REエンジン

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REエンジン
RE ENGINE
開発元 カプコン
初版 2017年1月26日
プラットフォーム PlayStation 4
PlayStation 5
PlayStation VR
Xbox One
Xbox Series X/S
Nintendo Switch
WindowsSteamMicrosoftストア
macOSAppleシリコン
Google Stadia
Amazon Luna
アーケード
サポート状況 世界の旗
種別 ゲームエンジン
ライセンス プロプライエタリ・ライセンス
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REエンジン(アールイーエンジン)は、カプコンが開発したゲームエンジン

カプコン公式サイトにおける表記は「RE ENGINE」とアルファベット大文字であり、この表記で商標登録もされている。(商願:2020-026438)

概要[編集]

元々は『バイオハザード7 レジデント イービル』のために開発された次世代型ゲームエンジンで、 Panta Rhei英語版開発プロジェクトを一度仕切り直して再出発したものである[1]

当時、バイオハザードシリーズは高い人気を得ていたものの、次第にグラフィック面のクオリティーにおいて、競合と差別化することが出来なくなりつつあった。また、制作陣の目指している圧倒的に高品質な作品を作るには、既存のゲームエンジン「MT Framework」では不可能なレベルに達しつつあった。

カプコンが開発に目指したのは、「フォトリアルなグラフィックエンジン」と「説得力の高い世界観をイメージさせること」の完成であった[2]

『7』の後も、『バイオハザード RE:2』や『デビルメイクライ5』、『バイオハザード RE:3』、『バイオハザード ヴィレッジ』、『バイオハザード RE:4』などでも使用されている。また、Nintendo Switch向けシリーズにも導入された。

REの意味[編集]

GDC 2017にて開催されたセッション「Reliving the Horror:Talking "Resident Evil" forward by Looking Back」で明かされたところによれば、「RE」は「バイオハザードシリーズ」の海外名称に含まれる「Resident Evil」と一致するが、公式には偶然の一致と否定された[2]

REには複数の意味が込められており、「Revolution」(革命・大変革)もその1つである。また、カプコン社内で最も認知されているものが、月に手をかざしているロゴマークが象徴している「Reach for the moon」(不可能に挑戦する)である。他にも多くの意味が、“RE”には込められているという。

開発経緯[編集]

カプコンでは、タイトルごとに共通ライブラリをカスタムしながらゲーム開発を行なっていたが、2005年頃に社内において「エンジンの共通化」を求める声が高まったことから、MT Frameworkの開発がスタートした。以後、このゲームエンジンを使用して『バイオハザード6』(2012年)や『ロックマン11 運命の歯車!!』(2018年)などのゲームが制作された。

MT Frameworkの問題点
15年という長期にわたって使用され、数々の大ヒット作品を産み出して、売上に寄与してきた「MT Framework」であったが、運用上ではいくつかの問題点が指摘されていた。
  1. 大幅な新機能の追加や仕様変更が困難であった。例えば、試作フェーズでは新機能を追加し、試行錯誤しながらの開発が望まれるが、量産フェーズに入ると仕様変更は好まれない。そのため、両フェーズが同時進行していると、バージョンアップは容易ではなかった。
  2. タイトルごとにエンジンコードの書き換えが行われていたため、互換性の喪失へと繋がっていた。また、エンジンやゲーム内の不具合を見つけたり、それに起因するバグ改善などについても各ゲームで個別に行わなければならず、非効率的であった。
REエンジンの設計方針
MT Frameworkにおける反省点を踏まえて、「REエンジン」は新たに再設計された。設計に際しては、以下の2つの指針が立てられた。
  1. 高速なイテレーション(開発サイクル)を実現し、生産性を向上させること。
  2. 独自のエンジンコード書き換えを禁止し、1つのエンジンで全てのタイトルを開発できるようにすること。

使用作品[編集]

出典[編集]

関連項目[編集]