Universal Scene Description

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Universal Scene Description
拡張子 .usd、.usda、.usdc、.usdz
開発者 ピクサー
種別 3Dファイル形式
Universal Scene Description
開発元 ピクサー
最新版 18.11 / 2018年10月10日(10か月前) (2018-10-10
リポジトリ github.com/PixarAnimationStudios/USD/
サポート状況 Active
種別 3Dライブラリ
ライセンス Modified Apache 2.0 License
公式サイト graphics.pixar.com/usd/docs/index.html
テンプレートを表示

Universal Scene Description (USD、ユニバーサル・シーン・デスクリプション、万能シーン記述) は、ピクサーの開発した3Dシーングラフ形式及びその形式を扱うプログラム群である。

USD形式[編集]

USD形式はモダンなシーングラフ形式であり、アセットの異形 (バリアント) [1]やアセットの外部参照、アセットのオーバーライドなどに対応している。USD形式にはテキスト形式 (usda) 、バイナリ形式 (usdc)、アーカイブ形式 (usdz)が存在する。

USDファイルの中に含めることのできる情報はスキーマによって定義されており、拡張可能となっている。

主なスキーマ[編集]

  • ジオメトリ (UsdGeom)
  • ライト (UsdLux)
  • シェーディング / マテリアル (UsdShade)
  • スケルトン (UsdSkel)
  • UI (UsdUI)

USDライブラリ[編集]

USDライブラリ群はUSD形式を取り扱うためのライブラリであるが、シーングラフのリアルタイム及びオフラインレンダリングに対応するHydraも含まれている。USDライブラリでHydraを使用するアプリケーションは、Hydraレンダーデリゲートに対応する多数のレンダーバックエンドを使用することができる。

レンダーバックエンド[編集]

以下はHydraレンダーデリゲートに対応するレンダーバックエンドである。

  • 公式
    • HdStream (Hydra GL) - USDに含まれているOpenGLバックエンド。
    • HdEmbree - USDに含まれているレイトレーシングレンダープラグインであり、IntelのEmbreeライブラリを元にしている。
    • HdPrman (RenderMan Hydra Delegate) - RenderManを使用するためのバックエンド。USD 19.07以降に含まれている[2][3]
  • サードパーティー
    • HydraNSI - NSIインターフェースに対応するレンダラーを使用するためのプラグイン。オープンソース[1]。NSIインターフェース対応のものには、物理ベースレンダラーの3DelightNSIがある。3DelightNSIは無料版も存在する。
    • Radeon ProRender for USD - オープンソースの物理ベースレンダラーのRadeon ProRenderを使用するためのプラグイン[4]
    • HdOSPRay - オープンソースのCPUレンダラーであるOSPRayを使用するためのプラグイン[5]

歴史[編集]

USDはPixar独自のジオメトリキャッシュシステムである「TidScene」と、独自の3Dアニメーションツールである「Presto」(旧Marionette (Menv)[6]) のコア部分を統合するために開発された[7]。また、USDのレンダーエンジンであるHydraはPrestoに搭載されていた旧来のレンダーエンジンの後継として開発され[8][9]、GPUベースでRenderManのプリミティブに対応した[10]

2016年、PixarはUSDをオープンソースとしてリリースした[11]

用途[編集]

上位レベル3D APIとしての使用[編集]

USDライブラリはレンダリング機能を持つシーングラフAPIであるため、OpenSceneGraphなどのシーングラフAPIの代わりとして使用することができる。3DライティングソフトのKatanaはビューポートにおいて従来のOpenSceneGraphベースのものに代わりUSDライブラリのHydraベースのものを採用した[12]

ファイル交換形式としての使用[編集]

USD形式は拡張可能であるため、レンダラー固有のマテリアルパラメータのような従来のファイル交換形式 (FBX形式等) では受け渡せない情報を詰め込むことが可能となる。例えば3DレンダラーのArnoldに対応するものとしてusd-arnoldが存在する。

また、AL_USDMayaでは複雑なリグなどの情報をUSDに詰め込むことも行われている[13]

シーンキャッシュとしての使用[編集]

USD形式はシーンキャッシュ形式であるAlembic形式の代わりとして注目されている。USD形式へと対応した3DCGソフトウェアClarisseの開発元Isotropixのテストによれば、USD形式の読み込みはAlembic形式の読み込みに比べて50倍高速になるケースもあるとされる[14]

レンダリング中間形式としての使用[編集]

USD形式はレンダリング中間形式であるRIB形式 (RenderMan Interface Bytestream)の代わりとしても注目されている。今後3DレンダラーのRenderManは中間インターフェースにおいてRIB形式の代わりにUSDベースの新インターフェースであるRILEYを用いる予定となっている[15]

製作パイプラインでの使用[編集]

対応ソフトウェア・プラグイン[編集]

以下はUSDに対応するソフトウェア及びプラグインである。

  • 公式
    • USDView - USDに含まれている単体USD形式ビューワ。
    • Maya USD Plugins - Maya
    • Houdini USD Plugins - Houdini
    • Katana USD Plugins - Katana
  • サードパーティ (標準対応)
    • Unreal Engine 4.18以降 (Epic Games) - USDインポータが内蔵されている[16]
    • Unity 2019.1以降 - パッケージマネージャーからインストール可能[17]。インポートだけでなくエクスポートにも対応している[17]
    • Katana 3.0以降 (Foundry) - ライティングソフトウェア。3.0以降でUSDを使用するようになり、Hydraベースのビューポートが追加された[18]
    • Gaffer - オープンソースのライティングソフトウェア。USDに標準対応している[19]
    • Clarisse iFX 4.0以降 (Isotropix) - ライティングソフトウェア。4.0でUSDに標準対応した[20]
    • ARKit 2以降 (Apple) - iOS向けの拡張現実(AR) SDKであり、AR Quick Look機能がusdz形式に対応している。
  • サードパーティ (その他)
    • AL_USDMaya (Animal Logic) - Maya用[13]。オープンソース[2]
    • USD-Arnold (Luma Pictures) - Maya及びKatana用。
    • OpenWalter (Rodeo FX) - Houdini、Katana及びMaya用。
    • USD For Unity (Unity Technologies Japan) - Unity用。オープンソース[3]

採用例[編集]

以下の映画の製作に使われた。

出典[編集]

  1. ^ Overview and Purpose Pixar
  2. ^ Pixar Animation Studios Releases RenderMan 22.5 Pixar 2019年5月8日
  3. ^ USD - Change Log Pixar
  4. ^ Radeon ProRender updated for 3ds Max, Maya and Blender CG Channel 2018年11月17日
  5. ^ Intel unveils HdOSPRay and OpenVKL CG Channel 2019年6月4日
  6. ^ [GTC 2014]職人芸集団のPixar,NVIDIAのGPUとゲームグラフィックス技術でCG制作環境のリアルタイム化を目指す 4Gamer.net 2014年4月3日
  7. ^ USD: What's the Point, and Why Isn't it Alembic ? Pixar
  8. ^ GPU Technology Conference 2015 - Hydra (Video) Pixar 2015年
  9. ^ GPU Technology Conference 2015 - Hydra (Slide) P.3 Pixar 2015年
  10. ^ GPU Technology Conference 2015 - Hydra (Slide) P.8 Pixar 2015年
  11. ^ Pixar open-sources its Universal Scene Description CG Channel 2016年7月27日
  12. ^ Q100393: What's New in Katana 3.0 Foundry 2019年2月14日
  13. ^ a b c Open source release of USDMaya plugin: AL_USDMaya by Animal Logic fxguide 2017年8月19日
  14. ^ Isotropix ships Clarisse iFX 4.0 CG Channel 2019年2月1日
  15. ^ Look At RenderMan 22 and beyond fxguide 2018年5月2日
  16. ^ Unreal Engine 4.18 Release Notes Epic Games
  17. ^ a b Pixar’s Universal Scene Description for Unity out in Preview Unity Technologies 2019年3月28日
  18. ^ Foundry releases Katana 3.1 CG Channel 2018年11月29日
  19. ^ SceneReader イメージエンジン
  20. ^ Isotropix ships Clarisse iFX 4.0 CG Channel 2019年2月1日

外部リンク[編集]