ラーヤと龍の王国

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ラーヤと龍の王国
Raya and the Last Dragon
監督 ポール・ブリッグス
ディーン・ウェリンズ
脚本 クイ・グエン
アデル・リム
製作 オスナット・シューラー
ピーター・デル・ヴェッコ
出演者 ケリー・マリー・トラン
音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード[1]
製作会社 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ
配給 アメリカ合衆国の旗 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
日本の旗 ウォルト・ディズニー・ジャパン
公開 アメリカ合衆国の旗日本の旗 2021年3月5日[2]
上映時間 108分(短編を含むと114分)
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
興行収入 アメリカ合衆国の旗 $54,723,032
世界の旗 $130,281,158
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ラーヤと龍の王国』(ラーヤとりゅうのおうこく、原題:Raya and the Last Dragon)は、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ製作によるアメリカ合衆国コンピュータアニメーションファンタジーアドベンチャー映画ドン・ホールとカルロス・ロペス・エストラーダが監督し、ポール・ブリッグスとジョン・リパが共同監督する[3]

本作は、2005年の『チキン・リトル』以来、ジョン・ラセターの関与なしにウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオによって制作された最初の映画であり、2016年の『モアナと伝説の海』以来の最初のオリジナルアニメーション映画となる。

COVID-19パンデミックの影響を受けて、2021年3月5日の劇場公開と同時に、Disney+プレミアアクセスでの同時配信公開も行われた。

劇場においての同時公開作品は『あの頃をもう一度[4][5][6]

概要[編集]

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオとしては2019年公開の『アナと雪の女王2』に次ぎ1937年公開の『白雪姫』から数えて59作目となる長編映画で、ポール・ブリッグスとディーン・ウェリンズが監督を務める。

あらすじ[編集]

はるか昔、古代アジアのクマンドラと呼ばれる不思議な世界では、人間とドラゴンが調和を保って暮らしていた。しかし、ドルーンと呼ばれる不吉な煙の怪物が世界を脅かしたとき、ドラゴンは人々を救うために自らを犠牲にしたのだった。そして一つだった国は5つに分断されてしまう。それから500年が経ち、再びドルーンが戻ってくる。ドルーンの野望を阻止するため、ラーヤという名の孤独な戦士が世界で最後のドラゴンを探す。しかし旅の途中で、世界を救うにはドラゴンの魔法以上のものが必要であることを学ぶ[3]

登場キャラクター[編集]

ハート国[編集]

ラーヤ(Raya)
本作品の主人公。女性。12歳で、聖なる龍の力が宿るという“龍の石”の守護者になる。大胆不敵で情熱的な戦士。幼い頃の出来事が原因で人を信じられなくなってしまった[7]。18歳になり、煙の怪物により姿を石にされてしまった父親を助け、クマンドラに平和を取り戻すために割れてしまった“龍の石”のかけらを集め、元通りにするべく旅に出る[8][9]
ベンジャ(Benja)
ラーヤの父親でありハート国の首長。分断された5つの国をまとめ、クマンドラを復興させる夢を抱いている。そのためには人々が互いを信頼することが重要だと考えている。自らがその模範になろうとするが、復活した煙の怪物“ドルーン”により姿を石にされてしまった。
トゥクトゥク(Tuk Tuk)
ダンゴムシのような丸めることができる体で、手のひらに乗るような大きさの頃からのラーヤの親友。巨大に成長し、ラーヤを背中に乗せて移動する乗り物になり、ラーヤの旅路を支える。

ファング国[編集]

ナマーリ(Namaari)
ファング国の首長の娘。行く先々でラーヤを妨害する最大のライバル。子供の頃にラーヤと仲良くなるがハート国から“龍の石”を奪い取るためにラーヤを裏切る。クールな性格で龍に強い憧れがある。本作のディズニー・ヴィランズに近い存在である。
ヴィラーナ(Virana)
ファング国の首長でありナマーリの母親。ファング国民が生き残るためには無慈悲な行動も必要だと考えている計算高い指導者。

テイル国[編集]

ブーン(Boun)
テイル国の港でエビ獲りボートを営む10歳の少年。子供ながらなんでも一人でこなす腕の良いシェフ兼ボートの船長。ドルーンによって家族を失った。

タロン国[編集]

オンギ(Ongis)
タロン国に住む、体の半分が猿、もう半分がナマズの変わった生き物。賢く、とても身軽。パン、ディアン、ウカの3匹で一緒に行動し、ノイの面倒を見ている。ノイとともに窃盗をすることもある。
ノイ(Noi)
オンギたちに育てられている2歳の女の子。とても可愛らしいが窃盗団のリーダーである。可愛らしさで観光客の気を引き、オンギたちが荷物を盗むという手口。ドルーンによって両親を失った孤児。
ダン・ハイ(Dang Hai)
タロン国の首長で、悪名高い男。街の中心の豪邸に住んでいるが、すでにドルーンによって石にされていた。
ダン・フー(Dang Hu)
ダン・ハイの母親でタロン国の真の首長。

スパイン国[編集]

トング(Tong)
巨大な斧を持った大男。一見無愛想で凶暴に見えるが、実は気の優しい性格。ドルーンによって仲間を失い、孤独な生活を送っている。

その他[編集]

シスー(Sisu)
特別な力を持ち、“最後の龍”と呼ばれている。正式にはシスー・ダトゥ。500年間姿を消していたが、ラーヤが呼び起こし目覚める。ラーヤとともに“龍の石”のかけらを集める旅に出る。“龍の石”には魔法の力があり、そのうちの一つを使って、ラーヤと同い年ぐらいの人間の女の子に姿を変えている。常に楽観的であり、ラーヤとは正反対で他人を疑うことのない性格。ベンジャ同様人を信じることを率先しており、ラーヤに人を信じることの大切さを説く。兄のベングー・ダトゥ、姉のブラニー、弟のジャガン、妹のアンバがおり、彼らが“龍の石”を作った。
ドルーン(Druun)
500年前、クマンドラに現れて猛威をふるった煙の怪物。触れただけで人間や龍を石にかえてしまう。分裂し増殖する。物理的な攻撃は効果がないため、“龍の石”のかけらの魔力でのみ一時的に撃退できる。水を弱点にもち、水辺には近づいてこない。

声の出演[編集]

役名 原語版 日本語吹き替え版
ラーヤ ケリー・マリー・トラン 吉川愛[10]
シスー オークワフィナ 高乃麗[10]
ベンジャ ダニエル・デイ・キム 森川智之[10]
ナマーリ ジェンマ・チャン 伊藤静
幼いナマーリ ジョナ・シャオ 黒沢ともよ
ブーン アイザック・ワン 斎藤汰鷹
トング ベネディクト・ウォン 後藤光祐
ヴィラーナ サンドラ・オー 深見梨加

製作[編集]

企画[編集]

2018年5月24日、That Hashtag Showがウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが『Dragon Empire』と題したオリジナルアニメーション映画を製作中だと報告した。キール・マレーによって書かれ、ストーリー・アーティストのポール・ブリッグスとディーン・ウェリンズの監督デビュー作品となる[11]。同年10月Deadline.comは脚本を書き直すためにアデル・リムが雇われており、映画は『モアナと伝説の海』のプロデューサーであるオスナット・シューラーによって製作されていると報告した[12]2019年8月24日ディズニーは「D23 Expo 2019」のウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオのプレゼンテーションパネルで、キャシー・スティールとオークワフィナの声優出演とともにこの映画を正式に発表した[8]。2020年8月、2019年にディズニーアニメーションに参加したドン・ホールとカルロス・ロペス・エストラーダが監督として指揮を執り、ブリッグスが共同監督として残り、ジョン・リパが彼に加わったことが発表された。さらに、Qui Nguyenが共同ライターとしてLimに加わり、Peter DelVechoがプロデューサーとしてShurerに加わった[3][13]

配役[編集]

2019年8月2日、D23 Expo中に、オークワフィナとキャシー・スティールがシスとラーヤを演じると発表された[8]。 しかし、2020年8月27日、スティールが降板し、代わりにケリー・マリー・トランがラーヤの声を当てることが発表された[9]

デザイン[編集]

本作はクマンドラと呼ばれる架空の幻想世界が舞台であり、その世界はタイベトナムカンボジアミャンマーマレーシアインドネシアフィリピンラオスといった東南アジアの文化からインスピレーションを得ている[14][15][16]。調査のために、製作陣はミャンマーとマレーシアを除いた上記のほかの国を旅行した[17][18][19][20]

音楽[編集]

ジェームズ・ニュートン・ハワード が『ラーヤと龍の王国』の作曲を担当する予定である。本作は、彼にとってウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオにおける『ダイナソー』や『アトランティス 失われた帝国』、『トレジャー・プラネット』に続く4作目の作曲となる。エンディングソングはジェネイ・アイコの"Lead The Way"

マーケティング[編集]

2020年10月21日、最初のポスターと予告編がお披露目された。同年12月10日には、ディズニーの公式Instagram accountにて新しい公開日と共に新しいポスターが発表された。

トリビア[編集]

ラーヤと龍の王国はディズニー史上初のリモート制作映画となった。(新型コロナウイルスの感染拡大の影響により)

公開[編集]

本作は当初、2020年11月25日アメリカ合衆国で公開される予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりピクサーの『ソウルフル・ワールド』が11月に後ろ倒しされ、公開日を2021年3月12日に延期した[21]。また、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの長編映画が、日本で3月に公開されたのは 2017年公開の『モアナと伝説の海』以来4年ぶりとなる。

その後、2020年12月に行われたウォルト・ディズニー・カンパニーの投資家向けイベントにおいて、アメリカでの劇場公開を1週間前倒しし、2021年3月5日に繰り上げることを明らかにした[24]。同時に同社の定額制動画配信サービスであるDisney+においても「プレミアアクセス作品」として、加入者が30ドルの追加料金を支払った上で本作品を視聴可能にする事を発表した[2][25]。また、同月28日に日本でもアメリカと同様の対応となり、公開日も1週間前倒しになることが発表された[26]

Disney+にて新作映画をプレミアアクセス作品として配信するのは2020年9月4日に公開した『ムーラン』以来となり、劇場公開も同時に実施するのは本作品が初めてとなる[25][27]

『ムーラン』や『ソウルフル・ワールド』(ピクサー・アニメーション・スタジオ制作)の公開中止や、本作の同日配信を行うことへの映画館への補償が不十分といった理由で上映を見送る劇場も多かった。アメリカにおいては、大手シネマコンプレックス(シネコン)のシネマーク・シアターズが上映を拒否[28]。日本においても、全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)が「これまで通りの形式で劇場公開をしない作品については上映しない」というルールを2021年1月21日に決定したのに従い、TOHOシネマズMOVIXティ・ジョイ109シネマズなどの大手シネコンが上映を見送った。このルールには強制力は無く、各劇場の自主判断に任されているため、イオンシネマユナイテッド・シネマ、独立系などの一部映画館では上映されているが、小規模での公開となっている[29][30]

2021年3月24日、ウォルト・ディズニー・ジャパンAmazon Prime VideoGoogle PlaydTVなどの日本国内の主要動画配信サービスにおいて、本作品のプレミア配信を同年4月7日から行うことを発表した[31]。公開から約1か月でデジタル配信を行うのは異例である。

ウォルト・ディズニー・ジャパンは本作品を2021年6月4日からDisney+の見放題作品として追加した[32]

脚注[編集]

  1. ^ James Newton Howard Scoring Disney’s ‘Raya and the Last Dragon’”. filmmusicreporter.com. 2020年11月23日閲覧。
  2. ^ a b ディズニー『ラーヤと龍の王国』、全米劇場公開と同時に「Disney+」で配信へ”. cinemacafe.net (2020年12月11日). 2020年12月12日閲覧。
  3. ^ a b c (英語) Raya and the Last Dragon, https://movies.disney.com/raya-and-the-last-dragon 2020年10月24日閲覧。 
  4. ^ Disney+においては同時配信とはならず、独自作品として2021年6月に配信予定。
  5. ^ First look at 'Us Again,' Walt Disney Animation's first theatrical short in 5 years”. EW.com (2021年2月15日). 2021年2月17日閲覧。
  6. ^ ディズニー新作短編は感動のダンスファンタジー!『ラーヤと龍の王国』と同時上映”. シネマトゥデイ (2021年2月23日). 2021年2月23日閲覧。
  7. ^ Walt Disney Animation Studios (2020年10月21日). “Raya and the Last Dragon | Official Teaser Trailer”. YouTube. 2020年10月24日閲覧。
  8. ^ a b c Radulovic, Petrana (2019年8月24日). “Disney announces Raya and the Last Dragon as next animated film” (英語). Polygon. 2020年8月13日閲覧。
  9. ^ a b Rubin, Rebecca (2020年8月27日). “Disney’s ‘Raya and the Last Dragon’ Recasts Kelly Marie Tran as Lead”. Variety. 2020年8月27日閲覧。
  10. ^ a b c 吉川愛、ディズニー新ヒロイン声優に決定!『ラーヤと龍の王国』日本語版キャスト発表(シネマトゥデイ)” (日本語). Yahoo!ニュース. 2021年2月2日閲覧。
  11. ^ Shuler, Skyler (2018年5月24日). “EXCLUSIVE: Disney Animation Studios Gearing Up For DRAGON EMPIRE”. That Hashtag Show. http://thathashtagshow.com/2018/05/exclusive-disney-animation-studios-gearing-up-dragon-empire/ 2018年5月26日閲覧。 
  12. ^ Wiseman, Andreas (2018年10月9日). “Disney Sets ‘Crazy Rich Asians’ Scribe Adele Lim & ‘Moana’ Producer Osnat Shurer For Animated Pic” (英語). Deadline. 2020年8月13日閲覧。
  13. ^ Promotional Image For Disney’s ‘Raya and the Last Dragon’ Has Debuted -” (英語) (2020年7月24日). 2020年8月13日閲覧。
  14. ^ Get a first look at Disney's Raya and the Last Dragon starring Kelly Marie Tran” (英語). Entertainment Weekly (2020年8月27日). 2020年12月19日閲覧。
  15. ^ Everything We Learned About Disney's Upcoming Movies: Frozen 2, Cruella, Pixar's Soul, and More” (英語). io9. 2020年7月26日閲覧。
  16. ^ D23: Disney Animation Reveals Raya and the Last Dragon” (英語). ComingSoon.net (2019年8月24日). 2020年7月26日閲覧。
  17. ^ Hughes, Brad (2019年8月4日). “New Disney Animated Film Announced – Raya and the Last Dragon (Full Details)”. Inside the Magic. 2020年7月23日閲覧。
  18. ^ Sirani, Jordan (2019年8月26日). “Raya and the Last Dragon: New Walt Disney Animation Studios Movie Announced at D23”. IGN. 2020年7月24日閲覧。
  19. ^ D23 EXPO: THE ART OF DISNEY STORYTELLING (COMPLETE PANEL) - YouTube”. www.youtube.com. 2020年7月29日閲覧。
  20. ^ Watch: ‘Raya and the Last Dragon’ is a melting pot of Southeast Asian culture”. Speed Magazine (2020年10月23日). 2020年10月23日閲覧。
  21. ^ Disney Moves 'Soul,' 'Raya and the Last Dragon' Release Dates” (英語). TheWrap (2020年4月13日). 2020年8月13日閲覧。
  22. ^ 映画『キングスマン:ファースト・エージェント』公開日変更のお知らせ”. 20世紀スタジオ公式 (2020年12月24日). 2021年2月6日閲覧。
  23. ^ 映画『キングスマン:ファースト・エージェント』『Ron’s Gone Wrong(原題)』 公開延期のお知らせ”. 20世紀スタジオ公式 (2021年1月27日). 2021年2月6日閲覧。
  24. ^ これは同じディズニーグループ(20世紀スタジオ)制作の『キングスマン:ファースト・エージェント』の公開日と重複したことに伴い、公開スケジュールの再調整を行ったためである。なお、『キングスマン:ファースト・エージェント』は新型コロナウイルスの影響により、日米共に再度公開日を延期した[22][23]
  25. ^ a b ディズニー『ラーヤと龍の王国』米劇場公開と同時にDisney+にて配信へ”. THE RIVER (2020年12月12日). 2020年12月12日閲覧。
  26. ^ ディズニー新作『ラーヤと龍の王国』映画館&Disney+プレミアアクセス同時公開”. シネマトゥデイ (2020年12月28日). 2020年12月29日閲覧。
  27. ^ 実写版『ムーラン』、米国で9月にDisney+でリリースされることが決定”. IGN Japan (2020年8月5日). 2020年12月12日閲覧。
  28. ^ 『ラーヤと龍の王国』が首位デビュー!同時配信で上映拒否の劇場も”. シネマトゥデイ (2021年3月9日). 2021年3月13日閲覧。
  29. ^ 上映劇場・映画館|ラーヤと龍の王国”. ディズニー公式. 2021年3月24日閲覧。
  30. ^ 細野真宏 (2021年3月3日). “「ラーヤと龍の王国」。ディズニーと映画館の関係が激変!一体何が起こっているのか?【前編】”. 映画.com. 2021年3月13日閲覧。
  31. ^ 『ラーヤと龍の王国』4/7(水)プレミア配信開始!”. ディズニー公式 (2021年3月24日). 2021年3月24日閲覧。
  32. ^ 今日から!『ラーヤと龍の王国』ディズニープラスで見放題配信スタート”. シネマトゥデイ (2021年6月4日). 2021年9月26日閲覧。

外部リンク[編集]