作動させた。
一方その頃、CNSビルに到着したMたちは計画を続行していた。Qはナイン・アイズのプログラムへのハッキングに成功、なんとか発足を免れる。だがMは庁舎内のCの執務室でCと対峙、Cがいきなりグロック17 Gen.4でMを撃ち殺そうとするも激しくもみ合い、彼は手すりから滑り落ち吹き抜けのアトリウムへ転落、そのまま息絶えた。ボンドもマドレーヌを見つけるため建物内を走り回る。ブロフェルドはユーロコプター AS365N2 ドーファンで彼を高みの見物する。その時、ボンドは微かな助けを呼ぶ声を聞く。爆発まで数十秒を切る中、ボンドはマドレーヌをついに発見する。その瞬間、M達の目の前で旧MI6本部が大爆発、けたたましい轟音とともに崩壊する。だがマドレーヌを救出していたボンドは濃密な煙の中からQ課の複合型ゴムボートでテムズ川に脱出。そしてボンドはヘリで逃走するブロフェルドを追跡、持ち替えたワルサーPPKでエンジン部分を狙撃する。だが中々弾薬は命中しない。ボンドは息を整え、決定打を食らわす。ヘリは操縦不可能となり、黒煙を吹いてウェストミンスター橋に激突、不時着する。
ヘリの扉をけり開け足を負傷したブロフェルドが這い出したところにボンドが立ちふさがり、彼に銃口を突き付ける。ブロフェルドは「終わらせろ」と挑発するが、彼は「弾切れだ」とマガジンを抜くと、スライドを引いてチャンバー内の実包まで脱弾し銃を捨てる。そしてその場を去りマドレーヌのもとに向かった。その後、Mによりブロフェルドは身柄が確保される。
後日、早朝。引退したはずのボンドがQ課に姿を現す。彼は前作で大破し修復を依頼、それが完了した自身のアストンマーティン DB5をQから受け取り、マドレーヌを助手席に乗せると、ロンドンの街へと走り去っていった。
キャスト
[編集]
- ジェームズ・ボンド
- 演 - ダニエル・クレイグ、日本語吹替 - 藤真秀[4]
- 主人公。前任のMの遺言を受け、メキシコシティにて非公認の任務を秘密裏に進める。そこで、対象の男であるマルコ・スキアラから奪った、ある紋章が入ったリング (指輪) を手掛かりに、Qやマネーペニーの協力を受けつつ、謎の組織を追ってイタリア (ローマ) 、オーストリア、モロッコと世界中を飛び回る。
- フランツ・オーベルハウザー / エルンスト・スタヴロ・ブロフェルド
- 演 - クリストフ・ヴァルツ、日本語吹替 - 山路和弘[4]
- 本作の悪役。謎の巨大組織「スペクター」を束ねる首領。父ハンスは幼少期のボンドの後見人であり、そのためボンドとは義理の兄弟の関係にある。
- 秘密会議にてボンドと「再会」した後、ボンドが自らを探し求めてやって来る事を事前に予見し、砂漠の真ん中の無人駅で列車を降りたボンドとマドレーヌに迎えの車をよこし、秘密基地へ2人を案内する。その後ボンドを拷問しようとしたが、マドレーヌが投げつけたボンドの時限爆弾付き腕時計の爆発で吹き飛ばされ、爆発する秘密基地と運命を共にしたかと思われたが、実際には右目と右顔面を負傷し、大きな傷跡を残しながらも生き延びていた。
- マドレーヌ・スワン
- 演 - レア・セドゥ[5]、日本語吹替 - 園崎未恵[4]
- 本作のボンドガールの1人であり、メインのボンドガールでもある。ミスター・ホワイトの娘。オーストリアの山岳地帯にあるホフラー診療所に勤務していたが、「スペクター」の追っ手に誘拐されたところをボンドに救い出される。始めはボンドを毛嫌いしていたが、ボンドから共に行動するように諭され、また、共闘して組織の追っ手を退ける事なども重なり、次第に仲を深めていく。
- 「スペクター」の名前を知っており、劇中最初にその名を口にする人物。また少女時代、父を狙った殺し屋が家に押し入るも、逃げ込んだ先の台所に銃が隠されていたのを見て以来銃が嫌いになっている(この件については続編『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で詳細が描かれた)。それでもボンドが護身のために拳銃の使い方を指南しようとした際には、慣れた手つきでその拳銃から弾倉を抜き取り、スライドを操作して薬室に入っていた弾薬も抜き取ってから引き金を引いて武器としては使えなくなったのを見せつけるほどであった。この行動は劇中終盤でボンドに大きな影響を与えることとなるが、いざという時は暴力の行使も厭わない面もあり、ミスター・ヒンクスの部下に薬物を注射されそうになった際は注射器を奪い取って反撃したり、列車内でヒンクスがボンドを襲った際には落ちていた鈍器で後ろから攻撃を仕掛けたり、ボンドが落とした拳銃を発砲して軽傷を負わせた。
- M
- 演 - レイフ・ファインズ、日本語吹替 - 原康義[4]
- MI6局長でありボンドの上司。ボンドの非公認任務によるメキシコシティでの騒動が大々的に報じられ、その真相をボンドが語らなかったため、無期限の謹慎を言い渡す。他方、00セクションを廃すべく動き回るCにも翻弄される。次第にボンドの行動を理解するようになり、物語途中ではCの思惑もあってMI6の面々に別れの挨拶をするも、終盤ではボンドのサポートだけでなく自らも戦闘に参加する。
- ルチア・スキアラ
- 演 - モニカ・ベルッチ[5]、日本語吹替 - 五十嵐麗[4]
- 本作のボンドガールの1人。夫・マルコがボンドにテロを妨害された上殺害され、自らも組織から消される運命にあったが、保険屋だと偽って近付いてきたボンドに救われる。今後も命を守ってもらう事と引き換えに、組織に関する情報をボンドに伝え、ボンドもフェリックス・ライターに保護を要請する形でそれに応えた。
- Q
- 演 - ベン・ウィショー[6]、日本語吹替 - 川本克彦[4]
- Mの命を受け、追跡チップでボンドの監視を行う。初めはボンドの行動に危機感を募らせ、Mの命に背く事を恐れていたが、ボンドから紋章付きのリングの解析を依頼されて真実を知り、また、その際に組織の追っ手に自身が狙われた事によってボンドの行動をサポートするようになる。
- ミス・マネーペニー
- 演 - ナオミ・ハリス[7]、日本語吹替 - 杉本ゆう[4]
- 作中の序盤で、ボンドの生家「スカイフォール」で焼け残った遺品をボンドに届ける。そこで、ボンドがメキシコシティで行っていた任務の真相を知らされ、ボンドをサポートするようになる。
- ミスター・ヒンクス
- 演 - デビッド・バウティスタ[8]、日本語吹替 - 北村謙次[4]
- ボンドが殺害したマルコ・スキアラの後任として、「ペイル・キング」なる人物の抹殺の任を担う寡黙[注釈 2]な巨漢。秘密会議に潜入したボンドを追跡し、後に列車で移動中のボンドを追い詰めるが、ボンドとマドレーヌの連携により車外に放り出され死亡した。桁外れの剛腕で運転技術がボンド並みと互角であり、火炎系と銃弾に耐性を持ち、自身が運転する車が燃えたり、ジャケットに引火してもものともしない。水平二連式の自動拳銃AF2011A1を使用。
- C(マックス・デンビー)
- 演 - アンドリュー・スコット、日本語吹替 - 桐本琢也[4]
- 表向きはMI5の責任者として、Mにスパイや00セクションが時代遅れであると指摘。世界中の情報網を統合する「ナイン・アイズ」の計画を打ち上げるが実は「スペクター」に通じており、ナイン・アイズ計画でより多くの情報を集め、自身や「スペクター」の利益のために積極活用する裏の一面を持っている。
- ビル・タナー
- 演 - ロリー・キニア、日本語吹替 - 白熊寛嗣[4]
- Mの幕僚を務める。ボンドの行動の意図を理解した作中終盤で、M、Qやマネーペニーと共に、ボンドをサポートする。
- ミスター・ホワイト
- 演 - イェスパー・クリステンセン、日本語吹替 - 大塚芳忠[4]
- 諜報機関を相手取った従来の方針を転換し、女子供まで犠牲にするようになったブロフェルドに歯向かった事でタリウムを盛られ、オーストリアの隠れ家で瀕死の状態になっているところで、ボンドと再会する。そこで、自分に拳銃を渡してまでブロフェルドや「スペクター」を追うための手がかりを求めようとするボンドの意思を汲み取り、ボンドに追跡の手がかりを含めた形で娘のマドレーヌを守るよう頼み、彼女の居場所を教えると自ら拳銃で自決する。しかし、この時も作動していた自宅の防犯カメラがその様子を音声付きで録画していたのが仇になり、隠れ家を発見された[注釈 3]ことでマドレーヌの居場所が「スペクター」の知るところとなってしまう。
- マルコ・スキアラ
- 演 - アレサンドロ・クレモナ、日本語吹替 - 辻親八[4]
- メキシコシティでスタジアム爆破のテロ計画を立てるが、ボンドの妨害により負傷。ヘリコプターでの逃走を試みるが、ボンドと格闘の末、組織の紋章が入ったリングを奪われて上空でヘリの外に放り出され転落死する。妻のルチア曰く、口の堅い彼女を信頼していた一方で自らが属する組織[注釈 4]にのめり込んでいたとのこと。
- エストレーリャ
- 演 - ステファニー・シグマン、日本語吹替 - 御沓優子[4]
- 前任のM
- 演 - ジュディ・デンチ(クレジットなし)、日本語吹替 - 谷育子[4]
- 前作で殉職したが、生前にマルコ・スキアラに関する情報を掴んでおり、自分に何かあった時のために「マルコ・スキアラを殺して、葬式にも出て」とのビデオメッセージを死後にボンドに届くよう手配をしていた。
スタッフ
[編集]- 原作 - イアン・フレミング
- 監督 - サム・メンデス
- 原案 - ジョン・ローガン、ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド
- 脚本 - ジョン・ローガン、ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、ジェズ・バターワース
- プロダクションデザイン - デニス・ガスナー
- 美術監督顧問 - クリス・レーヴェ
- 衣装デザイン - ジャイニー・テマイム
- 撮影監督 - ホイテ・ヴァン・ホイテマ
- 編集 - リー・スミス
- 特殊効果 - クリス・コーボールド
- 音楽 - トーマス・ニューマン
- キャスティング - デビー・マクウィリアムズ
- プロデューサー - マイケル・G・ウィルソン、バーバラ・ブロッコリ
- 製作総指揮 - コーラム・マクドゴール
- 共同プロデューサー - アンドリュー・ノーコス、ステイシー・パースキー、デヴィッド・ホープ
- 製作 - イーオン・プロダクションズ、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー、コロンビア ピクチャーズ、ダンジャック、ユナイテッド・アーティスツ
- 配給 - ソニー・ピクチャーズ リリーシング
- 日本語字幕:戸田奈津子
- 翻訳監修:今田利枝
- 監修:酒井俊之
- 日本語吹替版
制作
[編集]制作費は2億4500万ドル[9][10]から3億ドル[11][12]で、『007』シリーズでの史上最高額である。また148分という上映時間は、007 カジノ・ロワイヤル(2006年)の144分を上回る、シリーズ史上最長の上映時間となった。また、ダニエル・グレイグには出演料として2,400万ドル(約28億円)が支払われた[13]。
舞台とロケ地
[編集]批評
[編集]ネット上のアグリゲータ・レビュー「ロットン・トマトズ」では、この映画は「6.4 / 10」の平均格付けと347件の口コミをもとにして、63%の支持率を獲得した。同ウェブサイトは映画『スペクター』でダニエル・クレイグによって再登場したボンドは、確立された007のパターンに確かに依存しているが、以前のボンド映画の輝かしい、アクション主導のスペクタクルに近づいてきている」と評している。Metacriticは、この映画は、混合または平均レビューで、48人の批評家により「100のうち60」の平均スコアを得た。「CinemaScore」は、観客の投票で『スペクター』にA+からFのスケールで、平均「A−」の等級を与えた。
英国での公開前は、スペクターは主に好意的なレビューを受けていた。イギリスの「ガーディアン」紙で執筆しているマーク・カーモードは、5つ星のうち4つ星をつけ、前作『スカイフォール』の水準には達していなかったが、観客の期待には応えることができたと述べた。ピーター・ブラッドショーは、映画に5つ星を与え、「独創的でインテリジェントで複雑」と評し、クレイグのパフォーマンスを映画のハイライトとして賞賛した。他の5つ星評としては、デイリー・テレグラフ紙のロビー・コリンは本作を「堂々の会心作」であると述べ、「純粋な映画の魔術による偉業」と賞賛した。肯定的でありつつも批判的な評価としてはキム・ニューマンが、「脇にそれがちな筋書(ほとんど筋の通らないボンドの子供時代の話を盛り込むという無駄を含む)ではあるが、映画にはなっている」としつつも、「観客の忍耐力は、シリーズ中でも薄っぺらな部類に入る筋書を2時間半のアクションシーンで誤魔化した代物で試された」と感じたと述べている。IGN の Chris Tilly は10点満点中7.2点を与え、評論家クリス・ティリーは「地味ではあるが安定感がある」と評した。
アメリカでは批評的評価がまちまちだった。「フォーブス」のスコット・メンデルソンはこの映画を厳しく批判し、『スペクター』を「この30年で最悪の007映画」と難じた。「RogerEbert.com」のレビューで、マット・ゾラー・セイツは本作に、4点満点で2.5点を与えた。映画には一貫性がなく、その可能性を活用できていないとしている。ロサンゼルス・タイムズの映画をレビューしているケネス・トゥランは、「(観ていて)疲れるし」と結論付けた。ニューヨーク・タイムズのマノーラ・ダージスは、映画に「驚くべきことは何もない」と批判し、興行収入のためにその独創性を犠牲にしたと断じた。
エンターテインメント・ウィークリーのダレン・フラニッチは、『スペクター』を「いまどきの大作志向への過剰反応」と見なし、シリーズ続行への野心を燃やし、「サーガ」であることを示そうとしているとした。「『スペクター』劇中で起きることはどれも、ちょっとした論理的な批評にすら耐えられそうにない」と指摘しつつも、「スペクターを葬りたい訳ではなく、変則的に称賛したい。というのも、映画の終盤はとても奇妙で、意図的に鈍く、余計な注意を引くためである」としている。クリストファー・オーアはアトランティック誌で、ほとんどすべての点で(従来のボンド映画に)逆行してしまったと評した。シャーロット・オブザーバー紙のローレンス・トップマンは、クレイグの演技を「退屈、ジェームズ・ボアード(退屈:bored)」と評した。アリッサ・ローゼンバーグはワシントン・ポストに寄稿した文で、本作は残念ながら従来のボンド映画になってしまったと述べた。
ローリングストーンで公開された肯定的なレビューで、ピーター・トラバーズは映画に4つ星のうち、3.5の星を与えた。スペクターを「ボンド・ファンのパーティー・タイム、映画で最も長く続いているフランチャイズで、激しく、面白く、豪華に生み出されたバレンタインの贈り物」と記した。
使用車両
[編集]- ボンドカーへ移動
秘密兵器など
[編集]- グロック17・ピストル
- 冒頭のメキシコシティでボンドが所持した拳銃。FAB Defense社製の「KPOS」コンバージョンキットが装着され、代用カービンの形状となっている。オプションとして集音器兼用のレーザーポインターも備える。また、Cがノーマルなグロック17を自分のオフィスの机に入れている。
- ステアーAUG
- Q課に置かれていたものをボンドが手に取る。
- アーセナルAF2011-A1
- ミスター・ヒンクスが所持。M1911拳銃を水平二連式にしたもの。二発の弾丸を同時に発射するため、ボンドが操縦する軽飛行機が被弾した際には大きな破孔が開いた。
- シーマスター300 マスター・コーアクシャル・腕時計
- Q課の発明品。時限爆弾の機能が搭載されており、仕掛けを作動させると、『死ぬのは奴らだ』に登場した腕時計を彷彿とさせ、文字盤が赤く発光する。
- スマートブラッド
- Q課において健康診断の際に、ボンドに注射された。極小のマイクロチップによりボンドの現在地を追跡できるようになっている。元々はメキシコシティの一件を受けMが指示したものだが、後にCによる監視の危険性が明らかになり、監視を解除すべきと判断されている。
- DNA検出装置
- Qが指輪に付着したDNAの検出の際に用いており、そこから過去の所持者達とスペクターとの繋がりを掴むこととなる。
主題歌
[編集]イングランドの男性シンガー、サム・スミスが起用され、「Writing's On The Wall」を歌った。 主題歌の曲名(「Writing's On The Wall」)が映画のタイトルと異なっているのは「私を愛したスパイ(The Spy Who Loved Me)」『Nobody Does It Better』、「オクトパシー(Octopussy)」の『All Time High』、「カジノ・ロワイヤル(Casino Royale)」の『You Know My Name』、「慰めの報酬(Quantum Of Solace)」の『Another Way to Die』に続き5例目となる(「女王陛下の007(On Her Majesty's Secret Service)」の『We have all the time in the world』を主題歌とするなら、6例目)。ちなみに、主題歌候補のひとつとしてレディオヘッドが「スペクター(Spectre)」を歌っているが、選考で敗れている[14]。後にフリー・ダウンロードで公開[15]され、翌年にリリースされた、「ア・ムーン・シェイプト・プール」のボーナス・トラックに収録された。
問題
[編集]ハッキング事件
[編集]2014年11月23日に、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントへのハッキング事件が発生し、本作の製作に関わる書類の一部が流出した。その中には、本作の脚本の草稿も含まれていた[16]。
著作権上の問題
[編集]1961年の『サンダーボール作戦』製作に当たって、「スペクター」という組織の名称とそれに関係する登場人物の権利をめぐり、原作者のイアン・フレミングとプロデューサーのケヴィン・マクローリーの間で訴訟が起きた。それ以来、スペクターの使用権は007における紛争の種となっていた(『サンダーボール作戦』と『ネバーセイ・ネバーアゲイン』の項目を参照)。この訴訟が原因で1971年の『ダイヤモンドは永遠に』以降、スペクターは映画に登場しなくなった。
2013年11月、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)はマクローリーの遺産を管理するイーオン・プロダクションズの親会社であるダンジャックからスペクターとそれに関連する登場人物を映画に出す権利を購入した[17]。
受賞歴
[編集]| 年 | 映画賞 | 賞 | 対象 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 2016 | 第73回ゴールデングローブ賞[18] | 主題歌賞 | Writing's on the Wall (サム・スミス) | 受賞 |
| 第88回アカデミー賞[19][20] | 歌曲賞 | Writing’s on the Wall (サム・スミス) | 受賞 | |
| 第39回日本アカデミー賞[21] | 優秀外国作品賞 | ノミネート | ||
| 第21回エンパイア賞[22] | イギリス映画賞 | 受賞 | ||
| スリラー映画賞 | 受賞 |
地上波放送履歴
[編集]| 回数 | 放送局 | 放送枠 | 放送日 | 放送時間 | 放送分数 | 世帯視聴率 | 個人視聴率 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | テレビ朝日 | (なし) | 2021年9月26日 | 21:00-23:05 | 125分 | 8.5%[23] | 4.5%[23] | 地上波初放送 |
| 2 | テレビ東京 | 午後のロードショー | 2026年4月24日 | 13:40-15:40 | 120分 | 2.3%[24] | 1.1%[24] |
- 視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・リアルタイム。
Blu-ray/DVD
[編集]20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパンよりBlu-ray DiscとDVDが発売。
- Blu-ray
- DVD
- 007 スペクター 品番:MGBA-64760 発売日:2016年4月6日
- 007 スペクター 品番:MGBNG-64760 発売日:2016年12月21日
ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメントよりBlu-ray DiscとDVDが発売。NBCユニバーサルが販売。
その他
[編集]- 冒頭のパレードより、ボンドがホテルの部屋に戻って建物の屋上から狙撃に至るまでの冒頭、5分45秒までは1カットで撮られている。
- また、このパレードは本作の物語の中の架空のものだったが、本作公開後、世界中からメキシコ政府に「いつ、どこに行けばあのパレードを見られるのか」という問い合わせが殺到。2016年から毎年、実際にメキシコシティの「死者の日」直前の週末に開催されるようになり、多数の観光客が訪れるようになった[25]。
- 恒例のガンバレル・シークエンスが『ダイ・アナザー・デイ』以来13年ぶり、ダニエル・クレイグがボンド役についてからは初めて冒頭に登場する(このシークエンス自体は前作でもエンディングに登場する)。
- 本作品よりM(ギャレス・マロニー)役がレイフ・ファインズに交代。新しいMは元イギリス陸軍出身で、特殊部隊の所属経験やIRAとの戦闘にも参加するなど現場経験豊富な人物。前作『スカイフォール』ではMI6の行動を規制する情報国防委員会の委員長を務めており、前任のMに引退勧告をしたり、ボンドに厳しい言葉を浴びせるなど歴代のMに比べて手厳しい描写も多いが、ボンドの意図を汲んだ後は協力的になるばかりか、物語終盤では特殊部隊出身の軍人らしく自ら現場に赴き最前線で戦うなど、歴代のMに比べて行動的に描かれている。
- ボンドの敵の名が直接タイトルに冠せられるのは1964年公開の『ゴールドフィンガー』以来、51年ぶり。
- 本作の後半を飾るスペクター基地での爆破シーンは大量の燃料と火薬を用いて行われ、「映画史上最大の爆破シーン」としてギネス世界記録に認定された[26]。
- ローマにて行われたスペクターの集会シーンにおいて、スーパーカーが多数登場している。レクサスLFAなどの希少車から、市販化されていない車種など、あらゆるスーパーカーが一堂に会する姿を見ることができる。
- 本編とは関係ないが、パインウッド・スタジオで撮影が行われた縁から『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』においてダニエル・クレイグがカメオ出演している[27]。
過去作品へのオマージュ
[編集]- ダニエル・クレイグがボンド役に就いた『カジノ・ロワイヤル』〜『スカイフォール』までの全てが密接にリンクしたストーリーとなっており、オープニング映像にもそれまでの悪役やヴェスバー、前任のMが登場する[注釈 5]。オープニングに過去の映像が出てくるのは『ゴールドフィンガー』、『女王陛下の007』以来。
- アバンタイトルで登場するキーアイテムの指輪に刻まれたスペクターの紋章はタコを模っており、オープニング映像でもタコの足や墨をモチーフとする表現があるが、『オクトパシー』においてもタコはヒロインのオクトパシーの名前の元となる生き物として登場する他(彼女の父スマイスがタコの専門家であった)、オープニング映像では赤いタコのマークが、本編内ではオクトパシーの部下であるマグダの背中にタコの入れ墨がある。また、同作の原作小説に、ボンドの育ての親であり、本作で言及されるハンス・オーベルハウザーが登場する。
- 前任のMは前作『スカイフォール』で殉職しているが、本作ではボンドへ任務を伝えるためのビデオレターの形で登場する。なお、エンディングにジュディ・デンチのクレジットは掲載されていない。
- Qの用意した腕時計の仕掛けを作動させると、『死ぬのは奴らだ』のロレックスと同じように文字盤が赤く光る。
- ボンドがスペクターの秘密基地に招かれ丁重なもてなしを受け、ブロフェルドもしくはスペクター幹部との会話の後、基地脱出を図るシークエンスは、過去の映画作品にも多用された。特にボンドガールが同伴する点において(ボンドガールが用意されたチャイナドレス的な服に着替えたりするなど)、『ドクター・ノオ』の同シーンと非常に近いものがある。
- ボンドがスペクターの秘密基地に到着した際、スペクターのメンバーが差し出した銀のトレイに拳銃をホルスターごと乗せるのは、『死ぬのは奴らだ』のクライマックスにも同じようなシーンがあり、それへのオマージュと考えられる。
- ボンドがオープニングで職を解かれ、ラストで愛する女性と結ばれた末にMI6を辞職して映画が終了するのは、『女王陛下の007』との相似である。また『スペクター』の予告映像に『女王陛下の007』のテーマ曲(オープニングのインストルメンタル)が使用されているが、本編には使用されていない。
- Qの作業場には『カジノ・ロワイヤル』で使用したアストンマーティン・DBS(カジノアイス)と『慰めの報酬』で使用したアストンマーティン・DBS(クァンタムシルバー)が駐車してある他、『ワールド・イズ・ノット・イナフ』のボートチェイスでボンドが乗った小型ボート等、過去作品でボンドが乗用したものが置かれている。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ↑ 前作での爆破を受け爆破解体が予定されている旨がタナーの口から述べられており、その為か配線が建物内に張り巡らされている。ただし爆発は左から右の順番で発生しているほか実際の爆破解体と異なり外から崩壊している。
- ↑ 劇中では車外に放り出される寸前、それを悟って「Shit」(吹き替え版では「クソが」)と漏らしたのが唯一の台詞だった。
- ↑ CによってMI6の人間は監視されており、ボンドとマネーペニーがミスター・ホワイトに関する電話口での会話はCを介して「スペクター」には筒抜けであった。
- ↑ その組織とは他ならぬ「スペクター」であるが、彼はルチアにその名前を教えていない。
- ↑ 劇中でも同様にそれらの写真が確認される。
出典
[編集]- ↑ “Spectre”. Box Office Mojo. 2022年8月13日閲覧。
- ↑ 2016年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟 2017年10月29日閲覧。
- ↑ “『007 スペクター』のワールドプレミアが、今年の10月26日にロンドン開催決定!”. シネマトゥデイ (2015年7月20日). 2015年9月9日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 “007 スペクター”. ふきカエル大作戦!!. 2015年11月18日. 2021年9月30日閲覧.
- 1 2 “M・ベルッチ&L・セドゥ、2人のボンドガールに迫る「007」特別映像”. 映画ナタリー (2015年8月13日). 2015年9月9日閲覧。
- ↑ “「007 スペクター」新たな予告編公開、ボンドお約束のあのセリフも披露”. 映画ナタリー (2015年7月9日). 2015年9月9日閲覧。
- ↑ “ボンド幼少期の秘密に迫る「007 スペクター」、特報映像届く”. 映画ナタリー (2015年3月28日). 2015年9月9日閲覧。
- ↑ “世界最速の2台が夜のローマを激走、「007 スペクター」最新映像”. 映画ナタリー (2015年5月1日). 2015年9月9日閲覧。
- ↑ Pamela McClintock (2015年11月4日). “Box-Office Preview: 'Spectre' and 'Peanuts Movie' to the Rescue”. The Hollywood Reporter. 2015年11月6日閲覧。
- ↑ Anthony D'Alessandro (2015年11月3日). “‘Spectre’ Poised To Be Second-Best Bond Opening Of All-Time; ‘Peanuts’ Coming On Strong – Box Office Preview”. 'Deadline.com'. 2015年11月6日閲覧。
- ↑ “'Spectre' Doesn't Need To Top 'Skyfall' Because 'James Bond' Is A Bullet-Proof Franchise”. Forbes.com. 2015年11月6日閲覧。
- ↑ “Spectre movie in numbers: Daniel Craig salary, film budget and James Bond theme tune sales”. IB Times.com. 2015年11月6日閲覧。
- ↑ https://www.cinemacafe.net/article/2015/10/09/34732.html
- ↑ BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(9)
- ↑ 。レディオヘッド、ボツになった007テーマ・ソングを公開
- ↑ “Draft script for James Bond film Spectre leaked in Sony hack”. 2015年10月10日閲覧。
- ↑ “MGM, Danjaq Settle James Bond Rights Dispute With McClory Estate”. 2015年10月10日閲覧。
- ↑ “ゴールデングローブ賞結果発表、「レヴェナント:蘇えりし者」が最多3部門制す”. 映画ナタリー (2016年1月12日). 2016年1月12日閲覧。
- ↑ “アカデミー賞ノミネーション発表、「レヴェナント」12部門、「マッドマックス」10部門”. 映画ナタリー (2016年1月15日). 2016年1月15日閲覧。
- ↑ “88th ANNUAL ACADEMY AWARDS 第88回アカデミー賞特集 ノミネート&結果一覧”. シネマトゥデイ. 2016年2月29日閲覧。
- ↑ “日本アカデミー賞優秀賞発表!『海街diary』が最多12部門(2/2)”. シネマトゥデイ (2016年1月18日). 2016年1月18日閲覧。
- ↑ “『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が最多受賞!2016年エンパイア賞発表”. シネマトゥデイ. 2016年3月25日. 2016年3月25日閲覧.
- 1 2 “週間高世帯視聴率番組10 VOL.39 2021年 9月20日(月)~9月26日(日)”. ビデオリサーチ. 2021年10月2日閲覧。
- 1 2 “VOL.17 2026年 4月20日(月)〜4月26日(日) | 週間高世帯視聴率番組”. ビデオリサーチ. 2026年5月2日閲覧。
- ↑ Kae (2022年10月10日). “実在しなかった‟007”の「死者の日」パレード 映画きっかけに開催、進化続ける”. ほ・とせなNEWS. 瀬戸内海放送. 2022年10月23日閲覧。
- ↑ “『007』最新作、「映画史上最大の爆破シーン」でギネス認定”. ORICON STYLE (2015年11月11日). 2015年12月9日閲覧。
- ↑ “ダニエル・クレイグ、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』にカメオ出演!?”. マイナビニュース (2015年12月22日). 2016年1月14日閲覧。
関連項目
[編集]- ティモシー・ダルトン
- ピアース・ブロスナン
- ショーン・コネリー
- ロジャー・ムーア
- 『失われた時を求めて』 - プルーストの小説。本作品の主要なモチーフとして取り入れられている。