ヒロイン

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ヒロイン(heroine)とは、

  • その勇気やとびぬけた業績や気高い特質で称賛されている女性[1]
  • 書物演劇作品・映画などに登場する女性の中の主たる人物(キャラクター)で、典型的には、良い性質を備えていて、読者・観客が共感することを想定されている人物のこと[1]
  • ギリシア神話など)超人的な性質を備え、しばしば半神の女性。典型的には、ギリシア神話でさまざまな善行を行うそれ[1]


概要[編集]

heroine ヒロインという言葉はさまざまな意味で用いられている。heroineというのは基本的には「hero ヒーロー」の女性形である。

女性の英雄
勇気・実績・人格に優れた女性。Oxford dictionaryにも書かれているように、「ヒロイン」の意味は基本的に、実績や人格に優れた女性のことであるを示す。
ある意味で、女性の英雄である。日本語には「女傑」という言葉もある。
色恋ごとを排した物語では、女性が(男性とはまったく無関係に、仲間の女性などとともに、女性だけで)偉業をなしとげてゆく、という設定になっている場合がある。
主人公の相棒
主人公が二人組で活躍するいわゆるバディもので、主人公の相棒が女性の場合。
女性の重要人物
作中における女性キャラクターの中で主要な役割を果たす女性。ストーリー内で重要な秘密を握る、強い影響力を持つ、行動や事件の契機になるなどの女性を指す。女性のキーパーソン
なお、重要な女性キャラクターが2人以上いた場合、メイン-サブと位置づけ、「メインヒロイン」「サブヒロイン」という用語が使われる場合がある。意味は「メイン」「サブ」の名称に準拠する。
主人公の恋愛対象
主人公の次に重要な存在であり、主人公との会話・イベントシーンが非常に多いため、最終的には恋仲になるケースが非常に多い。上記のようなキーパーソンと呼ばれる女性である、無いにかかわらず、物語開始時点で主人公と恋人同士であるか物語が進むにつれて恋愛感情を持つようになる女性や、女性への恋愛感情をまだ持っていない主人公に先立って彼への恋愛感情を持つようになる女性もヒロインと呼ばれる。
なお物語の都合上、主人公への恋愛感情をまったく持っていない状態から、重要な出来事も無しに早いうちから一変して熱烈な恋愛感情を持つようになるヒロインもおり、そういった立ち位置のヒロインのことを、インターネット上では「ちょろイン」と呼ぶ向きもある[2][3]

ダークヒロイン・アンチヒロイン[編集]

一般的にヒロインといえば、基本的に清純で心優しい「善人」であることが多いが、中には人格面や倫理観に逸脱した「悪人」の場合も存在する。

近年では、単に「良い性質の人物」という典型に対しては、現実味がないと感じる読者・観客も増えてきており、良くない性質を持って生れてしまった(そしてそうした悪い性質と葛藤している)女性のほうが感情移入しやすいと感じる読者・観客も増えてきているので、そうした女性が主たる登場人物に設定されることもある。

「善のヒロイン」と対比する形で「悪のヒロイン」(「ダークヒロイン」「アンチヒロイン」とも)が設定してある場合もあるのである。

例えば、ディズニーの『眠れる森の美女』では、善のヒロイン(善を象徴する無垢な姫)に対して、悪のヒロイン(悪の女王)が登場し対立する、というのが定番の筋書きとなってきた歴史がある。ただし、それが何十年も続けられてきた結果、米国の観客たちはそうした、ただの「無垢な女性」という設定にすっかり飽きてしまっており、また、自身が現代人として人生で体験する現実ともかけ離れていると感じて感情移入できないと感じられるようになってきている。

ディズニーでアニメ作品制作を指揮するジョン・ラセターは、ある時ディズニーの典型的なストーリーをなぞる形で、良い姫に対して悪い女王が現れ対立する、という作品を制作しはじめていた。そして、ディズニーの古いパターンのまま、良いヒロインに対して、「魔法でものを凍らせてしまう」悪いヒロインを登場させ対立させるつもりでいた。

だが、その作品の制作中に、ディズニーの女性スタッフたちから、ヒロインがただの善人で、それに対して悪い女王が登場して対立するなどというディズニーに典型的な物語はまったくナンセンスだ!という意見が何度か提出されたので、ラセターはその意見を取り入れ、当初はヒロインと対立する悪い脇役女性にするつもりだった人物を 逆に主役に据えるよう変更した。そしてさらに、善悪二人のヒロインを姉妹ということにし、姉妹のを描く作品に仕立てた。それが、大ヒット作品となった『アナと雪の女王』である。

その他にも、主人公に異様なまでに固執するヤンデレキャラクターや、貞操観念が緩く性にだらしないビッチキャラクターも、その多くは当該に含まれる。

近年では主に、アニメや漫画、ゲームといったいわゆるオタク的サブカルチャー分野において以上の意でこの語が用いられる。

該当キャラクター[編集]

下記はアンチヒロインの代表的なキャラクターである。以下は、作品による五十音順となっている。

実在人物への賛辞[編集]

実在の出来事の場合は、その中心人物となる女性のことをヒロインと呼ぶことができる[5]

ヒロインの旅[編集]

世界の神話や伝説、おとぎ話などから検証されている論理。女性が、どのように葛藤を乗り越え、真の女性性へと到達するかを解き明かしている[6]

コンピュータゲームにおけるヒロイン[編集]

週刊ファミ通では、コンピュータゲームにおけるヒロインを、大きく4タイプに分類した[7]

お姫様タイプのヒロイン[編集]

主人公が助けることをゲームの目的としたタイプのヒロイン。プレイヤーが操作することはできず、エンディングシーンにのみ登場することも多い。『スーパーマリオブラザーズ』のピーチ姫、『ドルアーガの塔』のカイ、『魔界村』のプリンセスなどがこれに分類される。

恋人タイプのヒロイン[編集]

主人公の恋人となるタイプのヒロイン。プレイヤーが操作することはできない。恋愛シミュレーションゲームではヒロインと恋仲になることがゲームの目的となっている。また、ゲーム本来の目的が別にありつつも、ヒロインとの恋愛要素を取り入れているゲームもある。『ときめきメモリアル』の藤崎詩織、『ラブプラス』の小早川凛子、『シュタインズ・ゲート』の牧瀬紅莉栖などがこれに分類される。

主役タイプのヒロイン[編集]

ゲームの主人公として、プレイヤーが操作する女性キャラクター。『トゥームレイダー』のララ・クロフト、『ファイナルファンタジーXIII』のライトニング、『グラビティデイズ』のキトゥンなどがこれに分類される。

パートナータイプのヒロイン[編集]

主人公のパートナー・仲間となる重要な女性キャラクター。プレイヤーが操作することができるキャラクターも多い。『ドラゴンクエストV』のビアンカ、『ファイナルファンタジーVII』のエアリス、『逆転裁判』の綾里真宵などがこれに分類される。

出典[編集]

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  1. ^ a b c heroine - definition of heroine in English from the Oxford dictionary
  2. ^ 最近人気の新属性『ちょろイン』とは? | ダ・ヴィンチニュース
  3. ^ アニメ化効果は最大5.2倍!2017年春アニメの原作コミック売上ランキングベスト5 | ほんのひきだし
  4. ^ a b c d NEVER まとめ
  5. ^ 小学館『大辞泉』による
  6. ^ モーリーン・マードック『ヒロインの旅』 フィルムアート社刊
  7. ^ 週刊ファミ通 No. 1488 88頁~103頁「ゲーム的ヒロイン論」 エンターブレイン刊

関連項目[編集]