ベイマックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
ベイマックス
Big Hero 6
監督 ドン・ホール
クリス・ウィリアムズ
脚本 ジョーダン・ロバーツ
ドン・ホール
原作 ダンカン・ルーロー
スティーブン・T・シーグル
『ビッグ・ヒーロー6』
製作 ロイ・コンリ
製作総指揮 ジョン・ラセター
音楽 ヘンリー・ジャックマン
主題歌 AI
Story
編集 ティム・マーテンズ
製作会社 ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ
ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
配給 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開 日本の旗 2014年10月23日 (TIFF)
アメリカ合衆国の旗 2014年11月7日
日本の旗 2014年12月20日
上映時間 102分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
日本語
製作費 $165,000,000[1]
興行収入 $222,313,475[1] アメリカ合衆国の旗
91.8億円[2] 日本の旗
$651,913,475[1] 世界の旗
テンプレートを表示

ベイマックス』(原題:Big Hero 6 「 ビッグ・ヒーロー・シックス」 )は、2014年のアメリカ合衆国の3Dコンピュータアニメーションアクションファンタジー映画である。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ製作で、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ長編作品としては54作目となる。ディズニーのアニメ映画としてはマーベル・コミックの登場人物を主人公とする初めての作品である。

原案は6人の日本人スーパーヒーローを主人公としたマーベルコミックのアメコミ作品『ビッグ・ヒーロー・シックス[3]

第87回アカデミー賞長編アニメ映画賞などを受賞。短編アニメ映画の『愛犬とごちそう』(アカデミー短編アニメ賞受賞作)が同時上映された。

概要[編集]

映画化に際し、設定は原作から大きく変更されている。2009年にディズニーがマーベル社を買収したあと、マーベルコミックの中で映画化できそうな作品を探しているときに、監督のドン・ホールがデータベースの中から同作を発見した[4][5]

掲載時にさほど人気が出なかったため、マーベル社のスタッフからも忘れられていた作品であった。ホールも初めて知る作品だったが、タイトルと日本的要素に魅かれ[6]、プロデューサーのジョン・ラセターに話を持っていき、ディズニーアニメに合う内容に変更されて脚本が創作された。原作では初期チームメンバーとして登場していたサンファイアシルバー・サムライについては、マーベルコミックの『X-メン』シリーズを映画化している20世紀フォックス社が権利を持っていたため、登場させられなかった[7][8]

映画化に際し、作品の舞台が東京から、東京とサンフランシスコを混ぜ合わせた未来の架空都市「サンフランソウキョウ」へと変更され、チームメンバーも多人種の混成チームとなった。ロボットのベイマックスも原作ではドラゴン風の顔を持つ人造生命体だが、映画では看護ロボットへと改変されている。ストーリーも超能力を持ったヒーローが悪を倒すのではなく、メンバーのそれぞれが自身の能力を活かして協力する姿や主人公を取り巻く友情や家族愛に、力点が置かれている[9]

日本的要素が多く散りばめられ、スタッフによって撮影された東京の風景が数多く取り入れられており、日本の立体看板なども採用されている。ベイマックスの頭部は神社をモチーフにしている。イラストレーターのコヤマシゲトがキャラクターデザインに参加しており、ベイマックスの戦闘モードの角などに面影が残っている。

ストーリー[編集]

未来のサンフランソウキョウに住む14歳の少年・ヒロ・ハマダは天才的な科学の才能を持つが、その才能を非合法のロボット・ファイトのために利用するという自堕落な生活を送っていた。そんな弟を見かねた兄のタダシは、彼を自身の所属する工科大学へ連れていく。タダシの友人である「科学オタク」たちの手がけた数々の発明品や、兄の開発した白くて風船の様な見た目のケアロボット「ベイマックス」を目にし刺激を受けたヒロは、科学の夢を追究したいと飛び級入学を決意する。

入学するためには、大学の研究発表会でタダシの恩師でありロボット工学の第一人者であるロバート・キャラハン教授をうならせる独創的な発表をしなければならない。タダシや大学の仲間たちの協力の下、ヒロは発明品を完成させ、発表会でプレセンテーションを行なう。ヒロの発明した「マイクロボット」は指先ほどのサイズしかないが、互いに引き寄せあって集合体を形成する特性を持ち、操作者の頭部に装着した神経トランスミッターでコントロールすることで、その集合体を瞬時に思うままの形状に変化させることができるという画期的な発明品だった。発表は大成功をおさめ、ヒロはキャラハン教授から直々に入学を許可される。しかしその直後、会場で火災事故が発生。タダシは建物に取り残されたキャラハン教授を助けようと炎の中に飛び込み、帰らぬ人となってしまう。ヒロは、兄のタダシだけでなく、尊敬するキャラハン教授、マイクロボットを一度に失う。

タダシの死以降、ヒロは心を閉ざして部屋に引きこもっていたが、彼が思わず発した言葉によってベイマックスが起動し姿を現す。ベイマックスはタダシに与えられた「傷ついた人の心と体を守る」使命に従いヒロの痛みを癒そうと試み、その一環でヒロの手元に唯一残されていたマイクロボットの反応を頼りに、街の探索を始める。外に出たベイマックスを慌てて追ったヒロは、彼と共に古びた倉庫にたどり着くが、倉庫の中ではあの火災で失われたはずのマイクロボットが大量に生産されていた。二人はそこで謎を秘めた仮面の男に遭遇し、男の操る大量のマイクロボットに襲われながらも、命からがら逃げ帰る。

一連の出来事から、タダシの死が事故ではなくマイクロボットを狙った者による犯行なのではと推理したヒロは、兄の死の真相を知るために仮面の男と対峙する決意をする。彼はベイマックスに戦闘用のプログラムを組み込み、飛行能力のあるスーツを作りバージョンアップする。ヒロはさらに、協力を買って出たタダシの仲間たちにもそれぞれの研究に合わせたパワーアップ装置を開発する。ベイマックスがスキャンしていた仮面の男の身体データを元に彼の居場所を孤島の隔離施設に見つけ、ヒロと仲間たちはそこへ踏み込む。彼らはそこに残された録画映像から、過去にこの場所でアリステア・クレイ率いる大企業「クレイテック」によって、軍や政府関係者を前にした物質転送装置の実験が行われ、テストパイロットが消息不明になるという事故が起こっていたことを知る。

そこへ再び仮面の男が現れ、ヒロ達を攻撃する。マイクロボットを駆使する仮面の男にヒロ達は翻弄されるが、戦いの最中に仮面の男が、火災によって死亡したと思われてたキャラハン教授であることが明らかになる。キャラハンはマイクロボットとともに施設から姿を消す。ヒロ達は、残りの録画映像から転送装置の事故で行方不明になったパイロットがキャラハンの娘だったことを知り、キャラハンがマイクロボットを使ってクレイに復讐する計画であることを推理する。

登場キャラクター[編集]

ヒロ・ハマダ(Hiro Hamada)
本作の主人公。自宅の壁に張ってある賞状には、名前は「浜田飛呂」と漢字表記されている。架空都市サンフランソウキョウに住む14歳のロボット工学の天才少年[10]。ヒロの声優を演じたライアン・ポッターはヒロと同じく日本人と白人のハーフである[11]。13歳にして飛び級で高校を卒業しているが大学には興味を示さず、違法なロボット・ファイトに熱中していた。3歳の時に両親を亡くして以来、叔母と兄との3人暮らし。彼の唯一の味方であり理解者でもある兄のタダシの誘いでサンフランソウキョウ工科大学へ飛び入り入学を決意、大学の研究発表会でのプレゼンテーションに成功し入学を決めるが、その直後にタダシは謎の爆発事故によって帰らぬ人となってしまう。失意の中ずっとひとりきりで自室に閉じこもっていたが、たまたま軽い怪我をした際に起動したベイマックスと、友達のような親子のような不思議な関係を築くことになる。
自分が発明した「マイクロボット」がタダシの死と関係していると思い、ベイマックスと共に真相を究明する。
後に先述の通り仮面の男対策として紫を基調としたスーツを着用するが、他のパワードスーツとは異なり特に目立った武装が見当たらない。そのためかパワードスーツ着用時のベイマックスの能力に依存しており、主にベイマックスの背部に搭乗し、指令・ナビゲートを行う。
日本版コミカライズでは母親が生存しており、キャスの名前が付けられてる。仮面の男が起こした一連の事件が収束した後、タダシを必ず見つけ出す決意を固めた事や長らく自宅を留守にしていた為に安否を心配していたキャスの為に、転がすと小さなベイマックス(ミニマックス)が出てくるダルマを作ったり、以前に比べキャスと会話を沢山するようになった。他にも押すと液状ウィッグを出すタコの人形を発明してる。「誰かを救える発明家になりたい。そうなった自分をタダシに見てもらいたい」と思えるようになり、精神的な成長もしている。さらにBIG HERO 6としてヒロが自らの手で復活させたベイマックスや仲間たちと一緒にサンフランソーキョーのヒーローとして活躍もしている。
ベイマックス(Baymax)
ヒロの兄・タダシが開発した、心と体を癒やすために生まれたケア・ロボット。
一人称は「私」で、誰に対しても丁寧な口調で話す。身長は約183センチで、体重はわずか34キロしかない。[12]
思わず抱きつきたくなるような白く柔らかい体の内部には空気が充填されている。体内の空気を出し入れすることで、ある程度は体型を変えることができるが、体に穴を空けられた場合は、漏れ出た空気を自力で留めることはできない。
1万通りものの医療データのカードが挿入されており、頭部のレーダーでスキャンした人物の心拍数・脳波・血液型等を瞬時に分析できる。また、脳内伝達物質の量をスキャンすることで相手のストレスや感情を把握することもできる。さらに、両手をこすり合わせることでAEDを発動し、水中に落ちれば浮き袋となって人々を救出し、体を冷やした人に対してはボディを発熱させることで暖めるなど、極めて多彩な機能を搭載している。
動力はリチウムリオン電池。起動待ちの状態では、充電機能を兼ね備えた赤い箱に収納されており、その箱の近くにいる人間が怪我をしたりした際の「痛い」等の声に反応し、自動的に体内の空気が膨らむ形で姿を現し、その人物に対して「こんにちは、私はベイマックスです」と挨拶をする。そしてデータに基づいて治療を行った後、相手に「もう大丈夫」と言葉をかけられることで作動停止する。ちなみに電池が切れかけると、まるで酔っ払いのような覚束ない言動になる。
人を傷つけることを禁じられ、戦闘意欲や戦闘能力も持っていない(パンチやキックも壁に軽く触れる程度)。また、体の大きさに比べて足が短いため、速く動くことはできない。一方で、骨格はカーボンファイバーで出来ているために頑丈であり、最大で400kgもの物体を持ち上げることが可能(劇中でも何度もヒロを抱き抱えて移動している)。
ヒロの仮面の男対策によって空手を取り入れた戦闘データのカードを挿入し、灰色に近い緑を基調としたパワードスーツを装備する。後にさらなる強化を図った赤色パワードスーツへ換装し、より高性能化したレーダー、飛行能力、ロケットパンチ、および背部にヒロを搭乗させるスペースが追加された。ただしこの時医療データのカードが抜き取られて戦闘データのカードのみカードスロットに挿入されている状態になっていると、指定されたターゲットに容赦ない攻撃を行い、妨害する者がいれば敵味方関係なく危害を与える、さながらバーサーカーを彷彿とさせる暴走状態になってしまう(結果的に医療データのカードはリミッターの役割となった)。
日本版コミカライズではヒロとの交流がより詳細に描かれており、仮面の男が起こした一連の事件を通して「ヒロの大事な友達」の一人になった。
  • ミニマックス
日本版コミカライズに登場した小さなベイマックス。ヒロの安否を心配して不安になっているキャスの為作ったダルマの中から登場。メッセージの録音・再生機能が備わっている。ヒロとキャスの会話を理解しているのか、慌ただしく自宅を出るヒロをキャスと一緒に見送っている。小さいためかキャスの左肩にぶら下がっている。
キャス・ハマダ(Aunt Cass Hamada)
ヒロとタダシの叔母で、2人の親代わり。彼らの自宅でカフェを営んでいる。
少々せっかちだが明るい性格で「モチ」という名前の三毛猫を飼っている。日本版コミカライズでは母親として登場している。ヒロの成長とミニマックスのおかげもあってか、以前より多くヒロと会話をするようになった。
タダシ・ハマダ(Tadashi Hamada)
ヒロの兄でサンフランソウキョウ工科大学の大学生。自宅の壁に張ってある賞状には、名前は「浜田義」と漢字表記されている。ヒロの良き理解者だが、大学の研究発表会当日、キャラハン教授を助けようとして炎に包まれる発表会会場に飛び込んだ直後に爆発事故で命を落とす。
日本版コミカライズでは、大学の研究発表会後に福祉系の大学で研究を続ける予定であった。また、事故に巻き込まれ、ヒロが自身を懸命に助けようとしている際に「あの人を恨んではいけない」、「ヒロの作る世界を見たかったなぁ」と言い残し手を離してしまうオリジナルのシーンがある。アビゲイルと別の空間にいるのか、ワームホール内でベイマックスの生命感知センサーで見つけ出す事が出来なかった為、ヒロに「いつかオレが必ず…」と強い決意を固めることになった。
ゴー・ゴー (ゴー・ゴー・トマゴ)(GoGo (GoGo Tomago))
サンフランソウキョウ工科大学に通うタダシの友人。
クールでぶっきらぼうな性格。短い黒髪の女性。いつもガムを噛んでいる。
運動能力が高いほか、仮面の男から車で逃げる際にはワサビに代わって運転して振り切るほどのドライビングテクニックを持つ。
大学では電磁サスペンションを使った反重力バイクの開発をしている。その車輪をパワードスーツに直接装着することでインラインスケートの動作を思わせる超高速移動が可能。また車輪自体も特定の条件で物質を裁断させる斬撃武器にもなる。
ワサビ(Wasabi)
サンフランソウキョウ工科大学に通うタダシの友人。ドレッドヘアーが特徴な大柄な黒人男性。
あだ名の由来は食事中にワサビをシャツにこぼしてしまったことから。
厳つい外見とは裏腹に、性格は几帳面で繊細。潔癖症な上に高所恐怖症
彼の発明は何でも切れるレーザーカッター。それを応用・開発されたパワードスーツに装備された電磁波レーザーブレードを両腕から出現させて戦う。なお、ワサビのパワードスーツは頭部の装備が目の部分を覆う半透明のバイザーのみになっており、唯一ヘルメットがない。
ハニー・レモン(Honey Lemon)
サンフランソウキョウ工科大学に通うタダシの友人。高身長で眼鏡をかけた金髪の女性。
明るくマイペースな性格。スマートフォンでよく写真を撮る。
化学反応のエキスパートである彼女の武器は、ぶつけると凍結や凝固などのあらゆる変化を引き起こすボール。ボールはショルダーバッグ状の装置の中で作られている。
なお、パワードスーツ装着時は眼鏡を外しているが、コンタクトレンズで代用しているのか元々伊達眼鏡なのかは明らかにされていない。
フレッド(Fred)
本名:フレデリック。学生ではないが、サンフランソウキョウ工科大学に出入りしているタダシの友人。大学のマスコットキャラを務めている青年。
陽気な性格で、仲間たちにあだ名をつけるのが得意。
SFやスーパーヒーローが大好き。家は金持ちであり、自室では数多くのフィギュアや漫画で溢れている。
カイジュー・ビッグ・バッテル(Kaiju Big Battel, ボストン美術館ヴィジュアルアーツ校の学生が1996年から始めた実在のショーで、怪獣の着ぐるみを着てリングでプロレスマッチをする)の大ファン[13]
彼の装備する三つ目の怪獣型着ぐるみは、ジャンプ力強化や火炎放射といった機能を備えている。
メガ・ボット(Mega-Bot)
ヒロが操るロボット・ファイト用のメカ。
ヒースクリフ(Heathcliff)
フレッドの家の執事。どんな時でも表情を出さない。
ヒロたちのパワードスーツの性能を確かめるための練習台まで務める。
アリステア・クレイ(Alistair Krei)
技術会社「クレイテック」の社長。安全面より利益を追求して現在の地位を築く。ヒロの才能に興味を持つ。
ヒロが発明した「マイクロボット」の権利の譲渡を求めるも断られ諦めたが、さりげなくその一つをポケットに入れて持ち去ろうとするなど、抜け目のない狡猾な人物。だが後にこの性格が災いを招くことになる。
ロバート・キャラハン教授 / 仮面の男(ヨウカイ)(Professor Robert Callaghan / Yokai)
サンフランソウキョウ工科大学の教授でロボット工学の第一人者であり、タダシに誘われて工科大学に足を運んだヒロに飛び級入学を勧めた。
技術会社の社長アリステア・クレイの利益追求に不信感を抱いている。
研究発表会の爆発事故でタダシと共に帰らぬ人となったと思われたが、彼のみ会場に残されていた大量の「マイクロボット」を操ることで身を守り、脱出していた。その後隈取の仮面を被り、ヒロが発明した「マイクロボット」を自ら量産・操作し、爆破事故の真相究明で追ってきたヒロ達と対峙する。なおマスクが神経トランスミッターとなっているため、外したり破壊されると「マイクロボット」の機能が停止する。
その目的は娘のアビゲイルが過去にクレイが関与していた計画の実験事故で行方不明となり、娘を奪ったクレイを憎悪し、復讐を果たすことである。本作のディズニー・ヴィランズであるが、我欲でなく過去の事件により心が歪曲してしまった「哀しき悪役」として描かれている。
マイクロボット(Microbots)
ヒロが開発した小さいメカ。後にキャラハンによって量産され、ヒロ達に襲いかかる。
アビゲイル・キャラハン(Abigail Callaghan)
キャラハン教授の娘。政府とクレイテックが共同で進めていた極秘プロジェクト「沈黙のツバメ計画」のテストパイロット。数年前に実験中の事故によって行方不明になる。
映画本編と日本版コミカライズで容姿が異なる。
ミスターヤマ(Mr Yama)
ヤクザのボスでチンピラとして口が悪い。

声の出演[編集]

役名 原語版 日本語吹替版
ベイマックス スコット・アドシット 川島得愛
ヒロ・ハマダ ライアン・ポッター 本城雄太郎
タダシ・ハマダ ダニエル・ヘニー 小泉孝太郎
フレッド T・J・ミラー 新田英人
ゴー・ゴー ジェイミー・チャン 浅野真澄
ワサビ デイモン・ウェイアンズ・Jr 武田幸史
ハニー・レモン ジェネシス・ロドリゲス 山根舞
ロバート・キャラハン教授 ジェームズ・クロムウェル 金田明夫
アリステア・クレイ アラン・テュディック 森田順平
キャス マーヤ・ルドルフ 菅野美穂
将軍 エイブラハム・ベンルービ 中田譲治
アビゲイル・キャラハン ケイティ・ロウズ 植竹香菜
ニュースキャスター ビリー・ブッシュ あべそういち
警察官 ダニエル・ガーソン 坂口候一
Mr.ヤマ ポール・ブリッグス 立木文彦
女ボス シャーロット・グレイジアン 甲斐田裕子
ヒースクリフ デイビット・ショーネシー こねり翔
フレッドの父親 スタン・リー
(ノンクレジット)[14]
大木民夫
  • 日本語吹替版には、コンピューターの音声役で、感情認識ロボット「pepper」が出演[15]

主題歌・挿入歌[編集]

製作[編集]

プロデューサーのラセターは「映画のストーリーはリサーチから生まれる」という信条から、製作チームにロボット工学関連の施設をいくつか訪問させた[13]。今までにない、かわいいロボット像を模索していた製作チームはカーネギー・メロン大学で医療用の空気注入型ソフトロボットを知り、これをベイマックスに応用することを決めた[13]。製作チームは日本のアニメ映画に非常に触発されており、ベイマックスもスタジオジブリのアニメ映画『となりのトトロ』のトトロを思わせるものを想定した[13]。監督のホールは「西洋の文化では、テクノロジーは敵対する悪として描かれてきた。たとえば『ターミネーター』でもロボットやコンピューターは世界を乗っ取ろうとする存在だが、日本では逆で、テクノロジーはよりよい未来のための道筋と捉えられている。この映画でもその考えを踏襲している」と語った[13]

ベイマックスの顔は、日本での取材旅行中にホール監督が神社の鈴を見て決めた。当初、顔には口を付けるつもりだったが、キャラクターデザイナーのキムの発案であえて口を付けず、言葉ではなくボディランゲージとまばたきで感情を表現することにした[13]。キムは日本の通販番組で見た炊飯器がいかにかわいかったかをインタビューで力説し、ベイマックスのキャラクターデザインでもかわいさを重視したと語った[13]。ベイマックスはかわいくて好奇心旺盛なキャラ設定となり、動きも極力制限され、幼児やおむつをした赤ちゃん、赤ちゃんペンギンの3つをモデルにかわいい所作を取り入れた[13]

ベイマックスのパワースーツも当初ガンダム風だったが、変更された[17]

舞台となる架空都市サンフランソウキョウは、サンフランシスコにあるヴィクトリア様式クィーン・アン様式の建物に日本のディテールを加えるなど、サンフランシスコの象徴的イメージに日本的要素を加えてリメイクした[13](例:ヒロの自宅)。製作チームの日本での取材旅行で印象的だったものに、ゴミ箱から自販機、歩道タイルに至るまでに見られる日本のデザインの丁寧な仕上がりがあったため、サンフランシスコの実際の街をベースに、その丁寧さと東京的なテクノな雰囲気を加味した[13]

ヒロが開発したマイクロボットが集合体としてうごめく難しい動きは、の生態を参考にして特殊効果チームが作り上げた[13]。この特殊効果チームには当時、渡辺淳、成田裕明の2名の日本人スタッフが在籍した。

ディズニーアニメでは何度も作り直して検討されるのがつきものであるが、本作でも最初のシーンだけでも40パターンが検討された[13]。製作過程でヒロの飼い猫モチのロボット・キャット化(空飛ぶブーツ)が何度も検討されたが、ストーリーに合わないという理由で最終的に却下された。日本市場でのロケット・キャット(ドラえもんのこと)の成功もあり、そのアイデアに一目惚れした日本サイドのマーケティングスタッフはこれに固執したが、日本で(ドラえもん映画の)宣伝キャンペーンがあったばかりなので諦めさせたという[13]

美術監督のスコット・ワタナベによると、キャラハン博士の娘アビゲイルの操縦室は士郎正宗の影響を受け、シンプルな外観に複雑な内部を持つ構造にした[17]。また、ヒロの自宅周辺の風景は、ハイト・アッシュブリー地区(ヒッピームーブメント生誕の地と言われる地域で日系人コミュニティがあった)やその周辺の(日本街の)昭和の雰囲気が残る古い街並みを参考にした[17]

監督のクリス・ウィリアムズは、日本人に向けたメッセージとして、フライトシーンで東京とサンフランシスコの融合した町並みを見て欲しい事と、「フライト後の夕日を眺めるシーンで、ヒロとベイマックスの二人に恋すると思うよ」とインタビューで発言している[18]

封切り[編集]

日本では、2014年10月23日からの第27回東京国際映画祭で世界初上映されたほか、「魔法の映画はこうして生まれる〜ジョン・ラセターとディズニー・アニメーション」で長期密着取材による製作の様子が描かれた。(NHK2014年11月24日=振替休日放送)また、映画公開前に公認コミカライズが行われ、ディズニーでは初めて連載漫画化・漫画先行でのストーリー解禁に取り組んだ[19]。映画公式ページと週刊少年マガジンで前日譚の読み切り「エピソード0」が掲載され、現在はマガジンSpecialで連載されている。エピソード0が期間限定公開され、少年マガジン公式サイトで第1・2話が公開されている。

日本では2014年12月20日に全国540スクリーンで公開され、動員46万3556人、興収6億0041万0500円をあげ、公開初週は『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』に及ばず週末興行成績ランキング初登場2位となった。これは、ディズニーのアニメ映画としては『アナと雪の女王』に次ぐ2位の数字である[20]。公開2週目の興行成績も2位となったのち、公開3週目にあたる2015年1月3日・4日の同ランキングでは妖怪ウォッチを抜いて1位となり、6億6999万2100円、観客動員50万5074人を記録した[21]。4日時点の累計興収は41億4533万9200円[21]。以後、公開8週目の2月7日・8日のランキングまで6週連続で週末興行成績1位を維持した。8日時点での累計興収は79億。動員は620万人を記録している[22]。公開9周目は2位、10週目は3位にまで順位を下げたが、アカデミー賞受賞直後の11週目(2月28日、3月1日)は2位に再浮上した[23]

最終興行成績は、動員数720万人、興行収入91.8億円で、日本で公開されたディズニー・ピクサー映画の中で歴代5位、ディズニー映画に限定するとアナと雪の女王に続く歴代2位となった[24][25]

ちなみに韓国でリリースされた際には、主人公の「ハマダ・ヒロ」という名前が「Hero Armada」という名前に置き換えられ、主人公の兄の「タダシ」という名前も「Teddy」に置き換えられた。また、劇中登場する日本風の街並みの看板も日本語表記を英語表記に変更されている[26]

DVDレンタルランキングでも、6週連続1位の記録を達成。その翌週2位に落ちるも3週連続で2位をキープし、その後、再び1位にランク入りを果たした[27]

作品の評価[編集]

受賞歴[編集]

部門 対象 結果
第87回アカデミー賞 アニメーション映画賞 ドン·ホール、クリス·ウィリアムズ、
ロイ·コンリ
受賞
第42回アニー賞 長編アニメーション作品賞 ベイマックス ノミネート
監督賞 ドン·ホール、クリス·ウィリアムズ ノミネート
キャラクター・デザイン賞 Shiyoon Kim、ジン・キム ノミネート
アニメーション効果賞 マイケル・カスチャーク
ジョン・コスニーク
デビッド・ハッチンス
ヘンリック・フォルト
ピーター・ディモンド
受賞
ストーリーボーディング賞 Marc E. Smith ノミネート
脚本賞 Robert L. Baird、Daniel Gerson、
Jordan Roberts
ノミネート
編集賞 ティム·メルテンス ノミネート
第13回全米視覚効果協会
長編アニメーション部門
視覚効果賞(長編アニメ大賞) ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ、
ロイ・コンリ、ザック・パリッシュ
受賞
アニメーション・キャラクター賞 ベイマックス(キャラクター名)
Colin Eckart、John Kahwaty、
ザック・パリッシュ、Zack Petroc
受賞
CGモデル賞 サンフランソウキョウ市
Brett Achorn、Minh Duong、
Scott Watanabe、Larry Wu
受賞
環境クリエーション賞 ポータル内部
Ralf Habel、デビッド・ハッチンス、
マイケル・カスチャーク、Olun Riley
受賞
FX/シミュレーション・アニメーション賞 Henrik Falt、David Hutchins、
マイケル・カスチャーク、John Kosnik
受賞
第65回アメリカ映画編集者協会賞 ベスト編集長編アニメ映画 ティム・メルテンス ノミネート
第68回英国アカデミー賞 アニメーション映画賞 ベイマックス ノミネート
第72回ゴールデングローブ賞 アニメーション映画賞 ベイマックス ノミネート
第62回ゴールデン・リール賞 長編アニメーション部門 ベイマックス 受賞
第51回アメリカ映画音響協会賞 アニメ映画部門 オリジナル・ダイアログ・ミキサー:Gabriel Guy
リ・レコーディング・ミキサー:David E. Fluhr
リ・レコーディング・ミキサー:Gabriel Guy
スコアリング・ミキサー:Alan Meyerson
Foley ミキサー:Mary Jo Lang
受賞
女性映画批評家協会賞 最優秀ファミリー映画 ベイマックス 受賞
最優秀アニメ女性キャラクター ゴーゴージェイミー・チャン ノミネート
ハニーレモン(ジェネシス・ロドリゲス ノミネート
最優秀セリフ賞 Stop Whining. Woman Up!(ジェイミー・チャン 受賞
ブロードキャスト映画批評家協会 最優秀アニメーション映画 ベイマックス ノミネート
第15回フェニックス映画批評家協会賞 最優秀アニメーション映画 ベイマックス ノミネート
最優秀オリジナルソング "Immortals" by Fall Out Boy ノミネート
第19回サテライト・アワード アニメーション/ミックス・メディア賞
(最優秀アニメ映画賞)
ベイマックス ノミネート
全米製作者組合 劇場アニメ映画最優秀プロデューサー ロイ・コンリ ノミネート
第18回トロント映画批評家協会賞 アニメーション映画賞 次点
ネバダ映画批評家協会賞 アニメーション映画賞 ベイマックス 受賞
Kids' Choice Awards 2015 アニメーション映画部門 ベイマックス 受賞
第33回ゴールデングロス賞 外国映画部門 最優秀金賞 ベイマックス 受賞[28]

漫画版[編集]

映画に先行して日本で展開された、ディズニー公認のコミック版。エピソード0が『週刊少年マガジン』2014年36・37合併号(8月6日発売)に掲載され、続いて『マガジンSPECIAL』2014年9号(8月20日発売)から連載された。作画は上野春生

エピソード0は公式サイトでも2014年8月20日より期間限定で配信された[29]

テレビアニメ[編集]

2017年から、アニメ専門チャンネルディズニーXDにて全米で放送開始予定。マーク・マッコークルボブ・スクーリーが製作総指揮を務める[30]

脚注・参考文献[編集]

  1. ^ a b c Big Hero 6 (2014)”. Box Office Mojo. 2015年4月12日閲覧。
  2. ^ 2015年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
  3. ^ Disney Throws Out the Marvel Rulebook for 'Big Hero 6'
  4. ^ Keegan, Rebecca (2013年5月9日). “Exclusive: Disney Animation announces first Marvel movie, ‘Big Hero 6′”. The Los Angeles Times. http://herocomplex.latimes.com/movies/exclusive-disney-animation-announces-first-marvel-movie-big-hero-6/ 2013年5月9日閲覧。 
  5. ^ Kyle Buchanan (2014年8月28日). “Disney Hasn’t Talked to Marvel About Setting Films in Its Cinematic Universe”. Vulture. 2014年10月23日閲覧。
  6. ^ ‘Big Hero 6’ recasts San Francisco, Tokyo in the future inquirer, November 3rd, 2014
  7. ^ Disney's 'Big Hero 6' Voice Cast, Character Posters Revealed”. Comicsalliance.com. 2014年7月16日閲覧。
  8. ^ シルバー・サムライは『X-メン』シリーズのスピンオフ映画『ウルヴァリン: SAMURAI』(2013年)に登場。
  9. ^ Big Hero 6 Is Smart, Fun and Exciting (Review)Comicbook, 11/01/2014
  10. ^ スタジオ閉鎖の危機乗り越え……「アナ雪」「ベイマックス」快進撃、ディズニー映画再生の背景に「わかりやすさの追求」 (2/3) - ITmedia ニュース
  11. ^ Ryan Potter makes an obvious Hiro in 'Big Hero 6'USA Today, November 2, 2014
  12. ^ http://news.livedoor.com/article/detail/9911615/ ベイマックスの愛されポイント、心を奪われてしまう秘密を探る
  13. ^ a b c d e f g h i j k l m How Disney Will Make You Cry Again With Big Hero 6 io9, 9/03/14
  14. ^ 日本公開版ではクレジットされている。
  15. ^ “感情認識ロボット「Pepper」、緊張のアフレコ初挑戦!NG出されて充電心配…”. 映画.com. (2014年11月10日). http://eiga.com/news/20141110/10/ 2014年12月18日閲覧。 
  16. ^ “ディズニー新作、日本版エンドソングはAI「Story」”. シネマトゥデイ. (2014年10月20日). http://www.cinematoday.jp/page/N0067429 2014年10月21日閲覧。 
  17. ^ a b c Scottwatanabe scottwatanabe.tumblr
  18. ^ 【インタビュー】クリス・ウィリアムズ監督に聞く『ベイマックス』の魅力 日本人にこそ見てほしいシーンとは?
  19. ^ 『ベイマックス』がディズニーアニメ初の連載漫画に! - シネマトゥデイ
  20. ^ 【国内映画ランキング】「妖怪ウォッチ」大ヒットスタート! 「ベイマックス」2位”. 2014年12月31日閲覧。
  21. ^ a b “「ベイマックス」妖怪超え!公開3週目の週末興収&動員1位”. スポーツニッポン. (2015年1月5日). http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2015/01/05/kiji/K20150105009579220.html 2015年1月6日閲覧。 
  22. ^ 壬生智裕 (2015年2月3日). “「ミュータント・タートルズ」が2位発進、J・デップ新作は3位”. 映画.com. 2015年3月4日閲覧。
  23. ^ 「アメリカン・スナイパー」V2、「くちびるに歌を」4位、「幕が上がる」は5位”. 映画.com (2015年3月2日). 2015年3月8日閲覧。
  24. ^ 「アナと雪の女王」に匹敵!「ベイマックス」 - PR Times
  25. ^ 歴代ランキング - CINEMAランキング通信” (2016年2月1日). 2016年2月6日閲覧。
  26. ^ Why Big Hero 6 Is Upsetting Some People in South Korea”. 2015年2月23日閲覧。
  27. ^ 『ベイマックス』が『ミュータント・タートルズ』を抑えて首位に返り咲き
  28. ^ 第60回「映画の日」中央大会開催、金賞は「妖怪ウォッチ」「ベイマックス」”. 映画.com (2015年12月2日). 2015年12月2日閲覧。
  29. ^ 『ベイマックス』マンガ版"エピソード0"無料配信決定! 本編の前日譚を描くマイナビニュース 2014年8月19日
  30. ^ 『ベイマックス』テレビシリーズ化が決定!全米放送は2017年!”. シネマトゥデイ (2016年3月3日). 2016年3月3日閲覧。

外部リンク[編集]