メーサー兵器

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メーサー兵器(メーサーへいき)は、東宝製作の特撮映画に登場する架空の兵器群である。

概要[編集]

東宝特撮映画作品に登場する怪獣対策組織(作品によっては自衛隊と明言されている)が使用する、対怪獣用兵器で指向性エネルギー兵器として描写される。初登場作品の『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』以降、ゴジラシリーズを中心にたびたび登場して怪獣映画ファンに人気を博している[注 1]、架空の兵器シリーズである。作品ごとに多少設定などは異なるものの、パラボラアンテナ型の発光する照射部から青白く輝きつつ稲妻状に蛇行するメーサー光線を照射し、怪獣の細胞を焼き払う威力を持つとして設定・演出されている。また、1機しか存在しないスーパーXなどのワンオフ兵器ではなく、ある程度の数が量産されている制式兵器として集団(部隊)で運用される。主に車両なので、一般的に「メーサー車」と呼ばれることもある。

実在の科学技術であるメーザーの初登場当時の呼称「メーー」が用いられており、東宝特撮映画では初登場から現在まで「メーサー」と表記され続けている。その演出は現実のメーザーとは異なる。

以下では、表題は映画公開当初の正式名称で記載している。

メーサー殺獣光線車[編集]

『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』で初登場。メーサー兵器がシリーズ化したため、後に66式メーサー殺獣光線車と呼ばれるようになった。所属は陸上自衛隊(『サンダ対ガイラ』)、防衛隊(『ゴジラ対ガイガン』『ゴジラ対メガロ』)、特生自衛隊(『ゴジラ×メカゴジラ』)。

パラボラ型の照射装置を搭載する装輪式のメーサー装置車と、装軌式の牽引車で構成される。内蔵する小型原子炉により10万ボルトの出力でメーサー光線(誘導放出されたマイクロ波)を照射する。パラボラ型照射器は、砲身部が可動して鎌首をもたげるような動きをして発射態勢となる。射撃レーダーも備えており、本来はミサイル迎撃システムとして開発していたとも言われている。

ゴジラ×メカゴジラ』の世界では、『モスラ』でロリシカ陸軍から日本政府が借り受けた原子熱線砲を研究し、熱エネルギーの集中照射型発射機としてメーサー砲を開発したとされた。

ゴジラ対ガイガン』に登場するメーサー殺獣光線車は、砲塔側面の一部パーツ[注 2]が無いことから、動きの素早い怪獣に対応できる軽量化・改良型の70式メーサー殺獣光線車とも呼ばれる。

  • メーサー装置車
    • 全長:14.5メートル(車体長は9.6メートル)
    • 全幅:3.5メートル
    • 全高:6メートル
    • 重量:80トン
    • 乗員:4名
    • 武装:10万ボルトメーサー砲1基
  • 牽引車
    • 全長:6メートル
    • 全幅:3メートル
    • 全高:2.5メートル
    • 重量:32トン
    • 乗員:3名
    • 機関:ディーゼルエンジン2基(1500馬力)

劇中の活躍[編集]

『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』
暴れ回るガイラを細胞組織レベルで殲滅できる兵器として、木曽川付近で実施された「L作戦」のために出撃。その後の晴海埠頭周辺での防衛戦も含め、ガイラをあと一歩のところまで追い詰める。
昭和ゴジラシリーズ
ゴジラ映画初登場となる『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』では、防衛隊の所属兵器として出動し、アンギラス相模湾岸で撃退して日本上陸を阻止する。しかし、キングギドラメガロなどの光線技を持つ怪獣に対しては分が悪く、反撃を受けて破壊されている。なお、映像は『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』の流用のため、ガイガンやメガロが逃げ回るシーンにガイラが映っている。
『ゴジラ×メカゴジラ』
特生自衛隊(対特殊生物自衛隊)の主力兵器として、数々の怪獣撃退に戦功があることが語られている。

登場作品[編集]

  • 『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』
  • 『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』
  • 『ゴジラ対メガロ』(過去の作品映像の流用フィルムで登場)
  • 『ゴジラ×メカゴジラ』(過去の作品映像の流用フィルムで登場)
  • その他、テレビ番組『ゴジラアイランド』にはGガードの所属兵器として、牽引車がなく、全体を白く塗装した「対獣レーザー砲」として登場。また、『ウルトラマン』第11話にも防衛隊の保有兵器としてメーサー殺獣光線車が登場。ギャンゴ迎撃に出動している。

備考[編集]

『サンダ対ガイラ』の初期脚本では登場しておらず、監督の本多猪四郎が特撮の見せ場を作るために加筆して登場させた[1]

井上泰幸のデザインを豊島睦が図面に起こした。

ミニチュアは、『怪獣大戦争』に登場したAサイクル光線車(デザインは豊島睦、渡辺明)をベースとして[1]、15分の1(約2メートル)と30分の1(約1メートル)の大小ミニチュアが2台ずつ作られた。装置車・牽引車とも自走はできないので、走行・パラボラアームの上下動ともどもピアノ線で引っ張って行っていて、操演用のピアノ線から電気を送ってパラボラ部を発光させている。小型のミニチュア2台は『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』に牽引車なしで登場し、火をつけて燃やされた。

木曽川でのL作戦で、メーサー車が水平に樹木を切り倒すシーンは、本番直前に特撮監督の円谷英二が思いついたもの。火薬を仕込み、リズミカルに切断される絶妙の光線描写には、本多も喜んだという。

『サンダ対ガイラ』の宣伝資料として、メーサー殺獣光線車各部の詳細な設定が公開されていた。

『ゴジラ対ガイガン』での光線発射シーンは『サンダ対ガイラ』からの流用だが、新撮部分にも同じ光学合成を施して自然につながるよう編集されている[2]

『サンダ対ガイラ』の映画公開年度(1966年)の末尾2ケタを取って「66式メーサー殺獣光線車」という名称を商品名とする玩具などが発売されている。

92式メーサー戦車[編集]

ゴジラvsビオランテ』で初登場。形式番号DAG-MBT-MB92[注 3]。通称はメーサータンク[3][4]92式メーサービーム戦車と表記する資料もある[5]。所属は陸上自衛隊(『ゴジラvsビオランテ』から『ゴジラvsモスラ』、『ゴジラvsデストロイア』)、国連Gフォース(『ゴジラvsメカゴジラ』)。1992年制式化された[注 4]

元々は大陸間弾道ミサイルの迎撃システムとして開発されていた[4][注 5]

車体に8輪駆動8輪操舵のタイヤを装備した完全自走式の装輪戦車で、牽引式のトレーラータイプだった66式メーサー車とは大きく印象が異なる。を思わせる外観の大きな砲塔上部にメーサー光線を照射するパラボラ型砲身を搭載している。パラボラ中央部からは主体となるビームが、パラボラの周辺部からは補助ビームが照射される[注 6]。光線発生システムは、プラズマを発生・加熱して中間子ニュートリノ)を生成し、収束照射する「プラズマ加熱ミラータイプ改」。このため砲塔後部には高出力の超伝導発電システムとヘリウムガス冷却システムが搭載されている。

ゴジラvsデストロイア』では、超低温レーザー砲をセットした冷凍仕様が投入された。脚本(決定稿)では「自衛隊開発の超低温レーザー(SX IIIに使っている)仕様に変えられたメーサータンク」と書かれている[6]が、原理などは不明。その他、運転席上部には怪獣出現時の緊急走行を考慮してパトライトを装備する。これはハイパワーレーザービーム車から受け継がれたものである。また、前照灯とは別に、砲身基部に大型のサーチライト2基がある。

  • 全長:16メートル
  • 全幅:9.5メートル
  • 全高:4.8メートル
  • 重量:85トン
  • 速度:時速47キロ
  • 機関:空冷・水冷併用2サイクル2気筒ディーゼルエンジン4基
  • 武装:500万ボルトメーサー砲(射程12キロメートル)1基、8連装ミサイルランチャー2基(92式改のみ)

劇中の活躍[編集]

『ゴジラvsビオランテ』 - 『ゴジラvsモスラ』
若狭湾近郊の山間部でサンダービーム作戦に総計10両が投入されて、初の対ゴジラ戦を経験。メーサー兵器がゴジラに対して攻撃をするのは、これが初めてとなる。この作戦では一部の車両が破壊されたものの、最終的には作戦は成功した。
その後は、対怪獣迎撃の中核として陸上自衛隊各方面隊の「特殊武器科(=メーサー)」部隊に配備されたため、『ゴジラvsキングギドラ』では札幌市でゴジラと、『ゴジラvsモスラ』ではゴジラやバトラ幼虫と交戦するが、いずれも怪獣の反撃により壊滅的な損害を受ける。
ゴジラvsメカゴジラ
国連Gフォースの陸軍主要兵器として大津市近郊の山中でゴジラを迎撃するも破壊される。
ゴジラvsデストロイア
再び陸上自衛隊の所属兵器として、超低温レーザー砲及び8連装ミサイルランチャー2基を装備した92式メーサー戦車<改>[7]が投入され、物語中盤では臨海副都心デストロイア幼体集合体と、終盤では有明デストロイア完全体とゴジラに対する作戦に従事した。

登場作品[編集]

  • 『ゴジラvsビオランテ』
  • 『ゴジラvsキングギドラ』
  • 『ゴジラvsモスラ』
  • 『ゴジラvsメカゴジラ』
  • 『ゴジラvsデストロイア』
  • 怪獣プラネットゴジラ
  • 『ゴジラ FINAL WARS』でもオープニングに過去の映像として一瞬だけ映る。

備考[編集]

デザインは美術助手として『ゴジラvsビオランテ』に参加した長沼孝。アップ撮影用の大型モデル(約90センチ・18分の1サイズ)が1台、ロング撮影用の小型モデル(約60センチ・28分の1サイズ)が2台造られたが、小型モデルのうち1台は劇中の破壊シーンに使われた[8]。その他、デザイン検討時のカポック(発泡スチロール)モデルも、電飾等を施されて撮影に使われている。モデルの製作は造形製作会社のオガワモデリング[注 7]

ゴジラvsスペースゴジラ』での完成作品では未登場であるが、DVDに収録されているメイキング映像の未使用シーンでは、Gフォース陸戦部隊として登場しており、九州に上陸したゴジラを迎撃している。

その後、ミニチュアは『超星神グランセイザー』で超古代文明の兵器に改造された[9]

93式自走高射メーサー砲[編集]

『ゴジラvsモスラ』で初登場。形式番号はMBAW-93。通称はツインメーサータンク[10]ツインメーサー戦車と表記している資料もある[11]。所属は陸上自衛隊(『ゴジラvsモスラ』『ゴジラvsデストロイア』)、国連Gフォース(『ゴジラvsメカゴジラ』)。1993年に制式化された。

局地戦防空車両として開発された装備で、87式自走高射機関砲(略称は87AW)やゲパルト自走対空砲に似たデザインの装軌式メーサー戦車。93式自走高射メーサー砲1台に、92式メーサー戦車2台から3台が付くという部隊編制になっており[注 8]、メーサー小隊を指揮する頭脳的役割を持つ車両。仰角は大きいがパラボラ式ではないため、集束力に欠けるのでパワーでは92式に劣る[10]。車両の単価が高価なために満足な数がそろえられていないとされる。

国連Gフォースに配備された時は、無人化した74式戦車の遠隔操作機能の追加や、砲身に固定用支柱が追加されるなどの細部に改良が施された他、デストロイア戦には92式と同様の冷凍兵器に仕様変更された。

  • 全長:13.5メートル
  • 全幅:6.2メートル
  • 全高:7.4メートル
  • 重量:90.5トン
  • 速度:時速42キロ
  • 乗員:6名
  • 武装:200万ボルト高射メーサー砲2基、8連装ミサイルランチャー2基(93式改のみ)

劇中の活躍[編集]

『ゴジラvsモスラ』
名古屋市でバトラ幼虫の迎撃戦に投入される。また、丹沢山地でゴジラとも対戦しているが、どちらの戦闘でも甚大な被害を被っている。
『ゴジラvsメカゴジラ』
国連Gフォースに所属し、大津山中でゴジラと交戦する。
『ゴジラvsデストロイア』
92式メーサー戦車改と同様に超低温レーザー砲とミサイルランチャーを装備した93式自走高射メーサー砲<改>[12]ツインメーサー〈改〉)として、デストロイアやゴジラとの作戦に投入される。

登場作品[編集]

  • 『ゴジラvsモスラ』
  • 『ゴジラvsメカゴジラ』
  • 『ゴジラvsデストロイア』
  • 『怪獣プラネットゴジラ』

備考[編集]

決定デザインは西川伸司。当初は3連装のメーサー砲が束ねられたスパイラルメーサーとしてデザインされたが、モスラやバトラが登場するということで砲塔部のみ対空戦車を基にしたデザインとなった。ただし、『ゴジラvsモスラ』劇中ではモスラ成虫などの、飛翔している怪獣を狙って攻撃するシーンは無く、『ゴジラvsデストロイア』にて、飛行して逃げるデストロイア完全体に対して攻撃を行ったのが初となる。モデルは1両しか造られていない[13]

『ゴジラvsスペースゴジラ』での完成作品では未登場であるが、DVDに収録されているメイキング映像の未使用シーンでは、Gフォース陸戦部隊として登場しており、急襲に上陸したゴジラを迎撃している。この時の車両は、砲塔後部のレーダーがパラボラ状に変更されている。

その後、ミニチュアは『超星神グランセイザー』で超古代文明の兵器に改造された[9]

93式メーサー攻撃機[編集]

ゴジラvsモスラ』に登場。形式番号はASTOL-MB93(略番号はMBF)。別名メーサーヘリ[14]。所属は陸上自衛隊。1993年に制式化された。

初めてのメーサー兵器搭載の航空機。2次元ノズル・ターボジェットにより短距離離着陸が可能な攻撃機戦闘機と記載する文献もあり)ではあるが、制式名称や機体マーキングでも明確に分かるとおり、航空自衛隊ではなく陸上自衛隊機である。

タンデム式コクピットや着陸用スキッドを持ち、AH-1S コブラなどの攻撃ヘリコプターをジェット機化したような形状をしている。尾翼は戦闘機よりも輸送機などで見られるT字尾翼であり、戦闘機ほどの運動性能はないと思われるが、最高速力などはヘリコプターを上回る時速650キロに及ぶ。明言はされていないがメーサー砲などの武装配置や一撃離脱戦法に似た戦闘スタイルなどから、ガルーダとの共通性が見出せる機体である。富士山重工業と米Bill社により日米共同で開発されている。

劇中の活躍[編集]

京浜地域へ侵攻するゴジラに対し、2機が出動。丹沢山中で陸上部隊と連携して迎撃し、メーサーを顔面に命中させるなどして手こずらせたが、放射能熱線により1機が撃墜され、残る1機は撤収した。

備考[編集]

決定デザインは青井邦夫。企画段階では完全な攻撃ヘリコプター型やティルトローター型のデザイン案が候補に挙がっており、スーパーXIIIとして登場させる案も存在した[15]

撮影用モデルは、44センチ(1/50サイズ)のものが2機。平成ゴジラシリーズの特技監督である川北紘一が最も気に入っていると言及している兵器である[16]。また、劇中未登場ながらも『ゴジラvsスペースゴジラ』では国連Gフォースにも参加してゴジラを攻撃する予定だった(自衛隊の所属は陸上自衛隊だが、Gフォースでは空軍への参加扱いになる)。

95式冷凍レーザータンク[編集]

ゴジラvsデストロイア』に登場。形式番号はCLT-95(ただし、車体にはDAG-MB96とのマーキングあり)。所属は陸上自衛隊。通称冷凍メーサー車とも言われる[12]1995年に制式化された。

デストロイアのミクロオキシゲンを無効化させるために急遽投入された車両。厳密には対ゴジラ用兵器ではないが、これまでの92式メーサー戦車の流れを汲むメーサー兵器とされる。

装置車と装輪式牽引車(特92式改30トン6輪牽引車、ソニックビームシステム車の牽引車と同型)で構成される。当初は装軌式の牽引車が想定されていたが、対デストロイア作戦が都市部で行われることから、装輪式が採用された。車体は汎用トレーラーを改造している。

超低温レーザー(冷凍レーザー)は、ゴジラ対策が国連G対策センターに移管していた防衛庁(当時)が核災害対策などのため開発していたもので、基本的にはスーパーXIIIに搭載された装備と同様のもの。ただし、エネルギー変換効率が若干下回るため、最高出力や稼働時間に差が生じている。最大照射時間は11秒、連続発射に要する間隔は4秒。酸素液化する温度の約-183度以下まで冷却することが可能。

92式メーサー戦車などとは形状が異なるレーザー発射部のパラボラは、4枚の反射収束版で構成される。非使用時は花ののように閉じている(完全に閉じきるわけではない)が、レーザーの発射態勢に入ると開く。サブウェポンとして、8連装のボックス型ミサイルランチャーを砲塔の両側面に計2基装備。-180度には及ばないが、冷凍弾を装備している。

  • 超低温レーザー装置車
    • 全長:10.5メートル
    • 全幅:8.4メートル
    • 全高:7.9メートル
    • 重量:77トン
    • 武装:1000万ボルト95式超低温レーザー砲1基、8連装ミサイルランチャー2基
  • 牽引車
    • 全長:8.3メートル
    • 全幅:6.4メートル
    • 全高:3.9メートル
    • 重量:28トン
    • 乗員:2名
    • 速度:時速100キロ(牽引車単体)、55キロ(装置車牽引時)

劇中の活躍[編集]

火器で攻撃することが危険とされるデストロイアの出現を受け、閣議決定により出動した自衛隊部隊の中核として、東京臨海副都心の作戦域に少なくても8両が布陣。この時、車内(操縦席)の様子が初めて映像化されている。一時は、デストロイア幼体の集団を追い詰めるが、合体・巨大化して集合体となったデストロイアの前に壊滅する。その後、物語終盤で、メルトダウン寸前のゴジラと、完全体に成長したデストロイアの戦いにスーパーXIIIと共に介入。戦線離脱しようとしたデストロイアにとどめを刺し、メルトダウンを始めたゴジラによる被害を最小限に食い止めるなど、大きな戦果を挙げる。

備考[編集]

デザインは未製作映画『モスラVSバガン』の企画時に描かれた新型原子熱線砲が元になっている[17]

撮影用に作製されたミニチュアモデルは1台だけだが、合成によって多数配備されているように演出されている。これまでと同様にオガワモデリング製。メインボディは強度を持たせるためアルミ板をボルトで組んでいる[18]

当初は、次世代メーサーシステムと銘打った、近未来的なデザインの新型メーサー兵器とするデザイン案もあった。

その後、ミニチュアは『超星神グランセイザー』で超古代文明の兵器に改造された[9]

90式メーサー殺獣光線車[編集]

ゴジラ×メカゴジラ』で初登場。特生自衛隊(対特殊生物自衛隊・JXSDF)に所属。1990年に制式化された。

66式メーサー車の直接の後継機[注 10]

66式と基本構成は変わらないものの、自動化により乗員は2名となり、メーサー砲の操作を含めて全て牽引車から行える。牽引車の運転手がそのまま砲手としてメーサー砲を操作、助手席が各種補佐を行う。この時、助手席が回転して後ろ向きになるため、砲手は前方・補助要員は後方を向いて互い違いに座ることになる。従来機と異なり走行しながらの照射も可能。また、荒天かつ夜間の戦闘でも、ゴジラの目を狙い撃つことができるほどの命中精度でメーサー光線を照射することができる。ただし、雨の中ではエネルギーが水蒸気となって減退するため、効力が70%程度まで下がることがある。

66式では砲身がむき出しになっていたのでビーム発振部が常に見えていたが、90式では非照射態勢時はカバーの中に収納される。また、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』では、改良型の90式メーサー殺獣光線車<改>が配備され、メーサー光線の出力が向上して、発生する熱により光線の色が黄色く見えるようになった。本車を製造しているのは三友重工業。

  • 装置車+牽引車の合計全長:19メートル
  • 装置車+牽引車の合計重量:132トン
  • メーサー装置車
    • 全長:10メートル(パラボラ先端部から装置車後部まで15.7メートル)
    • 全幅:5.3メートル
    • 全高:6.1メートル
    • 武装:15万ボルト90式メーサー砲1基(パラボラ直径3.9メートル)
  • 牽引車
    • 全長:8.4メートル
    • 乗員:2名

劇中の活躍[編集]

『ゴジラ×メカゴジラ』
45年ぶりに日本に房総半島に上陸したゴジラを千葉県富山町の山中で迎え撃つ(劇中では1999年の出来事)。特生自衛隊の主力兵器として第1メーサー群・第1 - 第4メーサー隊に配備され、これまでは多くの怪獣撃退に成功しているが、ゴジラには歯が立たなかった。
2003年には、再び出現したゴジラを迎撃するべく出動した3式機龍(メカゴジラ)を支援するために出動しているが、戦闘には参加していない。その後、再び東京湾に侵入したゴジラを撃退するため品川に展開。侵攻阻止の防衛線は突破されるが、その後も残存部隊が機龍の援護を行う。
『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』
品川周辺でゴジラの要撃及び3式機龍(改)の支援を行うが、ゴジラの攻撃によりメーサー部隊は多大な損害を受けている。

登場作品[編集]

  • 『ゴジラ×メカゴジラ』
  • 『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』
  • その他、『ゴジラ FINAL WARS』の冒頭で、南極でのゴジラ迎撃戦により破壊された状態の物が登場している。

備考[編集]

デザインは丸山浩[19]。また、砲身のカバーが分割されるアイデアは西川伸司のアイデアである。当初は66式メーサー車をそのまま使う案もあったが、最終的には66式の改良・後継型として、より現代的なディティールで仕上げられた。牽引車をタイヤ式にするという意見もあったが、監督の手塚昌明のこだわりによりオリジナルと同じ装軌車両となった[19]

メーサー殺獣光線車を登場させた理由について、手塚はゴジラ以外の東宝特撮映画の象徴と位置づけている[19]

撮影用ミニチュアとして大小のモデルが造られている他、原寸大の牽引車内セットも造られた。95式冷凍レーザータンクを除くと、純粋なメーサー兵器で車内(操縦席)の様子が描かれたのは初めてである。

『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』の絵コンテでは、90式メーサー車を護衛艦のヘリコプター用飛行甲板に搭載し、ゴジラとの海戦が検討されていた。最終的には不採用とされたが、このシーン用に作られた爆破用ミニチュアモデルは、首都高速道路でゴジラの放射能熱線を受けて爆発・炎上する場面で使用された。

対巨獣メーサータンク[編集]

幻星神ジャスティライザー』第50話「地球総攻撃開始!」に登場。所属は国防軍。

国防省がダルガ帝国の巨獣に対抗すべく開発した特殊車両。ゴジラシリーズ等とは世界観が異なるため、他のメーサー兵器との関連性は不明である。大型の装軌式車両で、車体上部にメーサー砲を1基、車体両脇に6連装ミサイルランチャーを備える。具体的なスペックは不明。劇中では2台が登場した。

劇中の活躍[編集]

巨大戦艦ディグロスから発進し、地球に降り立ったデストボーグ・ブルガリオの大群を国防省対異星人特殊作戦課司令・九条公康の指揮の元、同じく国防軍所属のM1エイブラムスなどと共に迎撃する。少なくとも2機のブルガリオを撃破する戦果を挙げるが、ダルガ帝国軍側の物量には対抗できず、全車が破壊されている。

備考[編集]

デザインは西川伸司[9]。ミニチュアは完全新造形である[9]

その他[編集]

上記の他にも、ガルーダの武装であるハイパワーメーサービームキャノンMOGERAの武装であるプラズマメーサーキャノン省電力メーサーバルカン砲3式機龍の武装である99式2連装メーサー砲4式3連装ハイパーメーサー砲新・轟天号の武装であるドリルスパイラル・メーサー砲G粒子メーサー砲小型プラズマメーサービーム砲M機関の隊員が使用するメーサーライフル、漫画『怪獣王ゴジラ』に登場するメーサーヘリ、ゴジラがゲスト出演していることで知られる『流星人間ゾーン』のゾーンファミリーが携帯する光線銃・メーサーショットといったメーサー兵器が存在している。これらの詳細はそれぞれの搭載兵器などの個別項目を参照のこと。

パロディなど[編集]

東宝特撮を代表する兵器のひとつであるためか、メーサー兵器をオマージュ、あるいはパロディしたパラボラ兵器を登場させている作品も多い。具体的には以下のような物がある。

この他にも、アニメ『うる星やつら』第174話「退屈シンドローム! 友引町はいずこへ!」や『ゲゲゲの鬼太郎(第3シリーズ)』第33話「妖怪あかなめ哀しみの逆襲」、ゲーム『キング・オブ・ザ・モンスターズ』などの作品にメーサー殺獣光線車(に酷似した物)や類似した兵器が登場している。

また、メーサー兵器のパロディ・オマージュではないが、他の特撮作品に登場するメーサー車に類似した兵器として、映画『宇宙大怪獣ギララ』には自衛隊の兵器として、61式戦車の車体にパラボラ型のレーザー砲塔を装備した「超強力レーザー光線砲車」が、特撮テレビ番組『怪獣王子』には国防省・レンジャー遊撃隊の兵器として、4輪トレーラーの上部にパラボラ型砲塔を装備した「音波砲」が登場している。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ゴジラマガジン』 Vol.7「東宝特撮メカランキング」などでもメーサー殺獣光線車などが上位にランクインしている。
  2. ^ 『サンダ対ガイラ』公開時の設定資料と比較すると、放出装置やコヒーレント光波発生管に当たる部分がオミットされている。
  3. ^ 『ゴジラvsビオランテ』の美術図面では、「Defend Against Godzilla MBT-MB92」と表記されており、対ゴジラ用の主力戦車(MBT)を意味していることがわかる。
  4. ^ ただし、初登場となった『ゴジラvsビオランテ』の作中は1990年という設定であるため、この時に登場した車両は、制式化される前の試作車だと考えられる。違いは砲身の色で、『ゴジラvsキングギドラ』から登場したものは青色なのに対し、この時に登場したものは赤色となっている。
  5. ^ メーサー殺獣光線車の後継兵器と記載している書籍もあり、ハイパワーレーザービーム車を中間機種としている[3]
  6. ^ ただし、作品ごとに微妙に演出・視覚効果は異なっている。
  7. ^ 現在は有限会社オガワモデリングとしてCGアニメーション製作へ業態変更している。
  8. ^ 『ゴジラvsデストロイア』で小道具として作成されたGフォース部隊編成図では、93式自走高射メーサー砲1台、92式メーサー戦車3台、74式戦車(改)4台、支援大型トラック1台で1部隊とされる。
  9. ^ a b c 劇中では使用されていない。
  10. ^ 『ゴジラ×メカゴジラ』の世界観は、それまでのゴジラVSシリーズに登場した92式メーサー戦車から続く一連のメーサー兵器とは全く関連性はない。

出典[編集]

  1. ^ a b 元山掌 et al. 2012, pp. 106 - 109.
  2. ^ 元山掌 et al. 2012, pp. 152 - 155.
  3. ^ a b 『ゴジラvsキングギドラ 怪獣大全集』 講談社〈講談社ヒットブックス20〉、1991年、54頁。ISBN 4-06-177720-3
  4. ^ a b 野村宏平 2004, p. 73.
  5. ^ 元山掌 et al. 2012, pp. 222, 238.
  6. ^ 『ゴジラvsデストロイア』 東宝映画出版・映像事業室〈東宝SF特撮映画シリーズ Vol.10〉、1996年、46頁。ISBN 4-924609-60-9
  7. ^ 間宮尚彦 1996, p. 27.
  8. ^ 『ゴジラvsビオランテ特集号』 近代映画社〈スクリーン特編版〉、1990年、27頁。
  9. ^ a b c d e 平成ゴジラパーフェクション 2012 p.160 「平成ゴジラバーニング・コラム」。
  10. ^ a b 野村宏平 2004, p. 72.
  11. ^ 元山掌 et al. 2012, p. 238.
  12. ^ a b 間宮尚彦 1996, p. 26.
  13. ^ 『ゴジラvsモスラ特集号』 近代映画社〈スクリーン特編版〉、1992年[要ページ番号]
  14. ^ 野村宏平 2004, p. 264.
  15. ^ 平成ゴジラパーフェクション 2012, pp. 46 - 47「ゴジラVSモスラアートワークス」。
  16. ^ 『東宝特撮超兵器画報』 月刊モデルグラフィックス大日本絵画1993年[要ページ番号]ISBN 4-499-20598-0
  17. ^ 平成ゴジラパーフェクション 2012, pp. 96 - 97「ゴジラVSデストロイアアートワークス」。
  18. ^ 間宮尚彦 1996, p. 73.
  19. ^ a b c 「祝・ガイラ生誕50周年!! 手塚昌明 私の「メーサー殺獣光線車」」、『別冊映画秘宝 特撮秘宝』vol.3、洋泉社2016年3月13日、 112頁、 ISBN 978-4-8003-0865-8

関連項目[編集]

参考文献[編集]