Blender

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Blender
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Blender 2.92.0 screenshot.png
Blender 2.92
開発元 Blender Foundation
初版 1998年1月1日 (23年前) (1998-01-01)[1]
最新版 2.92.0 - 2021年2月25日 (2か月前) (2021-02-25)[2] [±]
リポジトリ ウィキデータを編集
プログラミング
言語
CC++Python
対応OS WindowsmacOSLinuxFreeBSD
プラットフォーム クロスプラットフォーム
種別 統合型3DCGソフトウェア2Dアニメーション制作ソフトウェア、スカルプトモデリングソフトウェア、VFXソフトウェア動画編集ソフトウェア
ライセンス GNU General Public License v3 or later[注 1][3]
公式サイト blender.org
テンプレートを表示

Blender(ブレンダー)とは、オープンソースの統合型3DCGソフトウェアの一つであり、3Dモデリング、モーショングラフィックス、アニメーション、シミュレーション、レンダリングデジタル合成 (コンポジット)などの機能を備えている。

また、バージョン2.8以降は2D Animationテンプレートを持っており、2Dアニメーション制作ソフトとして使うことも容易になっている。

特徴[編集]

一般的な3DCGソフトウェアと比較すると軽量でライセンス料が無料なことから、アマチュア層に普及が進んでいる[4]

操作面では、バージョン2.7x系までは「オブジェクト(個々の3Dモデル)は右クリックで選択」が基本という、他の大半のソフトウェアと異なる点が特徴の一つ(選択に用いる際のマウスボタンクリックの右と左を入れ替える事は、バージョンを問わずユーザー設定にて可能)であったが、バージョン2.8x以降は「左クリックで選択・右クリックでサブメニュー」という、一般的なソフトウェアの操作に倣っている。

FreeCADなどマウスの操作体系をBlenderと同じ仕様に変更できるCADソフトもある。

対応ハードウェア及び推奨環境[編集]

BlenderはWindows(バージョン7、8.1、10)、macOS(10.13以上)、Linuxなど複数のOS環境上で動作する (クロスプラットフォーム)[5]。ダウンロード可能なバイナリにはポータブル版 (Windowsでは.zip、Linuxでは.tar.xz) 、インストーラー版、各ストア版(Microsoft Store/Snap Store/Steam)が用意されている。

Blenderの動作には少なくとも10年未満の新しいハードウェアが必要となる (下記の最小動作環境参照)[5]グラフィックカードについてはプロ向けの3DCGソフトウェアで推奨されるNVIDIA Quadroよりゲーム向けであるNVIDIA GeForceの方が、世代は最新よりも1世代前の方がレンダリングが速いという結果もある[6]

BlenderのUIは3ボタンマウス及びペンタブレットに最適化されている。2ボタンマウスやトラックパッドでは内蔵の3ボタンエミュレーション機能を使う必要がある[7][8]。またBlenderは3Dマウス (NDOFデバイス) にも対応している[8]

部品 最小動作環境[5] 推奨動作環境[5] 快適動作環境[5]
CPU 64ビット 2コア 2Ghz(SSE2対応) 64ビット 4コア 64ビット 8コア
DRAM 4 GB 16 GB 32 GB
GPU VRAM 1GB(OpenGL 3.3以上) VRAM 4GB VRAM 12GB
ディスプレイ 1280px×768px Full HD(1920px×1080px) Full HD (複数)
ポインティングデバイス マウス、トラックパッド又はペンタブレット 3ボタンマウス又はペンタブレット 3ボタンマウス及びペンタブレット

スタジオにおける導入状況[編集]

3DCG業界やアニメ業界ではMaya3ds Maxが標準となっているが[9]、近年では機能が強化されたことで利用する動きもある[10]

  • アニメ制作会社・カラーと、その子会社であるプロジェクトスタジオQは、従来使用してきた3ds MaxからBlenderへの移行を進めており、制作中の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』においてもBlenderの「実地検証」を実施している[11]。また、両社はBlender財団への賛同と開発資金の提供を発表した[12][13]
  • 2018年公開のネクスト ロボではblenderが全面的に使用された[14][15]
  • Goodbye Kansa Studioは、Unity の Adam デモ、Walking dead season 8などでblenderを採用した[16]
  • Ubisoft Animation Studio は2020年より社内の3Dソフトウェアを全面的にblenderに移行することを表明した[17]

機能[編集]

下書き、ストーリーボード及び手描きアニメーション[編集]

Grease pencilの例。キャラクターはGrease pencilオブジェクトと板ポリゴン、自転車は3Dモデルで作成されている。

Blenderは2D/3Dベクターペイント及びアニメーションのためのGrease Pencil(グリースペンシル)機能を有している。この機能は直接3D空間内に手描きことが出来、それに対し3D空間での移動・変形やライティング等を含めた撮影が可能となっている[18]。この機能は3Dモデリングのための下書き、ストーリーボード[19][20]手描きアニメーションなどに利用できる。またストロークはリギングできるため、カットアウトアニメーションを作ることも可能となっている[21]

2Dアニメーションに向けて、2D Animationテンプレートが付属している。またボックス変形、キャンバス回転、ブラシパックのインポートなどに対応するGrease Pencil Toolsアドオンも搭載されている。

画像入力・画像トレス・ライン抽出[編集]

BlenderはPNG形式などのラスタ画像(ビットマップ画像)の入力に対応しており[22]、Grease Pencilはそのラスタ画像をベクター化する画像トレス機能を有している[23]Potrace英語版ベース)。ただし可能なのはアウトライン(輪郭線)化のみであり、線画トレスで使われるセンターライン(中心線)のベクトル化には未対応となっている。

また、Blender 2.93以降のGrease Pencilはベクター画像SVG形式の入力や、3Dからのライン抽出(LineArt機能)にも対応する予定となっている。

作画・彩色[編集]

ベクタ自体の生成はドローモードで、生成後の編集はエディットモード・スカルプトモードでおこなわれる[24]。2Dレイヤー機能を持っており、下描きレイヤーで下描きした後、線画レイヤーで線画作業することも可能となっている。

Grease Pencilマテリアルはストローク(線)とフィル(面)にテクスチャを指定することができ、それによってアナログ画材風にすることができる。またストロークとフィルの色は単一色だけでなく頂点カラーで指定することもできる。頂点カラーで指定する場合はシーン内に大量のマテリアルを作成する必要性が低くなる。

動画・撮影[編集]

Grease Pencilは前後の参照フレームを表示するためのOnion Skinning機能を有している。また、フレーム補間(interpolation)機能も有しており、セルアニメにおける中割り(動画工程)を自動で行うことが可能となっている[25]

Grease Pencil オブジェクトはメッシュやライトなどのように単独のオブジェクトであるため、3D空間に配置され移動や撮影が可能である。また視覚エフェクト(Visual Effect)機能も有しており、透過光(グロー)などの撮影処理がリアルタイムに可能となっている。

ベクター出力[編集]

Blender 2.93以降のGrease Pencilはベクター画像のSVG形式およびPDF形式での出力に対応する予定となっている。出力した画像または動画はAcrobat ReaderInkscapeKritaAdobe IllustratorPhotoshopToon Boom Harmonyなど様々なソフトウェアで取り扱うことが可能となっている[26]

モデリング[編集]

ツール毎に独自の操作ウィジェットを持つポリゴンモデリング機能、カーブモデリング機能、非破壊で様々な効果を加えるモディファイア機能、高度なスカルプトモデリング機能などを備えている。

またモデリング用として、様々な有償・無償アドオンが存在する。

Blender2.90でのモデリングツール
名称 効果
押し出し フリー、または軸に沿って面や点などを押し出す。
面を差し込む 選択した面に新しい面を挿入する。
ベベル 選択物を一定の角度でカットし、斜面や溝を作成する。
ループカット オブジェクトに一周辺を入れる。
ナイフ メッシュに切り込みを入れる。
ポリビルド 頂点の編集や面の作成などができる。
スピン 円を描くように選択した頂点を押し出す。
スムーズ 選択した頂点の角度を滑らかにする。
辺をスライド 辺をスライドする。
縮小/膨張 選択した点を法線に沿って拡大縮小する。
せん断 画面の水平方向に選択物をせん断する。
領域リップ ポリゴンを引き裂き、移動する。

スカルプトツール[編集]

スカルプトモードが搭載されており、形状をスカルプトして有機的な形状を作成できる。タブレット入力に対応しており、筆圧に応じたスカルプトが可能となる(傾きには未対応)。スカルプトモデリング用のテンプレートも搭載されている。

直感的に布の物理演算を行うことができるSculpt Cloth機能もある[27]。2.91でプラスチックのような可塑性に対応した。

プロシージャルモデリング[編集]

モディファイアが搭載されており、オブジェクトの様々な非破壊的変形が可能となっている。

2.92ではGeometry Nodesモディファイアが搭載され、ノードベースの非破壊編集も可能となった。また外部アドオンにはノードベースでプロシージャルモデリング/アニメーションが可能なSverchokアドオン、Sorcarアドオン、Animation Nodesアドオンもある。

ヘアーツール[編集]

blenderのヘアーツール

パーティクルを利用した毛髪の編集に対応している。リアルタイムにヘアシェーダーを当てることも可能となっている。

UV展開・編集[編集]

UDIMを使用したモンスター。4Kの法線マップを5枚使用している。

UV編集では自動展開、ライブ展開、UVスカルプトなどに対応している。UVマップ形式はUDIMに対応しており、Ptexには未対応となっている。

UVの機能を強化するアドオンのMagic UVが搭載されている。

シェーディング及びルックデブ[編集]

リアルタイムレンダラーのEEVEEやインタラクティブレンダリング可能なパストレースレンダラーのCyclesが搭載されており高速なルックデブが可能となっている。

シェーダーでは各種物理ベースシェーダーのほか、ノードベースでのシェーダー作成や、Open Shading Languageによるテキストベースのシェーダー作成も可能となっている。

3Dペインティング[編集]

基本的な3Dペイント機能が搭載されている。

3Dレイアウト及び入出力[編集]

Blender には独自のファイルブラウザ及び各種インポーター/エクスポーターが搭載されている。Blender 2.93 ではアセットシステム及びアセットブラウザも搭載される予定。アセットブラウザではアセットのドラッグ&ドロップが可能。

ネイティブ形式の入出力[編集]

.blend 形式
拡張子.blend
開発者Blender Foundation
種別3Dシーン形式

Blenderのネイティブ形式は独自の .blend 形式となっている。.blend 形式ではバージョンによって細かな仕様が異なっているものの、変換などによりなるべくバージョン間の互換性が確保されるようになっている。

.blend 形式にはUIの状態、各種データブロック(シーンやオブジェクトやマテリアルなど)、埋め込みファイル(テキストやテクスチャなど)の情報を含んでいる。また2.93以降は任意のデータブロックをアセット化して説明やタグ付けすることが可能となる予定。なお.blend 形式では単独シーンだけでなく複数のシーンを含むことができる。

Blenderでは外部 .blend ファイルに含まれている任意のデータブロックを個別に追加またはリンクすることが可能となっている。ライブラリオーバーライドにも対応しており[28]、リンクしたデータブロックの任意のパラメータの上書きが可能となっている。

非ネイティブ形式の入出力[編集]

ファイルのインポート及びエクスポートではオートデスクFBX形式、クロノス・グループCOLLADA (.dae) 形式およびglTF形式などの代表的な3Dシーン及びモデル形式、ジオメトリキャッシュのAlembic形式(.abc)の読み込み及び書き出しが可能となっている。また、Universal Scene Description (USD) 形式でのエクスポートにも対応している。

CADファイルのインポートではDXF形式を入出力するためのAutoCAD DXFアドオンも搭載されている。外部アドオンには建物情報モデル (BIM)で使われるIFC形式などを入出力するためのBlenderBIMアドオン、地理情報システム(GIS)で使われるGeoTIFF形式などを読み込むためのBlenderGISアドオン、写真測量で使われる形式を読み込むためのblender-photogrammetryアドオン[29]やBlender-Addon-Photogrammetry-Importerアドオン[30]化学ファイル形式英語版を読み込むためのChemicals in Blenderもある。

対応するテクスチャ画像形式および動画形式[編集]

テクスチャ画像ではOpenEXR形式、DDS形式、Photoshop PSD形式を始めとする様々な画像形式の読み込みに対応している。

また動画や音声ではFFmpegのライブラリを使用しているため、様々なフォーマットやコーデックの動画や音声の読み込みが可能となっている。

スキャッタリング[編集]

Blenderではヘアパーティクル機能を使うことでオブジェクトのスキャッタリングが可能となっている[31]。また2.92以降はGeometry Nodesが搭載され、それによってノードベースのオブジェクトのスキャッタリングも可能となった[32]

階層構造[編集]

2Dドローツールのように階層化が可能。実装当初はレイヤーという機能で、後にコレクションという機能に統合されている。

アニメーション[編集]

単純なアニメーション、Python式を使った連動アニメーション (ドライバー[注 2])、スケルタルアニメーション (ボーンアニメーション)などに対応している。

スケルタルアニメーションではフォワード・キネマティクス英語版 (FK・順運動学)、インバース・キネマティクス英語版 (IK・逆運動学)の両方に対応している。IKソルバーにはBlender独自のものとiTaSCベースのもの[33]が搭載されている。ジョイント・コンストレイント英語版を含む様々な拘束が可能。

シミュレーション[編集]

流体シミュレーション

シミュレーションにはBulletベースの剛体シミュレーション[34]、独自の布・軟体・ヘアシミュレーション、Mantaflowベースの流体シミュレーション (液体・気体)[35]などが搭載されている。

レンダリング[編集]

レンダリングエンジンの項で詳述

ポストエフェクト及びコンポジティング[編集]

ノードベースのコンポジット機能を搭載しており、様々な画像処理が可能となっている。OpenCLによるGPU処理に対応している。ディープコンポジティングには対応していないが、Cryptomatteには対応している。

また、2D/3Dモーショントラッキング、ロトスコープなどのVFXに必要となる機能及びVFXテンプレートも搭載されている。

VR[編集]

VR Oculus Tram Station

2.83以降にはVR表示に対応するVR Scene Inspectionアドオンが搭載されている[36]。この機能にはOpenXR対応のヘッドマウントディスプレイ (HMD) デバイス (OpenXR#対応ハードウェア参照) が必要となる[37]

なお入力デバイスにはまだ対応しておらず開発中となっている(xr-actions-D9124ブランチ)。

スクリプティング及びアドオン作成[編集]

スクリプトエディター画面

BlenderはPythonスクリプトを使用してエディタやオペレーターを拡張することができる。標準ワークスペースにはPythonスクリプトを編集するためのScriptingワークスペースが用意されている[38]

Scriptingワークスペースには構文強調に対応したテキストエディタ、Pythonコンソール、操作ログなどが用意されている。

PyCharmEclipse/PyDev英語版などの外部エディタを使ってPythonスクリプトを編集することも可能となっている。この場合、コード補完にはfake-bpy-moduleなどの外部モジュールを使う必要がある[39]。またリモートデバッグにはremote_debugger.pyなどが必要となる[40]

なお、Blenderは7割前後のコードがC言語で書かれており2割前後のコードがC++で書かれている[41]ものの、C言語やC++でアドオンを作成するため機構やSDKは用意されていない。PythonからC/C++で書かれたダイナミックライブラリを呼び出し、as_pointer()メンバ関数で主要構造体のポインターを取得しダイナミックライブラリ側へと渡すことは可能[42]なものの、構造体の定義などは自前で行う必要がある。

動画編集[編集]

動画編集用の Video Sequence Editor (VSE) 機能およびVideo Editingテンプレートが搭載されている。プロキシ編集に対応している。

動画編集を強化するアドオンのBlender Power Sequencerも付属している。

2019年に機能自体の削除が検討されたが、協議の末今後も拡張することとなった。

3D印刷[編集]

3D印刷に向けて編集モードのMesh Analysisオーバーレイ[43]や3D-Print Toolboxアドオン[44]などのメッシュ解析・クリーンアップ機能が搭載されている。ただし直接3D印刷を行うことは出来ない。

廃止された機能[編集]

ゲームエンジン[編集]

UPBGE
開発元 UPBGE team
最新版
0.2.5 / 2020年4月23日 (12か月前) (2020-04-23)
リポジトリ github.com/UPBGE/upbge
プログラミング
言語
CC++Python
対応OS WindowsmacOSLinuxFreeBSD
プラットフォーム クロスプラットフォーム
種別 ゲームエンジン、ゲームエディター
ライセンス GPL 2.0かそれ以降、GPL 3.0
公式サイト upbge.org
テンプレートを表示

2.7xまではゲームエンジン機能を内蔵しており、ロジックノードやPythonスクリプトを利用することでインタラクティブなコンテンツを制作することが可能であった。2.8ではゲームエンジン機能が一旦削除されたものの、今後インタラクティブモードが再度追加される予定となっている。

なお、2.8xで旧来のゲームエンジンが使用できる派生版のUPBGEも存在する。

レンダリングエンジン[編集]

cyclesをビューポートで利用

Workbenchはビューポート向けの作業用レンダラーであり、Eeveeは高度なリアルタイムレンダラーとなっている。CyclesはGPU/RTX英語版対応のパストレーシングレンダラーであり、オフラインレンダリング向けとなっている。これらレンダラーはビューポート上のプレビュー表示でも使うことが出来る。

CyclesとEeveeの間にはレンダリング手法が異なることもあり、マテリアルなどの非互換性が多少存在する[45][46][47]

機能比較
機能 Workbench EEVEE Cycles
基本アルゴリズム ラスタライズ ラスタライズ[47] パストレーシング英語版[47]
レンダリングモデル 非物理的 物理的
速度 リアルタイム リアルタイム / ニアリアルタイム インタラクティブ / オフライン
デバイス 基本的にGPU[注 3] CPU/GPU/RTX英語版
環境遮蔽英語版 (AO) No スクリーン空間[47] (GTAO[48]) 3D空間[47]
大域照明 No ライトプローブ[47] 単方向パストレーシング英語版 / 分岐パストレーシング
反射 / 屈折 No スクリーン空間反射 (SSR) / 反射プローブ[45][47]
シャドウボリューム英語版 Cascaded Shadow Map / Contact Shadows
表面下散乱 No Separable Subsurface Scattering (スクリーン空間[45]) 拡散モデル / パストレースSSS (Random Walk方式)
異方性反射 No No[46] Yes
ヘア / ファー No No[46] Chiangモデル[49]
ボリュームの多重散乱 No No[45] Yes
ディスプレイスメント(変位 No No[46] Yes
コースティクス No No Yes
魚眼 / パノラマレンズ No No[45] Yes
被写界深度 (DOF) Bokeh DOF[50] 近似[47] (2.93以降はDiaphragm DOF[51]) 正確[47]
モーションブラー No Accumulation Motion Blur / Post-Process Blur[52] 3Dモーションブラー
アンチエイリアス SMAA / TAA 時間的アンチエイリアス英語版 (TAA)[53] ピクセルフィルター
AOV出力 No 2.92以降 Yes
Cryptomatte出力 No 2.92以降 Yes

なお、過去のレンダラーにはスキャンライン/レイトレーシングハイブリッドレンダラーのBlender Internalが存在した。Blender Internalはバージョン2.8で削除された。

Cycles[編集]

Cycles Render Engine
開発元 Blender Foundation
最新版
v1.11.0 / 2020年1月13日 (15か月前) (2020-01-13)
リポジトリ developer.blender.org/diffusion/C/ (独立版)
developer.blender.org/diffusion/B/browse/master/intern/cycles/ (内蔵版)
プログラミング
言語
C++OpenCLCUDA
対応OS WindowsmacOSLinuxFreeBSD
プラットフォーム クロスプラットフォーム
種別 3Dレンダラー
ライセンス Apache License 2.0
公式サイト developer.blender.org/tag/cycles/
テンプレートを表示

Blender 2.61以降に付属しているオープンソースのパストレーシングレンダリングエンジン。Blender本体から半独立しており、Blender以外のソフトウェアにも使われるようになっている:

レンダリングアルゴリズムは単方向パストレーシングと分岐パストレーシングに対応している。

モーションブラー、ヘアー、ボリュームなどに対応している。Open Shading Languageにも対応している(CPUレンダリングのみ)。

マルチGPU及びCPU+GPUハイブリッドレンダリングをサポートしている。GPUレンダリングでもCPUメモリの使用英語版が可能であり、速度の低下はあるもののGPUのVRAM容量を越える大きなシーンのレンダリングが可能となっている (OpenCL未対応)[57]

レンダーファームを作成することも可能だが、ネットワークレンダリングや分散レンダリング(Distributed Rendering)には標準で未対応となっている。

機能比較[57]
機能 CPU CUDA OpenCL OPTIX
Open Shading Language (OSL) Yes No No No
高度なボリュームサンプリング Yes No No No
分岐パストレーシング Yes Yes Yes No
テクスチャベイク Yes Yes Yes 2.92以降CUDAにリダイレクト[58]
CPUメモリの使用英語版
Yes No Yes

また実験的機能として適応細分割 (Adaptive subdivision)が存在する[59]

Eevee[編集]

リアルタイムPBRレンダラー。バージョン2.8から付属。

Workbench[編集]

ビューポート用のレンダリングエンジン

ベンチマーク[編集]

Blender Benchmark
開発元 Blender Foundation
初版 2018年8月10日 (2年前) (2018-08-10)[60][61]
最新版
2.0.5 / 2020年2月28日 (14か月前) (2020-02-28)
リポジトリ git.blender.org/gitweb/gitweb.cgi/blender-open-data.git
プログラミング
言語
CC++Python
対応OS WindowsmacOSLinux
プラットフォーム クロスプラットフォーム
種別 ベンチマーク
ライセンス GNU General Public License (テストシーンはCC0)[60]
公式サイト opendata.blender.org
テンプレートを表示

BlenderのCyclesレンダラー用のベンチマークツールとしてBlender Benchmarkが用意されており、これによりシーンのレンダリングにかかる時間を計測することができる。計測データのアップロードにも対応しており、アップロードされたデータはBlender公式のOpen Dataサイトで閲覧可能となっている[60]

2.0時点でベンチマークに使われるシーンは以下の6つとなっている:

Python環境 / API[編集]

Blenderには独立したPython環境が搭載されており、Python言語を使用して独自のスクリプトや拡張アドオンを作成することが可能となっている (2.93以降はCythonも搭載される予定)。

BlenderのPython環境には標準で数学モジュールのNumPy[62]/mathutils/bl_mathや、低レイヤーグラフィクスモジュールのbgl/gpu/gpu_extras、アプリケーションモジュールのbpyなどが搭載されている[63]。それ以外の拡張モジュールを使うためにはpipなどを使って外部パッケージをBlenderのPython環境にインストールする必要がある。

BlenderのPython APIではアプリケーション情報にbpy.app経由でアクセスする[64]

import bpy
print(bpy.app.version_string) # Blenderのバージョンを表示

開いているファイルの全データにはbpy.data経由でアクセスし、操作中のデータにはbpy.context経由でアクセスする。データの変更はbpy.msgbusで受け取ることが可能。

import bpy
print(bpy.data.objects['Cube'].location) # 'Cube'オブジェクトの位置を表示
print(bpy.context.active_object.rotation_euler) # 選択中のオブジェクトのオイラー角を表示

オペレータの実行はbpy.ops経由で行う。

import bpy
bpy.ops.transform.resize(value=(2, 2, 2)) # 選択中のオブジェクトを二倍に拡大

オペレータは自前で追加することも可能である。

import bpy

def main(context):
    for ob in context.scene.objects:
        print(ob)

class SimpleOperator(bpy.types.Operator):
    """ツール tip"""
    bl_idname = "object.simple_operator"
    bl_label = "Simple Object Operator"

    @classmethod
    def poll(cls, context):
        return context.active_object is not None

    def execute(self, context):
        main(context)
        return {'FINISHED'}

def register():
    bpy.utils.register_class(SimpleOperator)

def unregister():
    bpy.utils.unregister_class(SimpleOperator)

if __name__ == "__main__":
    register()

    # test call
    bpy.ops.object.simple_operator()

バージョン履歴[編集]

2004年、2.33から物理ライブラリのライセンス問題によりオープンソース化してから長く取り外されていたゲームエンジンが再統合された。

バージョン2.5系列では、UIの一新、Maya FluidやFume FXのような本格的な流体システムに加え、ほぼ全機能の近代化改修、ブラッシュアップが行われ、2011年4月に初の安定版がリリースされた。

バージョン2.6系列では、2.61においてレンダラであるCyclesやダイナミックペイント、海洋シミュレーション、カメラトラッキング等、他のハイエンドツールにも匹敵する機能を追加し、また、2.63では新しいメッシュ編集構造であるBMeshの統合もされた。

国際化と地域化[編集]

日本語環境は2.49aまでは貧弱だったが、2.49bにて2ちゃんねるのBlenderスレッドの有志が制作・配布した詳細な日本語翻訳テーブルが公式採用された事で強化された。 その後、バージョン2.5系列で国際化がなくなり日本語環境での使用はできなくなっていたが、GSoC2011にて国際化され、平行して日本の有志により再び日本語対応が行われ、バージョン2.60にて公式に日本語環境が復活した。

翻訳作業は公式が配布するi18nアドオンで行う[65]

歴史[編集]

Ton Roosendaal 2018 (ZkKPXn6QBx8)

Blenderの前身であるTracesは、オランダのCGスタジオ、NEOGEO社の共同創設者の一人であるトン・ローセンダール (Ton Roosendaal) によって、AmigaOS向けのレイトレーシングレンダラーとして開発され、後にSGI IRIXへと移植された。その後、Tracesのソースコードは書き直されて、Blenderとなった。

1998年、トン・ローセンダールはインハウス・ツールとして使用されてきたBlenderの開発・外販を行う為にNot a Number Technologies (NaN)社を設立した。Windows版も用意され、ラジオシティ機能などを実装した有料版と無料版の二種を展開した。

2001年、NaN社は、Web3Dに向けて、Blender Webプラグインのベータ版をリリースした[66]が、セキュリティの問題から頓挫した。2002年インターネット・バブルの崩壊と共にNaN社は倒産し、Blenderのソースコードは債権者の手に渡ってしまう。しかし開発途上にあったBlenderを手放すことができなかったトン・ローセンダールはBlender Foundationを設立するため、"ソースコード解放"を合言葉に大々的な募金キャンペーンを行い半年で10万ユーロを世界中から集結させ、ソースコードを再びその手に取り戻した。

そして現在までBlenderは、GPLの下にオープンソースウェアとして開発・無償配布されている。ソースコードのコメントがオランダ語で書かれていた上に、プログラム自体が定石から外れた組み方をしていたため、開発を引き次いだ有志は他OSへの移植などで苦戦したという。

2002年5月、Blender Foundationアムステルダムに設立された。

2006年3月、Blender Foundation は最初の映画である、Elephants Dreamを公開した。Elephants Dreamの成功を受け、以降のコンテンツ作成プロジェクトを制作するBlender Instituteが開設された。

2008年、UI一新などを目的とするBlender 2.5の開発が開始された。バージョン2.4系は2009年のBlender2.49をもって開発終了し、2011年に2.5系の初の安定板となるバージョン2.57がリリースされた。バージョン2.5系は2018年の2.79bをもって開発終了し、2019年7月にリアルタイムレンダラ「Eevee」やフィジカルベースドレンダリング(PBR)などに対応した2.8系の初の安定版となるバージョン2.80がリリースされた。高機能化に伴って企業ユーザーが増加し、特定の版における機能の凍結と長期サポート(Long-term support)を求める企業ユーザーからの要望により、2.8系は2020年5月リリースの2.83において「LTS版」として機能が凍結され、今後の開発はバグの修正のみとなった。新機能の実装はバージョン2.9系としてなされることになり、2020年9月にバージョン2.90がリリースされた。

2018年6月、YoutubeによってBlenderの使用方法を解説する動画がブロックされ、広告付きでの公開を要求された。これをBlender Foundationが拒否したところ、次々と他のBlenderチャンネルの動画がブロックされる事態となった。ローセンダールは抗議動画をYoutubeにアップロードし、それまでの動画をBlender cloudに移行することとした。[67]

2.8系をLTS版とすることで、2.9系においては実験的機能の投入がやりやすくなるとのことで、バージョン2.9系ではアセット管理システム、ライブラリのオーバーロード、あらゆるシステムのノード化(ノードエディターで編集できるようにする)、などと言った、現代の3DCGソフトに求められる(競合ソフトに搭載されているような)多くの機能を搭載する予定。バージョン2.9系は2021年リリースのバージョン2.93をもって凍結し、2021年には21年ぶりのメジャーバージョンアップとなるバージョン3.0系のリリースが予定されている。

ブレンダー開発基金[編集]

Blender財団の主な収入源は寄付であり、一般ユーザーでも6ドルから寄付できる[68]

2019年7月、Unreal Engineの開発元のEpic Gamesが epic mega grant において、120万ドルを支援することを発表した[69]

2020年8月、Unity開発元の Unity Technologiesは、Patronメンバーとして支援を表明した。

2020年11月、Spark ARを擁するFacebookは、Patronメンバーとして基金への参加を表明した[70]

2020年12月、Amazon Web ServicesのThe Creative Team ジェネラルマネージャーであるKyle Rocheは、AWSがPatronメンバーとして今後最低3年間支援していくことを表明した。発表では特にキャラクターアニメーションを強化する前提での支援である旨が強調されている[71][72]

企業メンバーシップ[編集]

企業メンバーはblenderチームの戦略会議に出席したり、ロードマップ、優先度の決定に参画することができる[73]

プラン
メンバーシップ 費用(ユーロ) 特典
Bronze 6,000 開発者1人月
Silver 12,000 開発者2人月
Gold 30,000 開発者6人月
Patron 120,000 開発者12人月以上
Patron Corporate Gold Corporate Silver

Blender Cloud[編集]

Blender Cloud
URL cloud.blender.org
タイプ 共有・管理
現在 活発

Blender CloudはBlender Institute が運営する有料ウェブサービスである[74]。Blender Cloudアドオンも公開されており、Blender内から機能の一部を利用できる。月額の利用料は9.9ユーロ。

2020年12月から2021年の10月まで継続してBlender Cloudに加入すると、Blender Studioの新作オープンプロジェクトである、Sprite Frightのエンドロールに名前がクレジットされるキャンペーンが行われている[75]

以下のサービスが利用できる

  • トレーニング動画の閲覧
  • オープンプロジェクトの制作風景の映像や資料の閲覧
  • オープンプロジェクトで使用されたアセット、.blendファイルの入手
  • HDR画像、パブリックドメインのテクスチャー素材のダウンロード
  • Private Projects (10GBのストレージ)
  • Blender Sync (Blenderの設定のクラウド上での同期、無料)
  • Attract (映像、ゲーム製作用のプロジェクト管理ソフト)
  • Flamenco (レンダーファームの管理ソフト)

派生版[編集]

Bforartists[編集]

BforartistsはUIの改良に焦点を当てたBlenderの派生版である[76]。多数のアイコンの追加などが行われている[76]

UPBGE[編集]

関連ソフトウェア[編集]

Attract[編集]

Attract
開発元 Blender Animation Studio
リポジトリ git.blender.org/gitweb/gitweb.cgi/attract.git
プログラミング
言語
PythonJavascriptSass
対応OS Linux
種別 プロダクション/タスク管理
ライセンス GNU General Public License
公式サイト attract.studio
テンプレートを表示

AttractはWebベースのプロダクション/タスク管理ツールである[77][78]。元々Tears of Steel英語版のために作られ、その後も改良が続いている[78]

Blender Cloudに統合されており、Blender Cloudアドオンから使用することが出来る[79]

Attractを使って作られたムービーには以下がある:

Flamenco[編集]

Flamenco
開発元 Blender Institute
リポジトリ git.blender.org/gitweb/gitweb.cgi/flamenco.git
プログラミング
言語
PythonJavascriptSass
対応OS Linux
種別 レンダーファーム管理
ライセンス GNU General Public License
公式サイト www.flamenco.io
テンプレートを表示

FlamencoはWebベースのレンダーファーム管理ツールである[78]。複数拠点レンダリングに対応している[78]

Blender Cloudに統合されており、Blender Cloudアドオンから使用することが出来る[79]

参考画像[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ GPLv2+とApache License 2.0の組み合わせ
  2. ^ 2.4x以前はIpo Driver
  3. ^ GPUが無い場合はソフトウェアレンダリングにも対応している(Mesa 3D経由など)。

出典[編集]

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  79. ^ a b Blender Cloud adds Production Tracking and Render Management Blender Nation 2017年7月12日
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外部リンク[編集]