UZI (SMG)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
ウージー
UZI
UZI
UZI
ウージー
UZI
種類 軍用短機関銃
製造国 イスラエルの旗 イスラエル
設計・製造 ウジエル・ガル
IMI社、IWI
仕様
口径 9mm
銃身長 264mm[1]
ライフリング 4条右回り[1]
使用弾薬 9x19mmパラベラム弾
装弾数 20・25・32・40・50発
作動方式 シンプル・ブローバック方式オープンボルト
全長 470mm[1]ストック展開時650mm[1]
重量 3,800g[1]
発射速度 600発/分[1]
銃口初速 410m/s[2]
有効射程 200m[3]
歴史 
設計年 1948年
製造期間 1950年-現在
配備先 イスラエル国防軍
テンプレートを表示

ウージーまたはウジ(ヘブライ語:עוזי英語:UZIまたはUzi)は、イスラエルIMI社(現 IWI社)製の短機関銃。戦後第一世代を代表する短機関銃である[4]

イスラエル初の国産兵器として陸軍技術少佐[5]ウジエル・ガルUziel Gal:ウジール・ガルとも)が1951年に開発させ[6]、同年に製造開始した[2]1956年第二次中東戦争で活躍した。

概要[編集]

ガルがZK476と別に参考にしたとされるVz23シリーズの1つVz25

第二次世界大戦後、パレスチナに建国したイスラエルは、敵対するアラブ諸国からキブツを防衛するため、簡単な訓練で使用できる銃火器を必要とした[4]。しかし、当時のイスラエルは工業基盤が貧弱で、高い技術力を必要とするような火器の製造はできなかった。そのため、比較的構造の単純な短機関銃を開発することにし、イスラエル陸軍兵器研究所のウジエル・ガルとそのスタッフ達[4]が設計開発を担当した。ガルが設計の際に参考にしたのは、チェコスロバキアで試作された短機関銃ZK476[7]、もしくはVz23シリーズであるとされる[8]

貧弱な工業基盤で容易に生産できるように部品点数を極力少なくし、プレス加工を多用した単純な設計となっている。操作性は良く、独特のL型構造ボルトにより3,800gと重い重量をもつが、その分、フルオート射撃の制御も容易であり[9][6]、総合的な性能は優れている。

こうして完成したUZIはイスラエル国防軍に採用されたのみならず、その優れた性能と生産性の高さから旧西側諸国で高く評価され、西側で多用される短機関銃の一つとなった。例えば旧西ドイツドイツ連邦軍に採用され、コッキングハンドルの大型化・ダストカバーの追加を行った改良型のMP2ライセンス生産された[注 1]アメリカ法執行機関でも採用され、シークレット・サービスでは要人警護用に使用され[6]レーガン大統領暗殺未遂事件の際にはエージェントがブリーフケースの中に隠し持っていた。その他、オランダベルギーデンマークなどのNATO諸国の多くの軍隊で採用され、ベルギーのFNハースタル社ではライセンス生産された。また、スペインクロアチア中国などの国ではコピー生産された。UZI自体は世界90ヶ国以上に輸出されたとされ[10]、派生型やライセンス・コピー製品を含めればおよそ1,000万挺以上が製造されたと見積もられる[10]

現在、イスラエルやヨーロッパ諸国の国軍・警察機関などにおいては、同じ9mm口径だがクローズドボルトで命中精度の高いH&K MP5にほぼ取って代わられた[注 2]。ただしUZI自体は現在でも優れた性能と信頼性を誇っており[11]、また、MP5は調達コストが高いため、現在でも中小国での運用は続いている。

開発[編集]

木製ストックつきの初期型UZI
1952年製。

アラブ諸国から武器の輸入ができないイスラエルでは、当初チェコスロバキアからの武器輸入を考えており、チェコスロバキアは試作品のZK476短機関銃の輸出案を提示した[7]。しかし、チェコスロバキアは社会主義化に伴い、ソ連のイニシアチブにより急遽イスラエル支援からアラブ諸国支援に政策を切り替えたため、イスラエルはチェコスロバキアから武器輸入が不可能となった。このため、1940年代[7]に、イスラエル陸軍兵器研究所のウジエル・ガルを中心としたチーム[4]で国産の銃器開発が始まった。

輸入できなくなったZK476だが、ガルは同短機関銃に強い影響を受けている[12]。ZK476はプレス加工を多用してレシーバーが成形されており、L型構造ボルトやグリップセイフティを持ち、マガジン挿入口がグリップと共有であるなど、後のUZIと同様の特徴を備えている。ただし、Vz23シリーズを参考にしたという見解もある[8]。設計完了後の1951年から、イスラエル・ミリタリー・インダストリーズで製造が開始された[12][2]

特徴[編集]

上:UZI、下MP40
UZIの銃身(青)後端はボルト(緑)内部に入り込んでいる
ストックを引き延ばした状態のUZI
サプレッサーを装着したUZI

発射機構にオープンボルト方式を採用した単純な構造となっており、砂や泥に強い[3]という高い信頼性を確保した上で、当時工業基盤が貧弱だったイスラエルでも大量生産できる程の生産性を実現している。生産性を向上させるため、全体的に部品数を減らし、レシーバーやグリップのフレームなどの主用部品の多くをプレス加工して製造している[4]

伝統的な円筒型レシーバーではなく、スチール版を用いた四角形の箱型レシーバーを採用している[1]。ボルトもレシーバーと同じく円筒型ではなく、四角形の箱型で、ボルト重量を前方に置くべく、銃身を包むような設計をしている[9](左画像参照)。このボルト内部に銃身後端が深く入り込む構造のボルトは「ラップアラウンド(包み込む)・ボルト」と称され[5][6]、銃の全長を短くし、フルオート射撃の制御を容易にすることができる[13]他、マガジン挿入口は自動拳銃と同様にグリップ内を利用することができる。また、Lの字を寝かせたような形状をしている[5]ことから「L型構造ボルト」[13]、さらにはボルトがテレスコープ(単眼望遠鏡)に似た伸縮動作をすることから「テレスコピック(テレスコーピング)・ボルト」とも呼ばれる[6][5]。この独特のボルトのおかげで、砂塵が内部に入りづらくなっている[6]。作動方式はブローバック方式で、オープンボルトで射撃する単純な構造を持っている[9]。ただし、オープンボルトは連射時の命中精度が低下するため、改良型では、ストライカー形式の撃発機構を組み込んだクローズドボルトとなっている仕様も存在する[9]。レシーバー上面に存在するボルトのコッキングハンドルは、ボルトから独立したセパレートタイプ[13][注 3]を採用している。

安全装置を兼ねたスライド式のセレクタースイッチがグリップ左側面にあり[13]、スイッチを前方でクリックするとフルオート、中間でセミオート、後方で安全装置がそれぞれ選択できる[13]。また、グリップを握ることで解除される安全装置(グリップセイフティ)も存在する[9][13]。グリップセイフティを押さない限り、ボルトは後退しない[2]。このほかにも、ボルトをコックする際に手が滑り、暴発することを防ぐため、コッキングセイフティも組み込まれている[13][9]。これら3つの安全装置により高い安全性を確保している。なお、コッキングセイフティについては、西ドイツ軍の要請で追加された仕様である[12]

2ヶ所が折れる折りたたみ式ストックを持ち、パイロットや車輌搭乗員にも使いやすいデザインとなっている。折りたたみ式ストックを展開するには、まず肩に当たるバットプレートを叩き、第1の関節部(ストック中間)のロックを解除する。すると、パットプレートのついたストック後端のアームが下方に折れ、そのアームをさらに下へ引くと第2の関節部(ストックの付け根)のロックが解除される。最後に後方へ引くことで引き伸ばされ、2ヶ所の関節部がロックされ、展開完了となる[2]。逆に折りたたむ場合、中央の関節部(展開時に最初にロックを解除する関節部)を前後両方から圧して折り、次に付け根の関節部(展開時に次いでロックを解除する関節部)を同じく前後から圧して折る。その後、展開時と逆手順でたたみ、ロックする[2]

初期型には銃剣を装着するための着剣装置が用意されたモデルや、対戦車グレネードを発射するライフルグレネード型のグレネードランチャーも存在する[注 4][9][12]など、短機関銃としては珍しい特徴をもっていた。その他、特殊部隊での運用を前提に、専用のサプレッサー及び亜音速弾も製造された[12]

全長は47cmとコンパクトだが、重量は3,800gと重い。しかし、その重量によりフルオート射撃中のコントロールが容易である。使用弾薬ヨーロッパで一般的な9x19mmパラベラム弾であるが、その他にも各国からの要請で.40S&W弾.45ACP弾など、9x19mm弾以外の弾薬を使用できるバリエーションも製造されている[9]。マガジンはダブル・ポジション・フィーディング式のダブルカラムマガジンで[13]、標準的な装弾数は32発だが[13]、種類により20発[10]、25発[9]、40発[9]、50発[14]がある。マガジンキャッチはグリップ左側面の下方の四角形のボタンである。

箱型レシーバー上面は蓋のように開くことが可能でボルトなどを簡単に取り外すことができ[15]、グリップ・フレームは引き金やシアといった撃発機構を維持したまま分解可能である[15]など、分解、メンテナンス、修理が容易である。

初期型では脱着式の木製ストックが装備されていたが、オランダ空軍の要請[15]で金属製に変更となり、最終的に折りたたみ式となっている。また、同じく初期型ではコッキングハンドルは比較的小型であったが[13]、操作性が悪く、大型のものへ変更された[13]

派生型[編集]

イスラエル製[編集]

ミニ UZI[編集]

ミニ UZI

イスラエル警察の要請[16]で設計された、携行性を重視して銃身を切り詰めるなどの小型化を図ったUZIの派生型。1984年完成[17]。もともと全長の短いUZIをさらに短くしているため、ボルトの後退量がかなり少なく、リコイルスプリングも強化せざるを得ないため[16]、フルオートでの連射速度が毎分950発と非常に速くなっており、フルオート射撃の制御が容易ではない。そのため、銃口上部はできる限り連射時の反動を抑えるためにガスポートが設けられている[16]。また、ストックをスチールワイヤ型へ変更している。

オプションとして、命中精度の向上を目的にオープンボルトからクローズドボルトへ変更された製品が製造されている[16]他、2005年にはボルトのコッキングハンドルをレシーバー左側面に移動させることで照準器の装着を容易にしているモデルも発表されている。


同サイズの機関拳銃の比較
日本の旗9mm機関けん銃 ロシアの旗PP-2000 スウェーデンの旗CBJ-MS アメリカ合衆国の旗M10 イスラエルの旗ミニ UZI オーストリアの旗TMP
画像 9mm機関拳銃 (8464077981).jpg Submachine gun PP2000.jpg 650cbj ms.jpg MAC10.jpg Uzi 2.jpg Steyr TMP 9mmPara 001.jpg
使用弾薬 9mmパラベラム弾 9mmパラベラム弾
.45ACP弾
9mmパラベラム弾 9mmパラベラム弾
.45ACP弾
装弾数 25発(箱形弾倉 20/44発(箱形弾倉 20・30発(箱形弾倉)
100発(ドラムマガジン
32発(9mm)
30発・40発(.45)
20発(箱形弾倉) 15・30発(箱形弾倉)
銃身 120 mm 182 mm 200 mm 146 mm 197 mm 130 mm
全長 339 mm 340 mm
555 mm(銃床展開時)
363 mm
565 mm(銃床展開時)
296 mm
548 mm(銃床展開時)
360 mm
600 mm(銃床展開時)
282 mm
重量 2.8 kg 1.5 kg 2.8 kg 2.85 kg 2.7 kg 1.3 kg
発射速度 1,185発/分 600-800発/分 700発/分 1,090発/分 950発/分 850 – 900発/分

マイクロ UZI[編集]

マイクロ UZI

ミニ UZIをさらに小型化したモデル。1984年完成[18]。小型化と同時にフルオート時の発射速度が毎分1,400発と非常に高速な仕様となったため、フルオート連射の際の制御が難しいなどの問題点がある。

主に、近接戦闘で瞬間的な火力を必要とする特殊部隊向けとして開発された[19]ストックを折りたたむと大型拳銃並みの大きさになるため、マシンピストルに分類されることもある。

近年のモデルではミニ UZIと同様コッキングハンドルが銃左側面に移り、代わりにピカティニー・レールがレシーバー上面に配置され、各種照準器の容易な装着が可能となっている。オープンボルトとクローズドボルトの二形式が存在する。

UZI ピストル[編集]
UZI ピストル

マイクロ UZIからストックを排除し、セミオート射撃のみに限定した大型拳銃[20]短機関銃が原型であるため全体的に拳銃としては大型となっているが、他方それを利用し、大口径9x19mm弾を使用するにもかかわらず単純なブローバック方式で設計されている。IMIは、VIP警護や軍特殊部隊向けとしている[20]

UZI プロ[編集]
UZI PRO

2009年に完成した、マイクロ UZIの発展型。近年製作されるピストルと同じくレシーバー下半分(グリップ・フレーム)をセンサテック(合成樹脂)で作成し、軽量化とコストダウンが図られている。 従来のマイクロ UZIの問題点であった反動低減の改善を図るため、銃の跳ね上がりを抑制するためにミニ UZIよりも大口径コンペンセイター銃身に加工された他、グリップ・デザインはバーティカル・グリップと一体化した新規の物で、構えた時やフルオート射撃の安定さに貢献するデザインとなっている。初めからコッキングハンドルは左側面にあり、アイアンサイトは多少小型化され、非常用サイト扱いとなり、レシーバー上部と銃身の左右と下にピカティニー・レールに取り付けたドットサイトでの照準やフラッシュライトなどの装着を前提としたデザインとなっている。 作動方式はクローズドボルト・ブローバック限定で、ストックは従来のマイクロ UZI向けの品と共通である。

UZI カービン[編集]

他の変種としては16インチバレルを装備したカービンタイプ。アメリカ国内で販売するために、規制をクリアする必要があるため、本来短機関銃であるUZIのフルオート機能を省略し、16インチバレルを装備したモデルである。

諸元表[編集]

UZI ミニ UZI マイクロ UZI UZI ピストル
使用弾薬 9x19mmパラベラム弾
銃身 265mm[1] 201mm[16] 117mm[19] 115mm[20]
ライフリング 4条右回り
装弾数 20・25・32・40・50発
作動方式 シンプル・ブローバック方式
オープンボルト or クローズドボルト
発射速度 600発/分[1] 950発/分[16] 1400発/分[19] セミ・オート
重量 3,800g[1] 2,950g[16] 1,950g[19] 1,685g[18]
全長 470mm[1]
銃床展開時:650mm[1]
357mm[16]
(銃床展開時:595mm[16]
250mm[19]
(銃床展開時:460mm[19]
240mm[20]
銃口初速 410m/s[2] 350m/s[2] 300m/s[2]

非イスラエル製[編集]

FN UZI[編集]

1950年代[21]FN社がIMI社よりライセンスを得て製造を開始したUZI[21]。当時はまだイスラエルの生産能力は限定的なもので、他国への輸出は難しく、そもそもイスラエルはアラブ諸国と対立関係にあるため武器の輸入先としては選定しづらかった。この問題を解決するため、イスラエル以外の国でライセンス生産することが計画され、イスラエル国防軍がFN社製のFN FALを採用したことへの見返りとしてFN社が生産に乗り出した[21]。外見、構造ともにオリジナルのUZIとほぼ同型であるが、刻印が変更されている。

なお、折りたたみ式ストック仕様のモデルはMP2A1の名で西ドイツ軍で制式採用された[22]他、1968年から1969年にかけてCIAが実行したプロジェクト・ガンマカンボジアにて行われた越境偵察作戦)でグリーンベレーが携えていたとされ、これにはミリタリー・アーマメント社製のサプレッサーが装備されていた[23]

ベクター UZI[編集]

アメリカのベクターアームズがIMIよりライセンスを得て製造している。外見、構造ともにオリジナルのUZIとほぼ同型であるが、刻印が変更されている。ベクターアームズ社は民間向けに製造・販売しているので、ストックが無いミニ UZIとUZIをピストルモデル、ストック付きで16インチの銃身をもつミニ UZIとUZIをカービンモデルで製造・販売、また、同社はこれらのモデルのフレームがステンレス鋼のモデルも製造・販売している。また、フルオート可能な折り畳みストック付きのミニ UZIまたはUZIをショートバレルライフルの名称で製造・販売している。このショートバレルライフルにはオリジナル同様9x19mmパラベラム弾モデルとアメリカで人気がある.45ACP弾モデルの2種類存在する。同銃は民間ではフルオート銃の所持が許可された者だけが購入・所持できる。

85式[編集]

中国中国北方工業公司(ノリンコ)が製造しているUZIのコピー品[24]。UZIをそっくりそのままコピーしており、刻印を除いて大きな違いはない[24]。ただし、規格には若干の違いがあるようで、全長は466mm[24]ストック展開時651mm[24])、銃身長は264mm[24]、重量は3,700g[24]となっている。軍用モデルのほか、アメリカへの輸出のため[25]の民間仕様も存在する[24]。この民間仕様はアメリカの法規制に沿うように銃身を延長し[25]、セミオートに限定してある[25]。全長は618mm[25](ストック展開時800mm[25])、銃身長は415mm[25]、重量は3,880g[25]

なお、ノリンコが公表している名称には一貫性がなく、他にM320という名称が存在する[24][25][26]

ERO[編集]

展示されているERO

EROは、UZIをコピーしてクロアチアが国産化した短機関銃ユーゴスラビア内戦の影響もあり、クロアチアは兵器開発への関心は高く、多くの短機関銃を研究した上で、独立後に兵器統一の観点から[27]クロアチア共和国軍においてEROを制式化した。外見、構造を含め、ほとんどオリジナルと同一である[27]。異なるのは刻印のみで、レシーバー左側面後端に「ERO」と打たれている[27]

なお、EROシリーズは当初無許可のデッド・コピー品だったが、IWI(IMI)社とHSプロダクト社の間で協議を交わし、現在ではライセンス生産品扱いとなっている。

ERO ミニ[編集]

EROを小型化したモデル。イスラエルのミニ UZIとマイクロ UZIを原案に両者の中間サイズで製品化してある[27]。構造的にはマイクロ UZIと同型であるが、マイクロ UZIと比べレシーバー後端部分が延長されており[27]ストックもマイクロ UZIが左側に回転させ収納する形式に対して上方に回転させるようになっている[27]。また、トリガーガード前方にプラスチック製のフォアアームが装着してある[27]。全長は315mm[27](ストック展開時545mm[27])、銃身長は153mm[27]、重量は2,490g[27]、連射速度は毎分1,100発[27]となっている。

ツァスタバ M97[編集]

サプレッサー付きのツァスタバ M97

セルビアのツァスタバ・アームズがミニ UZIをベースに開発した短機関銃

BA-93、BA-94(MA-14)[編集]

ミャンマーは、1990年代初頭にイスラエルからの許可を得て、国内の軍需工場においてUZIの生産を行なっている。

ミャンマー製のUZIは、BA-93およびBA-94(国名をビルマからミャンマーに改名した際にMA-14に変更)の2タイプが存在しているが、性能に差はほとんど無いといわれる。いずれも、機構が簡略化されている他、初期型と同じ大型の銃床(BA-94は樹脂製?)が取り付けられているのが特徴である。

主にミャンマー軍および警察で使用されている。

TL-K12[編集]

ベトナムが、マイクロUZIをコピーして生産したモデル。サイレンサーが標準装備されている。

構造的およびおおまかな外見はマイクロUZIと変わらないが、コッキングハンドルが左側面にとりつけられ、レシーバー上部と銃身の下に独自のアタッチメント(ピカティニーレール)を備えており、ダットサイトやフラッシュライトの使用に対応しているなど、UZIプロに似た特徴も持っている。

UZIの影響を受けた短機関銃[編集]

ソシミ・タイプ821
ソシミ・タイプ821
イタリアのソシミ(Socimi)社が開発、フランキ社が製造していた短機関銃。UZIに大きな影響を受けており、デザインにもそれがうかがえるが、重量が2,650gと軽量である。現在、製造は中止となっている。


スター・モデル Z84
スペインのスター社が1984年に発表した短機関銃スペイン軍特殊部隊や警察に採用され、海外への輸出も行われていた。UZIに大きな影響を受けており、メカニズム的に共通点が多い。なお、UZI以外にもイングラムM10の影響も受けている。現在、メーカーの倒産に伴い製造されていない。
ルガーMP9
アメリカスターム・ルガー社が警察特殊部隊向けに開発した短機関銃。設計はUZIの設計者であるウジエル・ガル本人が担当したため、構造的にUZIと類似している。

採用国[編集]

UZIはおよそ90ヶ国以上に輸出され、数多くの軍・警察などの国家機関で採用された。以下、派生型を含めUZIを採用しているもしくは採用していた国を挙げる。

なお、日本では自衛隊もしくは都道府県警察において公式にUZIを採用した例はないが、今上天皇(徳仁親王)が皇太子時代にイスラエルを訪問した際にはイスラエル側からUZIが贈呈され、土浦の陸上自衛隊武器学校、継いで陸上自衛隊富士学校にて保管されている。


登場作品[編集]

"fake Uzis"[編集]

映像作品でUZIを登場させたい場合に、ステージガンとするための実物の入手が困難、もしくは必要とする数量を準備できない場合、イングラムM10をベースにUZI風の外装を追加し、一見UZIであるかのようにデコレーションを施したステージガンが用いられることがある。それらのM10改造UZIは"fake Uzis"または"MAC-Uzis"と呼ばれ、日本では後述のトイガン改造のステージガンも含めて「イングラウージー(UZI)」 (INGRAM + UZI)「ウジグラム」 (UZI + inGRAM)と通称される。

実銃の調達が難しかった1970-1980年代のアメリカ映画に多く登場しており、『戦争の犬たち』『特攻野郎Aチーム』(TV版)等の作品で見ることができる。日本でも遊戯銃メーカーのMGCの製造・発売したイングラムM10のモデルガンをベースに製作されたステージガンがあり、『あぶない刑事』に登場したものが有名である。

このようなUZI風改装ステージガンは、一見してM10であるとわかってしまうものから、アップにならなければ判別が難しいものまで各種が存在しているが、いずれも発砲シーンではコッキングハンドルが前後動している(UZIは動かない)ので、その点で判別できる。

なお、"fake UZIs"に限らず、実銃改造のステージガンが使用できる国であっても入手が困難な銃を別のステージガンを改造して製作する例(ブローニングM2重機関銃を改装してソビエトのDShK38重機関銃("Dash-K")を製作したものが著名)があり、実銃改造のステージガンを使用することが法律的に不可能な日本では、発火性能の高いモデルガンは別のトイガンの外装を被せられて異なる銃としてステージガン化されることが多い。

脚注・出典[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ただし西ドイツ軍のUZI採用の要因には、ユダヤ人国家であるイスラエルに対して、ユダヤ人を排他したナチス・ドイツとの関係を払拭したと示す、政治的な意図が含まれている
  2. ^ クロアチアなどの一部を除き、現在はヨーロッパの多くの国軍で制式から外れており、本国イスラエルでもフルサイズのモデルは運用されていない
  3. ^ このため、射撃中にコッキングハンドルが前後に動くことはない
  4. ^ しかし、このライフル・グレネードは拳銃用空砲で発射するため命中精度、射程ともに劣っており、実用性はなかった

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l 床井雅美 サブ・マシンガン図鑑 p27
  2. ^ a b c d e f g h i 月刊GUN 1989年5月号 pp12~23
  3. ^ a b 坂本明『世界の軍用銃』文林堂 ISBN 4893191403 p157
  4. ^ a b c d e 床井雅美 サブ・マシンガン図鑑 p26
  5. ^ a b c d 小林宏明 銃器用語事典 pp33,34
  6. ^ a b c d e f 小林宏明 他 世界の銃パーフェクトバイブル p26
  7. ^ a b c 床井雅美 サブ・マシンガン図鑑 p32
  8. ^ a b Hogg, Ian V. (1979). Guns and How They Work. New York: Everest House. p. 157. ISBN 0-89696-023-4.
  9. ^ a b c d e f g h i j 床井雅美 軍用銃事典 pp206,207
  10. ^ a b c ヒュー・マクマナーズ『特殊部隊』朝日新聞社 ISBN 4022500344 p157
  11. ^ 大波篤司『図解 ハンドウェポン』新紀元社 ISBN 9784775304327 p162
  12. ^ a b c d e 床井雅美 サブ・マシンガン図鑑 p33
  13. ^ a b c d e f g h i j k 床井サブ・マシンガン図鑑 p28
  14. ^ http://www.ifatactical.com/page/1002466
  15. ^ a b c 床井雅美 サブ・マシンガン図鑑 p29
  16. ^ a b c d e f g h i 床井雅美 サブ・マシンガン図鑑 p202
  17. ^ オートマチック・ファイア・アームズ p268
  18. ^ a b オートマチック・ファイア・アームズ p269
  19. ^ a b c d e f 床井雅美 サブ・マシンガン図鑑 p203
  20. ^ a b c d 床井雅美 現代軍用ピストル図鑑 p218
  21. ^ a b c 床井雅美 サブ・マシンガン図鑑 p94
  22. ^ オートマチック・ファイア・アームズ p267
  23. ^ 床井雅美 アンダーグラウンド・ウェポン p41
  24. ^ a b c d e f g h 床井雅美 サブ・マシンガン図鑑 p109
  25. ^ a b c d e f g h 床井雅美 アンダーグラウンド・ウェポン pp60,61
  26. ^ Department oF the Treasury Study on the Sporting Suitability oF ModiFied Semiautomatic Assault RiFles (4-98)
  27. ^ a b c d e f g h i j k l 床井雅美 サブ・マシンガン図鑑 pp131,132
  28. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au Jones, Richard D. (ed.); Ness, Leland S. (ed.) (27 January 2009). Jane's Infantry Weapons 2009–2010 (35th ed.). Coulsdon, Surry: Jane's Information Group. p. 117. ISBN 978-0710628695. OCLC 268790196. http://www.amazon.com/dp/0710628692#reader_0710628692 2011年1月7日閲覧。 
  29. ^ a b c d e f Cadiou, Yves L.; Richard, Alphonse (1977). Modern Firearms. London: Routledge & Kegan Paul. pp. 86–93. ISBN 978-0710084248 
  30. ^ McCulloch, Jude (2001). Blue Army: Paramilitary Policing in Australia. Carlton South, Vic.: Melbourne University Press. p. 66. ISBN 0522849601. OCLC 48129650. http://books.google.com.au/books?id=SPx9RnItfFYC&lpg=PR1&dq=0522849601&pg=PA66#v=twopage&q=uzi&f=false 2011年1月7日閲覧。 
  31. ^ Uzi Submachine Gun”. BDMilitary.com. Defenceview Group. 2011年1月7日閲覧。
  32. ^ a b c d e f Miller, David (2001). The Illustrated Directory of 20th Century Guns. London: Salamander Books. pp. 391–393. ISBN 1840652454. OCLC 59522369. http://www.amazon.com//dp/1840652454#reader_1840652454 2011年1月7日閲覧。 
  33. ^ UZI”. www.mil.be. Belgische Defensie. 2011年1月7日閲覧。
  34. ^ a b c d e f Diez, Octavio (2000). Hand Guns. Barcelona: Lema Publications. ISBN 8484630137. OCLC 44059526. http://books.google.com/books?id=e8vcKLkEfcMC 
  35. ^ Submachine Gun Type "Ero" cal. 9x19mm > Alan Agency > Product Catalogue”. Aalan.hr. 2009年10月22日閲覧。
  36. ^ Eesti Kaitsevägi — Tehnika — Püstolkuulipilduja Mini UZI”. Mil.ee. 2009年6月9日閲覧。
  37. ^ Unnithan, Sandeep (2008年8月22日). “If Looks Could Kill”. India Today (Online). 2009年4月4日閲覧。
  38. ^ “Commuter-belt garda squad to carry new armour-piercing submachine gun”. Irish Independent. (2009年8月30日). http://www.independent.ie/national-news/commuterbelt-garda-squad-to-carry-new-armourpiercing-submachine-gun-bertie-to-launch-journalists-memoir-widow-of-fianna-fails-neil-blaney-dies-declan-lynch-for-electric-picnic-talk-retirement-group-hosts-alan-stanford-funeral-of-fashion-editors-mother-1873265.html 2010年1月31日閲覧。 
  39. ^ Meyr, Eitan (1999年1月6日). “Special Weapons for Counter-terrorist Units”. Jane's — Law Enforcement. 2008年3月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月22日閲覧。
  40. ^ Italian Ministry of Interior - Decree n° 559/A/1/ORG/DIP.GP/14 of March 6, 2009, concerning weapons and equipments in use with the Italian National Police - in Italian Retrieved on August 25, 2010.
  41. ^ Pistoletas - kulkosvaidis UZI”. LR Krašto apsaugos ministerija (2009年12月11日). 2011年1月7日閲覧。
  42. ^ http://www.exercito.pt/meios/Documents/media_MeiosOp/Armamento/UZI%209mm.pdf
  43. ^ IMI Uzi Submachine gun”. www.Military-Today.com. ARG. 2011年4月27日閲覧。 “It was license-produced in ... Rhodesia (now Zimbabwe).”
  44. ^ Politia Militara”. Ministerul Apararii Nationale. 2010年2月15日閲覧。
  45. ^ Improvement, Modernization and Development for Special Operation Weapons (Cải tiến, hiện đại hóa, phát triển vũ khí đặc công, in Vietnamese) Archived 2012-03-08 at the Wayback Machine.
  46. ^ Long, Duncan (1989). Terrifying Three: Uzi, Ingram and Intratec Weapons Families. Boulder, Colo.: Paladin Press. pp. 25–31. ISBN 978-0873645232. OCLC 21678853 

参考文献[編集]

  • 小林宏明、野木恵一、白石光、他『図説 世界の銃 パーフェクトバイブル3』学習研究社、2006年。ISBN 4056044287
  • 床井雅美『最新 サブ・マシンガン図鑑』徳間書店、2000年。ISBN 4198913420
  • 床井雅美『現代軍用ピストル図鑑』徳間書店、2002年。ISBN 4198916608
  • 床井雅美『軍用銃事典 改訂版』並木書房、2007年。ISBN 9784890632138
  • 床井雅美『アンダーグラウンド・ウェポン』日本出版、1993年。ISBN 4890483209
  • 小林宏明『図説 銃器用語事典』早川書房、2008年。ISBN 9784152089014
  • 月刊モデルグラフィックス別冊『オートマチック・ファイア・アームズ』大日本絵画、1988年。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]