メリダとおそろしの森
メリダとおそろしの森 | |
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Brave | |
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監督 |
マーク・アンドリュース ブレンダ・チャップマン |
脚本 |
ブレンダ・チャップマン アイリーン・メッキ |
製作 | キャサリン・サラフィアン |
製作総指揮 |
ジョン・ラセター ピート・ドクター アンドリュー・スタントン |
出演者 |
ケリー・マクドナルド エマ・トンプソン ビリー・コノリー ケヴィン・マクキッド クレイグ・ファーガソン ロビー・コルトレーン ジュリー・ウォルターズ ジョン・ラッツェンバーガー (日本語吹き替え版) 大島優子 山路和弘 塩田朋子 木村有里 内田直哉 天田益男 郷田ほづみ |
音楽 | パトリック・ドイル |
撮影 | ドン・バージェス |
編集 | ポール・ハーシュ |
製作会社 |
ピクサー・アニメーション・スタジオ ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ |
配給 | ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ |
公開 |
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上映時間 | 94分(短編を含むと101分) |
製作国 |
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言語 | 英語 |
製作費 | $185,000,000[1] |
興行収入 |
$538,983,207[1] 9億5000万円[2] ![]() |
前作 | カーズ2 |
次作 | モンスターズ・ユニバーシティ |
『メリダとおそろしの森』(メリダとおそろしのもり、原題:Brave)は、2012年に公開されたアメリカ合衆国のコンピュータアニメーション3D映画。
10世紀頃のスコットランドを舞台とする。ピクサー映画初のフェアリーテールであり、また初の女性が主人公且つ初のディズニープリンセスがヒロインの作品でもある[3]。これまでのピクサー作品よりも暗く大人向けの作品となる。
ウォルト・ディズニー・ピクチャーズのオープニングに最後に登場するディズニークレジットのロゴから「Walt」と「pictures」の表記が消え「disney」のみと変更された。また、本作のエンディングでは、2011年に死去したスティーブ・ジョブスへの追悼文が登場する。
第85回アカデミー賞では長編アニメ映画賞を受賞した。
音声にドルビーアトモスを採用した初の作品でもある。
あらすじ[編集]
舞台は千年前のスコットランド。ダンブロッホ王国の王女メリダは弓の名手で、自由を愛する活発な少女だった。しかし、メリダの母エリノア王妃は、王位継承者であるメリダを立派な王女に育てるために、日頃から厳しく接していた。
王国の平和を維持するためには、国の有力な三人の領主との同盟関係が重要だった。エリノア王妃は、メリダの夫を選ぶために、三人の領主とその息子たちを城に招き、武勇を競う競技会を催した。しかし、結婚を嫌がったメリダは競技会をぶち壊し、自分自身が優勝してしまった。
そしてメリダはエリノア王妃と口論の末、母の大切なタペストリーを切り裂き、愛馬アンガスを駆って城から逃げ出した。森で不思議な「鬼火」に導かれたメリダは、魔法を使う森の魔女と出会い、母の考えを変えさせる魔法を注文する。だが、魔女がかけた魔法は、エリノア王妃の姿を大きな熊に変えるというものだった。
メリダの父であるファーガス王は、かつて凶暴な熊のモルデューに左足を食い千切られたため、全ての熊を憎んでいた。口を利けない熊の王妃がファーガス王に捕まれば、すぐに殺されてしまう。メリダは、魔法を解く手がかりを求めて、熊の姿の母と共に森へ向かった。少ない手がかりを追ううちに、メリダと王妃は母と子の絆を取り戻して行く。そして、メリダが自分自身を見つめ直した時、運命も変わり、平和が蘇った。
登場人物[編集]
ダンブロッホ王国[編集]
- メリダ王女
- ピクサー史上初の女性主人公。また、ピクサー史上初のディズニープリンセスでもある。
- ダンブロッホ王国の自由を愛するお転婆な王女。乗馬が得意で弓の名手。一人称は「私」。
- 王位継承者にふさわしい勇気を備えているが、大人への一歩を踏み出すためにはある「重要なこと」を学ぶ必要があった。
- メリダは、2018年公開の『シュガー・ラッシュ:オンライン』にも登場している。
- エリノア王妃
- メリダの母であり、ダンブロッホ王国の王妃。
- メリダに王女としての教育を施し、伝統を逸脱した行動に反対する。
- ケーキを食べた後に熊に変身し、苦難の末にメリダと和解する。
- ファーガス王
- メリダの父であり、ダンブロッホ王国の王。凶暴な熊のモルデューと戦い、左足を失った。
- 三つ子
- ヒューバート、ヘイミッシュ、ハリス。
- いたずら好きなメリダの小さな弟たち。
王国の氏族[編集]
- ディンウォール卿
- ダンブロッホ王国の氏族「ディンウォール」の領主。
- 短気な性格で強がり。
- マクガフィン卿
- ダンブロッホ王国の氏族「マクガフィン」の領主。
- 巨体と金髪が特徴でスコットランドの強い訛りで話す。
- マッキントッシュ卿
- ダンブロッホ王国の氏族「マッキントッシュ」の領主。
- ピクト族のようなペイントを身体に施している細身の男。
- ディンウォール家の長男
- ダンブロッホ王国の氏族「ディンウォール」の長男。
- メリダの求婚者の1人で一万のローマ人に取り囲まれ、敵の大艦隊を右手で船の舵を取り、右手で無敵の剣を振り回し敵の船を全て沈めたらしいが、「マッキントッシュ」の氏族に疑われた。しかし、競技会に乱入したメリダによって打ち負かされ、求婚をぶち壊されてしまった。
- DVDに収録された短編アニメーション『モルデューの伝説』では、魔女の家を訪れるが、恐ろしい熊の伝説を聞かされ、逃げ帰る。
- マクガフィン家の長男
- ダンブロッホ王国の氏族「マクガフィン」の長男。
- メリダの求婚者の1人でバイキングの船を何艘も沈め、武器など使わず素手で二千の敵を倒したと、父親は主張している。しかし、競技会に乱入したメリダによって打ち負かされ、求婚をぶち壊されてしまった。
- 早口で方言を喋り、周りからは聞き取れない。
- マッキントッシュ家の長男
- ダンブロッホ王国の氏族「マッキントッシュ」の長男であり跡継ぎ。
- メリダの求婚者の1人で北方の侵略者から氏族の土地を守り、自らの剣である「流血の剣」を振るい千人の敵を倒したとされている。しかし、競技会に乱入したメリダによって打ち負かされ、求婚をぶち壊されてしまった。
その他[編集]
- おばあさん(森の魔女)
- 森の奥にある木彫りの店「クラフティー・カーバー」で熊の木彫りを作っている老婆。
- 運命を変えたいメリダに魔法のケーキを作る。
- モルデュー
- 本作のディズニー・ヴィランズ。
- 15フィートの黒い熊。かつてファーガス王の左足を食いちぎった。
- 失われた古代王国の王子だったが掟を破り、魔法で熊にされた。
- 最後はエリノアとの死闘の末岩に押しつぶされた。
- 鬼火(ウィル・オ・ザ・ウィスプ)
- ゆらめく青白い光。「見た者を運命へと導く」とされている。
- モーディ
- ダンブロッホ王国の召使。
- 三つ子の悪戯にうんざりしている。
- ディンウォールの巨人に愛されるという一面もある。
- アンガス
- メリダの愛馬。
- メリダの良き相棒で森を駆けるのが大好き。
- カラス
- おばあさんのペットのお調子者のカラス。
- エンディング後に、おばあさんの使いとして役目を果たす。
- マーティン
- ダンブロッホ王国の番人の一人。
- 昼寝が趣味で三つ子に右側の髭を斧で切られる。
- エンディング後にも登場する。
- ゴードン
- ダンブロッホ王国の番人の一人。
- 氏族がやって来た事を報告をする。
キャスト[編集]
役名 | 原語版 | 日本語吹替版 |
---|---|---|
メリダ 王女 | ケリー・マクドナルド | 大島優子(元AKB48) |
ファーガス王 | ビリー・コノリー | 山路和弘 |
エリノア王妃 | エマ・トンプソン | 塩田朋子 |
おばあさん(森の魔女) | ジュリー・ウォルターズ | 木村有里 |
ディンウォール卿 | ロビー・コルトレーン | 内田直哉 |
マクガフィン卿 | ケヴィン・マクキッド | 天田益男 |
マクガフィン家の長男 | 小森創介 | |
マッキントッシュ卿 | クレイグ・ファーガソン | 郷田ほづみ |
モーディ | サリー・キングホーン | 杉村理加 |
エリド・フレイザー | ||
幼少時代のメリダ | ペイジ・バーカー | 清水詩音 |
マッキントッシュ家の長男 | スティーヴン・クリー | 津田英佑 |
カラス | スティーブ・パーセル | 梅津秀行 |
ディンウォール家の長男 | カラム・オニール | 藤原堅一 |
マーティン | パトリック・ドイル | 多田野曜平 |
ゴードン | ジョン・ラッツェンバーガー | 根本泰彦 |
ヒューバート | 阿久津秀寿 | |
ハリス | ||
ヘイミッシュ | ||
モルデュー | フランク・ウェルカー | 原語版流用 |
アンガス |
日本語版制作スタッフ[編集]
- 演出:松岡裕紀
- 吹替翻訳:いずみつかさ
- 翻訳監修:Ian MacDougall
- 調整:Shepperton International
- 音楽スタジオ、録音スタジオ:スタジオ・エコー
- 制作監修:津司大三
- 制作総指揮:佐藤淳
- 日本語版制作:DISNEY CHARACTER VOICES INTERNATIONAL, INC.
製作[編集]
旧題は『The Bear and the Bow』。
ブレンダ・チャップマンは本作をハンス・クリスチャン・アンデルセンやグリム兄弟のような童話と考えている[4]。チャップマンはピクサー初の女性の監督となる予定であったが、2010年10月に降板が発表され、マーク・アンドリュースに監督を交代した[5]。降板の理由は明らかにされていない。チャップマンは製作上の対立により解雇されたものとみられている[6]。
また、チャップマン降板に合わせて、ピクサーを女性差別主義的と非難する声がインターネット上で挙がった[5]。
メリダ役には当初リース・ウィザースプーンが充てられていた[3]。
ドルビーラボラトリーズが2012年4月に新たに発表した「ドルビーアトモス」を初めて導入した作品である[7]。
興行成績[編集]
全世界で興行収入5億ドルを超える大ヒット作となったものの、日本では最終興行収入9億円にも届かないという対照的な興行成績をみせた[8][9]。
本作の公開以前に日本で公開されたピクサー映画はいずれも15億円を超す興行成績を残しているが、本作のみ9億円にも届いていない[9]。
トリビア[編集]
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ピクサー作品でおなじみであるトリビアの数々は、本作ではすべておばあさんの木彫り店に登場する。
- 『トイ・ストーリー』に登場するピザ・プラネットのトラックは、木彫りの置き物になっている。
- モンスターズインクおよびモンスターズ・ユニバーシティのサリーが、別の木彫りの置き物の中に絵として刻み込まれている。
- この店の扉の上には、赤いローマ数字で「ACXIII」、すなわち「A113」と刻まれている。アラビア数字以外の表記法でA113が登場したのは本作が初であり、発見するのは非常に困難である。
- 本作から日本語吹替版エンドロールのキャスト表記が日本版キャストになっている。
脚注[編集]
- ^ a b “Brave”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2013年2月25日閲覧。
- ^ 「キネマ旬報」2013年2月下旬決算特別号 215頁
- ^ a b Young, John (2011年3月28日). “Pixar's 'Brave': First Look art -- EXCLUSIVE PHOTOS”. Entertainment Weekly 2011年6月29日閲覧。
- ^ Vespe, Eric (2008年4月9日). “Quint discusses the Pixar half of the Disney Animation Presentation! UP! WALL-E! TOY STORY 3! NEWT! THE BEAR & THE BOW!”. Ain't It Cool News (Harry Knowles) 2011年6月29日閲覧。
- ^ a b “ピクサー初の女性監督が製作途中で降板 女性差別と非難する声も”. 映画.com (2010年10月25日). 2018年4月26日閲覧。
- ^ Sperling, Nicole (2011年5月25日). “When the glass ceiling crashed on Brenda Chapman”. ロサンゼルス・タイムズ 2011年9月8日閲覧。
- ^ “Pixar's Brave to debut new Dolby Atmos sound system”. BBC News. (2012年4月25日) 2012年4月26日閲覧。
- ^ 2012年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
- ^ a b 叶精二 (2014年7月15日). “[10]『メリダとおそろしの森』との相違点”. WEBRONZA. 2018年4月26日閲覧。
外部リンク[編集]
- メリダとおそろしの森
- メリダとおそろしの森 - Disney+
- メリダとおそろしの森 - allcinema
- メリダとおそろしの森 - KINENOTE
- Brave - オールムービー(英語)
- Brave - インターネット・ムービー・データベース(英語)
- Disney Pixar’s Brave: Official UK Podcast
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