ダニエル・ラドクリフ
ダニエル・ラドクリフ Daniel Radcliffe | |
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![]() 2015年、コミコン・インターナショナル(サンディエゴ)にて | |
本名 |
Daniel Jacob Radcliffe ダニエル・ジェイコブ・ラドクリフ |
生年月日 | 1989年7月23日(33歳) |
出生地 |
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国籍 |
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職業 | 俳優 |
ジャンル | テレビドラマ、映画、舞台 |
活動期間 | 1999年 - |
主な作品 | |
映画 『ハリー・ポッター』シリーズ 『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』 『ホーンズ 容疑者と告白の角』 『キル・ユア・ダーリン』 『もしも君に恋したら。』 『ヴィクター・フランケンシュタイン』 『スイス・アーミー・マン』 『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』 『アンダーカバー』 『ガンズ・アキンボ』 『ザ・ロストシティ』 テレビ 『マイ・ボーイ・ジャック』 『ヤング・ドクター』 |
ダニエル・ジェイコブ・ラドクリフ(英: Daniel Jacob Radcliffe, 1989年7月23日[注 1] - )は、イギリスの俳優。ロンドン南西部のフラム出身。身長165cm[1]。愛称はダン(Dan)。
略歴[編集]
一人息子として生まれる。父は元著作権エージェントで、現在はラドクリフの世話役。母はキャスティングディレクター。2人とも元俳優である。血統については「複雑な血筋の告白」を参照。
協調運動障害を抱えていることを公表しており、俳優を志すようになったのも、学校での生活がうまくいかず、学校以外で活躍できる場所を見つけるためだったという[2]。
1999年、BBCのドラマ『デビッド・コパーフィールド』でデビュー。


子役として活動していたころ、ちょうど世界的ベストセラー小説『ハリー・ポッターと賢者の石』の映画化にあたり、主役ハリー・ポッター役のオーディション選考が行なわれていたが、なかなかハリーのイメージに合う少年が見つからなかった。当時11歳だったラドクリフもオーディションを受けようとしたが、他の仕事が入ったため断念した。しかし、両親と芝居を観に行っていた際、偶然同席していたスタッフがラドクリフを見てオーディション参加を打診し、ハリー役を射止めた。
そして同映画が世界的メガヒットになり、一大出世作となる。2002年12月の初訪日には、空港に多くのファンが押し寄せた。その際に、ハリー・ポッターの扮装をしたファンを「ポッタリアン」と呼んだ。本来ハリー役は、シリーズ2作目以降は本人の成長にともなって代役を立てる予定だったが、あまりにハリー役がはまっていたことや、ストーリーにともなってキャラクターもきちんと年を取るシリーズであること、原作者の強い意向などから、そのままシリーズ最終作まで続投となった。
2007年、舞台『エクウス』に出演。全裸姿で演技を披露し話題を呼んだ。共演者のローラ・オトゥールとは交際が報道されたが、2008年1月に破局している。
2007年から数年間ストレスが原因のアルコール依存症に陥り、『ハリー・ポッター』の撮影時もアルコールが残ったまま参加したことがあると告白し、話題となった。またアルコール依存症が原因で両親と疎遠になったが、約2年間禁酒し、両親との関係は修復されたと語っている[3]。2012年12月、再び酒を飲んで喧嘩騒ぎを起こし、アルコール依存症が再発したと報じられた[4]。2017年現在では、2013年の冬より再び禁酒している。
2012年はじめに突然激しい頭痛に襲われ、仕事を複数キャンセルした。病院で検査を受けたところ、群発頭痛というまれな病気を発症していることがわかった。群発頭痛は別名「自殺頭痛」とも呼ばれ、発作が起きると「スプーンで目玉をえぐられるほど」の激痛が一定期間、毎日のように続くという。「とてつもない痛みで、偏頭痛がかわいく感じるほどだ。その痛みに襲われると、自分がすごく根性なしに思えた。毎日すごく強い頭痛薬を飲んでいたのに『どうして痛みが治まらないんだ?』と思った。」と語っている[5]。なお群発頭痛は現在でも原因が解明されておらず、予防薬を飲んだり痛み止めの注射を打ったり、薬を飲んだりする以外に、根本的な治療法は確立されていない。
人物[編集]
2匹のボーダー・テリアを飼っており、名前は「ビンカ」 "Binka" と 「ナゲット」 "Nugget"。
セックス・ピストルズの大ファンであり、みずからベースを演奏する。
イギリスの俳優ゲイリー・オールドマンのファンであり、『ハリー・ポッター』シリーズでは共演している。また、アイシュワリヤー・ラーイとキャメロン・ディアス、スカーレット・ヨハンソン、ナタリー・ポートマン、ベン・スティラーのファンでもある。
2009年8月、ゲイ向けの雑誌アティチュードのインタビューに答えた。彼は本誌にて、イギリスの政党である自由民主党の支持を表明した。なお、2012年には支持を撤回している[6][7]。
複雑な血筋の告白[編集]
父は北アイルランド出身、母はユダヤ系イギリス人であるが、特定の宗教にこだわらず自由な家庭環境であった。
オーストラリアを訪問中に、朝のテレビ番組『トゥデイ』に出演し、番組の司会者から「ずいぶん長い間『ハリー・ポッター』のダークな面と取り組んでいるけれども、君は信心深いの」と聞かれ、「そんなことはないです。母はユダヤ系、父はプロテスタント。宗教的に興味深い環境になっていますが、僕は全然信心深くない無神論者です」と回答した。アメリカの映画俳優は、自分の血筋を公言することが通常ではないため、新聞紙で大スクープになった。
2012年7月22日に、南アフリカのCityPressに対し、「自分は(上記のほか)南アフリカ人、ポーランド人、ロシア人などの血が入っている」と告白、南アフリカとのつながりがあることを強調した。母方の祖父が南アフリカ人であるが、「“世界で最も良い人”というようなタイプではなかったので、僕たちはほとんどこのことを話さない。祖父は基本的に祖母のことを大事にしない人だった。だから祖母は生まれて2週間の僕の母親を連れて、南アフリカから逃げた。母は南アフリカ航空で南アフリカから出国した赤ちゃんの中で、最年少だったそうだ。」と語っている[8]。
反英国王室発言[編集]
米ニュースサイト「デイリー・ビースト」のインタビューでは、英国の王制に反対であることを明かしている。
「君主制の意義が分からない。もちろん強い愛国心を抱いているし、英国民であることは大きな誇りだ。だけど君主制がこの国の問題を象徴していると思う。王室が間違ったことをしているわけじゃないけど、階級制度が好きになれない」[9](和訳)
また、ヘンリー王子がパキスタン人に対する差別用語を使用したり、仮装パーティーでナチス・ドイツの制服を着用したりした問題についても苦言を呈している。
2012年、エリザベス女王即位60周年祝賀コンサートのテーマソングのリードボーカルに、ブロードウェイでミュージカルに出演した経験から起用が検討されていたが、反王室的な発言により取り止めたと、コンサートの発起人の一人であるアンドルー・ロイド・ウェバーがテレグラフ紙に語っている[10]。
資産[編集]
2009年10月、英大衆紙『ザ・サン』によると、20歳ながらその総資産が十数億円といわれているが、ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジに376万ポンド(日本円で約5億6000万円)のタウンハウスを新たに購入したようである。すでにニューヨーク市内に2つの豪華な物件を所有しており、今回で3軒目となる。この物件は5つのベッドルームに4つのバスルーム、6つの暖炉と庭を備えているという[11]。
2010年2月、『ヴァニティ・フェア』誌が「2009年に最も稼いだハリウッドの稼ぎ手」のランキングを発表し、4,100万ドル(日本円で約39億9,000万円)を稼いで6位にランクインした。この金額は映画の出演料だけでなく、商品のロイヤリティ収入なども含んでいる[12]。
2010年9月、経済誌『フォーブス』が「過去1年間で最も高額なギャラを獲得したハリウッドの俳優」のランキングを発表し、1,660万ドル(日本円で約14億1,100万円)を稼いで5位にランクインした[13]。
2010年10月、『デイリーメール』紙の電子版によると、この1年間で個人資産が昨年の2倍に届くほどに増えているという。両親が資産管理のために2000年に設立した会社「ギルモア・ジェイコブス」が経営状況を公表し、その結果現在の総資産は2850万ポンド(日本円で約37億円)に達しているという。1800万ポンド(日本円で約23億円)相当の固定投資があり、また、映画関連で800万ポンド(日本円で約10億円)貸付金、さらに銀行には370万ポンド(日本円で約4億8000万円)の預貯金がある。また、ニューヨークに所有する3つの不動産の価値は1000万ポンド(日本円で約13億円)であるほか、ロンドンにも住宅を所有している。こうした金額から権利者へ支払う金額を差し引いても、現在の資産は2850万ポンドとなり、2009年に公表した総資産1500万ポンド(日本円で約19億円)の2倍に近い財産を築き上げたことになる。この金額はイギリス王室のウィリアム王子、ハリー王子の2800万ポンド(日本円で約36億円)よりも多い資産である[14]。
2010年11月、英『ヒート・マガジン』が「最もリッチな30歳以下のイギリス人スターランキング」を発表し、推定総資産額が約4560万ポンド(日本円で約59億5900万円)で1位にランクインした。この総資産の内2500万ポンド(日本円で約32億6700万円)は、シリーズ最終章の『ハリー・ポッターと死の秘宝』のPART1とPART2で稼いだという[15]。
2011年5月、『BANG Media International』によると、イギリスの30歳未満の億万長者リストが発表された。昨年の収入は約2,850万ポンド(約37億6,200万円)で、総資産は4,800万ポンド(約63億3,600万円)と推定されており、この金額は第5位で俳優としてはトップの資産になるという[16]。
2011年7月、英紙『ガーディアン』によると、ニューヨークのトライベッカとグリニッジ・ビレッジ、ソーホーに総額1050万ポンド(日本円で約13億円)の不動産を3軒所有しており、ソーホーのアパートは週3000ポンド(日本円で約38万円)で賃貸に出し、ほかにもロンドン市内に73万ポンド(約9300万円)のマンションも所有しているという[17]。
主な出演作品[編集]
映画[編集]
公開年 | 邦題 原題 |
役名 | 備考 | 吹き替え |
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2001 | テイラー・オブ・パナマ The Tailor of Panama |
マーク・ペンデル | 亀井芳子 | |
ハリー・ポッターと賢者の石 Harry Potter and the Sorcerer's Stone |
ハリー・ポッター | 小野賢章 | ||
2002 | ハリー・ポッターと秘密の部屋 Harry Potter and the Chamber of Secrets |
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2004 | ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 Harry Potter and the Prisoner of Azkaban |
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2005 | ハリー・ポッターと炎のゴブレット Harry Potter and the Goblet of the Fire |
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2007 | ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 Harry Potter and the Order of the Phoenix |
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ディセンバー・ボーイズ December Boys |
マップス | |||
2009 | ハリー・ポッターと謎のプリンス Harry Potter and the Half-Blood Prince |
ハリー・ポッター | ||
2010 | ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 Harry Potter and the Deathly Hallows - Part 1 |
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2011 | ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 Harry Potter and the Deathly Hallows - Part 2 |
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2012 | ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館 Woman in Black |
アーサー・キップス | ||
2013 | キル・ユア・ダーリン Kill Your Darlings |
アレン・ギンズバーグ | 日本劇場未公開 | |
ホーンズ 容疑者と告白の角 Horns |
イグ・ペリッシュ | |||
もしも君に恋したら。 The F Word / What If |
ウォレス | 日本劇場未公開 | (吹き替え版なし) | |
2015 | エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方 Trainwreck |
犬の散歩人 | カメオ出演 | 小野賢章 |
ヴィクター・フランケンシュタイン Victor Frankenstein |
イゴール・ストラウスマン | 日本劇場未公開 | ||
2016 | スイス・アーミー・マン Swiss Army Man |
メニー | ||
グランド・イリュージョン 見破られたトリック Now You See Me 2 |
ウォルター・メイブリー | |||
アンダーカバー Imperium |
ネイト・フォスター | 限定公開 | 水野駿太郎 | |
2017 | ウディ・ハレルソン ロスト・イン・ロンドン Lost in London |
本人役 | カメオ出演 | (吹き替え版なし) |
ジャングル ギンズバーグ19日間の軌跡 Jungle |
ヨッシー・ギンズバーグ | 限定公開 | 小野賢章 | |
2018 | ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ Rosencrantz & Guildenstern Are Dead |
ローゼンクランツ | ナショナル・シアター・ライブ | |
フライト・リミット Beast of Burden |
ショーン | 限定公開 | 小野賢章 | |
2019 | プレイモービル マーラとチャーリーの大冒険 Playmobil: The Movie |
レックス・ダッシャー | 声の出演 | 森久保祥太郎 |
ガンズ・アキンボ Guns Akimbo |
マイルズ・リー・ハリス | 小野賢章 | ||
2020 | プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵 Escape from Pretoria |
ティム・ジェンキン | ||
2022 | ザ・ロストシティ The Lost City |
アビゲイル・フェアファックス | ||
Weird: The Al Yankovic Story | ウィアード・アル・ヤンコビック |
テレビ[編集]
放映年 | 邦題 原題 |
役名 | 備考 | 吹き替え |
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1999 | デビッド・コパーフィールド David Copperfield |
少年時代のデビッド・コパーフィールド | ||
2005 | Foley and McColl: This Way Up | 交通監視員 / 本人 | N/A | |
2006 | エキストラ:スターに近づけ! Extras |
本人役 | ||
2007 | ダニエル・ラドクリフの マイ・ボーイ・ジャック My Boy Jack |
ジャック・キップリング | テレビ映画 | 林勇 |
2012 | サタデー・ナイト・ライブ Saturday Night Live |
本人(ホスト) | 「Daniel Radcliffe/Lana Del Rey」 | |
2012-2013 | ヤング・ドクター A Young Doctor's Notebook |
ヤング・ドクター | 計8話出演 | 小野賢章 |
2015 | ボージャック・ホースマン BoJack Horseman |
本人役 | 声の出演 第2シーズン第8話「さあ、確かめよう」 |
TBA |
The Gamechangers | サム・ハウス | テレビ映画 | N/A | |
2019- | Miracle Workers | クレイグ | 主演 兼製作監督 |
N/A |
2020 | アンブレイカブル・キミー・シュミット: キミーVS教祖 Unbreakable Kimmy Schmidt: Kimmy vs the Reverend |
フレデリック王子 | 特別番組 | 小野賢章 |
2022 | ハリー・ポッター20周年記念: リターン・トゥ・ホグワーツ Harry Potter 20th Anniversary: Return to Hogwarts |
本人 | 再会特別番組 |
舞台[編集]
- The Play What I Wrote (2002、ウエスト・エンド) - 秘密のゲスト
- エクウス Equus (2007、ウエスト・エンド) - 主演・アラン・ストラング 役
- エクウス Equus (2008、ブロードウェイ) - 主演・アラン・ストラング 役
- ミュージカル「努力しないで出世する方法」 How to Succeed in Business Without Really Trying (2011、ブロードウェイ) - 主演・フィンチ 役
- 夢の島イニシュマーン The Cripple of Inishmaan (2014、ブロードウェイ)- 主演・ビリー 役
- プライバシー Privacy (2016、オフ・ブロードウェイ) - 主演
- ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ Rosencrantz & Guildenstern Are Dead (2017、オールド・ヴィック・シアター) - ローゼンクランツ役
- The Lifespan of a Fact (2018、ブロードウェイ)- 主演・Fingal役
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ IMDb Biographyより。(英語)
- ^ “「ハリポタ」ダニエル・ラドクリフ、運動障害で靴ひもが結べないと衝撃告白”. シネマトゥデイ (2008年8月19日). 2012年7月6日閲覧。
- ^ ダニエル・ラドクリフ、両親と決別していた過去を告白ハリウッドチャンネル 2012年2月7日
- ^ “ラドクリフ、アルコール依存症再発”. 日刊スポーツ (2012年12月22日). 2012年12月25日閲覧。
- ^ “「ハリー・ポッター」ダニエル・ラドクリフ、激痛を伴う奇病を発症”. ハリウッドチャンネル (2012年6月19日). 2012年6月29日閲覧。
- ^ “ダニエル・ラドクリフ、英自由民主党はもう支持しない! - シネマトゥデイ” (日本語). シネマトゥデイ 2020年3月30日閲覧。
- ^ “Potter star 'will vote Lib Dem'” (英語). (2009年7月27日) 2020年3月30日閲覧。
- ^ “Radcliffe is ‘partly South African’”. channel24 (2012年7月22日). 2012年7月26日閲覧。
- ^ “Dirty Harry - Page 2”. The Daily Beast (2009年1月26日). 2012年7月6日閲覧。
- ^ “ダニエル・ラドクリフは英王室反対派? 祝賀コンサートからも外される”. MovieWalker (2012年6月10日). 2021年9月18日閲覧。
- ^ http://www.cinematoday.jp/page/N0020335
- ^ http://www.cinematoday.jp/page/N0022297
- ^ http://www.cinematoday.jp/page/N0026839
- ^ http://www.cinematoday.jp/page/N0027686
- ^ https://moviewalker.jp/news/article/18826/
- ^ “ダニエル・ラドクリフ、イギリスのリッチな俳優ナンバーワンに!全体では第5位”. シネマトゥデイ. (2011年5月9日) 2011年5月20日閲覧。
- ^ https://moviewalker.jp/news/article/23448/