Cinema 4D

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
MAXON CINEMA 4D
開発元 MAXON Computer GmbH
最新版 R15 / 2013年9月3日
対応OS Mac OS X, Microsoft Windows
種別 3DCGソフトウェア
ライセンス プロプライエタリ・ソフトウェア
公式サイト MAXON CINEMA 4D
テンプレートを表示

CINEMA 4D(シネマフォーディー)はドイツのMAXON Computer社による3次元コンピュータグラフィックスソフトウェア。 一般的にC4Dと略される。

概要[編集]

一般的な商用3DCGソフトウェアと同様に、ポリゴンやNURBSを用いたモデリング、キャラクタアニメーション、グローバル・イルミネーションアンビエントオクルージョンなどを利用したレンダリングなどが可能な機能を備え、3ds MaxMaya等の間でデータのインポート/エクスポートが可能である。R11.5までは各種拡張機能をモジュールとして追加購入可能であり、予算に応じた構成が選択できたが、R12からは拡張機能の分売は行われず、4種類のグレードに簡素化された。(詳細は後述)

また、Pythonや独自のプログラミング言語であるC.O.F.F.E.E.を利用したプラグイン開発が可能であり、サードパーティー製の有料プラグインやユーザによるフリーのプラグインがWeb上で公開されている。

元々、CINEMA 4Dは1990年代初頭にAmiga向けとして開発されたソフトウェアであり、バージョン2まではAmigaのみがサポートされていた。 しかし、コモドールの倒産以降はAmigaの将来性に対する不安から、MAXONはWindowsおよびMacintoshにおいても動作するCINEMA 4Dをリリースする事となり、V4以降からはAmigaのサポートが行われなくなった。

モジュール[編集]

R11.5までのCINEMA 4Dは以下のようなモジュールによる機能拡張が可能であった。

  • Advanced Render - グローバル・イルミネーションHDRI、コースティクス、アンビエントオクルージョン、空のシミュレートが可能なレンダラー
  • BodyPaint 3D - UVWマップへ直接ペイント可能なツール。現在は本体に統合されている。実質的な機能としてはCINEMA 4D PrimeとBodyPaint 3Dは同一であるが、初期設定のUIに差がある。
  • Dynamics - 剛体およびソフトボディの物理演算モジュール
  • Hair - 髪や草のシミュレータ
  • MOCCA - キャラクタアニメーションや衣服のシミュレータ
  • MoGraph - モーショングラフィックスにおけるモデリングやアニメーションを簡略化するモジュール
  • NET Render - レンダーファームのようにネットワークで接続されたコンピュータ間で分散レンダリングを行うためのモジュール
  • PyroCluster - 煙および炎のシミュレータ(R10より、PyroClusterはAdvanced Renderに統合された)
  • Sketch & Toon - トゥーンレンダリングを行うモジュール
  • Thinking Particles - 拡張されたパーティクルシミュレータ

R12以降はこれらのモジュール単位による機能拡張が廃止され、以下の4つのグレードのみとなった。

  • Prime(CINEMA 4D本体部分のみ)
  • Broadcast(映像、モーショングラフィックス向け)
  • Visualize(建築パース用途向け)
  • Studio(全機能を含む最上位グレード)

バージョンの変遷[編集]

1990
  • ChristianとPhilip LoschがレイトレーシングレンダラをKickstart誌の月間プログラミングコンテストに投稿し、優勝する。
1991
  • FastRay (CINEMA 4Dの初期の名称) がAmiga向けにリリースされる。
1993
  • CINEMA 4D V1がAmiga向けにリリースされる。
1994
  • CINEMA 4D V2がAmiga向けにリリースされる。
1995
  • CINAMA 4D V3がAmiga向けにリリースされる。V3はAmiga向けの最終バージョンとなる。
  • CINAMA 4DをWindows/Macintosh向けにリリースする計画が立てられ、開発が開始される。
1996
  • CINEMA 4D V4 がWindows, Alpha NT, Macintosh向けにリリースされる.
  • マルチプロセッサのサポートが開始される。
1997
  • CINEMA 4D XL V5がリリースされる。
1998
  • CINEMA 4D SE V5がリリースされる。
1999
  • CINEMA 4D GO V5 および CINEMA 4D NETがリリースされる。
2000
  • CINEMA 4D XL V6がリリースされる。
  • BodyPaint 3Dが利用可能になる。CINEMA 4Dに統合されたものと他の3DCGアプリケーション向けのスタンドアロン版の2種類が用意された。
2001
  • CINEMA 4D ARTが導入される。
  • PyroClusterとDynamicsモジュールが導入される
  • CINEMA 4D XL R7が海外市場へ輸出される。
2002
  • Advanced Render, PyroCluster, MOCCA , Thinking Particlesなどの新規モジュールと共に、CINEMA 4D R8がリリースされる。
2003
  • CINEMA 4D R8.5がリリースされる。
  • BodyPaint 3D R2がリリースされ、Sketch and Toonモジュールが導入される。
2004
  • CINEMA 4D R9がリリースされる。
2005
  • CINEMA 4D R9.5がリリースされる。
  • Hairモジュールが導入される。
2006
  • CINEMA 4D R9.6がリリースされる。
  • MoGraphモジュールが導入される。
  • BodyPaint 3Dと統合されたCINEMA 4D R10がリリースされる。
2007
  • CINEMA 4D R10.5がリリースされ、Hairモジュールの最適化と同様にMOCCAとMoGraphの機能アップグレードがなされた。
2008
  • CINEMA 4D R11がリリースされる。
  • Apple G5およびIntelベースのMacにおける64-bit環境をサポート。
  • Advanced Renderにおけるグローバル・イルミネーションの品質向上が実施される。
2009
  • CINEMA 4D R11.5がリリースされる。
  • バケットレンダリングのサポートによって所要時間の短縮やメモリ管理の効率化が図られた。
2010
  • CINEMA 4D R12がリリースされる。
  • ダイナミクスおよびレンダラ関連の改善が実施された。また、リニアワークフローやライトにおけるIESデータ、OpenGL 3がサポートされた。
  • Pythonが統合された。
  • PowerPCのサポートが打ち切られた。
2011
  • CINEMA 4D R13がリリースされる。
  • フィジカルレンダーが搭載された。
2012
  • CINEMA 4D R14がリリースされる。
  • スカルプトモデリングが可能になった。
2013
  • Adobe After Effects CC(Creative Cloud)において、CINEMA 4DとAfter Effects間の3Dライブパイプライン「CINEWARE」とCINEMA 4Dの機能制限版である「CINEMA 4D Lite」が搭載される。[1]
  • CINEMA 4D R15がリリースされる。
  • レンダリング、タイポグラフィ関連の処理などが改善された。

無償学生版[編集]

2010年6月1日[2]から日本市場においてMAXON Computer Japanが中学校、高等学校、大学、大学院、専門学校(全日制)の学生を対象に最上位エディションのStudioを非商用利用に限定した上で無償配布しており、対象となる学生は郵送にて申請し、後日メールでシリアルキーとダウンロードURLを受け取ることによってCINEMA 4Dを利用することができた。2012年9月以降からはドイツのMAXON Computer本社が全世界で学生への無償配布を開始した[3]ため、日本市場独自の無償配布は終了しドイツの本社へWeb上で申請する形式に変更となった。(メールでシリアルキーとダウンロードURLを受け取る点に変更はない。)[4]無償学生版に機能制限は殆どないが、シリアルを必要とするプラグインは利用できない[5]ことに加え、タイトルバーに「無償学生版」と表示され、起動時および終了時にも学生版の商用利用は禁止である旨のダイアログボックスが表示されるなど、通常版といくつかの差異がある。また、バージョンについても基本的には最新のものが提供されるが、通常版のリリースからは数か月遅れて配布される。同様の取り組みはライバル企業のAutodeskでも行われている。

CINEBENCH[編集]

MAXON CINEBENCH
開発元 MAXON Computer GmbH
最新版 R15 / 2013年9月27日[6]
対応OS Mac OS X 10.6以降, Microsoft Windows Vista/7/8
種別 ベンチマークソフトウェア
ライセンス プロプライエタリ・ソフトウェア
公式サイト MAXON CINEBENCH
テンプレートを表示

CINEMA 4Dのレンダラーをベースにしたベンチマークソフト CINEBENCH (シネベンチ)もMAXON公式サイトにて配布されている。

CPU性能やグラフィックスカードのOpenGL性能を計測することが可能であり、特定のハードウェアに最適化されていないため、CINEMA 4Dを導入しようと検討しているユーザだけでなく、自作PC関係の雑誌やコミュニティ上での性能比較用としてよく用いられる。 2010年2月にR11.5がリリース[7]されてから長らくバージョンアップが行われず、2013年9月にR15がリリースされたように、CINEMA 4Dの最新版とCINEBENCHの最新版が必ずしも連動しているわけではない。

ベンチマーク計測項目
  • CPU性能 - 約28万ポリゴンあるシーン(静止画)のフォトリアルレンダリング処理におけるパフォーマンスを計測する。結果はポイントとして表される[6]
  • グラフィックスカードのOpenGL性能 - カーチェイスシーン(動画)におけるOpenGLレンダリングのパフォーマンスを計測する。結果は1秒あたりのフレーム数(フレームレート)で表される[6]

R11.5とR15のテスト内容は同一であるが、アルゴリズムが変更されているためベンチマークのスコアは双方の間で比較することができない[6]。R11.5で計測した従来の環境と新しい環境を比較する場合、従来の環境においてもR15でベンチマークを実行する必要がある。

脚注[編集]

[ヘルプ]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]