三大怪獣 地球最大の決戦
三大怪獣 地球最大の決戦 | |
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Ghidorah, the Three-Headed Monster[出典 1] | |
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監督 | |
脚本 | 関沢新一 |
製作 | 田中友幸 |
出演者 | |
音楽 | 伊福部昭 |
撮影 | |
編集 | |
製作会社 | 東宝[出典 2] |
配給 | 東宝[6][7] |
公開 |
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上映時間 | 93分[出典 4] |
製作国 |
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言語 | 日本語 |
前作 | |
次作 | 怪獣大戦争 |



『三大怪獣 地球最大の決戦』(さんだいかいじゅう ちきゅうさいだいのけっせん)は、1964年(昭和39年)12月20日に公開された日本映画[9][11]。「ゴジラシリーズ」の第5作であり[16][13]、『空の大怪獣ラドン』と『モスラ対ゴジラ』の直接的な続編にもあたる[注釈 1]。製作、配給は東宝[4]。総天然色、東宝スコープ[出典 5]。併映作品は『花のお江戸の無責任』[8][4][注釈 2]。
初回興行時の観客動員数は、前作『モスラ対ゴジラ』を上回る432万人となった[18][注釈 3]。
概要[編集]
ゴジラが初めて善玉として描かれた[注釈 4]、つまり、これ以前とは立場を変えることになった作品である[出典 6]。同時に、常に「人類の脅威」であるゴジラを描くという作品姿勢も転機を迎え、以降のゴジラシリーズは怪獣同士の格闘劇が主になっていく[5][注釈 5]。怪獣同士で鳴き声などを通じて明確な意思疎通を行うなど、擬人的な表現も増えていった[出典 7]。
シリーズ最大の悪役(敵役)とされているキングギドラが初登場した[出典 8]。タイトルの「三大怪獣」とは、地球の三大怪獣であるゴジラ・ラドン・モスラのことを指しており[1][15]、宇宙超怪獣であるキングギドラのことは含まない[注釈 6]。
一応、防衛隊(自衛隊)は登場するものの、戦車や戦闘機などを使った作戦は実施していない。
怪獣たちの最終決戦の場は前々作『キングコング対ゴジラ』でも採用された富士山麓周辺であり、輸出を意識したロケーションとなっている。このような「富士山を背景にしたクライマックスシーン」は次回作『怪獣大戦争』やさらに後年の『怪獣総進撃』でも見られ、いわゆる「お約束的な場面」を確立した。これについて撮影助手で参加していた川北紘一は、ビル街など建物がある場所よりも怪獣自体のキャラクター性を強調するためであったと推測している[23]。
ストーリー[編集]
異常気象に見舞われた日本。1月にもかかわらず猛暑が続き、連夜流星群が地球に飛来するなか、1つの巨大な隕石が黒部ダム付近へ落下した。時を同じくして、警視庁の進藤刑事は極秘来日するセルジナ公国のサルノ王女[注釈 7]の護衛を命じられたが、彼女を乗せたチャーター機は暗殺者の仕掛けた爆弾によって墜落する。その後、金星人を名乗って地球の危機を訴える男装の女性が東京に現れ、ラドンの復活やゴジラの出現を予言するが、信じる者はいなかった。
進藤は男装の女性が死亡したはずのサルノ王女だと確信し、単独で捜査を開始する。その頃、テレビ出演のために日本を訪れていた小美人たちは、予言を信じて船に乗ることを避ける。進藤の妹の直子は男装の女性を保護して横浜市内のホテルに宿泊したが、セルジナから来た暗殺団も彼女をサルノ王女と見抜き、ホテルを襲撃する。そこへ、阿蘇山から出現したラドンと船を襲って海から現われたゴジラが上陸して戦闘を開始し、小美人たちの機転もあって暗殺団の計画は失敗する。
進藤たちは、サルノ王女の精神疾患を疑い、彼女を富士山麓にある精神医学の権威・塚本博士の研究所へ連れていくが、診察の結果は正常と出た。実は、サルノ王女には金星文明の滅亡を避けて地球へ逃れてきた金星人の血が流れており、それが予知能力を発揮していたのだ。まもなく、5000年前に金星を滅ぼした宇宙最強の怪獣キングギドラが姿を現すと語ったサルノ王女の言葉通り、黒部ダムの隕石からキングギドラが誕生する。
日本各地を荒らし回るキングギドラに対抗するため、小美人たちはインファント島から守護神モスラを呼び、モスラは自分と力を合わせてキングギドラと戦うよう、ゴジラとラドンに呼びかける。ゴジラとラドンはモスラを拒絶するが、キングギドラに一方的に攻撃されながらも単身で立ち向かうモスラの姿に心を動かされ、加勢する。こうして三大怪獣の猛攻を受けたキングギドラは、ついに宇宙へ逃げ去る。暗殺団はキングギドラが起こした落石によって全滅し、サルノ王女も自我を取り戻す。
すべてが終わり、サルノ王女は進藤に抱いた淡い想いを明かしつつ、静かにセルジナへの帰国の途に就いた。モスラと小美人たちもインファント島への帰途に就き、人類との争いを回避したゴジラとラドンは、海を渡るその姿を岸壁から見送るのだった。
登場キャラクター[編集]
登場人物[編集]
進藤 ()[24]- 警視庁の刑事[24][25]。来日するサルノの護衛を命じられた。サルノの乗った航空機は墜落したものの、彼女に酷似した金星人と名乗る謎の女性に着目する。単独捜査の末、金星人が何らかの理由で記憶が混乱しているサルノ本人であると知り、やがてキングギドラの脅威と王女暗殺計画に巻き込まれていく[25]。
- 脚本第1稿では、麻薬捜査官という設定であった[22]。
進藤 直子 ()[26]- 進藤刑事の妹[25]。東洋放送局員で、ラジオ番組『20世紀の神話』の担当記者[26][25]。金星人を名乗る女性の噂を聞きつけ、兄とは別の形で彼女にアプローチするが、後に合流して共にキングギドラの脅威に立ち向かう。
村井 ()[27]- 帝都工大の助教授で、黒部に落下した隕石を調査していた科学者[27][25]。隕石から出現したキングギドラを目の当たりにし、かつて取材を受けた直子と共に金星人を名乗るサルノを追う。
塚本 ()[28]- 富士山麓に研究所を開いている、精神医学の大家[28][25]。警視庁からの依頼を過去に何度もこなしており、記憶の混乱したサルノの治療を進藤に頼まれる。検査を進めるうち、やがてサルノがただの精神疾患ではないことに気づく。
- サルノ王女
- セルジナ公国の王女[29][25]。フルネームはマウス・ドゥリナ・サルノ[29]。非公式に来日する予定だったが、公国にはサルノの暗殺を企む一派がおり、その一員であるマルメスの陰謀によって乗っていた航空機が墜落したため、行方不明となっていた。しかし、謎の声に導かれて生還しており、以後は金星人の預言者を自称して奇妙な行動をとり続ける。
- 正体は、5000年前にキングギドラによって滅ぼされた金星文明から地球に脱出してきた金星人の血を引く末裔の1人。キングギドラの地球襲来に際し、祖先の霊魂はサルノの身体を借りて得た予言能力でキングギドラの脅威を地球人に伝えようとするが、マスメディアを使ってより多くの人に呼びかけるといった方法には思い当たらず、ひたすら道端で市井の人々を相手に演説するという、非効率な方法をとらざるを得ない状態を続けていた。
- マルメス[31][25][注釈 8]
- セルジナ公国内の、サルノ暗殺を目論む一派のエージェント。サルノの乗った航空機を爆破したが、彼女の生存を察知するとボスである安楽椅子の男性の指示に従って来日し、銃器を用いて直接暗殺しようとする。部下とともに車でサルノを追っている際にキングギドラの起こした落石によって部下を失い、自身も負傷した状態でサルノと進藤の抹殺を図るが、再びキングギドラが起こした落石によって死亡する。
- 脚本などでは、「黒眼鏡の男」としか表記されていない。
- 安楽椅子の男[32]
- サルノ王女暗殺を目論む一派の黒幕[32]。
登場メカ[編集]
- サルノ王女特別機[出典 9]
- 日本へ向かうサルノ王女を乗せた航空機[出典 9]。暗殺団により爆弾が仕掛けられ、空中で爆破された[出典 9]。
寿山号 ()[34][33]- 横浜港から出航する客船[34][33]。航海中にゴジラに遭遇し、放射能火炎を受けて沈没する[34][33]。インファント島へ帰る小美人が乗船する予定だったが、金星人の予言によって下船していた[34][33]ため、難を逃れている。
- メルセデス・ベンツ・W111
- 暗殺団が使用する乗用車[33]。王女暗殺に失敗して逃走する最中に、キングギドラの引力光線によって起きた崖崩れに巻き込まれる[33]。
キャスト[編集]
- 警視庁 進藤刑事[8]:夏木陽介
- 東洋放送 進藤直子[8]:星由里子
- 帝都工大 村井助教授[8]:小泉博
- 塚本博士:志村喬
- 小美人:ザ・ピーナッツ(伊藤エミ、伊藤ユミ)
- サルノ王女:若林映子
- 暗殺団黒眼鏡[8]:伊藤久哉
- 暗殺団手下1:黒部進
- 警視庁 沖田課長[8]:平田昭彦
- 東洋放送 金巻班長[8]:佐原健二
- 暗殺団手下2:伊吹徹
- 調査隊隊員1:野村浩三
- 寿山号船長:田島義文
- サルノ王女 老臣[8]:天本英世
- インファント島長老[6][注釈 9]:小杉義男
- 自治大臣[35][36][注釈 10]:高田稔
- 進藤の母サト:英百合子
- 小牧記者:加藤春哉
- 漁師:沢村いき雄
- 防衛大臣[6][8][注釈 11]:富田仲次郎
- 国会議員[6][8][注釈 12]:石田茂樹
- 安楽椅子の男:大友伸
- 新郎:中山豊
- 帽子拾い屋:大村千吉
- 円盤クラブ会長:松本染升
- 暗殺団手下3:鈴木和夫
- TVの司会者:青空千夜、青空一夜
- 円盤クラブYシャツ:ヘンリー・大川
- 国会議員[6][8]:向井淳一郎、古田俊彦
- 村の警官[出典 10]:池田生二
- 火山研究所職員[6]、村の人2:澁谷英男
- 村の人3:勝本圭一郎
- 村の人1:広瀬正一[注釈 13]
- ゴジラ[6][8]:手塚勝巳
- ホテルマン(ホテルのフロント係[37]):宇野晃司
- 上野公園の野次馬[6][8]:井上大助
- 調査隊隊員2[注釈 14]:三浦敏男
- 新婦[注釈 15]:浦山珠実
- 国務大臣[6][8]:熊谷卓三
- 国会議員[6][注釈 16]:津田光男
- 新聞記者:勝部義夫
- 寿山号船員:坪野鎌之
- 調査隊隊員4:今井和雄
- 上野公園の野次馬[6][8]:門脇三郎、越後憲三、伊原徳
- 調査隊隊員3:古谷敏
- 調査隊隊員5:黒木順
- 電力会社社員:岡豊
- ゴジラ[6][8]:中島春雄
- 宇畄木耕嗣[注釈 13][注釈 17]
- 坂本晴哉[注釈 13]
- TVの男の子[35][36]:中島孝平、鏑木滝義
※映画クレジット順
キャスト(ノンクレジット)[編集]
- 阿蘇山の観光客:加藤茂雄[40][注釈 18]
- 円盤クラブの女性会員:内山みどり[42]、記平佳枝[43]
- 円盤クラブ会員、代議士:大西康雄[44]
- 塚本研究所の年配の助手:小沢憬子[45]
- サルノ王女の侍女:川口節子[46]
- 喫茶店のボーイ:久野征四郎[47]、中西英介[48]
- 塚本研究所の助手:砂川繁視[49]
- 上野公園の野次馬:高野文子[50]、成田孝[51]
- ラジオ番組『20世紀の神話』製作班員:谷和子[52]
- サルノ王女の随行員:日方一夫[53]
- 総理大臣:山田圭介[54]
- 寿山号船員:吉田静司[54]
スタッフ[編集]
本編[編集]
- 製作:田中友幸
- 脚本:関沢新一
- 音楽:伊福部昭
- 撮影:小泉一
- 美術監督:北猛夫
- 録音:矢野口文雄
- 照明:小島正七
- 編集:藤井良平
- チーフ助監督:佐野健
- 製作担当者:中村茂
- 監督助手:橋本幸治
- 整音:下永尚
- 音響効果:知久長
- スチール:田中一清
- 現像:東京現像所
- 監督:本多猪四郎
特殊技術[編集]
特殊視覚効果[編集]
挿入歌[編集]
製作[編集]
1964年12月公開予定だった『赤ひげ』(黒澤明監督)の撮影が長引いたため、正月興行用に急遽制作された作品である[出典 12]。ゴジラ映画で正月興行はシリーズ初のことだった[36]。このような経緯から、1964年(昭和39年)はゴジラ映画が2本制作された初の年となった[55][56][注釈 19]。同年の『宇宙大怪獣ドゴラ』も含め、東宝で怪獣映画が1年に3本制作されたのも初である[12]。
切迫した製作期間であったが、本編・特撮とも短いシーンにも専用のセットを設けるなど、急ごしらえを感じさせない豪華な仕様となっている[57][7]。小美人関連の小道具など、前作『モスラ対ゴジラ』から流用しているものも多い[7]。モスラの幼虫も、造形物は前作『モスラ対ゴジラ』からの流用だが、目の光が青から赤に変わっている[58]。
本作のストーリーは『ローマの休日』から強く影響を受けている[出典 13]。サルノ王女役の若林映子はラストシーンについて、監督の本多猪四郎から「『ローマの休日』を意識してやってごらん」と言われ、「私もヘップバーンが大好きで、このときは頭の中でイメージして演じていました」と述べている[17][30]。
小泉博、星由里子、小杉義男など前作と似た役どころでの続投となった俳優が多い[17]。
阿蘇山で掛け合いを見せる中山豊、大村千吉、加藤茂雄の3人は、本多の監督作『東京の人さようなら』でも共演しており、加藤は同作品の3人が揃っているから本多が何か面白いことをやろうと考えたのだろうと述べている[41]。
特撮[編集]
東京タワーと当時完成して3年目の横浜マリンタワーが、キングギドラの引力光線で倒壊するカットがある。東京タワーのミニチュアは、第1展望台から下のみが制作された[11][7]。マリンタワーの撮影では、周辺の元町地区を精密に再現した広大なミニチュアセットも制作されていたが、全体を映す俯瞰シーンはカットされ、1986年に発売されたビデオ『東宝特撮未使用フィルム大全集』で初公開された[59]。
キングギドラの光線は、ポスターでは当初は炎の光線だったが、映像ではキングギドラが光線を吐いて向こうの方で爆発している画の角度が合わず、歪ませて合わせるしかないことから、そのことで円谷英二と何度もやりあって「俺が考えたのが雷状の光線」だと、合成担当の飯塚定雄は述べている[60][注釈 20]。
川北によれば、キングギドラの操演には工夫が要された(詳細はキングギドラ#『三大怪獣 地球最大の決戦』を参照)うえ、終盤の三大怪獣との戦闘シーンでは1つの画面に納まりきれなかった。ラドンの上にモスラが乗ったり、ゴジラの尾先をモスラがくわえて移動したりするのは、1体ずつ距離を置いて撮るのが難しかったためであるという[61]。
再上映[編集]
- 「東宝チャンピオンまつり」(1971年冬興行)[4]
- 『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 地球最大の決戦』と改題されている[8][15]。チャンピオンまつりでは、再編集にあたり同年春の『怪獣大戦争 キングギドラ対ゴジラ』まではオリジナルネガに直接手を加えていたが、本作品以降は複製フィルムが用いられたとされる[62]。上映時間は73分[8][16]。観客動員数は109万人[18]。
- 同時上映は『帰ってきたウルトラマン 竜巻怪獣の恐怖』・『いなかっぺ大将』・『みなしごハッチ』・『マッチ売りの少女』(人形アニメ)の4本[8][16]。
- 1992年にLDBOX『ゴジラ激闘外伝』に収録されたのち、2014年に発売された本作品BDの特典映像として収録[63]、2018年5月1日発売の「ゴジラ全映画DVDマガジン」で初のDVD化となった。それにはポスターやパンフレットの復刻が挿入された。
- 「ゴジラ映画大全集」(1979年夏興行)
- 東宝が全国5劇場で行ったリバイバル特集の番組の1つとして、8月5日に上映された。
- 「復活フェスティバル ゴジラ1983」(1983年)
- 20歳前後の世代を中心にこの数年前より起きていたゴジラのリバイバルブームに応じて、全国主要都市で行われたゴジラシリーズはじめ東宝特撮作品の人気作10本をセレクトした特集上映の1本として、オリジナル公開版がニュープリント上映された。
海外公開版[編集]
ハリウッド資本に買い取られ、『Ghidorah, the Three-Headed Monster』とキングギドラをうたう題名となっている[3]。アメリカ側で再編集され、ゴジラが太平洋に出現した際、ラドンが上空へ飛来したことになっている[3]。音楽も一部差し替えられている。キングギドラが滅ぼした文明は、5000年前の金星ではなく3000年前の火星に変更されている。
映像ソフト化[編集]
- 8mmフィルム
- 『宇宙怪獣キングギドラ』として抜粋映像を編集したものが1972年頃に東宝から発売された。解説音声の入ったソノシート、絵本をセットにしたもの。
- ビデオソフト
- LD 品番 TLL2230[65]
- DVD
- 単品版(2001年12月21日発売[66])
- 『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』の公開に合わせて発売された。上記の「宇宙怪獣キングギドラ」が特典収録されている。劇場用予告編はオリジナルが現存していないと当時は思われていたため、再上映版の予告編が収録されている。
- 字幕表示については、差別用語の部分を使わないよう配慮されている。中山豊演じる新郎がサルノ王女のことを「あんなキチガイの」と酷評する台詞が「あんな女の」に変更されているほか、大村千吉演じる帽子拾い屋が「キチガイめ!」と叫ぶシーンでは「キチガイめ!」の字幕のみが消去され、田島義文演じる船長の「すぐそのキチガイ…」という台詞が「すぐそいつ」に変更されている。後年、BS2で放映された際には、該当箇所の音声は消去されていた。
- 「GODZILLA FINAL BOX」(2005年4月22日発売)
- 「ゴジラ DVDコレクションII」(2008年2月22日発売)
- トールケース版での発売の際に同梱された。
- 2014年5月14日、60周年記念版版発売。
- 2016年6月15日、東宝DVD名作セレクション版発売。
- 単品版(2001年12月21日発売[66])
- BD(2010年3月19日発売)
上記のほか、2021年の4Kデジタルリマスター化の際には東宝のフィルムセンターから発見された当時の予告フィルムからの復元作業を経て、本編と劇場用予告編が共に完全再現されている[67]。
漫画[編集]
関連作品[編集]
- ゴジラシリーズ
-
- 『モスラ対ゴジラ』(1964年)
- 横浜のシーンで、この作品に登場した「ハッピー興行社」の看板が見られる。
- 『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』(1972年)
- 劇中で本作品の映像(ゴジラとキングギドラの戦闘シーン)が使われている。
- 『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019年)
- モンスター・ヴァースの1作。主要な登場怪獣は本作品と同一である[68]。
- 『さよならジュピター』(1984年)
- 劇中で本作品の映像(タイトルおよびゴジラとキングギドラの戦闘シーン)が使われている。
- 『幻魔大戦』
- 冒頭シーンが本作品の模倣とされる[15][注釈 21]。
- 聖飢魔II
- デビュー以前より黒ミサの出囃子として本作のメインテーマが使用されている。
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ 後者については、劇中でゴジラとモスラが戦ったことや双子のモスラについて言及されている[17]。
- ^ クレージー映画と特撮映画の2本立ては、1963年の『クレージー作戦 くたばれ!無責任』と『大盗賊』、『香港クレージー作戦』と『海底軍艦』に次いで3回目だが、怪獣映画との2本立ては唯一。
- ^ 現在の公表値は541万人だが、これは再上映時の動員数を合わせたものである[18]。
- ^ ただし、モスラのように完全な「人間の味方」ではない。
- ^ 東宝プロデューサーの田中友幸は、本作品が怪獣映画のひとつの頂点を示したと評している[20]。
- ^ 脚本第1稿では「四大怪獣」という表記も存在した[22]。
- ^ 公国の君主は「王」ではなく「公」「大公」なのでその息女は「公女」であるべきだが、現実にもモナコの「大公」の妃が「王妃」と訳されたりしているので、厳密なものではない。
- ^ DVDの日本語字幕では「マルネス」と誤記されている。
- ^ 資料によってはインファント島酋長と記述している[8][36]。
- ^ 資料によっては、国防会議議長と記述している[6][8]。
- ^ 書籍『東宝特撮映画大全集』では、防衛長官と記述している[36]。
- ^ 書籍『東宝特撮映画大全集』では、警視長官と記述している[36]。
- ^ a b c 本作品でのキングギドラのスーツアクターについては諸説あり、詳細は明らかになっていない。キングギドラ#『三大怪獣 地球最大の決戦』参照。
- ^ DVDの字幕では三浦と表記[38]。
- ^ DVDの字幕では、玉ちゃんと表記している[38]。書籍『モスラ映画大全』では、新婚カップル妻と記述している[37]。
- ^ 書籍『モスラ映画大全』では、上野公園の野次馬と記述している[8]。
- ^ 資料によっては、宇留木をラドン役と記述している[出典 11]。
- ^ 噴火口の近くへ帽子を拾いに行く男をからかう見物人で、セリフもありアップで目立つ役なのにクレジットに名前がない理由について「役者のクレジットは、俳優のスケジュールなんかを管理する演技課が決めるんですね。だいたいは映画ができる前に決めてしまう。でも、急に現場で監督からセリフをもらって役がつくこともありますから。そうなるとタイトルに名前は出ませんね。」と述べている[41]。
- ^ 54年後の2018年(平成30年)にアニメーション映画三部作のうち2作が約半年のスパンで公開されるまで、ゴジラ映画は基本的に年1本が原則だった。
- ^ 現場を見に来た本多猪四郎が、飯塚がキングギドラの光線を何百枚、何千枚とケント紙に描いているのを見て、その量に驚きあきれたという[60]。
- ^ 書籍『東宝特撮映画全史』では、宇宙規模の災厄とそれに対し結集する主人公たちという構図も類似するものと記述している[19]。
出典[編集]
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- ^ a b c d 日本特撮映画図鑑 1999, pp. 34–35, 「三大怪獣 地球最大の決戦」
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出典(リンク)[編集]
参考文献[編集]
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- 電撃ホビーマガジン編集部 編 『ゴジラ 東宝チャンピオンまつり パーフェクション』KADOKAWA(アスキー・メディアワークス)〈DENGEKI HOBBY BOOKS〉、2014年11月29日。ISBN 978-4-04-866999-3。
- 『ゴジラの超常識』、[協力]東宝双葉社、2016年7月24日 (原著2014年7月6日)。ISBN 978-4-575-31156-3。
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- 『バトル・オブ・キングギドラ』双葉社〈双葉社スーパームック〉、2020年6月4日。ISBN 978-4-575-45842-8。