バズ・ライトイヤー (映画)
バズ・ライトイヤー | |
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Lightyear | |
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監督 | アンガス・マクレーン |
脚本 | ピート・ドクター |
原作 |
ジョン・ラセター ピート・ドクター アンドリュー・スタントン ジョー・ランフト 「バズ・ライトイヤー」 |
製作 | ガリン・ズースマン |
出演者 | クリス・エヴァンス |
音楽 | マイケル・ジアッキーノ |
製作会社 |
ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ ピクサー・アニメーション・スタジオ |
配給 |
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公開 |
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上映時間 | 105分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
前作 | 私ときどきレッサーパンダ |
次作 | エレメンタル |
『バズ・ライトイヤー』(原題: Lightyear)は、2022年のアメリカ合衆国のコンピュータ・アニメーションSFアクション映画。ピクサー・アニメーション・スタジオとウォルト・ディズニー・ピクチャーズが製作し、ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズが配給する。ピクサーの映画『トイ・ストーリー』シリーズのスピンオフ作品かつ前日譚。シリーズ1作目の世界で人気だったおもちゃのバズ・ライトイヤーの世界観で自身の原点を描いた作品。監督は長編映画デビュー作となるアンガス・マクレーン、主人公バズの声をクリス・エヴァンスが担当する。
あらすじ[編集]
スターコマンドのスペースレンジャーであるバズ・ライトイヤーと、彼の指揮官であり親友であるアリーシャ・ホーソーンは、新隊員のフェザリンガムスタンとともに、居住可能な惑星であるT'KaniPrimeを探索する。彼らは、惑星が敵対的な生命体をホストしていることを発見した後、探査船へ撤退するが、バズは撤退中に船に損傷を与えてしまい、修理を行い旅を続けるために乗組員を避難させる。
1年後、乗組員達は修理を行うために必要なインフラストラクチャとともに初期のコロニーを建設する。バズは、修理の重要な要素であるハイパースペース燃料をテストするボランティアをしていた。しかし、4分間のテストの後、彼は、相対論的な速度で移動したことによる時間の遅れの影響により、T'KaniPrimeが4年経過したことに気付く。バズはロボット猫のソックスに紹介され、ハイパースペース燃料のテストを続けるが、全てのテストでT'Kani Primeはさらに4年が経過し、最終的に62年以上が経過してしまう。
声の出演[編集]
キャラクター | 原語版 | 日本語吹替[1] |
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バズ・ライトイヤー | クリス・エヴァンス | 鈴木亮平[2] |
イジー・ホーソーン | キキ・パーマー | 今田美桜[3] |
ソックス | ピーター・ソーン | 山内健司(かまいたち)[4] |
モー・モリソン | タイカ・ワイティティ | 三木眞一郎[5] |
ダービー・スティール | デール・ソウルズ | 磯辺万沙子[5] |
ザーグ | ジェームズ・ブローリン | 銀河万丈[5] |
アリーシャ・ホーソーン | ウゾ・アドゥーバ | りょう[5] |
アイヴァン | メアリー・マクドナルド=ルイス | 沢城みゆき[5] |
カル・バーンサイド中佐 | イザイア・ウィットロック・Jr | 間宮康弘 |
エリック / デリック | アンガス・マクレーン | ケンコー |
フェザリンガムスタン | ビル・ヘイダー | 清水裕亮 |
ディアス航空士 | エフレン・ラミレッツ | 小松史法 |
幼いイジー | キーラ・ヘアーストン | 御園紬 |
製作[編集]
開発は、『ファインディング・ニモ』(2003年)の続編『ファインディング・ドリー』(2016年)の仕事を終えた後に始まった。『ドリー』をアンドリュー・スタントンと共同監督した後、アンガス・マクレーンは、アンディ・デイビスが初代『トイ・ストーリー』(1995年)でどんな映画を見てバズ・ライトイヤーのアクションフィギュアに興味を持ったのかをずっと気になっていたことから、バズ・ライトイヤーの映画化のアイデアを提案することになった。SFファンでもあるマクレーンは、ピクサーで働き始めた頃からライトイヤーというキャラクターに魅力を感じており、この映画のストーリーが自分にとって非常に「個人的」なものであると感じていたという。「トイ・ストーリー」作品に存在する側面のうち、ライトイヤーが探求しているのは、現実の本質をめぐるバズの意見の相違であり、それが彼の英雄的な理想と相まって、SFの決まり文句の融合をもたらし、マクレーンはそれを単なるオチ以上のものにしようと考えたのである[6]。
2019年2月には、映画でバズの声を務めたティム・アレンが、「やらない理由が見当たらない」として、もう1作やることに興味を示した[7]が、本作が当初は実写化の予定で『4』までとは違うチームが参加する事や、ウッディ無しの続編は有り得ないと考え「やる事は何もない」と参加する意思が無かったと公開後に明かした[8]。
同年5月の「エレンの部屋」で、ウッディの声を担当したトム・ハンクスは、『トイ・ストーリー4』(2019年)がフランチャイズの最終作になると語った[9]が、プロデューサーのマーク・ニールセンは、ピクサーがその可能性を排除していないとして、5作目の可能性を明かした[10]。
2020年12月、ディズニーの投資家向け説明会において、『バズ・ライトイヤー』は、人間のバズ・ライトイヤーの宇宙的な起源を描いたスピンオフ映画であることが発表され、クリス・エヴァンスがキャラクターの声を務めることになった[11]。
公開[編集]
2022年6月17日に米国で劇場公開された。日本では7月1日に公開[12]。
ピクサーの長編映画が日本で7月に公開されるのは2019年公開の『トイ・ストーリー4』以来3年ぶりとなる。また、新型コロナウイルスの影響によりアメリカ合衆国や日本などのDisney+サービス展開地域ではピクサーが製作した長編映画3作品[注 1]が映画館での公開はされずに同サービスでの配信作品としての公開を余儀なくされた[13][14][15]。そのため、2020年3月に公開された[注 2]4作品前の『2分の1の魔法』以来の劇場上映作品となった[17]。また、ピクサーの長編映画が同社と他社の短編映画と同時上映されなかったのは「私ときどきレッサーパンダ」に続き5作目となる。
2022年7月20日、ウォルト・ディズニー・カンパニーは本作品を同年8月3日からDisney+の見放題作品として追加することを発表した[18]。その後、ウォルト・ディズニー・ジャパンは日本のDisney+については同年8月24日から見放題独占配信を開始することを同月19日に発表した[19]。
上映禁止[編集]
イスラム圏である中東やアジアの一部地域[注 3]では本作品の上映が許可されなかったと2022年6月に報じられた。許可されなかった理由については公表されていないが、女性同士がキスを交わす場面があることから、イスラム教では禁忌とされている同性愛が問題視された可能性がある[20][21]。また、中華人民共和国(中国)でも当局が一部場面のカットを要求したが、ディズニー側が拒否したことから、同国での上映も絶望視されていると同月に報じられた[21]。
女性同士のキスシーンが描かれたことについて、一部の保守派が「子どもたちに同性愛を助長する」などと主張して作品を批判する動きをみせたが、バズ・ライトイヤーの声優を務めたクリス・エヴァンスは「本当のところ、あの人たちは大バカ者なんだ」「気弱で、無知で、昔の価値観にしがみつこうとする人たちは、いつだって存在するものです。でも、そういう人たちは、恐竜のように滅びていく。私たちが目指すのは、彼らを意に介さず、前進し、人間らしく成長することを受け入れることだと思います」と反論した[22]。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ “バズ・ライトイヤー -日本語吹き替え版”. ふきカエル大作戦!! (2022年7月1日). 2022年7月1日閲覧。
- ^ “鈴木亮平、バズ・ライトイヤー声優に決定!“おもちゃのバズ”のルーツ描く新作で名ゼリフも披露”. シネマトゥデイ. (2022年5月27日) 2022年5月27日閲覧。
- ^ “今田美桜、バズ・ライトイヤーの仲間イジーに! 原点を描く映画で、日本語吹替版に参戦”. 映画.com. (2022年6月3日) 2022年6月3日閲覧。
- ^ “かまいたち・山内健司『バズ・ライトイヤー』ソックス役の日本版声優に”. シネマトゥデイ. (2022年6月7日) 2022年6月7日閲覧。
- ^ a b c d e “りょう、三木眞一郎、磯辺万沙子ら『バズ・ライトイヤー』日本版声優5名発表”. シネマトゥデイ. (2022年6月15日) 2022年6月15日閲覧。
- ^ “DIRECTOR ANGUS MACLANE CALLS CHRIS EVANS 'SUCH A JOY' AS BUZZ IN 'LIGHTYEAR,' PIXAR'S LOVE LETTER TO SCI-FI ADVENTURE MOVIES”. Fandango Media (2021年10月27日). 2021年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月28日閲覧。
- ^ Libbey, Dirk (2019年2月7日). “Toy Story 5? Here's What Tim Allen Says”. CinemaBlend. 2019年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月30日閲覧。
- ^ “『バズ・ライトイヤー』バズの声交代、元祖ティム・アレンが初コメント!「理由」を明かす | TRILL【トリル】” (日本語). TRILL. 2022年7月1日閲覧。
- ^ Kinane, Ruth (2019年5月22日). “Tim Allen warned Tom Hanks about the emotional ending to Toy Story 4 before he read it”. Entertainment Weekly. 2021年10月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月29日閲覧。
- ^ Bonomolo, Cameron (2019年5月26日). “Pixar Not Ruling Out Toy Story 5”. ComicBook.com. 2019年6月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月12日閲覧。
- ^ Jackson, Angelique (2020年12月10日). “Chris Evans to Voice Buzz Lightyear in Pixar's 'Lightyear,' Disney Announces 'Encanto' With Music by Lin-Manuel Miranda”. Variety. 2020年12月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月11日閲覧。
- ^ “『バズ・ライトイヤー』バズと仲間たちの冒険は7月1日、幕を開ける!”. アニメージュプラス (2022年2月12日). 2022年4月26日閲覧。
- ^ “ディズニー&ピクサー『ソウルフル・ワールド』劇場公開を見送り、Disney+配信に”. THE RIVER (2020年10月9日). 2022年4月26日閲覧。
- ^ “「ブラック・ウィドウ」、7月に公開延期 ディズニー+で同時配信”. ロイター通信. (2021年3月24日) 2022年4月26日閲覧。
- ^ “ディズニー&ピクサー最新作『私ときどきレッサーパンダ』日本でもディズニープラス独占配信に変更 ─ 劇場公開は見送り”. THE RIVER (2022年1月13日). 2022年4月26日閲覧。
- ^ “ディズニー&ピクサー映画『2分の1の魔法』新しい公開日は8・21”. ORICON NEWS (2022年4月26日). 2021年7月16日閲覧。
- ^ “トムホ&クリプラが兄弟役!ピクサー新作『Onward』予告編が公開”. シネマトゥデイ (2019年5月31日). 2022年4月26日閲覧。
- ^ “Disney+@disneyplusのツイート”. Twitter (2022年7月20日). 2022年7月20日閲覧。
- ^ “ディズニープラスにて、映画「バズ・ライトイヤー」の見放題独占配信が決定 8月24日スタート”. GAME Watch (2022年8月19日). 2022年8月19日閲覧。
- ^ “UAE、『バズ・ライトイヤー』上映禁止 女性同士のキス問題視か”. AFP通信 (2022年6月14日). 2022年6月15日閲覧。
- ^ a b “「バズ・ライトイヤー」、14カ国で上映禁止 同性カップル描写巡り”. ロイター通信. (2022年6月14日) 2022年6月15日閲覧。
- ^ “同性キスシーンを批判する人は「大バカ者」。バズ・ライトイヤー主演俳優がピシャリと反論”. HuffPost (2022年6月17日). 2022年6月27日閲覧。