Houdini

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
Houdini
開発元 Side Effects Software
最新版
16.5 / November 7, 2017
対応OS Windows, macOS, Linux
種別 3DCGソフトウェア
ライセンス プロプライエタリ
公式サイト www.sidefx.com/ja
テンプレートを表示

Houdini(フーディニ)は、3DCGソフトウェアの一つである。カナダトロントのSide Effects Software社によって開発・販売されている。もともとはPRISMSというソフトの改変によって開発された。Houdini Apprenticeと呼ばれるバージョンは、非商用であれば無料でダウンロードし使用できる。

概要[編集]

Houdiniは他の統合型3DCGソフトウェアと比較して破壊的モデリング機能が劣るものの、高度な各種物理現象のシミュレーション機能があるため映画テレビCMVFX制作で多用されている。また、高度なプロシージャルモデリングが可能であり、ゲーム業界でも普及が進んでいる[1]

キャラクターアニメーション周りも筋肉シミュレーション[2]や群集シミュレーション[3]などの高度な機能を搭載している。

オペレータ (演算子)[編集]

Houdiniのプロシージャルな性質は、そのオペレータ (演算子) 群に見られる。一般的にデジタルアセットはオペレータ(またはOP) のシーケンスを接続することで構築される。このプロシージャル性には以下のようないくつかの利点が存在する: 他のパッケージに比べて比較的とても少ないステップで高精細の幾何学的な、又は有機的なオブジェクトを構築可能、非線形な開発を可能にし促進させる、新しいオペレータが既存のオペレータに基づいて作成可能であり、他のパッケージでカスタマイズのために良く使われている非プロシージャルなスクリプト作成の柔軟な代替物となる。Houdiniはこのプロシージャルなパラダイムテクスチャシェーダパーティクル、「チャンネルデータ」(アニメーション駆動用データ)、レンダリングコンポジットの至る所に使用している。

Houdiniのオペレータベースの構造は幾つかの主要なグループに分かれている:

  • OBJ – 変形情報を渡すノード (伝統的にSOPも含まれている)
  • SOP – Surface Operators – プロシージャルモデリング向け。
  • POP – Particle Operators – パーティクル・システムの操作に使われる。
  • CHOP – Channel Operators – プロシージャルアニメーション及びオーディオ操作向け。
  • COP – Composite Operators – 映像のコンポジットを行うのに使われる。
  • DOP – Dynamic Operators – 流体、クロス、剛体の相互作用などの動的シミュレーション向け。
  • SHOP – Shading Operator – 幾つかの異なるレンダラーの多数の異なるシェーディング型の表現向け。
  • ROP – Render Operators – 異なるレンダーパス及びレンダー依存関係を表現するネットワークの構築向け。
  • VOP – VEX operators – 高度に最適化されたSIMDアーキテクチャーを使用して上記の型のノードを構築すること向け。
  • TOP - Task Operators[4]
  • LOP - Lighting Operators - キャラクター、小道具、照明、レンダリングを記述するUniversal Scene Descriptionの生成向け。

レンダラー[編集]

レンダラーには独自レンダラーのMantra及びKarmaが搭載されている。

Mantra[編集]

Mantraはレイトレースレンダリングとマイクロポリゴンレンダリングの両方のレンダリング手法に対応したレンダラーであった[5]。Houdini 18以降は大きな開発が終了しており、今後はバグ修正のみ行われる予定[6]

シェーディングモデルは物理ベースシェーディングと非物理ベースシェーディングの両方に対応していた[5]

Mantraは以下のサードパーティー製レンダラーとの間に一部の互換性が存在する:

  • mental ray - mental rayの記述ファイル形式 .mi からOTL形式への変換を行うためのmidsがHoudiniに付属している[7]
  • RenderMan互換レンダラー - RenderMan互換レンダラーで使われているシーン形式 RIB の読み込みに対応[8]
    • RenderMan - RenderManのシェーダーバイナリ形式 .slo からOTL形式へと変換を行うためのslo2otl.py (旧rmands) がHoudiniに付属している[9][10]
    • 3Delight - 3Delightのシェーダーバイナリ形式 .sdl からOTL形式へと変換を行うためのsdl2otl.pyがHoudiniに付属している[10]

Karma[編集]

KarmaはSideFX Solarisで使うことができる新たなパストレースレンダラーである。未だベータ版であり、Mantraに比べてテクスチャベイキングやディープ画像英語版出力などの機能が不足している[11]。今後GPUレンダリングに対応予定となっている[11]

Houdini GL[編集]

Houdini GLはSideFX Solarisで使うことができるOpenGLベースのリアルタイムレンダラーである。

外部レンダラー[編集]

その他、Houdiniでは内部レンダラーのMantra及びKarmaだけでなく、以下の外部レンダラーを使用することもできる。

現行
ベータ版
廃止
  • appleseed (houseed)

バージョン履歴[編集]

バージョン名 リリース日 主な新機能 OSシステム Houdini FX版の価格 (USD) 備考
Houdini 1.0 1996年10月2日 IRIX $ 9,500 SIGGRAPH 1996
Houdini 2.0 1997年8月5日 IRIX
Houdini 2.5 1998年3月28日 Windows NT対応 IRIX, Windows NT
Houdini 3.0 1999年10月2日 IRIX, Windows NT
Houdini 4.0 2000年7月24日 Linux対応 IRIX, Windows NT, Linux $ 17,000
Houdini 5.0 2002年3月12日 IRIX, Windows NT, Linux $ 16,000
Houdini 5.5 2002年5月14日 IRIX, Windows NT, Linux $ 16,000
Houdini 6.0 2003年5月8日 IRIX, Windows NT, Linux
Houdini 6.5 2004年4月16日[要検証] IRIX, Windows NT, Linux
Houdini 7.0 2004年9月20日 IRIX対応の取り止め Windows NT, Linux
Houdini 8.0 2005年10月6日 Windows NT, Linux $ 17,000
Houdini 9.0 2007年9月20日 新UI Windows NT, Linux
Houdini 9.1 2008年1月30日 Windows NT, Linux
Houdini 9.5 2008年7月17日 OSX対応 Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 10.0 2009年4月16日 Pyro FX Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 11.0 2010年7月27日 Flip Fluids Windows NT, Linux, MacOS $6,695
Houdini 12.0 2012年3月1日 Bullet RBD Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 12.1 2012年8月7日 Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 12.5 2013年3月14日 VDB対応、Polysoups、Wrangle Nodes Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 13.0 2013年10月31日 FEMソルバー、Packed Primitives Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 14.0 2015年1月15日 PBD Grain Solver、Crowd Tools Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 15.0 2015年10月15日 Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 15.5 2016年5月19日 Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 16.0 2017年2月21日 新しいNetwork Editor、Node Shapes Windows NT, Linux, MacOS $6,995
Houdini 16.5 2017年11月7日 Windows NT, Linux, MacOS $6,995
Houdini 17.0 2018年10月10日 Vellum Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 17.5 2019年3月13日 Procedural Dependency Graph (PDG) Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 18.0 2019年11月27日 Solaris Windows NT, Linux, MacOS
Houdini 18.5 2020年10月17日 KineFX Windows NT, Linux, MacOS

導入事例[編集]

ハリウッドでは『X-MEN2』や『エルム街の悪夢』、『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』、『トロン: レガシー』、『カーズ2』などの映画で使用されている。

日本国内でも映画『THE LAST MESSAGE 海猿』や『SP 革命篇』、ジブリ作品『ギブリーズ』(カレーの場面での蒸気エフェクト)、大友克洋作品『スチームボーイ』などで使用されている。

Houdiniを教える学校[編集]

脚注[編集]

  1. ^ プロシージャルコンテンツ生成の可能性に沸くゲーム業界~Tokyo Houdini Meetup Vol.1レポート Born Digital 2018年1月18日
  2. ^ Muscles Side Effects Software
  3. ^ Crowd basics Side Effects Software
  4. ^ https://vimeo.com/322225534
  5. ^ a b Understanding mantra rendering Side Effects Software
  6. ^ SideFX ships Houdini 18 CG Channel 2019年11月27日
  7. ^ 『Houdini On the Spot: Power User Tips and Techniques』 P.154 Craig Zerouni 2007年8月20日 ISBN 978-0240808628
  8. ^ Delayed Read Archive VOP node Side Effects Software
  9. ^ 『Houdini On the Spot: Power User Tips and Techniques』 P.169 Craig Zerouni 2007年8月20日 ISBN 978-0240808628
  10. ^ a b Rendering with RenderMan Side Effects Software
  11. ^ a b Karma Renderer FAQs Side Effects Software

外部リンク[編集]