塔の上のラプンツェル

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塔の上のラプンツェル
Tangled
Tangled gold logo.svg
監督 バイロン・ハワード
ネイサン・グレノ
脚本 ダン・フォーゲルマン
原作ラプンツェル』(グリム童話)
製作 ロイ・コンリ
製作総指揮 グレン・キーン
ジョン・ラセター
出演者 マンディ・ムーア
ザッカリー・リーヴァイ
音楽 アラン・メンケン
編集 ティム・マーテンズ
製作会社 ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ
配給 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 2010年11月24日
日本の旗 2011年3月12日
上映時間 100分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $260,000,000[1]
興行収入 $590,721,936[1]
25.6億円[2]日本の旗
次作 ラプンツェルのウェディング
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塔の上のラプンツェル』(とうのうえのラプンツェル、原題: Tangled )は、2010年アメリカ合衆国アニメ映画ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ長編作品第50作目であり、初の「3Dで描かれるプリンセスストーリー」。原作はグリム童話の『ラプンツェル(髪長姫)』。本作は長年ディズニーのアニメーターとして活躍していたグレン・キーンが初めて企画の立ち上げから製作総指揮まで自ら務めた作品である。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオとしては『プリンセスと魔法のキス』に次ぎ、1937年公開の『白雪姫』から数えて50本目となる。

ストーリー[編集]

昔々、空から地上に落ちてきた太陽の滴から、怪我病気を癒やす魔法の力を持った金色のが生まれる。その花を偶然見つけた老婆のマザー・ゴーテルは、特別な歌を歌って使うことができる花の力を独り占めし、何百年ものの間若さを保っていた。それから、何世紀も経ってその周りにある王国ができたある日、お妃がもうすぐ赤ん坊を産むという時に重い病にかかり、国の人々はゴーテルが隠していた魔法の金色の花を探し出す。花を浮かべた水を飲んで回復したお妃は長い金髪の女の子を出産し、その子にラプンツェルと名付けた。王とお妃は王女の誕生を祝って、灯りをともしたランタンを空に飛ばす。

しかし、ある夜、花を取り戻しに城に忍び込んだゴーテルは、花の力がラプンツェルの金色の髪に宿っており、その髪を切ると力が失われることを知る。そしてラプンツェルを攫って、森の奥深くにそびえる高い塔に閉じ込め、自分の子として育てる。一方、王とお妃はラプンツェルの誕生日が来るたびに灯りを空に飛ばし、ラプンツェルが灯りを目印に帰って来ることを祈り続ける。

それから18年後、ラプンツェルはゴーテルに「外の世界は恐ろしく、髪の力を利用する悪者がいる」と言われて塔の外へ出ることを禁じられていたが、誕生日に遠くの空に現れる無数の灯りの正体を確かめることを夢見て、外の世界への憧れを強くしていた。18歳の誕生日を翌日に控えた時、ラプンツェルは思い切って「今年こそあの灯りを見に行きたい」とゴーテルに伝えるが、「灯りの話はもう終わり」と突っぱねられる。そこで、手に入れるのに3日はかかる白い貝殻の絵の具(恐らく胡粉と思われる)をゴーテルにねだり、その間に外へ出ようと考える。

同じ頃、その日の朝早くに王女のティアラを城から盗み出した大泥棒フリン・ライダーは、泥棒仲間のスタビントン兄弟を出し抜いてティアラを独り占めし、衛兵に追われて森へと逃げ込んでいた。追っ手を振り切った先で塔を見つけたフリンは壁をよじ登って侵入するが、油断したところをラプンツェルにフライパンで殴られて気絶する。一人で侵入者を捕まえて自信をつけたラプンツェルは、目を覚ましたフリンに「自分を『灯り』が現れる場所まで案内し、それが済んだら塔まで送り届けて。そうすればティアラを返すから」と約束させる。得意の口説き顔も通じない相手に、フリンはしぶしぶ条件を受け入れる。

ラプンツェルはゴーテルの言いつけに背いて塔を出た後ろめたさを感じながらも、初めて見る世界に胸を躍らせる。一方、森に衛兵のマキシマスがいるのを見て塔に引き返したゴーテルは、ラプンツェルがいなくなったことを知り、部屋でティアラとフリンの手配書を見つけ、ラプンツェルを探し始める。

その頃フリンはラプンツェルを「かわいいアヒルの子」という酒場に連れて行くが、彼の賞金を狙う荒くれ者たちに捕まりかける。しかし、荒くれ者たちはみんな純粋な夢を持っていて、その夢をラプンツェルと語り合う。そしてマキシマスと衛兵がフリンを捕まえに来ると、荒くれ者のフックハンドはラプンツェルとフリンを地下通路の入り口へ連れていった。

ラプンツェルとフリンは地下通路まで追ってきたマキシマスと衛兵から逃れるが、ダムを決壊させたせいで河川の洞窟に閉じ込められ、溺死を覚悟したフリンは本名がユージーン・フィッツハーバートだと告白する。秘密を教わったお返しに髪の力を告白したラプンツェルは、洞窟を光る髪で照らすことを思いつき、出口を塞いでいた岩をどかして無事脱出した。ラプンツェルの髪の力を目の当たりにしたフリンは驚くが、彼女がその力を守るために閉じ込められていたと知って同情し、自分は施設で育った孤児で何度も読んだ本の主人公フリナガン・ライダーにあやかろうと名前を借りた過去を明かした。フリンの生い立ちを知ったラプンツェルは、「言っておくけど、私はフリン・ライダーよりもユージーン・フィッツハーバートの方が好きよ」と告げる。

一方、フリンに恨みを持つスタビントン兄弟を仲間にしたゴーテルは、フリンが薪を取りに行った間にラプンツェルを連れ戻そうとする。ラプンツェルがそれを断ると、ゴーテルはティアラを突き付けて不穏な言葉を残し去っていく。

夜が明け、ラプンツェルに懐いたマキシマスが1日だけフリンと休戦する。王国の町に入ったラプンツェルとフリンはランタン祭りを楽しみ、その日の夜にボートに乗って灯りを飛ばした。長年の夢を叶えたラプンツェルは、フリンを信頼してティアラを見せる。フリンはスタビントン兄弟にティアラを返したが、ラプンツェルの髪の方に価値を感じた彼らはフリンを気絶させ、ティアラを持たせた彼を船の上に縛って城の方角に流し、衛兵に捕まったフリンは絞首刑に処されると決められる。

一方、ティアラを持って消えたフリンを探すラプンツェルに、フリンを乗せた船を指差したスタビントン兄弟が「魔法の髪を持つ娘とティアラを交換した」と告げてラプンツェルを浚おうとする。スタビントン兄弟を気絶させたゴーテルに塔へ連れ戻されたラプンツェルは、部屋の壁に描いていた太陽が王国の紋章だったことに気付き、赤ん坊の頃の記憶を蘇らせて自分が何者かを思い出す。ラプンツェルは全てを仕組んでいたゴーテルを責め立てるが、シラを切り通すゴーテルに髪の力を二度と使わせないと誓い、悪人の本性を現したゴーテルに鎖で繋がれる。

そこへ、マキシマスと荒くれ者たちに救出されたフリンがラプンツェルを助けに来る。ゴーテルはフリンをナイフで突き刺し、嫌がるラプンツェルを引きずって遠くへ逃げようとする。ラプンツェルは「生きている限り逃げ続けるが、フリンの傷を治させてくれるなら諦める」とゴーテルに約束するも、ラプンツェルの犠牲を望まないフリンは傷を癒やされる前に彼女の髪を切り、急速に老化したゴーテルは塔から転落し、灰となって消え失せた。

フリンはラプンツェルに「君は俺の新しい夢だ」と答えて息絶えるが、フリンの頬にラプンツェルの涙が落ち、涙に含まれた花の力がフリンを生き返らせる。王とお妃に再会したラプンツェルは、名前を本名に戻したフリンと結婚して女王になり、いつまでも幸せに暮らしたのだった。

登場キャラクター[編集]

ラプンツェル(Rapunzel)
演 - マンディ・ムーア、デラニー・ローズ・ステイン(幼少時) / 日本語吹替 - 中川翔子小此木麻里(歌唱シーン)、諸星すみれ(幼少時)
本作のヒロイン。森の塔の上で暮らしている少女。その金色の髪の長さは70フィート(21メートル)にもおよび、中盤で広場にいた子供達に頼んで三つ編みと編み込みにしてもらう。一人称は「私」。彼女の髪には傷を癒やす特別な力[3]が秘められ、幼い頃からゴーテルに「外の世界は暗くて恐ろしく、髪の力を利用する悪者で溢れている」と聞かされて外の世界を知らずに生きてきた。不自由な生活とは裏腹に非常に好奇心旺盛で、いつもはカメレオンのパスカルと過ごし、朝の7時までに家事を終わらせ、スケジュール通りに読書[4]、料理、ギター、編み物、チェス、ヨガ、壺焼き、かくれんぼなどで時間を潰す単調な毎日を送っている。一番の趣味は部屋の壁に絵を描くことで、描きすぎたあまりスペースが無くなってしまう。髪の毛でゴーテルを持ち上げていることからかなりの力持ちである。主な武器はフライパンで、長い髪をロープのように自在に操ってアクションをこなす。絵を描く時は左利きだが時に右手も使い、利き手は不明。魔法の力を持つため、ディズニーヒロインでは珍しく緑色の目に設定された。
誕生日の夜に必ず空を飛ぶ「灯り」の正体を確かめに行く夢があるが、ゴーテルには「あなたにはまだ早い」と外に出ることを許されない。18歳の誕生日の直前、塔に侵入したフリンをフライパンで殴って気絶させ、外に出る力があるとゴーテルに認めさせようとするがその前に怒鳴られてしまう。ティアラを隠してフリンに外の世界を案内させることを思いつき、自ら夢を叶えるべく塔から足を踏み出した。酒場の「かわいいアヒルの子」の荒くれ者たちと夢を語り合い、衛兵に追われるフリンと逃げながらダムの洞窟に閉じ込められ、光らせた髪を頼りに脱出してフリンことユージーンの怪我を癒やした。ユージーンと城下町を散策し、ボートに乗って灯りの正体であるランタンを眺める。
実は行方不明となっていた王女であり、花の力を髪に宿して生まれたことでゴーテルに浚われていた。髪を切ると魔法の力が失われてブルネット(栗毛)の髪になる。さらわれる前にゴーテルに切られた一房(ゴーテルは悪者に切られたと話している)だけが、ブルネットになっている。
内心では「生まれてからずっと隠れて生きてきた」という怒りを抱えており、出生の秘密を知って自分を騙していたゴーテルを責めるが、はぐらかされて二度と髪の力を使わせないと誓う。ゴーテルに刺されたフリンの命を救うため、逃げ出さない代わりにフリンの傷を治す約束を交わしたが、傷を治す前にフリンに髪を切られてブルネットの短い髪になった。最後は涙の魔法で息を吹き返したフリンと一緒に王と王妃のもとに帰り、フリンが盗んだティアラをかぶる。本編から6か月後の『ラプンツェル あたらしい冒険』で魔法の髪が復活してしまう。ゴーテルによると好物はヘーゼルナッツのスープだが、『ラプンツェルザシリーズ』では一切言及されない。ディズニープリンセスの一人。
フリン・ライダー(Flynn Rider) / ユージーン・フィッツハーバート(Eugene Fitzherbert)
演 - ザッカリー・リーヴァイ / 日本語吹替 - 畠中洋
指名手配もされている大泥棒。お調子者で自意識過剰なナルシストだが、ロマンチストの美青年。誘惑顔を得意技とするプレイボーイで、手配書の鼻を丸く描かれることを嫌がっている。突き出た板に思い切り体を打ち付けても軽傷で済ませる頑丈な肉体を持つ。一人称は「俺」。泥棒稼業で多くの敵を作っており、自分がどこかで野たれ死ぬことを予感している。
王女のティアラを盗んだ罪で追われて塔の中に隠れたが、ラプンツェルにフライパンで殴られて長い髪に縛り付けられ、ティアラを返してもらう代わりに灯りの場所まで連れて行く約束をした。初めはラプンツェルを世間知らずな子供と思って適当にあしらったが、ラプンツェルの力強さと優しさに惹かれていく。酒場の「かわいいアヒルの子」の荒くれ者たちに夢を聞かれて「金持ちになって南の島で優雅に暮らしたい」と答える。追っ手から逃げる途中で壊れたダムの洞窟に閉じ込められ、ラプンツェルに誰にも話したことのない秘密を打ち明けた。
元々はユージーン・フィッツハーバートという名前の孤児で、フリン・ライダーは孤児院で年下の子に毎晩読んでいた「フリナガン・ライダーの冒険」の本[5]の主人公に肖った偽名である。何も持っていない孤独な生い立ちがコンプレックスで、本の主人公のように冒険家になりたかったが、旅の資金を稼ぐには盗みを働くしかなかったと語っている。ラプンツェルに本名のユージーンの方を気に入られ、以降はユージーンと呼ばれるようになる。
ラプンツェルと城下町を散策し、ボートに乗ってラプンツェルが夢を叶えるのを見届ける。ラプンツェルに返されたティアラをスタビントン兄弟に渡しに行くが、彼女の髪でひと儲けを企んだスタビントン兄弟によって衛兵に捕らえられる。絞首台に送られる途中で酒場の荒くれ者たちに救出され、マキシマスに乗せてもらい塔に戻るが、待ち構えていたゴーテルに刺されてしまう。
ラプンツェルの犠牲を防ぐため、鏡の破片をナイフ代わりにしてその髪を切り落とし、自分の新しい夢がラプンツェルだったと伝えて息絶える。だが、ラプンツェルが流した涙の中に残っていた魔法の花の力で生き返った。ラプンツェルを王と王妃に送り届けた後は名前を本名に戻し、泥棒稼業から足を洗ってラプンツェルと結婚した。『ラプンツェルザシリーズ』の最終回で、映画と同じくボートに乗ってカップケーキのさくらんぼの下に指輪を忍ばせプロポーズし、その後の結婚式の話が『ラプンツェルのウェディング』につながる。ファンの間で26歳説が浮上していたが、監督のバイロン・ハワードは20代前半と定義し、『ラプンツェルザシリーズ』で24歳と設定された。『ラプンツェルザシリーズ』では誘惑顔に情熱の瞳と名付けられ、建前上はフリンとユージーンが別人とされている。
ゴーテル(Mother Gothel)
演 - ドナ・マーフィ / 日本語吹替 - 剣幸
本作のディズニー・ヴィランズ
ラプンツェルの育ての親で、塔に出入りするただ一人の人間。ラプンツェルの髪を昇降機代わりにして塔の窓から出入りする。隠し事があるかのように、ラプンツェルを塔の中に閉じ込めてきた。外の世界がどんなに恐ろしいことに満ちているか、自分が娘をどんなに大事に思っているか、そしてラプンツェルがどんなに無力かを言い含める。ラプンツェルと対照的な容姿を持つ。操作的な母親をイメージしたキャラクター。ラプンツェルを赤ん坊同然だと一方的に決めつけ、恩着せがましい口ぶりをして自立を認めない。
本来の姿は400歳の老婆で、ラプンツェルが生まれる前は"どんな病気や怪我も癒やす魔法の花"を独り占めし、何百年もその力を利用して若さと美しさを保っていた[6]。だが、妊娠中の王妃が病気になって魔法の花が摘まれてしまい、生まれたばかりのラプンツェルをさらって塔の天辺に閉じ込め、髪に触れて美貌を保ってきた。ラプンツェルを度々「お花ちゃん」と呼ぶのも『魔法の花の代用』という意味であり、ラプンツェルへの愛情表現では必ず髪に触り、本当に愛するものが何かを表現している。
ラプンツェルを連れ出したフリンの抹殺を企み、スタビントン兄弟にフリンへの復讐と同時に魔法の髪を手に入れる一石二鳥の悪巧みを提案する。ラプンツェルにティアラを突き付けてフリンとの仲を裂こうとするも失敗し、スタビントン兄弟を利用して彼を逮捕させ、スタビントン兄弟からラプンツェルを助けるふりをして塔へ連れ戻す。しかし、出生の秘密を知ったラプンツェルに二度と髪の力を使わせないと誓われ、猿轡をかませて鎖に繋いでしまう。死刑にされたはずのフリンが戻って来たと知ると、おびき寄せてからナイフで突き刺し、ラプンツェルを連れて遠い場所へ逃げようとする。だが、フリンにラプンツェルの髪を切り落とされて魔法の力が消え、同時に自らの美貌を失ってパニックに陥り、最後はパスカルが引っ張った髪につまずき、塔から転落して灰になった[7]
ディズニー制作スタッフによると、ゴーテルは『白雪姫』の魔女をイメージして作ったものとされる。ラプンツェルを塔に連れ戻す時に持っていたランプが毒りんごの色と同じなのはそのためで、目の色も魔女と同じに設定されている。英語版の声優のドナ・マーフィーは、ゴーテルがラプンツェルを愛していたと思っていると答えた[8]。『ラプンツェルザシリーズ』でラプンツェルにフリン同様フライパンで殴られるシーンが登場する。
パスカル(Pascal)
演 - フランク・ウェルカー
ラプンツェルと暮らす小さなカメレオン。ラプンツェルにとっては唯一の遊び相手であり、何でも話せる大切な友達。感情や状況に応じて体の色を変えることができる。
ラプンツェルに劣らず好奇心旺盛で、ラプンツェルと一緒に外の世界へ旅立つ。一方でラプンツェル以外の人間への警戒心は強く、ゴーテルから身を隠したり、塔に侵入したフリンを警戒した。気絶したフリンの耳に舌を突っ込んで起こすという特技?を持っている。フリンを刺したゴーテルに立ち向かって蹴飛ばされるが、髪の魔法を失ったゴーテルを塔から落とした。
また、パスカルという名前は当時の制作スタッフが飼っていたカメレオンの名前をそのまま引用したものである。制作初期段階では紫と青のカラーになる予定だったが、ラプンツェルの髪とドレスの色にはグリーンが映えると判断された[9]。『ラプンツェルザシリーズ』でラプンツェルとの出会いが描かれ、幼い頃に母親を毒蛇に食べられ、ラプンツェルの歌を聞いて塔に入った。
マキシマス(Maximus)
演 - フランク・ウェルカー
警護隊長を乗せて走る、危険知らずで仕事熱心な白馬。王女のティアラを盗んだフリン追跡に執念を燃やし、彼を森深くへと追い込んだ。剣をくわえて戦ったり、読み書きや計算もお手の物。リンゴが大好物。犬のように優れた嗅覚も持つが、それでもラプンツェルの塔へ続く道は見つけられなかった。今まで功績を褒められず、フリンとの間を仲裁に入ったラプンツェルに慰められて懐いてしまう(一説には、ラプンツェルが王妃に似ているため、行方不明の王女であると気付いたとも言われている)。
ラプンツェルの夢を叶えるため、フリンと一日かぎりの協力関係を結ぶ。何者かに陥れられたフリンを救うため、酒場の荒くれ者たちを集めて脱獄計画を立て、フリンを塔まで乗せて走った。フリンは「マックス」と呼んでいる。終盤では衛兵の武器に採用されたフライパンをくわえている。
酒場の荒くれ者たち(Pub Thugs)
街外れの酒場「かわいいアヒルの子」を根城にしている荒くれ者たち。酒場の壁には多くの刃物類が刺さっており、床には殺人現場でよく見るマークがつけられている。ラプンツェルを怖がらせようと来店したフリンを捕まえようとしたが、ラプンツェルに止められた。見た目は厳ついがみんな純粋な夢の持ち主で、ラプンツェルの言葉に感化されてその思いを伝えている。
フックハンド(Hook Hand)
演 - ブラッド・ギャレット / 日本語吹替 - 岡田誠
荒くれ者のリーダー格。片方の手がフックになっている。アコーディオン弾きを捕まえて斧の的代わりにする物騒な男だが、将来の夢はピアニストになってモーツァルトを弾くことで、命を奪うよりも心を奪う演奏がしたいと思っている。つまらない夢を答えたフリンを嫌うが、ラプンツェルの夢を応援して秘密の抜け道を教えた。終盤にてピアニストの夢を叶えた。『ラプンツェルのウェディング』ではラプンツェルとユージーンの結婚式でピアノを弾いた。『ラプンツェルザシリーズ』で弟が登場している。
ビッグノーズ(Big Nose)
演 - ジェフリー・タンバー / 日本語吹替 - 石原慎一
鼻が大きく、足の指が6本あるのが特徴。「誰にでも夢はある」の英語版では6本指が悩みと歌っているが、日本語版では足が臭いと歌っている。将来の夢は素敵な恋人を作ること[10]。こちらも終盤にて夢が叶い、恋人が出来た。
ウラジミール(Vladimir)
演 - リチャード・キール / 日本語吹替 - 田中英樹
無口な大男。セラミックのユニコーンを集めるのが趣味。
ウルフ(Ulf)
演 - 日本語吹替 - IKKAN
白塗りの顔の男。パントマイマーになるのが夢で、一切喋らない。
ショーティー(Shorty)
演 - ポール・F・トプキンス英語版 / 日本語吹替 - 多田野曜平
天使の格好をしているおかしな老人。夢は明かされていない。
アッティラ(Attila)
お菓子づくりが趣味。つねに騎士のような仮面をかぶっていて、顔は明かされていない。『ラプンツェルザシリーズ』でパン屋を開業した。
トール(Tor)
背の高い大男。夢はフローリストになること。
グレノ(Greno)
日本語吹替 - 根本泰彦
フリンを捕まえるために衛兵を呼んだ。
店の悪漢(Thug)
演 - バイロン・ハワード、ネイサン・グレノ / 日本語吹替 - 小西のりゆき村上勧次朗Kuma
スタビントン兄弟(Stabbington Brother)
演 - ロン・パールマン / 日本語吹替 - 飯島肇
フリンと一緒に王女のティアラを盗み出した泥棒。兄サイドバーンズと弟パッチーの双子の兄弟。追っ手から逃げる途中、フリンに裏切られてティアラを独り占めされ、フリンへの仕返しを誓った。ゴーテルに「ティアラよりももっといいものがある」とフリンへの復讐を誘われ、ゴーテルに協力してフリンを逮捕させ、ラプンツェルの髪の力でひと儲けしようと企んだが、ゴーテルに騙されて結局は捕まってしまう。
『ラプンツェルザシリーズ』によると、フリンとは10年前からの知り合いで、男爵という悪者の依頼でティアラを盗んでいた。『ラプンツェルのウェディング』では手錠をかけられた状態でラプンツェルとフリンの結婚式に出席して号泣するという、涙もろい一面を見せている。
警護隊長(Captain of The Guard)
演 - M・C・ゲイニー / 日本語吹替 - 佐山陽規
衛兵の隊長。パートナーのマキシマスの能力を信頼する。フリンを絞首台に連れて行こうとするが、酒場の荒くれ者たちにフリンを逃がされる。『ラプンツェルザシリーズ』でゴーテルとの意外な接点が登場する。
王と王妃(King and Queen)
演 - カリ・ウォールグレン(王妃) / 日本語吹替 - 菅原さおり(王妃)
島に浮かぶ王国の国王と妃であり、ラプンツェルの実の両親。愛と知恵で王国を治め、国中の皆に慕われている。城のそばの町には赤ん坊のラプンツェルを抱いた二人の肖像画が飾られている。王妃はラプンツェルにそっくりな顔立ちで、ブルネットの髪と緑色の目を持つ。
王妃はラプンツェルを身籠った頃に重い病を患い、王が国の人々に探させた魔法の花を浮かべた水を飲んで回復した。しかし、生後間もない娘をさらわれて深い悲しみに暮れ、娘の誕生日にその無事を祈ってランタンを飛ばしている。娘のティアラを娘の部屋に安置して衛兵に見張らせていたが、フリンにティアラを盗まれてしまった。
終盤でラプンツェルと悲願の再会を果たした。最初は髪を切って様変わりした娘の姿に戸惑いつつも、家族が再び巡り合えた喜びを分かち合い、フリンを新しい家族に迎え入れる[11]
続編にあたる『ラプンツェル あたらしい冒険』によると、治めている国の名前はコロナ王国であり、「フレデリック国王」「アリアナ王妃」という名前が設定されている。
花を置く少女(Litlle Girl)
演 - デラニー・ローズ・ステイン / 日本語吹替 - 飯田汐音
衛兵(Guard)
演 - バイロン・ハワード、ネイサン・グレノ / 日本語吹替 - 落合佑介遠藤純平

下記は役者不明。

踊る少年
日本語吹替 - 宮崎亜友美
スカーフの女性
日本語吹替 - さとう優衣
パンを持った女性
日本語吹替 - 鶴岡瑛梨

製作[編集]

本作のヴィジュアル・スタイルは、フランスロココの芸術家であるジャン・オノレ・フラゴナールによる絵画『ぶらんこ』をベースとしている[12]

塔の上のラプンツェルの原案は、映画が公開される14年前の1996年からグレン・キーンが1人で温めていたアイディアであり、当初は彼が監督を務める予定であった[13]。2003年10月、塔の上のラプンツェルがコンピューターアニメーションであること、公開時期は2007年を予定していることが明かされた[14][15]。しかし、キーンの「物語をつくるための時間がもっと欲しい」という要望により、公開時期が2009年へ延びることになった[16]。エド・キャットムルによると、マイケル・アイズナーから出された「現代のサンフランシスコに住むヒロインが童話の世界に入り込む」という提案に対して、キーンが上手く対応できなかったらしい[17]。そのようなトラブルもあり、塔の上のラプンツェルの企画は頓挫してそのまま放置されていたが、2006年にウォルトディズニーアニメーションスタジオに配属されたキャットムルとジョン・ラセターによって企画が再び動き出した[18]。彼らの最初の仕事はキーンをこの企画に引き留めておくことだった。2007年4月、監督がグレン・キーンとディーン・ウェリンズであると発表された[19]。しかし、2008年10月には監督がバイロン・ハワードとネイサン・グレノに交代したことが発表され、キーンは製作総指揮、スーパーバイジング・アニメーター、キャラクター・デザイナーを担当することになった。監督を辞退して製作総指揮に回ったことについて、キーンは2008年に心臓発作に見舞われており体調が優れなかったからだと述べている[20]

2021年の1月頃からラプンツェルの背後に都市伝説で有名なスレンダーマンらしきシルエットが発見され、TikTok等のSNSで話題を集めた。

アニメーション[編集]

本作は3DCGアニメーションだが、2Dアニメーションの質感を再現しようと様々な試みがなされている。グレン・キーンは当初、塔の上のラプンツェルを油絵を意識した2Dアニメーションで作成したいと考えていたが、スタジオ側は3DCGで作成することを要求した[21]。これを受けて、キーンはウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオで働く2Dアニメーターと3DCGアニメーターを集めたセミナーを開催し、作品の方針について討論した[22]。セミナーで交わされた議論の結果、3DCGアニメーションで作成することが決まり、ディズニーの伝統的な2Dアニメーションの美的センスを3DCGで再現するというテーマが掲げられた[23]。キーンは「3DCGによる手描き絵」「鉛筆で描いたような質感」を目指したと語っている。キーンの要望に応えるためには様々な最新技術やツールが必要であり、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオはそれを自ら作り出さなければならなかった[24]。キーンは「我々が求めていたのは“写実的な髪の毛”ではなく“温かみのある髪の毛”であり、それを実現するための方法を開発した。私は温かく直感的な手描き絵の質感を3DCGで表現したかったのだ」と語っている[25]。 髪の毛の表現を満足なものにするのは困難であり、2010年1月の時点でも製作チームはこの問題について悩んでいた。しかし、同年3月に彼らがDynamic Wiresと呼んでいる技術が完成し、この問題は解決された[26]

タイトル変更[編集]

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ長編作品の前作『プリンセスと魔法のキス』(2009年)は、高い評価を得て世界中でおよそ2億7千万ドルを稼いだが、それはディズニー社が予想していたよりも低い収益であり、原因は「プリンセス」を強調しすぎていたために男子層からあまり支持を得られなかったことにあると同社は考えた[27]。ディズニーは男女両方へ映画を売り出すために、男性キャラクターのフリン・ライダーを強調し、また、タイトルを『ラプンツェル』(Rapunzel)から『タングルド』(Tangled)に変更した[27]

原作との相違点[編集]

原作にあった性的要素・過激な内容から大きく異なり(ただし、原作も版を重ねるごとに初版の性的要素を廃したことで知られている)、冒険活劇にアレンジされている。原作ではラプンツェルは農家の娘でその恋人が王子であるが、本作では王女のラプンツェルに対して恋人のフリンは泥棒になり、王族と平民の身分が入れ替わっている。ただし、フリンの本名のユージーン・フィッツハーバートには貴人の家の生まれという意味があり、テレビシリーズで実は王子であったとされる。ラプンツェルの長い金髪には歌うことで傷を癒やす魔法の力があり、髪を投げ縄代わりにして動き回るという変更が加えられた。原作の王子の目に茨が刺さる箇所はカットされ、王子がラプンツェルの髪を使わずに自力で塔をよじ登り、ラプンツェルの髪を切る魔女と塔から身を投げる王子の行為が入れ替わっている。ラプンツェルを妊娠した母親が魔女の植物を食し、王子の傷をラプンツェルの涙が癒やして王国で暮らす展開は共通している。

「ラプンツェル」は栄養価が高いことで知られる葉野菜の一種で、青紫色の花を咲かす。原作では農夫が妊娠中の妻のために魔女が大事に育てたラプンツェルを盗み、魔女に生まれた赤ん坊を差し出す代わりにラプンツェルを好きなだけ採る約束をして、その子供は「ラプンツェル」と名付けられる。本作ではこれらの原作の設定は使われず、代わりに病気や怪我を癒やす魔法の金色の花が登場する。原作の魔女はラプンツェルの純粋性が失われることを恐れて塔に閉じ込めるが、本作の魔女は花の力で保っている永遠の若さに執着するヴィランであり、花の力を髪に宿したラプンツェルを利用するために閉じ込めるという違いがある。

音楽[編集]

塔の上のラプンツェル
オリジナル・サウンドトラック
アラン・メンケンサウンドトラック
リリース
録音 2010年
ジャンル サウンドトラック映画音楽
レーベル ウォルト・ディズニー
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音楽は8度アカデミー賞を受賞した作曲家のアラン・メンケンが作曲し、歌詞がグレン・スレイターによって書かれた[28]。メンケンは、新しい歌を作成するために1960年代のフォークロックと中世の音楽を混合するのを試みたと述べた[29]

#タイトル作詞作曲・編曲パフォーマー時間
1.「自由への扉
When Will My Life Begin」
  マンディ・ムーア
2.「自由への扉 (リプライズ1)
When Will My Life Begin (Reprise 1)」
  マンディ・ムーア
3.「お母様はあなたの味方
Mother Knows Best」
  ドナ・マーフィ
4.「自由への扉 (リプライズ2)
When Will My Life Begin (Reprise 2)」
  マンディ・ムーア
5.「誰にでも夢はある
I've Got a Dream」
  ブラッド・ギャレット、ジェフリー・タンバー、ムーア、ザッカリー・リーヴァイ、Company
6.「お母様はあなたの味方 (リプライズ)
Mother Knows Best (Reprise)」
  マーフィ
7.「輝く未来
I See the Light」
  ムーア、リーヴァイ
8.「魔法の花
Healing Incantation」
  ムーア
9.「お尋ね者、フリン
Flynn Wanted」
  アラン・メンケン
10.「プロローグ
Prologue」
  マーフィ、ステイン
11.「お城の馬
Horse with No Rider」
  メンケン
12.「秘密の通路
Escape Route」
  メンケン
13.「二人のキャンプ
Campfire」
  メンケン
14.「王国でダンス
Kingdom Dance」
  メンケン
15.「あの灯りが待ち遠しい
Waiting for the Lights」
  メンケン
16.「お母様のもとへ
Return to Mother」
  メンケン
17.「真実に気付いたラプンツェル
Realization and Escape」
  メンケン
18.「いやしの涙
The Tear Heals」
  メンケン、ムーア
19.「歓びに包まれる王国
Kingdom Celebration」
  メンケン
20.「サムシング・ザット・アイ・ウォント
Something That I Want」
  グレイス・ポッター

公開[編集]

評論[編集]

Rotten Tomatoesの映画評論家のうち90%(162人中145人)が本作に対し肯定的な評価を下し、平均点は10点満点で7.5であった[30]。また、同サイトで特に注目度の高い評論家のレビューを集めたCream of the Cropでは、93%(28人中26人)の支持率を得て、平均点は10点満点で7.9であった[31]。Metacriticでは、34のレビューで平均点が100点満点中71点であった[32]CinemaScoreの調査によると、公開初週末に鑑賞した観客による平均評定は最高位である「A+」であった[33]

ニューヨーク・タイムズ』のA・O・スコットは「ディズニーの50番目のアニメであり、その外観と精神は現代的にアップデートされているにもかかわらず、古きディズニーの誠実で紛れもない品質である」と評した[34]

クエンティン・タランティーノは本作を2010年のベストで5位にした[35]

興行収入[編集]

2011年6月30日時点で、アメリカ合衆国とカナダで2億82万1936ドル、それ以外の国々で3億8990万ドル、全世界で5億9072万1936ドルを稼いでいる[1]。世界興行収入は2010年で第8位であり、アニメーション映画としては『トイ・ストーリー3』(10億6300万ドル)、『シュレック フォーエバー』(7億5000万ドル)に次いで第3位であり、ディズニー映画としても第3位である[36]

アメリカ合衆国とカナダでは、公開初日の2010年11月24日(水曜日)に1190万ドルを稼いだ[37]。公開初週末3日間には4880万ドルを稼ぎ、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』(4910万ドル)に次いで第2位となった[38]。感謝祭シーズン5日間では6870万ドルを稼ぎ、『トイ・ストーリー2』に次ぐ成績であった[38]。公開2週目の週末3日間では前週末比で55.7%を減らして2160万ドルを稼ぎ、65.3%を減らした『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』を抜いて第1位となった[39]。3週目の週末には1430万ドルを稼ぎ、公開1週目の『ナルニア国物語/第3章: アスラン王と魔法の島』(2400万ドル)、『ツーリスト』(1650万ドル)に次いで第3位となった[40]。公開15日目には北米累計収入は1億7669万7860ドルに達し、『ベスト・キッド』を抜いて2010年の北米興行収入10位となった[41]。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの製作のアニメ映画としては『ライオン・キング』(3億2854万1776ドル)、『アラジン』(2億1735万219ドル)に次いで歴代北米興行収入第3位である[42]

日本では2011年3月12日に公開された。公開前日に発生した東日本大震災によりスクリーン数が減ったものの、『SP THE MOTION PICTURE 革命編』、『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』に次いで動員ランキングで初登場3位となり、公開2日間の興行収入は1億4000万円を記録した[43]。公開9週目の2011年5月10日時点では動員数172万7718人、興行収入25億71万5750円を記録した[44]

受賞とノミネート[編集]

部門 候補 結果
アカデミー賞[45] 歌曲賞 「輝く未来」 ノミネート
アニー賞[46] 長編アニメ映画賞 ノミネート
長編アニメ脚本賞 ダン・フォーゲルマン ノミネート
ゴールデングローブ賞[47] アニメ映画賞 ノミネート
主題歌賞 「輝く未来」 ノミネート
放送映画批評家協会賞[48] アニメ映画賞 ノミネート
主題歌賞 「輝く未来」 ノミネート
フェニックス映画批評家協会賞[49] アニメ映画賞 ノミネート
主題歌賞 「誰にでも夢はある」 ノミネート
サターン賞[50][51] アニメ映画賞 ノミネート
ナショナル・ムービー・アワード アニメーション部門 受賞

トリビア[編集]

  • ウォルト・ディズニー・プロダクションでは1940年代からラプンツェルを映画化する企画が検討されていた[52]。なお、1970年にディズニーランドレコードが原作に忠実な絵本付レコード『Walt Disney's Story of Rapunzel』を制作し、1998年にディズニーゴールデンブックコレクションが『ミッキーとミニーのラプンツェル』を制作している[53]
  • ラプンツェルの親友のカメレオンのパスカルには、アニメーションアーティストのケリー・ルイスが飼っているカメレオンの名前をそのまま使わせてもらっている[52]
  • 映画に登場したランタンは天灯と同様の構造だが、インドネシアなどでは実際に空に灯りを飛ばす風習がある。監督のバイロン・ハワードはその光景をインターネットで見て感動し、この灯りを映画の名シーンに採用したと語っている[52]。一説では、映画で無数のランタンが飛ぶシーンのモデルはタイのコムローイ祭りだと言われている。
  • 今までのディズニーのアニメーション映画の中で最も多くの群集が登場する。村のシーンには3000人の群衆が描かれている[52]
  • ゴーテルの服のデザインは物語の時代設定よりさらに400年前の服を参考にしている[52]
  • 監督のハワードとネイサン・グレノは「時代設定は1780年代」と答えている。登場人物の服装は16世紀ドイツの漠然としたイメージをヒントにし、現代人好みにアレンジされているとのこと。服飾史家の中野香織は、ラプンツェルのパープルのドレスをルネサンスと19世紀のハイブリッドと分析した[54]
  • ラプンツェルの髪の毛のアニメーションの作成には、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオのソフトウェアエンジニアであり、大学で髪の毛の研究をしていたケリー・ウォードが協力している[52]。ウォードは髪の毛の動きや光の当て方に詳しく、ウォードが開発に協力したソフトウェアによって手描きのアニメーションとシミュレーションを調和させることができるようになった[52]
  • 本作後に公開された映画『アナと雪の女王』では、ラプンツェルが髪を切った姿で、フリンと共に登場しているシーンがある(両者とも後姿のみ)[55]
  • フリン・ライダーの魅力をラプンツェルと対等なレベルに引き上げるため、スタジオ内の女性が好きな男性の写真を持ち寄って率直な意見を交換しあう「ホット・マン会議」を行っていた。「タレ目はだめ」などの議論を女性間でしてイケメン男性のパーツを合成したり、男性たちの案をことごとくダメ出しし、試行錯誤を重ねて現行のフォルムが誕生した。監督も「キツイ会議だった」と後に振り返っている[56]。フリンのキャラクター設定についてはエロール・フリンハン・ソロインディ・ジョーンズなどからインスピレーションを得ている[57]。初期段階のラプンツェルの相手役はバスティオンという別人だったが、製作総指揮のジョン・ラセターの要求で現在のフリンにリテイクされ、バスティオンのデザインは『アナと雪の女王』のクリストフに流用された。
  • ラプンツェルを閉じ込めるマザー・ゴーテルのキャラクター創造にあたり、ハワードとグレノが女性スタッフ何人かに母親との関係についてインタビューし、娘の罪悪感を利用する過保護でとんでもなく操作的な母親像を作り上げた[58]。ゴーテルのキャラクターデザインは担当声優のドナ・マーフィーと歌手のシェールから描き起こされ、ラプンツェルと対照的になるように黒い巻き毛のロングヘアを持つ官能的な容姿に設定された。
  • 大泥棒と囚われの身の王女が恋に落ちる物語ということから、ラセターが影響を受けたアニメ映画に挙げている『ルパン三世 カリオストロの城』のオマージュではないかと映画ファンに指摘されている。
  • ビジュアルエフェクト・スーパーバイザーのスティーヴ・ゴールドバーグは、ラプンツェルの約21メートルの髪の重さを計算すると約32キロになると話している。
  • 塔の壁にラプンツェルが描いた絵を担当したのは、製作総指揮のグレン・キーンの娘で当時ディズニーの社員だったクレア・キーン。現在はディズニーを退社して絵本作家として活動しているが、アニメシリーズにキャラクター・ビジュアル・デベロップメント・アーティストとして参加している。

続編[編集]

テレビ放送[編集]

回数 テレビ局 番組名(放送枠名) 放送日 放送時間 放送分数 視聴率
1 TBS 水曜プレミア 2014年3月19日 21:00 - 22:54 114分 8.5%
2 フジテレビ 金曜プレミアム 2015年4月24日 21:00 - 22:52 112分 11.7%
3 日本テレビ 金曜ロードSHOW! 2017年3月10日 21:00 - 22:54 114分 12.6%
4 2020年5月1日[59] 14.7%
  • 視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム。

参考文献[編集]

  1. ^ a b c Tangled (2010)” (英語). Box Office Mojo. 2011年6月30日閲覧。
  2. ^ 2011年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
  3. ^ 呪文の歌の『魔法の花』の歌詞から、傷や病気を治しているというよりは、その前の状態に時間を戻す魔法の力があると思われている。
  4. ^ 料理の本、植物学の本、地質学の本の3冊だけを所持し、毎日読み返して内容を暗記している。
  5. ^ 会話の内容から、アウトローを主人公にした冒険小説と思われる。
  6. ^ 花の力を引き出す呪文の歌を知っている理由は不明。
  7. ^ 髪の力の効果が切れて数百年分の時間が進み、骨も残らずに灰になった。
  8. ^ 塔の上のラプンツェルのゴーテルはかわいそうな毒親?誕生までの裏設定を交えて考察!
  9. ^ 「ラプンツェル」カメレオンのパスカルの魅力とおすすめグッズ3選
  10. ^ いつか恋人を乗せてボートを漕ぎたいと歌っており、フリンがラプンツェルを乗せたボートを漕ぐことに繋がっている。
  11. ^ ラプンツェルとの3人で抱き合い、離れて見ていたフリンに王妃が手を差し伸べて家族の輪に引き入れた。
  12. ^ Desowitz, Bill (2005年11月4日). “Chicken Little & Beyond: Disney Rediscovers its Legacy Through 3D Animation”. Animation World Magazine. 2006年6月5日閲覧。
  13. ^ Graham, Bill (November 27, 2010). "Animation Director Glen Keane Exclusive Interview TANGLED". Collider.com. Retrieved May 11, 2014.
  14. ^ Orwall, Bruce (October 23, 2003). "Disney Decides It Must Draw Artists Into the Computer Age". The Wall Street Journal. Retrieved July 9, 2014.
  15. ^ Wloszczyna, Susan (September 17, 2003). "A fairy-tale bending". USA Today (Gannett Company). Retrieved July 9, 2014.
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  17. ^ Catmull, Ed; Amy Wallace (2014). Creativity, Inc.: Overcoming the Unseen Forces That Stand in the Way of True Inspiration. New York: Random House. p. 271. ISBN 978-0812993011.
  18. ^ Catmull, Ed; Amy Wallace (2014). Creativity, Inc.: Overcoming the Unseen Forces That Stand in the Way of True Inspiration. New York: Random House. p. 271. ISBN 978-0812993011.
  19. ^ "LaughingPlace.com: Rhett Wickham: Rapunzel Gets Second Director – Apr 12, 2007 (The #1 Site for Disney)". LaughingPlace.com. Retrieved November 23, 2010.
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  21. ^ Carter, Chris (July 2013). "An Analysis of the Character Animation in Disney’s Tangled". Sense of Cinema. Retrieved June 29, 2016.
  22. ^ Holson, Laura M. (September 18, 2005). "Disney Moves Away From Hand-Drawn Animation". The New York Times. Retrieved July 5, 2006.
  23. ^ Carter, Chris (July 2013). "An Analysis of the Character Animation in Disney’s Tangled". Sense of Cinema. Retrieved June 29, 2016.
  24. ^ Desowitz, Bill (November 4, 2005). "Chicken Little & Beyond: Disney Rediscovers its Legacy Through 3D Animation". Animation World Network. Retrieved July 5, 2006.
  25. ^ Desowitz, Bill (September 18, 2006). "‘Little Mermaid’ Team Discusses Disney Past and Present". Animation World Network. Retrieved January 21, 2011.
  26. ^ "'Tangled' directors unravel film's secrets". SiouxCityJournal.com. December 5, 2010. Retrieved December 8, 2010.
  27. ^ a b Dawn C. Chmielewski and Claudia Eller (2010年3月9日). “Disney restyles 'Rapunzel' to appeal to boys”. Los Angeles Times. 2010年3月12日閲覧。
  28. ^ Graham, Bill (2010年9月27日). “Alan Menken Exclusive Interview Tangled”. Collider.com. http://www.collider.com/2010/09/27/alan-menken-interview-tangled 2010年11月26日閲覧。 
  29. ^ Hammond, Pete (2010年9月9日). “Oscar's Animation Race Just Got 'Tangled'”. Deadline Hollywood. http://www.deadline.com/2010/09/oscars-animation-race-just-got-tangled 2010年11月26日閲覧。 
  30. ^ Tangled Movie Reviews, Pictures”. 'Rotten Tomatoes'. Flixster. 2011年2月19日閲覧。
  31. ^ Tangled (Cream of the Crop)”. 'Rotten Tomatoes'. Flixster. 2011年2月19日閲覧。
  32. ^ Tangled reviews at Metacritic.com”. 'Metacritic'. CBS Interactive. 2010年6月22日閲覧。
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  39. ^ Weekend Index 2010”. Box Office Mojo. 2011年2月13日閲覧。
  40. ^ Weekend Box Office Results for December 10-12, 2010”. Box Office Mojo. 2010年12月12日閲覧。
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  42. ^ All-Time Domestic Grosses”. Box Office Mojo. 2011年1月24日閲覧。
  43. ^ 地震の影響で映画館の休館が続く中、西日本が映画興行の中心に『SP 革命篇』が初登場首位【映画週末興行成績】”. シネマトゥデイ (2011年3月16日). 2011年6月30日閲覧。
  44. ^ 『塔の上のラプンツェル』公開9週目で25億円突破!女性ファン急増!『トイ・ストーリー3』の倍以上のコメントが殺到中!!”. シネマトゥデイ (2011年5月13日). 2011年6月30日閲覧。
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  48. ^ 'Black Swan' leads Critics' Choice nominations
  49. ^ Phoenix Film Critics Name THE KINGS SPEECH Best Film of 2010”. フェニックス映画批評家協会 (2010年12月29日). 2010年12月30日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2010年12月29日閲覧。
  50. ^ The 37th Saturn Award Nominations”. サターン賞. 2005年10月29日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2011年3月16日閲覧。
  51. ^ Adam Chitwood. “Inception wins big at 2011 Saturn Awards”. Collider. 2011年6月24日閲覧。
  52. ^ a b c d e f g 『塔の上のラプンツェル MovieNEX』 ボーナス・コンテンツ「メイキング・オブ『塔の上のラプンツェル』」より
  53. ^ Check out Disney's pre- "Tangled" versions of Rapunzel - Jim Hill Media
  54. ^ 『塔の上のラプンツェル』のパープルのドレスの意味は? - Disney Daily
  55. ^ 『アナと雪の女王』にラプンツェルが出演していた!(シネマトゥデイ、2014年3月5日)2014年4月26日閲覧
  56. ^ 『塔の上のラプンツェル』フリン・ライダーがディズニー史上最高のイケメンと言われる理由! 一方『モアナと伝説の海』はイケメン枠無し?(エキサイトニュース、2017年3月17日)2020年4月5日閲覧
  57. ^ Flynn Rider Disney Tangled Heartthrob » Featured Animation - Featured Animation
  58. ^ 塔の上のラプンツェルのゴーテルはかわいそうな毒親?誕生までの裏設定を交えて考察! - Takmoの映画三昧
  59. ^ 『美女と野獣』『塔の上のラプンツェル』『トイ・ストーリー3』ディズニーアニメーション、ディズニー&ピクターアニメーション3週連続で本編ノーカット放送決定!”. 日本テレビ. 2020年4月10日閲覧。

外部リンク[編集]