ゴジラvsデストロイア

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ゴジラシリーズ > ゴジラvsデストロイア
ゴジラvsデストロイア
  • Godzilla vs. Destoroyah[1][2]
  • GODZILLA VS DESTROYER[3]
監督
脚本 大森一樹
製作
出演者
音楽 伊福部昭
撮影
編集
製作会社 東宝映画
配給 東宝
公開 日本の旗 1995年12月9日[4]
上映時間 103分[出典 1][注釈 1]
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
配給収入 20億円[6][1]
前作 ゴジラvsスペースゴジラ
次作 ゴジラ2000 ミレニアム
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ゴジラvsデストロイア』(ゴジラたいデストロイア、または、ゴジラ ブイエス デストロイア)は1995年平成7年)12月9日に公開された日本映画[4]、「ゴジラシリーズ」の第22作である[7]。カラー、ビスタビジョン、ドルビーステレオ[2]。キャッチコピーは「ゴジラ死す[8][7]

観客動員数は400万人、配給収入は20億円で1996年の邦画配給収入第1位を記録している[1]。また、前売り券がゴジラシリーズとしては初めて10万枚以上を売り上げた[9]

概要[編集]

ゴジラの死を描いた作品として公開された、平成vsシリーズの完結編[出典 2]

1954年公開のシリーズ第1作『ゴジラ』へのオマージュ色が濃く、第1作に登場した山根恵美子が再登場し、回想シーンでも第1作の映像が使用されている他、タイトルコールにも第1作のメインタイトルを引用するなどの演出が盛り込まれている[出典 3]

この作品は1954年のシリーズ第1作から製作に携わっていた田中友幸の名前や「特技監督」がクレジットされる最後のゴジラ映画となっており[7][10]、また、音楽担当の伊福部昭・特技監督の川北紘一・ゴジラのスーツアクターの薩摩剣八郎などもゴジラシリーズ最後の参加となった。

主要襲撃地点は、香港東京羽田空港有明)。羽田空港は、当時管制塔がリニューアルされたことから舞台に選ばれた[11]。また、ゴジラは愛媛県伊方発電所に接近したが寸前で阻止され、四国上陸は果たされなかった。

体内で核エネルギーが暴走しているゴジラには通常兵器による攻撃は核爆発を誘発する危険性が高いため、前2作のGフォースに代わり、冷凍系の兵器で武装した自衛隊が活躍した[1]スーパーXシリーズの兵器が、『ゴジラvsビオランテ』以来6年ぶりに復活した作品でもある。デストロイアにとどめを刺したのはゴジラではなく、スーパーXIII率いる自衛隊の冷凍兵器部隊である。

エンディングのスタッフロールの背景は第1作、およびそれまでに製作された平成vsシリーズ作品の映像が使われているほか、音楽は有名なゴジラのメインテーマを筆頭に据えた伊福部昭による『SF交響ファンタジー』をアレンジしたものになっており、その曲中にはシリーズ最高の動員を記録した『キングコング対ゴジラ』の音楽も含まれる。

1998年7月4日にフジテレビ系の『ゴールデン洋画劇場』にて地上波初放送された。

ストーリー[編集]

スペースゴジラとの戦いから1年後、バース島が消滅し、ゴジラリトルゴジラが姿を消した。その1ヶ月後、香港に全身を燃えるように発光させたゴジラが出現し、赤い熱線を吐きながら香港の町を破壊していった。バース島消滅は、その地下の高純度の天然ウラン熱水に反応した結果の爆発であり、その影響を受け体内炉心の核エネルギー反応が不安定になったゴジラは、いつ核爆発を起こしてもおかしくない状態であった。

同じころ、青海トンネルの工事現場で工事用パイプが溶解するトラブルが相次いで発生。しながわ水族館では魚が突然水に食われるかのように白骨化する怪事件が起きる。その原因は、かつてオキシジェン・デストロイヤーを使用してゴジラを抹殺した際、海底に眠っていた古生代の微小生命体が無酸素環境下で復活し、異常進化を遂げた恐るべき生物・デストロイアであった。デストロイアは急速に巨大化し、人間大の大きさとなって臨海副都心警視庁特殊部隊と交戦、さらには自衛隊の攻撃に対して集合・合体し、40メートルの成長体と化して破壊の限りを尽くす。

そんな折、御前崎沖にゴジラに酷似した怪獣が出現した。それは行方不明となっていたリトルゴジラが、天然ウランの影響を受け急成長したゴジラジュニアであった。バース島を失ったジュニアは、自らの故郷であるアドノア島へ帰ろうとしていたのだった。

ゴジラは四国電力伊方原子力発電所に向かうが、寸前でゴジラ迎撃のため出撃したスーパーXIIIの放ったカドミウム弾により体内の核分裂が制御され始めた。これにより核爆発の危機は回避されたが、体内炉心の温度上昇には歯止めが掛からず、メルトダウン寸前の状態となっていた。もはやゴジラを抹殺できるのは、オキシジェン・デストロイヤー=デストロイアしかいない。ゴジラとデストロイアを戦わせるため、ゴジラジュニアを囮としてデストロイアに向かわせる作戦が提案される。死闘の舞台は臨海副都心から羽田空港へと移る中、ゴジラの最期も刻一刻と迫っていく。

登場怪獣[編集]

登場人物[編集]

※ここでは『東宝SF特撮映画シリーズVOL.10 ゴジラVSデストロイア』で「主な登場人物」として掲載されている人物のみを挙げる[12]

伊集院 研作いじゅういん けんさく[13][14]
国立物理化学研究所所属の物理学者[13][14]。36歳[13][14]酸素研究の過程で偶然ミクロオキシゲンを発見・発明し、国際物理学賞を受賞したことでマスコミから注目を集め始めている。芹沢博士に心酔しており、40年前にオキシジェン・デストロイヤーによって無酸素状態となった東京湾岸周辺の地質が先カンブリア紀の謎を解くヒントになると考え、トンネル工事事故調査の際、現場の土を密かに持ち帰った。ゆかりからはその行動が「悪魔の発明」の再来につながるのではないかと危惧されるが、本人は芹沢の遺志も強く尊重し、オキシジェン・デストロイヤーの再開発にも反対の立場を貫いている。劇中ではデストロイアに襲われたゆかりを捨て身で救い、さらにゴジラとデストロイア撃退に冷凍兵器使用を提案するなど、肩書きにとどまらない活躍を見せた。
  • 特殊部隊の火器攻撃を中止させるために警告をした警官とのやりとりは第1作『ゴジラ』の山根博士のオマージュである。
山根 ゆかりやまね ゆかり[13][15]
ニュースキャスター[13][15]。28歳[13][15]。40年前のゴジラ出現の際に母と兄を喪い、山根家の養子となった大戸島の少年・新吉の娘[13][15]。歯に衣着せないストレートなスタイルを売りにしており、そのせいで自身の番組にゲスト出演していた伊集院の不興を買ってしまう。だが恵美子の依頼で、伊集院と個人的にコンタクトを取っていくこととなる。当初はミクロオキシゲンを楽観視する伊集院の言動に反発していたが、彼の誠実な内面を知るに従い、徐々に感情を変化させていく。臨海副都心でのデストロイア幼体群と特殊部隊の戦闘を生中継中、デストロイアの幼体に襲われるという壮絶な経験をする。その後も臨海副都心や報道ヘリから中継を続け、伊集院らとともに戦場に残された未希と芽留を救出した。愛車はエスクード・ノマド
山根 健吉やまね けんきち[13][16]
新吉の息子で、ゆかりの弟[13][16]。東都大学の大学生[13][16]。22歳[13][16]。ゴジラの独自研究を趣味としている青年だが、ゴジラの異常に関する卒業論文が「不真面目」として認められず留年中。その論文をアメリカのGサミットに送ったところマービンの目に留まり、国友からオブザーバーとして協力を依頼される。当初は「研究はあくまでも趣味の域に留めたい」と固辞するが、実は未希の大ファンでもあり、彼女が参加していると知るとあっさり前言を翻してGサミットに加わるなどミーハーな面を持つ。未希と対面した際は消息不明のリトルを「死んだ」と推測し、彼女と意見をぶつけ合っている。後半では地球規模の危機に接する中、ゴジラの抹殺にはデストロイアと戦わせる以外にないと訴える。
  • 監督の大河原孝夫は健吉の人物像を「今っぽい若者」としており、演じる林泰文はそれを見た目の問題ではなくサバサバした考え方や切り替えの早さと解釈している[17]。衣裳の多くは林の私服を用いている[17]
三枝 未希さえぐさ みき[13][18]
平成VSシリーズの主要人物。超能力者でサイキックセンター主任を務める[13][18]。24歳[13]。前作以後もバース島のゴジラとリトルの監視任務に就いていたため、最初にバース島消滅の事実を知ることとなる。本作品では超能力でジュニアの捜索を行うものの、見つけ出すことが出来ず、能力が低下しているのではないかと自信を失いかける一幕もあった。芽留との会話では、自らの心中を吐露する。芽留と共にテレパシーでジュニアを誘導し、ゴジラの最期を見守る。
小沢 芽留おざわ める[13][19]
未希と同様の超能力者[19]。Gサミット・アメリカ情報官[13][19]。20歳[13][19]。アメリカで能力開発訓練を受けた後、恐竜化石の発掘などへの参加を経てGサミットに加わった。未希と同様に、基本的にはゴジラとゴジラジュニアを案じているが、ゴジラのメルトダウンを避けて地球全体を救うためにジュニアをおとりにしようと提案するなどドライな一面も持ち、未希と比べると自身の超能力を快く思っていないようで、また健吉の意見に肯定的である。
  • 一部書籍などでは『ゴジラvsメカゴジラ』に登場した精神開発センターの女性職員と同一人物ではないかという言及があるが[19]、本編中では未希に対して自らの過去の経歴を語るなど、本作まで面識がなかったことをうかがわせる演出も見られる。
速見 惣一郎はやみ そういちろう[13][20]
テレビ局ディレクター[20]。45歳[13][20]。ゆかりの同僚。序盤に登場し、テレビでミクロオキシゲンの危険性を感じた恵美子からの連絡をゆかりに伝える。
南条なんじょう[21]
テレビ局カメラマン[21]。ゆかりの同僚で、ゆかりと共に怪獣たちの死闘を中継した。
上田うえだ[22]
内閣調査室室長[7][注釈 2]。Gサミットの参加メンバー[22]
岡崎おかざき[23]
陸上自衛隊陸佐[23]
村田むらた[24]
陸上自衛隊陸佐。クリーンセンターでのデストロイア攻撃臨時司令部に参加。
田山 孝夫たやま たかお[13][25]
しながわ水族館警備員[25]。深夜の警備中にデストロイアの微小体によって展示用の魚が溶解する現場に遭遇し絶叫。翌日、その監視カメラ映像を伊集院たちが検証する場に氷嚢を額に乗せながら立ち会った。
  • 演じる上田耕一は前2年、Gフォース中佐の兵藤巌役として出演していたが、今作では『ゴジラvsモスラ』以来別人役として出演。公開時には名前が設定されておらず、上田はムックのインタビューで「(Gフォースの兵藤が)モゲラの失敗でクビになったのでは?」という質問も受けている[26]
黒木 翔くろき しょう[13][7][注釈 3]
防衛庁特殊戦略作戦室室長、三等特佐。核爆発及びメルトダウンの危険性があるゴジラに対してスーパーXIIIの出動が決定したため、自ら指揮官として搭乗し[13]、6年ぶりにゴジラ攻撃の指揮を執ることとなる。
  • ゴジラvsビオランテ』では高嶋政伸が演じていたが、スケジュールの都合がつかず『ゴジラvsメカゴジラ』で主人公・青木一馬役として出演した実兄の政宏が演じている[28]
山根 恵美子やまね えみこ[13][16]
山根恭平博士(故人)の娘で、ゆかりと健吉の叔母[13][16]。62歳[13]。前半に登場し、ミクロオキシゲンにオキシジェン・デストロイヤーの危険性を重ね、さらに地球全体の危機をゴジラの核爆発から救うためにオキシジェン・デストロイヤーを使おうと提案する健吉に反対した。第1作『ゴジラ』で恋人だった尾形秀人とは結婚しておらず、独身である[注釈 4]
麻生 孝昭あそう たかあき[13][29]
Gフォース司令官[13][29]。大佐。47歳[13]。本作品では対ゴジラ作戦の主体が自衛隊に移ったことから直接の戦闘指揮には関与せず、情報分析や防災などの対応に留まっているが、ゴジラ対策への熱意は失っていない。タカ派然とした立ち振る舞いだった前2作とは異なり、戦闘エリアで孤立した未希と芽留の救出を率先して指示するなど、ヒューマニズム豊かな一面も垣間見せている。
後藤ごとう[13][30]
陸上自衛隊陸将[30]。臨海副都心・クリーンセンターに集結した冷凍レーザータンク部隊を指揮し、デストロイア攻撃に臨む。
  • 演じる神山繁は東宝映画では海軍軍人の役が多く、僅かな登場でありながら陸自の将校役を演じた本作品は特に印象に残っているという[31][出典無効]
国友 満くにとも みつる[13][32]
国連G対策センター長官[13][32]、Gサミット委員長[32]。54歳[13]。興味深い意見を持つ者と感じれば、民間人でもゴジラ対策のメンバーに招き入れる柔軟さを持ち、健吉に協力を依頼する際も自ら自宅へ赴く。東京の真ん中でゴジラとデストロイアを戦わせようという健吉の案には当初反対するが、地球全体の危機を考慮し了承する。
  • 当初は細川俊之が演じていたが、クランクイン後に急病により途中降板[17][5]。細川の出演カットを使用した特報も存在する[5]。健吉役の林によれば、国友が健吉の部屋を訪れるシーンは撮影を終えていたため、篠田への交代後にセットを組み直して撮り直された[17]

登場兵器・メカニック[編集]

架空[編集]

実在[編集]

自衛隊
警察
Gフォース
民間

設定[編集]

国連G対策センター
Gサミット
具体的な概要は、前作『ゴジラvsスペースゴジラ』のG対策協議会とほぼ同じだが、議長をG対策センターの新長官・国友が務めている。また、インターネットによるテレビ電話で海外にいるメンバーとも連絡を取りながら情報交換も行っている。
Gフォース
国立物理化学研究所
伊集院が勤務している研究機関。監視カメラの映像から写った対象の立体構造をCGで生成する「3Dスキャンシステム」などの超高性能技術を誇る設備を持つ。ここでミクロオキシゲンとデストロイアに関する解析・実験各種が行われる。
ミクロオキシゲン
伊集院が発見し研究開発を行った酸素原子を微小化したもので、酸素の性質と生物の成長促進性を有する。
反面、その分子の細かさから、物体を形作る原子の隙間に侵入し破壊する作用がある。零下183.2度で液化し、それらの性質を喪失する[注釈 5]
これをより大きく拡張したものがオキシジェン・デストロイヤーである。
伊集院はこの発明がエネルギー・食料問題を大きく改善すると考えており[注釈 6]、オキシジェン・デストロイヤーに到達寸前のところまで研究開発したと語っている。しかし、そこからオキシジェン・デストロイヤーに至るまでは容易でないとも断言している。
JBS
ゆかりや速水、南条らが勤めているテレビ局。
ニュース・ジャーナル
ゆかりがメインキャスターを務める夕方の情報番組。この番組の1コーナーで伊集院をゲストに招き、ミクロオキシゲンを取り上げた。
SUMPサンプ
Special Unit of Metropolitan Policeの略で[13]、警視庁の特殊部隊[13]。部隊内での各班の隊員は「シグマ7(セブン)」や「オメガ3(スリー)」といったギリシア文字と数字を組み合わせたコードネーム[注釈 7]を持ち、灰色の突入服とタクティカルベスト、ヘルメットを着用。アサルトライフルや手榴弾の他に、火炎放射器・ロケットランチャーと言った数多くの銃火器で武装している。
謎の生物(デストロイア幼体群)目撃の通報を受けて臨海副都心に専用車両8台で出動。幼体群が立て籠もったプレミアムビルの地下搬入口と正面西玄関から突入し、直後に遭遇した幼体群と一進一退の激しい戦闘を繰り広げた。
  • 当時この組織に相当する実在の組織が存在しなかったため[注釈 8]、架空の組織が設定されている。対怪獣における出動も想定されているためか、上述のように警察の特殊部隊としてはかなりの重武装である。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

制作[編集]

企画から製作までの経緯[編集]

以前より製作が発表されながらも延期となっていたハリウッド版『GODZILLA』が1997年に公開される見通しが立ったことから[注釈 10]、平成ゴジラシリーズ最終作として製作された[47]

当初の仮タイトルは『ゴジラ死す』で、特技監督の川北紘一はそれまでの『ゴジラVS○○』という命名法から脱却し、この作品をシリーズ最終作とする意気込みを体現するつもりであった[48][49]。その後、特報では『ゴジラ7』の仮タイトルで発表され、最終的に現在の題名となる。

監督の大森による本作品のプロットの初期案『ゴジラVSゴジラ』は、初代ゴジラの生体エネルギーが幽霊のような「ゴーストゴジラ」として出現[50][51]。ゴジラと戦い、ゴジラは倒されるが、ゴーストゴジラはジュニアによって倒される、というものだった。実体のない怪獣という面白い見せ方も考えられた。元々ゴジラのバリエーションが割と成功していたために企画されたが[要出典]、前作のスペースゴジラと前々作のメカゴジラとゴジラを冠する怪獣が続いていたうえ[52]実体のないものに感情移入はしにくいのではないかということで[要出典]不採用となっている。この脚本を持ってきたのは、川北曰くプロデューサーの富山省吾だったらしい。[要出典]

ゴジラのメルトダウンと、デストロイアに相当する新怪獣「バルバロイ[1][47]が登場する企画は、川北組助監督の岡秀樹が手掛けたものである[53][注釈 11]。川北側ではゴーストゴジラ案が没案となったことを受け、それなら「ゴジラを死なせる」ことを考え、唯一ゴジラを葬り去った兵器「オキシジェン・デストロイヤー」でも死ななかった最強の生物・デストロイアと戦わせるというプロットが生まれたという。プロデューサーの田中友幸はゴジラを死なせることに反対したが、また復活することを前提に「ゴジラ死す」という企画が認められたとのこと[出典 4]。このため、公開当時のパンフレット冒頭にある田中の挨拶文には「またゴジラは必ずスクリーンに帰ってきます」との言葉が記されている。このインタビュー記事で川北は、『ゴジラvsスペースゴジラ』でゴジラを死なせた方がいいと考えていたことも明かしている。

ゴーストゴジラ案だったころには、ゲスト怪獣としてアンギラスの登場が検討されており、デザイン画も描かれていた[56][51]。また、デストロイアがバルバロイと呼ばれていたころには、その一形態としてアンギラス型の怪獣の登場も検討されていた[56][57]

このほか、『vsバルバロイ』ではスーパーXIIIはGフォース所属で轟天号の名を冠しており、麻生司令が乗り込んで出撃するという展開であった[58][注釈 12]。さらに人類の最終兵器としてネオ・オキシジェン・デストロイヤーが登場している[58]

ゴジラvsビオランテ』から『ゴジラvsモスラ』まで監督や脚本に参加していたがそれ以降はシリーズに関わらなかった大森一樹は、ゴジラで描けることがある限りは参加すると表明しており、今回は川北と監督の大河原孝夫に口説かれ、ゴジラの死を描くことに賛同して再参加を決めた。プロットのやり取りは、大森が海外に滞在中でもFAXによって続けられた。大森は執筆中に阪神・淡路大震災に被災した経験から[47]、火災鎮火のために冷凍レーザーを考案したという。

震災により大きな被害が出ていたことから、都市を破壊する映画である本作品の製作中止も危ぶまれたが、富山は正月映画としてゴジラを提供し観客に楽しんでもらうことがプラスになると考え製作に踏み切ったと述べている[55]

撮影[編集]

シリーズ第1作『ゴジラ』へのオマージュとして、山根恭平博士の娘・山根恵美子(演じるのは第1作と同じく河内桃子)やオキシジェン・デストロイヤーの再登場以外にも、オープニングが海上を走るカット[注釈 13]臨海副都心デストロイアが出現した際に伊集院が警察官から「生命の保証はできませんので、お通しすることはできません!」と言われるシーン[注釈 14]や、それぞれ怪獣への対応を注意する点が共通している。山根博士の書斎は第1作に登場したものを再現したセットであるが、当時の図面などは残っていなかったため、映像から間取りを想定して製作した[59]。第1作で山根博士の書斎にも飾られていたステゴサウルスの骨格模型も、当時のスチールを参考として新規に製作されたものである[4][60][注釈 15]。予告編では、第1作の映像をデジタル処理でカラー化したものが使われている部分がある。富山は、河内が出演しなければ成り立たない作品であるため、早い段階で出演交渉を行ったと述べている[55]

デストロイアの幼体群と人間の戦闘シーンは、本作までのシリーズには見られなかったホラー映画のような恐怖映像に演出されており[61]、特に戦闘シーンには『エイリアン2』や『ジュラシック・パーク』などの影響が散見される。山根ゆかりが幼体に襲われるシーンは脚本にはなく、監督の大河原がヒロインが危機に陥らずに物語が進行することに疑問を感じ追加したものである[62]

VSシリーズでは初の海外ロケとなる香港でのロケが行われたが、ゴジラの登場シーンや人物は合成によるものである[59][63]。プロデューサーの富山はゴジラの海外上陸展開に慎重な意見であったが、未制作企画『ミクロスーパーバトル ゴジラvsギガモス』(1991年)の頃から海外上陸案を検討していた特技監督の川北はこれを押し切る形で実現させた[64][注釈 16]

初代の映画で時計塔を破壊されて関係が悪化した東宝と和光が和解したため[要出典]、41年ぶりにゴジラ映画に登場する。

特撮[編集]

海上シーンなどの特撮に用いられる東宝スタジオの大プールは、本年から規模が縮小された[63]。特技監督の川北紘一は、面積が減った分、機材の仕込みなどはしやすくなったが、ダイナミックな広がりはなくなったと述懐している[63]

特撮班は、6月18日から22日にかけての香港ロケでクランクインした[63]。東宝スタジオでの撮影は、7月10日から12日にかけての大プールの撮影から行われた[63]

7月13日・14日には、第10ステージでゴジラが香港を襲撃するシーンの撮影が行われた[63]。7月15日に品川でのエキストラ撮影をはさみ、7月18日から20日の第9ステージ前にオープンセットを仮設し、デストロイア完全体の出現シーンが撮影された[63]

7月21日から8月2日には、第9ステージでゴジラジュニアとデストロイア集合体が戦う天王洲アイルのシーンが撮影された[11]。VSシリーズではミニチュアセットを50分の1サイズで製作することが普通だったが、このセットは怪獣の身長に合わせて25分の1サイズで製作された[65][11]

8月7日から10日には第10ステージでスーパーXIII格納庫の撮影、8月11日から18日には第2ステージで羽田空港のシーンが撮影された[11]

8月21日から9月11日にかけては、第9ステージでお台場でのクライマックスシーンが撮影された[66]。デストロイアが自衛隊の攻撃でも倒れず、ゴジラと最後の死闘を繰り広げた末に倒された後、ゴジラも死んでいくというシーンも撮影されていた[66][注釈 17]

9月14日から19日には、大プールでゴジラとスーパーXIIIが戦うシーンが撮影された[67]。ナイトシーンだが、オープンセットであるため、撮影は夜間に行われた[67]

9月21日から27日には、第9ステージでデストロイアが臨海副都心を襲撃するシーンの撮影が行われた[67]。後方の幼体には、バンダイのソフトビニール人形が用いられた[67]

9月28日には、第9ステージでラストシーンの撮影が行われた[67]。脚本ではゴジラジュニアが新たなゴジラに変化したことが明記されていたが、映像では曖昧な表現となった[67]

9月30日には、小プールでゴジラやゴジラジュニアの出現シーンが撮影された[67]

映像ソフト[編集]

  • VHS 品番 TG4723S[68]
  • DVDは2002年8月21日発売。
    • 2005年4月22日発売の「GODZILLA FINAL BOX」に収録されている。
    • 2008年5月23日発売のトールケース版「ゴジラ DVDコレクションV」に収録されており、単品版も同時発売。
    • 2014年5月14日には「ゴジラ60周年記念版」として期間限定の廉価版が発売。
    • 2016年6月15日、東宝DVD名作セレクション版発売。
  • Blu-rayディスクは2010年1月22日発売。

漫画[編集]

ドラマパート(人間関係)は映画とは全く別の内容であり、黒木翔が主人公を務めており、青木一馬や結城晃[注釈 18]が主要人物として登場している[69]

その他[編集]

  • プロモーションは大規模に行われたが、この作品の特徴として「本編や登場怪獣の詳細を極力伏せる」という徹底的なシークレット主義を貫いていた。コピーこそ「ゴジラ死す」であり、第1作のオキシジェン・デストロイヤーが深く関わる作品であることは初期段階から語られていたが、敵怪獣デストロイアの詳細や、ゴジラジュニアの登場は公開当日まで秘密となっており、「ゴジラがいかなる最期を遂げるか」については、出演者、スタッフら関係者全員に徹底した緘口令かんこうれいが敷かれていた[49][注釈 19]。そのため、予告編もこれまでの6作と比べると劇場で流れた回数は少なめであるが、終映間近となった時期にはテレビ用の予告編ではゴジラのメルトダウンシーンが一部放送されていた。
  • デストロイアの形態に関して、完全体だけゴジラに類似する二足歩行のオーソドックスな怪獣の姿なのは、製作サイドの事情としてはスポンサーバンダイの「最終形態だけは怪獣の姿にして欲しい」という要請によるものである。バンダイは作品自体には発光する「バーニングゴジラ」の着ぐるみのための透明素材やデストロイア集合体のソフトビニール人形(群れのシーンに使われている)を大量に提供している。[要出典]
  • ゴジラシリーズとしては、『ゴジラvsモスラ』以来3年ぶりに携帯電話が劇中に登場している[70]。『vsモスラ』では上流階級を象徴する存在として扱われていたが、本作品では立場に関わらず複数の人物が使用しており、現実の普及率の増加を反映している[70]
  • タイアップイベントとして1995年12月3日に有明コロシアムにてゴジラ告別式が催された[47][71]
  • 本作でのシリーズ終了を惜しまれて、1995年度第33回ゴールデン・アロー賞で「特別賞」を贈られた。受賞者は「ゴジラ」名義。
  • 漫画『名探偵コナン』の第13巻の表紙において、臨海副都心の江東区有明周辺の自衛隊vsデストロイア(幼体)の撮影ミニチュアが掲載されているが、これは作者の青山剛昌が東宝に使用要請を行い許可が下りたためである。要請理由は、コナン作中の『大怪獣ゴメラ』(ゴジラとガメラを掛け合わせた風貌のパロディ怪獣)製作現場で発生する殺人事件と表紙を関連させるためであったとアシスタントが語っている[要出典]
  • 2017年から2018年にかけて公開されたアニメ『GODZILLA』三部作でハルオ・サカキを演じた宮野真守は子供のころに本作品の「ゴジラ死す」のキャッチフレーズに衝撃を受けたと『GODZILLA 怪獣惑星』アニメーション公式サイトで語っている[72]

関連グッズ[編集]

ヒートアップゴジラ
温めると赤く変色するミニフィギュア。全15種。
入場者プレゼントとして配布されたほか、ガシャポン商品としても販売された[71]
一部は『ゴジラvsメカゴジラ』の入場者プレゼントであった「光るゴジラ!」と同じ型を使用している[71]
2014年12月、PlayStation 3用ゲームソフト『ゴジラ -GODZILLA-』の初回特典として復刻された。
劇場オリジナル バーニングゴジラ
バンダイから発売されていたソフビ人形「ゴジラシリーズ」の仕様変更品。クリアーオレンジの成型色の上に赤い塗装を施して燃えている様を表現している[71]
以降定番となる劇場限定ソフビの先駆けとなった[71]
2005年1月にバンダイより限定発売された「ゴジラ50周年メモリアルボックス」にて、縮小サイズで復刻された(2001年12月発売のムービーモンスターシリーズ・バーニングゴジラと同型)。

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 書籍『ゴジラ画報』では、「1時間48分」と記述している[3]
  2. ^ 書籍『ゴジラ大辞典』では、「科学技術庁の科学審議員」と記述している[22]
  3. ^ 書籍『ゴジラ大辞典』では、『VSビオランテ』の黒木翔とは別に紹介している[27]
  4. ^ この理由について劇中では触れていないが、本作のパンフレットで河内が「恵美子は命をかけてオキシジェンデストロイヤーの秘密を守った芹沢博士の死に打たれて、結婚せず山根博士と花を作りながらひっそりと生きてきたんです」と語っている。
  5. ^ 厳密には液体酸素とほぼ同一の性質に変化する。
  6. ^ 平和利用の一例として酸素ボンベの小型・大容量化や金魚を用いた短期間・少量の飼料条件下での急成長・巨大化が作中、後述する『ニュース・ジャーナル』内で提示されている。
  7. ^ 各班の責任者は「○(ギリシア文字)リーダー」。
  8. ^ 特殊急襲部隊ことSAPが相当するのだが、この時期には公になっていなかった。翌1996年にSATとして正式に発足した。
  9. ^ 読売テレビアナウンサー(当時)で、後輩女性アナの植村、脇浜、徳山と共に出演。
  10. ^ 実際の公開は日米共に1998年であった。
  11. ^ 大森一樹は、バルバロイと命名したのは川北であると証言している[52]
  12. ^ 麻生を演じる中尾彬は、後に『ゴジラ FINAL WARS』で初代轟天号艦長を演じた[58]
  13. ^ 第1作でも同じようなシーンから物語が始まる。
  14. ^ ゴジラ』では山根博士がゴジラの東京上陸の際、防衛隊員に同じ台詞を言われる。
  15. ^ この模型は、2012年の時点で監督の大河原が所有している[60]
  16. ^ 富山は、川北が香港の夜景を好んでいたと証言している[55]
  17. ^ DVDの特典映像で、未公開シーンとして収録されている。
  18. ^ 『ゴジラvsスペースゴジラ』の登場人物。
  19. ^ 山根健吉役の林泰文は、ゴジラの顛末については絶対に口外しないよう指示され、林自身もマスコミに公表されるまでバーニングゴジラやデストロイアの姿を見ていなかったという[17]

出典[編集]

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  6. ^ 1996年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
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  11. ^ a b c d 平成ゴジラクロニクル 2009, pp. 202–203, 「1995 特撮メイキング」
  12. ^ 東宝SF特撮映画シリーズ 1996, p. 38.
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  72. ^ CAST / STAFF”. アニメーション映画『GODZILLA 星を喰う者』オフィシャルサイト. 2021年4月21日閲覧。

出典(リンク)[編集]

参考文献[編集]

外部リンク[編集]